説明

画像形成装置

【課題】微細な指標を中抵抗領域のベルト部材に転写して、下流側へ搬送された位置で、その指標の位置をアンテナ型の電位センサによって精密に検出可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置18aは、露光装置16aを用いて感光ドラム12aに形成した静電像指標に帯電したトナーを付着させてトナー像指標を形成して中間転写ベルト24に転写する。ベルト目盛り読み取り電位センサ33は、中間転写ベルト24の回転に伴って下流側へ搬送された位置で、トナー像指標と平行に配置された導線を用いてトナー像指標の通過に伴う誘導電流を検出する。制御部110は、ベルト目盛り読み取り電位センサ33の検出結果に基づいて、感光ドラム12aで形成される画像のトナー像と感光ドラム12bで形成される画像のトナー像との重ね合わせを調整する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写ベルト又は記録材搬送ベルトを用いて、複数の像担持体からトナー像を転写して重ね合わせる画像形成装置、詳しくは像担持体に静電像指標を形成して行うトナー像の位置合わせ制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルト部材(中間転写ベルト又は記録材搬送ベルト)に複数の像担持体を当接させて配置したタンデム型のフルカラー画像形成装置が広く用いられている。ベルト部材を用いた画像形成装置は、第1の像担持体から第1のトナー像をベルト部材(又は記録材)へ転写した後に、第2の像担持体から第2のトナー像をベルト部材(又は記録材)へ転写して重ね合わせる。このとき、ベルト部材上(又は記録材上)の第1のトナー像に第2のトナー像を精密に位置決めて重ね合わせないと、色ずれを生じて出力画像の品質が低下する。
【0003】
このため、画像形成に先立たせて(あるいは画像形成中に)、第1の像担持体で形成されたトナー像と前記第2の像担持体で形成されたトナー像とのベルト部材を介した重ね合わせを調整する制御が実行される。
【0004】
特許文献1では、画像形成中、画像露光の走査線ごとに第1の像担持体に目盛りパターンを磁気記録し、第1の像担持体の目盛りパターンを中間転写体に転記している。そして、第2の像担持体の転写部で検出した中間転写体の目盛りパターンと第2の像担持体の目盛りパターンとの位相差を相殺するように、像担持体の回転速度をリアルタイムに調整している。
【0005】
しかし、ベルト部材に位置合わせ用の指標(目盛りパターン)を磁気記録する場合、ベルト部材に磁気記録トラックを設ける必要があり、磁気記録を行うための特別な記録ヘッドや消去ヘッドも必要となる。ベルト部材に位置合わせ用の指標を磁気記録する場合、画像の走査線の書き込みに対して精密に磁気記録のタイミングを調整しないと、像担持体に形成される画像の走査線との間に誤差が発生する。
【0006】
また、特許文献2では、画像形成に先立たせて、第1の像担持体と第2の像担持体にそれぞれトナー像指標(レジマーク)を形成してベルト部材に転写し、これを最終段の像担持体の下流で光学的に検出している。そして、トナー像指標(レジマーク)の検出結果に基いて、それぞれの像担持体における画像の書き込み開始(露光開始)タイミングを調整している。
【0007】
トナー像指標(レジマーク)と光学センサの組み合わせを用いる場合、トナー像を形成してベルト部材に転写するための既存の帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段をそのまま利用できる点で有利である。画像の走査線の書き込みと同時に指標が形成されるから、画像の走査線との間で磁気記録のような誤差が発生しないで済む。
【0008】
しかし、光学センサは、レンズと光路を含んで、比較的に大型でコスト高のため、画像形成装置の小型化、製造コストの削減が難しくなる。
【0009】
また、特許文献3では、画像形成に先立たせて、第1の像担持体と第2の像担持体にそれぞれ静電像指標を形成して、静電像指標のままベルト部材に転写し、これを最終段の像担持体の下流で電位センサにより検出している。そして、静電像指標の検出結果に基いて、それぞれの像担持体における画像の書き込み開始(露光開始)タイミングを調整している。
【0010】
しかし、静電像指標と電位センサの組み合わせを用いる場合も、特許文献2に示されるような静電容量型の電位センサ(いわゆる電位計)では、検出電極を含めて比較的に大型になる。また、静電容量型の電位センサは、図10に示すように、静電像指標を通過する際に積分波形の検出信号を出力するため、静電像指標のエッジでの信号の立ち上がりが遅く、画像のトナー像の精密な位置決めには利用できない。
【0011】
そこで、特許文献4に示されるようなアンテナ型の電位センサを用いて、第1の像担持体からベルト部材へ転写した静電像指標(目盛りパターン)を検出して、引用文献1、3のような制御を行うことが提案された。
【0012】
特許文献4には、感光ドラムに形成された静電像のエッジを検出可能なアンテナ型の電位センサが記載されている。アンテナ型の電位センサは、図5に示すように、静電像検出面と所定の間隔を隔てて配置された静電像の走査線と平行な導線を有する。アンテナ型の電位センサは、極めて小型であることに加えて、静電像指標を通過する際に検出面の電位分布の微分波形の検出信号を出力するため、静電像指標のエッジ位置を精密に検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−134264号公報
【特許文献2】特開平6−18796号公報
【特許文献3】特開2004−279823号公報
【特許文献4】特開2010−60761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
静電像指標を第1の像担持体からベルト部材に転写して、第2の像担持体の位置でアンテナ型の電位センサで検出する実験を行ったところ、静電像指標は第2の像担持体まで到達しないことが判明した。静電的なプロセスを行うベルト部材は、不必要な帯電を避けるために、中抵抗領域(10Ω〜1010Ω)に抵抗調整されている。このため、第1の像担持体からベルト部材に転写された静電像指標は早々に減衰して消滅してしまう。
【0015】
特許文献2に示されるように、10mm以上の大きな静電像指標であっても、高抵抗(1012Ω〜1014Ω)の記録層を設けないと、像担持体から転写された静電像指標を最終段の像担持体の下流の電位センサまで搬送できない。まして、走査線レベル(80〜380μm)の静電像指標では、100mm下流の像担持体に到達する以前に減衰して電位センサによる検出が不可能になってしまう。
【0016】
本発明は、微細な指標を中抵抗領域のベルト部材に転写して、下流側へ搬送された位置で、その指標の位置をアンテナ型の電位センサによって精密に検出可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の画像形成装置は、ベルト部材と、前記ベルト部材に当接する第1の像担持体と、前記ベルト部材の回転方向における前記第1の像担持体の下流側で前記ベルト部材に当接する第2の像担持体とを備えたものである。そして、画像の走査線の書き込み手段を用いて前記第1の像担持体に形成した静電像指標に帯電したトナーを付着させてトナー像指標を形成する指標現像手段と、前記第1の像担持体と前記ベルト部材の当接位置で前記トナー像指標を前記ベルト部材に転写する指標転写手段と、前記ベルト部材の回転に伴って下流側へ搬送された位置で、前記トナー像指標と平行に配置された導線を用いて前記トナー像指標の通過に伴う誘導電流を検出するアンテナ型の静電センサにより前記トナー像指標を検出する指標検出手段と、前記指標検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の像担持体で形成される画像のトナー像と前記第2の像担持体で形成される画像のトナー像との前記ベルト部材を用いた重ね合わせを調整する制御を行う制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置では、アンテナ型の静電センサを用いて検出すべき指標を、帯電したトナーで形成するため、ベルト部材の抵抗値が低くても、ベルト部材上で指標が検出されるべき電位状態を保ったまま下流側へ搬送される。それは、ベルト部材に転写されたトナー電荷と等量のベルト内電荷が引き合うためである。このため、第1の像担持体からベルト部材に転写されて下流側へ搬送されても、検出されるべきトナー像指標とベルト部材の電位コントラストは大きく保たれる。特に、画像のトナー像の精密な位置合わせに重要な、トナー像指標のエッジ部分の電位コントラストが大きく保たれる。
