説明

画像形成装置

【課題】印刷が中断されるダウンタイムの発生頻度を低減できる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】感光体ユニットU1は、静電潜像を担持する感光体ドラム7及びトナー画像の転写後に感光体ドラム7に残存しているトナーを回収するクリーナー15を含んでいる。トナー収容容器B1は、感光体ユニットU1と一体的に構成され、クリーナー15が回収したトナーを収容する。現像器ユニットU2は、収容している現像剤の一部を排出し、感光体ドラム7にトナーを付与することによって、静電潜像を現像してトナー画像を形成する。現像剤収容容器B2は、現像器ユニットU2と一体的に構成され、かつ、現像器ユニットU2が排出した現像剤を収容する。感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1、並びに、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2は、本体10に対して着脱可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、より特定的には、トナーにより静電潜像を現像する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2成分現像剤が用いられた画像形成装置において、トリクル現像方式と呼ばれる現像方式が採用され始めている。従来の現像方式では、トナーのみが現像装置に対して補給されていたのに対して、トリクル現像方式では、トナー及びキャリアからなる現像剤が現像装置に対して補給される。これにより、キャリアの劣化が抑制される。このようなトリクル現像方式が適用された画像形成装置としては、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置は、トナー及びキャリアからなる現像剤を現像装置に補給する際に、現像装置から現像剤を排出する。更に、該画像形成装置では、現像後に感光体ドラムに残存したトナーをクリーニング装置により回収している。そこで、該画像形成装置は、現像装置から排出された現像剤及びクリーニング装置が回収したトナーを収容するための廃棄粉体回収容器を備えている。このような廃棄粉体回収容器にはセンサが設けられており、ユーザは、センサが満杯を検知したら、廃棄粉体回収容器を交換する。
【0004】
ところで、特許文献1に記載の画像形成装置は、印刷が中断されるダウンタイムが頻繁に発生するという問題を有している。より詳細には、廃棄粉体回収容器が交換される際には、印刷が中断されるので、ダウンタイムが発生する。また、該画像形成装置において、現像装置が劣化した場合には、現像装置の交換が行われる。そのため、現像装置の交換の際にも、印刷が中断されるので、ダウンタイムが発生する。更に、該画像形成装置において、感光体ドラムが劣化した場合には、感光体ユニットの交換が行われる。そのため、感光体ユニットの交換の際にも、印刷が中断されるので、ダウンタイムが発生する。以上のように、特許文献1に記載の画像形成装置では、3種類のタイミングにおいてダウンタイムが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−122368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、印刷が中断されるダウンタイムの発生頻度を低減できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る画像形成装置は、静電潜像を担持する潜像担持体を含む第1のユニットと、前記第1のユニットと一体的に構成されているトナー収容容器と、トナー及びキャリアからなる現像剤を収容していると共に、収容している現像剤の一部を排出する第2のユニットであって、前記潜像担持体にトナーを付与することによって、トリクル現像方式により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する第2のユニットと、前記第2のユニットと一体的に構成され、かつ、該第2のユニットが排出した現像剤を収容する現像剤収容容器と、前記トナー画像を前記潜像担持体から被転写体に転写する転写手段と、前記第1のユニット、前記トナー収容容器、前記第2のユニット、前記現像剤収容容器及び転写手段を収容している本体と、を備えており、前記第1のユニットは、前記トナー画像の転写後に前記潜像担持体に残存しているトナーを回収する回収手段を更に含んでおり、前記トナー収容容器は、前記回収手段が回収したトナーを収容し、前記第1のユニット及び前記トナー収容容器、並びに、前記第2のユニット及び前記現像剤収容容器は、前記本体に対して着脱可能であること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷が中断されるダウンタイムの発生頻度を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】現像器ユニットをz軸方向の正方向側から透視した図である。
