説明

画像形成装置

【課題】プロセスカートリッジ、無端ベルトを有する画像形成装置に関し、無端ベルト上の検出パターンを読み取る検出センサの検出面を清浄な状態に維持し得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】レーザプリンタ1は、画像形成部20、搬送ユニット50、レジセンサユニット80を有し、レジセンサSにより、搬送ベルト53表面に形成された検出パターンを読み取る。画像形成部20を構成するドロア40は、装着位置と交換位置を移動可能に配設されている。ドロア40を装着位置に移動させると、連動部材85は、作動部材45との接触により回動し、カバー部材83を第1位置から第2位置へ移動する。カバー部材83が第1位置にある場合、カバー部材83に配設されているクリーナー83Aは、レジセンサSの検出面Dに接触しているので、カバー部材83の移動に伴い、検出面Dを清掃する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像の形成に用いられる記録剤を収納した複数のプロセスカートリッジを、無端ベルトを有するベルトユニットに沿って列設した画像形成装置に関し、各記録剤により無端ベルト上に形成される検出パターンを、光学的に読み取る検出センサを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー画像を形成し得る画像形成装置の一つとして、カラー画像の形成に用いられるトナーを収納したプロセスカートリッジを、無端ベルトを有するベルトユニットに沿って列設した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1記載の画像形成装置)。
【0003】
特許文献1記載の画像形成装置は、複数のプロセスカートリッジを、無端ベルト表面に沿って、タンデム型に配置して有している。各プロセスカートリッジは、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の何れか一色のトナーを収納している。そして、特許文献1記載の画像形成装置では、各色のトナーにより形成されたトナー画像を重畳的に転写することで、被記録媒体上にカラー画像を形成する。従って、このような画像形成装置では、良好な画像品質を得るためには、各トナー画像を重畳させる位置や各トナー画像の濃度を、高精度で制御する必要がある。
【0004】
この点を考慮し、特許文献1記載の画像形成装置においては、無端ベルト表面に各トナーを用いて、検出パターンを形成し、各検出パターンを検出する為の光学センサが、検出面をベルト表面に対向する状態で配設されている。これにより、当該画像形成装置によれば、光学センサにより各検出パターンを読み取ることにより、各トナー画像を重畳させる位置や各トナー画像の濃度を、最適な状態に補正することができ、もって、良好な画像品質で、ユーザ所望の画像を形成し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−115962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この点、特許文献1記載の画像形成装置においては、トナー画像の位置ずれや濃度を補正するためには、光学センサによる検出パターンの検出精度が、或る程度要求される。上述したように、光学センサの検出面は、無端ベルト表面に対向している為、画像形成や検出パターンの生成に用いられたトナーが飛散した場合、当該トナーにより汚れやすい。そして、検出面の汚れは、光学センサによる検出パターンの検出精度を低下させてしまうため、当該画像形成装置における画像品質の低下を招いてしまう。
【0007】
従って、画像形成装置における画像品質を良好な状態で維持するためには、光学センサの検出面を清浄な状態に維持しておく必要がある。この点、良好な画像品質を維持する為に、ユーザ自身の手で光学センサの検出面を清掃することを要求することも可能ではあるが、検出面の清掃を行うタイミングがユーザの判断に委ねられる為、良好な画像品質を確実に維持できない虞がある。又、光学センサと、他の部品等の配設位置の関係で、ユーザが、自ら検出面を清掃することができない場合も生じ得る。
【0008】
本発明は、プロセスカートリッジ、無端ベルトを有する画像形成装置に関し、無端ベルト上に形成された検出パターンを読み取る検出センサの検出面を清浄な状態に維持し得る画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、本体筐体と、複数のプロセスカートリッジと、ベルトユニットと、ドロアと、パターン形成手段と、検出センサと、清掃手段と、連動機構を有する。ドロアは、複数のプロセスカートリッジ及び複数の感光ドラムを、ベルトユニットの上方で、所定方向に沿って列設配置して保持する共に、装着位置と交換位置の間を所定方向に沿って移動可能に配設されている。そして、検出センサは、検出面を無端ベルト表面に対向するように配設されており、当該検出面を介して、パターン形成手段により無端ベルト表面に形成された検出用パターンを光学的に読み取る。従って、当該画像形成装置は、画像形成時における位置ずれや濃度の補正を行い得る。更に、当該画像形成装置は、清掃手段と連動機構の協働により、装着位置と交換位置の間をドロアが移動することに連動して、検出センサの検出面を清掃する。装着位置と交換位置の移動は、画像形成による記録剤の消費に伴って、プロセスカートリッジを交換する際に行われる。即ち、当該画像形成装置によれば、或る程度、定期的に行われるプロセスカートリッジの交換作業に連動して、検出センサの検出面を清掃することができ、検出面を清浄な状態で維持することができる。この結果、当該画像形成装置は、画像品質を良好な状態に維持し得る。
【0010】
そして、請求項2記載の画像形成装置において、前記ドロアの装着位置は、交換位置よりも下方であって、各感光体ドラム表面が無端ベルト上面と接触する位置である。当該画像形成装置によれば、ドロアが装着位置への移動に伴い下降する際に、連動機構を介して、清掃手段を作動させ、清掃手段の清掃面により検出センサの検出面を清掃する。従って、連動機構には、ドロアが装着位置への移動に伴い下降する際、ドロアの装着位置への移動に伴う力に加えて、ドロア、各プロセスカートリッジ及び各感光ドラムの重量に伴う力も作用する。従って、当該画像形成装置は、より確実に、連動機構を介した清掃手段による検出面の清掃を行い得る。
【0011】
