説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置を、大型化することなく、また、製造コストが増加することがない簡易な構造で、かつ、帯電チャージャー清掃具を確実に収容して紙端部汚れを発生しない構造とする。
【解決手段】感光体とこの感光体を帯電させる帯電チャージャーを備え、画像形成装置本体に着脱可能な感光体ユニットと、感光体ユニットの感光体にトナーを供給する現像ローラを備え、画像形成装置本体2に着脱可能な現像ユニットと、感光体ユニットの着脱を許容する退避位置と現像ユニットU2を感光体ユニットU1に圧接するロック位置に回動可能なロックレバーと、を備える画像形成装置であって、ロックレバーに、該ロックレバーが退避位置からロック位置に移動する間に、感光体ユニットを装着完了位置へ押圧して移動させる押圧部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージングユニットを感光体ユニットと現像ユニットに分割した構成をもつ複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイメージングユニットは感光体ユニットと現像ユニットが一体化していたが、現像ユニットの長寿命化を行う上で、感光体ユニットと現像ユニットを分割する必要があった。そして、分割された感光体ユニット、現像ユニットそれぞれが画像形成装置に対して所定位置に装着されるための装着手段を備える必要があった。しかし、感光体ユニット、現像ユニットそれぞれに装着手段を設けると、画像形成装置が大型化し、また、コストが増加する問題がある。
【0003】
また、感光体ユニットと現像ユニットが一体化したイメージングユニットでは、感光体ユニットの帯電チャージャーの電極を清掃する帯電チャージャー清掃具の把手を、帯電チャージャー清掃具の清掃軸の長手軸上に配置することができた。また、帯電チャージャー清掃具は、感光体ユニットの前カバーによる軸回りの位置規制と、本体前扉側による軸方向の収納補助が行われてきた。この収納補助により、帯電チャージャー清掃具に設けられた、電極を清掃する清掃部が、帯電範囲から確実に退避させられる。
【0004】
これに対し、感光体ユニットと現像ユニットを分割したイメージングユニットでは、感光体ユニットの感光体と現像ユニットの現像ローラとの位置関係が重要となり、現像ユニットを感光体ユニットに精度よく圧接する必要がある。そのため、現像ユニットの感光体ユニットへの圧接動作および感光体ユニットの長手方向への押圧動作を行うイメージングユニットロックレバーが設けられている。ここで、画像形成装置本体の大型化を抑制しつつ操作性を確保するためには、イメージングユニットロックレバーを感光体ユニットの挿入方向手前側であって、感光体ユニットに重なるように配置させることが有効となる。この場合、帯電チャージャーの清掃具の把手を、理想位置(清掃軸の長手軸上)であって、且つ、イメージングユニットロックレバーと干渉しないように配置することが困難となる。帯電チャージャー清掃具の把手とイメージングユニットロックレバーの干渉を回避するために、帯電チャージャー清掃具の把手部をクランク形状にすることが考えられるが、この場合、帯電チャージャー清掃具が清掃軸を中心に回転してしまい、感光体ユニットの前カバー位置規制範囲だけでは帯電チャージャー清掃具の姿勢を規制することができなくなる。その結果、帯電チャージャー清掃具の収納が不十分となって清掃部が帯電範囲に残り、その部分が現像不良となって紙端部汚れが発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、感光体ユニットと現像ユニットとからなるイメージングユニットを備える画像形成装置において、大型化することなく、また、製造コストが増加することがない簡易な構造で、かつ、帯電チャージャー清掃具を確実に収容して紙端部汚れを発生しない構造を有する画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明の画像形成装置は、感光体と当該感光体を帯電させるための電極を有する帯電チャージャーを備え、画像形成装置本体に着脱可能な感光体ユニットと、前記感光体ユニットの感光体にトナーを供給する現像ローラを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能な現像ユニットと、前記感光体ユニットの着脱を許容する退避位置と、前記現像ユニットを前記感光体ユニットに圧接するロック位置との間で移動可能なロックレバーと、を備える画像形成装置であって、前記ロックレバーに、当該ロックレバーが前記退避位置から前記ロック位置に移動する間に、前記感光体ユニットを装着完了位置へ押圧して移動させる押圧部を設けるようにしている。
