説明

画像形成装置

【課題】 ディザ処理された画像データに、スムージングのための補間処理が行われると、ディザパターン中の濃度バランスの片寄りや微小ドット部分が発生し、ハーフトーンの濃度の再現性に影響が出てしまう。
【解決手段】 画像データに応じて感光体上に光ビームを走査する書込み光学ユニット28と、感光体上に走査される光ビームの走査ラインのジャギーを平滑化するための画像処理を画像データに行って書込み光学ユニット28へ出力する出力画像処理部96と、ハーフトーン画像を表す領域を認識し、ハーフトーン画像を表す領域に対応づけて、ジャギーを平滑化しないことを示す判別コードを生成し、判別コード及び画像データを画像バスを介して時分割で出力画像処理部96へ伝送する中央画像処理部95を有し、出力画像処理部96は、ジャギーを平滑化するか否かを判別コードに応じて切り替え、中央画像処理部95は、画像バスの一部のビットを使用して画像データを伝送するとき、画像データを伝送するビットを使用して判別コードを伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに応じて感光体上に光ビームを走査する走査手段を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子写真方式の画像形成装置においては、画像データに応じて射出されるレーザ光が、回転するポリゴンミラーにより反射され、感光体上を走査されることにより、画像形成が行われる。図3(b)に示されるように、ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置(図3(a))から角度θ斜めに傾いているとき、レーザ光が主走査方向に1ライン分走査される間に、レーザ光は感光体21の周方向に変動する。レーザ光は感光体21の周方向に変動すると、図4に示されるように、レーザ光が主走査方向に1ライン分走査される間に、実線402のように走査経路が湾曲してしまう。カラー画像形成装置の場合、色毎にレーザ光の走査経路が異なる場合があり、各色間の画像の位置ずれが発生し、滲んだ(シャープでない)画像となって現れる。
【0003】
感光体の周方向の変動を抑制するために、走査位置に応じて周方向の屈折率が異なる補正レンズをレーザ光の経路上に設ける手法がある。しかしながら、補正レンズの加工や補正レンズの取り付け及び調整に人件費がかかり、コスト高となってしまう。
【0004】
そこで、図5に示すように領域a及びeを走査ライン502で走査し、領域b及びdを走査ライン503で走査し、領域cを走査ライン504で走査することによって、湾曲した走査経路を理想の走査経路に近づける処理が特許文献1〜3により提案されている。
【0005】
この処理が行われたとき、図7(a)に示すように、走査ラインが切り替わる位置におけるジャギーが目立つ場合がある。そこで、図7(b)に示すように、走査ラインを切り替える前後のレーザ光をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、このジャギーを平滑化する補間処理が、特許文献4により提案されている。
【0006】
ところで、画像形成装置が画像形成を行うべき画像には、文字や線画の他、写真等のハーフトーン画像がある。画像形成装置は、ハーフトーンの画像データに対してディザ処理などを行って画像形成を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平02−050176号公報
【特許文献2】特開2003−276235号公報
【特許文献3】特開2005−304011号公報
【特許文献4】特開2003−182146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ディザ処理された画像データに、スムージングのための補間処理が行われると、図11(c)に示すように、ディザパターン中の濃度バランスの片寄りや微小ドット部分が発生する。ディザパターン中の濃度バランスの片寄りや微小ドット部分に付着するトナー量の不安定さなどにより、ハーフトーンの濃度の再現性に影響が出てしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、画像データに応じて感光体上に光ビームを走査する走査手段と、
前記走査手段により前記感光体上に走査される光ビームの走査ラインのジャギーを平滑化するための画像処理を画像データに行って前記走査手段へ出力するスムージング手段と、
画像データに基づいてハーフトーン画像を表す領域を認識し、ハーフトーン画像を表す領域に対応づけて、ジャギーを平滑化しないことを示す判別コードを生成し、前記判別コード及び前記画像データを画像バスを介して時分割で前記スムージング手段へ伝送する画像処理手段と、を有し、
前記スムージング手段は、ジャギーを平滑化するか否かを判別コードに応じて切り替え、