又、請求項3記載の画像形成装置において、清掃手段は、第1位置と、第2位置の間を移動可能に配設されている。第1位置は、前記清掃面が検出センサの検出面を覆うように接触する位置である。第2位置は、検出面が無端ベルト表面と対向するように、当該検出面を露出する位置である。そして、ドロアが装着位置に位置する場合、清掃手段は、第2位置に位置する。従って、ドロアが装着位置に位置し、画像形成動作が可能な状態にある場合、検出センサは、無端ベルト表面の検出用パターンを読み取り得る。従って、この場合、当該画像形成装置は、検出用パターンの読取に基づいて、画像形成時における位置ずれ及び濃度の補正を行い得る。ドロアが交換位置に位置する場合、検出センサの検出面は、第1位置に位置する清掃手段の清掃面に覆われ、この状態での汚れの付着を防止し得る。更に、ドロアが交換位置と装着位置の間を移動する際に、清掃手段は、連動機構を介して、第1位置と第2位置の間を移動することで、清掃面により前記検出センサの検出面を清掃する。即ち、当該画像形成装置によれば、或る程度、周期的に行われるプロセスカートリッジの交換作業に連動して、検出センサの検出面を清掃することができ、検出面を清浄な状態で維持することができる。この結果、当該画像形成装置は、画像品質を良好な状態に維持し得る。
【0012】
そして、請求項4記載の画像形成装置において、検出センサは、カバーを有しており、当該カバーは、透光性を有する材料で形成され、前記検出面を覆っている。又、清掃手段は、前記清掃面が当該カバーと接触可能に配設されている。従って、当該画像形成装置によれば、清掃手段の清掃面が、検出センサの繊細な部品(例えば、検出用素子)に直接接触することはないため、検出面の清掃に伴う検出センサの破損等を防止し得る。
【0013】
又、請求項5記載の画像形成装置において、検出センサは、本体筐体内部において、交換位置から装着位置へと向かうドロアの移動方向における奥側で、無端ベルト表面に形成された各検出用パターンを光学的に読取可能な位置に配設されている。即ち、当該画像形成装置において、検出センサは、ユーザの手が届かず、ユーザの手により検出面を清掃することが困難な位置に配設されている。この場合であっても、当該画像形成装置によれば、ドロアの移動に連動して、清掃手段により検出センサの検出面を清掃し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】レーザプリンタの概略構成を示す断面図である。
【図2】ドロアが装着位置と交換位置の間を移動している状態のレーザプリンタを示す説明図である。
【図3】ドロアが交換位置にある状態のレーザプリンタを示す説明図である。
【図4】ドロアの構成を示す説明図である。
【図5】ドロアに配設された作動部材の構成を示す説明図である。
【図6】第1実施形態に係るレジセンサユニットの外観斜視図(1)である。
【図7】第1実施形態に係るレジセンサユニットの外観斜視図(2)である。
【図8】第1実施形態に係るレジセンサユニットにおけるカバー部材83の動作を示す説明図である。
【図9】第1実施形態に係るレジセンサユニットにおける検出面の清掃に関する説明図である。
【図10】第2実施形態に係るレジセンサユニットに関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る画像形成装置をレーザプリンタ1に具体化した実施形態(第1実施形態)について、図1〜図4を参照しつつ説明する。当該レーザプリンタ1は、電子写真方式により被記録媒体としての用紙Pに対して、複数色からなるカラー画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0016】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、略箱状の本体筐体2を有しており、当該本体筐体2の内部に、給紙部10、画像形成部20、搬送ユニット50、スキャナ部60、定着器70及びレジセンサユニット80等を収納している。尚、画像形成部20は、本体筐体2内部の略中央に位置する。
【0017】
本体筐体2の左右両側面(図1〜図3中、紙面手前側及び奥側)の内側面には、ドロアガイド3が、夫々、本体筐体2内部に向かって水平に突出して形成されている。当該ドロアガイド3は、画像形成部20を構成するドロア40を、装着位置(図1参照)と、交換位置(図3参照)の間を移動させる際に、当該ドロア40を案内する。
【0018】
図2、図3に示すように、ドロアガイド3は、第1案内面3A、第2案内面3B、ストッパ面3Cにより構成されている。第1案内面3Aは、レーザプリンタ1の前後方向及び左右方向に水平であり、且つ、フロントカバー6近傍から後方に向かって細長く延びる平面状に形成されている。第2案内面3Bは、レーザプリンタ1の左右方向に水平であり、且つ、レーザプリンタ1の後側に向けて斜め下方に傾斜する平面状に形成されている。第2案内面3Bの前側端部は、第1案内面3Aの後側端縁と連続しており、第1案内面3Aと第2案内面3Bによって、屈曲した案内面を構成している。ストッパ面3Cは、レーザプリンタ1の左右方向に水平であり、且つ、第2案内面3Bの後側端部から上方に向かって延びている。当該ストッパ面3Cは、ドロアガイド3に沿って移動したドロア40を、所定の装着位置(図1参照)に位置させる役割を担っている。
【0019】
そして、本体筐体2の上面には、排出トレイ5が形成されている。当該排出トレイ5には、画像形成部20により画像が形成された用紙Pが、排出ローラ75により排出される。排出トレイ5は、排出された用紙Pを積層状態で収納する。又、本体筐体2前面には、フロントカバー6が配設されている。フロントカバー6は、下端側を揺動中心軸として開閉可能に配設されている。図2、図3に示すように、フロントカバー6は、ドロア40を本体筐体2外部へ引き出す際に開放される。
【0020】
次に、レーザプリンタ1における給紙部10について説明する。給紙部10は、レーザプリンタ1における被記録媒体である用紙Pを画像形成部20に給紙する部分であり、給紙トレイ11、給紙ローラ12、分離パッド13、搬送ローラ14、レジストローラ15を有している。
【0021】
給紙トレイ11は、本体筐体2の下方に着脱可能に装着されており、被記録媒体である用紙Pを内部に収容する。給紙ローラ12は、給紙トレイ11の前端部上方に回転自在に配設されており、給紙トレイ11内の用紙Pを画像形成部20に向かって給紙する。分離パッド13は、給紙ローラ12により給紙される用紙Pに所定の搬送抵抗を与えることによって、用紙Pを1枚毎に分離する。
【0022】
