説明

画像形成装置

【課題】セパレート用紙の高頻度な排出によって、排紙トレイがフルエラーになることを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】予め決められた「通常の排出条件」でセパレート紙31を排出する画像形成装置1において、画像形成装置1は画像形成装置1の電源が投入されてから、排紙トレイ11が排紙フルエラーを発生したエラー回数を計数している。そして、画像形成装置1は、エラー回数が第1の閾値以上であれば、「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなるように「変更後の排出条件」に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が形成されたシート状媒体をセパレート媒体によって仕切る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状媒体の間にセパレート媒体を排出する排出位置の設定を受け付け、設定された排出位置にセパレート媒体を排出する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−26338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、排出位置の設定を受け付けるのではなく、予め決められている条件が満たされる毎にセパレート媒体を排出することもできる。具体的には例えば、1ジョブが終了する毎にセパレート媒体を排出することもできる。
【0005】
このように、予め決められている条件でセパレート媒体を排出するようにすると、例えば、1ジョブの印刷枚数が1ページの場合でも、ジョブが終了すると1ページのセパレート媒体が排出される。その場合、印刷枚数が少ないジョブが多く印刷されると、セパレート媒体が高頻度に排出されることで、排紙トレイがフルエラーになりやすい虞がある。
【0006】
本明細書では、セパレート媒体の排出によって、排紙トレイがフルエラーになることを抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は、印刷ジョブに基づいて画像が形成されるシート状媒体を収容するシート状媒体収容部と、画像が形成された後の前記シート状媒体を仕切るためのセパレート媒体を収容するセパレート媒体収容部と、前記セパレート媒体を排出する排出条件が満たされたか否かを判定する排出条件判定部と、前記シート状媒体を搬送するとともに、前記排出条件判定部によって前記排出条件が満たされたと判定される毎に前記セパレート媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記シート状媒体に画像を形成する画像形成部と、前記搬送部によって搬送された前記シート状媒体と前記セパレート媒体とが積載される積載部と、前記積載部に積載されている前記媒体の枚数が最大積載枚数に達するフルエラーをもたらすような状況であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記積載部が前記フルエラーをもたらすような状況であると判定されると、前記排出条件を前記セパレート媒体の排出を制限するように変更する変更部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この画像形成装置によれば、積載部がフルエラーをもたらすような状況である場合にセパレート媒体の排出を制限できるので、セパレート媒体の排出によって、積載部がフルエラーになることを抑制することができる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置において、前記判定部は、単位時間当たりに発生する前記フルエラーの回数をカウントし、そのカウント値が第1の閾値以上である場合に、前記積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定してもよい。
【0010】
フルエラーを発生した回数が多い画像形成装置に対して、高頻度にセパレート媒体を排出すると、フルエラーの発生をさらに増大させてしまう可能性が高くなる。このため、単位時間当たりに発生するフルエラーの回数が第1の閾値以上であれば、積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定し、排出条件をセパレート媒体の排出を制限するように変更することにより、実際にフルエラーが多く発生している画像形成装置に対して、フルエラーの発生をさらに増大させることを抑制することができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置において、前記判定部は、前記積載部に積載されている前記媒体の積載量を検出し、その検出された積載量が第2閾値以上である場合に、前記積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定してもよい。
