説明

画像形成装置

【課題】装置の高速化・小型化を達成しつつ、温度上昇を抑制し、且つ長期間使用された場合でも画像濃度を低下させないこと。
【解決手段】感光体ドラム1と感光体ドラム1に作用するプロセス手段とを一体的に構成した複数のプロセスカートリッジ7と、複数の感光体ドラム1に接するように配置された中間転写ベルト13Aを有する中間転写ユニット13と、装置内に空気を送る送風ファン41と、を有する画像形成装置において、プロセスカートリッジ7の外壁には、互いに噛み合うように突出部61及び溝部62が形成され、送風ファン41は、前記複数のプロセスカートリッジ7のうち一つの突出部61と、突出部61に隣接するプロセスカートリッジ7の溝部62と、プロセスカートリッジ7と、の間の空間67で形成される風路に空気を送ることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム型のカラー画像形成方式を採用した画像形成装置がある。タンデム型のカラー画像形成装置は、一般的に、駆動部の増加やそれに伴う電源サイズの増大等が必要である。また、定着器においてもトナーを混色させてから転写材にトナーを定着しなければならず、定着部では発熱量が増大する。
【0003】
このため、定着部での熱が画像形成部へ伝わらないような構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、画像形成装置のシャーシを分割し、画像を形成する部分をなす第一のシャーシと、定着専用の第二のシャーシとに分離する構成も提案されている(例えば、特許文献2参照)。このように、従来では、定着部からの熱が像担持体や画像形成部へ伝わらないように熱設計を行なうことで課題を解決していた。
【0004】
しかしながら、これからの高速化が進むタンデム型カラー画像形成装置は、画像形成部から発生した熱を積極的に排熱する必要がある。また、画像形成部をはじめとして装置本体内の温度上昇に対して、様々な観点まで配慮した上で熱設計を行なう必要がある。
【0005】
一方、カラー画像形成装置の構成はプロセスカートリッジ(像担持体ユニット)の挿抜方向の違いから、大きく二つの構成に分けられる。図6はカラー画像形成装置の構成の説明図である。一つは、図6(a)に示すような装置内のシート搬送方向と平行な方向に、プロセスカートリッジを挿抜する構成である。もう一つは、図6(b)に示すような画像形成装置内のシート搬送方向と交差する方向に、プロセスカートリッジを挿抜する構成である。後者の構成は、サイドオリエンテッド構成とも呼ばれている。
【0006】
カラー画像形成装置の場合、画像形成ユニットが複数(一般には4色)使われるため、画像形成ユニットが装置全体に占める容積も大きくなる。ここで、ユーザーの操作のしやすさを考慮した場合、ユーザーとアクセスすべきプロセスカートリッジとの距離を近くに設定できる後者の構成が有利と考えられ、カラー画像形成装置の主流な製品形態になっている。また、後者の構成は、装置上面の画像読取部を固定した状態でプロセスカートリッジの着脱が可能な構成であり、マルチファンクションカラープリンタを考慮しても有効な構成となっている。マルチファンクションカラープリンタとは、カラー画像形成装置の上部に画像読取部を配置し、デスク上で手軽にカラーコピーを可能としたものである。
【0007】
【特許文献1】特開2004−233452号公報
【特許文献2】特開2005−292564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年、タンデム型カラー画像形成装置は小型化、高速出力化が進んでいるため、画像形成部と熱源とのクリアランスを充分に確保することや、記録のスループットを低下させることが困難である。そのため、画像形成部の温度が許容温度を超え、トナー容器内でのトナー固着や温度上昇により像担持体に安定して画像形成を行なうことや像担持体上に形成されたトナー像を転写材に確実に転写することが困難である。
【0009】
また、像担持体に沿うように配置された転写ベルト部の温度が上昇し、転写ベルトを駆動するローラ径やベルト厚の変化によりベルト表面の走行速度が不安定になり各色間の色ズレが発生することがあった。
【0010】
さらに、カラー画像形成装置の長寿命化が進み、長期間使用された後でもプリント画像を保証する必要がでてきた。長期間使用時の画像劣化の代表例として、現像剤であるトナーによる汚れが原因となった記録画像の濃度低下がある。これは、画像形成部内の現像部から装置内へ落下、浮遊するトナーが、露光の光路内に侵入し、光路を遮ってしまう現象である。一般的には潜像露光を行なう露光手段には、カバーガラスを有しており、カバーガラス上が最もトナー付着の恐れがあるとされている。よって、前述した濃度低下を防止するには、カバーガラス上にトナーが付着しない構成を考案することが必要になっている。また、カラー画像形成装置の主流の製品形態であるサイドオリエンテッド構成における、熱の課題を解決するための最適な冷却手段、エアーフローの設定が必要となってきている。
