説明

画像形成装置

【課題】副作用なく現像スリーブへのトナーの付着を抑制し、印刷画像の濃度ムラを解消した画像形成装置を提供する。
【解決手段】書込装置の露光で潜像が形成される像担持体と、像担持体の近傍に配置され、複数の磁石、及び複数の磁石とは独立に回転する現像スリーブを内蔵する現像ローラを少なくとも1つ有し、乾式二成分の現像剤で潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成装置において、像担持体の露光のタイミングに基づいて、現像スリーブに対向する対向部材に印加するバイアス電位を変更するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機に用いられるトナーの低融点化が進み、トナーの凝集による現像不良や、現像スリーブ上でのトナー固着等の様々な課題が発生している。特に複写機のデジタル化が進み、電子文書等の出力の際に、現像スリーブ軸方向(主走査方向)において、同一個所(特に余白部分)に非画像部が連続する場合が増え、その非画像部に対向する現像スリーブ上へのトナーの付着や固着が発生しやすい。現像スリーブの表面へのトナー固着が進むと固着部分だけ実効的な現像バイアスが上昇し、局所的に現像能力過多となり、地肌汚れ等を発生させてしまう。
【0003】
また、更なる高画質化の実現のために、感光体−現像スリーブ間のギャップの微小化等による現像能力の向上が実現されている。
しかし、その反面、現像スリーブへのトナー付着/固着の影響は従来以上に受けやすくなり、これまでは、現像スリーブの表面にトナーが固着するまでは、画像品質上大きな不具合は発生していなかったが、トナーが現像スリーブに付着する程度であっても感光体−現像スリーブ間に生ずる電場がトナー付着なしの状態と異なるため、画像濃度ムラを発生させてしまう。
【0004】
ここで、特許文献1では、低融点トナーを用いた二成分現像剤の画像形成装置において、地肌ポテンシャル(像担持体の帯電電位現像バイアス電位との電位差)を絶対値で400V以上に設定し、所定のタイミングで現像スリーブ軸方向の端部でベタ画像を像担持体に現像することで現像スリーブへのトナー付着/固着を未然に防いでいる。
【0005】
しかしながら、像担持体に現像したベタ画像がそのまま下流の転写機構や像担持体のクリーニング機構に入力され、それぞれのトナークリーニング機構への負荷が増え、余剰にトナーを消費してしまうことになる。
【0006】
特許文献2では、現像スリーブにトナー回収部材を対向させ、その回収部材にバイアス電位を印加することで静電的に現像スリーブ上のトナーを取り除く構成の画像形成装置が提案されているが、この構成では、部品点数の増加を伴い、機構が複雑になるため現像装置のコスト高を招く。
【0007】
特許文献3では、現像スリーブへのトナー固着に起因するトナー濃度制御の不具合を抑制する画像形成装置が提案されている。現像スリーブのトナー固着領域では、固着トナーが電荷を帯びているために実効的な現像ポテンシャルが増大する。
したがって、通常どおりの制御を行った場合、像担持体上の付着量測定用パッチのトナー付着量が固着していないスリーブ領域と比較して多くなり、所定の付着量にするためにトナー濃度を低めに制御し、結果として画像濃度の低下を招いてしまう。この画像形成装置では、現像バイアス電位と潜像領域電位とが同電位になるように制御し、その状態でパッチの付着量を測定することでトナー固着による実効的な現像バイアスの上昇の有無を検知し、トナー濃度制御に反映している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、電子写真方式を適用する現像プロセスにおいて、非画像領域(地肌部)では、トナーが現像スリーブへ移動する方向の電界をかけることで、地肌汚れを発生しないようにしている。したがって、非画像領域では現像スリーブにトナーが付着しやすい。
一方、全ベタ画像が現像される場合、現像スリーブに付着したトナーは、現像スリーブから剥ぎ取られる電界が作用するため、現像スリーブの表面に付着したトナーは一掃される。
したがって、非画像領域(たとえば白紙)後に全ベタ画像を印刷した場合、全ベタ画像の現像開始以降、現像スリーブの1周分については、現像スリーブ上にトナーが付着した状態で現像が行われ、1周分以後は全ベタ印刷によってスリーブ表面の付着トナーが一掃された状態で現像が行われるため、画像濃度差が顕著に現れる。
【0009】
像担持体の露光部分にトナーを付着させるネガ/ポジ・プロセス(以下、N/Pプロセスと言う)の場合、トナーは現像バイアスと同極性に帯電しているため、トナー固着が発生している領域は、像担持体上での実効的な現像ポテンシャルが大きい状態と同様の現象を生ずる。
よって、一般に現像スリーブにトナーが付着した状態では現像能力が高いため、その部分で現像された画像は比較的濃い目の画像となる。
対応の現像装置では、冷却効率の向上を図るためにケーシングに導体を適用している。ケーシングに導体を適用する場合、現像バイアスのリークを防ぐためにケーシングと現像スリーブ表面とを導通させ、ケーシングが現像バイアスと同電位に保つ等の工夫がなされている。
また、ケーシングと現像スリーブとに印加するバイアス電位を個別に制御し、ケーシング−現像スリーブ間のギャップにて現像スリーブに付着したトナーを減じることが可能であるが、現像ケーシングは感光体と近接しているため、現像スリーブ上のトナーを減じる電界の状態のみでは、感光体に現像されたトナーを引き剥がしてしまうおそれもある.