【0012】
積載部に積載されている媒体が多い画像形成装置に対して、高頻度にセパレート媒体を排出すると、積載部がフルエラーになるまでの期間を短縮させてしまう可能性が高くなる。このため、積載部の積載量が第2の閾値以上であれば、積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定し、排出条件をセパレート媒体の排出を制限するように変更することにより、積載部に積載されている媒体が多い画像形成装置に対して、積載部がフルエラーになるまでの期間を短縮させることを抑制することができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置において、前記判定部は、単位時間当たりに前記搬送部により搬送された前記媒体のうち前記セパレート媒体の割合を算出し、単位時間当たりに前記搬送部により搬送された前記セパレート媒体の割合が第3の閾値以上である場合に、前記積載部がフルエラーにもたらすような状況であると判定してもよい。
【0014】
搬送部により搬送された媒体のうちセパレート媒体の割合が多い画像形成装置に対して、高頻度にセパレート媒体を排出すると、フルエラーになるまで排出されるシート状媒体の枚数が少なく、実行される印刷ジョブの数が少なくなる可能性がある。このため、単位時間当たりに搬送されたセパレート媒体の割合が第3の閾値以上であれば、積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定し、排出条件をセパレート媒体の排出を制限するように変更することにより、搬送されたセパレート媒体の割合が多い画像形成装置に対して、フルエラーになるまでできる限り多くの印刷ジョブを実行することができる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置において、複数の印刷ジョブを記憶する記憶部と、当該記憶部に記憶されている印刷ジョブに基づいて、画像が形成される前記シート状媒体の枚数を印刷ジョブ毎に取得する取得部とを備え、前記判定部は、前記取得部によって取得された前記シート状媒体の枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブが少なくとも2以上連続する場合に、前記積載部がフルエラーにもたらすような状況であると判定してもよい。
【0016】
少ない枚数のシート状媒体を形成する印刷ジョブが連続して形成される画像形成装置に対して、高頻度にセパレート媒体を排出すると、積載部がフルエラーになるまでの期間を短縮させてしまう可能性が高くなる。このため、シート状媒体の枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブが少なくとも2以上連続する場合であれば、積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定し、排出条件をセパレート媒体の排出を制限するように変更することにより、少ない枚数のシート状媒体を形成する印刷ジョブが連続して形成される画像形成装置に対して、積載部がフルエラーになるまでの期間を短縮させることを抑制することができる。
【0017】
また、本発明の画像形成装置において、前記排出条件は、前記シート状媒体が予め決められた単位で仕切られるように前記セパレート媒体を排出する条件であり、前記変更部は、前記排出条件を、前記予め決められた単位よりも大きい単位で前記シート状媒体が仕切られる条件に変更してもよい。
【0018】
セパレート媒体の排出条件を予め決められた単位よりも大きい単位でシート状媒体が仕切られる条件に変更することで、セパレート媒体の排出頻度が小さくなるので、積載部がフルエラーになるまでの期間を長くし、セパレート媒体によるフルエラーになる可能性を低減することができる。
【0019】
また、本発明の画像形成装置において、前記排出条件は、前記シート状媒体が予め決められた単位で仕切られるように前記セパレート紙を排出する条件であり、前記変更部は、前記排出条件を、前記セパレート媒体の排出をしない条件に変更してもよい。
【0020】