給紙トレイ11から給紙された用紙Pは、図1に示すように、搬送経路Rに沿って、排出トレイ5へ向かって搬送される。即ち、レーザプリンタ1における用紙Pの搬送方向は、搬送経路Rに沿って、給紙トレイ11から排出トレイ5へ向かう方向である。
【0023】
分離パッド13よりも搬送方向下流側には、一対の搬送ローラ14が回転自在に配設されている。搬送ローラ14は、搬送経路Rに沿って略U字状に湾曲しながら画像形成部20へ搬送される用紙Pに搬送力を与える。
【0024】
又、搬送ローラ14よりも搬送方向下流側には、一対のレジストローラ15が回転自在に配設されている。当該レジストローラ15は、搬送ローラ14により搬送されてくる用紙Pの先端に接触することによって、用紙Pの斜行を補正し、その用紙Pを更に画像形成部20へ向けて搬送する。
【0025】
続いて、レーザプリンタ1における画像形成部20について説明する。画像形成部20は、本体筐体2内部の略中央部分に配置され、給紙部10によって給紙された用紙Pに対して、カラー画像を形成する際に用いられる。画像形成部20は、所謂ダイレクトタンデム方式であり、プロセスカートリッジ25K、プロセスカートリッジ25Y、プロセスカートリッジ25M、プロセスカートリッジ25Cと、ドロア40を有している。
【0026】
プロセスカートリッジ25Kは、ブラック(K)のトナー(記録剤)に対応し、ブラックの画像を形成する際に用いられる。同様に、プロセスカートリッジ25Yは、イエローのトナーに対応し、プロセスカートリッジ25Mは、マゼンタのトナーに対応し、プロセスカートリッジ25Cは、シアンのトナーに対応する。プロセスカートリッジ25Y〜プロセスカートリッジ25Cは、夫々、対応する色(イエロー、マゼンタ、シアン)の画像を形成する際に用いられる。
【0027】
又、プロセスカートリッジ25K〜プロセスカートリッジ25Cは、ドロア40の前方(図1〜図3中、右側)から後方に向かって、プロセスカートリッジ25K、プロセスカートリッジ25Y、プロセスカートリッジ25M、プロセスカートリッジ25Cの順に、ドロア40に列設される。
【0028】
ここで、プロセスカートリッジ25K〜プロセスカートリッジ25Cの構成について説明する。尚、プロセスカートリッジ25K〜プロセスカートリッジ25Cは、記録剤であるトナーの色が異なるのみで、その他の構成は同一である。従って、プロセスカートリッジ25K〜プロセスカートリッジ25Cの総称として、「プロセスカートリッジ25」を用いて、その構成を説明する。
【0029】
プロセスカートリッジ25は、周知の感光体ドラム26、帯電器27及びトナーカートリッジ30等を有して構成される。感光体ドラム26には、後述するスキャナ部60により、当該プロセスカートリッジ25に係るトナー色に対応する静電潜像がその表面に形成され、当該静電潜像にトナーが供給されることにより、トナー像が形成される。当該感光体ドラム26は、その一部がドロア40の下端から下方へ突出するように配設されており、後述する搬送ユニット50を構成する搬送ベルト53表面に接触し得る。帯電器27は、画像形成に際し、感光体ドラム26表面に静電潜像を形成する際に、感光体ドラム26表面を一様に正帯電させる。尚、感光体ドラム26、帯電器27は、ドロア40に一体に支持固定されており、消耗品としてドロア40とともに交換される。
【0030】
トナーカートリッジ30は、トナー収容室31、供給ローラ32、現像ローラ33等を有している。トナー収容室31は、プロセスカートリッジ25に係るトナー色のトナーを収容している。供給ローラ32は、トナー収容室31内のトナーを現像ローラ33へ供給する。現像ローラ33は、供給ローラ32によって供給されたトナーを、層厚規制ブレードにより所定の厚みに調整してその表面に担持し、感光体ドラム26表面に供給する。
【0031】
尚、トナーカートリッジ30は、トナーカートリッジ30K、トナーカートリッジ30Y、トナーカートリッジ30M、トナーカートリッジ30Cの4種類を含む総称である。例えば、プロセスカートリッジ25Kを構成するトナーカートリッジ30は、ブラックのトナーをトナー収容室31に収用するトナーカートリッジ30Kである。同様に、プロセスカートリッジ25Y〜プロセスカートリッジ25Cに対しては、トナーカートリッジ30Y〜トナーカートリッジ30Cが、夫々対応する。
【0032】
続いて、画像形成部20を構成するドロア40について、図1〜図4を参照しつつ説明する。ドロア40は、上述したプロセスカートリッジ25K〜プロセスカートリッジ25Cを列設保持すると共に、本体筐体2内の所定の装着位置(図1参照)に対して引き出し可能に構成されている。
【0033】
ドロア40は、ドロアフレーム41と、前側ハンドル42と、後側ハンドル43と、カムホロワ44とを有している。ドロアフレーム41は、上方及び下方が開放された箱状に形成されており、ドロア40の本体部分を構成する。前側ハンドル42は、ドロア40前側上部においてドロアフレーム41に固着されており、ドロア40の移動を行う際に、ユーザによって把持される。後側ハンドル43は、ドロア40後側上部においてドロアフレーム41に固着されており、ドロア40の移動を行う際に、ユーザによって把持される。
【0034】
カムホロワ44は、ドロアフレーム41の左右両側面における後端側上方の所定位置には、水平方向外側(図2の紙面手前側及び奥側)に突出するように、回転自在に軸支されている。当該カムホロワ44は、ドロア40を移動する際に、ドロアガイド3上面と接触し、ドロア40をドロアガイド3に沿って案内する機能を果たす。尚、左右両側面に配設されたカムホロワ44は、水平方向に同一線上に軸心を有している。
【0035】
図4に示すように、ドロア40は、ドロアフレーム41の右側面(図3中、手前側)の後端下部に、作動部材45を有している。作動部材45は、後述するレジセンサユニット80の構成部品と協働し、レジセンサSの検出面Dを清掃する際に作用する。図5に示すように、作動部材45は、ケース46と、当接部材47と、コイルバネ48を有している。ケース46は、ドロアフレーム41右側面(図3中、手前側)の後端下部において、下面に挿通孔を有する箱状に形成されており、その内部に当接部材47、コイルバネ48を収納している。当接部材47は、ドロア40が装着位置に位置する場合のドロア40下端から、レジセンサユニット80近傍までの距離程度の高さを有する柱状に形成されている。従って、ドロア40が装着位置に位置する場合に、当該当接部材47は、レジセンサユニット80の構成部品(後述する連動部材85)と当接する。コイルバネ48は、ケース46内部において、当接部材47上面より上方に配設されており、当該当接部材47に下向きの付勢力を付与する。
【0036】