【0019】
したがって、微細な指標を中抵抗領域のベルト部材に転写して、下流側へ搬送された位置で、その指標の位置をアンテナ型の電位センサによって精密に検出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1における画像形成装置の全体構成の説明図である。
【図2】画像形成部の構成の説明図である。
【図3】電位センサの構成の説明図である。
【図4】電位センサによるトナー像指標の検出の説明図である。
【図5】電位センサの出力信号の説明図である。
【図6】実施例1におけるトナー像目盛り線を用いた制御の説明図である。
【図7】画像形成部を搬送方向上流側から見た拡大図である。
【図8】電位センサの配置の説明図である。
【図9】電位センサによるトナー像目盛り線の実測波形の説明図である。
【図10】従来の電位センサによる実測波形の説明図である。
【図11】トナー像目盛り線の搬送方向の幅による実測波形の変化の説明図である。
【図12】感光ドラムの対向位置でトナー像目盛り線を検出する効果の説明図である。
【図13】実施例2の画像形成装置の構成の説明図である。
【図14】実施例2におけるトナー像目盛り線の形成の説明図である。
【図15】実施例2におけるトナー像目盛り線の検出の説明図である。
【図16】実施例3におけるトナー像目盛り線の形成の説明図である。
【図17】実施例3におけるトナー像目盛り線の検出の説明図である。
【図18】実施例4におけるトナー像目盛り線の形成と検出の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、アンテナ型の電位センサでトナー像指標のエッジを検出する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
【0022】
したがって、ベルト部材に沿って複数の像担持体を備えた画像形成装置であれば、像担持体の数、像担持体の帯電方式、静電像の形成方式、現像剤及び現像方式、一次転写方式、二次転写方式等の区別無く実施できる。ベルト部材を用いた画像のトナー像の重ね合わせ制御は、任意に選択可能であって、特許文献1のような画像形成中のリアルタイムの調整に限らず、特許文献2のような非画像形成時に行う画像書き込みタイミングの設定も含む。導線とトナー像指標の平行は、エッジをまたぐ際に両端部の誘導電流が完全に打ち消し合うことがないための実質的な平行という意味である。
【0023】
また、本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
【0024】
なお、特許文献1〜4に示される画像形成装置及びアンテナ型の電位センサの一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
【0025】
<画像形成装置>
図1は実施例1における画像形成装置の全体構成の説明図である。図2は画像形成部の構成の説明図である。
【0026】
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト24に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部43a、43b、43c、43dを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
【0027】
画像形成部43aでは、感光ドラム12aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト24に転写される。画像形成部43bでは、感光ドラム12bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト24に転写される。画像形成部43c、43dでは、それぞれ感光ドラム12c、12dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト24に転写される。
【0028】
中間転写ベルト24は、ベルト駆動ローラ36とベルト従動ローラ37と二次転写対向ローラ38の少なくとも3本の支持回転体に巻き掛けられている。ベルト従動ローラ37は、両端を外側へ向かってばね支持されて中間転写ベルト24に所定の張力を付与する。ベルト駆動ローラ36は、不図示の駆動モータに回転駆動されて、中間転写ベルト24を矢印R2方向に所定のプロセススピードで回転させる。中間転写ベルト24に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ二次転写される。
【0029】
記録材カセット80に収納された記録材Pは、分離ローラ82によって1枚ずつに分離されて、レジストローラ83へ給送される。記録材Pは、レジストローラ83によって中間転写ベルト24上のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ送り込まれる。
【0030】
そして、中間転写ベルト24に記録材Pを重ね合わせて二次転写部T2により挟持搬送する過程で、二次転写ローラ44に正極性の電圧が印加されることにより、中間転写ベルト24から記録材Pへトナー像が二次転写される。トナー像が二次転写された記録材Pは、定着装置84へ搬送され、定着装置84で加熱加圧を受けてトナー像が記録材Pへ定着される。その後、記録材Pは、排出ローラ85によって機体外へ排出される。
【0031】
画像形成部43a、43b、43c、43dは、現像装置18a、18b、18c、18dで用いるトナーの色が異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部43aについて説明し、画像形成部43b、43c、43dについては、画像形成部43aの構成部材に付した符号末尾のaをb、c、dに読み替えて説明されるものとする。
【0032】
図2に示すように、画像形成部43aは、感光ドラム12aの周囲に、帯電ローラ14a、露光装置16a、現像装置18a、一次転写ローラ4a、ドラムクリーニング装置22aを配置している。感光ドラム12aは、アルミニウムシリンダの外周面に、膜厚30μmのOPC感光体層が形成され、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転する。感光ドラム12aは、奥側のドラム駆動モータ6aからドラム回転軸5aに駆動力を伝達される。
【0033】
帯電ローラ14aは、感光ドラム12aの表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。露光装置16aは、レーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム12aの表面電位をVLに低下させて画像の静電像を書き込む。
【0034】