【0007】
この構成によれば、画像形成装置のロックレバーを退避位置からロック位置に移動することにより、押圧部が感光体ユニットを押圧して画像形成装置本体の装着完了位置に移動させるとともに、現像ユニットを感光体ユニットに圧接させる。ロックレバーに圧接と押圧の両方の機能を備えさせることにより、画像形成装置を大型化させずに済み、また、製造コストを増加させずに済む。
【0008】
前記ロックレバーのロック位置は、前記感光体ユニットの着脱方向に見て前記感光体ユニットと重なる位置であって、前記感光体ユニットは、前記電極を清掃する清掃具を備え、前記清掃具は、先端に前記電極を清掃する清掃部が設けられた軸部と、前記軸部の軸心に対して平行に配置された把手軸と、前記軸部と前記把手軸とを接続する接続部とを備え、前記接続部は、前記軸部の軸心と前記把手軸の軸心とを通る面の片側である第1の側の側面に第1被ガイド部を備え、前記感光体ユニットの、前記ロックレバーが配置された側の側面に、前記清掃具の軸部が挿入され、前記接続部が係合される係合挿入口が設けられ、前記ロックレバーに、前記清掃具が前記係合挿入口へ挿入される際に前記第1被ガイド部を案内する第1ガイド部を設けることが好ましい。この構成によれば、感光体ユニットのロックレバー側の側面に設けられた係合挿入口へ清掃具を挿入する際に、挿入方向に対して軸部の軸心と把手軸の軸心とを通る面の片側である第1の側の接続部に設けた第1被ガイド部を、ロックレバーの第1ガイド部が案内する。このようにして、ロックレバーにガイド機能を備えさせ、清掃具を係合挿入口を通して感光体ユニットに確実に収容できるようにすることにより、紙端部汚れを発生させずに済む。
【0009】
前記清掃具には、前記軸部の軸心と前記把手軸の軸心とを通る平面に対して前記第1の側とは反対側の第2の側の把手軸に第2被ガイド部が設けられ、前記感光体ユニットの前記ロックレバーが配置された側の前記画像形成装置本体に、前記清掃具が前記係合挿入口へ挿入される際に前記第2被ガイド部を案内する第2ガイド部を設けることが好ましい。この構成によれば、感光体ユニットのロックレバー側の側面に設けられた係合挿入口へ清掃具を挿入する際に、挿入方向に対して軸部の軸心と把手軸の軸心とを通る面の第1の側とは反対側の第2の側の把手軸に設けた第2被ガイド部を、画像形成装置本体の第2ガイド部が案内する。このようにして、画像形成装置本体にガイド機能を備えさせ、清掃具を係合挿入口を通して感光体ユニットに確実に挿入できるようにすることにより、紙端部汚れを発生させずに済む。
【0010】
前記第2ガイド部が前記画像形成装置本体に装着された廃トナーボックスの一部であることが好ましい。この構成によれば、画像形成装置本体に装着された廃トナーボックスの一部が、清掃具の把手軸の第2被ガイド部を案内する。このようにして、画像形成装置本体に装着された廃トナーボックスの一部にガイド機能を備えさせ、清掃具を係合挿入口を通して感光体ユニットに確実に収容できるようにすることにより、紙端部汚れを発生させずに済む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ロックレバーに圧接と押圧の両方の機能を備えさせることにより、画像形成装置を大型化させずに済み、また、製造コストを増加させずに済む。
【0012】
ロックレバー、画像形成装置本体、又は、画像形成装置本体に装着された廃トナーボックスの一部にガイド機能を備えさせ、清掃具を係合挿入口を通して感光体ユニットに確実に収容できるようにすることにより、紙端部汚れを発生させずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置を示す概略図。
【図2】画像形成装置本体に装着されたイメージングユニットを示す図。
【図3】画像形成装置本体に装着した状態のイメージングユニットを示す図。
【図4】画像形成装置本体のロックレバーにより固定されるイメージングユニットを、感光体ユニット、現像ユニット、及びロックレバーそれぞれに分離した図。
