説明

画像形成装置

【課題】小径化、及び球形化したトナーを用い、連続した画像形成を行った場合でも、ブレードへの残留トナーや紙粉の付着によるクリーニング性能の低下を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ブレード対向ローラ14に、駆動ローラ7に印加する2次転写バイアス電圧と同極性のバイアス電圧を印加して、中間転写ベルト5に部分的な振動を与える等して、中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10との相対位置、もしくは当接姿勢を変化させることにより、ベルトクリーニングブレード10の先端に付着したトナーや紙粉などの物質の除去を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写方式の画像形成装置に用いる無端状の中間転写ベルトのクリーニングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンタ、ファックス、複写機、及びこれらの複合機等の画像形成装置では、その構成部品として無端状の中間転写ベルトを用いた、中間転写方式の画像形成装置が知られている。例えば、カラー画像形成装置においては、回転駆動される円筒状の潜像担持体である複数の感光体ドラムに対向配置され、かつ接触した状態で感光体ドラムと同じ周速度で回転される中間転写ベルトを備えたものがある。
【0003】
このような中間転写ベルトを備えた画像形成装置では、感光体ドラム上に形成された潜像を顕像化する現像手段と、感光体ドラム上に形成されたトナー像(顕像)を中間転写ベルト上に転写する1次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を転写材に2次転写する2次転写手段とを備えている。そして、1次転写手段による中間転写ベルトへの1次転写を順次行うことによって、中間転写ベルト上に重ね合わせ画像を形成し、この重ね合わせ画像を一括して転写材に2次転写することによりカラー画像を得ている。
【0004】
しかし、中間転写ベルトから転写材へのトナー像の転写率は100%ではなく、中間転写ベルト上に一部、残留トナー(以下、残トナーという)が存在することとなる。従来から、この残トナーを、ゴムブレード等のブレード状のクリーニング部材(以下、ブレードという)によって、掻き取るようにしてクリーニングしてきた。そして、従来から、ブレードへのトナー付着や紙粉噛みこみによる、中間転写ベルトクリーニング性能の低下が問題になっていた。このような問題の発生を抑制するため、従来から様々な構成が提案されてきた。例えば、特許文献1には、次のような構成の画像形成装置が記載されている。画像形成終了時に、中間転写ベルトを逆回転させて、画像形成中にブレードのエッジ部に付着したトナーや紙粉を離間させ、トナーや紙粉のエッジ部への固着を抑制するというものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年の高画質化の要求の高まりにともない、トナーは年々小径化、及び球形化してきているため、ブレードによるクリーニングが困難になってきている。さらに、多種な用紙に対応する要求も高まっており、従来に増して紙粉をブレードで噛み込み易くなってきており、小径化、及び球形化したトナーが、ブレードに噛み込んだ紙粉によりできた隙間を通過してしまい、クリーニング性能が低下してしまうといった問題が新たに生じてきた。このようなクリーニング性能の低下には、特許文献1に記載された構成だけでは対応しきれず、特に連続した画像形成を行った場合に、上述したようなクリーニング性能低下に起因した、異常画像の発生や、画質低下といった問題が顕著化してきた。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、小径化、及び球形化したトナーを用い、連続した画像形成を行った場合でも、ブレードへの残留トナーや紙粉の付着によるクリーニング性能の低下を抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、像担持体上のトナー像が転写される無端状の中間転写ベルトと、前記像担持体に中間転写ベルトを介して対向して設けられた1次転写バイアスローラと、前記中間転写ベルトを張架する複数の張架ローラと、前記中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、記録媒体上に2次転写する2次転写バイアスが印加される2次転写バイアスローラと、前記中間転写ベルト表面の転写残トナーを除去するベルトクリーニング部材と、前記中間転写ベルトを介して前記ベルトクリーニング部材と対向するクリーニング対向ローラと、前記中間転写ベルトを無端移動させる手段と、を備えた画像形成装置において、中間転写ベルトに部分的な動作を与えて、中間転写ベルトとベルトクリーニング部材との相対位置、もしくは当接姿勢を変化させることにより、ベルトクリーニング部材に付着した物質の除去を行うことを特徴とするものである。
本発明は、中間転写ベルトに部分的な動作を与えて、中間転写ベルトとベルトクリーニング部材との相対位置、もしくは当接姿勢を変化させるので、ベルトクリーニング部材の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質を、中間転写ベルトとの摩擦によって除去できる。
また、中間転写ベルトに与える動作は部分的なので、1次転写バイアスローラと像担持体とで中間転写ベルトを介して形成される1次転写ニップ部に、与える動作の影響が伝達されないように構成できる。ここで、中間転写ベルトに部分的な動作を与えるには、例えば次のように構成することができる。複数の像担持体が上方に並列して配置される中間転写ベルトの区間の、無端移動方向最上流側の1次転写ニップ部の上流側にベルトクリーニング部材を配置し、さらに上流側に駆動ローラを配置するものとする。そして、1次転写ニップ部とベルトクリーニング部材との間に、中間転写ベルトを表面から付勢するベルト付勢ローラを配置する。このように配置することで、仮にクリーニング対向ローラを上下動させて中間転写ベルトに動作を与えても、1次転写ニップ部側への動作の影響はベルト付勢ローラで抑制できる。また、ベルトクリーニング部材の上流側への動作の影響は駆動ローラにより抑制される。したがって、中間転写ベルトに与える動作を、ベルト付勢ローラと駆動ローラとの間の、部分的な動作にできる。そして、1次転写ニップ部に、与える動作の影響が伝達されないようにして、ベルトクリーニング部材の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質を除去できる。