【図3】交換ユニットをx軸方向の負方向側から透視した図である。
【図4】交換ユニットをz軸方向の正方向側から透視した図である。
【図5】交換ユニットが本体から取り外される際の様子を示した図である。
【図6】交換ユニットをx軸方向の負方向側から平面視した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0011】
(画像形成装置の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成装置1の全体構成を示した図である。以下では、図1の上下方向をz軸方向と定義し、図1の左右方向をx軸方向と定義し、図1の紙面垂直方向をy軸方向と定義する。
【0012】
画像形成装置1は、電子写真方式によるモノクロプリンタであって、黒色の画像を形成する。該画像形成装置1は、スキャナにより読み取った画像データに基づいて、トナー画像を用紙(被転写体)に形成する機能を有し、図1に示すように、本体2、給紙部3、タイミングローラ対6、光走査装置9、転写ローラ14、イレーサ19、定着装置20、排紙ローラ対21、排紙トレイ22、感光体ユニット(第1のユニット)U1、現像器ユニット(第2のユニット)U2、トナー収容容器B1及び現像剤収容容器B2を備えている。
【0013】
本体2は、給紙部3、タイミングローラ対6、光走査装置9、転写ローラ14、イレーサ19、定着装置20、排紙ローラ対21、感光体ユニットU1、現像器ユニットU2、トナー収容容器B1及び現像剤収容容器B2を収容している。
【0014】
給紙部3は、用紙を1枚ずつ供給する役割を果たし、用紙トレイ4及び給紙ローラ5を含んでいる。用紙トレイ4には、印刷前の状態の用紙が複数枚重ねて載置される。給紙ローラ5は、用紙トレイ4に載置された用紙を1枚ずつ取り出す。タイミングローラ対6は、転写ローラ14においてトナー画像が用紙に2次転写されるように、タイミングを調整しながら用紙を搬送する。
【0015】
感光体ユニットU1は、感光体ドラム7、帯電器8及びクリーナー15を含んでいる。感光体ドラム7は、円筒状をなしており、図1に示すように、反時計回りに回転している。感光体ドラム7は、静電潜像を周面において担持する静電潜像担持体として機能する。帯電器8は、感光体ドラム7の周面を負に帯電させる。これにより、感光体ドラム7の周面の電位は、−500V〜−400Vに保たれる。
【0016】
光走査装置9は、制御部(図示せず)の制御により、感光体ドラム7の周面に対してビームを走査する。ビームが照射された部分の電位は、0Vに近づく。これにより、感光体ドラム7の周面には静電潜像が形成される。
【0017】
現像器ユニットU2は、トリクル現像方式により感光体ドラム7にトナー画像を形成する。具体的には、現像器ユニットU2は、感光体ドラム7にトナーを付与することによって、静電潜像を現像してトナー画像を形成する。そして、現像器ユニットU2は、非磁性トナー及び磁性キャリアからなる2成分現像剤を収容していると共に、現像剤の補給を受けて収容している現像剤の一部を排出する。以下に、現像器ユニットU2について図面を参照しながら説明する。図2は、現像器ユニットU2をz軸方向の正方向側から透視した図である。
【0018】
現像器ユニットU2は、図2に示すように、現像ローラ10(図2では省略)、供給スクリュー11、撹拌スクリュー12及び本体13を含んでいる。なお、現像器ユニットU2はその他にモータやギア等の構成も含んでいるが、これらの構成は図2では省略されている。
【0019】
本体13は、現像剤、現像ローラ10、供給スクリュー11及び撹拌スクリュー12を収容している筐体である。本体13は、y軸方向に延在しており、x軸方向に隣り合う供給空間Sp1、撹拌空間Sp2、排出空間Sp3,Sp4及び補給空間Sp5を形成している。撹拌空間Sp2は、本体13において供給空間Sp1よりもx軸方向の負方向側に設けられている。撹拌空間Sp2と供給空間Sp1とは、y軸方向の両端において繋がっている。
【0020】
また、排出空間Sp3は、供給空間Sp1のy軸方向の正方向側に設けられている。排出空間Sp3は、供給空間Sp1よりも小さな断面積を有している。排出空間Sp4は、排出空間Sp3のy軸方向の正方向側に設けられている。排出空間Sp4は、排出空間Sp3よりも小さな断面積を有している。また、排出空間Sp4のz軸方向の負方向側の面には、開口H2が設けられている。
【0021】
また、補給空間Sp5は、撹拌空間Sp2のy軸方向の正方向側に設けられている。補給空間Sp5のz軸方向の正方向側の面には、開口H1が設けられている。