【図5】ロックレバーが取り付けられたガイド部材を示す図。
【図6】ロックレバーの内部構造を示す図。
【図7】感光体ユニットの係合挿入口を示す図。
【図8】現像ユニットの現像ユニット被係合部を示す図。
【図9】清掃具を示す図。
【図10】イメージングユニットの画像形成装置本体への装着を示す図。
【図11】図11(a)及び図11(b)はロックレバーが退避位置にあり、感光体ユニットと現像ユニットとの離間状態を示す図。
【図12】図12(a)及び図12(b)はロックレバーがロック位置にあり、感光体ユニットと現像ユニットとの圧接状態を示す図。
【図13】ロックレバーの切り欠き部の手前に接続部が位置する清掃具を示す図。
【図14】第1ガイド部と第1被ガイド部とが接した状態を示す図。
【図15】廃トナーボックスが装着された画像形成装置本体を示す図。
【図16】廃トナーボックス切り欠き部の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
図1は、本発明が適用される一般的なタンデム型のフルカラー電子写真方式の画像形成装置1に関する概略図である。
【0016】
画像形成装置1には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つのイメージングユニット10Y,10M,10C,10Kが配設されている。
【0017】
各イメージングユニット10Y,10M,10C,10Kは、感光ドラム11の周囲に帯電装置(帯電チャージャー)12、現像装置14及び清掃装置15を備えている。また、画像形成装置本体2には、像露光装置13が設けられている。帯電チャージャー12には、感光ドラム11と対向する位置の感光ドラム11の長手方向の全範囲にわたって針電極(図示せず)が設けられている。なお、帯電チャージャー12に設けられる電極は針電極に限られず、ワイヤー電極であっても本願発明を適用することができる。イメージングユニット10Y,10M,10C,10Kの上方には、中間転写ベルト16が一対のローラ17に架け渡され、図示しない駆動手段により矢印方向に循環移動するようになっている。中間転写ベルト16の内側には、1次転写装置18が感光ドラム11と対向するように設けられ、また、中間転写ベルト16の外側には、一方のローラ17と対向する2次転写装置20と他方のローラ17に対向する転写ベルト清掃装置21とを備えている。さらに、イメージングユニット10Y,10M,10C,10Kの下方には、記録紙(記録媒体)22を収容した給紙カセット23を備えている。給紙カセット23から2次転写装置20を経て上面の排紙トレイ24まで記録媒体搬送路25が形成されている。給紙カセット23と2次転写装置20との間の記録媒体搬送路25には、搬送ローラ26が設けられている。2次転写装置20と排紙トレイ24との間の記録媒体搬送路25には、定着装置27が設けられ、定着装置27の排紙トレイ24側には排紙ローラ28が設けられている。イメージングユニット10Y,10M,10C,10Kの上方には、トナーボックス29が取り付けられる。イメージングユニット10Y,10M,10C,10Kの図の紙面手前側には廃トナーボックス(図示せず)が取り付けられる。
【0018】
プロセスカートリッジ10Kでは、帯電装置12によって感光ドラム11の表面を所望の電位に一様に帯電し、画像データに基づいて像露光装置13によって感光ドラム11の表面を光照射し、静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光ドラム11へ現像装置14からトナーを供給することにより現像し、感光ドラム11上にトナー像を形成する。同様に、他のプロセスカートリッジ10Y,10M,10Cのそれぞれにおいてもトナー像を形成する。現像された各トナー像は、1次転写装置18Y,18M,18C,18Kにより、中間転写ベルト16へ順次に転写される。それぞれ重ね合わされた4色トナー像は、中間転写ベルト16から、2次転写装置20によって、給紙カセット23から搬送ローラ26により搬送される記録紙22へ一括して転写される。記録紙22に転写されたトナー像が定着装置27により定着された後、記録紙22は、排紙ローラ28により排紙トレイ24へと排出される。
【0019】