次に、レーザプリンタ1における搬送ユニット50について説明する。搬送ユニット50は、給紙部10により給紙された用紙Pを排出トレイ5へ向かって搬送しつつ、画像形成部20と協働して、用紙Pにカラー画像を形成する。当該搬送ユニット50は、給紙部10よりも上方であって、画像形成部20よりも下方に配設されている。図1に示すように、搬送ユニット50は、駆動ローラ51と、従動ローラ52と、搬送ベルト53と、複数の転写ローラ55等を有している。
【0037】
搬送ベルト53は、ベルトを環状にして構成された無端ベルトであり、画像形成部20の後端側下方に位置する駆動ローラ51と、画像形成部20の前端側下方に位置する従動ローラ52との間に掛け渡されている。駆動ローラ51は、レジストローラ15等と同期して回転駆動することにより、搬送ベルト53を所定方向に循環移動させる。搬送ベルト53の上面は、画像形成部20の直下において、略水平に配置されており、用紙Pの裏面と当接して、用紙Pを搬送経路Rに沿って搬送する用紙搬送面53Aを構成する。
【0038】
各転写ローラ55は、搬送ベルト53の用紙搬送面53Aを挟んで、各感光体ドラム26と対向する位置において、用紙搬送面53Aの裏面側から搬送ベルト53と接触している。各転写ローラ55は、所定のタイミングで転写電圧が付与されることで、感光体ドラム26表面に担持されたトナー像を、用紙搬送面53Aを搬送される用紙Pに転写する。又、搬送ベルト53は導電性を有するゴム製であるので、各転写ローラ55に印加される転写電圧により搬送ベルト53も帯電する。これにより、搬送ベルト53は、静電気力で用紙Pを用紙搬送面53Aに吸着させつつ、搬送経路Rに沿って用紙Pを搬送し得る。
【0039】
次に、レーザプリンタ1を構成するスキャナ部60について説明する。スキャナ部60は、本体筐体2内部の最上方に配設されており、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等を有している。スキャナ部60は、画像形成部20を構成する各感光体ドラム26表面に、トナー色に対応する静電潜像を形成する。具体的には、レーザ光源から発光されるレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向されて、fθレンズを通過する。その後、当該レーザビームは、反射鏡によって光路が折り返され、さらに、反射鏡によって光路が下方に屈曲される。これにより、各レーザビームは、プロセスカートリッジ25K〜プロセスカートリッジ25Cの各感光体ドラム26表面に照射され、静電潜像を形成する。
【0040】
続いて、レーザプリンタ1における定着器70について説明する。定着器70は、用紙Pの搬送経路Rにおいて、画像形成部20及び搬送ユニット50よりも搬送方向下流側に配設されており、画像形成部20及び搬送ユニット50により、用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。図1等に示すように、定着器70は、加熱ローラ71と加圧ローラ72とを有している。加熱ローラ71は、用紙Pの画像形成面側に配設されており、搬送ベルト53等と同期して回転し、用紙Pに転写されたトナーを加熱しつつ、用紙Pを搬送する。加圧ローラ72は、用紙Pを挟んで加熱ローラ71と対向する位置に配設されており、用紙Pを加熱ローラ71側に押圧しながら従動回転する。これにより、定着器70は、用紙Pに転写されたトナーを加熱溶融させて用紙Pに定着させつつ、用紙Pを搬送経路Rの搬送方向下流側に搬送する。
【0041】
尚、搬送経路Rは、定着器70より下流側で、上方に向けて略U字形状にカーブしている。そして、搬送経路Rの最も下流側である排出トレイ5の直前には、一対の排出ローラ75が回転自在に配設されている。当該排出ローラ75は、定着器70を経て、画像が形成された用紙Pを排出トレイ5に排出する。
【0042】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2内部において、搬送ユニット50後部と定着器70の間であって、搬送ユニット50の用紙搬送面53Aよりもやや下方となる位置に、レジセンサユニット80を有している。当該レジセンサユニット80は、レジセンサSを有しており、後述するように、搬送ベルト53表面(用紙搬送面53A側)に形成された検出パターンを検出し、当該レーザプリンタ1の制御部(図示せず)に出力する。これにより、当該レーザプリンタ1は、レジセンサSによる検出パターンの検出結果に基づいて、制御部で種々の制御を行うことによって、画像形成時における位置ずれや濃度の補正を行い得る。レジセンサユニット80の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0043】
続いて、当該レーザプリンタ1における画像形成時の動作について説明する。画像形成動作を開始する際に、当該レーザプリンタ1は、画像形成部20を制御することにより、搬送ベルト53表面の所定位置(搬送ベルト53の幅方向両端部)に、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナーを用いて、検出パターンを形成する。その後、レーザプリンタ1は、駆動ローラ51を駆動制御することで、搬送ベルト53を循環移動させると共に、レジセンサユニット80のレジセンサSにより、搬送ベルト53表面に形成された各トナー色に係る検出パターンを、夫々検出する。そして、当該レーザプリンタ1は、レジセンサSによる検出パターンの検出結果に基づいて、その後に実行される画像形成時における位置ずれ及び濃度の補正制御を行う。
【0044】
そして、用紙Pに対する画像形成動作を開始すると、先ず、レーザプリンタ1は、給紙部10及び搬送ユニット50を駆動制御して、用紙Pを画像形成部20に搬送する。この時、画像形成部20においては、各感光体ドラム26表面は、各帯電器27によって、一様に正帯電された後、スキャナ部60から照射されるレーザビームによって露光される。これにより、各感光体ドラム26表面には、夫々のトナー色に対応し、且つ、印刷データに基づく静電潜像が形成される。
【0045】
供給ローラ32、現像ローラ33の回転により、トナー収容室31内のトナーが、現像ローラ33上に担持される。当該トナーは、現像ローラ33が感光体ドラム26に対向接触する際に、感光体ドラム26表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム26表面の静電潜像は可視像化され、感光体ドラム26表面には反転現像によるトナー像が担持される。
【0046】
