説明

画像形成装置

【課題】レーザ光を走査する時間の検知精度を向上させた画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光ドラム9の表面をレーザ光で走査して画像を形成する際に、感光ドラム9の両端にそれぞれレーザ光を検出する光学センサ7,8を設け、光学センサ7,8の間をレーザ光が通過する区間通過時間を測定し、区間通過時間に基づいて主走査倍率を補正するための補正値を算出、記憶すると共に、レーザ光の波長変動を検出する。光学センサ7,8がレーザ光を受光しているときに波長変動が検出されない場合には記憶された最新の補正値を用いて、レーザ光の波長変動が検出された場合には記憶された1つ前の補正値を用いて、レーザ光の次の走査に対する主走査倍率を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光源を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像信号に基づいて変調されたレーザ光を回転多面鏡(ポリゴンミラー)により偏向し、感光ドラム上を走査させる画像形成装置について、その走査位置精度を向上させるための技術が種々考案されている。例えば、走査位置精度を向上させるためのレーザ光の軌跡を予め測定する技術として、感光ドラムの両端の外側にそれぞれ配置されたレーザ光検出用のセンサを用い、リアルタイムに走査位置の補正を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
より具体的には、特許文献1に記載された技術では、レーザ光の主走査方向の画像書き出しタイミングを調整するために、感光ドラムの書き出し側に配置されたレーザ光検出用のセンサを使用して、主走査方向の書き出し位置を揃えている。また、感光ドラムの両端の外側にそれぞれ配置されたセンサ間をレーザ光が通過する時間を測定し、主走査方向の走査密度を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−21799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載されている技術では、レーザ光が感光ドラムの両端の外側にそれぞれ配置されたセンサを通過する時間差から、センサ間のレーザ光の走査速度を求めることができる。これにより、ポリゴンミラーモータの回転ムラやポリゴンミラー面の加工精度等の変動要因に起因する走査密度の変動を補正することができる。
【0006】
しかしながら、走査密度の変動要因はこれらに限られるものではなく、例えば、レーザ光の波長変動も走査密度の変動要因として挙げられる。画像形成装置にはシングルモードと呼ばれる単一波長のレーザ光をのみを発振する半導体レーザチップが一般的に用いられているため、以下に半導体レーザチップから出射されるレーザ光の波長変動について説明する。
【0007】
半導体レーザチップでは、使用環境の温度変化と自己発熱による温度変化によって波長変動が発生する。この現象はモードホップと呼ばれている。図12は、モードホップ現象によるレーザ光の波長の変化の一例を示す図である。図12中、符号101は昇温時の変化特性を、符号102は降温時の変化特性を、符号103は温度変化分を、符号104は波長変化分をそれぞれ示している。
【0008】
図12に示した特性は、長共振器型の半導体レーザチップの例であり、波長は温度が上昇するに従ってほぼ一定の間隔で階段状に変化する。また、昇温時の変化(変化特性101)と降温時の変化(変化特性102)とが異なることも知られている。
【0009】
画像形成装置では、レーザ光は感光ドラム面上に到達するまでに複数の光学レンズを通過するため、モードホップによりレーザ光に波長変動が生じると、光学レンズの持つ色収差分だけ照射角度が偏向する。したがって、感光ドラム面上では、モードホップが発生した瞬間に急激な照射位置変動が起こると共にその前後で走査密度が変化し、これにより走査位置精度が悪化する。また、感光ドラムの両端の外側にそれぞれ配置されたレーザ光検出用のセンサがレーザ光を受光している時にモードホップが発生して急激に波長が変動すると、正確な走査速度を測定することができない。なお、モードホップが発生しないようにチップ温度を制御することは、その精度とコストから考えて実用的ではない。
【0010】
図13は、モードホップ現象によるレーザ光の波長の変化の別の例を示す図である。図13中、符号105は変化特性を、符号106は温度変化分を、符号107は波長変化分をそれぞれ示している。なお、図13には、比較のために、図12に示した変化特性101等を併記している。図13に示した特性は、短共振器型の半導体レーザチップ、例えば、VCSELのものである。
【0011】
短共振器型の半導体レーザチップを用いると、長共振器型の半導体レーザチップを用いた場合と比較すると、温度変化に対するモードホップの発生間隔は粗くなるものの、モードホップ発生時の波長変動量が大きくなる。そのため、短共振器型の半導体レーザチップを用いた場合も、長共振器型の半導体レーザチップを用いた場合と同様の問題が生じる。
【0012】