1次転写装置18で転写されずに各感光ドラム11上に残ったトナーは、クリーニングブレードを含む清掃装置15Y,15M,15C,15Kにより掻き取られる。2次転写装置20で転写されずに中間転写ベルト16に残ったトナーは、クリーニングブレードを含む転写ベルト清掃装置21により掻き取られる。清掃装置15Y,15M,15C,15K及び転写ベルト清掃装置21により掻き取られたトナーは、それぞれ廃トナーボックス(図示せず)に回収される。
【0020】
各イメージングユニット10Y,10M,10C,10Kは、画像形成装置本体2にそれぞれ着脱可能な感光体ユニットU1と、現像ユニットU2に分割されている。感光体ユニットU1は、感光ドラム11、帯電チャージャー12(清掃具を含む)、像露光装置13、現像装置14及び清掃装置15で構成され、現像ユニットU2は、現像装置14のみで構成されている。
【0021】
図2は、画像形成装置本体2に装着されたイメージングユニット10Y,10M,10C,10Kを示す。図3は、画像形成装置本体2に装着した状態のイメージングユニット10を示す。後述するロックレバー31により感光体ユニットU1は装着完了位置へ押圧され、現像ユニットU2は感光体ユニットU1に圧接されている。
【0022】
図4は、画像形成装置本体2のロックレバー31により固定されるイメージングユニット10を、感光体ユニットU1、現像ユニットU2、及びロックレバー31それぞれに分離した図である。図4は、さらに感光体ユニットU1の内部に挿入して収容され、帯電チャージャー12の針電極(図示せず)を清掃する清掃具32を示す。
【0023】
図5に示すように、ロックレバー31は、画像形成装置本体2にイメージングユニット10を収容するために設けられたガイド部材35に対して回動自在な軸36の端部に取り付けられている。ロックレバー31は、操作部33、押圧部34、現像ユニット係合部48を備えている。
【0024】
図6は、ロックレバー31の内部構造を示す。操作部33は、軸36の端部が挿入され、その内径が軸36に対して軸方向に摺動できる程度に僅かに大きい円筒部37と、円筒部37の軸方向における反対側に開口を有する窪み38と、円筒部37と窪み38との間で径方向内側に延びるフランジ部39を備えている。円筒部37には、キー溝(図示せず)が設けられ、軸36に設けられたキー(図示せず)と係合するようになっている。窪み38の軸に直交する面は、後述するボルト49の頭部49aが挿入できる程度の大きさである。操作部33は、軸36と直交する方向に、手で掴んで操作できる程度に延びた形状をしている。
【0025】
図5において、押圧部34は、窪み38を正面に見たときに、操作部33の左側に隣接して設けられている。押圧部34は、円筒部37の軸方向に厚みを有している。この厚みは、後述する清掃具32の第1被ガイド部40の厚みと対応している。押圧部34には、後述するロック位置にあるときに、清掃具32を後述する感光体ユニットU1の係合挿入口41への挿入を阻止しない範囲に切り欠き部42が設けられている。切り欠き部42は、図3に示すように、ロック位置にあるロックレバー31の窪み38を正面に見たときに、両端が開いたU字型となるように形成されている。押圧部34の両端が開いたU字型の左側の端部には、切り欠き部42の厚み方向の全範囲に、切り欠き部42の内側方向へ延びる突起状の第1ガイド部53が設けられている。U字型の切り欠き部42の両端部に接する押圧部34の両端部には、それぞれ、ロックレバー31が付勢されて発生する力を接点を介して伝達するダボ43が設けられている。
【0026】
ガイド部材35は、基部44とガイドレール46とからなっている。
【0027】
基部44は、感光体ユニットU1の長手方向とほぼ同じ長さであり、上面には感光体ユニットU1を装着完了位置へ案内するガイドレール46が設けられている。ガイドレール46のロックレバー31と反対側の端部には、装着完了位置の位置決めをするストッパ47が設けられている。
【0028】
現像ユニット係合部48は、ロックレバー31の軸36のガイドレール46両端部近傍の位置に設けられている。両方の現像ユニット係合部48は、軸36と直交する方向に伸縮可能で伸長方向に図示しないばねにより付勢されている。軸36のロックレバー31が取り付けられる端部には、めねじが切られている。
【0029】
