説明

画像形成装置

【課題】 記録材の分離を押し上げ手段を用いて行うと、分離後の記録材を案内するガイドへの搬送不良が生じるおそれがある
【解決手段】 記録材ガイド29の案内面の記録材搬送方向における上流側端部は、分離補助コロ41によりベルト面に形成される凹部から分離張架ローラ26までのベルト面の延長に対して前記分離張架ローラ26と同じ側に配置

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やレーザプリンタ等の電子写真の技術を用いて像担持体に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成装置に関する。詳しくは、記録材の転写、搬送を行う転写ベルトを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のローラにより張架した転写ベルトにより記録材を担持搬送する電子写真装置では、転写ベルト上の記録材は、転写ニップ部を通過すると転写ベルトに静電的に吸着される。
【0003】
しかし、記録材の剛度が弱いと、転写ベルトを張架する分離張架部材としての分離ローラの曲率と記録材の剛度を利用するだけでは、記録材を転写ベルトから分離することができない。すなわち、記録材が分離ローラの位置で転写ベルトに張り付いたままとなり、分離不良が生ずる。そこで、分離位置において転写ベルトにうねりをつける構成としては、転写ベルトを張架する分離ローラ表面に一様に突起物を形成して、記録材を分離させる方法がある(特許文献1)。このような構成を用いることによって、分離位置において転写ベルトにうねりを形成することができるが、転写ベルトに常に局所的に大きな張力を働かせてしまう。その結果、転写ベルトの局所的な磨耗が生じることによる抵抗ムラの影響で転写性が安定しなくなる。
【0004】
記録材を担持するシートを、記録材分離のために変形させつつも、変形による磨耗を低減する方法が特許文献2に記載されている。特許文献2には、内側から転写シートを押し上げる位置と押し上げない位置に動くことができる押し上げ手段としてコロを設けた構成が記載されている。特許文献2に記載の方法では、記録材の分離を転写シートをコロで押し上げることによって行い、記録材を分離しない間は転写シートを押し上げない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−015987
【特許文献2】特開平5−119636
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成を転写ベルトに適用すると、転写ベルト上の記録材にトナー像を転写する転写部材から記録材搬送方向において下流側に、分離工程時に転写ベルトを局所的にコロで押し上げる動作をすることができる押し上げ手段を配置する構成になる。薄い紙等の記録材の剛度が弱い場合に、転写ベルトが局所的に押し上げられた状態で記録材を搬送することにより記録材にうねりをつけて、分離工程時の記録材のこしの強さを大きくすることができる。
【0007】
ところで分離後の記録材はベルト面の延長線に沿うように搬送される。そこで分離後の記録材を案内するガイド部材を、押し上げられていない状態のベルト面に合わせて配置する方法がある。しかし押し上げ手段がベルトを押し上げて凹凸を形成する場合には、記録材は、凹凸が形成された位置から分離張架部材にかけては重力を受けて凹部から分離張架部材にかけてのベルト面に沿って搬送される。分離後は凹部から分離張架部材にかけてのベルト面の延長線に沿うように搬送される。凹部から分離張架部材にかけてのベルト面の延長線は、押し上げられていない状態のベルト面よりも分離張架部材側にそれる。そうするとべルトから分離した記録材を案内するガイド部材の配置を押し上げない状態のベルト面に合わせると、押し上げによって記録材を分離する場合にガイド部材への記録材の搬送不良が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本願発明は、トナー像を担持する像担持体と、記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、前記ベルト部材の幅方向において局所的な凹凸を形成して、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ手段と、記録材の搬送方向において前記押し上げ手段より下流側に配置されて、前記ベルト部材を張架する記録材を分離するための分離張架部材と、記録材の搬送方向において前記分離張架部材より下流側に配置されて、前記ベルト部材から分離した記録材を案内面で案内するための記録材ガイドと、を有する画像形成装置において、前記記録材ガイドの案内面の記録材搬送方向における上流側端部は、前記押し上げ手段によりベルト面に形成される凹部から分離張架部材までのベルト面の延長に対して前記分離張架部材と同じ側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明により、記録材の分離を押し上げ手段を用いて行っても、分離後の記録材を案内するガイドへの搬送不良が生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置を説明する図である。
【図2】分離補助装置の動作を説明する図である。
【図3】分離補助装置の構成を説明する図である。
【図4】制御回路のブロック図である。