現像装置18aは、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を用いて静電像を現像して感光ドラム12aの表面にトナー像を形成する。レーザービーム照射により表面電位が低下した感光ドラム12aの画像部分に、現像装置18aから供給されたマイナス帯電したイエロートナーが付着してイエロートナー像が反転現像される。
【0035】
一次転写ローラ4aは、中間転写ベルト24の内側面を押圧して、感光ドラム12aと中間転写ベルト24との間に一次転写部Taを形成する。一次転写ローラ4aに正極性の直流電圧を印加することにより、感光ドラム12aに担持された負極性のトナー像が中間転写ベルト24へ一次転写される。
【0036】
ドラムクリーニング装置22aは、感光ドラム12aにクリーニングブレードを摺擦させて、中間転写ベルト12aへ転写されないで感光ドラム12aに残った転写残トナーを図示しない廃トナーボックスへ回収する。
【0037】
ところで、タンデム型のフルカラー画像形成装置は、高速化のために複数の画像形成部を有し、中間転写ベルトや記録材搬送ベルト等に順次異なる色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像を転写する。
【0038】
しかし、タンデム型のフルカラー画像形成装置では、機械精度等の原因により、複数の感光ドラムや中間転写ベルトの速度変動や、中間転写ベルトの蛇行が生じ、各色トナー像の重ね合わせに色ずれが発生することがある。
【0039】
このような位置ずれを修正するために、特許文献3に提案されているように、静電像指標を用いた各色トナー像の重ね合わせを調整する制御が考えられる。例えば、図14に示すように、中間転写ベルト(24)上に色ずれを検出する際の基準となる基準色(例えば、ブラック)で電荷パッチ(48)、(49)を形成する。次に、残りの3つの電荷パッチ(50)、(51)、(52)を基準色とは異なる非基準色を用いて形成する。このようにしてできた電荷パッチを、4色の画像形成部43a、43b、43c、43dの下流地点に配置した電位センサを用いて検出する。
【0040】
制御部(110)は、基準色の電荷パッチ(48)、(49)に対する非基準色の電荷パッチ(50)、(51)、(52)の形成時間間隔のズレ量を測定することで、色ずれ量を推定する。そして、制御部(110)は、推定した色ずれ量に基づいて、画像の露光開始タイミング又は中間転写ベルト24の移動速度を補正することで、色ずれを低減することが可能である。
【0041】
しかし、この場合、中間転写ベルト(24)上に絶縁層が必須となる。なぜなら、電位センサによる電荷パッチ検出位置が最も下流の画像形成部(43d)の下流位置であるため、画像形成部(43a)から画像形成部(43d)までの間、電荷パッチを保持し続けなくてはならないからである。通常、電子写真装置に用いる中間転写ベルトは、一周回転する間に、途中で付与された電荷が自然に減衰してリセットされるような抵抗率に設計され、体積抵抗率が1010Ωcm以下である。すると、減衰の時定数は数msecとなり、画像形成部(43a)から画像形成部(43d)までの移動時間(1〜2秒)よりも短い時間で電荷が消滅してしまう。
【0042】
このため、絶縁層が必要となる。絶縁層を作るとなると、中間転写ベルト24のコストアップは必至である。また、絶縁体と抵抗体とでは物性(線膨張率や弾性率)が異なるため、電荷パッチ領域と画像領域とで伸び量に差が生じ、電荷パッチ領域で色ずれ量を補正しても、画像領域では補正しきれない可能性がある。
【0043】
さらに、絶縁層・直接転写方式の画像形成装置を設計した場合、中間転写ベルトの絶縁層が高抵抗で、電荷が減衰しないため、中間転写ベルトが一周しても電荷パッチが保持され続ける。中間転写ベルトの除電が十分に行われないと、所望でない電荷パッチを電位センサで検出し、誤った色ずれ補正を行う恐れもる。このため、コロナ除電器を設けて除電することが必要となり、コストアップに直結する。
【0044】
そこで、以下の実施例では、静電像指標に帯電したトナーを付着させて、すなわち現像して、中間転写ベルトに転写している。中抵抗のため静電像指標であれば速やかに減衰してしまうところを、帯電したトナーを付着させることで、電位センサによって検出されるべき電位コントラストを、遠くまで搬送できるようにしている。
【0045】
<実施例1>
図2に示すように、画像形成装置100は、ベルト部材の一例である中間転写ベルト24に、第1の像担持体の一例である感光ドラム12aと第2の像担持体の一例である感光ドラム12b、12c、12dが当接している。
【0046】
指標現像手段の一例である現像装置18aは、画像の走査線の書き込み手段の一例である露光装置16aを用いて、感光ドラム12aに形成した静電像指標に帯電したトナーを付着させてトナー像指標を形成する。
【0047】
指標転写手段の一例である一次転写ローラ4aは、感光ドラム12aと中間転写ベルト24の当接位置でトナー像指標を中間転写ベルト24に転写する。
【0048】
指標検出手段の一例であるベルト目盛り読み取り電位センサ33は、中間転写ベルト24の回転に伴って下流側へ搬送された位置で、トナー像指標と平行に配置された導線を用いてトナー像指標の通過に伴う誘導電流を検出する。
【0049】
制御手段の一例である制御部110は、ベルト目盛り読み取り電位センサ33の検出結果に基づいて、感光ドラム12aで形成される画像のトナー像と感光ドラム12bで形成される画像のトナー像との重ね合わせを調整する制御を行う。
【0050】
ベルト目盛り読み取り電位センサ33は、中間転写ベルト24から所定厚さの絶縁層を介してトナー像指標と平行な導線が配置され、絶縁層の表面を中間転写ベルト24の内側面に摺擦させて中間転写ベルト24の外側面のトナー像指標を検出する。
【0051】
ベルト目盛り読み取り電位センサ33は、感光ドラム12bと中間転写ベルト24の当接位置で中間転写ベルト24を介してトナー像指標を検出する。
【0052】
指標クリーニング手段の一例であるベルトクリーニング装置45は、ベルト目盛り読み取り電位センサ33によって検出された後のトナー像指標を中間転写ベルト24からクリーニングする。
【0053】
トナー像指標は、中間転写ベルト24の回転方向に所定のピッチを持たせて連続的に形成される。トナー像指標のピッチをpとし、中間転写ベルト24の回転方向におけるトナー像指標の幅をaとすると、「p/2 > a」である。
【0054】
指標クリーニング装置の一例であるベルトクリーニング装置45は、中間転写ベルト24の回転方向における二次転写部T2の下流側に配置される。トナー像指標は、中間転写ベルト24における二次転写ローラ44の長手方向の外側に形成される。
【0055】
実施例1の画像形成装置100は、帯電ローラ14aによって帯電された感光ドラム12aに露光装置16aを用いて静電像指標の一例である静電像目盛り線31aを形成する。静電像目盛り線31aは、指標現像手段の一例である現像装置18aを用いてトナー像指標の一例であるトナー像目盛り線47aに現像される。
【0056】
トナー像目盛り線47aは、指標転写手段の一例である一次転写ローラ4aを用いて中間転写ベルト24の外側面に転写されてトナー像目盛り線29となり、中間転写ベルト24の回転に伴って下流のベルト目盛り読み取りセンサ33へ搬送される。ベルト目盛り読み取りセンサ33は、アンテナ型の電位センサ(330:図4)を用いて、中間転写ベルト24の外側面に存在するトナー像目盛り線29を、中間転写ベルト24の内側面から検出する。
【0057】
<ベルトクリーニング装置>
ベルト駆動ローラ36に内側面を支持された中間転写ベルト24の外側面にベルトクリーニング装置45を配置して中間転写ベルト24表面をきれいに清掃している。ベルトクリーニング装置45は、中間転写ベルト24にクリーニングブレードを摺擦させて、二次転写部T2で記録材に二次転写されないで中間転写ベルト24表面に付着したまま残っているトナーや紙粉を掻き落とす。中間転写ベルト24から掻き落とされたトナーは、図示しない廃トナーボックスへ回収される。