本発明は、レーザ光を走査する時間の検知精度を向上させた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る画像形成装置は、感光体の表面に形成される静電潜像を現像することによって画像を形成する画像形成装置において、前記静電潜像を形成するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記感光体の表面を走査するように前記レーザ光を偏向する走査手段と、前記走査手段によって偏向されたレーザ光を前記感光体の表面に導くレンズと、前記レーザ光の波長変動が生じたか否かを検出する検出手段と、前記レーザ光が前記静電潜像を形成するために前記感光体の表面を走査する方向における主走査倍率を検出する倍率検出手段と、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出した場合に、前記レーザ光の波長変動が検出された走査周期の次の走査周期における主走査倍率を前記レーザ光の波長変動が検出された走査周期よりも前の走査周期であって前記レーザ光の波長変動が検出されていない走査周期の主走査倍率の補正データによって補正し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出しなかった場合に、前記レーザ光の波長変動が検出されなかった走査周期における主走査倍率の補正データで次の走査周期における主走査倍率を補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、レーザ光を走査する時間の検知精度を向上させることができる。これにより、画像を形成する位置の位置ずれを抑えた高品位の画像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の光学系の構成及び制御信号の流れを模式的に示す図である。
【図2】図1に示されるモードホップ検出ユニットの構成を示す図である。
【図3】図1の画像形成装置において、レーザ光による感光ドラム上への画像の描画とこれにより形成される画像との関係を模式的に示す図である。
【図4】図1に示される補正演算部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】図4の補正演算部による主走査倍率の補正方法の時間的な流れを示すタイミングチャートである。
【図6】図4の補正演算部による主走査倍率の補正方法のフローチャートである。
【図7】用紙に形成された画像の例を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る画像形成装置が備える補正演算部の構成を示すブロック図である。
【図9】図8の補正演算部による主走査倍率の補正方法の時間的な流れを示すタイミングチャートである。
【図10】第3実施形態に係る画像形成装置が備える補正演算部による主走査倍率の補正方法の時間的な流れを示すタイミングチャートである。
【図11】図10のタイミングチャートに従う主走査倍率の補正方法のフローチャートである。
【図12】モードホップ現象によるレーザ光の波長の変化の一例を示す図である。
【図13】モードホップ現象によるレーザ光の波長の変化の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の光学系の構成及び制御信号の流れを模式的に示す図である。画像形成装置は、レーザ光源1、コリメータレンズ2、ハーフミラー3、シリンダレンズ4、ポリゴンミラー5、結像レンズ(fθレンズ)6、2つの光学センサ7,8及び感光体としての感光ドラム9を備えている。
【0018】
本実施形態では、レーザ光源1は、長共振器型又は短共振器型の半導体レーザチップを用いて構成されているものとする。レーザ光源1は、補正演算部17から出力されるレーザ駆動信号18によって駆動される。補正演算部17については、後に詳細に説明する。画像データに応じて内部変調され、レーザ光源1から出射されたレーザ光10は、コリメータレンズ2によって平行レーザ光とされる(図2参照)。
【0019】
コリメータレンズ2を透過した平行レーザ光は、ハーフミラー3を透過する。ハーフミラー3を透過したレーザ光11は、シリンダレンズ4によってポリゴンミラー5上で線状に集光され、ポリゴンミラー5で偏向された後、結像レンズ6を経て、表面を均一に帯電された感光ドラム9上(表面)を主走査方向と平行に等速走査される。感光ドラム9は、レーザ光11の走査に同期して回転駆動され、レーザ光11と感光ドラム9とが相対的に副走査方向に移動して、感光ドラム9上に2次元の静電潜像(以下「潜像」と記する)が形成される。
【0020】
なお、コリメータレンズ2でレーザ光10を平行レーザ光にせず、少し広げておいて、結像レンズ6においてレーザ光11を感光ドラム9上に結像させるようにしてもよい。その場合、レーザ光11が感光ドラム9の両端にそれぞれ配置された光学センサ7,8に結像するように、コリメータレンズ2と結像レンズ6の位置を調整しておく。
【0021】
感光ドラム9上にレーザ光11が照射されると共に、レーザ光10の一部はハーフミラー3で反射し、レーザ光12としてモードホップ検出ユニット13に入射する。モードホップ検出ユニット13は、光の回折を用いて、モードホップ時にレーザ光量が増えることを検出する。モードホップ検出ユニット13の構成については、後に詳細に説明する。光学センサ7から出力される書き出し位置側のセンサ信号14、光学センサ8から出力される書き終り側のセンサ信号15及びモードホップ検出信号16は、補正演算部17に入力される。
【0022】