【0022】
撹拌スクリュー12は、撹拌空間Sp2内及び補給空間Sp5内に設けられ、y軸方向に延在している。撹拌スクリュー12は、回転させられることにより、現像剤を撹拌しながらy軸方向の負方向側に向けて搬送する。これにより、トナーが負に帯電し、キャリアが正に帯電する。撹拌スクリュー12により搬送された現像剤は、撹拌空間Sp2のy軸方向の負方向側の端部から供給空間Sp1に流入する。
【0023】
供給スクリュー11は、供給空間Sp1内及び排出空間Sp3,Sp4内に設けられ、y軸方向に延在している。供給スクリュー11は、回転させられることにより、現像剤をy軸方向の正方向側に向けて搬送する。そして、供給スクリュー11により搬送された現像剤は、供給空間Sp1のy軸方向の正方向側の端部から撹拌空間Sp2に流入する。よって、現像剤は、撹拌空間Sp2と供給空間Sp1との間を循環している。
【0024】
現像ローラ10は、供給空間Sp1内に設けられ、y軸方向に延在している。これにより、現像ローラ10は、供給スクリュー11と対向している。更に、現像ローラ10は、本体13から露出しており、感光体ドラム7と対向している。現像ローラ10は、磁石を内蔵しており、磁力により磁性キャリアを非磁性トナーと共に吸着して、供給スクリュー11により搬送されてきた現像剤を担持する。
【0025】
また、現像ローラ10は、感光体ドラム7に対して圧接しており、トナーを感光体ドラム7に付与して静電潜像を現像する。具体的には、現像ローラ10の周面の電位が負となるように現像バイアスが現像ローラ10に印加されている。現像ローラ10の周面の電位は、−400V〜−350Vである。これにより、現像ローラ10の周面の電位は、感光体ドラム7の周面のビームが照射された部分の電位(略0V)よりも低く、かつ、感光体ドラム7の周面のビームが照射されていない部分の電位(−500V〜−400V)よりも高くなる。現像ローラ10が担持している現像剤の内の非磁性トナーは、負に帯電しているので、感光体ドラム7の周面のビームが照射された部分に付着する。これにより、感光体ドラム7の周面には負に帯電したトナー画像が形成される。
【0026】
開口H1は、図示しないトナーボトルに接続されている。現像剤は、開口H1を介してトナーボトルより補給空間Sp5に供給される。補給空間Sp5に供給された現像剤は、撹拌スクリュー12により撹拌空間Sp2へと搬送される。
【0027】
開口H2は、現像剤収容容器B2に接続されている。供給スクリュー11は、y軸方向の正方向側に向けて現像剤を搬送するので、供給空間Sp1のy軸方向の正方向側の端部において撹拌空間Sp2へと流入できなかった現像剤は、排出空間Sp3,Sp4へと搬送される。そして、現像剤は、開口H2を介して本体13外へと排出される。ただし、現像剤が排出されすぎることを防止するために、供給スクリュー11の排出空間Sp3に位置している部分における巻き方向は、供給スクリュー11の供給空間Sp1及び排出空間Sp4に位置している部分における巻き方向の逆方向である。したがって、供給スクリュー11は、排出空間Sp3においてはy軸方向の負方向側に向けて現像剤を搬送する。これにより、排出空間Sp3,Sp4に現像剤が流入しすぎることを抑制している。ただし、供給スクリュー11の供給空間Sp1に位置している部分の搬送能力は、供給スクリュー11の排出空間Sp3に位置している部分の搬送能力よりも高い。そのため、現像剤は、排出空間Sp3内をy軸方向の正方向側に向けて進行する。
【0028】
現像剤収容容器B2は、現像器ユニットU2と一体的に構成されており、現像器ユニットU2が排出した現像剤を収容する。以下では、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2を総称して、交換ユニットA2と称す。以下に、現像剤収容容器B2について図面を参照しながら説明する。図3は、交換ユニットA2をx軸方向の負方向側から透視した図である。
【0029】
現像剤収容容器B2は、図1及び図3に示すように、現像器ユニットU2のz軸方向の負方向側に設けられており、本体30、搬送スクリュー31を含んでいる。なお、現像剤収容容器B2はその他にモータやギア等の構成も含んでいるが、これらの構成は図3では省略されている。
【0030】
本体30は、収容空間Sp9を形成している。収容空間Sp9は、図3に示すように、y軸方向に延在している空間である。収容空間Sp9のz軸方向の正方向側の面には開口H3が設けられている。開口H3と開口H2とは繋がっている。これにより、現像器ユニットU2から開口H2を介して排出されてくる現像剤は、開口H3を介して収容空間Sp9に流入する。
【0031】
搬送スクリュー31は、収容空間Sp9内に設けられ、y軸方向に延在している。搬送スクリュー31は、回転させられることにより、現像器ユニットU2から流入してきた現像剤をy軸方向の負方向側に向けて搬送する。これにより、回収された現像剤トナーを収容空間Sp9内に均等に分散させている。以上で現像剤収容容器B2の構成の説明を終了する。