【0058】
ベルトクリーニング装置45は、同時に、中間転写ベルト24の幅方向における画像領域の外側に形成されたトナー像目盛り線29も除去して、次回のトナー像目盛り線29の形成に備える。
【0059】
なお、二次転写ローラ44は、中間転写ベルト24の幅方向の端部に確保されたトナー像目盛り線29が形成される領域にかからない長さに形成されている。このため、トナー像目盛り線29は、二次転写部T2が当接状態でトナー像が記録材に転写されても、二次転写ローラ44に接触することなく二次転写部T2を通過する。トナー像目盛り線29は、二次転写ローラ44に付着する(又は転写される)ことなく、二次転写部T2を通過して、ベルトクリーニング装置45に到達して掻き落とされる。
【0060】
<アンテナ型の電位センサ>
図3は電位センサの構成の説明図である。図4は電位センサによるトナー像指標の検出の説明図である。図5は電位センサの出力信号の説明図である。
【0061】
図2に示すように、ベルト目盛り読み取り電位センサ33は、被検出面の移動に伴って被検出面の電位分布の変化を検出するアンテナ型の電位センサである。後述するベルト目盛り読み取り電位センサ35及びドラム目盛り読み取り電位センサ34bも同一のものである。アンテナ型の電位センサは、特開平11−183542号公報、あるいは特開2010−60761号公報に基本構成、動作原理、検出回路、信号処理等が記載されている。このため、ここでは、実施例1で用いた電位センサに特有な部分について説明する。
【0062】
図3の(a)に示すように、電位センサ330は、導線331をL字型に曲げた先端が検出部334となっており、検出部334の反対側の端部が信号の出力部335である。電位センサ330は、以下の手順で製造される。
(1)直径20μmの金属線の先端部分2mmをL字型に曲げて導線331を形成する。
(2)幅4mm、高さ15mm、厚さ25μmのポリイミドのフィルムからなるベースフィルム332の上に接着剤を塗布した後に、導線331を配置する。
(3)その上からベースフィルム332と同等な大きさと厚さを有するポリイミドのフィルムからなる保護フィルム333を接着する。
【0063】
図3の(b)に示すように、接着剤は、主にベースフィルム332と保護フィルム333との間に存在し、導線331とベースフィルム332との間にはほとんど存在しない。このため、導線331の表面からベースフィルム332の表面までの距離は再現性高く25μmになる。また、接着剤は、導線331と保護フィルム333との間にはほとんど存在しないため、導線331の表面から保護フィルム333の表面までの距離は再現性高く25μmになる。
【0064】
図4の(a)に示すように、電位センサ330は、トナー像目盛り線29に対して検出部334が実質的に平行になるように、中間転写ベルト24のユニットフレームに固定されている。図4の(b)に示すように、電位センサ330は、根本側を支持部に固定して、弾性変形による湾曲状態で、先端側を中間転写ベルト24に接触させている。これにより、導線331のベースフィルム332側が中間転写ベルト24に対してばね力を持って接触し、導線331と被検出面との対向距離が相対移動に伴って一定に保たれる。
【0065】
なお、検出部334と被転写部25の間隔が常に一定となるように、検出部334を保護フィルム333の上から、バネで押し付けるように構成してもよい。
【0066】
図4の(a)に示すように、中間転写ベルト24の内側面には、図4の(b)に示すように中間転写ベルト24の外側面に担持されたトナー像指標(29)によるマイナス電荷部342とプラス電荷部341の電位分布が現れている。中間転写ベルト24の内側面には、見えるものは何もないが、便宜上、マイナス電荷部342を破線で囲んで表現し、相対的にプラス電荷部341となるプラス領域を白地背景で表現している。
【0067】
図5の(a)に示すように、中間転写ベルト24の表面にトナー像目盛り線29が転写され、トナー像目盛り線29のトナー像電荷によって、中間転写ベルト24の表面にプラス電荷部341とマイナス電荷部342が形成される。
【0068】
図5の(b)に示すように、中間転写ベルト24の表面の実際の電位分布は、きれいな矩形波にはならず、トナー像目盛り線29ごとのガウス分布状の電位分布が形成されている。この状態で、図3の(b)に示すように、中間転写ベルト24の内側面に沿って電位センサ330を移動させると、導線331が電位の変化する方向に相対移動して、電位の変化による誘導電流が導線331に発生する。
【0069】
図5の(c)に示すように、電位センサ330の出力部335の出力電圧は、図5の(b)に示す中間転写ベルト24の表面電位分布を微分した波形の信号となる。中間転写ベルト24の表面電位分布のピークであって接線の傾き0の点がトナー像目盛り線29の中心になり、図4の(c)に示すように出力電圧が0になる。したがって、電位センサ330の出力信号のピークに挟まれた出力電圧が0になる時刻を、電位センサ330がトナー像目盛り線29の中心を検出した時刻と特定することができる。また、電位センサ330の出力信号のピークを検出した時刻を、電位センサ330がトナー像目盛り線29のエッジを検出した時刻と特定することができる。
【0070】
以上は、中間転写ベルト24の電位分布を電位センサ330で測定する場合を説明したが、感光ドラム12bの端部に形成された静電像目盛り線31bを、電位センサ330(静電像目盛り線読み取りセンサ34b)で読み取る場合も同様である。
【0071】
<トナー像指標>
図6は実施例1におけるトナー像目盛り線を用いた制御の説明図である。図7は画像形成部を搬送方向上流側から見た拡大図である。図8は電位センサの配置の説明図である。図7中、(a)は基準となる画像形成部43a、(b)は感光ドラムの回転速度制御を行う画像形成部43bである。図8中、(a)は感光ドラム目盛り読み取り電位センサの配置、(b)はベルト目盛り読み取り電位センサの配置である。
【0072】
図2に示すように、画像形成部43aでは、−600Vに帯電させた感光ドラム12aの表面に、露光装置16aにより画像信号に従ってレーザービームを走査して、露光部分の表面電位を−100Vに低下させることにより、画像の静電像を書き込む。このとき、露光位置42aを感光ドラム12aの軸方向に延長した位置で、有効画像領域外に、画像を書き込む前後のレーザービームの照射により静電像目盛り線31aを書き込む。静電像目盛り線31aは、画像の静電像を感光ドラム12aに書き込む以前に、感光ドラム12aが回転駆動を開始した直後から形成され、感光ドラム12aでの画像形成が終了するまで書き込みが続けられる。静電像目盛り線31aの大きさは、感光ドラム12aの軸方向の長さが5mmであって、副走査方向の画像の解像度が600dpiであるため、2ラインの場合、感光ドラム12aの回転方向の幅が84.67μmである。
25.4mm÷600×2=0.084666mm
【0073】
感光ドラム12aの回転方向における静電像目盛り線31aのピッチは、トナー消費を節約し、ベルトクリーニング装置45の負担を軽減するために、感光ドラム12aの回転方向におけるトナー像指標の幅をaとするとき、その2倍以上とする(p/2 > a)。静電潜像目盛り線31aのピッチは、出力電圧の大きさから16ライン(676.8μm)が適当である。
【0074】
露光により表面電位が−100V程度に変化した有効画像領域には、現像装置18aによりマイナスに帯電したイエロートナーが付着され、イエロー画像が反転現像される。
【0075】
一次転写ローラ4aは、導電性のスポンジローラで構成されて高圧電源Daに接続されており、図6に示すように、感光ドラム12a上のトナーを中間転写ベルト24表面に静電気力で吸引して転写させる。
【0076】