【図5】分離補助装置の動作のフローチャートである。
【図6】記録材ガイドの位置を説明する図である。
【図7】記録材の分離後の湾曲を説明する図である。
【図8】記録材ガイドと分離張架部材との位置関係を説明する図である。
【図9】第2の実施形態における記録材ガイドの動作を説明する図である。
【図10】第2の実施形態における制御回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
(画像形成装置)
図1(a)を用いて本実施形態の画像形成装置の構成及び動作について説明する。
【0012】
1Y、1M、1C、1kは、像担持体としての感光ドラムであり、矢線A方向へ回転駆動する。その表面は帯電装置2Y、2M、2C、2kにより所定の電圧に一様に帯電される。帯電された感光ドラム表面は、レーザービームスキャナーからなる露光装置3Y、3M、3C、3kによって露光されて、静電潜像が形成される。レーザービームスキャナーの出力が画像情報に基づいてオンオフされることによって、画像に対応した静電潜像が各感光ドラム上に形成される。現像装置4Y、4M、4C、4kはそれぞれ有彩色トナーのイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)とブラック(k)トナーを内包する。現像装置には所定の電圧が印加されており、前述の静電潜像はそれら現像装置4Y、4M、4C、4kを通過すると現像されて、各感光ドラム1Y、1M、1C、1k面上にトナー像が形成される。本実施形態では、静電潜像の露光部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
【0013】
感光ドラム1Y、1M、1C、1k上に形成されたトナー像は、各々が対応する1次転写ローラ5Y、5M、5C、5kで中間転写ベルト6上に一次転写される。こうして、中間転写ベルト6上に4色のトナー像が重畳に転写される。
【0014】
中間転写ベルト6は感光体ドラム1の表面に当接されるよう配設されており、複数の張架部材としての張架ローラ20、21、22に張架されて矢印Gの方向へ250〜300mm/secで回動するようになっている。本実施の形態では、張架ローラ20は中間転写ベルト6の張力を一定に制御するようにしたテンションローラである。張架ローラ22は中間転写ベルト6の駆動ローラである。
【0015】
記録材を外周面上で担持搬送する無端状の転写ベルト24は、複数の張架部材としての張架ローラ25、26、27に張架されて矢印Bの方向へ250〜300mm/secで移動可能なベルト部材である。転写ベルト24として、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂または各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させ、その体積抵抗率を1E+9〜1E+14[Ω・cm]、厚みを0.07〜0.1[mm]としたものを用いている。また、転写ベルト24として、引っ張り試験法(JIS K 6301)で測定したヤング率の値が0.5MPa以上10MPa以下となるような弾性体のものを使用している。
【0016】
転写ベルト24の引っ張り試験におけるヤング率を0.5MPa以上の部材を使用することで、ベルトの形状を十分に保って回転駆動ができる。一方で、10MPa以下の十分に弾性変形が可能な部材を使用することで、後述する分離補助装置40によって記録材Pに効果的にうねり発生させて、より効果的な転写ベルト24からの記録材Pの分離を達成することが可能になる。また、十分に弾性変形が可能な部材は、部材が変形した状態から変形量を減らした際の部材の緩和現象が起こりやすいため、分離補助装置40による転写ベルト24の磨耗を低減することが可能になる。26は自身の曲率に沿って転写ベルト24を湾曲させて、分離補助装置40を用いない場合に記録材を分離する分離張架ローラとして機能する。
【0017】
記録材は不図示のカセットに収納されている。記録材Pは、供給開始信号が出力されると、供給開始信号に基づいてカセットから不図示のローラによって搬送されてレジストローラ8へ導かれる。レジストローラ8は、記録材Pを一旦停止させて、中間転写ベルト6上のトナー像が搬送されてくるのと同期して転写ベルト24に記録材Pを供給する。
【0018】
レジストローラ8から記録材搬送方向(矢印Bの方向)において下流側には、中間転写ベルト張架ローラ21と対向して、トナー像を転写ベルト24に担持された記録材に転写する転写ニップNを形成する転写部材として2次転写ローラ9が配置されている。記録材が転写ニップNに搬送されると、2次転写ローラ9にトナーと逆極性の2次転写電圧が印加されることによって、中間転写ベルト6上のトナー像が記録材P上へ一括して静電的に転写される。2次転写電圧は定電圧制御される。定電圧の電圧値は、転写に必要となる電流に応じて決める。なお二次転写に必要となる電流は、記録材の乾燥状態、環境、転写するトナーの量等の要因によって30〜60A程度の範囲で変化する。
【0019】
2次転写ローラ9はイオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層と芯金からなる。外径が24mm、ローラ表面粗さRz=6.0〜12.0(μm)、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)測定、2kV印加で1E+5〜1E+7Ωの転写ローラを使用している。2次転写ローラ9には、供給バイアスが可変となっている2次転写高圧電源13が取り付けられている。