【0010】
また、現像スリーブの表面への付着トナーを除去する手段として、現像ニップ通過以降、現像スリーブに対向するケーシングを導体とし、このケーシングに印加するバイアス電位を制御することが提案されている。
【0011】
しかしながら、高速印刷に対応する画像形成装置では、多段現像装置を適用しているものも多い。また、現像装置の簡素化のために、上流で用いた現像剤を下流に受け渡し、以降の現像段の現像に用いる構成が多い。このような多段現像を用いた場合、最上流の現像スリーブにおける寄与が高く、全ベタ画像を印刷する場合、最上流で上記異常画像が発生すると、それ以降の現像段で補完するのは難しい。したがって、多段現像では最上流の現像段で異常画像を発生させないようにする必要がある。
そのため、定常的に現像剤規制部材と現像スリーブとに印加するバイアス電位を個別に制御(現像剤規制部材を接地する等)することで、現像スリーブ表面の付着トナーを減じることは可能であるが、常時現像剤規制部材にトナーが付着する電界が作用するため、現像剤規制部材にトナー等が固着し、本来の機能(現像剤量を規制する)を発揮しなくなる。
【0012】
従来の高速対応の画像形成装置では、多段現像装置を適用することで現像能力を確保する工夫がなされている。多段現像装置では、最下流の現像段の条件によって画像品質が左右されるため、最下流の現像にてトナー付着による実効現像バイアス上昇は極力抑制しなければならない。
そのため、定常的に現像ケーシングと最下流の現像スリーブとに印加するバイアス電位を制御する(現像スリーブからケーシングにトナーが移動する電場をつくる)ことで、現像スリーブの表面の付着トナーを減じることは可能である。
しかし、常時現像ケーシングにトナーが付着する電界が作用するため、長期稼動した場合に現像ケーシングに付着したトナーがケーシングに固着し、ケーシング上にて、局所的なトナーによる実効バイアス電位の上昇が発生し、所定の現像スリーブからケーシングへのトナー移動を阻害してしまう。
【0013】
そこで、本発明は、副作用なく現像スリーブへのトナーの付着を抑制し、印刷画像の濃度ムラを解消した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、書込装置の露光で潜像が形成される像担持体と、前記像担持体の近傍に配置され、複数の磁石、及び複数の磁石とは独立に回転する現像スリーブを内蔵する現像ローラを少なくとも1つ有し、乾式二成分の現像剤で前記潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成装置において、前記像担持体の露光のタイミングに基づいて、前記現像スリーブに対向する対向部材に印加するバイアス電位を変更するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記現像装置は、前記現像スリーブの表面と前記対向部材との間のギャップを現像剤の磁気穂でシールすることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記現像スリーブの表面と前記対向部材との間のギャップをシールする現像剤の穂立ちを形成する磁極の半値幅が、前記像担持体へトナーを現像する磁極の半値幅より広いことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記現像スリーブの表面と前記対向部材との間のギャップと該ギャップを通過する現像剤で形成されるニップ幅は、前記像担持体と前記現像スリーブとの間のギャップで生じる現像ニップ幅より広いことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか一項記載の発明において、前記像担持体の露光エネルギーに基づいて対向部材に印加するバイアス電位の変更量を決定することを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れか一項記載の発明において、所定のタイミングで像担持体上に作成される基準濃度トナー像のトナー付着量を検知する機構を具備し、該検知結果に基づいて、前記対向部材に印加するバイアス電位の変更可否を決定することを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れか一項記載の発明において、所定のタイミングで前記対向部材に付着したトナーを前記現像スリーブに回収するモードを設けたことを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1から7の何れか一項記載の発明において、前記対向部材はケーシング、もしくは規制部材であり、前記現像スリーブと前記対向部材とは個別にバイアス印加可能であることを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記現像装置は、前記現像ローラを少なくとも2本以上設けた多段現像方式を用い、複数現像段で同一現像剤を用いる乾式二成分現像装置であって、一の現像スリーブに対向する現像剤規制部材が導体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、現像スリーブの表面のトナー付着は非画像部、すなわち露光がされていない場合に最も促進され、これとは逆に、像担持体が露光されている場合は現像スリーブにトナーが付着する力が比較的弱いため、画像濃度ムラは許容レベルを満足するので、副作用なく現像スリーブへのトナーの付着を抑制し、印刷画像の濃度ムラを解消した画像形成装置の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのトナー飛散防止装置を備えたレーザー複写機の複写機内部機構の全体概略構成を示す図である。