積載部がフルエラーをもたらすような状況であれば、当該画像形成装置がセパレート媒体を排紙しないことで、積載部がフルエラーになるまでの期間を長くなり、セパレート媒体によるフルエラーになる可能性を低減することができる。
【0021】
また、本発明の画像形成装置において、複数の前記積載部を備え、前記搬送部は、複数の前記積載部のうち排出対象である積載部が排紙不可能になった場合に、排出可能な他の積載部に切替えて前記シート状媒体と前記セパレート媒体とを排出し、前記変更部は、前記他の積載部に切替えた場合に、前記排出条件を変更してもよい。
【0022】
積載部がフルエラーをもたらすような状況であっても、直ちに排出条件を変更せず、他の積載部に切替えてから、排出条件を変更することで、同じ積載部の排紙条件を一致させることができ、ユーザに排出条件の変更による印刷物の仕分け処理の負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0023】
上記の画像形成装置によると、積載部にフルエラーをもたらすような状況である場合にセパレート媒体の排出条件を制限できるので、セパレート媒体の排出によって、積載部がフルエラーになることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す側断面図。
【図2】画像形成装置の排紙トレイの排紙口付近の拡大図。 A.排紙されている用紙が最大積載可能量に達していない状態を示す図; B.排紙されている用紙が最大積載可能量に達した状態を示す図。
【図3】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】排出条件を説明するための模式図。
【図5】排出条件の変更例を示す模式図。
【図6】セパレート紙の搬送制御の流れを示すフローチャート。
【図7】実施形態1の排出条件変更処理の流れを示すフローチャート。
【図8】実施形態2の排出条件変更処理の流れを示すフローチャート。
【図9】実施形態3の排出条件変更処理の流れを示すフローチャート。
【図10】実施形態4の排出条件変更処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
(1)画像形成装置
図1は、実施形態1に係る画像形成装置1の概略構成を示す側断面図である。以下の説明においては、図1における右側を前方とする。
【0026】
画像形成装置1は、本体ケーシング10、印刷用紙収容部20、セパレート紙収容部30、搬送部40、画像形成部50を備えている。
【0027】
印刷用紙収容部20は、画像が形成される印刷用紙21が積載される印刷用紙トレイ22を有している。印刷用紙トレイ22はバネ23によって上方に付勢されており、印刷用紙トレイ22の最も上に積載されている印刷用紙21はピックアップローラ41に圧接している。
【0028】
セパレート紙収容部30は、画像が形成された後の印刷用紙21を仕切るためのセパレート紙31が積載されるセパレート紙トレイ32を有している。セパレート紙トレイ32もバネ33によって上方に付勢されており、セパレート紙トレイ32の最も上に積載されているセパレート紙31はピックアップローラ42に圧接している。
【0029】
搬送部40は、ピックアップローラ41、42、各種のローラ43〜45、これらを回転駆動する図示しないステッピングモータなどを備えている。搬送部40は、印刷用紙収容部20に収容されている印刷用紙21を搬送経路Tに沿って搬送するとともに、セパレート紙収容部30に収容されているセパレート紙31を、後述する排出条件が満たされる毎に搬送経路Tに沿って搬送する。
【0030】
画像形成部50は、搬送部40によって搬送されている印刷用紙21に電子写真方式やインクジェット方式で画像を形成する。
【0031】
画像形成部50によって画像が形成された印刷用紙21は、本体ケーシング10の上壁を構成する排紙トレイ11に排出される。
【0032】
排紙トレイ11の排紙口付近には、排紙フルエラーを検知するフルセンサ60を備えている。なお、排紙フルエラーとは、排紙された用紙、すなわち、印刷用紙21とセパレート紙31が排紙トレイに載置可能な最大積載可能量に達している状態のことをいう。
【0033】
次に、図2を参照してフルセンサ60の構成を説明する。図2は、画像形成装置1の排紙トレイ11の排紙口付近の拡大図である。
【0034】
図2Aは図1の排紙トレイ11の排紙口付近の拡大図であって、排紙された用紙が最大積載可能量に達していない状態を示す図である。図2Bは図1の排紙トレイ11の排紙口付近の拡大図であって、排紙された用紙が最大積載可能量に達した状態を示す図である。
【0035】