このように除去できるので、画像形成中、画像形成後を問わず、ベルトクリーニング部材の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質を除去することができ、中間転写ベルトのクリーニング性能の低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、画像形成中、画像形成後を問わず、ベルトクリーニング部材の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質を除去することができ、中間転写ベルトのクリーニング性能の低下を抑制できる。
よって、小径化、及び球形化したトナーを用い、連続した画像形成を行った場合でも、ブレードへの残留トナーや紙粉の付着によるクリーニング性能の低下を抑制できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態に係るプリンタのフルカラーモード時における主要部の概略説明図。
【図2】一実施形態に係るプリンタのモノクロモード時における主要部の概略説明図。
【図3】形状係数SF−1を説明するための模式図。
【図4】形状係数SF−2を説明するための模式図。
【図5】実施例1のベルトクリーニングブレードのブレード清掃機構の構成についての説明図。
【図6】実施例2のベルトクリーニングブレードのブレード清掃機構の構成についての説明図。
【図7】実施例3のベルトクリーニングブレードのブレード清掃機構の構成についての説明図。
【図8】実施例4のベルトクリーニングブレードのブレード清掃機構の構成についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した一実施形態について、複数の実施例を挙げ、図を用いて説明する。まず、各実施例に共通する本実施形態のプリンタの全体概要について説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るプリンタのフルカラーモード時における主要部の概略説明図、図2は、本実施形態に係るプリンタのモノクロモード時における主要部の概略説明図である。図3は、形状係数SF−1を説明するための模式図、図4は、形状係数SF−2を説明するための模式図である。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の一実施形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
図1に示すように、本実施形態のプリンタには、このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット20Y,M,C,Kを備えている。また、中間転写ユニット32、定着装置50、及び図示していないレジストローラ対、光書込ユニット、給紙カセット等も備えている。
【0012】
プロセスユニット20Y,M,C,Kには、像担持体である感光体ドラム1Y,M,C,Kがそれぞれ設けられている。各感光体ドラム1の回りにはクリーニングブレードを用いた感光体クリーニング装置6、除電装置(不図示)、帯電装置2、及び現像装置4等が設けられ、中間転写ベルト5に対向配置されている。また、各プロセスユニット20の上方には、光書込ユニット(不図示)が設けられており、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有している。そして、外部のパーソナルコンピュータ等から送られている画像情報に基づいて発した走査光により、プロセスユニット20Y,M,C,Kの感光体ドラム1Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、プロセスユニット20Y,M,C,Kの感光体ドラム1Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によって、それぞれ図中時計回り方向に回転駆動される。光書込ユニットは、回転駆動中の感光体ドラム1Y,M,C,Kに対して、走査光:Ly,m,c,kをそれぞれ回転軸線方向に偏向させながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体3Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
【0013】
現像装置4Y,M,C,Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色のトナーを用いるものであり、それぞれ感光体ドラム1Y,M,C,K上に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像化する。フルカラー画像形成時は各現像装置4が中間転写ベルト5の移動方向における配置の順で、それぞれトナーにより可視像を形成し、各色の可視像が中間転写ベルト5上に順次重ね転写されることでフルカラー画像が形成される。
【0014】
中間転写ベルト5は、駆動ローラ7、テンションローラ8により張架されており,図示していない駆動モータによって駆動され、そのプロセス速度は150mm/secに調整されている。また、中間転写ベルト5は内側に従動ローラである1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、及びベルトクリーニング対向ローラ14等が配置されている。また、各ローラは中間転写ユニット32の図示していないユニット側板によって各軸受けやアームを介して中間転写ベルト5の両側より支持されている。ここで、駆動ローラ7は、2次転写ローラ15の対向ローラとしての役割と、2次転写バイアスローラとしての役割を兼ねている。