前記画像処理手段は、前記画像バスの一部のビットを使用して画像データを伝送するとき、画像データを伝送するビットを使用して判別コードを伝送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハーフトーン画像に対してはジャギーを平滑化する処理が行われないため、文字や線画に対してはジャギーを平滑化しつつ、ハーフトーン画像の濃度の再現性に影響を与えることがない。そして、ハーフトーン画像に対して平滑化しないことを示す判定コードと画像データとを対応付けて画像バスを介してデータ転送するので、画像バスの構成に依存することがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態にかかる電子写真方式の画像形成装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】書き込み光学ユニット28の構成を示す図である。
【図3】ポリゴンミラー283bの回転軸283cが斜めになったときのレーザ光の光路を説明する図である。
【図4】感光体21に照射されるレーザ光の主走査方向の経路(軌道)を示す図である。
【図5】デジタルレジストレーションを説明する図である。
【図6】走査ラインの湾曲の度合を検知するための構成を示す。
【図7】デジタルレジストレーションにより発生するジャギーを平滑化する補間処理を説明するための図である。
【図8】デジタルレジストレーションを含む画像処理を行う画像処理部のブロック図である。
【図9】出力画像処理部96のブロック図である。
【図10】補正量演算部104の詳細動作を説明する図である。
【図11】ディザ処理された画像データに対して補間処理が行われたときの様子を説明する図である。
【図12】中央画像処理部95が出力画像処理部96へ判定コード及び画像データを出力するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図13】補正量演算部104のブロック構成図である。
【図14】中央画像処理部95が出力画像処理部96へ判定コード及び4階調(2ビット)の画像データを出力するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図15】中央画像処理部95が出力画像処理部96へ2048領域分の判定コード及び画像データを出力するタイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる電子写真方式の画像形成装置の概略的な構成を示す図である。まず、図1を用いて、カラー画像読み取り装置(カラースキャナー)1及びカラー画像記録装置(カラープリンター)2の概略について説明する。
【0014】
カラースキャナー1は、原稿13の画像を照明ランプ14、ミラー群15A、15B、15C、及びレンズ16を介してカラーセンサー17に結像する。原稿のカラー画像情報は、色成分毎(ブルー(B)、グリーン(G)、レッド(R))に読み取られ、電気的な画像信号に変換される。
【0015】
カラースキャナー1で得られたB、G、Rの色成分毎の画像信号強度レベルをもとにして、画像処理部(不図示)でブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のカラー画像データに変換される。M,Y、C、Kのカラー画像データは、カラープリンター2に送られる。
【0016】
カラープリンター2では、書き込み光学ユニット28M(マゼンタ用)、28Y(イエロー用)、28C(シアン用)、28K(ブラック用)は、カラースキャナー1からのカラー画像データ(M,Y,C,K)に応じたレーザ光を射出する。これにより、書き込み光学ユニット28M、28Y、28C、28Kは、各色に対応して設けられた感光体21M(マゼンタ用)、21Y(イエロー用)、21C(シアン用)、21K(ブラック用)に静電潜像を形成する。
【0017】
感光体21M、21Y、21C、21Kは、矢印方向に回転し、その周りには各々に、各色に対応して設けられた帯電器27M(マゼンタ用)、27Y(イエロー用)、27C(シアン用)、27K(ブラック用)が配置されている。現像器213M、現像器213C、現像器213Y、現像器213Kは、感光体21M、21Y、21C、21Kと、それぞれ接するよう配置される。各現像器は、静電潜像を現像するために現像剤を感光体の表面に接触させる現像スリーブと、現像剤を供給・撹拌するために回転する現像パドルなどで構成されている。
【0018】
転写バイアスブレード217M、217Y、217C、217Kは、中間転写ベルト22を挟んで感光体21M、21C、21Y、21Kと対向する位置に配置されている。中間転写ベルト22は、不図示の駆動モータで回転駆動する駆動ローラ220と、従動ローラ219、237とに、張架されている。
【0019】
また、転写バイアスローラ221は、中間転写ベルト22を挟んで従動ローラ219に対向する位置に配置されており、中間転写ベルト22に対して離接可能に駆動する離接機構が設けられている。中間転写ベルト22を挟み、従動ローラ237に対向する所定位置に、ベルトクリーニングユニット222が設けられている。
【0020】