円筒部37に挿入されためねじが切られた側の軸36に、窪み38、フランジ部39の内側を通して螺合させるボルト49が設けられている。ボルト49の頭部49aとフランジ部39の間には、ばね50が設けられている。ガイド部材35は、ロックレバー31の円筒部37にめねじが切られた側の軸36が挿入され、ボルト49を、窪み38側から頭部49aとフランジ部39の間でばね50を挟むようにしてばね50とフランジ部39の内側を挿通し、ボルト49を軸36のめねじに螺合させている。これにより、ロックレバー31はばね50の付勢力に抗して軸方向に移動可能で、軸36と一体に回転するようになっている。
【0030】
図7に示すように、感光体ユニットU1の前カバーであるロックレバー31側の側面に係合挿入口41が設けられている。係合挿入口41は、後述する清掃具32の軸部32aを挿入し、後述する清掃具32の接続部32bと係合するように、長方形の短辺が凸状曲線となった形状を有している。また、係合挿入口41は、感光体ユニットU1が画像形成装置本体2に装着された状態において、鉛直方向に対して傾いた向きになるように設けられている。感光体ユニットU1のロックレバー31側の側面は、該側面を正面に見たときにロックレバー31のダボ43が移動する範囲が下方から上方に向かって手前に傾斜している。
【0031】
図8に示すように、現像ユニットU2は、ガイド部材35の現像ユニット係合部48が係合する現像ユニット被係合部51を備えている。
【0032】
清掃具32は、帯電チャージャー12の針電極(図示せず)を清掃するものであり、図9に示すように、軸部32a、接続部32b及び把手軸32cからなっている。
【0033】
軸部32aは丸棒であり、先端に清掃部32dが設けられている。清掃部32dには、フェルト(図示せず)が取り付けられており、帯電チャージャー12の針電極(図示せず)の全範囲を清掃する。清掃部32dは、接続部32bと軸部32aに対する傾斜角が同じようになっている。
【0034】
接続部32bは、軸部32aと、把手軸32cとを接続するものであり、軸部32aと直交する断面形状は、長方形の短辺部分に軸部32aの直径部分が接続された、長方形の短辺が凸状曲線となった形状である。清掃具32の係合挿入口41への挿入方向に見た場合の軸部32aの軸心と把手軸32cの軸心とを通る面の左側の接続部32bに、第1被ガイド部40が設けられている。本実施形態において、第1被ガイド部40は、前記挿入方向に対して接続部32bの左側面全体である。
【0035】
把手軸32cは、軸心が軸部32aの軸心に対して平行で、かつ、偏心した軸を備えている。把手軸32cは、接続部32bの軸部32aが接続された長方形の短辺と反対側の短辺に接続されている。把手軸32cの接続部32bと反対側の端部に把手部32eが設けられて形成されている。把手部32eは、画像形成装置本体2に装着された感光体ユニットU1に清掃具32が係合挿入口41に係合された状態において、把手軸32cから鉛直下方に伸びる方向に設けられている。すなわち、把手部32eの把手軸32cから伸びる方向は、接続部32bの長軸方向(軸部32aと把手軸32cとを結ぶ方向)に対して傾いている。
【0036】
以上の構成からなるイメージングユニット10の画像形成装置本体2への装着を説明する。図10に示すように、最初に、現像ユニットU2をガイド部材35に取り付ける。次に、感光体ユニットU1をガイド部材35のガイドレール46に案内させて画像形成装置本体2に挿入する。このとき、ロックレバー31は、図5に示す位置となっており、感光体ユニットU1に対して現像ユニットU2は離間状態である。
【0037】
ロックレバー31は、退避位置とロック位置に回動可能である。退避位置では、感光体ユニットU1の画像形成装置本体2への着脱を許容する。ロック位置では、感光体ユニットU1に現像ユニットU2を圧接する。図5に示すように、現像ユニット係合部48がガイドレール46の底面を基準として下方に向いているときは、退避位置である。現像ユニット係合部48がガイドレール46の底面を基準として略平行な方向に向いているときは、ロック位置である。すなわち、ロックレバー31を正面に見て、退避位置から時計まわりに回転するとロック位置になる。
【0038】