図2Aに示すように、上側用紙ガイド板12の曲げ起こし部12aには12bを回転中心とする用紙ディテクター39とフルセンサ60が設けられている。用紙ディテクター39の端部39aは、用紙が排紙ローラ対45の間にない時は、自重で排紙ローラ45Aの軸部2aをストッパーとして静止している。この時、用紙ディテクター39の腕部39bはフルセンサ60の光軸を遮蔽しないように配設されている。
【0036】
搬送経路Tに沿って搬送された用紙が、排紙トレイ11にある一定の高さまで積載された場合、図2Bに示すように、用紙ディテクター39の端面39cが上方へ持ち上げられた状態となり、用紙ディテクター39の腕部39bがフルセンサ60の光軸を遮光する。この場合、一定の時間を越えても光軸が遮光されたままであれば、フルセンサ60がフルエラー信号をCPU61A(図3参照)に送出する。CPU61Aは、フルセンサ60からフルエラー信号を受け取ると、排紙トレイ11が排紙フルエラーの状態であると判断する。
(2)画像形成装置の電気的構成
図3は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【0037】
画像形成装置1は、制御部61、記憶部62、操作部63、表示部64、搬送部40、画像形成部50、フルセンサ60、ネットワークインターフェイス65を備えている。
【0038】
制御部61は、CPU61A、ROM61B、RAM61Cを有する。CPU61Aは、ROM61Bや記憶部62から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM61Cに記憶させながら、画像形成装置1の動作を制御する。ROM61Bには、画像形成装置1の動作を制御するための各種のプログラムやデータが記録されている。
【0039】
記憶部62には、例えばNVRAMやフラッシュROMが含まれる。記憶部62には、画像形成装置1の動作を制御するための各種のプログラムや、各種の設定値や、画像データ等が記録されている。また、記憶部62には後述の各カウンタ値を記憶する領域を有する。例えば、本実施例において、記憶部62には、画像形成装置1に電源が投入されてから排紙トレイ11が排紙フルエラーを発生したエラー回数のカウンタ値を記憶する。CPU61Aがフルセンサ60からフルエラー信号を受け取るたびに、記憶部62に記憶されている排紙フルエラーのエラー回数をカウンタ値をインクリメントし、更新されたカウンタ値を記憶する。なお、排紙フルエラーのエラー回数のカウンタ値は画像形成装置1の電源が切断された場合や、後述のセパレート紙31の排出条件が「変更後の排出条件」に変更されるとクリアされる。
【0040】
操作部63は、複数のボタンを備えている。ユーザは、操作部63を操作することによって各種の設定や後述する排出条件の設定などを行うことができる。
【0041】
表示部64は、液晶ディスプレイやランプ等を備えており、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。
【0042】
ネットワークインターフェイス65は、通信回線を介して端末装置等に接続されており、端末装置などから印刷ジョブを受信する。印刷ジョブとは、1以上のページの画像データ、ユーザ情報データ、印刷条件データなどからなるデータである。画像形成装置1が印刷ジョブを受信すると、記憶部62に記憶する。また、印刷ジョブが画像形成部50により形成された場合、画像形成装置1は該印刷ジョブを記憶部62から削除する。なお、受信した印刷ジョブをRAM61Cに記憶してもよい。
【0043】
(3)排出条件、および排出条件の変更
図4は、セパレート紙31を排出する排出条件を説明するための模式図である。排出条件は記憶部62に記憶されている。
【0044】
排出条件には、印刷用紙21を仕切る単位が設定される。印刷用紙21を仕切る単位とは、具体的には、時間単位、ジョブ単位、ユーザ単位、ジョブ毎の印刷枚数単位などである。
【0045】
例えば印刷用紙21を時間単位で仕切る場合は、排出条件として15分単位、30分単位、60分単位、120分単位などが設定される。例えば60分単位が設定されたとすると、画像形成装置1は毎時00分から経過時間のカウントを開始し、60分が経過したか否かを印刷用紙21に画像を印刷する毎に判断し、60分が経過したのであれば、その印刷用紙21への画像の印刷が終了した後にセパレート紙31を搬送する。
【0046】
なお、CPU61Aが経過時間を計数する。時間を計数するためのタイマーを設けても良い。該経過時間はセパレート紙31が排出するとクリアされる。
【0047】