ベルトクリーニングユニット222は、プリントスタートから最終色の画像後端部のベルト転写が終了するまではベルト面から離間されている。そして、その後の所定のタイミングで、接離機構(図示しない)によってベルトクリーニングユニット222がベルト面に接触されて、中間転写ベルト22の表面のクリーニングが行われる。
【0021】
カラープリンター2において、まず、マゼンタ(M)から画像形成が開始される。その後、中間転写ベルト22の回転速度と、感光体21Mと感光体21Cとの距離から算出されるタイミングでシアンの画像形成が開始される。次に、中間転写ベルト22の回転速度と、感光体21Cと感光体21Yとの距離から算出されるタイミングでイエローの画像形成が開始される。次に中間転写ベルト22の回転速度と、感光体21Yと感光体21Kの位置との距離から算出されるタイミングでブラックの画像形成が開始される。
【0022】
以下、マゼンタ(M)の画像形成について説明する。他の色の画像形成についてもマゼンタと同様である。感光体21Mに対するレーザの露光が開始されると、マゼンタ(M)の潜像を現像すべく、現像器213Mの現像スリーブが回転し、現像器213Mに現像バイアスが印加される。感光体21M上に形成されたマゼンタのトナー像(第1画像)は、転写バイアスブレード217Mにより中間転写ベルト22へ転写され、中間転写ベルト22上に保持される。これらの一連の動作が他のイエロー、シアン、ブラックの各ユニットにおいても順次行われ、各色のトナー像が重ね合わされたフルカラーのトナー像が中間転写ベルト22上に形成される。
【0023】
中間転写ベルト22上にフルカラーのトナー画像が形成された後、転写バイアスローラ221は中間転写ベルトに接する位置に離接機構により移動させられる。
【0024】
また、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト22上に形成される前の所定のタイミングで、記録紙は、カセット223から給紙ローラ224、搬送ローラ226、227、228を経由して搬送される。レジストレーションローラ225の位置で記録紙は待機状態となる。転写バイアスローラ221が中間転写ベルト22に接すると、中間転写ベルト22上のトナー像が記録紙に転写されるように、レジストレーションローラ225が回転を開始して、待機状態となっていた記録紙を転写バイアスローラ221へと搬送する。転写バイアスローラ221には、所定の転写バイアスが印加されており、これにより中間転写ベルト22上のトナー像が記録紙に転写される。
【0025】
以上のようにトナー像が転写された記録紙は定着装置25に搬送され、所定温度にコントロールされた上下の定着ローラによってトナー像が融解し、記録紙に定着される。
【0026】
なお、記録紙へ転写後の中間転写ベルト22はベルトクリーニングユニット222によりその表面がクリーニングされ、一連の画像形成動作が終了する。
【0027】
次に、図2を参照して書き込み光学ユニット28の構成を説明する。図2(a)は、書き込み光学ユニット28の構成の側面図(xz平面)であり、図2(b)は、書き込み光学ユニット28の構成の平面図(xy平面)である。発光素子アレー281は、4つの発光素子を有し、画像データに応じて4ライン分のレーザ光を射出する。発光素子アレー281は、レーザ光以外の光ビームを射出するものでもよい。発光素子アレー281から射出されたレーザ光は、レンズ282を介して、ポリゴンミラー283bの各面に照射される。ポリゴンミラー283bは、ポリゴンモーター283aにより回転駆動され、発光素子アレー281からのレーザ光を偏向する。ポリゴンミラー283bにより偏向されたレーザ光は、所定時間間隔でBD(Beam Detect)検知素子286に入射する。BD検知素子286はレーザ光を検知するごとにBD信号を出力する。このBD信号は、各走査ラインの露光開始のトリガーとして用いられる。
【0028】
また、ポリゴンミラー283bにより偏向されたレーザ光は、Fθレンズ284及び平面ミラー285を介して感光体21に照射される。このようにして、レーザ光が感光体上に走査され、感光体上に潜像が形成される。
【0029】
次に、書き込み光学ユニット28における光学部材の位置ずれや変形によって生じる走査ラインの湾曲について説明する。図3は、ポリゴンミラー283bの回転軸283cが斜めになったときのレーザ光の光路を説明する図である。図3は、説明のため、簡略化かつ誇張して図示されている。図3(a)は、ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置にあるときのレーザ光の光路を示す。図3(b)は、ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置から角度θ斜めに傾いているときのレーザ光の光路を示す。図3(c)は、ポリゴンミラー283bの平面図である。
【0030】