【図2】図1の要部の部分拡大構成を示す図である。
【図3】現像磁極(P1極)の半値幅が48degの場合のマグローラの磁束密度波形図である。
【図4】34degのマグローラの磁束密度波形図である。
【図5】レーザー複写機の要部の部分拡大構成を示す図である。
【図6】現像スリーブ及びドクタブレードの近傍の拡大図である。
【図7】現像スリーブ及びドクタブレードの近傍の拡大図である。
【図8】レーザー複写機の要部の部分拡大構成図である。
【図9】現像スリーブ及びドクタブレードの近傍の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施の形態1>
本実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのトナー飛散防止装置を備えたレーザー複写機の複写機内部機構の全体概略構成を示す図である。図2は、図1の要部の部分拡大構成を示す図である。
図中、符号10は画像形成装置の装置本体である。装置本体10内には、ドラム状の像担持体12を設ける。像担持体12の周囲には、帯電装置13、現像装置14、転写・搬送装置15、クリーニング装置16、除電装置17等を配置する。それらの上部には、レーザー書込み装置18を設ける。
レーザー書込み装置18には、レーザダイオード等の光源20、走査用の回転多面鏡21、ポリゴンモータ22、fθレンズ等の走査光学系23等を備えてなる。
クリーニング装置16の左側には、定着装置25を配置する。定着装置25には、ヒータを内蔵した定着ローラ26と、その定着ローラ26に下方から押し当てる加圧ローラ27とを設ける。また、装置本体10内の上部には、原稿読取装置30を備える。原稿読取装置30には、光源31、複数のミラー32、結像レンズ33、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等のイメージセンサ34等を設ける。
【0026】
上述した現像装置14は、図3から判るとおり、現像タンク50と現像ホッパ60とからなる。現像タンク50では、第1現像ローラ51、第2現像ローラ52、パドルホイール53、攪拌ローラ54、搬送スクリュー55、セパレータ56、ドクタブレード57、トナー濃度センサ58等を現像ケース59内に設ける。
そして、現像ケース59内には、キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を収納する。現像ホッパ60内には、歯車状のトナー補給部材61、補給規制板62、アジテータ63等を設ける。この現像ホッパ60内には、トナーを収納してなる。
【0027】
そして、この現像装置14では、現像ケース59内の二成分現像剤を、攪拌ローラ54の回転により攪拌して摩擦帯電させ、パドルホイール53の回転によって跳ね上げ、第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52内の磁石によってそれらの第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52に吸着させる。
【0028】
第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52に吸着した現像剤は、それらの第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52外周のスリーブにより搬送してドクタブレード57により余剰分を掻き落として後、現像するためのバイアス電位の印加により像担持体12に付着させ、その像担持体12上の静電潜像を現像する。
【0029】
本実施形態では、現像スリーブ、ケーシング59(アルミ製)にそれぞれ個別のパワーパックからバイアスを印加し、現像スリーブには−650Vの電位を印加し、ケーシングには任意に決定されたバイアス電位を印加する。
また、本実施形態の現像スリーブの線速は700mm/secである。この現像装置14では、像担持体12に付着してトナーを消費すると、その割合(トナー濃度)が減少する。
【0030】
そこで、現像剤中のトナー濃度がトナー濃度の目標値に対して所定値以下になると、アジテータ63を回転させてトナーを攪拌するとともに、トナー補給部材61へと搬送し、そのトナー補給部材61を回転させて補給規制板62を揺動させ、現像ホッパ60から現像タンク50内へとトナーを補給して現像剤中のトナー濃度を維持する。現像剤中のトナー濃度は、現像ケース59に取り付けるトナー濃度センサ58により測定する。
【0031】
本実施の形態では、所定の印刷枚数毎に基準濃度パッチ潜像がレーザー光によって書き込まれ、パッチの現像バイアスが印加され、所定の現像ポテンシャル(本実施形態では280V)で基準濃度トナー像(以下濃度パッチ)が現像される。濃度パッチの反射濃度を反射濃度センサによって検知し、その反射濃度が一定範囲になるようにトナーホッパー60中のトナーが補給される。濃度パッチは、反射濃度センサによってその反射濃度(Vsp)を検知する。地肌濃度(Vsg0)は1ジョブ間のドラム起動時(現像起動前)の、ドラム上に全くトナーが付着していない状態で検知する。
【0032】
現像装置14では、重量平均粒径が5〜10μm、5μm以下が60〜80個数%含まれているトナーと、重量平均粒径が65μm以下のキャリアとを含む二成分系現像剤が用いられる。