より具体的には例えば、60分が経過した後の最初の印刷用紙21に画像を印刷した後に、その60分に対応するセパレート紙31が搬送される。つまり、実施形態1に係る時間単位は、必ずしも設定された時間が経過する毎にセパレート紙31が搬送されるものではない。
【0048】
また、例えば印刷用紙21をジョブ単位で仕切る場合は、排出条件として1ジョブ単位、5ジョブ単位などが設定される。例えば5ジョブ単位が設定されたとすると、画像形成装置1は5ジョブの印刷が終了する毎にセパレート紙31を搬送する。なお、画像形成部50は1つの印刷ジョブの印刷を終了すると、ジョブ終了コマンドをCPU61Aに通知する。
【0049】
また、ユーザ単位とは、先に印刷されたジョブのユーザと異なるユーザのジョブを印刷する場合に1ユーザとカウントされるものである。ユーザ単位で仕切る場合は1ユーザ単位、5ユーザ単位、10ユーザ単位などが設定される。
【0050】
また、ジョブ毎の印刷枚数単位で仕切る場合は5枚単位、10枚単位などが設定される。例えば10枚単位が設定され、印刷ジョブAの印刷枚数が6枚の場合、画像形成装置1は印刷ジョブAの印刷が終了した後セパレート紙31を搬送しない。一方、印刷ジョブBの印刷枚数が15枚の場合、画像形成装置1は印刷ジョブBの印刷が終了した後セパレート紙31を搬送する。
【0051】
なお、ユーザ単位及び、ジョブ毎の印刷枚数単位に関して、CPU61Aは、印刷ジョブのユーザ情報データからユーザを、印刷条件データからジョブ毎の印刷枚数を取得する。また、CPU61Aが画像形成装置1に電源を投入してから印刷したジョブ数、印刷したジョブのユーザ数を計数し、予め記憶部62に設定されているカウンタ値を更新する。設定された排出条件が満たされた場合、それらのカウンタ値がクリアされる。
【0052】
印刷用紙21を時間単位で仕切る排出条件は、時間を基準にする時間条件の一例であり、印刷用紙21をジョブ単位、ユーザ単位、及び、ジョブ毎の印刷枚数単位で仕切る排出条件は、時間を基準にしない非時間条件の一例である。
【0053】
排出条件として設定できる単位は一つに限定されない。例えば、排出条件として60分単位、5ジョブ単位、1ユーザ単位を同時に設定することもできる。つまり、排出条件は時間条件及び非時間条件の両方である場合もある。複数の単位が設定された場合は、その全ての単位毎にセパレート紙31が排出される。
【0054】
本実施形態において、制御部61は、排紙トレイ11が排紙フルエラーになったエラー回数が第1の閾値以上であると判定した場合、セパレート紙31の排出条件を変更する。排出条件を変更する目的は、セパレート紙31の高頻度な排出による排紙フルエラーの発生を抑制するためである。
【0055】
(4)排出条件の変更例
図5は、排出条件の変更例を示す模式図である。図中において「−」は図4に示す「OFF」を意味しており、「−」が設定されている単位は、その単位では印刷用紙21が仕切られないことを示している。
【0056】
ユーザは、操作部63を操作することにより、排紙トレイ11が排紙フルエラーになったエラー回数が第1の閾値未満であるときの排出条件(「通常の排出条件」という)、排紙トレイ11が、排紙フルエラーになったエラー回数が第1の閾値以上であるときに変更する排出条件(「変更後の排出条件」という)を予め設定しておくことができる。それらの排出条件の設定値は記憶部62に記憶される。
【0057】
(4−1)変更例1
変更例1は、「通常の排出条件」として非時間条件を設定し、「変更後の排出条件」として時間条件を設定した例である。具体的には、「通常の排出条件」として1ジョブ単位を設定し、「変更後の排出条件」として60分単位を設定した例である。
【0058】
なお、「通常の排出条件」として時間条件を設定し、「変更後の排出条件」として非時間条件を設定することもできる。
【0059】
ユーザは、「通常の排出条件」に比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなるように「変更後の排出条件」を設定することが望ましい。
【0060】
例えば、「通常の排出条件」として1ジョブ単位が設定されており、平均して120分に1ジョブの印刷が行われているとした場合に、「変更後の排出条件」を60分単位とすると、変更前は120分でセパレート紙31が1枚排出されるのに対し、変更後は120分でセパレート紙31が最大2枚排出されることになり、却ってセパレート紙31が多く排出されてしまうことが起こり得る。従って、この場合は、「変更後の排出条件」として120分より長い時間を設定することが望ましい。
【0061】