図3(c)を見てわかるように、ポリゴンミラー283bの反射面の位置は、ポリゴンミラー283bの回転に伴って、回転軸283cから見て距離aから距離bの間で移動する。ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置にあるとき、図3(a)に示すように、回転軸283cから見て距離aの反射面で反射されても、回転軸283cから見て距離bの反射面で反射されても、レーザ光の光路は同じ平面内に存在する。しかし、ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置から角度θ斜めに傾いているときは、図3(b)に示すようになる。この場合、回転軸283cから見て距離aの反射面で反射されたレーザ光の光路と、回転軸283cから見て距離bの反射面で反射されたレーザ光の光路は互いに異なる平面内に存在する。すなわち、レーザ光が主走査方向に1ライン分走査される間に、レーザ光は感光体21の周方向に変動する。
【0031】
図4は、感光体21に照射されるレーザ光の主走査方向の経路(軌道)を示す図である。点線401は、ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置にあるときのレーザ光の理想的な走査経路を示し、実線402は、ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置から斜めに傾いているときのレーザ光の走査経路を示している。ポリゴンミラー283bの回転軸283cが理想的な位置から斜めに傾いているとき、レーザ光が主走査方向に1ライン分走査される間に、レーザ光は感光体21の周方向に変動するので、実線402のように走査経路が湾曲してしまう。すなわち、レーザ光の走査ラインに歪みが生じてしまう。レーザ光の走査ラインの歪みは、ポリゴンミラーの回転軸の傾きの他に、書き込み光学ユニット28の光学部材(レンズやミラー等)の位置ずれや変形によって生じる。また、レーザ光の走査ラインの歪みには、レーザ光の走査ラインの湾曲以外に走査ラインの傾きがある。
【0032】
そこで、この走査ラインの湾曲をデジタルレジストレーションにより補正する。図5は、デジタルレジストレーションを説明する図である。デジタルレジストレーションとは、図5に示すように、領域a及びeを走査ライン502で走査し、領域b及びdを走査ライン503で走査し、領域cを走査ライン504で走査することによって、湾曲した走査経路を理想の走査経路に近づける処理である。主走査方向の複数の領域(a〜e)は、走査ラインの湾曲の度合に応じて決定される。この処理は、後述する出力画像処理部96によって、走査ラインの湾曲の度合に応じて、画像データを主走査領域(a〜e)毎に走査ライン単位でシフトさせることにより実現される。このようにして、レーザ光の走査ラインの湾曲が補正される。レーザ光の走査ラインの傾きもデジタルレジストレーションにより補正可能である。
【0033】
図6は、走査ラインの湾曲の度合を検知するための構成を示す。図1及び図6に示すように、画像形成装置は、中間転写ベルト22上に形成されたパッチ601a〜cを検知するパッチ検知センサ240a〜cを有している。前述した画像形成方法により、中間転写ベルト22上に3つのパッチ601a〜cが形成される。パッチ601a〜cは、理想の走査経路で走査されたときに、走査ライン上に並ぶように形成される。パッチ601a〜cがパッチ検知センサ240a〜cによりそれぞれ検知されるタイミングの差から走査ラインの湾曲の度合がもとめられる。このようにして、レーザ光の走査ラインの歪みが検知される。レーザ光の走査ラインの歪みの検知結果は、補正情報として湾曲特性メモリ106に格納される。
【0034】
図7は、デジタルレジストレーションにより発生するジャギーを平滑化(スムージング)する補間処理を説明するための図である。図7は、感光体21に照射されるレーザ光が形成する各ドットを模式的に示している。図7に示される各四角形は、1ドットを表している。図7(a)は、上述した1走査ライン単位のデジタルレジストレーションが行われたときに感光体21上に形成されるドットを示す。図7(a)に示すように、走査ラインが切り替わる位置におけるジャギーが目立つ場合がある。
【0035】
そこで、図7(b)に示すように、走査ラインを切り替える前後のレーザ光をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、このジャギーを目立たなくさせる。図7(b)は、1ドットあたり1/7の分解能でPWM制御した場合の様子を示している。図7の四角形の内側に記載された数字は、それぞれのドットを形成する際のレーザ光のデューティを示しており、数字が2であれば、デューティが2/7、数字が7であればフルデューティであることを示している。図示されているように、1ライン目のある主走査位置のデューティ(例えば、2/7)と2ライン目の同一主走査位置のデューティ(例えば、5/7)を加算すると、フルデューティ(7/7)となるようにPWM制御される。この処理は、後述する出力画像処理部96によって、走査ラインの湾曲の度合に応じて、後述するジャギー部分の補間処理を行うことにより実現される。この補間処理後の画像データに基づいて、レーザ光のPWM制御が行われる。このように、ジャギーを平滑化する画像処理が画像データに行われる。
【0036】