【0032】
転写ローラ14は、トナー画像を感光体ドラム7から用紙に転写する転写手段として機能する。具体的には、転写ローラ14は、感光体ドラム7に接触し、ドラム形状をなしている。転写ローラ14には、正のバイアス電圧が印加される。これにより、転写ローラ14は、感光体ドラム7と転写ローラ14との間を通過する用紙に対して、感光体ドラム7が担持しているトナー画像を転写する。より詳細には、感光体ドラム7は負の電位(−500V〜−400V)に保たれている。転写ローラ14には、転写ローラ14の電位が感光体ドラム7の電位よりも高くなるように、正のバイアス電圧が印加されている。トナー画像は、負に帯電しているので、感光体ドラム7と転写ローラ14との間に発生している電界によって、感光体ドラム7から用紙に対して転写される。
【0033】
クリーナー15は、トナー画像の転写後に感光体ドラム7に残存しているトナーを回収する回収手段である。トナー収容容器B1は、感光体ユニットU1と一体的に構成されており、クリーナー15が回収したトナーを収容する。以下では、感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1を総称して、交換ユニットA1と称す。交換ユニットA1は、図1に示すように、交換ユニットA2よりもz軸方向の正方向側に設けられている。以下に、クリーナー15及びトナー収容容器B1について図面を参照しながら説明する。図4は、交換ユニットA1をz軸方向の正方向側から透視した図である。
【0034】
クリーナー15は、図1及び図4に示すように、ブレード16、清掃部材17、搬送スクリュー18,42及び本体40を含んでいる。なお、交換ユニットA1はその他にモータやギア等の構成も含んでいるが、これらの構成は図4では省略されている。
【0035】
本体40は、ブレード16、清掃部材17及び搬送スクリュー18を収容している筐体であり、回収空間Sp6及び搬送空間Sp7を形成している。回収空間Sp6は、図4に示すように、y軸方向に延在している空間である。搬送空間Sp7は、図4に示すように、x軸方向に延在している空間である。回収空間Sp6のy軸方向の負方向側の端部と搬送空間Sp7のx軸方向の正方向側の端部とは繋がっている。
【0036】
ブレード16は、感光体ドラム7の周面に接触しており、トナー画像の転写後に残存しているトナーを感光体ドラム7の周面からかき取る。かき取られたトナーは、ブレード16上に付着する。清掃部材17は、ブレード16に付着したトナーを拭き取って、搬送スクリュー18へと搬送する。清掃部材17は、y軸方向に延在するシャフトに、フィルムが張り付けられて構成されている。そして、シャフトが時計回りに回転させられて、フィルムがブレード16に摺接することにより、ブレード16に付着したトナーが、拭き取られると共に、搬送スクリュー18へと送られる。
【0037】
搬送スクリュー18は、回収空間Sp6内に設けられ、y軸方向に延在している。搬送スクリュー18は、回転させられることにより、トナーをy軸方向の負方向側に向けて搬送する。搬送スクリュー18により搬送されたトナーは、回収空間Sp6のy軸方向の負方向側の端部から搬送空間Sp7に流入する。
【0038】
搬送スクリュー42は、搬送空間Sp7内に設けられ、x軸方向に延在している。搬送スクリュー42は、回転させられることにより、トナーをx軸方向の負方向側に向けて搬送する。搬送スクリュー42により搬送されたトナーは、搬送空間Sp7のx軸方向の負方向側の端部からトナー収容容器B1に流入する。
【0039】
トナー収容容器B1は、クリーナー15が回収したトナーを収容し、図1及び図4に示すように、本体32、搬送スクリュー33及び撹拌スクリュー34を含んでいる。本体32は、収容空間Sp8を形成している。収容空間Sp8は、図4に示すように、y軸方向に延在している空間であり、搬送空間Sp7のx軸方向の負方向側の端部と繋がっている。
【0040】
搬送スクリュー33は、収容空間Sp8内に設けられ、y軸方向に延在している。また、搬送スクリュー33のy軸方向の負方向側の端部は、搬送空間Sp7のx軸方向の負方向側の端部に位置している。搬送スクリュー33は、回転させられることにより、搬送空間Sp7から流入してきたトナーをy軸方向の正方向側に向けて搬送する。これにより、搬送スクリュー33は、回収されたトナーを収容空間Sp8内に均等に分散させている。
【0041】
撹拌スクリュー34は、収容空間Sp8内に設けられ、y軸方向に延在している。撹拌スクリュー34は、搬送スクリュー33のx軸方向の負方向側に設けられている。搬送スクリュー33は、回転させられることにより、収容空間Sp8内のトナーを撹拌する。これにより、収容空間Sp8内において、トナーが固まることが防止される。以上でクリーナー15及びトナー収容容器B1の構成の説明を終了する。