ただし、画像形成装置1は、上述した例において120分以下の時間を設定することを禁止するものではない。過去の印刷の傾向を把握していない状態ではセパレート紙31の高頻度な排出による排紙フルエラーの発生を抑制できる時間単位を判断できないからである。
【0062】
なお、過去の印刷の傾向を把握し、変更前よりもセパレート紙31が多く排出されることになる時間の設定を禁止してもよい。
【0063】
(4−2)変更例2
変更例2は、非時間条件から非時間条件に変更する例であって、排出条件を同じ単位の間で変更する例である。同じ単位の間とは、ジョブ単位ならジョブ単位、ユーザ単位ならユーザ単位、時間単位なら時間単位、ジョブ毎の印刷枚数単位ならジョブ毎の印刷枚数単位のことをいう。
【0064】
排出条件を同じ単位の間で変更する場合は、セパレート紙31の高頻度な排出による排紙フルエラーの発生を抑制するために、画像形成装置1は「通常の排出条件」で設定されている単位より小さい単位で「変更後の排出条件」を設定することを禁止する。
【0065】
例えば、仮に「通常の排出条件」に5ジョブ単位が設定されていたとすると、画像形成装置1は「変更後の排出条件」に5ジョブ以下の単位を設定することを禁止する。
【0066】
(4−3)変更例3
変更例3は、非時間条件から非時間条件に変更する例であるが、「通常の排出条件」はジョブ単位であるのに対し、「変更後の排出条件」はユーザ単位である。このように、非時間条件の中で異なる単位に変更してもよい。
【0067】
この場合も、ユーザは「通常の排出条件」に比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなるように「変更後の排出条件」を設定することが望ましい。
【0068】
例えば、仮に「通常の排出条件」として5ジョブ単位が設定されており、平均して1ジョブ毎にユーザが替わっているとした場合に、「変更後の排出条件」を1ユーザ単位とすると、変更前は5ジョブでセパレート紙31が1枚排出されるのに対し、変更後は5ジョブでセパレート紙31が5枚排出されることになり、セパレート紙31が多く排出されてしまう。従って、この場合は、「変更後の排出条件」として5ユーザより多いユーザ数を設定することが望ましい。
【0069】
ただし、画像形成装置1は、上述した例において5ユーザ以下のユーザ数を設定することを禁止するものではない。過去の印刷の傾向を把握していない状態ではセパレート紙31の高頻度な排出による排紙フルエラーの発生を抑制できるユーザ数を判断できないからである。
【0070】
なお、過去の印刷の傾向を把握し、変更前よりもセパレート紙31が多く排出されることになるユーザ数の設定を禁止してもよい。
【0071】
(4−4)変更例4
変更例4は、排出条件として複数の単位が設定されている例である。このように、排出条件には複数の単位を同時に設定することもできる。ただし、変更例2と同様に、排出条件を同じ単位の間で変更する場合は、画像形成装置1は、「通常の排出条件」で設定されている単位より小さい単位で「変更後の排出条件」を設定することを禁止する。
【0072】
例えば、「通常の排出条件」に60分が設定されている場合は、画像形成装置1は「変更後の排出条件」に60分以下の単位を設定することを禁止する。同様に、「通常の排出条件」に5ジョブ単位が設定されている場合は、「変更後の排出条件」に5ジョブ以下の単位を設定することを禁止する。ジョブ毎の印刷枚数単位についても同様である。
【0073】
なお、いずれか一つの単位について「通常の排出条件」に設定されている単位より大きい単位が「変更後の排出条件」に設定された場合は、他の単位については「通常の排出条件」に設定されている単位と同じ単位が設定されてもよい。
【0074】
(5)セパレート紙の搬送動作
本実施例において、ユーザは、操作部63を操作してセパレート紙31の排出に関する画像形成装置1の動作設定を行うことができる。
【0075】
「セパレート紙搬送」は、排出条件が満たされる毎にセパレート紙31を搬送するか否かを設定する項目であり、「ON」のときは排出条件が満たされる毎にセパレート紙31が搬送され、「OFF」のときは排出条件が満たされてもセパレート紙31は搬送されない。
【0076】
「セパレート紙搬送」に「ON」に設定されている状態で、CPU61Aによって排紙トレイ11が、排紙フルエラーになったエラー回数が第1の閾値以上であると判定された場合、画像形成装置1が「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更する。これにより、セパレート紙31の高頻度な排出による排紙フルエラーの発生を抑制できる。なお、該画像形成装置1のデフォルト排出条件は「通常の排出条件」である。
【0077】