【0011】
本発明の目的は、装置の高速化・小型化を達成しつつ、温度上昇を抑制し、且つ長期間使用された場合でも画像濃度を低下させないことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、
像担持体と該像担持体に作用するプロセス手段とを一体的に構成した複数の像担持体ユニットと、複数の前記像担持体に接するように配置された無端ベルトを有する転写ベルトユニットと、装置内に空気を送る送風手段と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体ユニットの外壁には、互いに噛み合うように突出部及び溝部が形成され、
前記送風手段は、前記複数の像担持体ユニットのうち一つの前記突出部と、前記突出部に隣接する前記像担持体ユニットの前記溝部と、前記転写ベルトユニットと、の間の空間で形成される風路に空気を送ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の構成により、装置の高速化・小型化を達成しつつ、温度上昇を抑制し、且つ長期間使用された場合でも画像濃度を低下させないことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図を用いて本実施形態を詳細に説明する。
【0015】
[画像形成装置の全体構成]
まず、画像形成装置の全体構成について、図1を参照して概要説明する。図1は画像形成装置の一態様であるカラーレーザープリンタ100の全体構成を示す縦断面図である。
【0016】
図1に示すカラーレーザープリンタ100は、像担持体である複数(本実施形態では4個)の感光体ドラム1a、1b、1c、1dを有する(以下、a〜dの添字を適宜省略して説明する)。それぞれの感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、帯電手段2、露光手段3、現像手段としての現像ユニット4、一次転写ローラ12、クリーニング手段としてのドラムクリーニングブレード8が配設される。
【0017】
ここで、帯電手段2(2a、2b、2c、2d)は、感光体ドラム1表面を均一に帯電する。露光手段3は、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上の静電潜像を形成する。現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)は、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する。中間転写ユニット13は、一次転写ローラ12(12a、12b、12c、12d)を用いて感光体ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト(無端ベルト)13Aに転写する。ドラムクリーニングブレード8(8a、8b、8c、8d)は、転写後の感光体ドラム1表面に残った転写後トナーを除去する。
【0018】
本実施形態では、感光体ドラム1の他、帯電手段2、現像ユニット4及びドラムクリーニングブレード8とが一体的にカートリッジ化して構成される、像担持体ユニットとしてのプロセスカートリッジ7を形成する。複数のプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)は、カラーレーザープリンタ100に着脱可能に構成される。尚、プロセスカートリッジとは、感光体ドラム1及び感光体ドラム1に作用するプロセス手段(帯電手段、現像手段、クリーニング手段等)のうちいずれかを一体的に有するように構成したものである。
【0019】
これら4個のプロセスカートリッジ7は同一構造であるが、異なる色のトナーによる画像を形成する点で相違する。それぞれ、a、b、c、dの添字に対応して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)を形成する。プロセスカートリッジ7は、現像ユニット4と、クリーナユニット5(5a、5b、5c、5d)によって構成される。
【0020】
このうち、現像ユニット4は、感光体ドラム1に現像剤を付着させる現像ローラ24(24a、24b、24c、24d)と、現像剤塗布ローラ25(25a、25b、25c、25d)及びトナー容器を有する。一方、クリーナユニット5は、感光体ドラム1、帯電手段2、ドラムクリーニングブレード8及び、廃トナー容器を有する。
【0021】
感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC)を塗布して構成したものである。その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達する。これにより、図1の矢印に示す時計回り方向に回転駆動される。
【0022】
帯電手段2は、ローラ状に形成された導電性ローラで、このローラを感光体ドラム1表面に当接させる。これとともに、不図示の電源によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