【0042】
イレーサ19は、トナー画像の転写後に感光体ドラム7を除電する。より詳細には、イレーサ19は、トナー収容容器B1のz軸方向の正方向側に設けられており、感光体ドラム7の周面に対して光を照射する。これにより、感光体ドラム7の周面の電位は略0Vとなる。また、イレーサ19は、x軸方向の負方向側の端部を中心として揺動することができる。より詳細には、図1の点線に示すように、イレーサ19は、反時計回りに回転することにより、x軸方向から平面視したときにトナー収容容器B1と重ならない位置に退避することができる。
【0043】
トナー画像が転写された用紙は、定着装置20に搬送される。定着装置20は、用紙に対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナー画像を用紙に定着させる。定着装置20は、図1に示すように、交換ユニットA1よりもz軸方向の正方向側に設けられている。排紙ローラ対21は、用紙を排紙トレイ22に出力する。排紙トレイ22には、印刷済みの用紙が載置される。
【0044】
以上にように構成された画像形成装置1では、交換ユニットA1,A2は、本体2に対して着脱可能である。具体的には、交換ユニットA1は、感光体ドラム7の回転軸に直交する水平方向(すなわち、x軸方向)に移動させられることによって、本体2に対して着脱される。また、交換ユニットA2は、感光体ドラム7の回転軸が延在している方向(y軸方向)に移動させられることによって、本体2に対して着脱される。以下に、交換ユニットA1,A2の着脱について図面を参照しながら説明する。図5は、交換ユニットA1が本体から取り外される際の様子を示した図である。図6は、交換ユニットA1,A2をx軸方向の負方向側から平面視した図である。
【0045】
まず、交換ユニットA1の着脱について説明する。まず、ユーザは、本体2のx軸方向の正方向側の側面を構成している扉を開放する。扉の開放に連動して、図5(a)に示すように、イレーサ19は、交換ユニットA1の本体2からの取り外しを阻害しない位置に退避する。具体的には、イレーサ19は、反時計回りに回転することにより、x軸方向から平面視したときにトナー収容容器B1と重ならない位置に退避する。また、転写ローラ14は、扉に取り付けられているので、扉と共に感光体ドラム7の前から退避する。
【0046】
次に、ユーザは、図5(b)に示すように、交換ユニットA1を、現像ローラ10が感光体ドラム7に圧接している方向に移動させる。現像ローラ10の感光体ドラム7への圧接は、所定ストローク以上は可動できないように規制されているので、現像ローラ10と感光体ドラム7とは引き離される。現像ローラ10が感光体ドラム7に圧接している方向とは、y軸方向から平面視したときに、現像ローラ10の中心から感光体ドラム7の中心へと向かう方向である。
【0047】
現像ローラ10と感光体ドラム7とが離れた後に、ユーザは、図5(c)に示すように、交換ユニットA1をx軸方向の正方向側に移動させて、本体2から取り外す。これにより、交換ユニットA1の本体2からの取り外しが完了する。なお、交換ユニットA1の本体2への取り付けは、交換ユニットA1の本体2からの取り外しの手順の逆であるので、説明を省略する。
【0048】
このように、画像形成装置1では、感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1が同時に交換される。よって、トナー収容容器B1がトナーによって満杯になるのに必要な時間は、感光体ユニットU1の寿命よりも長いことが好ましい。これにより、感光体ユニットU1を寿命まで使い切った後に、感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1を交換することが可能となる。
【0049】
なお、トナー収容容器B1は、交換ユニットA1の本体2に対する着脱を可能とするために、以下に説明する構成を有している。より詳細には、トナー収容容器B1は、感光体ドラム7よりもx軸方向の負方向側(すなわち、交換ユニットA1の取り外し方向の上流側)に設けられている。また、感光体ユニットU1の感光体ドラム7よりもx軸方向の負方向側におけるz軸方向の長さz1(図1参照)、及び、トナー収容容器B1のz軸方向の長さz2(図1参照)は、z軸方向における定着装置20と現像器ユニットU2との間の開口幅z3(図1参照)よりも短い。更に、図5(b)において、現像ローラ10が感光体ドラム7に圧接している方向と反対方向に現像ローラ10が移動する移動量のz軸成分をz4とすると、z1〜z4には次の関係が成立することが好ましい。z3>(z1+z4)、z3>(z2+z4)
【0050】
これにより、交換ユニットA1の取り外しの際に、トナー収容容器B1が定着装置20又は現像器ユニットU2と接触することが防止される。