その後、感光体ドラム26表面に担持されたトナー像は、転写ローラ55に印加される転写電圧によって用紙Pに転写される。そして、トナー像が転写された用紙Pが定着器70に搬送されると。当該トナー像は、加熱ローラ71及び加圧ローラ72により、用紙Pに熱定着される。最後に、画像が形成された用紙Pは、定着器70から搬送されると、排出トレイ5に排出される。用紙Pを排出トレイ5に排出することにより、レーザプリンタ1は、画像形成動作を終了する。
【0047】
次に、当該レーザプリンタ1におけるドロア40の装着位置と交換位置の移動操作について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、ドロア40が装着位置に位置する場合、ドロア40は、搬送ユニット50の上方においてほぼ水平な状態にある。この時、ドロアフレーム41の後端側上方に配設されている各カムホロワ44は、夫々、ドロアガイド3のストッパ面3Cに当て止っている。又、ドロア40が装着位置に位置する場合、各感光体ドラム26は、搬送ベルト53の用紙搬送面53Aに当接すると共に、当該搬送ベルト53を介して、各転写ローラ55と対向する。
【0048】
そして、図2、図3に示すように、ドロア40は、フロントカバー6を開放した状態で、本体筐体2の前方へ向かって引き出すことができる。具体的に、ドロア40を装着位置(図1参照)から交換位置(図3参照)へ移動させる際の動作について説明する。
【0049】
先ず、ユーザは、フロントカバー6を開放した状態で、前側ハンドル42を保持して、ドロア40を本体筐体2前方へ向かって引く。これにより、カムホロワ44は、第2案内面3Bに沿って斜め上方に転動する。従って、ドロア40は、第2案内面3Bに沿って、斜め上方に引き出される。この結果、ドロア40は、装着位置(図1参照)よりも上方に位置し、各感光体ドラム26が各転写ローラ55に対して斜め上方に離間した状態となる(図2参照)。
【0050】
図2に示す状態からドロア40を本体筐体2前方に向かって引くと、各カムホロワ44は、第2案内面3Bから第1案内面3Aに移動し、第1案内面3Aに沿って水平方向に転動する。このため、ドロア40は、第1案内面3Aに沿って水平に、本体筐体2から引き出される(図3参照)。そして、ドロア40は、カムホロワ44が第1案内面3A上を転動し、且つ、少なくとも一つのトナーカートリッジ30(例えば、トナーカートリッジ30K)が本体筐体2外部に位置する状態となることで、交換位置に位置する(図3参照)。図3に示すように、ドロア40が交換位置に位置する場合、ユーザは、トナーカートリッジ30の取り外し及び装着作業を行い得る。
【0051】
続いて、ドロア40を本体筐体2に装着する際の動作について説明する。ドロア40を本体筐体2の装着位置に装着する場合、ユーザは、各カムホロワ44を第1案内面3A上に置いて、ドロア40を本体筐体2後方に向かって挿入する。これにより、カムホロワ44が第1案内面3Aに沿って水平方向に転動する。このため、ドロア40は、第1案内面3Aに沿って水平に移動する。
【0052】
更に、ドロア40を本体筐体2の奥(後方側)に挿入すると、カムホロワ44は、第1案内面3Aから第2案内面3Bに移動し、第2案内面3Bに沿って斜め下方に向けて転動する。従って、ドロア40は、第2案内面3Bに沿って斜め下方に向かって移動する。そして、第2案内面3Bに沿って移動していくと、カムホロワ44は、ストッパ面3Cに当て止まる。この時、ドロア40は、装着位置において水平状態で支持されることとなり、各感光体ドラム26が搬送ベルト53を介して各転写ドラムと対向する状態となる。
【0053】
このように、レーザプリンタ1は、ドロア40に設けられたプロセスカートリッジ25K〜プロセスカートリッジ25Cのメンテナンスや各トナーカートリッジ30の交換を容易に実施することが可能となっている。
【0054】
次に、第1実施形態に係るレジセンサユニット80の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、レジセンサユニット80は、搬送ベルト53の幅方向両端部の所定位置に形成される検出パターンを検出する装置であって、レジセンサSと、センサーケース81と、保護フィルム82と、カバー部材83と、付勢部材84と、連動部材85により構成されている(図6、図7参照)。
【0055】
センサーケース81は、搬送ベルト53の幅寸法よりもやや長い長辺を有しており、搬送ベルト53の幅方向と前記長辺が平行となるように、本体筐体2内の所定位置(図1等参照)に配設される。そして、当該センサーケース81は、搬送ユニット50側の側面から本体筐体2後側上方に延びる傾斜面を有している。
【0056】
当該傾斜面においては、検出面Dを有するレジセンサSが、搬送ベルト53の幅方向両端部における検出パターン形成位置に対応する2か所に形成されている(図7参照)。レジセンサSの検出面Dは、発光部と受光部からなる検出部と、保護フィルム82により構成され、搬送ベルト53表面と対向している。レジセンサSの検出部を構成する発光部は、例えば、LEDにより構成され、搬送ベルト53表面へ向かって光を照射する。レジセンサSの検出部を構成する受光部は、例えば、フォトトランジスタにより構成され、搬送ベルト表面により反射された光を受光する。従って、当該レジセンサSは、発光部で照射され、搬送ベルト53表面で反射された光を受光部で受光することにより、搬送ベルト53表面に形成された検出パターンを検出する。保護フィルム82は、透光性を有するフィルム状の部材により構成されており、前記検出部よりも搬送ベルト53側において、検出部を覆うように配設されている(図7〜図9参照)。
【0057】
カバー部材83は、クリーナー83Aと、軸部83Bと、突部83Cを有しており、軸部83Bを中心として、第1位置と第2位置の間を回動自在に軸支されている。ここで、第1位置は、当該カバー部材83がレジセンサSの検出面Dを覆う位置である(図6、図8(B)、図9(B)参照)。又、第2位置は、当該カバー部材83が上方へ回動することにより、レジセンサSの検出面Dが露出し、搬送ベルト53表面に対向する位置である(図7、図8(A)、図9(A)参照)。
【0058】
クリーナー83Aは、合成樹脂を発泡形成して生成されたスポンジにより構成されており、カバー部材83が第1位置にある場合に検出面Dと対向する面に配設されている。当該クリーナー83Aは、検出面Dよりもやや大きな清掃面を有しており、カバー部材83が第1位置にある場合、清掃面をもって検出面D全域と接触する(図9(A)参照)。そして、当該クリーナー83Aは、カバー部材83が第1位置と第2位置の間を移動する際に、検出面Dに接触しつつ上下方向に移動する。従って、当該レーザプリンタ1は、カバー部材83が第1位置と第2位置の間を移動する際に、検出面D表面の汚れ(例えば、トナーや紙粉等)を拭き取ることができる。