図2は、モードホップ検出ユニット13の構成を示す図である。図2では、図1で説明した要素と同じ要素については同一符号を付している。モードホップ検出ユニット13は、平行平面板20、ホトダイオード型の光学センサ21、及び光学センサ7,8の出力を増幅する増幅回路22で構成されている。
【0023】
レーザ光12は、レーザ光10がハーフミラー3によって反射されたものであり、光学センサ21に向けて照射される。光学センサ21が受光するレーザ光には、平行平面板20を通過して光学センサ21に到達するレーザ光24と、平行平面板20の上下面で少なくとも1回以上反射した後に光学センサに到達するレーザ光23とが存在する。これらのレーザ光23,24は互いに波長位相がずれており、干渉光として光学センサ21に受光される。
【0024】
モードホップによって波長変動が生じたときには必ず波長位相がずれるため、シングルモードのレーザ光でモードホップが発生したときには、光学センサ21に受光される干渉光が変化する。モードホップ検出ユニット13は、この干渉光の変化量を増幅回路22で増幅し、2値化処理した信号をモードホップ検出信号16として出力する。
【0025】
図3は、レーザ光11による感光ドラム9上への画像の描画とこれにより形成される画像との関係を模式的に示す図である。図3では、図1で説明した要素と同じ要素については同一符号を付している。レーザ光源1、ポリゴンミラー5、感光ドラム9及び補正演算部17は、概略、図示の通りに配置されており、記録材である用紙31は感光ドラム9に接するように図の右側から左側へ搬送される。
【0026】
ポリゴンミラー5は、ほぼ一定の速度で回転しており、レーザ光11が光学センサ7を通過した時点を基準にして、レーザ光11を感光ドラム9上に照射する。これにより、感光ドラム9上に潜像が形成される。ポリゴンミラー5の1つの面をn面とし、n−3面で静電潜像32が形成されたとすると、n−2面で潜像33が、n−1面で潜像34がそれぞれ形成され、n面で感光ドラム9の軸方向(主走査方向)の途中まで潜像が形成された状態が図3に示されている。
【0027】
このように、順次、感光ドラム9上に潜像を形成し、潜像を現像部(不図示)で現像してトナー像を形成し、トナー像を用紙31に転写することによって、用紙31に画像36が形成される。
【0028】
図4は、補正演算部17の詳細な構成を示すブロック図である。補正演算部17は、区間通過時間算出部41、モードホップ発生検出部[パルス]42、補正値演算部43、補正値記憶部44を有する補正値選択部45、画像パルス生成部46及び制御回路48を備えている。
【0029】
図4に示される第1センサ出力信号は、図1に示した書き出し位置側の光学センサ7から出力されるセンサ信号14であり、第2センサ出力信号は、書き終り側の光学センサ8から出力されるセンサ信号15である。第1センサ出力信号及び第2センサ出力信号は、区間通過時間算出部41に入力される。区間通過時間算出部41は2つの光学センサ7,8間をレーザ光11が通過するときの通過時間差(以下「区間通過時間」という)を測定し、測定された区間通過時間(以下「通過時間測定値」という)を補正値演算部43に出力する。
【0030】
第1センサ出力信号及び第2センサ出力信号とモードホップ検出信号は、モードホップ検出部[パルス]42に入力される。モードホップ検出部[パルス]42は、レーザ光11が光学センサ7,8にそれぞれ照射されている期間(以下「センサ検出期間」という)にモードホップが発生したか否かを検出しており、検出結果を補正値選択部45へ出力する。なお、センサ検出期間は、第1センサ出力信号及び第2センサ出力信号のそれぞれの出力期間でもある。
【0031】
補正値演算部43では、区間通過時間算出部41から取得した通過時間測定値に基づいて主走査倍率(主走査方向の画像倍率)の補正値(以下「補正値」と記す)を算出する。この補正値は、予め設定されている基準値又はトナー像測定部(不図示)で算出される基準値を用いて、“補正値=通過時間測定値/基準値”により算出される。算出された補正値は、補正データとして補正値記憶部44に出力され、書き込まれる。
【0032】
補正値選択部45では、モードホップ発生検出部[パルス]42からの出力信号であるモードホップ発生の有無を示す信号を考慮して、画像パルス生成部46へ出力する補正値を補正値記憶部44に記憶された補正値から選択的に読み出す。なお、補正値の選択方法については後に説明する。また、補正値選択部45は、補正値の平均値を算出する平均値算出手段として、補正値記憶部44に書き込まれた補正値を用いて移動平均した補正値(以下「移動平均値」という)を算出し、補正値記憶部44に記憶する。
【0033】
なお、移動平均値の算出には、通過時間測定値が正確に測定されて算出された補正値のみを用いる。通過時間測定値が正確に測定されたか否かの判断手法については、後に説明する。移動平均値は、本実施形態では用いず、後に説明する第3実施形態で用いる。移動平均値には、例えば、単純移動平均値、荷重移動平均値(線形荷重移動平均値)等を用いることができ、特に制限はない。
【0034】
画像パルス生成部46は、主走査倍率を検出しており、検出している主走査倍率を補正値選択部45から受信した補正値(補正データ)に基づいて補正する。具体的には、画像クロック信号(以下「画像CLK」と記す)の変調を行う。画像パルス生成部46は、変調した画像CLKと制御回路48から受信した画像データ47とからレーザ駆動信号18(図1参照)を生成し、レーザ光源1へ出力する。制御回路48は、図4に示される各処理部の動作タイミングを調整すると共に、画像データ47を画像パルス生成部46に出力する。