【0023】
露光手段3は、プロセスカートリッジ7の鉛直下方に配置され、感光体ドラム1に対して画像信号に基づく露光を行う。
【0024】
現像ユニット4は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー(現像剤)を収納する収納部がある。また、感光体表面に隣接し、不図示の駆動部により回転駆動されると共に、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印加することにより現像を行う現像ローラ等を有する。
【0025】
上述の構成により、それぞれの感光体ドラム1上には、帯電手段2によって所定の負極性の電位に帯電された後、露光手段3によって静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ユニット4によって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Bkの色のトナー像が形成される。
【0026】
中間転写ユニット(転写ベルトユニット)13は、中間転写ベルト13Aが駆動ローラ13B、テンションローラ13Cに張架されており、テンションローラ13Cが矢印E方向に張力をかける。また、各感光体ドラム1に対向して、中間転写ベルト13Aの内側に一次転写ローラ12が配設され、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスを印加する構成となる。
【0027】
中間転写ベルト13Aが矢印F方向に回転され、さらに一次転写ローラ12に正極性のバイアスを印加すると、順次、感光体ドラム1a上のトナー像から感光体ドラム1dのトナー像までが、中間転写ベルト13A上に一次転写される。そして、4色のトナー像が重なった状態で二次転写部15まで搬送される。
【0028】
給送装置10は、転写材であるシートSを収納する給送カセット11内からシートSを給送する給送ローラ9と、給送されたシートSを搬送する搬送ローラ対10Aとを有している。
【0029】
給送カセット11は、図1中本体手前方向へ引き抜くことができるよう構成されており、ユーザーは給送カセット11を引き抜き、装置本体から取り外した後、シートSをセットし、装置本体へ挿入することでシート補給が完了する。
【0030】
給送カセット11に収納されたシートSは、給送ローラ9に圧接され、分離パッド23によって一枚ずつ分離され(摩擦片分離方式)搬送される。
【0031】
そして、給送装置10から搬送されたシートSはレジストローラ対17によって二次転写部15に搬送される。
【0032】
二次転写部15において、二次転写ローラ16に正極性のバイアスを印加することにより、搬送されたシートSに、中間転写ベルト13A上の4色のトナー像を二次転写する。
【0033】
定着手段である定着部14は、シート上に形成した画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。定着部14は、円筒状の定着ベルト14Aと、弾性加圧ローラ14Bと、定着ベルト14Aにヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材14Cとを有する。弾性加圧ローラ14Bは、定着ベルト14Aを挟み、ベルトガイド部材14Cと所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成する。
【0034】
加圧ローラ14Bが不図示の駆動手段により回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト14Aが回転し、不図示の内部ヒータにより定着ベルト14Aは加熱される。
【0035】
定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートSが定着ニップ部Nの定着ベルト14Aと加圧ローラ14Bとの間に導入される。シートSの画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入されると、定着ニップ部NにおいてシートSの画像面が定着ベルト14Aの外面に密着しつつ定着ニップ部Nを挟持搬送される。
【0036】
この定着ニップ部Nを定着ベルト14Aと一緒にシートSが挟持搬送されていく過程において、定着ベルト14A内のヒータ熱で加熱され、シートS上の未定着トナー画像が加熱定着される。定着されたシートSは排出ローラ対20によって排出トレイに排出される。
【0037】
一方、トナー像転写後に、感光体ドラム1表面に残ったトナーは、クリーニングブレード8によって除去される。また、除去されたトナーはクリーナユニット5内の廃トナー容器に回収される。
【0038】