【0015】
1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、各感光体ドラム1と中間転写ベルト5との接触部に配置されており、1次転写時には、所定の1次転写バイアス電圧が印加されることとなる。本実施例では、+1800[V]が印加されるように設定されている。
【0016】
中間転写ベルト5は、フッ化ビニルデン(PVDF)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させている。そして、その体積抵抗率を10〜1012[Ωcm]、かつ、表面抵抗率を10〜1013[Ω/□]の範囲となるよう調整されている。また、必要に応じこの中間転写ベルト5の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、フッ化ビニルデン(PVDF)、パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂(PEA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0017】
中間転写ベルト5の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。中間転写ベルト5の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアス電圧が高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト5の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における中間転写ベルト5の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内でなければならない。なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタ)にHRSプローブ(内側電極直径5.9[mm]、リング電極内径11[mm])を接続し、中間転写ベルト5の表裏に100[V](表面抵抗率は500[V])の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
【0018】
また、中間転写ベルト5には、中間転写ベルト5上の残トナーや紙粉等を除去するベルトクリーニングブレード10が設けられている。このベルトクリーニングブレード10は、ウレタンゴムからなり、中間転写ベルト5に対してブレード対向ローラ14に向けて押し当てられるようにしてトナーを堰き止めて清掃する構成となっている。本実施形態では、ベルトクリーニングブレード10を、不図示のブレード保持部材により中間転写ベルト5に対して、その先端が押し付けられるように撓んだ状態で保持されている。このため、詳しくは後述するブレード清掃機構により、ベルトクリーニングブレード10が当接する部分を含む中間転写ベルト5の部分的な区間に動作が与えられて、ブレード対向ローラ14が上下方向に振動又は移動しても、ベルトクリーニングブレード10の先端は中間転写ベルト5の表面に当接した状態を保つ。そして、ブレード対向ローラ14の上下方向の振動又は移動により、中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端との相対位置、もしくは当接姿勢が変化する。このように変化すると、仮に中間転写ベルト5が無端移動していない状態でも、中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端とが擦動することとなる。また、本実施形態では、ベルトクリーニングブレード10を撓むようにして中間転写ベルト5に当接させているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、ベルトクリーニングブレード10を保持するブレード保持部材に、ベルトクリーニングブレード10の先端が中間転写ベルト5に所定の当接圧で当接するように、付勢する手段を設けても良い。
【0019】
また、固形潤滑剤11を中間転写ベルト5に塗布するブラシローラ12が当接配置されている。このブラシローラ12と中間転写ベルト5を介した対向位置にはブラシ対向ローラ13が配置されている。このように中間転写ベルト5に固形潤滑剤11を塗布するのは、ベルトクリーニングブレード10によるクリーニングをし易くするためである。
【0020】
固形潤滑剤11に成型する潤滑剤には、直鎖状の炭化水素構造を持つ脂肪酸金属塩を用いる。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸から選択される少なくとも1種以上の脂肪酸を含有し、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する脂肪酸金属塩が挙げられる。とりわけその中でもステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産されかつ多方面での使用実績があることから、コストと品質安定性、及び信頼性で、最も好ましい材料である。ただし、一般に工業的に使われている高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物、及び遊離脂肪酸を含むものであり、本実施形態で用いる脂肪酸金属塩もその例外ではない。
【0021】
これらの潤滑剤は微量ずつ、粉体の形態で供給されるのであるが、その具体的な方法としては、本実施形態のようにブラシローラ12などのブラシによりブロック上に固形成形された潤滑剤を削り取って塗布する方法や、トナーに外添して供給する方法等がある。ただし、トナーに外添して潤滑剤を供給する場合、その供給量が出力する画像面積に依存し、常にベルト表面全面に供給することはできない。このため、簡易な装置構成で、かつ、ベルト表面全面に安定に潤滑剤を供給しようとした場合、本実施形態のように固形潤滑剤11をブラシローラ12で削り取って塗布する方法が良い。