【0059】
突部83Cは、カバー部材83の右側面の所定位置において、外側方向(本体筐体2の右方向)に突出形成されている。当該突部83Cは、連動部材85と当接することにより、カバー部材83を第1位置から第2位置へと回動移動させる。
【0060】
そして、付勢部材84は、所謂、捩りバネにより構成されており、軸部83Bに挿通されて配設されている。当該付勢部材84は、カバー部材83が第2位置から第1位置へ向かう方向に、その弾性力によってカバー部材83を付勢する。
【0061】
連動部材85は、略くの字状に形成された部材であり、第1当接部85Aと、第2当接部85Bと、回動軸85Cを有している。回動軸85Cは、くの字状の連動部材85の屈曲点において、当該連動部材85をセンサーケース81の右側面に回動自在に軸支している。第1当接部85Aは、連動部材85において回動軸85Cよりも前方(搬送ユニット50側)に位置する部分であり、ドロア40が装着位置に位置する場合に、作動部材45の当接部材47と当接する。第2当接部85Bは、連動部材85において回動軸85Cよりも後方に位置する部材であり、カバー部材83の突部83Cと当接する。従って、当該レーザプリンタ1は、連動部材85の回動に連動して、カバー部材83を第1位置と第2位置の間で移動させることができる。
【0062】
続いて、第1実施形態に係るレーザプリンタ1におけるドロア40の移動に連動した検出面Dの清掃動作について、図8、図9を参照しつつ詳細に説明する。先ず、ドロア40が装着位置から交換位置へ移動する場合について説明する。
【0063】
ドロア40が装着位置に位置する場合、作動部材45の当接部材47は、連動部材85の第1当接部85Aに上方から当接している。従って、ドロア40及び各プロセスカートリッジ25に係る重力等が第1当接部85Aに作用するため、連動部材85は、回動軸85Cを中心に時計回りに回動した位置に位置する。この時、第2当接部85Bがカバー部材83の突部83Cと接触しているため、カバー部材83は、連動部材85の回動に伴って、第2位置に位置することになる(図8(A)参照)。従って、ドロア40が装着位置に位置する場合、レジセンサSの検出面Dは、カバー部材83により遮られることなく露出し、搬送ユニット50の搬送ベルト53表面と対向する(図9(A)参照)。これにより、レーザプリンタ1は、ドロア40が装着位置に位置し、画像形成が可能な状態である場合、レジセンサSの検出面Dにより、搬送ベルト53表面に形成された検出パターンを検出することができ、検出結果を用いた位置ずれ及び濃度の補正を行い得る。
【0064】
そして、ドロア40が装着位置から交換位置へ向かって移動していく場合について説明する。上述したように、ドロア40は、装着位置からの移動を開始すると、ドロアガイド3の第2案内面3Bに沿って、上方へ移動しつつ引き出されていく。従って、作動部材45の当接部材47は、ドロア40の移動に伴い、連動部材85の第1当接部85Aから離間していく。ここで、カバー部材83は、付勢部材84の付勢力により、第2位置から第1位置へ向かう方向へ付勢されている。作動部材45が第1当接部85Aから離間することにより、第1当接部85Aに作用していた力がなくなるため、当該カバー部材83の突部83Cは、付勢部材84の付勢力によって、連動部材85の第2当接部85Bを下方へ押し下げ得る。この結果、カバー部材83は、第2位置から第1位置へ向かって、軸部83Bを中心として回動する(図8(B)参照)。ここで、カバー部材83が第2位置から第1位置へ移動する際に、クリーナー83Aは、レジセンサSの検出面Dと接触しつつ、上方から下方に向かって移動する(図9(B)参照)。これにより、当該レーザプリンタ1は、ドロア40が装着位置から交換位置へ向かって移動することに連動して、レジセンサSの検出面Dを、クリーナー83Aにより清掃し得る。
【0065】
又、カバー部材83が第1位置に位置する場合、レジセンサSの検出面Dは、カバー部材83及びクリーナー83Aにより覆われる(図9(B)参照)。従って、当該レーザプリンタ1は、ドロア40を装着位置から交換位置へ移動することに伴って、トナーや紙粉が本体筐体2内部に飛散した場合であっても、検出面Dを当該トナーや紙粉による汚れから保護し得る。
【0066】
次に、ドロア40を交換位置から装着位置へ移動する場合について説明する。上述したように、ドロア40が交換位置にある場合、カバー部材83は、第1位置に位置し、クリーナー83A等により、レジセンサSの検出面Dを覆った状態にある(図8(B)、図9(B)参照)。そして、ドロア40を交換位置から装着位置へ移動していくと、ドロア40は、ドロアガイド3の第2案内面3Bに沿って、下方に移動していく。この時、ドロア40は第2案内面3Bに沿って下方に移動するため、当接部材47は、連動部材85の第1当接部85Aに、確実に上方から接触する。
【0067】
そして、当接部材47が第1当接部85Aに接触することにより、ドロア40及び各プロセスカートリッジ25に係る重力等は、第1当接部85Aに作用する。この時、連動部材85の第2当接部85Bには、カバー部材83の突部83Cを介して、付勢部材84の付勢力が作用しているが、作動部材45から作用する力の方が大きいため、連動部材85は、回動軸85Cを中心に時計回りに回動する。そして、連動部材85の回動に伴って、第2当接部85Bが突部83Cを上方に押し上げるため、カバー部材83は、第1位置から第2位置へ向かって、軸部83Bを中心に回動する(図8(A)参照)。
【0068】
上述したように、カバー部材83が第1位置にある場合、クリーナー83Aは、清掃面によりレジセンサSの検出面Dと接触している(図9(B)参照)。従って、カバー部材83が第1位置から第2位置へ移動する際に、クリーナー83Aは、レジセンサSの検出面Dと接触しつつ、下方から上方に向かって移動する。これにより、当該レーザプリンタ1は、ドロア40が交換位置から装着位置へ向かって移動することに連動して、レジセンサSの検出面Dを、クリーナー83Aにより清掃し得る。
【0069】