また、シートSへの二次転写後に中間転写ベルト13A上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置18によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0039】
[プロセスカートリッジの着脱構成]
次に、タンデム型カラー画像形成装置におけるプロセスカートリッジ7の着脱構成について、詳細に説明する。図2はプロセスカートリッジ7の着脱方法や給送カセット11の着脱構成を示す斜視図である。図3はプロセスカートリッジ7の着脱構成や風路構成を示す断面図である。
【0040】
タンデム型カラー画像形成装置においては、給送カセット11へのシートの補給及びプロセスカートリッジ7の着脱及び、プリントされたシートSの回収は、装置正面側から操作可能である。また、プロセスカートリッジの着脱は、ドラム軸方向で且つ装置正面側に着脱可能な構成となっている。本実施形態の着脱構成は、カラー画像形成装置で主流の一つであるサイドオリエンテッド構成である。
【0041】
図3に示すように、装置本体には、プロセスカートリッジ7と露光手段3の配置エリアを仕切る仕切板32が配置される。仕切板32は、露光手段3の光路を形成するための開口穴30(30a、30b)を有する。開口穴30(30a、30b)近傍には、挿入ガイド21(21a、21b)が形成される。
【0042】
この構成により、ユーザーはプロセスカートリッジ7に一体的に形成された挿入リブ22(22a、22b)を挿入ガイド21(21a、21b)に沿わせて挿入する。これにより、プロセスカートリッジ7を装置本体の所定の位置へ容易に装着することができる。
【0043】
プロセスカートリッジ7を画像形成装置に位置決めする際には、プロセスカートリッジ7に形成された不図示のボスが、装置本体の不図示の穴に嵌まり込む。これによりプロセスカートリッジ7が画像形成装置に位置決めされる。この状態において挿入リブ22(22a、22b)と挿入ガイド21(21a、21b)は接触しない状態となる。
【0044】
[現像ローラ及び感光体ドラムの劣化防止構成]
本実施形態では、現像手段の劣化を抑制するために、現像時以外には感光体ドラム1(1a、1b)から現像ローラ24(24a、24b)を離間する機構を採用している。具体的には、次のように当接・離間状態を作る。
【0045】
まず、画像形成時には、図3(a)に示すように、不図示の押圧手段により現像ローラ24が感光体ドラム1に当接した状態(第一の状態)となる。一方、非画像形成時(現像ローラ離間時)には、図3(b)に示すように、クリーナユニット5(5a、5b)に設けられた揺動中心X(Xa、Xb)を中心に、現像ユニット4が図3(b)反時計回り方向に揺動する。現像ローラ24(24a、24b)は、現像ユニット4(4a、4b)に支持されているため、感光体ドラム1から離間した状態(第二の状態)となる。こうして、現像ローラ24と感光体ドラム1との当接・離間状態を作る。
【0046】
また、現像器4(4a、4b)の外壁には、図3に示すように、凸形状に突出した突出部61(61a、61b)が現像器4(4a、4b)の容器と一体的に形成される。例えば、突出部61bは、隣に配置されるプロセスカートリッジ7aのクリーナユニット5a内へ侵入するように配置される。そして、プロセスカートリッジ7aとプロセスカートリッジ7bとの干渉を避けるため、プロセスカートリッジ7aのクリーナユニット5aの外壁には、凹形状の溝部62(62a、62b)がクリーナユニット5と一体的に設けられる。
【0047】
[略閉空間67の構成]
図3(a)のように、突出部61bの上面63bは、隣のクリーナユニット5aに設けられた溝部62aの内面64aと2mmの隙間を確保した状態となるよう配置される。すると、図3(a)に示すように、画像形成時において、中間転写ベルト13Aと隣り合うプロセスカートリッジ7(7a、7b)の外壁とで仕切られた略閉空間67(ハッチングを施したエリア)ができる。このように、突出部61及び溝部62をプロセスカートリッジに形成したことで、カートリッジ周囲に形成される略閉空間67が、プロセスカートリッジ7a、7bの光路エリア68a、68bと分離される。
【0048】
また、図3(b)に示すように非画像形成時(現像ローラ離間状態)においては、突出部61bの下面65bが、隣のクリーナユニット5aに設けられた溝部62aの内面66aと2mmの隙間を確保した状態になるまで移動する。すると、画像形成時同様、図3(b)に示すよう略閉空間67を作ることができる。
【0049】
その結果、現像ローラ24(24a、24b)が感光体ドラム1(1a、1b)に対して当接ている状態であっても、感光体ドラム1から離間している状態であっても、同じように略閉空間67を作ることができる。
【0050】
[装置の風路構成]
プロセスカートリッジ7の冷却と光路部のトナー汚れの防止の両立を行うための風路構成について図4を用いて説明する。図4はプロセスカートリッジ7の風路構成を示す断面図である。
【0051】