【0022】
固形潤滑剤11をブラシローラ12で削り取るために、スプリング等の弾性体である潤滑剤加圧手段により、固形潤滑剤11を1N〜4Nの力でブラシローラ12に圧接する。固形潤滑剤11の幅は、中間転写ベルト5上に形成される画像幅よりも広く設定する必要があるため、本実施形態では、304[mm]以上としている。また、ブラシローラ12の幅は、固形潤滑剤11を均一に削り取るために、固形潤滑剤11の幅よりも大きくとる必要がある。そして、ブラシローラ12の対向位置には中間転写ベルト5を介してブラシ対向ローラ13が設けられている。また、画像形成部での中間転写ベルト5の振動を抑制するために、1次転写ローラ9C,9M,9Y,9Kとベルトクリーニングブレード10の間、かつ、1次転写ローラ9C,9M,9Y,9Kとブラシローラ12の間にベルト付勢ローラ17でベルトを付勢している。ここで、本実施形態では、ではベルト付勢ローラ17を中間転写ベルトの外側に設けているが、内側でも同様の効果を得ることができる。
【0023】
また、1次転写ローラ9K,9C,9M,9Yのうちカラー用の1次転写ローラ9C,9M,9Yは、従来から周知な接離機構(不図示)で中間転写ベルト5と接離可能となっており、フルカラーモード時に1次転写ローラ9C,9M,9Yが、図2に示すモノクロモード時の状態から、図1で示すように中間転写ベルト5に当接し、中間転写ベルト5を押し伸ばした状態で、それぞれの感光体ドラム1に中間転写ベルトが当接して巻き付くようになっている。モノクロ用の1次転写ローラ9Kは、この接離機構によらず、中間転写ベルト5に巻き付いた状態となっている。
【0024】
中間転写ユニット32を引き抜く際は、モノクロモードにすることでカラー用の1次転写ローラ9C,9M,9Yが、それぞれ対向する感光体ドラム1と接触することを回避している。なお、いつ中間転写ユニット32を引き抜かれてもいいよう、印刷停止時にはモノクロモードにして停止する方法を採用している。
【0025】
2次転写ローラ15はSUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって10〜1010[Ω]の抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。ここで、2次転写ローラ15の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得るためにはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加するため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こるため、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。逆に、2次転写ローラ15の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、2次転写ローラ15の抵抗値が低いため、比較的低電圧で単色画像部を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となるため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招く。ここで、2次転写ローラ15の抵抗値測定は、導電性の金属製板に2次転写ローラ15を設置し、芯金両端部に片側4.9N(両側で合計9.8N)の荷重を掛けた状態にて、芯金と前記金属製板との間に1000[V]の電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
【0026】
2次転写ローラ15の回転駆動は、駆動ギヤ(不図示)によって駆動力が与えられており、その周速は中間転写ベルト5の周速に対して、略同一となるよう調整されている。また、2次転写は定電流で制御され、本実施例ではその設定値を+30[μA]とした。また、記録媒体である転写紙Pは不図示の給紙ローラ、転写紙搬送ローラ、レジストローラによって、中間転写ベルト5上の4色重ね画像の先端部が、2次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。そして、転写紙Pに転写された4色重ね画像は、不図示の除電手段によって除電された後に、定着入口ガイドに沿って定着装置50へ搬送され、定着されたあと不図示の排紙ローラによって排紙される。
【0027】
また、本実施形態に用いたトナーは重合法によって生成された重合トナーである。更に本実施形態に用いるトナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図3、及び図4は、それぞれ形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
このSF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0028】
また、形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して,100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
このSF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0029】
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体ドラム1との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり、従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するとともに転写手段に付着した場合のクリーニング性も低下するため好ましくない。