次に、上述したデジタルレジストレーションを含む画像処理を行う画像処理部について図8のブロック図を参照して説明する。読取画像処理部91は、カラースキャナー1から読み取られた画像信号に対して、読取デバイスに依存したシェーディング補正などの画像処理を施した画像データを中央画像処理部95に渡す。
【0037】
中央画像処理部95は、画像メモリ94に画像データを格納し、感光体が配置されている距離に応じたタイミングで、画像データを画像メモリ94から読みだし、出力画像処理部96に画像データを渡す。中央画像処理部95は、上述した1走査ライン単位のデジタルレジストレーションのための画像処理を行う。中央画像処理部95は、外部インターフェース93を介して、電話回線、ネットワークなどを介して外部機器と画像データの送受信が可能である。
【0038】
受信した画像データがPDL(Page Description Language)の場合、PDL処理部92が出力画像処理部96で処理が可能な画像データに展開する。
【0039】
中央画像処理部95は、画素毎のRGB画像データをトナーの色であるYMCKの画像データに変換する色変換処理を行う。また、中央画像処理部95は、自然画などのハーフトーン画像であると認識した場合、色変換処理されたハーフトーン画像領域の画像データに対し、網点ハーフトーニングやディザ処理等のハーフトーン処理を行うことにより、ハーフトーン画像の再現性を高める。
【0040】
出力画像処理部96(96Y,M,C,K)は、画像データに応じたレーザ光を書き込み光学ユニット28に射出させる。出力画像処理部96は、書き込み光学ユニット28を制御する際、上述したデジタルレジストレーションによるジャギーを平滑化するためのPWM制御を行う。図9は、出力画像処理部96のブロック図であり、出力画像処理部96Y,M,C,Kは、それぞれ同一の構成を有する。出力画像処理部96Y,M,C,Kは、それぞれ独立してデジタルレジストレーションを行うことで、それぞれの書き込み光学ユニット28Y,M,C,Kに対応したデジタルレジストレーションが行われ、その結果、各色間の位置ずれを低減することができる。
【0041】
出力画像処理部96は、上述したデジタルレジストレーション処理と補間処理を行う。ラインバッファ101は、ライン単位のデジタルレジストレーションを行うために、主走査方向1ライン分のラインデータをnライン分(本実施形態では4ライン以上)格納する。図5を用いて説明したように、ラインバッファ101に保持された複数のラインデータのうち、湾曲度合に応じたラインデータがラインセレクタ102により選択されることにより、デジタルレジストレーションが行われる。ラインバッファ101は、1ライン分のラインデータが転送されるごとに、転送されたラインデータを保持するとともに、ラインバッファ101内に既に保持されているラインデータをライン単位でシフトして、最も古いラインデータを削除する。このように、ラインバッファ101には、常にデジタルレジストレーションに必要なラインデータが保持される。
【0042】
ラインセレクタ102は、前述した補間処理を行うため、ラインバッファ101に保持された複数ラインのデータのうち、湾曲度合に応じた2ライン分のラインデータを選択する。具体的には、ラインセレクタ102は、補正量演算部104の演算結果に応じて、デジタルレジストレーションのためにラインシフトされる前後の2ライン分のラインデータを選択する。ラインセレクタ102により選択される2ライン分のラインデータは、主走査方向の位置に応じて異なり得る。ラインセレクタ102は、選択された2ライン分のラインデータを補間演算部103に出力する。このようにして、レーザ光の走査ラインの湾曲が補正される。本実施形態では、レーザ光の走査ラインの湾曲の補正を出力画像処理部96が行ったが、中央画像処理部95が行ってもよい。この場合、湾曲特性メモリ106に格納された補正情報(補正位置と補正量)は中央画像処理部95へ伝送され、中央画像処理部95は補正情報に基づいて、レーザ光の走査ラインの湾曲の補正のための画像処理を行う。
【0043】
補間演算部103は、補正量演算部104の演算結果に応じて、ラインセレクタ102から出力された2ライン分のラインデータの補間処理を行う。
【0044】
ここで、補正量演算部104は、走査ラインの湾曲度合に応じたデジタルレジストレーション及び補間処理の補正量を演算し、それぞれの補正量をラインセレクタ102及び補間演算部103へ出力する。走査ラインの湾曲度合は、湾曲特性メモリ106に補正情報として格納されている。補正情報には、補正すべき主走査方向の補正位置、及び、各補正位置における補正量(主走査方向と直交する副走査方向の補正量)が含まれる。この補正情報は、画像形成装置の初期動作時など所定のタイミングにおいて、CPU961が前述した走査ラインの湾曲度合の検知処理を実行することにより生成され、CPU961により湾曲特性メモリ106に格納されたものである。
【0045】