【0035】
図5は、補正演算部17による主走査倍率の補正方法の時間的な流れを示すタイミングチャートである。区間通過時間算出部41は、光学センサ7の出力信号である第1センサ出力信号の立ち上がりエッジ51が発生すると、区間通過時間の計数(カウント)を開始する。また、区間通過時間算出部41は、光学センサ8の出力信号である第2センサ出力信号の立ち上がりエッジ52が発生すると区間通過時間の計測を終了し、測定区間[A]の通過時間測定値を算出する。区間通過時間算出部41は、順次、交互に発生する第1センサ出力信号の立ち上がりエッジ51と第2センサ出力信号の立ち上がりエッジ52に従って、測定区間[B],測定区間[C],測定区間[D],測定区間[E]の通過時間測定値を算出する。
【0036】
第2センサ出力信号の立ち上がりエッジ52の発生後、補正値演算部43は、測定区間[A]の通過時間測定値を用いて補正値演算処理53を行い、補正値を算出する。算出された補正値は、補正値記憶部44(画像CLK変調レジスタ)に出力され、補正値54として書き込まれる。なお、図5では、この補正値の書き込みについての図示を省略している。
【0037】
補正値選択部45は、測定区間[A]の通過時間測定値は後述の通りに正確であるため、補正値記憶部44に記憶された補正値54を選択して読み出し、画像パルス生成部46へ出力する。画像パルス生成部46では、受信した補正値54を用いて、画像CLK71を画像CLK72に変更し、これにより補正された主走査倍率で感光ドラム9上への画像の描画が行われ、潜像が形成される。
【0038】
測定区間[B]〜測定区間[E]の通過時間測定値についても、同様に補正値演算処理53が行われ、演算結果である補正値は、補正値記憶部44に書き込まれる。本実施形態では、後述の通りに測定区間[B]の通過時間測定値は正確ではないため、測定区間[B]の通過時間測定値を用いて算出された補正値は補正値選択部45により選択されない。補正値選択部45は、1つ前の補正値である補正値54を選択して、画像パルス生成部46へ再び出力する。結果的に画像CLK72は変更されることなく、画像CLK72を用いて画像の描画が行われる。なお、「1つ前の補正値」は、正確に測定された通過時間測定値に基づいて算出された補正値である必要があり、「1つ前」は最新の補正値(正確ではない場合を含む)の1つ前を意味する。
【0039】
なお、補正値選択部45は、補正値54を画像パルス生成部46へ再び出力する代わりに、補正値を画像パルス生成部46へ再び出力しないようにしてもよい。この場合、画像パルス生成部46は、受信済みの最新の補正値54を継続して用いることになり、結果的に、画像CLK72は変更されることがない状態が作り出される。
【0040】
画像データ61は、レーザ駆動信号58としてレーザ光源1に出力される。また、図5に示されるレーザON信号59,60はそれぞれ、第1センサ出力信号と第2センサ出力信号を得るために光学センサ7,8に照射するレーザ光である。このように、画像形成のライン毎、つまり走査周期毎に補正値を変更しながら、感光ドラム9上への画像の描画を行っていき、潜像を形成する。
【0041】
図5では、測定区間[B]の終点を検出する光学センサ8でのセンサ検出期間中にモードホップ検出信号62が発生している。本実施形態では、モードホップ検出信号62がセンサ検出期間中に検出された場合、このときに測定された通過時間測定値を用いて算出された補正値を用いない。これは、測定区間[B]の測定結果にモードホップによる位置ずれの影響が重畳するので、測定結果に誤りがあり、正確でないからである。
【0042】
そのため、補正値選択部45は、測定区間[A]の通過期間測定値に基づいて算出した補正値54を継続して使用するために、補正値記憶部44に記憶された補正値54を画像パルス生成部46へ再度出力する。これにより画像パルス生成部46は画像CLK72を連続して使用することになり、不具合を抑えた補正を行うことができる。
【0043】
なお、測定区間[C]の区間通過時間は正確に測定されているので、その通過時間測定値を用いて補正値55が算出され、補正値記憶部44に記憶され、画像パルス生成部46へ出力され、画像CLK72が画像CLK74へ変更される。また、測定区間[D]の区間通過時間も正確に測定されているので、その通過時間測定値を用いて補正値56が算出され、補正値記憶部44に記憶され、画像パルス生成部46へ出力され、画像CLK74が画像CLK75へ変更される。
【0044】
本実施形態では、上述の通り、区間通過時間の測定に第1センサ出力信号及び第2センサ出力信号のそれぞれの立ち上がりエッジ51,52を用いているが、立下りエッジ又は立ち上がりエッジと立下りエッジの平均値を用いてもよい。
【0045】
図6は、図5を参照して説明した主走査倍率の補正方法のフローチャート図であり、ここには用紙1枚分の補正を示している。印刷が開始されると、制御回路48は、レーザ光11を照射する感光ドラム9上の位置が、用紙の先端に対応する潜像形成位置か否かを判定する(ステップS111)。用紙の先端に対応する潜像形成位置でない場合(ステップS111で“NO”)、用紙の先端に対応する潜像形成位置になるまで待機する。用紙の先端に対応する潜像形成位置になると(ステップS111で“YES”)、区間通過時間算出部41は、第1センサ出力信号の立ち上がりエッジを検出したか否かを判定する(ステップS113)。