【0030】
また、トナー粒径は体積平均粒径で4〜10[μm]の範囲であることが望ましい。これよりも小粒径の場合には現像時に地汚れの原因となったり、流動性が悪化し、さらに凝集しやすくなるので中抜けが発生しやすくなったりする。逆にこれよりも大粒径の場合には、トナー飛び散りや、解像度悪化により高精細な画像を得ることができない。本実施形態では、トナー粒径の体積平均粒径6.5[μm]のものを用いた。
【0031】
以下、本発明の特徴部である中間転写ベルト5を部分的に動作させ、ベルトクリーニングブレード10に付着した物質の除去を行うブレード清掃機構の構成について、複数の実施例を挙げて説明する。
【0032】
(実施例1)
まず、本実施形態に係る中間転写ベルト5のブレード清掃機構の第1の実施例である実施例1について、図を用いて説明する。図5は、本実施例のベルトクリーニングブレードの10のブレード清掃機構の構成についての説明図である。
【0033】
まず、中間転写ベルト5に部分的な動作を与え、ベルトクリーニングブレード10の先端に付着した物質の除去を行うブレード清掃機構の基本的なメカニズムについて説明する。ベルトクリーニングブレード10が当接する部分を含む中間転写ベルト5の部分的な区間に動作が与えられると、僅かだがブレード対向ローラ14が上下方向には移動することになる。このようにブレード対向ローラ14が上下方向には移動してもベルトクリーニングブレード10の先端は中間転写ベルト5の表面に当接した状態を保つ。そして、中間転写ベルト5の部分的な動作により、中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端との相対位置、もしくは当接姿勢が変化する。具体的には、ブレード対向ローラ14が上方に移動すると、ベルトクリーニングブレード10の先端は中間転写ベルト5の無端移動方向上流側に移動し、ブレード対向ローラ14が下方に移動すると、ベルトクリーニングブレード10の先端は中間転写ベルト5の無端移動方向下流側に移動する。このように変化すると、仮に中間転写ベルト5が無端移動していない状態でも、中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端とが擦動することとなる。この中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端との擦動、つまり摩擦により、ベルトクリーニングブレード10の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質を除去することができる。また、中間転写ベルト5に与える動作は部分的なものであるので、中間転写ベルト5の無端移動方向最上流側の1次転写ローラ9Yと感光体ドラム1Yとで形成される1次転写ニップ部に伝達されないようにして、ベルトクリーニング部材の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質を除去できる。このように除去できるので、画像形成中、画像形成後を問わず、ベルトクリーニングブレード10の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質を除去することができ、中間転写ベルト5のクリーニング性能の低下を抑制できる。
【0034】
本実施例では、中間転写ベルト5に与える部分的な動作を、中間転写ベルト5の部分的な振動とした。次に具体的な構成を、図5を用いて説明する。図5に示すように、ブレード対向ローラ14には、バイアス印加手段101(ブレード対向ローラ14専用)が接続されており、本実施例では7[kV]まで印加できるようになっている。また、ブレード対向ローラ14に印加されるバイアス電圧の極性は、バイアス印加手段100で駆動ローラ7に印加される2次転写バイアス電圧と同極性としている。ここで、ブレード対向ローラ14に、駆動ローラ7に印加される2次転写バイアス電圧とは逆極性のバイアス電圧を印加すると、駆動ローラ7の2次転写バイアス電圧により生じる電流が2次転写ローラ15ではなく、ブレード対向ローラ14に流れ込むことで転写不良となるからである。
【0035】
ブレード対向ローラ14にバイアス電圧を印加すると、ブレード対向ローラ14に中間転写ベルト5が静電的に吸着され、真電荷が誘起された中間転写ベルト5はブレード対向ローラ14に、より巻きつくことになる。しかしながら中間転写ベルト5におけるブレード対向ローラ14と接触した部位は、接触することで誘起された真電荷がブラシ対抗ローラ13へと逃げるため、静電力を失い、中間転写ベルト5の張力によってブレード対向ローラ14に巻きついた状態から、接した状態に移動することになる。このため、中間転写ベルト5はブレード対向ローラ14に対して吸着され巻きついた状態(以下、吸着状態という)と、接した状態(以下、離間状態という)とを繰り返すため、振動することになる。そして、この中間転写ベルト5の振動により、ブレード対向ローラ14も僅かだが、上下方向に振動することとなる。また、ブレード対向ローラ14と中間転写ベルト5の無端移動方向上流側の1次転写ローラ9Kとの間には、ブラシ対向ローラ13及びベルト付勢ローラ17が、ブレード対向ローラ14の中間転写ベルト5の無端移動方向下流側には駆動ローラ7が配置されている。したがって、中間転写ベルト5は、ブレード対向ローラ14に対して吸着状態/離間状態を繰り返し、部分的に振動(動作)が与えられることになる。
【0036】
そして、このように与えられた振動により、中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端との相対位置が変化し、中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端とが繰り返し擦動することとなる。この中間転写ベルト5とベルトクリーニングブレード10の先端との擦動、つまり摩擦が繰り返されることで、単に中間転写ベルト5を動作させるよりも効率的にベルトクリーニングブレード10の先端に付着したトナーや紙粉等の付着物質を除去することができる。したがって、クリーニング性能の低下を、単に中間転写ベルト5を動作させるよりも効率的に抑制することが可能となる。