トナーの構成として樹脂成分、着色剤からなり、さらに、ワックス成分や無機微粒子を添加した構成を採用する場合もある。
【0033】
製造方法は特に限定されるものではなく、粉砕方式、重合方式のいずれを用いることも可能である。樹脂成分としては公知の樹脂全てを用いることができ、例えば、以下のものが挙げられる。スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂等が挙げられる。また、単独使用も可能であるが、二種類併用しても良い。
【0034】
着色剤としては公知のものとして、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、オイルブラック、アゾオイルブラック等、特に限定はされない。
ワックス成分としては公知のものとして、カルナウバワックス、ライスワックス、合成エステルワックス等、特に限定されないものが用いられる。
無機微粒子としては、公知のものとして、シリカ、酸化チタン微粉末などが用いられる。
【0035】
ところで、上述したとおり、像担持体12に付着したトナーは、転写・搬送装置15によってシートに静電転写する。ところが、約10%のトナーは、シートに転写されず像担持体12上に残る。残留トナーは、クリーニング装置16に設けるクリーニングブレード65及びブラシローラ66によって像担持体12上から掻き落とす。クリーニング装置16によって像担持体12上から掻き落とされたトナーは、クリーニング装置16の回収タンク67内に入る。そして、回収スクリュー68によってクリーニング装置16の片側に搬送し、不図示の排出口から排出してトナーリサイクル装置へと導くようになっている。
【0036】
本実施形態では、像担持体の露光手段としてレーザー書き込み装置18を備える。現像スリーブ表面のトナー付着は,非画像部すなわち露光がされていない場合に最も促進される。逆に、像担持体が露光されている場合は現像スリーブにトナーが付着する力が比較的弱いため、画像濃度ムラは許容レベルを満足する(以下画像濃度ムラ評価結果は表1参照。濃度ムラ評価は5段階評価を実施した。ランク5を最良とし、ランク3.5以上が許容レベルであるものとする。)。
【0037】
本実施形態では、レーザ書き込み装置18による露光が行われない場合はケーシングに−400Vを印加し、現像スリーブ表面との電位差を250Vとし、トナーがスリーブからケーシングに移動する電界を生ずる。
一方、レーザー書き込み装置により露光が実施された場合、露光後所定の時間(像担持体の露光された位置が現像位置を通過するまでの時間)経過後にケーシングに−650Vの電位を印加し、現像スリーブの表面とケーシングとの間に電位差を生じさせない。像担持体の表面電位よりもケーシングの電位が高いため、像担持体のトナーがケーシングに付着したり、必要以上にケーシングにトナーが付着したりすることもない。
【0038】
<実施の形態2>
構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、現像スリーブの表面とケーシングとが最近接する領域に磁極を配置し、その位置で現像剤は磁気ブラシ(磁気穂)を形成する。現像スリーブの表面−ケーシング間のギャップで現像剤が疎となることで現像剤内のトナーが動きやすくなり、現像スリーブの表面のトナーが電界の作用により除去しやすくなり、磁気ブラシがケーシングの表面を擦ることでケーシングの表面に付着したトナーを除去することが可能となる。
【0039】
<実施の形態3>
構成は実施の形態1と同様である。
現像スリーブ表面へのトナー付着が発生するのは現像領域である。したがって、現像スリーブの表面に付着したトナーを除去するには、現像領域以上のニップ時間が必要である。
【0040】
本実施の形態は、現像スリーブを2本有する二段現像であり、ケーシンングに対向する現像スリーブは第2現像スリーブである。
図3に現像磁極(P1極)の半値幅が48degの場合のマグローラの磁束密度波形図を示し、図4に34degのマグローラの磁束密度波形図を示す。磁束密度34degのマグローラは半値幅が狭いため、現像ニップが小さくなる。
【0041】
現像磁極の半値幅を34degのマグローラと48degのマグローラで画像濃度ムラの比較実験を行った。ケーシングに対向する磁極の半値幅はどちらも40degである。画像濃度ムラを確認したところ、現像磁極の半値幅が34degのものは濃度ムラランクが4であり、現像磁極の半値が48degのものはランク3.5であった。よって、ケーシングに対向する磁極の半値幅を現像磁極の半値幅より広くすることで、現像磁極で発生したスリーブ表面の付着トナーをより除去しやすくなり、結果として画像濃度ムラも良好となると考える。
【0042】
<実施の形態4>
構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、像担持体の表面電位を制御するために露光エネルギーを調整している。露光エネルギーが大きいときは、より像担持体への現像量が多くなるため、この条件ではスリーブ表面へのトナー付着は発生しにくい。露光エネルギーが少なくなるにしたがって、像担持体の露光後電位が高くなり、像担持体へのトナー現像量も減少する。したがって、露光エネルギーが減少するにつれ、現像スリーブ表面にトナーが付着しやすくなる。
【0043】
本実施形態では、所定の露光エネルギーレベル以上(像担持体表面電位が300V未満)の場合、ケーシングに印加するバイアスは−650Vとし、それ以下の場合は−400Vと設定した。画像濃度ムラを比較した結果は表1に示す。これによって、より確実にスリーブ表面の付着トナーを除去し画像濃度ムラを抑制できることが分かる。