【0046】
区間通過時間算出部41は、第1センサ出力信号の立ち上がりエッジを検出するまで待機する(S112で“NO”)。区間通過時間算出部41は、第1センサ出力信号の立ち上がりエッジを検出すると(S112で“YES”)、区間通過時間のカウントを開始し(ステップS113)。第2センサ出力信号の立ち上がりエッジを検出したか否かを判定する(ステップS114)。
【0047】
第2センサ出力信号の立ち上がりエッジを検出するまで(S114で“NO”)、区間通過時間算出部41は、区間通過時間のカウントを継続する(ステップS114)。第2センサ出力信号の立ち上がりエッジを検出すると(S114で“YES”)、区間通過時間算出部41は、それまでのカウント値を通過時間測定値として算出する(ステップS115)。
【0048】
ステップS115で算出された通過時間測定値に基づいて、補正値演算部43が主走査倍率の補正値を算出する(ステップS116)。続いて、ステップS115で算出した補正値を実際に画像の描画に反映するか否かを判定するために、補正値選択部45は、モードホップ発生検出部[パルス]42がセンサ検出期間中にモードホップを検出したか否かを判定する(ステップS117)。
【0049】
モードホップが検出されなかった場合(S117で“NO”)、補正値選択部45は、補正値記憶部44に記憶された(直前のステップS116で算出した)最新の補正値を読み出して、画像パルス生成部46へ出力する。そして、画像パルス生成部46は、最新の補正値を用いて画像CLKを変調し(ステップS118)、画像の描画を行う。一方、モードホップが検出された場合(S117で“YES”)は、補正値選択部45は、補正値記憶部44に記憶された最新の補正値を画像パルス生成部46へ出力しない。補正値選択部45は、補正値記憶部44に記憶された1つ前の補正値(図6の処理の1サイクル前のステップS116で算出したの補正値)を読み出して、画像パルス生成部46へ出力する。画像パルス生成部46は、こうして受信した1つ前の補正値で画像CLKを変調し(ステップS119)、画像の描画を行う。結果的に、画像の描画では、1つ前の画像CLKがそのまま継続して使用されることになる。
【0050】
ステップS118,S119により1ライン分の画像描画が終了するので、制御回路48は、ステップS112〜119の一連の処理を用紙の後端まで行ったか否か(用紙1枚分の主走査倍率の補正を行ったか否か)を判定する(ステップS120)。制御回路48は、一連の処理が終了していない場合(S120で“NO”)、処理をステップS112に戻し、一例の処理が終了した場合(S120で“YES”)、本処理を終了させる。
【0051】
図7は、用紙に形成された画像の例を示す図である。図7(a)は、主走査倍率の補正を行わなかった場合の画像であり、図7(b)はモードホップの発生に関係なく常に主走査倍率の補正を行った場合の画像である。また、図7(c)は、図5のタイミングチャート及び図6のフローチャートを参照して説明した本実施形態に係る主走査倍率の補正方法を適用した場合の画像である。なお、図7(a)〜(c)に示される状態は、用紙に転写される前の感光ドラム9上の潜像(トナー像)の状態を示すものでもある。
【0052】
図7(a)は、ポリゴンミラー5を駆動するポリゴンモータのジッタやポリゴンミラー5の各ポリゴン面の製造精度の誤差等により、形成される画像の長さに差が発生することを示している。画像711〜715のそれぞれの左端の書き出し位置は、光学センサ7の検知信号でタイミングを合わせているので揃っている。よって、形成された画像711〜715の長さが徐々に長くなってしまって、画像の品位が低下していることがわかる。
【0053】
図7(b)は、2ライン目(測定区間[B])の第2センサ出力信号の出力期間にモードホップが発生したが(適宜、図5参照)、測定区間[B]の通過時間測定値を用いて主走査倍率の補正を行い、3ライン目の画像の描画を行った場合の画像である。この場合、1,2,4,5目の各ラインに対応する画像721,722,724,725は正しく補正されているが、3ライン目の画像723が他の画像と比べて大きくずれている。なお、ここでは、主走査倍率が縮小した例を示している。
【0054】
図7(c)は、図5に示したように、2ライン目(測定区間[B])の第2センサ出力信号の出力期間にモードホップが発生したために、3ライン目の補正値として1つ前の補正値である2ライン目の補正値を用いた場合の画像である。この場合、3ライン目の画像733は、図7(b)の3ライン目の画像723に比べて、誤差が軽減されていることがわかる。なお、1,2,4,5目の各ラインに対応する画像731,732,734,735は正しく補正されている。
【0055】
本実施形態の通りに主走査倍率を補正することにより、図7(a)の場合における画像のばらつきの標準偏差に比べて、図7(c)の場合における画像のばらつきの標準偏差が1/3に低減されるという効果が得られることが確認されている。モードホップを考慮しない図7(b)の場合は、図7(a)よりも画像の品位が大きく低下し、例えば、モードホップ発生時には画像のばらつきの標準偏差が数倍程度大きくなる。
【0056】
上記の通り、本実施形態では、画像(潜像)形成のライン(走査周期)毎に光学センサ7,8間の区間通過時間を測定して主走査倍率の補正を行う方法において、センサ検出期間中にモードホップの発生が確認された場合、そのラインの通過時間測定値を用いて算出した補正値を用いない。これにより、補正精度を向上させることができ、高品位の画像を形成することができる。