【0051】
次に、交換ユニットA2の着脱について説明する。交換ユニットA2は、交換ユニットA1が本体2に取り付けられた状態では、該本体2から取り外すことができない。具体的には、図6のDに示すように、交換ユニットA1のトナー収容容器B1の一部は、交換ユニットA2の現像器ユニットU2よりもy軸方向の正方向側に位置している。これにより、交換ユニットA2が本体2に取り付けられた状態では、交換ユニットA1をy軸方向の正方向側に引き出すことができない。そこで、交換ユニットA2を取り外す際には、交換ユニットA1を交換ユニットA2よりも先に取り外す。
【0052】
次に、ユーザは、本体2のy軸方向の正方向側の扉を開放する。そして、ユーザは、交換ユニットA2をy軸方向の正方向側に移動させて、本体2から取り外す。これにより、交換ユニットA2の本体2からの取り外しが完了する。なお、交換ユニットA2の本体2への取り付けは、交換ユニットA2の本体2からの取り外しの手順の逆であるので、説明を省略する。
【0053】
このように、画像形成装置1では、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2が同時に交換される。よって、現像剤収容容器B2が現像剤によって満杯になるのに必要な時間は、現像器ユニットU2の寿命よりも長いことが好ましい。これにより、現像器ユニットU2を寿命まで使い切った後に、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2を交換することが可能となる。
【0054】
(効果)
以上のように構成された画像形成装置1によれば、印刷が中断されるダウンタイムの発生頻度を低減できる。より詳細には、特許文献1に記載の画像形成装置では、廃棄粉体回収容器が交換される際には、印刷が中断されるので、ダウンタイムが発生する。また、該画像形成装置において、現像装置が劣化した場合には、現像装置の交換が行われる。そのため、現像装置の交換の際にも、印刷が中断されるので、ダウンタイムが発生する。更に、該画像形成装置において、感光体ドラムが劣化した場合には、感光体ユニットの交換が行われる。そのため、感光体ユニットの交換の際にも、印刷が中断されるので、ダウンタイムが発生する。以上のように、特許文献1に記載の画像形成装置では、3種類のタイミングにおいてダウンタイムが発生する。
【0055】
一方、画像形成装置1では、感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1が一体化されて交換ユニットA1を構成している。そして、交換ユニットA1が交換されることにより、感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1が同時に交換される。同様に、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2が一体化されて交換ユニットA2を構成している。そして、交換ユニットA2が交換されることにより、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2が同時に交換される。よって、画像形成装置1では、2種類のタイミングにおいてしかダウンタイムが発生しない。その結果、画像形成装置1は、特許文献1に記載の画像形成装置に比べて、ダウンタイムの発生頻度を低減することができる。
【0056】
また、画像形成装置1では、感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1が同時に交換されるので、トナー収容容器B1が感光体ユニットU1から取り外されない。そのため、トナー収容容器B1の交換の際に、トナー収容容器B1と感光体ユニットU1との接合部からトナーが漏れることが防止される。
【0057】
また、画像形成装置1では、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2が同時に交換されるので、現像剤収容容器B2が現像器ユニットU2から取り外されない。そのため、現像剤収容容器B2の交換の際に、現像剤収容容器B2と現像器ユニットU2との接合部から現像剤が漏れることが防止される。
【0058】
また、画像形成装置1では、トナー収容容器B1がトナーによって満杯になるのに必要な時間は、感光体ユニットU1の寿命よりも長い。これにより、感光体ユニットU1を寿命まで使い切った後に、感光体ユニットU1及びトナー収容容器B1を交換することが可能となる。
【0059】
また、画像形成装置1では、現像剤収容容器B2が現像剤によって満杯になるのに必要な時間は、現像器ユニットU2の寿命よりも長い。これにより、現像器ユニットU2を寿命まで使い切った後に、現像器ユニットU2及び現像剤収容容器B2を交換することが可能となる。