【0020】
転写後に転写ベルト24から分離した記録材Pが記録材ガイド29の案内面を経て定着装置60に搬送されると、加熱加圧工程によってトナー像が記録材に定着される。トナー像が定着された後に、記録材Pは機械の外に排出される。
【0021】
(分離補助装置の構成)
転写ベルト24からの分離を補助するために転写ベルト24を押し上げる手段として、記録材の分離を、2次転写ローラ9と分離張架ローラ26との間の位置で局所的に転写ベルト24を押し上げて変形させることにより行う分離補助装置40が設けられている。分離補助装置40が転写ベルトを押し上げると、転写ベルトは、図1(b)に示されるように、幅方向に局所的な凹凸が形成された状態になる。
【0022】
本実施形態では分離補助装置40は、図1(a)に示されるように記録材搬送方向において二次転写部よりも下流側で分離張架ローラ26よりも上流側で、転写ベルト24の内面側に配置される。分離張架ローラ26を配置する。分離張架ローラ26よりさらに下流側には、分離後の記録材を定着装置60へ案内面で案内する記録材ガイド29が配置される。
【0023】
分離補助装置40の詳細な構成および、動作を示しているのが図2(a)、図2(b)である。分離補助装置40は分離部材である分離補助コロ41と、分離補助コロ41を回転可能に支持するコロフレーム42と、分離補助コロ41の揺動中心となるコロ揺動中心軸43を有する。さらに、コロ揺動中心軸43を中心にして分離補助コロ41を揺動するためのコロ駆動ギア44と、コロ駆動ギア44に駆動力を伝達するためのモータ駆動伝達ギア45と、駆動源であるモータ46を有する。モータ46の回転運動がモータ駆動伝達ギア45によって、コロ駆動ギア44に伝達される。ここで、コロ駆動ギア44とコロ揺動中心軸43の間にはベアリングを設けているため、コロ揺動中心軸43は、モータ46による回転駆動の影響は受けず位置が動かないようになっている。
【0024】
図2(a)は、分離補助コロ41が転写ベルト24から離間しており、分離補助コロ41が押し上げ位置から退避するための退避位置を示す。図2(b)は、分離補助コロ41が転写ベルト24の内面に当接して転写ベルト24を局所的に押し上げる押し上げ位置を示す。分離補助コロ41は、コロ揺動中心軸43を中心にモータ46の所定量の正回転により、図2(a)で示されるコロ退避位置から、Y1方向へ図2(b)で示される押し上げ位置まで動くことができる。さらに、モータ46の所定量の逆回転により、分離補助コロ41は、図2(b)の押し上げ位置からY2方向へ移動して、図2(a)で示される退避位置へ動くことができる。すなわち、分離補助コロ41は、正逆回転により、このような揺動運動を行うようになっている。
【0025】
分離補助コロ41エチレン−プロピレンゴム(EPDM)からなり、外径は6〜10mm、幅は5〜15mmである。このような分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げると、幅方向に局所的な突出が転写ベルト24に形成される。ここで、幅方向とは、移動するベルト面の、移動方向と直交する方向である。
【0026】
図2(a)の状態で、分離補助コロ41から分離張架ローラ26までの距離は4〜8mmであり、図2(b)の状態では分離補助コロ41は転写ベルト24のベルト面を内面側から図2(a)の平面状態から6mm押し上げている。もちろんこの数値に限定する意図ではなく、3〜10mm程度の範囲で適宜設定すればよい。本実施形態では、図2(a)の退避位置において分離補助コロ41が転写ベルト24から離間する構成としたが、退避位置において転写ベルト24を変形させない程度に分離補助コロ41が転写ベルト24に軽く接触していてもよい。
【0027】
分離補助装置40による記録材の分離効果について説明する。2次転写ローラ9により、トナーと逆極性の電荷が転写ベルト24の内面に付与されるので、転写ニップN以降で記録材は転写ベルト24に吸着している状態にある。また、薄い紙等の剛度の弱い記録材は変形しやすい。これらのため図1(b)に示されるように、押し上げによって転写ベルト24に生じる幅方向に局所的な変形に沿って、記録材にもうねりが生じる。その結果、記録材の断面二次モーメント、すなわち記録材のこしの強さ、が大きくなる。記録材が薄紙等の剛度の弱い場合であっても記録材を分離するために有効な分離効果を得ることができる。
【0028】
分離補助装置40が有する分離補助コロ41は記録材が通過する領域にひとつであってもよい。しかしこの場合、記録材の幅方向において記録材がうねる範囲が狭くなってしまう.記録材の幅方向にうねりをつけるためには、記録材が通過する範囲内で幅方向に複数あった方が好ましい。
【0029】
図3に示されるように本実施形態では、分離補助コロ41が幅方向に3個設けられている。隣同士の分離補助コロ41の間隔L2は、125mmである。両端の分離補助コロ41同士の間隔L3は250mmである。中央部の分離補助コロ41は、どの幅のサイズの記録材も幅方向の中央が共通の基準線に実質的に一致するように搬送される記録材の略中央部に位置するように配置されている。特に、幅方向のサイズが297mmのAサイズの薄い記録材が搬送された場合には、A4サイズの記録材に対して三箇所が押し上げられる。A4サイズの記録材の分離性をより高めるのに有効である。
【0030】