図4に示すように、本実施形態においては、風路となる空間(エアフローエリア)である略閉空間67と連結するように、送風手段として送風ファン41が配設される。送風ファン41は、感光体ドラム1の回転軸方向にエアーを流す。また、送風ファン41と略閉空間67を連結するように、送風ダクト42が配設される。
【0052】
また、送風ファン41は装置本体壁面に配設される。フレッシュエアー(冷たい風)を送風するためである。これにより、ダクト開口部43より冷たい風を略閉空間67へ積極的に送風することができる。その結果、プロセスカートリッジ7の外壁や像担時体から熱を奪うことで排熱することができ、昇温を嫌うトナーや感光体ドラム1や現像ローラ24やクリーニング手段8を効率よく冷却することができる。
【0053】
また、前述のように、略閉空間67と光路エリア68とは突出部61や溝部62により分離されている。このため、送風ファン41により発生した風は、略閉空間67にのみ流れ、光路エリア68には流れない。このように、露光手段3とプロセスカートリッジ7内部の光路エリア68には風が流れ込まない。装置外からの塵や汚れが侵入し、光路上に付着することを防止できる。
【0054】
また、光路エリア68は、略無風状態になる。このため、トナー飛散による光路汚れを防止することができる。この結果、光路汚れによる濃度低下等の画像不良を防止することができる。
【0055】
[プロセスカートリッジの冷却方法]
図5を用いて本実施形態のカラー画像形成装置のプロセスカートリッジ7の冷却方法を示す。図5はプロセスカートリッジ7の冷却方法を示す斜視図である。
【0056】
ユーザーがプロセスカートリッジ7を着脱する際、図5のように装置正面の開閉ドア40を開ける。開閉ドア40を開けるとプロセスカートリッジ7が露出する。このため、ユーザーはプロセスカートリッジ7を装置本体正面側に着脱することができる。
【0057】
開閉ドア40には送風ダクト42が配置され、開閉ドア40を閉めたときに、カラーレーザープリンタ100の左側壁面に設けられた吸気口44と連結されるように構成される。このように構成されるため、吸気口44から吸気した冷たい風は、ダクト開口部43まで導かれた後、略閉空間67に送風される。
【0058】
以上、本実施形態では、プロセスカートリッジ7の冷却と露光手段3を有するスキャナー部のトナー汚れの課題を両立させるため、風路となる空間である光路エリアと、潜像光路となる空間であるエアフローエリアとを仕切る。具体的には、凸形状の突出部61(61a、61b、61c、61d)と凹形状の溝部62(62a、62b、62c、62d)とが互いに噛み合うように配設される。これにより、エアフローエリアと光路エリアとが仕切られる。すると、送風ファン41から送風される風がエアフローエリアのみを通過するため、効果的にプロセスカートリッジ7を冷却することができる。
【0059】
一方で、送風ファン41から送風される風は、光路エリアには到達しにくいため、光路エリア内は略無風空間となる。このようにして、トナー飛散による光路汚れの発生を防止することができる。更に、プロセスカートリッジ7の外壁を風路の内面として設定することで、像担持体間の距離を必要以上に広げることなく、コンパクトな風路を形成することができる。
【0060】
これによって、トナー付着による画像不良に対する対策と、画像形成部の温度上昇防止の対策との両立が図れる。この結果、ユーザーがメンテナンスすることなく、長期間に渡り画像を保証しつつ、設置環境や、連続プリントモードでプリントを行った際においても、像担持体、転写手段及び画像形成部の温度上昇による画像不良を防止することが可能になる。
【0061】
また、エアフローエリアと光路エリアを仕切る部材として、突出部61や溝部62をプロセスカートリッジの外壁と一体的に形成した。これにより、コンパクト、かつ安価な部品構成で確実に2つの空間を仕切ることができる。
【0062】
また、プロセスカートリッジは、装置本体から着脱自在に支持されているとともに、前記エアフローエリアは、プロセスカートリッジの着脱を行なう側から像担持体長手方向にエアーが流れるように、送風手段を配設する。これにより、熱を帯びた空気を機内から円滑に排出し、熱を帯びた空気を機内で循環させないエアーフローを、シンプルに形成している。つまり、プロセスカートリッジの着脱する側において、送風手段と反対側にモーター等の電気部品、歯車等のメカ部品を配置する。すると、発熱源の一つであるモーターがエアフロー下流側に配置され、プロセスカートリッジが熱を帯びた空気にさらされることなく、排熱することができる。
【0063】
また、プロセスカートリッジの着脱を行なう側は、画像形成装置正面側であり、装置正面側にプロセスカートリッジを着脱するための開閉ドアと、開閉ドア内面部には送風手段を有する構成とする。これにより、近年、タンデム型のカラー画像形成装置の代表的な構成の一つである、図6(b)のようなシート搬送方向とプロセスカートリッジの着脱方向を有する画像形成装置においても、前述のような理想的なエアーフローを形成することができる。
【0064】