補正量演算部104は、湾曲特性メモリ106から、補正情報(補正位置と補正量)を読み出す。補正量演算部104は、主走査カウンタ105からの出力(主走査方向の位置情報)に応じて、1走査ライン内におけるレーザ光の照射位置を把握する。補正量演算部104は、主走査方向の位置に応じたデジタルレジストレーションの補正量の演算(選択すべきラインの選択)及び補間処理の補間係数の演算を行う。
【0046】
図10は、補正量演算部104の詳細動作を説明する図である。画素IDは、1ラインの先頭から順に1、2、3、・・・として管理する。補正量の数値は、湾曲特性メモリ106から読み出した数値である。補正量の数値は、主走査方向の理想的な走査ラインの走査経路(基準走査経路)に、実際の走査ラインの走査経路(軌道)を合わせるための量を示す。補正量が1のとき、1ライン分の補正を意味する。補正量の数値の整数部は、ラインバッファ101に保持された複数のラインデータのうちの選択すべきライン(第1セレクトライン)を示す。もう1つの選択すべきライン(第2セレクトライン)は、補正量の数値の整数部に1を加算した数値により示される。補正量の数値の小数部は、補間処理における補間係数を示す。
【0047】
補間演算部103は、補正量演算部104から出力された補間係数をαとしたとき、次の式に基づいて補間演算を行う。
【0048】
補間演算出力=第1セレクトライン×(1−α)+第2セレクトライン×α
上述した補間処理は、文字や線画の画像データに対してデジタルレジストレーションを行ったときに生じるジャギーを平滑化するのに有効であるが、ディザ処理などのハーフトーン処理が行われた画像データに対して行うと、画質を劣化させる場合がある。図11は、ディザ処理された画像データに対して補間処理が行われたときの様子を説明する図である。図11(a)は、ハーフトーンの濃度表現するために、中央画像処理部95において3×3ドットのディザパターンによりディザ処理された画像データである。図11(b)は、走査ラインが湾曲している状態で、図11(a)に示されるディザパターンに基づいて感光体21上に形成されるドットを示す。走査ラインが湾曲している場合、出力画像処理部96において前述したデジタルレジストレーションが行われる。この場合、出力画像処理部96において補間処理も行われると、図11(c)に示すように、ディザパターンに補正係数が掛け合わされ、ディザパターン中の濃度バランスの片寄りや微小ドット部分が発生する。ディザパターン中の濃度バランスの片寄りや微小ドット部分に付着するトナー量の不安定さなどにより、ハーフトーンの濃度の再現性に影響が出てしまう。
【0049】
そこで、中央画像処理部95は、ディザ処理等のハーフトーン処理を行った画像領域を出力画像処理部96に通知する。出力画像処理部96は、ハーフトーン処理が行われていない画像領域に対しては補間処理を行い、ハーフトーン処理が行われた画像領域に対しては補間処理を行わない。すなわち、画像データに基づいてハーフトーン画像であるか否か認識し、ハーフトーン画像を表す画像データに応じてレーザ光を走査するときは、光ビームの走査ラインの平滑化を行わない。
【0050】
具体的には、中央画像処理部95は、1ラインの画像データを出力画像処理部96へ出力するのに先立って、1ラインの中で補間処理を許可する領域と禁止する領域を示す判定コードを出力する。図12は、中央画像処理部95が出力画像処理部96へ判定コード及び画像データを出力するタイミングを示すタイミングチャートである。主走査同期信号に同期して、主走査カウンタ105は主走査方向の位置情報に対応する画素数をカウントしている。中央画像処理部95は、画像バスを介して、判定コードと画像データとを時分割で出力画像処理部96に転送する。なお、画像データは4ビットデータであり、16階調表現ができる。
【0051】
1ラインの各画素に対応づけられた判定コードを出力画像処理部96へ出力するのが望ましいが、判定コードのデータ量を小さくするため、本実施形態では1ラインを512領域に分割して、各領域に対応した判定コードを出力する。判定コードは、補間処理を行うか否かを表せればよいので、1領域あたり1ビットのデータとなる。従って、512領域分の判定コードは512ビットとなる。ここで、1ラインが8192画素の場合、1ラインを512領域に分割すると、1領域あたり16画素となる。従って、この場合、16画素を1領域として、判定コードを対応付けている。判定コード0は、補間処理なしを、判定コード1は、保管処理ありを意味するものとする。
【0052】
中央画像処理部95は、ディザ処理等のハーフトーン処理を行った領域に対しては判定コード0を生成し、ハーフトーン処理を行わなかった領域に対しては判定コード1を生成し、これらの判定コードを画像データとともに画像メモリ94に格納する。なお、中央画像処理部95は、ハーフトーン処理を行ったか否かに関係なく、ハーフトーン領域に対しては判定コード0を生成し、ハーフトーンでない領域に対しては判定コード1を生成するようにしてもよい。そして、中央画像処理部95は、画像形成時、画像メモリ94に格納された判定コード及び画像データを時分割で1ラインずつ画像バスを介して出力画像処理部96へ出力する。このように、画像転送用の画像バスで判定コードが転送するため、中央画像処理部95と出力画像処理部96を繋ぐコネクタ及び接続ケーブル等のコストを削減することが可能である。