(分離補助装置40の制御)
分離補助装置40の動作位置は分離補助制御回路50によって制御される。この制御の関係を示しているのが図4である。分離補助装置40の動作位置信号の制御は、ユーザーに指定された記録材Pの坪量情報、レジストローラ対8の記録材送りタイミングと記録材の搬送速度に基づいて得られる記録材先端位置情報に基づく。制御部50はCPU、ROM、RAMを含む。ユーザーが画像形成部を操作する操作部102からの情報は制御部50に入力される。レジストローラ8の動作タイミングは制御部50に入力される。二次転写高圧電源からの二次転写電流値の情報が制御部50に入力される。制御部50は、分離補助装置40のモータの動作を制御する。
【0031】
なお坪量とは、単位面積当りの重さ(g/m)を示す単位で、記録材の厚みを示す値として一般的に用いられる。
【0032】
本実施形態では、以下の二通りのパターンがROMに予め記憶されている。
【0033】
・記録材が坪量40g/m以下の場合には、分離補助コロ41が押し上げ位置に位置して転写ベルト24を幅方向で局所に突出させる。記録材の転写ベルト24からの分離は、押し上げによって局所的な突出を形成することによって行われる。
【0034】
・記録材が坪量40g/mより大きい場合には、分離補助コロ41が退避位置に位置する。退避位置において分離補助コロ41は転写ベルト24から離間している。記録材の転写ベルト24からの分離は、張架ローラ26の曲率を利用することによって行われる。
【0035】
すなわち、特定の坪量(第一の坪量)の記録材に対して分離補助コロ41を押し上げる動作のモードを実行する。また、第一の坪量より大きい第二の坪量の記録材に対しては分離補助コロ41を押し上げる動作を行わずに、張架ローラ26により記録材を分離する動作のモードを実行する。
【0036】
坪量は、操作部102でユーザーが入力する場合や、記録材を収容する収容部に記録材の坪量を入力する場合があり、それらにより画像形成装置に入力された坪量の情報に基づいて、制御部50が分離補助装置40の動作を決定する。
【0037】
分離補助装置40の動作制御のフローチャートを図5を用いて説明する。スタートすると(S01)、ユーザー操作部102でユーザーが設定した記録材の坪量情報が読み取られる(S02)。坪量が40g/mより大きいかどうかが判断される(S03)。S03で記録材の坪量が40g/mより大きい場合には、分離補助コロは収容位置に配置される(S07)。ユーザーによって設定された記録材Pの坪量が40g/m以下の場合、こしが小さい記録材を転写ベルト24から分離するために、分離補助コロ41により転写ベルト24を押し上げて局所的な突出を形成する動作が必要になる。設定された記録材Pの坪量が40g/m以下の場合、記録材が所定の位置に記録材が到達したかが判断される(S04)。所定の位置は、分離補助コロ41よりも記録材搬送方向における上流側の位置であって、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる動作が、記録材の先端が分離補助コロ41により押し上げられた位置に到達する前に完了するように設定される。記録材の位置は、記録材がレジストローラを通過してからの経過時間と記録材の搬送速度から検知する方法や、記録材の通過を検知する検知部材を配置することで記録材の位置を検知する方法などによって判断する。所定の位置に到達したと判断された場合、分離補助コロ41はY1方向へ動かされて、転写ベルト24を押し上げた、押し上げ位置に配置される(S05)。分離補助コロ41により変形された転写ベルト24上で、記録材Pは、うねりがつけられてこしの強さが大きくなり、転写ベルト24が張架ローラ26に当接した領域に到達する前に、転写ベルト24から分離される。次に、記録材Pの先端位置が記録材ガイド29の案内面に到達しているかどうかが判断される(S06)。なお、記録材の位置は、記録材がレジストローラを通過してからの経過時間と記録材の搬送速度から検知する方法や、記録材の通過を検知する検知部材を配置することで記録材の位置を検知する方法などによって判断する。記録材が記録材ガイド29の案内面に到達している場合には、分離が行われたと判断されて、分離補助コロが収容位置に移動されて(S07)、終了する(S08)。
【0038】
本実施形態ではユーザーが入力した坪量情報に基づいて制御を行っているが、画像形成装置にセンサーを設けて、センサーを利用して記録材の坪量を判断してもよい。センサーによって判断された坪量に基づいて分離補助装置40の動作が制御されると、大きな坪量の記録材用のカセットに小さな坪量の記録材が誤って収納されているような場合であっても、押し上げ動作が行われる。すなわち、坪量の小さな記録材を収納する位置を誤っても、坪量の小さな記録材の分離不良が生じるのを抑制することができる。
【0039】
センサーとしては、記録材の搬送経路中に、搬送された記録材の重みを検知する重みセンサーを設けて、重みセンサーにより検知された重みと、記録材のサイズ情報(面積)とに基づいて、記録材の坪量を判断すればよい。あるいは、光の透過率を検知する透過型センサーを記録材の搬送経路中に設けて、搬送される記録材を透過する光の透過率から、記録材の厚さを判断してもよい。
【0040】
(記録材ガイド29の位置)
本実施形態では、転写ベルト24から分離した記録材を案内するために記録材ガイド29が設けられている。記録材ガイド29は記録材搬送方向において分離張架ローラ26より下流側に配置されている。