【0044】
【表1】

【0045】
<実施の形態5>
構成は実施の形態1と同様である。
また本実施形態では所定のタイミングで基準濃度パッチを作成し、検知を行い、トナー濃度制御に反映している。基準濃度パッチの検知結果が非常に濃い(本実施形態ではVsp≦0.3の場合)は現像能力が非常に高い状態であるため、同時に現像スリーブへのトナー付着も発生しやすい状態である。このような状態時に上述したケーシングバイアス制御を実施することで、より効果的に現像スリーブへのトナー付着を抑制し、副作用(像担持体上のトナー剥ぎ取り、ケーシングへのトナー付着)を最小限にとどめることができる。
【0046】
<実施の形態6>
画像形成装置としてのトナー飛散防止装置を備えたレーザー複写機の複写機内部機構の全体概略構成は図1と同様であるため、省略する。
図5は、レーザー複写機の要部の部分拡大構成を示す図である。
上述した現像装置14は、図5から判るとおり、現像タンク50と現像ホッパ60とからなる。現像タンク50では、第1現像ローラ51、第2現像ローラ52、パドルホイール53、攪拌ローラ54、搬送スクリュー55、セパレータ56、ドクタブレード57、トナー濃度センサ58などを現像ケース59内に設ける。
現像ケース59内には、キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を収納する。現像ホッパ60内には、歯車状のトナー補給部材61、補給規制板62、アジテータ63などを設ける。この現像ホッパ60内には、トナーを収納してなる。そして、この現像装置14では、現像ケース59内の二成分現像剤を攪拌ローラ54の回転により攪拌して摩擦帯電させ、パドルホイール53の回転によって跳ね上げ、第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52内の磁石によってそれらの第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52に吸着する。第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52に吸着した現像剤は、それらの第1現像ローラ51及び第2現像ローラ52外周のスリーブにより搬送して現像剤規制部材57(ドクタブレード)により余剰分を掻き落とした後、現像バイアスにより像担持体12に付着してその像担持体12上の静電潜像を現像する。
本実施形態では現像スリーブ、ケーシング59(アルミ製)にそれぞれ個別のパワーパックからバイアスを印加し、現像スリーブには−650Vの電位を印加し、ケーシングには任意に決定されたバイアス電位を印加する。
また、本実施形態の現像スリーブの線速は700mm/secである。この現像装置14では、像担持体12に付着してトナーを消費すると、その割合(トナー濃度)が減少する。そこで、現像剤中のトナー濃度がトナー濃度の目標値に対して所定値以下になると、アジテータ63を回転させてトナーを攪拌するとともにトナー補給部材61へと搬送し、そのトナー補給部材61を回転させて補給規制板62を揺動させ、現像ホッパ60から現像タンク50内へとトナーを補給して現像剤中のトナー濃度を維持する。現像剤中のトナー濃度は、現像ケース59に取り付けるトナー濃度センサ58により測定する。
【0047】
本実施形態では、所定の印刷枚数毎に基準濃度パッチ潜像がレーザー光によって書き込まれ、パッチの現像バイアスが印加され、所定の現像ポテンシャル(本実施形態では280V)で基準濃度トナー像(以下濃度パッチ)が現像される。濃度パッチの反射濃度を反射濃度センサによって検知し、その反射濃度が一定範囲になるようにトナーホッパー60中のトナーが補給される。濃度パッチは、反射濃度センサによってその反射濃度(Vsp)を検知する。地肌濃度(Vsg0)は1ジョブ間のドラム起動時(現像起動前)の、ドラム上にまったくトナーが付着していない状態で検知する。
現像装置14では、重量平均粒径が5〜10μm、5μm以下が60〜80個数%含まれているトナーと重量平均粒径65μm以下のキャリアとを含む二成分系現像剤が用いられる。トナーの構成として樹脂成分、着色剤からなり、さらに、ワックス成分や無機微粒子を添加した構成を採用する場合もある。製造方法は特に限定されるものではなく、粉砕方式、重合方式いずれを用いることも可能である。
【0048】
樹脂成分としては前述した実施の形態1と同様の樹脂全てを用いることができる。
【0049】
ところで、上述したとおり、像担持体12に付着したトナーは、転写・搬送装置15によってシートに静電転写する。ところが、約10%のトナーは、シートに転写されず像担持体12上に残る。残留トナーは、クリーニング装置16に設けるクリーニングブレード65及びブラシローラ66によって像担持体12上から掻き落とす。クリーニング装置16によって像担持体12上から掻き落とされたトナーは、クリーニング装置16の回収タンク67内に入る。そして、回収スクリュー68によってクリーニング装置16の片側に搬送し、不図示の排出口から排出してトナーリサイクル装置へと導くようになっている。
【0050】
本実施の形態は、像担持体の露光手段としてレーザー書き込み装置18を備える。現像スリーブの表面のトナー付着は、非画像部すなわち像担持体に露光がなされていない場合に最も促進される。逆に、像担持体が露光されている場合は現像スリーブにトナーが付着する力が比較的弱いため、画像濃度ムラは許容レベルを満足する(濃度ムラ評価は5段階評価を実施した。ランク5を最良とし、ランク3.5以上が許容レベルとする)。