さらに、画像形成時においても非画像形成時においても、突出部と溝部とが互いに噛み合うように配設されることで、画像形成時及び非画像形成時のいずれの状態においても仕切り状態を作ることができる。これにより、像担持体及び現像手段の長寿命化と画像形成部の冷却の両立を図ることができる。
【0065】
〔他の実施形態〕
尚、前述の実施形態は、画像形成装置正面側から送風ファン41によってプロセスカートリッジ7を冷却する構成としたが、これに限るものではない。例えば、冷却手段は、送風ファンでも吸気ファンでもよく、また画像形成装置後方に配置してもよい。但し、図2のようなシート搬送方向とプロセスカートリッジ7の着脱方向を有するタンデム型カラー画像形成装置においては、画像形成装置正面側に熱源を配置することは少ない。また、画像形成装置後方に電源やモーターなどの熱源が配置されることが多いので、本実施形態のような画像形成装置正面側から送風ファンにより冷却することが有効である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】カラーレーザープリンタ100の全体構成を示す縦断面図。
【図2】プロセスカートリッジ7や給送カセット11の着脱構成を示す斜視図。
【図3】プロセスカートリッジ7の着脱構成や風路構成を示す断面図。
【図4】プロセスカートリッジ7の風路構成を示す断面図。
【図5】プロセスカートリッジ7の冷却方法を示す斜視図。
【図6】カラー画像形成装置の構成の説明図。
【符号の説明】
【0067】
N…定着ニップ部、S…シート、1…感光体ドラム、2…帯電手段、3…露光手段、4…現像ユニット、5…クリーナユニット、7…プロセスカートリッジ、8…ドラムクリーニングブレード、9…給送ローラ、10…給送装置、10A…搬送ローラ対、11…給送カセット、12…一次転写ローラ、13…中間転写ユニット、13A…中間転写ベルト、13B…駆動ローラ、13C…テンションローラ、14…定着部、14A…定着ベルト、14B…弾性加圧ローラ、14C…ベルトガイド部材、15…二次転写部、16…二次転写ローラ、17…レジストローラ対、18…転写ベルトクリーニング装置、20…排出ローラ対、21…挿入ガイド、22…挿入リブ、23…分離パッド、24…現像ローラ、25…現像剤塗布ローラ、30…開口穴、32…仕切板、40…開閉ドア、41…送風ファン、42…送風ダクト、43…ダクト開口部、44…吸気口、61…凸形状、62…凹形状、63…上面、64…内面、65…下面、66…内面、67…略閉空間、68…光路エリア、100…カラーレーザープリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と該像担持体に作用するプロセス手段とを一体的に構成した複数の像担持体ユニットと、複数の前記像担持体に接するように配置された無端ベルトを有する転写ベルトユニットと、装置内に空気を送る送風手段と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体ユニットの外壁には、互いに噛み合うように突出部及び溝部が形成され、
前記送風手段は、前記複数の像担持体ユニットのうち一つの前記突出部と、該突出部に隣接する前記像担持体ユニットの前記溝部と、前記転写ベルトユニットと、の間の空間で形成される風路に空気を送ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体ユニットは装置本体から着脱自在に支持され、
前記送風手段は、前記風路に対して、前記像担持体ユニットの着脱を行なう側から像担持体長手方向に空気を送ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体ユニットの着脱を行なう側は、画像形成装置正面側であり、
装置正面側に前記像担持体ユニットを着脱するための開閉ドアが配設され、
前記開閉ドアの内面には前記送風手段を配設することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像手段は、前記像担持体に現像剤を付着させる現像ローラを有し、
前記現像手段の状態は、前記現像ローラと前記像担持体とが当接した第一の状態と、前記現像ローラと前記像担持体とが離間した第二の状態とを有し、
前記第一の状態及び前記第二の状態において、前記送風手段からの空気が前記風路のみに送風されるように、前記突出部及び溝部を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−47840(P2013−47840A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−240077(P2012−240077)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【分割の表示】特願2007−111131(P2007−111131)の分割
【原出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】