【0041】
図6を用いて記録材ガイド29の転写ベルト24に対する位置関係について説明する。図6は記録材Pを分離するために分離補助コロ41を用いる場合の転写ベルトの状態を示す。分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げると、転写ベルト24には幅方向に局所的に凸部(第1の凸部)と、第1の凸部と隣り合う凸部(第2の凸部)との幅方向における間の最も低い位置に凹部とが形成される。本実施形態では第1の凸部と第2の凸部の高さは同じであるので、凹部は第1の凸部と第2の凸部との間の中央に位置する。破線Qは、凹部から分離張架ローラ26にかけての転写ベルト24のベルト面を記録材搬送方向において下流側に向けて延長した線を示す。破線Rは、押し上げられていない転写ベルト24の二次転写部から分離張架ローラ26にかけてのベルト面を記録材搬送方向において下流側に向けて延長した線を示す。Aは、破線Qが分離張架ローラ26に接する接点を示しし、線R´は、Aを通り破線Rに平行な線を示す。θ1は、破線Qと破線R´とが成す角度を示し、θ2は交点Aと記録材ガイド29の上流側端部とを結ぶ線と破線R´との成す角度を示す。本実施形態では記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部Fの位置が、破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側になるように配置される。すなわちθ2>θ1の関係になる。
【0042】
この理由について説明する。分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げて凹凸を形成する場合には、凹凸が形成された位置で記録材は飛び出さない。記録材は転写ベルトに形成された凹凸から分離張架ローラにかけては、凹部から分離張架にかけてのベルト面に沿って搬送される。これは重力の影響を受けるからである。分離後は、記録材は、凹部から分離張架部材にかけてのベルト面の延長線(破線Q)に沿うように搬送される。分離後の記録材の軌道は破線Qの上下に多少ぶれるおそれがあるので、記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部Fの位置は、破線Qから離れて分離張架ローラ26と同じ側に配置するのが望ましい。
【0043】
凹部から分離張架部材にかけてのベルト面の延長線(破線Q)は、押し上げられていない状態のベルト面の延長線(破線R)よりも分離張架部材側にそれる。そうすると転写べルト24から分離した記録材を案内する記録材ガイド29の配置を押し上げない状態のベルト面に合わせると、押し上げによって記録材を分離する場合に記録材ガイド29への記録材の搬送不良が生じるおそれがある。
【0044】
Lkは、記録材搬送方向における、凹部から交点Aまでの距離を示す。ここで記録材搬送方向における凹部の位置は、転写ベルト24が分離補助コロ41に押し上げられる際に、転写ベルト24が分離補助コロ41に接触する範囲の搬送方向における中央の位置をいう。Zkは凹部の高さを示す。ここで凹部の高さは、二次転写部から分離張架ローラ26までの押し上げられていない平面状態の転写ベルト24のベルト面を基準として、平面状態のベルト面に対して垂直な方向における凹部の高さのことをいう。Lbは、記録材搬送方向における点Aから記録材ガイド29の上流側端部Fまでの距離を示す。Zbは、破線Rに垂直な方向における、破線Rから記録材ガイド29の上流側端部Fまでの距離を示す。
【0045】
本実施形態ではLk=15mm、Zk=4mmであり、θ1=15°となっている。さらにLb=8.7mm、Zb=4.7mmとなっており、θ2=28°となっている。すなわちθ2>θ1となるので、記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部Fの位置が、破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側になる。もちろんLk、Zk、Lb,Zbはこれらの数値に限定する意図ではない。記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部Fの位置が、破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側になるように設定すればよい。
【0046】
なお凹部の高さZkは凸部の高さが大きくなるほど高くなる。凸部の高さが3から10mm程度の範囲であるとき、凹部の高さは0から8mm程度の範囲になる。
【0047】
ところで記録材の先端が転写ベルトから分離してから記録材ガイド29に到達するまでの間、記録材は鉛直方向に重力を受ける。記録材の坪量が40〜60g/mと比較的小さい場合には記録材の先端の向きは徐々に湾曲する。しかし図6に示されるように記録材ガイド29が破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側になるように配置されると、押し上げない状態の転写ベルト24のベルト面から記録材ガイド29までの距離が広がる。その結果転写ベルトを押し上げずに記録材の先端を分離した場合に、分離後の記録材の先端が記録材ガイド29に到達する時に、記録材の先端の向きが鉛直下向きになるといった事態が生じ得る。その結果、図7(a)に示されるように記録材Pの先端の向き(矢印E)と記録材の搬送方向(矢印B)とが成す角度が直交以上になり、記録材ガイド29上で記録材の先端が丸まってしまい、搬送不良が生じる恐れがある。すなわち、図7(b)に示されるように記録材が湾曲して記録材の先端の向き(矢印E)が鉛直下向きになる前に記録材の先端が記録材ガイド29に到達するように、押し上げられていない状態の転写ベルト24の延長線(破線R)から記録材ガイド29までの距離は所定値以下に設定するのが望ましい。