【0060】
また、画像形成装置1では、本体2内の本体フレームの強度の低下を抑制できる。より詳細には、トリクル現像方式が採用された現像器ユニットU2では、図2に示すように、排出空間Sp3,Sp4が設けられているので、現像器ユニットU2のy軸方向の長さが長くなる。一方、本体2のy軸方向の幅の小型化が要求されている。そのため、図2に示すように、画像形成装置1では、現像器ユニットU2は、本体2内に設けられている金属板からなる本体フレームを貫通している。したがって、現像器ユニットU2を含む交換ユニットA2をx軸方向の正方向側の扉から着脱可能とした場合には、交換ユニットA2よりもx軸方向の正方向側の本体フレームに大きな孔を設ける必要がある。その結果、本体フレームの強度が低下してしまう。
【0061】
そこで、画像形成装置1では、交換ユニットA2は、y軸方向に移動させられることによって、本体2に対して着脱される。これにより、本体2内の本体フレームには、交換ユニットA2をy軸方向の正方向側から平面視したときの形状の孔が設けられるだけで済むようになる。その結果、本体2の本体フレームの強度の低下が抑制される。
【0062】
また、画像形成装置1では、交換ユニットA1の交換の際に、感光体ドラム7及び現像ローラ10が破損することが防止される。より詳細には、現像ローラ10は、感光体ドラム7に対して圧接している。そのため、交換ユニットA1が取り外される際に、現像ローラ10が感光体ドラム7に圧接した状態で、交換ユニットA1がx軸方向の正方向側に移動させられると、感光体ドラム7と現像ローラ10との間で引きずりが発生する。その結果、感光体ドラム7及び現像ローラ10が破損するおそれがある。
【0063】
そこで、画像形成装置1では、交換ユニットA1は、現像ローラ10が感光体ドラム7に圧接している方向に移動させられて、現像ローラ10と感光体ドラム7とが離れた後に、x軸方向の正方向側に移動させられて、本体2から取り外される。これにより、交換ユニットA1の取り外しの際に、感光体ドラム7と現像ローラ10との間で引きずりが発生しない。その結果、画像形成装置1では、交換ユニットA1の交換の際に、感光体ドラム7及び現像ローラ10が破損することが防止される。
【0064】
また、画像形成装置1では、以下の理由によっても、交換ユニットA1の交換の際に、感光体ドラム7及び現像ローラ10が破損することが防止される。より詳細には、現像ローラ10が感光体ドラム7に圧接した状態で、交換ユニットA2がy軸方向の正方向側に引き出されると、感光体ドラム7と現像ローラ10との間で引きずりが発生する。その結果、感光体ドラム7及び現像ローラ10が破損するおそれがある。そこで、画像形成装置1では、交換ユニットA2は、交換ユニットA1が本体2に取り付けられた状態では、該本体2から取り外すことができない。これにより、現像ローラ10が感光体ドラム7に圧接した状態で、交換ユニットA1がy軸方向の正方向側に引き出されることがなくなる。その結果、画像形成装置1では、交換ユニットA1の交換の際に、感光体ドラム7及び現像ローラ10が破損することが防止される。
【0065】
また、画像形成装置1では、本体2の小型化を図ることができる。より詳細には、交換ユニットA1,A2の両方がy軸方向の正方向側の扉を介して本体2から取り外される場合には、感光体ドラム7と現像ローラ10との圧接を解除するための機構が必要となる。そのため、本体2が大型化してしまう。
【0066】
一方、画像形成装置1では、交換ユニットA1は、x軸方向の正方向側の扉を介して本体2から取り外される。そのため、交換ユニットA1がx軸方向の正方向側に移動させられる際に、感光体ドラム7と現像ローラ10との圧接は自動的に解除される。そのため、画像形成装置1では、感光体ドラム7と現像ローラ10との圧接を解除するための機構が不要である。その結果、本体2の小型化が図られる。
【0067】
(その他の実施形態)
なお、本発明に係る画像形成装置は、前記実施形態に係る画像形成装置1に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
【0068】
画像形成装置1では、トナー画像は、感光体ドラム7から用紙に直接に転写されているが、感光体ドラム7から中間転写ベルトに1次転写された後に、用紙に2次転写されても良い。この場合には、中間転写ベルトが被転写体となる。
【0069】
また、画像形成装置1は、モノクロのトナー画像を形成しているが、カラーのトナー画像を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、印刷が中断されるダウンタイムの発生頻度を低減できる点において優れている。
【符号の説明】
【0071】
A1,A2 交換ユニット
B1 トナー収容容器
B2 現像剤収容容器
U1 感光体ユニット
U2 現像器ユニット
1 画像形成装置