【0053】
出力画像処理部96内の判定コード入力部107は、画像バスを介して入力した判定コードを判定コードメモリ108に格納する。出力画像処理部96内の補正量演算部104は、判定コードメモリ108に格納された判定コードに基づいて、主走査1ラインの各領域に対して補間演算を行うか否か切り替える。
【0054】
図13は、補正量演算部104のブロック構成図である。補正量選択部131は、主走査カウンタ105の示すカウント値(主走査位置)に対応した補正量を湾曲特性メモリ106から読み出す。整数部抽出部132は、補正量選択部131から出力された補正量の整数部を抽出する。整数部抽出部132により抽出された整数部は、第1セレクトライン信号としてラインセレクタ102へ入力される。また、整数部抽出部132により抽出された整数部は、加算器134により1加算されて、第2セレクトライン信号としてラインセレクタ102へ入力される。
【0055】
判定コード選択部137は、主走査カウンタ105の示すカウント値(主走査位置)に対応した判定コードを判定コードメモリ108から読み出し、補間係数選択部136へ入力する。小数部選択部133は、補正量選択部131から出力された補正量の小数部を抽出する。補間係数選択部136は、判定コード選択部137から入力された判定コードに応じて、補正係数0を記憶したメモリ135からの出力、及び、小数部選択部133からの出力のいずれかを選択し、補間係数αとして補間演算部103へ入力する。補間係数選択部136は、判定コードが1のとき、小数部選択部133からの出力を選択し、判定コードが0のとき、補正係数0を記憶したメモリ135からの出力を選択する。補間係数αが0のとき、補間演算部103における補間演算出力は第1セレクトラインのみとなり、ラインセレクタ102によりデジタルレジストレーションのみが行われた画像データが出力される。
【0056】
このように、ハーフトーンの画像領域に対しては、デジタルレジストレーションのみ行って補間処理は行わないことにより、ハーフトーンの濃度再現性への影響を抑えることができる。なお、ハーフトーンの画像の場合、デジタルレジストレーションを行った際のジャギーは目立たないため、補間処理を行わなくてもジャギーの問題はほとんど生じない。また、ハーフトーン以外の文字や線画等の画像領域に対しては、デジタルレジストレーションと補間処理を行うことにより、デジタルレジストレーションにより生じるジャギーを平滑化することができる。
【0057】
(第2実施形態)
第1実施形態では、画像データが16階調のみであったが、本実施形態では、16階調(4ビット)と4階調(2ビット)の画像データのいずれかを選択できる。中央画像処理部95と出力画像処理部96の間の画像バスは、4ビットの画像データを並行して転送できる。すなわち、画像バスは、4ビット分のバス幅を有する。図14は、中央画像処理部95が出力画像処理部96へ判定コード及び4階調(2ビット)の画像データを出力するタイミングを示すタイミングチャートである。中央画像処理部95は、16階調(4ビット)の画像データを転送する場合、画像バスの4ビット全て使用するが、4階調(2ビット)の画像データを転送する場合、画像バスの一部である2ビット(0ビット目及び3ビット目)を使用する。
【0058】
そして、中央画像処理部95は、画像データを転送するビットと同じビットを使用して判定コードを転送する。判定コード入力部107は、判定コードが転送される画像バスの0ビット目及び3ビット目のみから判定コードを入力し、判定コードメモリ108に格納する。これにより、画像バスの構成に依存することなく、画像データと判定コードとを対応づけたデータ転送が可能になる。
【0059】
(第3実施形態)
第1実施形態では、1ラインを512領域に分割して、各領域に対応した判定コードを転送したが、本実施形態では、1ラインを2048領域に分割して、各領域に対応した判定コードを転送する構成について説明する。ここで、1ラインが8192画素の場合、1ラインを2048領域に分割すると、1領域あたり4画素となる。従って、この場合、4画素を1領域として、判定コードを対応付けている。2048領域分の判定コードは2048ビットとなり、第1実施形態と同様に転送するにはデータ量が大きすぎる。図14は、中央画像処理部95が出力画像処理部96へ2048領域分の判定コード及び画像データを出力するタイミングを示すタイミングチャートである。
【0060】
中央画像処理部95は、図15のラインYに関して、判定コードと画像データの全てを転送できないと判定した場合、判定コードを分割して、分割したそれぞれの判定コードを、異なるタイミングで、かつ、対応する画像データYに先立ち転送する。ラインXの画像データXの転送後から、ラインYの主走査同期信号がLowアクティブになるまでの時間T1内に、分割した判定コードBを転送する。そして、ラインYの主走査同期信号がLowアクティブになった後、判定コードCを転送し、次いで、判定コードB、Cに対応する画像データYを転送する。