【0037】
また、中間転写ベルト5の部分的な区間に与える振動を、ブレード対向ローラ14に印加するバイアス電圧により生じる静電力をを利用することで、ベルトクリーニングブレード10の先端の付着物質の除去を安定して行うことが可能となる。
【0038】
また、バイアス印加手段101でブレード対向ローラ14に印加されるバイアス電圧の極性と、バイアス印加手段100で駆動ローラ7に印加される2次転写バイアス電圧とを同極性としている。このような極性のバイアス電圧をブレード対向ローラ14に印加することで、上述したように、2次転写不良を抑制することができる。
【0039】
また、ベルト付勢ローラ17を、ベルトクリーニングブレード10と、中間転写ベルト5の無端移動方向最上流側に設けられるプロセスユニット20Yの1次転写ローラ9Yとの間に設けている。このようにベルト付勢ローラ17を設けることで、本ブレード清掃機構による振動が、1次転写ローラ9Yと感光体ドラム1Yとで形成される転写ニップ部に伝達されることを、ベルト付勢ローラ17で確実に抑制することができる。このため、ベルトクリーニングブレード10の先端に付着した物質の除去と画像形成動作とを、確実に両立することができ、効率よくベルトクリーニングブレード10の先端に付着した物質を除去することが可能となる。ここで、本実施例では、図5に示すように、中間転写ベルト5を裏面から付勢するベルト付勢ローラ17を設ける構成としたが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、中間転写ベルト5を表面から付勢するベルト付勢ローラを設ける構成としても良い。
【0040】
また、本実施例では中間転写ベルト5を振動させる手段としてブレード対向ローラ14を用いたが、中間転写ベルト5と接触している近傍の部品、例えばブラシ対向ローラ13を用いても、クリーニング性能の低下を抑制することが可能である。また、ブレード対向ローラ14に印加するバイアス電圧は、本実施例のプリンタが稼動中、常に印加してもよいが、画像形成枚数が所定枚数に達した場合に、ブレード対向ローラ14にバイアス電圧を印加するブレードクリーニングモードを設けても良い。
【0041】
(実施例2)
本実施形態に係る中間転写ベルト5のブレード清掃機構の第2の実施例である実施例2について、図を用いて説明する。図6は、本実施例のベルトクリーニングブレード10のブレード清掃機構の構成についての説明図である。ここで、上述した実施例1と本実施例とでは、ブレード対向ローラ14へのバイアス印加手段と、2次転写バイアス電圧の印加手段とを同一のバイアス印加手段100とした点に係る構成が異なるのみであるので、他の同様な構成・動作にについては、適宜、省略して説明する。
【0042】
図6に示すように、本実施例のブレード清掃機構では、ブレード対向ローラ14へのバイアス印加手段と、中間転写ベルト5から用紙にトナー像を転写させる2次転写バイアスローラとしても機能する駆動ローラ7への印加手段とを同一のバイアス印加手段100とした構成である。このようにブレード対向ローラ14へのバイアス印加手段を構成することで、個々にバイアス印加用の高圧電源を設ける必要がなくなり、同通経路も共通化できるため、上述した実施例1よりも、低コストでクリーニング性能の低下の発生を防止することができ、かつ、両ローラ間の放電やリークによるノイズの発生を防止することができる。また、放電やリークは電位差によって引き起こされるため、駆動ローラ7とブレード対向ローラ14に印加するバイアス電圧を同電位にすれば、さらに安定的に放電やリークによるノイズの発生を防止することができる。
【0043】
(実施例3)
本実施形態に係る中間転写ベルト5のブレード清掃機構の第3の実施例である実施例3について、図を用いて説明する。図7は、本実施例のベルトクリーニングブレード10のブレード清掃機構の構成についての説明図である。ここで、上述した実施例1、2と本実施例とでは、ブレード対向ローラ14を駆動ローラ7方向にオフセットさせている点に係る構成が異なるのみであるので、他の同様な構成・動作にについては、適宜、省略して説明する。
【0044】
図7に示すように、本実施例のブレード清掃機構では、ベルトクリーニングブレード10先端に対し、ブレード対向ローラ14を中間転写ベルト5の無端移動方向上流側、つまり駆動ローラ7側にオフセットさせて設けている。ここで、本実施例では、そのオフセット距離を0.5[mm]とした。このようにオフセットさせることで、中間転写ベルト5の振動振幅が大きくなるため、オフセットさせない場合よりも、ベルトクリーニングブレード10の先端に付着したトナーや紙粉等のクリーニング効果を高くでき、クリーニング性能の低下をさらに効率よく抑制することが可能となる。
【0045】
(実施例4)
本実施形態に係る中間転写ベルト5のブレード清掃機構の第3の実施例である実施例3について、図を用いて説明する。図8は、本実施例のベルトクリーニングブレードのブレード清掃機構の構成についての説明図である。ここで、上述した実施例1乃至3と本実施例とでは、ブレード対向ローラ14の位置を固定ではなく、上下方向に変位可能な構成とした点に係る構成が異なるのみであるので、他の同様な構成・動作にについては、適宜、省略して説明する。
【0046】
図7に示すように、本実施例のブレード清掃機構では、ブレード対向ローラ14の位置を固定ではなく、スプリング16でブレード対向ローラ14を中間転写ベルト5の内側から押圧し、図上下方向に変位可能な構成としたものである。このような構成とすることで、中間転写ベルト5の無端移動開始時や、速度変動時のベルトテンションの変化によって、中間転写ベルト5の無端移動中、及び停止後しばらくの間は、ブレード対向ローラ14が上下に変位する。このように変位することで、中間転写ベルト5とクリーニングブレードの当接姿勢が変化し、ベルトクリーニングブレード10の先端に付着したトナーや紙粉等の付着した物質の除去が可能となる。