以上、説明したように、第1実施形態に係るレーザプリンタ1によれば、ドロア40を装着位置と交換位置の間を移動させると、ドロア40を構成する作動部材45の当接部材47と、レジセンサユニット80の付勢部材84及び連動部材85と協働することによって、カバー部材83を第1位置と第2位置の間を移動させ得る。ここで、当該カバー部材83には、クリーナー83Aが、レジセンサSの検出面Dと接触可能に配設されている(図9参照)。従って、カバー部材83の第1位置と第2位置の移動に連動して、クリーナー83Aは、検出面Dと接触しつつ移動することとなり、検出面D表面を清掃し得る。
【0070】
つまり、当該レーザプリンタ1は、ドロア40の装着位置と交換位置の間を移動させることに連動して、レジセンサユニット80における検出面Dを清掃することができ、検出パターンの読取精度に影響を与える検出面Dを清浄な状態にし得る。又、ドロア40の装着位置と交換位置の間の移動は、トナーカートリッジ30の交換時等、定期的に行われるため、当該レーザプリンタ1は、定期的に検出面Dの清掃を行うことができ、ユーザが意識しなくとも、検出面Dを清浄な状態に維持し得る。この結果、当該レーザプリンタ1は、レジセンサユニット80による検出パターンの検出精度を高く維持することができ、画像形成時における位置ずれや濃度の補正を適切に行い得るため、画像品質を良好な状態に維持し得る。
【0071】
又、当該レーザプリンタ1において、ドロア40の装着位置は、交換位置よりも下方であって、各感光体ドラム26表面が搬送ベルト53上面と接触する位置である(図1〜図3参照)。そして、交換位置から装着位置へ移動する際に、ドロア40は、第2案内面3Bに沿って、斜め下方に移動して装着位置に位置する。この時、連動部材85には、ドロア40等に係る重力等も作用するため、当該レーザプリンタ1によれば、ドロア40の交換位置から装着位置への移動に連動して、確実に検出面Dを清掃し得る。
【0072】
更に、検出面Dは、透光性を有する材料で形成され、検出部を覆うように配設された保護フィルム82を有して構成される。そして、クリーナー83Aは、保護フィルム82表面と接触可能に配設されている。従って、クリーナー83Aによる検出面Dの清掃を行った場合において、レーザプリンタ1は、当該クリーナー83Aによる検出部の破損等を防止し得る。
【0073】
又、当該レーザプリンタ1において、レジセンサユニット80は、本体筐体2交換位置から装着位置へと向かうドロア40の移動方向における奥側で、搬送ベルト53表面に形成された各検出用パターンを光学的に読取可能な位置に配設されている(図1〜図3参照)。即ち、当該レーザプリンタ1において、レジセンサユニット80は、ユーザの手が届かず、ユーザの手により検出面Dを清掃することが困難な位置に配設されている。この場合であっても、当該レーザプリンタ1であれば、ドロア40の移動に連動して、クリーナー83Aによりレジセンサユニット80の検出面Dを清掃し得る。
【0074】
(第2実施形態)
続いて、上述した第1実施形態と異なる実施形態について、図10を参照しつつ説明する。当該第2実施形態においては、レーザプリンタ1等の基本的構成は、上述した第1実施形態と同一であるため、その説明は省略する。そして、第2実施形態においては、レジセンサユニット80の構成のみ、第1実施形態と相違する。従って、以下の説明においては、第2実施形態に係るレジセンサユニット80について説明する。
【0075】
尚、図10(A)、(B)は、第2実施形態に係るレジセンサユニット80の右端部近傍の正面図であり、図10(C)は、第2実施形態に係るレジセンサユニット80の上面図である。尚、レジセンサユニット80の左端部近傍の構成については、左右が逆転する点を除き、右端部と同様であるため、以下の説明においては右端部のみをもって説明する。
【0076】
図10に示すように、第2実施形態に係るレジセンサユニット80は、第1実施形態と同様のレジセンサSと、センサーケース81と、保護フィルム82を有しており、第1実施形態に係るカバー部材83、付勢部材84、連動部材85に換えて、スライドカバー部材86と、連動機構87を備えて構成されている。
【0077】
スライドカバー部材86は、レジセンサSの検出面D近傍に、傾斜面に沿って幅方向にスライド可能に配設されており(図10(A)、(B)参照)、クリーナー86Aと、長孔部86Bと、弾性部材86Cを有している。当該スライドカバー部材86において、幅方向中央側(図10中、右側)の端部には、検出面Dと対向する面に、クリーナー86Aが配設されている。クリーナー86Aは、第1実施形態と同様にスポンジにより構成されており、清掃面が検出面Dと接触可能に配設されている(図10(C)参照)。従って、第2実施形態に係るレーザプリンタ1は、スライドカバー部材がスライド移動させることにより、クリーナー86Aにより検出面Dを清掃し得る。
【0078】
そして、長孔部86Bは、センサーケース81の端部側でクリーナー86Aに隣接する位置に開口形成されている。当該長孔部86Bは、スライドカバー部材86を幅方向中央側にスライドさせた場合に、検出面Dを露出させ、検出パターンを読取可能な状態にする(図10(B)参照)。弾性部材86Cは、その弾性力により、幅方向中央側に移動しているスライドカバー部材86を、幅方向端部側の位置に戻す役割を担う。
【0079】
連動機構87は、ドロア接触部材87Aと、カバースライドギア87Bにより構成される。ドロア接触部材87Aは、ドロア40が装着位置に位置する場合に、作動部材45により下方に押し下げられる。又、ドロア接触部材87Aは、センサーケース81の幅方向中央側(図10中、右側)の側面に歯が付けられたラックギヤ状に形成されている。
【0080】
カバースライドギア87Bは、センサーケース81の端部側であって、ドロア接触部材87Aよりも幅方向中央側に、回転自在に配設されており、第1ギヤ部と、第2ギヤ部を有している。第1ギヤ部は、ドロア接触部材87Aの側面に形成された歯とかみ合うように、周面に歯が形成されている。第2ギヤ部は、スライドカバー部材86の幅方向端部側に上向きに形成された歯とかみ合うように、周面に歯が形成されている。
【0081】
続いて、第2実施形態における検出面Dの清掃動作について説明する。先ず、ドロア40が交換位置から装着位置に移動した場合について説明する。この場合、ドロア40が装着位置に位置するまで、レジセンサユニット80は、図10(A)に示す状態にある。ドロア40が装着位置に位置すると、ドロア接触部材87Aは、作動部材45により下方に押し下げられる。これにより、カバースライドギア87Bが反時計回りに回転し、スライドカバー部材86は、幅方向中央側にスライド移動する。図10(A)、(B)に示すように、クリーナー86Aは、検出面Dと接触しつつ、幅方向中央側に移動する。従って、第2実施形態においても、レーザプリンタ1は、ドロア40の移動に伴い、検出面Dの清掃を行い得る。又、スライドカバー部材86が幅方向中央側に位置することにより、長孔部86Bが検出面D上に位置する。これにより、検出面Dが長孔部86Bを介して露出するので、当該レーザプリンタ1は、搬送ベルト53に形成された検出パターンを読取可能な状態となる。