【0051】
本実施の形態では、レーザー書き込み装置18による露光が行われない場合はドクタブレードに−400Vの電位を印加し、現像スリーブ表面との電位差を250Vとし、トナーが現像スリーブからドクタブレードに移動する電界を生ずる。
一方、レーザー書き込み装置により露光が実施された場合、露光後所定の時間(像担持体の露光された位置が現像位置を通過するまでの時間)経過後にドクタブレードに−650Vの電位を印加し、現像スリーブの表面及びドクタブレードに電位差を生じさせない。電位差を生じさせないようにすることで、必要以上にドクタブレードへのトナーの移動を抑制し、ドクタブレードの機能を維持することができる。
【0052】
<実施の形態7>
図6は、現像スリーブ及びドクタブレードの近傍の拡大図である。
本実施の形態では、図6に示すように現像スリーブの表面とドクタブレードが最近接する領域に磁極を配置し、その配置した位置で現像剤が磁気ブラシ(磁気穂)を形成する。現像スリーブの表面−ドクタブレード間のギャップで現像剤が疎となることで現像剤内のトナーが動きやすくなり、現像スリーブの表面のトナーが電界の作用により除去されやすくなる。
【0053】
<実施の形態8>
また、現像スリーブの表面へのトナー付着が発生するのは現像領域である。したがって、現像スリーブの表面に付着したトナーを除去するには、現像領域以上のニップ時間が必要である。
本実施の形態では、図7に示すようなドクタブレード57を採用し、現像領域よりも広いニップ幅を確保することで、最上流の現像スリーブの表面からドクタブレードへトナーが移動する領域をより広くしている。このように構成することで、より効果的に現像スリーブ表面のトナーを除去することができる。
【0054】
図6の現像装置と図7の現像装置とで画像濃度ムラの比較実験を行った。画像濃度ムラを確認したところ、図7のものは濃度ムラのランクが4.5であり、図6のものはランク4であった。よって、現像スリーブの表面−ドクタブレード間のギャップの現像剤ニップ幅を広くすることで、現像磁極で発生した現像スリーブの表面の付着トナーをより除去しやすくなり、結果として画像濃度ムラも良好となると考える。
【0055】
<実施の形態9>
本実施の形態では、像担持体の表面電位を制御するために露光エネルギーを調整している。露光エネルギーが大きいときは、より像担持体への現像量が多くなるため、この条件では現像スリーブの表面へのトナー付着は発生しにくい。露光エネルギーが少なくなるにしたがって、像担持体の露光後電位が高くなり、像担持体へのトナー現像量も減少する。したがって、露光エネルギーが減少するにつれ、現像スリーブ表面にトナーが付着しやすくなる。
本実施の形態では、所定の露光エネルギーレベル以上(像担持体表面電位が300V未満)の場合、ドクタブレードに印加するバイアス電位は−650Vとし、それ以下の場合はバイアス電位を−400Vと設定した。画像濃度ムラを比較した結果は表2に示す。これにより、より確実に現像スリーブの表面の付着トナーを除去し画像濃度ムラを抑制できることが分かる。
【0056】
【表2】

【0057】
<実施の形態10>
また本実施の形態では所定のタイミングで基準濃度パッチを作成し、検知を行い、トナー濃度制御に反映している。基準濃度パッチの検知結果が非常に濃い(本実施の形態ではVsp≦0.3の場合)は現像能力が非常に高い状態であるため、同時に現像スリーブへのトナー付着も発生しやすい状態である。このような状態時のみドクタブレードのバイアス制御を実行することで、より効果的に現像スリーブへのトナー付着を抑制し、副作用(ドクタブレードへのトナー付着)を最小限にとどめることができる。
【0058】
<実施の形態11>
画像形成装置としてのトナー飛散防止装置を備えたレーザー複写機の複写機内部機構の全体概略構成は図1と同様であるため省略する。
レーザー複写機の要部の部分拡大構成を図8に示すが、構成は図2と同様のため、説明は省略する。
本実施の形態では、像担持体の露光手段としてレーザー書き込み装置18を備える。現像スリーブの表面のトナー付着は、非画像部すなわち像担持体に露光がなされていない場合に最も促進される。これとは逆に、像担持体が露光されている場合は現像スリーブにトナーが付着する力が比較的弱いため、画像濃度ムラは許容レベルを満足する(濃度ムラ評価は5段階評価を実施した。ランク5を最良とし、ランク3.5以上を許容レベルとする。)。
本実施の形態では、レーザー書き込み装置18による露光が行われない場合はケーシングに−400Vの電位を印加し、現像スリーブの表面との電位差を250Vとし、トナーが現像スリーブからケーシングに移動する電界を生ずる。
一方、レーザー書き込み装置により露光が実行された場合、露光後所定の時間(像担持体の露光された位置が現像位置を通過するまでの時間)経過後にケーシングに−650Vの電位を印加し、現像スリーブの表面とケーシングとの間に電位差を生じさせない。そうすることで、必要以上にケーシングへのトナーの移動を抑制し、ケーシングの機能を維持することができる。
【0059】
<実施の形態12>
図9は、現像スリーブ及びドクタブレードの近傍の拡大図である。
本実施の形態では、図9に示すように現像スリーブの表面と現像ケーシングとが最近接する領域に磁極を配置し、その配置位置で現像剤が磁気ブラシ(磁気穂)を形成する。現像スリーブの表面−ケーシング間のギャップで現像剤が疎となることで現像剤内のトナーが動きやすくなり、現像スリーブの表面のトナーが電界の作用により除去されやすくなる。
【0060】
<実施の形態13>