【0057】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態と比較すると、補正演算部17の構成に相違点があり、この構成の相違に起因して処理内容に相違点がある。図8は、第2実施形態に係る画像形成装置が備える補正演算部の構成を示すブロック図である。図8において、第1実施形態に係る補正演算部17と同じ構成要素については同じ符号を付して、説明を省略する。
【0058】
第1実施形態では、モードホップ発生検出部[パルス]42がセンサ検出期間中にモードホップが発生したことを検出した場合に、対応する通過時間測定値に基づいて算出された補正値を用いずに、1つ前の補正値を用いることとした。これに対して、第2実施形態では、モードホップ発生検出部[区間]49が、画像形成期間内にモードホップが発生したことを検出した場合に、対応する通過時間測定値に基づいて算出された補正値を用いずに、1つ前の補正値を用いる。なお、「画像形成期間」とは、図5及び後述する図9に示される画像データ61で示される区間であり、レーザ駆動信号58の区間に等しい。
【0059】
第1実施形態と同様に、第1センサ出力信号と第2センサ出力信号が区間通過時間算出部41に入力され、光学センサ7,8間の区間通過時間が測定され、補正値の演算、補正値の記憶、画像CLKの変調が順次行われ、レーザ駆動信号18が出力される。モードホップ発生検出部[区間]49は、第1センサ出力信号と第2センサ出力信号とから画像形成期間を特定し、画像形成期間内にモードホップが発生した場合には、対応する通過時間測定値に基づいて算出された補正値を用いない。よって、画像パルス生成部46は、1つ前の補正値による画像CLKを継続して用いることになる。
【0060】
図9は、図8の補正演算部による主走査倍率の補正方法の時間的な流れを示すタイミングチャートであり、図5と同じ要素については図5と同じ符号を付している。図9には、モードホップ検出信号63が、測定区間[C]に対応する画像形成期間で発生した場合が示されている。この場合、測定区間[C]の通過時間測定値に誤りがあると判断し、このデータに基づく補正値を用いず、1つ前の補正値である測定区間[B]の通過時間測定値に基づく補正値55を継続して使用する。その結果、画像CLK73が継続して使用され、画像が描画される。これにより、第1実施形態と同様に、補正精度を向上させることができ、高品位の画像を形成することが可能になる。
【0061】
<第3実施形態>
第3実施形態では、センサ検出期間中にモードホップが発生し、画像形成期間内でもモードホップが発生した場合の主走査倍率の補正方法に関する。なお、本実施形態での補正演算部の構成は、第1実施形態及び第2実施形態に準じるものとし、図示を省略する。
【0062】
図10は、第3実施形態に係る画像形成装置が備える補正演算部による主走査倍率の補正方法の時間的な流れを示すタイミングチャートである。測定区間[B]の第2センサ出力信号の出力期間中にモードホップ検出信号62が、測定区間[C]の第1センサ出力信号の出力期間中にモードホップ検出信号64が、測定区間[C]内の画像形成期間内にモードホップ検出信号63がそれぞれ発生している。このように、本実施形態では、モードホップが近接して複数回発生している。
【0063】
測定区間[A]については、問題なく区間通過時間が測定されているため、通過時間測定値を反映した補正値の算出が行われ、画像CLK71から画像CLK72への変調が行われる。しかし、測定区間[B]と測定区間[C]のいずれも正しく区間通過時間の測定が行われていないため、測定区間[B]の通過時間測定値を用いて算出した補正値は反映されず、1つ前の補正値54が継続して使用され、結果的に画像CLK72が継続して使用される。そして、本実施形態では、補正値選択部45は、測定区間[C]に対応する補正値として、補正値記憶部44に記憶されている移動平均値80を選択し、画像パルス生成部46に出力する。これにより、画像パルス生成部46では、画像CLK72から画像CLK76への変調が行われる。
【0064】
移動平均値80を用いる理由は、以下の通りである。すなわち、モードホップが比較的高頻度で連続して発生した場合、1つ前の補正値を使用することができないことがある。この場合に、過去に正確に取得した補正値であっても、あまりに以前の(古い)補正値を使用すると、補正の効果が薄れてしまうため、移動平均値を使うことでこの問題を回避することができる。
【0065】
本実施形態での設定例に限られず、モードホップの連続的な発生により区間通過時間を正確に測定できない測定区間全体の長さに一定の基準を設け、この基準よりも長い測定区間でモードホップが連続的に発生した場合に移動平均値を用いるようにしてもよい。この場合、この基準以下の区間でモードホップが連続的に発生した場合には、1つ前の補正値を用いる。
【0066】
移動平均値の算出に使用するデータ数(測定区間数)を、時系列的に新しい測定区間から抽出するように少なく設定すれば、1つ前の補正値を用いる場合に得られる効果に近い近い効果が得られることになる。一方、データ数を多くすると、モードホップのみならず、ポリゴンモータの回転ムラ等の周期的な変動の平均値を補正値として用いて、主走査倍率を補正することができる。このような事情を考慮して、移動平均値の算出に使用するデータ数を、最適な画像形成が行われるように、例えば、実験的又は経験的に定めることができる。