図7の(a)は、中間転写ベルト24の搬送方向上流側から画像形成部43aを見ている。図7の(a)に示すように、中間転写ベルト24に対してトナー像目盛り線29が形成される領域まで、有効現像領域及び一次転写ローラ4aが延長されている。現像装置18aの有効現像領域は、静電像目盛り線31aをカバーしているため、静電像目盛り線31aにもイエロートナーが付着してトナー像目盛り線47が現像される。
【0077】
画像のトナー像とトナー像目盛り線47とを形成するイエロートナーは、感光ドラム12aの回転に伴って一次転写部T1へ搬送され、一次転写ローラ4aから与えられる+1000Vの電界によって中間転写ベルト24へ転写される。一次転写ローラ4aは、トナー像目盛り線47aをカバーしているため、トナー像目盛り線47が中間転写ベルト24へ転写されて、図6に示すように、トナー像目盛り線29が形成される。
【0078】
図6に示すように、画像形成部43b、43c、43dは、感光ドラム12b、12c、12dの両端部から画像形成領域に近づいた部分で、トナー像目盛り線29に対向する部分の一次転写ローラ4b、4c、4dが短くなっている。そして、短くすることにより生まれた空間に、ベルト目盛り読取りセンサ33b、33c、33dが配置されている。
【0079】
図7の(b)は、中間転写ベルト24の搬送方向上流側から画像形成部43bを見ている。マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部43b、43c、43dは、画像形成中、画像形成部43aで中間転写ベルト24に形成されたトナー像目盛り線29cをそれぞれ検出して、リアルタイムのトナー像の重ね合わせ制御を行う。画像形成部43b、43c、43dは、すべて同じ構成で、制御も同一であるため、画像形成部43bの構成について説明する。
【0080】
図7の(b)に示すように、ベルト目盛り読み取り電位センサ33bのさらに外側で、有効画像を書き込む前後のレーザービームの照射により、感光ドラム12bに静電像目盛り線31bを書き込む。静電像目盛り線31bは、画像形成部43aで形成される静電像目盛り線31aよりもさらに外側へ感光ドラム12bの露光位置42bを延長した位置に形成される。
【0081】
静電像目盛り線31bは、中間転写ベルト24の端部より外側に位置し、一次転写部T1の外側において、感光ドラム目盛り読み取り電位センサ34bによって読み取られる。図8の(a)に示すように、感光ドラム目盛り読み取り電位センサ34bは、中間転写ベルト24の端部の外側で感光ドラム12bに対向する位置に配置される。
【0082】
一方、ベルト目盛り読み取り電位センサ33bは、感光ドラム目盛り読み取り電位センサ34bと同一線上で、図6に示すように、中間転写ベルト24の外側面に転写されたトナー像目盛り線29を読み取る。図8の(b)に示すように、ベルト目盛り読み取り電位センサ33bは、中間転写ベルト24の端部の内側で感光ドラム12bに対向する位置に配置される。
【0083】
<実験1>
図9は電位センサによるトナー像目盛り線の実測波形の説明図である。画像形成装置100において、40ライン200スペースのトナー像目盛り線29を形成してベルト目盛り読み取り電位センサ33b(電位センサ330)により検出する実験を行った。トナー像目盛り線29の名目上のピッチは、240ライン(10.08mm)、線幅は40ライン(480μm)である。
【0084】
図9に示すように、その結果、ベルト目盛り読み取り電位センサ33bを用いて、中間転写ベルト24の外側面に形成したトナー像目盛り線29から、図5の(c)で説明した微分波形の検出信号が得られることが確認された。
【0085】
また、従来の電位センサの場合は、中間転写ベルト24の搬送速度(プロセススピード)が高いほど出力が低下し、トナー像指標のエッジの位置検出が困難になる。これに対して、アンテナ型の電位センサの場合は、中間転写ベルト24の搬送速度(プロセススピード)が高いほど、SN比高く、正確にトナー像指標のエッジの位置検出が可能になることが確認された。したがって、高速に画像形成が可能なタンデム型のフルカラー画像形成装置において、その高速を生かしてベルト部材の搬送方向の色ずれを低減することができる。
【0086】
<実験2>
図10は従来の電位センサによる実測波形の説明図である。続いて、ベルト目盛り読み取り電位センサ33bの位置に従来の電位センサ(静電容量型、いわゆる電位計)を配置して、同一のトナー像目盛り線29を検出する実験を行った。従来の電位センサ(静電容量型、いわゆる電位計)の測定範囲は、最小でも10mm程度と大きいことを考慮し、1000ライン2000スペース(ピッチ126mm、線幅25.4mm)の単独のパッチトナー像を検出する実験を行った。
【0087】
図10に示すように、従来の電位センサも中間転写ベルト24の外側面に形成したパッチトナー像を外側面から検出できなかった。したがって、トナー像指標とアンテナ型の電位センサの組み合わせを用いることで、従来の静電潜像指標(又はパッチトナー像)と従来の静電センサの組み合わせよりも精密なトナー像の重ね合わせ制御ができることが確認された。
【0088】
<実験3>
図11はトナー像目盛り線の搬送方向の幅による実測波形の変化の説明図である。次に、図9に示した40ライン200スペースのトナー像目盛り線29を用いるよりも高精度の重ね合わせ制御を可能とすることを目的として、より微細なトナー像目盛り線29による同様な実験を行った。図11に示すように、画像形成装置100において、各種の解像度でトナー像目盛り線29を形成して、ベルト目盛り読み取り電位センサ33により検出した。
【0089】
図11の(a)は、16ライン16スペース(1344μmピッチ、線幅672μm)のトナー像目盛り線29を、プロセススピード143mm/secで検出した波形である。図11の(b)は、8ライン8スペース(678μmピッチ、線幅336μm)のトナー像目盛り線29を、プロセススピード143mm/secで検出した波形である。図11の(c)は、4ライン4スペース(336μmピッチ、線幅168μm)のトナー像目盛り線29を、プロセススピード143mm/secで検出した波形である。
【0090】
図11の(a)〜(c)に示すように、アンテナ型の電位センサを用いることで、中間転写ベルト24の外側面に形成した4ライン4スペースの微細なトナー像目盛り線29を中間転写ベルト24の内側面から検出できることが確認された。
【0091】
トナー像目盛り線29を細線化すると、測定回路の時定数、電位センサ330の容量、エッジの電位分布等の影響を受けて、図9とは検出信号の形状が異なる。しかし、中間転写ベルト24の刻々の搬送速度の変化を表すクロックパルスが得られることには変わりない。したがって、トナー像目盛り線29cから得られたクロックパルスと静電像目盛り線31bから得られたクロックパルスの位相差を収束させる制御を行うことで、各色トナー像を精密に位置合わせできることが確認された。
【0092】
<実験4>
図12は感光ドラムの対向位置でトナー像目盛り線を検出する効果の説明図である。次に、感光ドラム12bの対向位置でトナー像目盛り線29を検出する効果を確認する実験を行った。図7の(b)に示すように、中間転写ベルト24を介した感光ドラム12bの対向位置で中間転写ベルト24の外側面に形成されたトナー像目盛り線29を中間転写ベルト24の内側面から検出した。
【0093】
図12の(a)は、感光ドラム12bの対向位置で、トナー像目盛り線29を、プロセススピード143mm/secで検出した波形である。図12の(b)は、感光ドラム12bの対向位置から10mm下流側にずらせた位置で、トナー像目盛り線29を、プロセススピード143mm/secで検出した波形である。
【0094】
図12の(a)に示すように、ベルト目盛り読み取り電位センサ33bの対向側に接地された感光ドラム12bがある方が、ノイズが小さくてよい。
【0095】