【0047】
また、本実施例では、安価な構成にするため、スプリング16でブレード対向ローラ14を中間転写ベルト5の内側から押圧する構成において、ブレード対向ローラ14の位置を変位させる構成としている。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、ブレード対向ローラ14を中間転写ベルト5の内側から離間させる方向にスプリング等で引っ張り力を作用させるとともに、ブレード対向ローラ14を中間転写ベルト5の内側に押圧する回転駆動させるカム部材等の加振部材を用いて、ブレード対向ローラ14や中間転写ベルト5を変位させる構成としても良い。
【0048】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
感光体ドラム1などの像担持体上のトナー像が転写される無端状の中間転写ベルトと、前記像担持体に中間転写ベルト5などの中間転写ベルトを介して対向して設けられた1次転写バイアスローラ9などの1次転写バイアスローラと、前記中間転写ベルトを張架する駆動ローラ7やテンションローラ8などの複数の張架ローラと、前記中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、転写紙Pなどの記録媒体上に2次転写する2次転写バイアス電圧が印加される駆動ローラ7などの2次転写バイアスローラと、前記中間転写ベルト表面の転写残トナーを除去するベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材と、前記中間転写ベルトを介して前記ベルトクリーニング部材と対向するブレード対向ローラ14などのクリーニング対向ローラと、前記中間転写ベルトを無端移動させる駆動モータなどの手段と、を備えた画像形成装置において、中間転写ベルトに部分的な動作を与えて、中間転写ベルトとベルトクリーニング部材との相対位置、もしくは当接姿勢を変化させることにより、ベルトクリーニング部材に付着したトナーや紙粉などの物質の除去を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、画像形成中、画像形成後を問わず、ベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材に付着したトナーや紙粉などの付着した物質を除去することができ、中間転写ベルト5などの中間転写ベルトのクリーニング性能の低下を抑制できるプリンタなどの画像形成装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、中間転写ベルト5などの前記中間転写ベルトの部分的な動作が、振動であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、ベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材に付着したトナーや紙粉などの物質を、単に中間転写ベルト5などの中間転写ベルトを部分的に動作させる構成よりも、効率的に除去することが可能となる。
(態様C)
(態様B)において、中間転写ベルト5などの前記中間転写ベルトの部分的な振動が、ブレード対向ローラ14などの前記クリーニング対向ローラにバイアス電圧を印加することによって発生することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、ブレード対向ローラ14などのクリーニング対向ローラにバイアス電圧を印加すると、中間転写ベルト5などの中間転写ベルトとクリーニング対向ローラとの間に静電力が発生し、中間転写ベルトが振動する。このときの振動を利用して、ベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材に付着したトナーや紙粉などの物質を除去することで、安定して付着した物質の除去を行うことが可能となる。
(態様D)
(態様C)において、ブレード対向ローラ14などの前記クリーニング対向ローラに印加するバイアス電圧が、駆動ローラ7などの前記2次転写バイアスローラに印加するバイアス電圧と同極性であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1及び2について説明したように、2次転写不良を抑制することができるとともに、個別に高圧電源を設けなくてもよくなるため、安価にベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材に付着した物質を除去することが可能となる。
(態様E)
(態様D)において、ブレード対向ローラ14などの前記クリーニング対向ローラに印加するバイアス電圧が、駆動ローラ7などの前記2次転写バイアスローラに印加するバイアス電圧と同じバイアス電圧であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例2について説明したように、ブレード対向ローラ14などのクリーニング対向ローラと駆動ローラ7などの2次転写バイアスローラに印加するバイアス電圧とを同じにすることで、個別に高圧電源を設けなくてもよくなるとともに、リークの危険性を低減することができるため、安価に、かつ安定的にベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材に付着したトナーや紙粉などの物質を除去することが可能となる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、ベルトクリーニングブレード10などの前記ベルトクリーニング部材に対して、ブレード対向ローラ14などのクリーニング対向ローラをオフセットさせて設けたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例3について説明したように、中間転写ベルト5などの中間転写ベルトの振動振幅が大きくなるため、オフセットさせない場合よりも、ベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材の先端に付着したトナーや紙粉などの物質のクリーニング効果を高くでき、クリーニング性能の低下をさらに効率よく抑制することが可能となる。