【0061】
そして、画像データYの転送後から、次のラインZの主走査同期信号がLowアクティブになるまでの時間T2内に、分割した判定コードDを転送する。そして、ラインZの主走査同期信号がLowアクティブになった後、判定コードEを転送し、次いで、判定コードD、Eに対応する画像データを転送する。
【0062】
判別コードのデータ量が所定量を超えるとき、判定コードを分割して転送することにより、主走査カウンタに対する画像データのカウント開始タイミングを変更することなく、大きなデータ量の判定コードの転送が可能になる。また、転送クロックを上げずに大きなデータ量の判定コードの転送が可能になる。本実施形態は、第2実施形態と組み合せて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
21 感光体
28 光学ユニット
95 中央画像処理部
96 出力画像処理部
101 ラインバッファ
102 ラインセレクタ
103 補間演算部
104 補正演算部
105 主走査カウンタ
106 湾曲特性メモリ
107 判定コード入力部
108 判定コードメモリ
131 補正量選択部
132 整数部抽出部
133 小数部抽出部
134 加算器
135 メモリ
136 補間係数選択部
137 判定コード選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに応じて感光体上に光ビームを走査する走査手段と、
前記走査手段により前記感光体上に走査される光ビームの走査ラインのジャギーを平滑化するための画像処理を画像データに行って前記走査手段へ出力するスムージング手段と、
画像データに基づいてハーフトーン画像を表す領域を認識し、ハーフトーン画像を表す領域に対応づけて、ジャギーを平滑化しないことを示す判別コードを生成し、前記判別コード及び前記画像データを画像バスを介して時分割で前記スムージング手段へ伝送する画像処理手段と、を有し、
前記スムージング手段は、ジャギーを平滑化するか否かを判別コードに応じて切り替え、
前記画像処理手段は、前記画像バスの一部のビットを使用して画像データを伝送するとき、画像データを伝送するビットを使用して判別コードを伝送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記スムージング手段は、入力された複数ラインの画像データにジャギーを平滑化するための係数を乗じて、当該画像データを前記走査手段へ出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記走査手段により前記感光体上に走査される光ビームの走査ラインの歪みを補正する歪み補正手段を更に有し、
前記スムージング手段は、前記歪み補正手段により歪み補正されることにより生じる走査ラインのジャギーを平滑化することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記歪み補正手段は、画像データがハーフトーン画像を表すか否かにかかわらず、光ビームの走査ラインの歪みを補正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記歪みは、光ビームの走査ラインの湾曲または傾きであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記走査手段により前記感光体上に走査される光ビームの走査ラインの歪みを検知する歪み検知手段を更に有し、
前記歪み補正手段は、前記歪み検知手段の検知結果に応じて、光ビームの走査ラインの歪みを補正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記スムージング手段は、前記歪み検知手段の検知結果に応じて、光ビームの走査ラインのジャギーを平滑化することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記歪み補正手段は、入力された画像データに歪みを補正する画像処理を行って、その画像データを前記スムージング手段へ出力することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像処理手段は、判別コードのデータ量が所定量を超えるとき、判別コードを分割して伝送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像処理手段は、ハーフトーン画像を表す画像データにハーフトーン処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ハーフトーン処理は、ディザ処理であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−69865(P2010−69865A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27792(P2009−27792)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】