<ドラム回転速度制御>
図1に示すように、感光ドラム12bに静電像を書き込むタイミングは、画像形成部43aから画像形成部43bまで中間転写ベルト24が搬送される時間だけ、感光ドラム12bに静電像を書き込むタイミングから遅らせている。正確には、上流側の画像形成部43aで感光ドラム12aから中間転写ベルト24へ転写される位置から下流側の画像形成部43bで感光ドラム12bから中間転写ベルト24へ転写される位置までの間隔分の時間である。
【0096】
このとき、中間転写ベルト24の速度変動がなく、2つの一次転写部の間隔を常に一定の時間間隔で搬送されている場合には、中間転写ベルト24に重ねて転写されるイエロートナー像とマゼンタトナー像に位置ズレは発生しない。
【0097】
しかし、それぞれの画像形成部において転写されるトナーの量の違いなどによって一次転写部で中間転写ベルト24にテンション変動が発生して、画像形成部間の中間転写ベルト24に80〜200μm程度の伸縮が生じる。その結果、画像形成部43aで転写された中間転写ベルト24上のトナー像が下流側の画像形成部43bに到達するまでの時間が変化して、その変動時間分、イエローとマゼンタのトナー像に色ずれが発生する。また、中間転写ベルト24のテンション変動が無いとしても、温度による部品の膨張や収縮などの影響により、露光光の照射位置自体が数10μmレベルで変動してしまう。
【0098】
イエローの画像形成部43aの感光ドラム12aは、奥側に配置されたドラム駆動モータ6aから、ドラム回転軸5aに駆動力を伝達する駆動系を介して駆動力が伝達される。感光ドラム12aの手前側には、図示しないカップリングを介してロータリーエンコーダからなるドラムエンコーダ8aがドラム回転軸5aに連結されている。ドラムエンコーダ8aから出力されるインクリメンタルパルス信号に同期させてドラム駆動モータ6aを回転させることで、感光ドラム12aが等角速度回転する。
【0099】
制御部110は、画像形成部43aでは、常に、ドラムエンコーダ8aからの出力信号をもとにドラム駆動モータ6aを回転させることで、感光ドラム12aの回転が矢印R1方向(反時計廻り)に等角速度回転するように制御する。
【0100】
図6に示すように、感光ドラム12bの静電像目盛り線31bは、画像形成部43bで形成されるマゼンタ画像のトナー像の走査線に対応して感光ドラム12bに形成されている。そして、中間転写ベルトトナー像目盛り29は、画像形成部43aで転写されたイエロー画像のトナー像の走査線に対応して中間転写ベルト24に形成されている。このため、制御部110は、画像形成部43bにおいて、どの静電像目盛り線31bを、どのトナー像目盛り29に重ね合わせるべきかがわかっている。
【0101】
制御部110は、ドラムエンコーダ8aの出力信号によって、感光ドラム12aを等角速度制御する一方で、感光ドラム12b、12c、12dの回転速度を、中間転写ベルト24のトナー像目盛り29を基準にして刻々調整する。制御部110は、感光ドラム12bに接続されているドラム駆動モータ6の回転を制御して、中間転写ベルト24の画像のトナー像の走査線に感光ドラム12bの画像のトナー像の走査線を位置決める。制御部110は、感光ドラム12bのそれぞれの静電像目盛り線31bが、対応するトナー像目盛り29と同時に一次転写部T1を通過するように、感光ドラム12bの刻々の回転速度を調整する。
【0102】
実施例1の制御によれば、中間転写ベルト24に速度変動が生じた場合であっても、中間転写ベルト24上で、画像形成部43aで転写されたトナー像に対し、画像形成部43b以降で高精度にトナー画像を重ねて転写できる。これにより、色ずれの少ないフルカラー画像を得ることができる。複数の画像形成部を有してベルト部材上に順次異なる色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の像を転写する精度を高めることができる。
【0103】
また、タンデム型方式のフルカラー画像形成装置において、中抵抗のベルト部材に高抵抗層を設けることなく、低価格および高精度に色ずれ低減が可能となる。感光ドラムにも中間転写ベルトにも、各表面の副走査方向に書き換え可能な情報書込領域を設ける必要が無い。各情報書込領域に情報の書き込みを行う書込手段や、情報を消去する消去手段を設ける必要も無い。
【0104】
また、感光ドラムと中間転写ベルトが当接する同一走査線上に、感光ドラム上に書き込まれた情報を検出する検出手段と、中間転写ベルトに情報を書き込む書込手段とを配置する必要が無い。そのため、検出手段と書込手段のお互いの相対位置決め誤差が発生しない。
【0105】
感光ドラムから中間転写ベルトへトナー像指標を直接転写するから、感光ドラム上に書き込まれた情報を読み取ってその情報を中間転写ベルトに書き込む場合のような、読み取り誤差と書き込み誤差も発生しない。温度の影響などにより検出手段・書き込み手段の相対的な位置ズレが生じることもない。
【0106】
なお、実施例1では、下流側の感光ドラムにおいて、静電像目盛り線を現像することなく、感光ドラム目盛り読み取り電位センサによって直接検出する例を示した。しかし、感光ドラム上の静電像目盛り線を帯電したトナーで現像して、感光ドラム上のトナー像目盛りを感光ドラム目盛り読み取り電位センサによって検出する構成を採用してもよい。
【0107】
また、実施例1では、下流側の感光ドラム12b、12c、12dにおいて、静電像目盛り線31bの検出タイミングをトナー像目盛り線29の検出タイミングに合わせるようにそれぞれの回転速度を制御している。しかし、特許文献1に示されるように、静電像目盛り線31bの検出タイミングをトナー像目盛り線29の検出タイミングに合わせるように下流側の画像形成部の全体を搬送方向に移動させてもよい。下流側の感光ドラムにおける画像の書き込みタイミングをリアルタイムに回転方向に移動させてもよい。
【0108】
<実施例2>
図13は実施例2の画像形成装置の構成の説明図である。図14は実施例2におけるトナー像目盛り線の形成の説明図である。図15は実施例2におけるトナー像目盛り線の検出の説明図である。
【0109】
実施例2では、実施例1のような画像形成中のリアルタイムのトナー像の位置合わせ制御は行わず、画像形成の開始に先立たせて、トナー像目盛り線を用いて各色トナー像の書き込み開始タイミングを調整する。トナー像の重ね合わせ制御に関する以外は、実施例1と実施例2とで画像形成装置の構成は同様であるため、図13中、図1と共通する構成には共通の符号を付して重複する説明を省略する。
【0110】
図13に示すように、実施例2の画像形成装置100Bでは、画像形成部43a、43b、43c、43dの感光ドラム12a、12b、12c、12dは、個別に等角速度回転するように、それぞれの回転を制御されている。
【0111】
制御部110は、画像形成ジョブを受信すると、画像形成部43a、43b、43c、43dを起動して感光ドラム12a、12b、12c、12dの回転を立ち上げ、各色トナー像の書き込み開始タイミングを設定する。
【0112】
図13を参照して図14に示すように、画像形成装置100Bでは、中間転写ベルト24に沿って感光ドラム12a、12b、12c、12dが所定の間隔で配置されている。制御部110は、感光ドラム12a、12b、12c、12dにそれぞれ所定のタイミングでトナー像目盛り線を形成して中間転写ベルト24に転写して、中間転写ベルト24にトナー像目盛り線48、49、50、51、52を形成する。トナー像目盛り線48、49、50、51、52は、設計上、中間転写ベルト24上で等間隔で配列するように、各色の露光装置による書き込み開始タイミングを設定して感光ドラム12a、12b、12c、12dに形成される。
【0113】
図9に示すように、トナー像目盛り線48、49、50、51、52は、いずれも40ライン200スペースのサイズで形成しており、ピッチ10.08mm、線幅480μmである。