また、現像スリーブの表面へのトナー付着が発生するのは現像スリーブ-像担持体の現像ニップ幅aである。したがって、図9に示す現像スリーブ−ケーシング間のギャップのニップ幅bにて現像スリーブの表面に付着したトナーを除去するには、現像領域aより広いニップ幅が必要である。本実施の形態では、ケーシングの最近接磁極の半値幅を、現像磁極の35degより広い、50degとすることで、ニップ幅a<ニップ幅bを達成している。このように構成することで、より効果的に現像スリーブ表面のトナーを除去することができる。
【0061】
画像濃度ムラの比較実験を行った。
画像濃度ムラを確認したところ、濃度ムラランク4からランク4.5の画質向上を得た。よって、現像スリーブの表面−ケーシング間のギャップの現像剤ニップ幅を広くすることで、現像磁極で発生した現像スリーブの表面の付着トナーをより除去しやすくなり、結果として画像濃度ムラも良好となると考える。
【0062】
<実施の形態14>
本実施の形態では、像担持体の表面電位を制御するために露光エネルギーを調整している。露光エネルギーが大きいときは、より像担持体への現像量が多くなるため,この条件では現像スリーブの表面へのトナー付着は発生しにくい。露光エネルギーが少なくなるに伴い、像担持体の露光後電位が高くなり、像担持体へのトナー現像量も減少する。
したがって、露光エネルギーが減少するにつれ、現像スリーブの表面にトナーが付着しやすくなる。
本実施の形態では、所定の露光エネルギーレベル以上(像担持体の表面電位が300V未満)の場合、ケーシングに印加するバイアス電位は−650Vとし、それ以下の場合は−400Vと設定した。画像濃度ムラを比較した結果は表3に示す。これによって、より確実に現像スリーブの表面の付着トナーを除去し画像濃度ムラを抑制できることが分かる。
【0063】
【表3】

【0064】
<実施の形態15>
また本実施の形態では所定のタイミングで基準濃度パッチを作成し、検知を行い、トナー濃度制御に反映している。基準濃度パッチの検知結果が非常に濃い(本実施形態ではVsp≦0.3の場合)は現像能力が非常に高い状態であるため、同時に現像スリーブへのトナー付着も発生しやすい状態である。このような状態時のみケーシングのバイアス制御を実行することで、より効果的に現像スリーブへのトナー付着を抑制し、副作用(ケーシングへのトナー付着)を最小限にとどめることができる。
【0065】
<実施の形態16>
本実施の形態では、ケーシングへ付着したトナーが経時で固着するのを抑制するために、所定のタイミング(長時間の放置後や、朝一番の立ち上げ直後)にケーシング上のトナー除去モードを実行している。このトナー除去モードでは、像担持体上にはベタ画像を作像し、ケーシングバイアスとして−800Vの電位を印加する。この設定により、ケーシングに付着したトナーは現像スリーブへ移動し、現像スリーブに付着したトナーは像担持体へと移動し、像担持体のクリーニング装置から廃トナーとして排出される。
本モードを実行することで、より効果的にケーシングトナー固着を抑制しつつ、現像スリーブ上のトナー付着を抑制することができる。
【0066】
<効 果>
本実施形態によれば、現像ローラを少なくとも2本以上設けた多段現像方式を用い、複数現像段で同一現像剤を用いる乾式二成分現像装置で、一の現像スリーブに対向する現像剤規制部材が導体であり、現像スリーブと現像剤規制部材に対し、個別にバイアス印加可能である乾式二成分現像方式の現像装置を適用する画像形成装置において、画像形成装置の像担持体の露光タイミングに基づいて現像剤規制部材に印加するバイアス電位を変更することで、副作用なく現像スリーブへのトナー付着を抑制することが可能となり、画像濃度ムラを問題ないレベルに抑制できる。
【0067】
本実施形態によれば、現像スリーブの表面と現像剤規制部材との間のギャップを現像剤の磁気穂でシールすることで、より効果的に最上流の現像スリーブの表面に付着したトナーを剥ぎ取ることが可能となり、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0068】
本実施形態によれば、現像ローラを少なくとも2本以上設けた多段現像方式を用いる乾式二成分現像装置で、最下流の現像スリーブに対向するケーシングが導体であり、現像スリーブとケーシングに対し、個別にバイアス印加可能である乾式二成分現像方式の現像装置を適用する画像形成装置において、画像形成装置の像担持体の露光タイミングに基づいてケーシングに印加するバイアス電位を変更することで、副作用なく最下流の現像スリーブへのトナー付着を抑制することが可能となり、画像濃度ムラを問題ないレベルに抑制できる。
【0069】
本実施形態によれば、現像スリーブ表面と現像スリーブに対向するケーシング間のギャップは現像剤の磁気穂でシールされている現像装置を適用することで、より効果的に最下流の現像スリーブへのトナー付着を抑制することが可能となり、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0070】
本実施形態によれば、現像スリーブ表面と現像スリーブに対向するケーシング間のギャップとギャップを通過する現像剤で形成されるニップ幅を、像担持体と現像スリーブとの間のギャップで生じる現像ニップ幅より広くすることで、より確実に最下流の現像スリーブ表面のトナー付着を抑制することが可能となり、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0071】