【0048】
そこで本実施形態では鉛直方向における記録材ガイド29の位置について図8で示されるように設定される。Cは、転写ベルトのベルト面の接線が破線Rとなす角度が垂直となる位置、すなわちベルト面の接線が鉛直方向に延びる転写ベルトの位置を示す。dは鉛直方向における破線Rから点Cまでの距離を示す。Zbは鉛直方向における破線Rから記録材ガイド29の上流側端部Fまでの距離を示す。本実施形態ではZb≦dと設定される。すなわち記録材ガイド29の案内面の上流側端部Fが、鉛直方向において、分離張架ローラ26の曲率に沿ってベルト面が鉛直下向きとなる位置よりも上方になるように設定される。このように設定する理由について説明する。分離直後の記録材の先端は重力を受けて湾曲する。記録材の坪量が小さくなるほど、記録材の坪量の湾曲の曲率、すなわち湾曲の度合いは大きくなり、ベルト面の湾曲状態に近くなる。本実施形態は転写ベルトを押し上げずに記録材を分離するのは坪量が40g/mより大きい場合であるので、ベルト面の湾曲に最も近づくのは、坪量が40〜50g/m程度と比較的小さい場合である。しかし坪量が比較的小さい場合であっても、ベルトから一旦分離した後の記録材の湾曲の曲率は、ベルト面の湾曲の曲率より大きくならないと考えられる。そこで本実施形態では、記録材ガイドの上流側端部Fの位置を、鉛直方向において、湾曲したベルト面の接線が破線Rに対して垂直な鉛直下向きになる位置よりも高く設定すればよい。その結果、坪量が比較的小さい場合であっても、記録材の先端の向きが破線Rに垂直な鉛直方向下向きになる前に、記録材の先端が記録材ガイド29に到達する。
【0049】
なお本実施形態では鉛直方向における点Cの位置は分離張架ローラの回転中心と同じ位置となる。すなわち、記録材ガイド29の上流側端部Fの位置を鉛直方向において分離張架ローラの回転中心よりも上方に設定すればよい。分離張架ローラ26の直径rは8mmであるので、鉛直方向における破線Rから点Cまでの距離dは8mmである。Zbは4.7mmであり、Zb≦dを満たす。もちろんこれらの数値に限定する意図ではなく、Zb≦dを満たすように設定すればよい。
【0050】
θ2の上限はZb=dから決まる。すなわちθ2≒arctan(Zb/Lb)≦arctan(d/Lb)=arctan(8/8.7)≒43°となるので、θ2の上限が43°程度になるように設定すればよい。
【0051】
また本実施形態では、記録材ガイド29の案内面の一部と記録材搬送方向における下流側端部は、破線Qに対して分離張架ローラ26と反対側に配置される。この理由は、記録材ガイド29の案内面の全体を破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側に配置すると、分離後の記録材が記録材ガイド29の案内面に触らなくなるといった事態が生じるおそれがあるからである。もちろんこの実施形態に限定する意図でなく、記録材ガイド29の案内面の下流側端部が破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側にあってもよい。
【0052】
なお本実施形態では、像担持体として中間転写ベルト6を用いる構成となっているがこれには限定されない。像担持体としての感光体ドラムからトナー像を転写ベルトに担持された記録材に直接転写する構成であってもよい。
【0053】
なお本実施形態では分離補助コロの押し上げ量は一定としたが、坪量の大きさによって押し上げ量を多段階に調整する構成であってもよい。このような構成では記録材ガイド29の位置は、押し上げ量が最大となる場合の凹部から分離張架部材にかけての転写ベルト24のベルト面の延長線に合わせて設定すればよい。その結果、押し上げ量がどのように設定されていても、記録材ガイド29の位置が、転写ベルトに形成される凹部から分離張架ローラ26にかけての転写ベル24のベルト面よりも下流側に延長した線に対して、分離張架ローラ26と常に同じ側になる。
【0054】
なお本実施形態では、記録材ガイド29の位置を決めるために、転写ベルト24の凹部から分離張架部材26にかけてのベルト面の延長である破線Qを用いている。しかし転写ベルト24の凹部から分離張架ローラ26にかけてのベルト面が直線状にならない場合もある。このような場合には、記録材ガイド29の位置を決めるために、破線Qの代わりに、転写ベルト24の凹部と分離張架ローラ26の両方に転写ベルト24の外周面側から接する共通接線を用いればよい。記録材ガイド29の位置を決めるために共通接線を用いる場合には、記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部の位置を、転写ベルト24の凹部と分離張架ローラ26の両方に転写ベルト24の外周面側から接する共通接線の延長に対して分離張架ローラ26と同じ側に配置すればよい。その結果、記録材の分離を押し上げ手段を用いて行っても、分離後の記録材を案内するガイドへの搬送不良が生じるのを抑制することができる。記録材ガイド29の記録材搬送方向における下流側の端部の位置も、共通接線を用いて決めればよい。すなわち、記録材ガイド29の記録材搬送方向における下流側の端部の位置を、転写ベルト24の凹部と分離張架ローラ26の両方に転写ベルト24の外周面側から接する共通接線の延長に対して分離張架ローラ26と反対側に配置すればよい。その結果、分離後の記録材が記録材ガイド29の案内面に触らなくなるといった事態が生じるのが抑制される。もちろん、記録材ガイド29の案内面の下流側端部は、共通接線に対して分離張架ローラ26と同じ側にあってもよい。