【0114】
その後、トナー像目盛り線48、49、50、51、52は、ベルト従動ローラ37の下流側に配置した共通のベルト目盛り読み取りセンサ33に順番に到達して、それぞれのエッジを検出される。
【0115】
制御部110は、トナー像目盛り線48、49、50、51、52の先頭エッジの検出間隔を比較して、各色トナー像の位置ずれ量を見積もる。そして、それぞれの位置ずれ量を相殺するように、設計上、等間隔で配列するように設定した当初の書き込み開始タイミングを修正して、各色の露光装置における各色画像の書き込み開始タイミングを設定する。
【0116】
中間転写ベルト24上に形成される2つのトナー像目盛り線48、49は、最下流のブラックの感光ドラム12dにて形成され、色ずれを検出する際の基準となる。トナー像目盛り線48、49は、トナー像目盛り線49が感光ドラム12d上でトナー像目盛り線48から10.08mm遅れるように、感光ドラム12dに対する書き込みタイミングを設定される。
【0117】
トナー像目盛り線50は、中間転写ベルト24上で、設計上、トナー像目盛り線48から20.16mm後を搬送されるように逆算した書き込みタイミングで、感光ドラム12cに形成される。トナー像目盛り線51は、中間転写ベルト24上で、設計上、トナー像目盛り線48から30.24mm後を搬送されるように逆算した書き込みタイミングで、感光ドラム12bに形成される。トナー像目盛り線52は、中間転写ベルト24上で、設計上、トナー像目盛り線48から40.32mm後を搬送されるように逆算した書き込みタイミングで、感光ドラム12aに形成される。
【0118】
制御部110は、中間転写ベルト24上のトナー像目盛り線48、49、50、51、52を順次、ベルト目盛り読み取り電位センサ33によって検出し、トナー像目盛り線48、49、50、51、52の位置を検出する。
【0119】
位置ずれを検出する際の基準の位置関係にあるトナー像目盛り線48と49の検出時間間隔をT0とする。このとき、トナー像目盛り線48と後続のトナー像目盛り線50、51、52の検出時間間隔がそれぞれT1=2×T0、T2=3×T0、T3=4×T0であれば、設計上の書き込み位置で各色トナー像の位置ずれ量は0と言える。
【0120】
一方、位置ずれ検出の基準に対して位置ずれが生じた場合、図15に示すように、T1、T2、T3がT0に対して、2倍、3倍、4倍とはならず、位置ずれ量ΔT1、ΔT2、ΔT3が生じる。
【0121】
制御部110は、以下の演算を実行して位置ずれ量ΔT1、ΔT2、ΔT3を算出する。そして、この位置ずれ量の分だけ、各色トナー像の露光開始タイミングや感光ドラムの回転速度を調節して、位置ずれを補正する。
ΔT1=T1−2×T0
ΔT2=T2−3×T0
ΔT3=T3−4×T0
【0122】
実施例2の画像形成装置100Bでは、トナー像指標のエッジをアンテナ型の電位センサによって検出して、各色トナー像の中間転写ベルト24上の形成位置を推定して、トナー像の位置ずれ量を求める。そして、求めた各色の位置ずれ量を相殺するだけ、感光ドラム12b、12c、12dにおける露光装置16a、16b、16cを用いた画像の書き込み開始タイミングを修正する。これにより、感光ドラム12a、12b、12cで形成される画像のトナー像を、中間転写ベルト24上において精密に重ね合わせることができる。
【0123】
<実施例3>
図16は実施例3におけるトナー像目盛り線の形成の説明図である。図17は実施例3におけるトナー像目盛り線の検出の説明図である。図18はトナー像の回転ずれの補正方法の説明図である。
【0124】
実施例1、2では、図7に示すように、トナー像目盛り線を感光ドラムの片側の端部のみに形成して、各色トナー像の搬送方向の位置ずれを補正した。これに対して、実施例3では、図16に示すように、感光ドラムの両端部にトナー像目盛り線を形成して、各色トナー像の回転ずれ(傾き)を補正する。
【0125】
感光ドラムの軸方向が中間転写ベルトの主走査方向と平行でない場合、または露光装置内の反射ミラーと感光ドラムの表面との距離が長手方向に渡って均一でない場合、トナー像が中間転写ベルト24上に傾いて形成される。この場合、各色トナー像に回転ずれ(傾き)が発生して画像品質が低下する。
【0126】
そこで、制御部110は、画像形成の開始に先立たせて、感光ドラム12a、12b、12c、12dに、それぞれ一対のトナー像目盛り線を形成する。それぞれ一対のトナー像目盛り線は、中間転写ベルト24に転写されて、設計上、10.08mm間隔で配列するように形成される。
【0127】
図16に示すように、実施例3では、感光ドラム12a、12b、12c、12dにおいて、それぞれ同一の走査線上の両端部に静電像目盛り線31a、31b、31c、31dを形成する。トナー像目盛り線が、設計上、中間転写ベルト24上で等間隔で配列するように、露光装置による書き込み開始タイミングを設定して、感光ドラム12a、12b、12c、12dに形成される。
【0128】
図17に示すように、トナー像目盛り線49a、49b、50a、50b、51a、51b、52a、52bの形成タイミングの差、ピッチ及び線幅は、実施例2のトナー像目盛り線と同一である。すなわち、図9に示すように、トナー像目盛り線48、49、50、51、52は、いずれも40ライン200スペースのサイズで形成した。ピッチ10.08mm、線幅480μmである。
【0129】
ベルト目盛り電位センサ33、40は、主走査方向に相対向するように配置されて一対のトナー像目盛り線を読み取る。トナー像目盛り線49a、50a、51a、52aは、中間転写ベルト24上で配列して中間転写ベルト24に搬送され、順次、ベルト目盛り読み取り電位センサ33を通過して先頭のエッジ位置を検出される。反対側のトナー像目盛り線49b、50b、51b、52bは、中間転写ベルト24上で配列して中間転写ベルト24に搬送され、順次、ベルト目盛り読み取り電位センサ40を通過して先頭のエッジ位置を検出される。
【0130】
図17に示すように、トナー像目盛り線49a、49bはΔT1の時間差にて検出され、トナー像目盛り線50a、50bはΔT2の時間差にて検出されたとする。一方、トナー像目盛り線51a、51b及びトナー像目盛り線52a、52bは、電位センサ33、40によって同一時刻に検出されたとする。
【0131】
このとき、図2を参照して図13に示すように、露光装置16c、16dの反射ミラーの傾きを調節すれば、トナー像の回転方向の位置ずれを修正することができる。露光装置16bの反射ミラー17bは、長手方向の一端が回動可能に支持され、長手方向の他端に微小変位を設定可能な不図示のアクチュエータが設けられている。このため、アクチュエータの作動量を調整して感光ドラム12aの軸方向に対する反射ミラー17bの傾きを変更することにより、走査線の傾きを修正可能である。
【0132】
しかしながら、電位センサ33と電位センサ40は、主走査方向に相対向するように配置されたとしても、位置決め誤差がどうしても生じてしまう。よって、実際は、トナー像目盛り線51、52のように主走査方向に相対向して形成されていても、電位センサ33と40にて検出すると、ある時間差を生じて検出されることになる。
【0133】
そこで、実施例3では、ブラックのトナー像目盛り線49a、49bを基準として、他のトナー像目盛り線50a、50b、51a、51b、52a、52bを合わせ込む。トナー像目盛り線49a、49bの検知時間差がΔT1であるので、他のトナー像目盛り線50a、50b、51a、51b、52a、52bにおいても、検知時間差がΔT1に揃うように、反射ミラー17a、17b、17cを調整する。
【0134】
なお、実施例2の制御と実施例3の制御とを同時に実行して、搬送方向の位置ずれと回転方向の位置ずれとを同時に解消させてもよい。
【0135】
<実施例4>