(態様G)
(態様A)において、中間転写ベルト5などの前記中間転写ベルトの部分的な動作が、ブレード対向ローラ14などの前記クリーニング対向ローラの位置が変化することで与えられ、前記中間転写ベルトと前記ベルトクリーニング部材との当接姿勢を変化させることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例4について説明したように、ブレード対向ローラ14などのクリーニング対向ローラの位置が変化することで、中間転写ベルト5などの中間転写ベルトとベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材との当接姿勢を変化させることができるので、ベルトクリーニング部材に付着したトナーや紙粉などの物質を除去することが可能となる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、ベルトクリーニングブレード10などの前記ベルトクリーニング部材と1次転写バイアスローラ9などの前記1次転写バイアスローラとの間に、中間転写ベルト5などの前記中間転写ベルトを表面、もしくは裏面より付勢するベルト付勢ローラ17などのベルト付勢ローラを設けたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、ベルトクリーニングブレード10などのベルトクリーニング部材の先端に付着したトナーや紙粉などの物質を除去する振動をベルト付勢ローラ17などのベルト付勢ローラで抑制することができるため、ベルトクリーニング部材に付着したトナーや紙粉などの物質の除去と、画像形成動作とを両立することが可能となり、効率よくベルトクリーニング部材に付着し物質の除去を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0049】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
4 現像装置
5 中間転写ベルト
6 感光体クリーニング装置
7 駆動ローラ
8 テンションローラ
9 1次転写バイアスローラ
10 ベルトクリーニングブレード
11 固形潤滑剤
12 ブラシローラ12
13 ブラシ対向ローラ
14 ブレード対向ローラ
15 2次転写ローラ
16 スプリング
17 ベルト付勢ローラ
20 プロセスユニット
32 中間転写ユニット32
50 定着装置
100 バイアス印加手段
101 バイアス印加手段(ブレード対向ローラ専用)
P 転写紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開平10−010939公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上のトナー像が転写される無端状の中間転写ベルトと、
前記像担持体に中間転写ベルトを介して対向して設けられた1次転写バイアスローラと、
前記中間転写ベルトを張架する複数の張架ローラと、
前記中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、記録媒体上に2次転写する2次転写バイアスが印加される2次転写バイアスローラと、
前記中間転写ベルト表面の転写残トナーを除去するベルトクリーニング部材と、
前記中間転写ベルトを介して前記ベルトクリーニング部材と対向するクリーニング対向ローラと、
前記中間転写ベルトを無端移動させる手段と、
を備えた画像形成装置において、
中間転写ベルトに部分的な動作を与えて、中間転写ベルトとベルトクリーニング部材との相対位置、もしくは当接姿勢を変化させることにより、ベルトクリーニング部材に付着した物質の除去を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記中間転写ベルトの部分的な動作が、振動であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記中間転写ベルトの部分的な振動が、前記クリーニング対向ローラにバイアス電圧を印加することによって発生することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記クリーニング対向ローラに印加するバイアス電圧が、前記2次転写バイアスローラに印加するバイアス電圧と同極性であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記クリーニング対向ローラに印加するバイアス電圧が、前記2次転写バイアスローラに印加するバイアス電圧と同じバイアス電圧であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか一に記載の画像形成装置において、
前記ベルトクリーニング部材に対して、クリーニング対向ローラをオフセットさせて設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記中間転写ベルトの部分的な動作が、前記クリーニング対向ローラの位置が変化することで与えられ、前記中間転写ベルトと前記ベルトクリーニング部材との当接姿勢を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一に記載の画像形成装置において、
前記ベルトクリーニング部材と前記1次転写バイアスローラとの間に、前記中間転写ベルトを表面、もしくは裏面より付勢するベルト付勢ローラを設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45097(P2013−45097A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185335(P2011−185335)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】