【0055】
(第2の実施形態)
第1の実施形態と重複する点については説明を省略する。第1の実施形態では記録材ガイド29の位置が固定されているのに対して、本実施形態では記録材ガイド29の位置が可動に構成される。
【0056】
本実施形態では記録材ガイド29は、不図示のモータの駆動力を受けて、図9に示される第1の位置と、押し上げられていない状態の転写ベルト24のベルト面に対して垂直な垂直方向において第1の位置よりも低い第2の位置とに移動することができる。
【0057】
Zb1は、第1の位置での記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部と、押し上げられていない状態の転写ベルト24のベルト面の延長線上との距離である。Zb1=4.6mmと設定されており、第1の位置で記録材ガイド29の上流側端部は破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側になり、下流側端部は破線Qに対して分離張架ローラ26と反対側になる。
【0058】
Zb2は第2の位置での記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部と、押し上げられていない状態の転写ベルト24のベルト面の延長線上との距離である。Zb2は、6.5mmと設定されており、第2の位置で記録材ガイド29の上流側端部は破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側になり、下流側端部も破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側になる。
【0059】
本実施形態では図10に示されるように記録材ガイド29の動作は制御回路50により制御される。制御回路50が記録材ガイド29の動作を制御するために、記録材ガイド動作信号を記録材ガイド29へ送信する。制御回路50には、以下の二通りのパターンがROMに予め記憶されている。
【0060】
・分離補助コロ41は退避位置に配置して、記録材の転写ベルト24からの分離は、分離張架ローラ26の曲率を利用することによって行われる場合には、記録材ガイド29は所定の第1の位置に配置する。
【0061】
・分離補助コロ41が押し上げ位置に位置して転写ベルト24を幅方向で局所に突出させて、押し上げによって記録材を分離する場合には、記録材ガイド29は第1の位置より低い所定の第2の位置に配置する。
【0062】
本実施形態では、分離補助コロ41を用いて押し上げる場合に記録材ガイド29の位置をより低い位置に配置する。その結果、転写ベルトに形成される凹部の高さが高くなる場合であっても、凹部から分離張架ローラ26にかけての転写ベル24のベルト面よりも下流側に延長した線に対して、記録材ガイド29の位置を分離張架ローラ26と常に同じ側になる。
【0063】
本実施形態では、分離補助コロ41を用いずに記録材を分離する場合の記録材ガイド29の上流側端部の位置は、破線Qに対して分離張架ローラ26と同じ側である。もちろんこの構成に限定する意図ではない。分離補助コロ41を用いずに記録材を分離する場合の記録材ガイド29の上流側端部の位置は、破線Qに対して分離張架ローラ26と反対側にしてもよい。なお本実施形態では、記録材ガイド29の位置を決めるために、転写ベルト24の凹部から分離張架部材26にかけてのベルト面の延長である破線Qを用いている。しかし転写ベルト24の凹部から分離張架ローラ26にかけてのベルト面が直線状にならない場合もある。このような場合には、記録材ガイド29の位置を決めるために、破線Qの代わりに、転写ベルト24の凹部と分離張架ローラ26の両方に転写ベルト24の外周面側から接する共通接線を用いればよい。
【0064】
そうすると、転写ベルト24の凹部と分離張架ローラ26の両方に転写ベルト24の外周面側から接する共通接線の延長に対して、第2の位置で記録材ガイド29の記録材搬送方向における上流側端部の位置は分離張架ローラ26と同じ側に配置されて、記録材ガイド29の記録材搬送方向における下流側端部の位置も分離張架ローラ26と同じ側に配置される。その結果、記録材の分離を押し上げ手段を用いて行っても、分離後の記録材を案内するガイドへの搬送不良が生じるのを抑制することができる。また、第1の位置で記録材ガイド29の上流側端部の位置は、共通接線の延長に対して分離張架ローラ26と同じ側で、下流側端部の位置は、共通接線に対して反対側に配置される。もちろん第2の位置では記録材ガイド29の上流側端部の位置は、共通接線に対して分離張架ローラ26と反対側にしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 感光ドラム
2 1次帯電器
3 露光装置
4 現像器
5 1次転写ローラ
6 中間転写ベルト
8 レジストローラ
9 2次転写ローラ
11 ドラムクリーニング装置
12 ベルトクリーニング装置