7 感光体ドラム
9 光走査装置
10 現像ローラ
11 供給スクリュー
12,34 撹拌スクリュー
13,30,32,40 本体
14 転写ローラ
15 クリーナー
18,31,33,42 搬送スクリュー
19 イレーサ
20 定着装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持する潜像担持体を含む第1のユニットと、
前記第1のユニットと一体的に構成されているトナー収容容器と、
トナー及びキャリアからなる現像剤を収容していると共に、収容している現像剤の一部を排出する第2のユニットであって、前記潜像担持体にトナーを付与することによって、トリクル現像方式により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する第2のユニットと、
前記第2のユニットと一体的に構成され、かつ、該第2のユニットが排出した現像剤を収容する現像剤収容容器と、
前記トナー画像を前記潜像担持体から被転写体に転写する転写手段と、
前記第1のユニット、前記トナー収容容器、前記第2のユニット、前記現像剤収容容器及び転写手段を収容している本体と、
を備えており、
前記第1のユニットは、前記トナー画像の転写後に前記潜像担持体に残存しているトナーを回収する回収手段を更に含んでおり、
前記トナー収容容器は、前記回収手段が回収したトナーを収容し、
前記第1のユニット及び前記トナー収容容器、並びに、前記第2のユニット及び前記現像剤収容容器は、前記本体に対して着脱可能であること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のユニット及び前記トナー収容容器は、前記潜像担持体の回転軸に直交する水平方向に移動させられることによって、前記本体に対して着脱されること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2のユニットは、前記潜像担持体に圧接し、かつ、該潜像担持体にトナーを付与する現像剤坦持体を含んでおり、
前記第1のユニットは、前記現像剤坦持体が前記潜像担持体に圧接している方向に移動させられて、該現像剤坦持体と該潜像担持体とが離れた後に、該潜像担持体の回転軸に直交する水平方向に移動させられることによって、前記本体から取り外されること、
を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、
前記第1のユニットの上側に設けられ、かつ、前記トナー画像を前記被転写体に定着させる定着装置を、
更に備えており、
前記第1のユニットは、前記第2のユニットの上側に設けられており、
前記トナー収容容器は、前記第1のユニット及び前記トナー収容容器の着脱時の取り外し方向において、該第1のユニットよりも上流側に設けられており、
前記第1のユニットの前記潜像担持体よりも前記取り外し方向の上流側の部分の鉛直方向の長さ、及び、前記トナー収容容器の鉛直方向の長さは、鉛直方向における前記定着装置と前記第2のユニットとの間の開口幅よりも短いこと、
を特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2のユニット及び前記現像剤収容容器は、前記潜像担持体の回転軸が延在している方向に移動させられることによって、前記本体に対して着脱されること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
前記トナー画像の転写後に前記潜像担持体を除電する除電手段を、
更に備えており、
前記除電手段は、前記第1のユニットの前記本体からの取り外しを阻害しないように退避すること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記トナー収容容器がトナーによって満杯になるのに必要な時間は、前記第1のユニットの寿命よりも長いこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像剤収容容器が現像剤によって満杯になるのに必要な時間は、前記第2のユニットの寿命よりも長いこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2のユニット及び前記現像剤収容容器は、前記第1のユニット及び前記トナー収容容器が前記本体に取り付けられた状態では、該本体から取り外すことができないこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−29625(P2013−29625A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164933(P2011−164933)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】