【0067】
図11は、図10のタイミングチャートに従う主走査倍率の補正方法のフローチャートである。印刷開始後、光学センサ7,8間の区間通過時間の測定、補正値の算出が行われ、第1センサ出力信号又は第2センサ出力信号の検出区間でモードホップが検出されたかが判定される(ステップS111〜S117)。ステップS111〜S117の処理内容は、図6のステップS111〜S117の処理内容と同じであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0068】
ステップS117でモードホップが検出されなかった“NO”の場合、画像パルス生成部46は、補正値記憶部44に記憶された最新の補正値を用いて画像CLKを変調し(ステップS118)、画像の描画を行う。一方、ステップS117でモードホップが検出された“YES”の場合、補正値選択部45は、モードホップが連続して検出されたか否かを判定する(ステップS121)。
【0069】
モードホップが連続して検出されていない場合(S121で“NO”)、補正値選択部45は、補正値記憶部44に記憶された1つ前の補正値を選択し、画像パルス生成部46へ出力する。画像パルス生成部46は、この1つ前の補正値を用いて画像CLKを変調し(ステップS122)、画像の描画を行う。モードホップが連続して検出された場合(S121で“YES”)、補正値選択部45は、補正値記憶部44に記憶された移動平均値を選択して画像パルス生成部46へ出力する。画像パルス生成部46はこの移動平均値を用いて画像CLKを変調し(ステップS123)、画像の描画を行う。ステップS118,S122,S123の後、制御回路48は処理をステップS120に進める。このステップS120は、図6のステップS120と同じである。
【0070】
上記の通り、第3実施形態でも、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、補正精度を向上させることができ、高品位の画像を形成することが可能になる。
【0071】
<その他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0072】
上記実施形態では、実施形態毎にモードホップの検出タイミングと補正値の選択方法を1つに特定した。しかし、これに限られず、1つ前の補正値を用いて主走査倍率を補正する方法と移動平均値を用いて主走査倍率を補正する方法を置き換えて実施しても、適切な画像形成を行うことができきる。
【0073】
また、上記実施形態では、光学センサ7,8を感光ドラム9の両端にそれぞれ配置したが、これに限定されず、光学センサ7,8は、レーザ光の主走査方向においてレーザ光が感光ドラム9の表面を走査する長さ範囲を含むように配置されていればよい。
【0074】
本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0075】
1 レーザ光源
7,8 光学センサ
9 感光ドラム
13 モードホップ検出部
17 補正演算部
41 区間通過時間算出部
42 モードホップ発生検出部[パルス]
43 補正値演算部
45 補正値選択部
46 画像パルス生成部
49 モードホップ発生検出部[区間]

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体の表面に形成される静電潜像を現像することによって画像を形成する画像形成装置において、
前記静電潜像を形成するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記感光体の表面を走査するように前記レーザ光を偏向する走査手段と、
前記走査手段によって偏向されたレーザ光を前記感光体の表面に導くレンズと、
前記レーザ光の波長変動が生じたか否かを検出する検出手段と、
前記レーザ光が前記静電潜像を形成するために前記感光体の表面を走査する方向における主走査倍率を検出する倍率検出手段と、
前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出した場合に、前記レーザ光の波長変動が検出された走査周期の次の走査周期における主走査倍率を前記レーザ光の波長変動が検出された走査周期よりも前の走査周期であって前記レーザ光の波長変動が検出されていない走査周期の主走査倍率の補正データによって補正し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出しなかった場合に、前記レーザ光の波長変動が検出されなかった走査周期における主走査倍率の補正データで次の走査周期における主走査倍率を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記レンズは前記レーザ光が前記感光体の表面を等速走査させるための結像レンズであり、
前記走査手段により走査されるレーザ光を、該レーザ光が前記感光体を走査する主走査方向において該レーザ光が前記感光体の表面を走査する長さ範囲を含むように検出する2つの光学センサと、
前記2つの光学センサの間を前記レーザ光が通過する区間通過時間を測定し、前記区間通過時間に基づいて主走査倍率を補正するための補正値を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された補正値を記憶する記憶手段と、