13 2次転写高圧電源
20 中間転写ベルト張架ローラ(テンションローラ)
21 中間転写ベルト張架ローラ(2次転写ローラ9の対向ローラ)
22 中間転写ベルト張架ローラ(駆動ローラ)
24 転写ベルト
25 転写ベルト張架ローラ
26 転写ベルト張架ローラ
27 転写ベルト張架ローラ(テンションローラ)
29 記録材ガイド
31 転写ベルトクリーニング装置
40 分離補助装置
50 制御部
60 定着装置
P 記録材
A 感光ドラムの回転方向
B 転写ベルトの回転方向
G 中間転写ベルト回転方向
N 2次転写部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、
前記ベルト部材の幅方向において局所的な凹凸を形成して、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ手段と、
記録材の搬送方向において前記押し上げ手段より下流側に配置されて、前記ベルト部材を張架する記録材を分離するための分離張架部材と、
記録材の搬送方向において前記分離張架部材より下流側に配置されて、前記ベルト部材から分離した記録材を案内面で案内するための記録材ガイドと、
を有する画像形成装置において、
前記記録材ガイドの案内面の記録材搬送方向における上流側端部は、前記押し上げ手段によりベルト面に形成される凹部から分離張架部材までのベルト面の延長に対して前記分離張架部材と同じ側に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記凹部は、ベルト面に形成される第1の凸部と、幅方向において前記第1の凸部に隣り合う位置に形成される第2の凸部との間の最も低い位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項3】
前記記録材ガイドの案内面の記録材搬送方向における上流側端部は、鉛直方向において前記分離張架部材の回転中心より上方に配置されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載された画像形成装置。
【請求項4】
前記記録材ガイドの案内面の記録材搬送方向における下流側端部は、前記押し上げ手段によりベルト面に形成される凹部から分離張架部材までのベルト面の延長に対して前記分離張架部材と反対側に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置。
【請求項5】
トナー像を担持する像担持体と、
記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、
前記ベルト部材の幅方向において局所的な凹凸を形成して、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ手段と、
記録材の搬送方向において前記押し上げ手段より下流側に配置されて、前記ベルト部材を張架する、記録材を分離するための分離張架部材と、
記録材の搬送方向において前記分離張架部材より下流側に配置されて、前記押し上げ手段によって押し上げられていない状態の前記転写部から前記分離張架部材までの前記ベルト部材のベルト面に対して垂直な垂直方向に異なる位置に移動可能であって、前記ベルト部材から分離した記録材を案内面で案内するための記録材ガイドと、を有する画像形成装置において、
前記記録材ガイドは、前記押し上げ手段により前記ベルト面を押し上げず前記分離張架部材により記録材を分離する場合には前記垂直方向において第1の位置に配置されて、前記押し上げ手段が前記ベルト部材を押し上げて記録材を分離する場合には、前記垂直方向において第1の位置よりも低い第2の位置に配置されて、
前記第2の位置では、前記記録材ガイドの案内面の記録材搬送方向における上流側端部は、前記押し上げ手段によりベルト面に形成される凹部から分離張架部材までのベルト面の延長に対して前記分離張架部材と同じ側に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
トナー像を担持する像担持体と、
記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、
前記ベルト部材の幅方向において局所的な凹凸を形成して、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ手段と、
記録材の搬送方向において前記押し上げ手段より下流側に配置されて、前記ベルト部材を張架する記録材を分離するための分離張架部材と、
記録材の搬送方向において前記分離張架部材より下流側に配置されて、前記ベルト部材から分離した記録材を案内面で案内するための記録材ガイドと、
を有する画像形成装置において、
前記記録材ガイドの案内面の記録材搬送方向における上流側端部は、前記押し上げ手段によりベルト面に形成される凹部と分離張架部材の両方に前記ベルト部材の外周面側から接する共通接線の延長に対して前記分離張架部材と同じ側に配置されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−123052(P2012−123052A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271693(P2010−271693)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】