本実施形態によれば、像担持体の露光エネルギーに基づいてケーシングに印加するバイアスの変更量を決定することで、より副作用なく最下流の現像スリーブ表面に付着したトナーを除去することが可能となり、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0072】
本実施形態によれば、所定のタイミングで像担持体上に作成される基準濃度トナー像のトナー付着量を検知する機構を具備し、検知結果に基づいて、現像剤規制部材に印加するバイアスの変更可否を決定することで、より効果的に現像スリーブ表面に付着したトナーを除去することが可能となり、副作用なく画像濃度ムラを抑制することができる。
【0073】
本実施形態によれば、所定のタイミングでケーシングに付着したトナーを現像スリーブに回収するモードを設けることで、より効果的に最下流の現像スリーブへのトナー付着を抑制することが可能となり、長期にわたって副作用なく画像濃度ムラを抑制することができる。
【0074】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、複写機、レーザープリンター、複合機等の電子写真式画像形成装置の画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 装置本体
12 像担持体
13 帯電装置
14 現像装置
15 転写・搬送装置
16 クリーニング装置
17 除電装置
18 レーザー書込み装置
20、31 光源
21 回転多面鏡
22 ポリゴンメータ
23 走査光学系
25 定着装置
26 定着ローラ
27 加圧ローラ
30 原稿読取装置
32 ミラー
33 結像レンズ
34 イメージセンサ
50 現像タンク
51 第1現像ローラ
52 第2現像ローラ
53 パドルホイール
54 攪拌ローラ
55 搬送スクリュー
56 セパレータ
57 ドクタブレード
58 トナー濃度センサ
59 現像ケース
60 現像ホッパ
61 トナー補給部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2001−312126号公報
【特許文献2】特開2002−278275号公報
【特許文献3】特開2002−278183号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書込装置の露光で潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体の近傍に配置され、複数の磁石、及び複数の磁石とは独立に回転する現像スリーブを内蔵する現像ローラを少なくとも1つ有し、乾式二成分の現像剤で前記潜像を現像する現像装置と、
を有する画像形成装置において、
前記像担持体の露光のタイミングに基づいて、前記現像スリーブに対向する対向部材に印加するバイアス電位を変更するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像装置は、前記現像スリーブの表面と前記対向部材との間のギャップを現像剤の磁気穂でシールすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像スリーブの表面と前記対向部材との間のギャップをシールする現像剤の穂立ちを形成する磁極の半値幅が、前記像担持体へトナーを現像する磁極の半値幅より広いことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像スリーブの表面と前記対向部材との間のギャップと該ギャップを通過する現像剤で形成されるニップ幅は、前記像担持体と前記現像スリーブとの間のギャップで生じる現像ニップ幅より広いことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体の露光エネルギーに基づいて対向部材に印加するバイアス電位の変更量を決定することを特徴とする請求項1から4の何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項6】
所定のタイミングで像担持体上に作成される基準濃度トナー像のトナー付着量を検知する機構を具備し、該検知結果に基づいて、前記対向部材に印加するバイアス電位の変更可否を決定することを特徴とする請求項1から5の何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項7】
所定のタイミングで前記対向部材に付着したトナーを前記現像スリーブに回収するモードを設けたことを特徴とする請求項1から6の何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記対向部材はケーシング、もしくは規制部材であり、前記現像スリーブと前記対向部材とは個別にバイアス印加可能であることを特徴とする請求項1から7の何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記現像装置は、前記現像ローラを少なくとも2本以上設けた多段現像方式を用い、複数現像段で同一現像剤を用いる乾式二成分現像装置であって、一の現像スリーブに対向する現像剤規制部材が導体であることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−59256(P2011−59256A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207068(P2009−207068)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】