【0082】
次に、ドロア40が装着位置から交換位置へ移動する場合について説明する。この場合、ドロア40が装着位置に位置しているので、レジセンサユニット80は、図10(B)に示す状態にある。ドロア40が装着位置からの移動を開始すると、ドロア接触部材87Aは、作動部材45からの力から解放される。ここで、弾性部材86Cは、スライドカバー部材86を幅方向端部側に向かう弾性力を、スライドカバー部材86に作用させている。従って、スライドカバー部材86は、弾性部材86Cの弾性力により、幅方向端部側に向かってスライド移動する。図10(A)、(B)に示すように、クリーナー86Aは、検出面Dと接触しつつ、幅方向端部側に移動する。従って、第2実施形態においても、レーザプリンタ1は、ドロア40の移動に伴い、検出面Dの清掃を行い得る。尚、スライドカバー部材86が幅方向端部側に移動することで、カバースライドギア87Bは、時計回りに回転し、ドロア接触部材87Aを上方へ移動させる。これにより、再度、ドロア40が装着位置に位置した場合も、レジセンサユニット80は、上述のような動作を行い得る。
【0083】
以上説明したように、第2実施形態に係るレーザプリンタ1においても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏し得る。即ち、第2形態に係るレーザプリンタ1も、ドロア40が交換位置から装着位置へ向かって移動することに連動して、レジセンサSの検出面Dを、クリーナー86Aにより清掃し得る。
【0084】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては、感光体ドラム26から用紙Pにトナー像を直接転写する方式であったが、中間転写ベルトを介して、間接的に用紙Pにトナー像を転写する方式であってもよい。
【0085】
又、上述した実施形態においては、保護フィルム82を用いて、検出面Dを構成していたが、透光性を有するものであれば種々の態様を採用し得る。例えば、保護フィルム82に換えて、カバーガラスを用いても良い。更に、上述した実施形態においては、クリーナー83A、クリーナー86Aを何れもスポンジにより構成していたが、ブラシを用いてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
20 画像形成部
25 プロセスカートリッジ
26 感光体ドラム
40 ドロア
50 搬送ユニット
53 搬送ベルト
80 レジセンサユニット
83 カバー部材
85 連動部材
S レジセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
画像形成に用いられる複数の色における一色の記録剤を収納するプロセスカートリッジと、
前記本体筐体の内部において所定方向に延びる無端ベルトを有するベルトユニットと、
前記複数のプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジに収納された記録剤の色に係る静電潜像が夫々形成される複数の感光ドラムとを、前記ベルトユニットの上方で前記所定方向に沿って並列配置して保持すると共に、
前記複数の感光ドラムが前記無端ベルトの上面と夫々対向する装着位置と、前記複数のプロセスカートリッジの少なくとも一つが前記本体筐体外部に露出し、各プロセスカートリッジを交換可能な交換位置との間を前記所定方向に沿って移動可能に配設されたドロアと、
を有する画像形成装置であって、
画像形成に用いられる記録剤の各色に対応する検出用パターンを、前記無端ベルト表面に形成するパターン形成手段と、
前記無端ベルト表面と対向する検出面を有し、前記無端ベルト表面に形成された各検出用パターンを光学的に読み取る検出センサと、
前記検出センサの検出面と接触可能な清掃面を有し、前記検出面を清掃する清掃手段と、
前記装着位置と前記交換位置の間を前記ドロアが移動することに連動して、前記清掃面で前記検出センサの検出面を清掃するように、前記清掃手段を作動させる連動機構と、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記ドロアの装着位置は、前記交換位置よりも下方であって、各感光体ドラムの表面が前記無端ベルト上面と接触する位置であり、
前記ドロアは、
当該ドロアが前記装着位置への移動に伴い下降する際に、前記連動機構を介して、前記清掃手段を作動させ、前記清掃手段の清掃面により前記検出センサの検出面を清掃する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の画像形成装置であって、
前記清掃手段は、
前記清掃面が前記検出センサの検出面を覆うように接触する第1位置と、前記検出面が前記無端ベルト表面と対向するように、当該検出面を露出する第2位置の間を移動可能に配設されており、
前記ドロアが前記装着位置に位置する場合、前記第2位置に位置し、
前記ドロアが前記交換位置に位置する場合、前記第1位置に位置し、
前記ドロアが前記交換位置と前記装着位置の間を移動する際に、前記連動機構を介して、前記第1位置と前記第2位置の間を移動することで、前記清掃面により前記検出センサの検出面を清掃する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像形成装置であって、
前記検出センサは、透光性を有する材料で形成され、前記検出面を覆うカバーを有し、
前記清掃手段は、前記清掃面が当該カバーと接触可能に配設されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の画像形成装置であって、
前記検出センサは、
前記本体筐体内部において、前記交換位置から前記装着位置へと向かう前記ドロアの移動方向における奥側で、無端ベルト表面に形成された各検出用パターンを光学的に読取可能な位置に配設されている
ことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−73491(P2012−73491A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219208(P2010−219208)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】