図11(a)及び(b)に示す退避位置にあるロックレバー31を時計回りに回転する。ロックレバー31の押圧部34は、ロック位置に近づくにつれて、感光体ユニットU1の傾斜面52上を上昇し、ばね50による力が増加する。これにより、ロックレバー31の押圧部34のダボ43を介して感光体ユニットU1への押圧が行われ、装着完了位置へと移動させる。図12(a)及び(b)に示すロック位置では、傾斜面52の最上の位置にあるため、付勢力も最大となっている。一方、ロックレバー31を退避位置からロック位置に回転させると、図8に示すように、軸36の現像ユニット係合部48の先端が下方向から略水平方向へ向かうように回転し、それにともなって、現像ユニットU2の現像ユニット被係合部51と係合して現像ユニットU2を感光体ユニットU1の方へと引き寄せ圧接する。このような、ロックレバー31の退避位置からロック位置への回転操作により、感光体ユニットU1の画像形成装置本体2への押圧と、現像ユニットU2の感光体ユニットU1への圧接の両方を同時に行うことができる。ロックレバー31の構造により、画像形成装置本体2のロックレバー31を退避位置からロック位置に移動することにより、押圧部34が感光体ユニットU1を押圧して画像形成装置本体2の装着完了位置に移動させるとともに、現像ユニットU2を感光体ユニットU1に圧接させる。ロックレバー31に圧接と押圧の両方の機能を備えさせることにより、画像形成装置1を大型化させずに済み、また、製造コストを増加させずに済む。
【0039】
次に、清掃具32による帯電チャージャー12の清掃および感光体ユニットU1への収容を説明する。イメージングユニット10が画像形成装置本体2に装着されている状態では、ロックレバー31はロック位置にある。帯電チャージャー12を清掃する際には、把手部32eを持って清掃具32を引き出し、清掃具32を軸部32aに沿って前後に往復させることで清掃部32dのフェルト(図示せず)により全範囲の針電極(図示せず)の汚れが払拭され清掃できる。
【0040】
清掃具32の収容については、図13に示すように、清掃の後、清掃具32を係合挿入口41に向かって押し込むと、接続部32bがロックレバー31の切り欠き部42にさしかかる。図14に示すように、接続部32bをロックレバー31の切り欠き部42の中を通過させるときは、第1被ガイド部40と第1ガイド部53とが接するようにする。そして、接続部32bを係合挿入口41に係合させ、図3に示すように、清掃具32を感光体ユニットU1に収容する。
【0041】
ロックレバー31の切り欠き部42を通して感光体ユニットU1のロックレバー31側の側面に設けられた係合挿入口41へ清掃具32を挿入する際に、挿入方向に対して軸部32aの軸心と把手軸32cの軸心とを通る面の左側の接続部32bに設けた第1被ガイド部40を、ロックレバー31の切り欠き部42の第1ガイド部53が案内する。このようにして、ロックレバー31にガイド機能を備えさせ、清掃具32を係合挿入口41を通して感光体ユニットU1に確実に収容できるようにすることにより、紙端部汚れを発生させずに済む。
【0042】
図15は、廃トナーボックス55が装着された画像形成装置本体2を示す。廃トナーボックス55は、イメージングユニット10のロックレバー31側にイメージングユニット10を覆うようにして装着されている。廃トナーボックス55の感光体ユニットU1を覆う範囲には、各感光体ユニット11Y,11M,11C,11Kに対して、帯電チャージャー12の針電極(図示せず)を清掃するために清掃具32が挿入可能な廃トナーボックス切り欠き部56が設けられている。図16に示すように、廃トナーボックス切り欠き部56は、清掃具32の接続部32bが係合挿入口41と係合して感光体ユニットU1に収容された位置で把手軸32cの軸心を正面に見たときに、軸部32aの軸心と把手軸32cの軸心とを結ぶ線の右側に把手軸32cが挿入時に接触する第2ガイド部58が形成されている。この第2ガイド部58に接触する把手軸32cの部分が第2被ガイド部57である。把手軸32cの第2被ガイド部57を廃トナーボックス55の第2ガイド部58が案内することにより、清掃具32の軸部32aに対して右方向への回転を規制することができる。したがって、清掃具32は、ロックレバー31の切り欠き部42の中を通過するときに、接続部32bの第1被ガイド部40がロックレバー31の第1ガイド部53により案内され、かつ、把手軸32cの第2被ガイド部57が、廃トナーボックス55の廃トナーボックス切り欠き部56の第2ガイド部58により案内されて感光体ユニットU1の係合挿入口41に挿入される。このようにして、画像形成装置本体2に装着された廃トナーボックス55の一部にガイド機能を備えさせ、清掃具32を係合挿入口41に挿入する際に、清掃具32の軸部32aに対する両方向への回転を規制して感光体ユニットU1に確実に収容できるようにすることにより、紙端部汚れを発生させずに済む。なお、第2ガイド部57は、画像形成装置本体2に設けられるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