図18は実施例4におけるトナー像目盛り線の形成と検出の説明図である。図18に示すように、実施例1では、ベルト目盛り読み取りセンサ33、35により測定された位置信号を用いて、ベルト駆動ローラ36の偏心や中間転写ベルト24の摩擦による中間転写ベルト24の搬送速度の変動を解消する。これにより、中間転写ベルト24における各色トナー像の色ずれを補正する。
【0136】
すなわち、実施例4の画像形成装置は、制御部110が、指標検出手段の一例であるベルト目盛り読み取り電位センサ33、35の検出結果に基づいて、中間転写ベルト24の回転を制御する。
【0137】
ベルト目盛り読み取りセンサ33、35は、いずれも上述した電位センサ330を用いており、電位センサ35は、電位センサ33に対して所定の距離を副走査方向の下流側へシフトさせて配置している。電位センサ33と電位センサ35との設置距離は、トナー像目盛り線29の間隔よりも近い。
【0138】
各色トナー像の位置ずれを補正するためのトナー像目盛り線29は、画像形成条件と同様な条件にて、感光ドラム12dに形成された後、中間転写ベルト24に転写される。中間転写ベルト24に形成されたトナー像目盛り線29は、ベルト目盛り読み取りセンサ33によって検出されて、トナー像目盛り線29の位置信号が形成される。
【0139】
制御部110は、基準色であるブラックの感光ドラム12dにおいて、所定のタイミングで露光することによって、静電像目盛り線31を形成する。形成された感光ドラム12上の静電像目盛り線31は、現像装置18dにより現像した後、一次転写ローラ4dによって転写されて、中間転写ベルト24上にトナー像目盛り線29が形成される。
【0140】
制御部110は、トナー像目盛り線29を電位センサ33と電位センサ35を用いて検出する。制御部110は、一本のトナー像目盛り線29が電位センサ33と電位センサ35を通過する時間を測定して、中間転写ベルト24の移動速度を算出する。そして、等間隔で連続した複数のトナー像目盛り線29に対して、それぞれ同様の測定と演算を行うことで、中間転写ベルト24の移動速度変動を算出する。
【0141】
制御部110は、複数のトナー像目盛り線29の移動速度の平均を演算することで、中間転写ベルト24の平均移動速度を算出する。次に、中間転写ベルト24の移動速度変動をなくして、中間転写ベルト24の平均速度に収束するように、刻々のベルト駆動ローラ36の駆動を制御して、中間転写ベルト24の速度調整を行う。
【0142】
なお、制御部110は、中間転写ベルト24の速度変動に応じて、速度変動を消す方向に、露光装置16dの露光タイミングや、感光ドラム12dの回転速度を調整することによって、中間転写ベルト24上でのトナー像の位置ずれを補正してもよい。
【0143】
実施例4では、トナー像目盛り線29の時間間隔を検出し、時間間隔が一定になるように中間転写ベルト24の回転速度の調整を行う。しかし、ベルト部材上のトナー像目盛り線が検出される時間間隔から位置ずれ量を導出し、位置ずれ量を補正するように、潜像を形成する露光手段タイミングの調整、あるいは、感光ドラムの回転速度の調整を行ってもよい。これにより、複数色のトナー像間の位置ずれを補正することができる。
【符号の説明】
【0144】
4a、4b、4c、4d 一次転写ローラ
6a、6b、6c、6d ドラム駆動モータ
12a、12b、12c、12d 感光ドラム
16a、16b、16c、16d 露光装置
17a、17b、17c、17d 反射ミラー
18a、18b、18c、18d 現像装置
24 中間転写ベルト、29 トナー像目盛り線
31 静電像目盛り線
33、35 ベルト目盛り読み取り電位センサ
34 ドラム目盛り読み取り電位センサ、36 駆動ローラ
43a、43b、43c、43d 画像形成部
T2 二次転写部
45 ベルトクリーニング装置
48、49、50、51、52 トナー像目盛り線
330 電位センサ、331 導線、332 ベースフィルム
333 保護フィルム、334 検出部、335 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト部材と、前記ベルト部材に当接する第1の像担持体と、前記ベルト部材の回転方向における前記第1の像担持体の下流側で前記ベルト部材に当接する第2の像担持体とを備えた画像形成装置において、
画像の走査線の書き込み手段を用いて前記第1の像担持体に形成した静電像指標に帯電したトナーを付着させてトナー像指標を形成する指標現像手段と、
前記第1の像担持体と前記ベルト部材の当接位置で前記トナー像指標を前記ベルト部材に転写する指標転写手段と、
前記ベルト部材の回転に伴って下流側へ搬送された位置で、前記トナー像指標と平行に配置された導線を用いて前記トナー像指標の通過に伴う誘導電流を検出するアンテナ型の静電センサにより前記トナー像指標を検出する指標検出手段と、
前記指標検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の像担持体で形成される画像のトナー像と前記第2の像担持体で形成される画像のトナー像との前記ベルト部材を用いた重ね合わせを調整する制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記指標検出手段は、前記ベルト部材から所定厚さの絶縁層を介して前記トナー像指標と平行な導線が配置され、前記絶縁層の表面を前記ベルト部材の内側面に摺擦させて前記ベルト部材の外側面の前記トナー像指標を検出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記指標検出手段は、前記第2の像担持体と前記ベルト部材の当接位置で前記ベルト部材を介して前記トナー像指標を検出することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記指標検出手段によって検出された後の前記トナー像指標を前記ベルト部材からクリーニングする指標クリーニング手段を備え、
前記ベルト部材の回転方向に所定のピッチを持たせて前記トナー像指標が連続的に形成され、前記トナー像指標のピッチをpとし、前記ベルト部材の回転方向における前記トナー像指標の幅をaとするとき、
p/2 > a
であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルト部材は、その外側面に二次転写ローラを当接させて記録材に対するトナー像の二次転写部を形成する中間転写ベルトであって、
前記指標クリーニング装置は、前記ベルト部材の回転方向における前記二次転写部の下流側に配置され、
前記ベルト部材における前記二次転写ローラの長手方向の外側に前記トナー像指標が形成されることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
ベルト部材と、前記ベルト部材に当接する像担持体とを備えた画像形成装置において、
画像の走査線の書き込み手段を用いて前記像担持体に形成した静電像指標に帯電したトナーを付着させてトナー像指標を形成する指標現像手段と、
前記像担持体と前記ベルト部材の当接位置で前記トナー像指標を前記ベルト部材に転写する指標転写手段と、
前記ベルト部材の回転に伴って下流側へ搬送された位置で、前記トナー像指標と平行に配置された導線を用いて、前記トナー像指標の通過に伴う誘導電流を検出するアンテナ型の静電センサにより前記トナー像指標を検出する指標検出手段と、
前記指標検出手段の検出結果に基づいて、前記ベルト部材の回転を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−42875(P2012−42875A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186370(P2010−186370)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】