前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出しない場合には前記記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出した場合には前記記憶手段に記憶された補正値から選択的に補正値を読み出す補正値選択手段と、を更に備え、
前記補正手段は、前記補正値選択手段が読み出した補正値を用いて次の走査に対する主走査倍率を補正することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記補正値選択手段は、前記2つの光学センサの間を前記レーザ光が走査している期間に、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出していないときには前記記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出したときには前記記憶手段に記憶された1つ前の補正値を読み出すことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記補正値選択手段は、前記2つの光学センサのうち少なくとも1つが前記レーザ光を受光している期間に、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出していないときには前記記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出したときには前記記憶手段に記憶された1つ前の補正値を読み出すことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記補正値選択手段は、前記レーザ光を前記感光体の表面に対して主走査方向に走査する画像形成期間に、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出していないときには前記記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出したときには前記記憶手段に記憶された1つ前の補正値を読み出すことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出していないときに前記区間通過時間が正確に測定され、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出したときに前記区間通過時間が正確に測定されていないと判断する判断手段と、
前記記憶手段に記憶された補正値のうちで前記判断手段が正確に測定されたと判断した前記区間通過時間に基づいて前記算出手段が算出した補正値の移動平均値を算出して前記記憶手段に記憶する平均値算出手段とを有し、
前記補正値選択手段が選択的に読み出す補正値には前記移動平均値が含まれることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記補正値選択手段は、前記2つの光学センサの間を前記レーザ光が走査している期間に、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出していないときには前記記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出したときには前記記憶手段に記憶された前記移動平均値を読み出すことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補正値選択手段は、前記2つの光学センサのうち少なくとも1つが前記レーザ光を受光している期間に、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出していないときには前記記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出したときには前記記憶手段に記憶された前記移動平均値を読み出すことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記補正値選択手段は、前記レーザ光を前記感光体の表面に対して主走査方向に走査する画像形成期間に、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出していないときには前記記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、前記検出手段が前記レーザ光の波長変動を検出したときには前記記憶手段に記憶された前記移動平均値を読み出すことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記光源は半導体レーザチップであり、前記波長変動は前記半導体レーザチップのモードホップに起因するものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−11657(P2013−11657A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142801(P2011−142801)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】