10Y,10M,10C,10K イメージングユニット
11a 感光体(感光ドラム)
12 帯電装置(帯電チャージャー)
13 像露光装置
14a 現像ローラ
15 清掃装置
16 中間転写ベルト
17 ローラ
18 1次転写装置
20 2次転写装置
21 転写ベルト清掃装置
22 記録紙(記録媒体)
23 給紙カセット
24 排紙トレイ
25 記録媒体搬送路
26 搬送ローラ
27 定着装置
28 排紙ローラ
29 トナーボックス
31 ロックレバー
32 清掃具
32a 軸部
32b 接続部
32c 把手軸
32d 清掃部
32e 把手部
33 操作部
34 押圧部
35 ガイド部材
36 軸
37 円筒部
38 窪み
39 フランジ部
40 第1被ガイド部
41 係合挿入口
41a 係合部
41b 挿入口
42 切り欠き部
43 ダボ
44 基部
46 ガイドレール
47 ストッパ
48 現像ユニット係合部
49 ボルト
49a 頭部
50 ばね
51 現像ユニット被係合部
52 傾斜面
53 第1ガイド部
55 廃トナーボックス
56 廃トナーボックス切り欠き部
57 第2被ガイド部
58 第2ガイド部
U1 感光体ユニット
U2 現像ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と当該感光体を帯電させるための電極を有する帯電チャージャーを備え、画像形成装置本体に着脱可能な感光体ユニットと、
前記感光体ユニットの感光体にトナーを供給する現像ローラを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能な現像ユニットと、
前記感光体ユニットの着脱を許容する退避位置と、前記現像ユニットを前記感光体ユニットに圧接するロック位置との間で移動可能なロックレバーと、を備える画像形成装置であって、
前記ロックレバーに、当該ロックレバーが前記退避位置から前記ロック位置に移動する間に、前記感光体ユニットを装着完了位置へ押圧して移動させる押圧部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ロックレバーのロック位置は、前記感光体ユニットの着脱方向に見て前記感光体ユニットと重なる位置であって、
前記感光体ユニットは、前記電極を清掃する清掃具を備え、
前記清掃具は、先端に前記電極を清掃する清掃部が設けられた軸部と、前記軸部の軸心に対して平行に配置された把手軸と、前記軸部と前記把手軸とを接続する接続部とを備え、
前記接続部は、前記軸部の軸心と前記把手軸の軸心とを通る面の片側である第1の側の側面に第1被ガイド部を備え、
前記感光体ユニットの、前記ロックレバーが配置された側の側面に、前記清掃具の軸部が挿入され、前記接続部が係合される係合挿入口が設けられ、
前記ロックレバーに、前記清掃具が前記係合挿入口へ挿入される際に前記第1被ガイド部を案内する第1ガイド部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記清掃具には、前記軸部の軸心と前記把手軸の軸心とを通る平面に対して前記第1の側とは反対側の第2の側の把手軸に第2被ガイド部が設けられ、前記感光体ユニットの前記ロックレバーが配置された側の前記画像形成装置本体に、前記清掃具が前記係合挿入口へ挿入される際に前記第2被ガイド部を案内する第2ガイド部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2ガイド部が前記画像形成装置本体の廃トナーボックスの一部であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−13303(P2011−13303A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155344(P2009−155344)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】