ここで、排紙フルエラーになったエラー回数が第1の閾値以上であることは、排紙トレイ11が排紙フルエラーをもたらすような状況であると考えられる。なぜならば、排紙フルエラーになったエラー回数が多いと、該排紙トレイ11に高頻度に用紙を排紙される可能性が高く、該排紙トレイ11が排紙フルエラーになりやすい傾向が予想される。
【0078】
(6)セパレート紙の搬送制御
次に、前記セパレート紙31の搬送動作を実現させるセパレート紙31の搬送制御について説明する。
【0079】
(6−1)セパレート紙の搬送制御処理
図6は、セパレート紙の搬送制御処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、前の印刷用紙21が搬送経路Tに送り出された後、次の印刷用紙21が搬送経路Tに送り出される前に実行される。
【0080】
S101では、CPU61Aは「セパレート紙搬送」が「ON」であるか否かを判定し、「ON」である場合はS102に進み、「OFF」である場合は本処理を終了する。
【0081】
S102では、CPU61Aは「排出条件変更処理」を実行する。本実施形態において、排出条件変更処理は、排紙トレイ11が排紙フルエラーになったエラー回数が第1の閾値以上であるか否かを判定し、第1の閾値以上である場合に排出条件を変更する処理である。
【0082】
S103では、CPU61Aは排出条件が満たされているか否かを判定する。
【0083】
例えば排出条件として60分単位が設定されている場合は、60分が経過していれば排出条件が満たされていると判定する。
【0084】
また、例えば排出条件として1ユーザ単位が設定されている場合は、前の印刷用紙21が一つの印刷ジョブの最後の印刷用紙21であり、且つ、当該印刷ジョブのユーザと次の印刷用紙21に画像を形成する印刷ジョブのユーザとが異なっていれば排出条件が満たされていると判定する。
【0085】
CPU61Aは、排出条件が満たされている場合はS104に進み、満たされていない場合は本搬送制御処理を終了する。
【0086】
S104では、CPU61Aは搬送部40を制御してセパレート紙31を1枚搬送し、本搬送制御処理を終了する。
【0087】
(6−2)排出条件変更処理
図7は、図6の排出条件変更処理の流れを示すフローチャートである。
【0088】
S201では、CPU61Aは画像形成装置1の電源が投入されてから排紙フルエラーを発生したエラー回数を取得する。ここで、CPU61Aが記憶部62から現在のカウンタ値を取得する。
【0089】
S202では、CPU61AはS201で取得したカウンタ値、すなわち、画像形成装置1の電源が投入されてから排紙フルエラーを発生したエラー回数が第1の閾値以上であるか否かを判定する。尚、第1の閾値はユーザにより、操作部63を介して設定することができる。
【0090】
具体的には例えば、第1の閾値が3回と設定されている場合、CPU61Aは、画像形成装置1の電源が投入されてから排紙フルエラーを発生したエラー回数が3回以上か否かを判断する。
【0091】
CPU61Aは、排紙フルエラーを発生したエラー回数が第1の閾値以上であると判断した場合はS205に進み、第1の閾値未満であると判断した場合はS203に進む。
【0092】
S203では、CPU61Aは現在の排出条件が「通常の排出条件」であるか否かを判定する。
【0093】
ここでは排紙フルエラーを発生したエラー回数が3回未満である状態なので、現在の排出条件が「通常の排出条件」ではない場合は、「通常の排出条件」に戻す必要がある。そこで、CPU61Aは、現在の排出条件が「通常の排出条件」ではない場合、すなわち、「変更後の排出条件」である場合はS204に進み、「通常の排出条件」である場合は図6の搬送制御処理に戻る。
【0094】
S204では、CPU61Aは排出条件を「通常の排出条件」に戻す。
【0095】
S205では、CPU61Aは現在の排出条件が「通常の排出条件」であるか否かを判定する。ここでは排紙フルエラーを発生したエラー回数が3回以上である状態なので、現在の排出条件が「通常の排出条件」の場合は、「変更後の排出条件」に変更する必要がある。そこで、CPU61Aは、現在の排出条件が「通常の排出条件」である場合はS206に進み、「通常の排出条件」ではない場合は図6の搬送制御処理に戻る。
【0096】
S206では、CPU61Aは排出条件を「変更後の排出条件」に変更し、記憶部62に記憶されているエラー回数のカウンタ値をクリアする。
【0097】
(7)実施形態の効果
以上のセパレート紙搬送処理によれば、排紙トレイ11が、排紙フルエラーを発生したエラー回数が第1の閾値以上であると判定された場合、画像形成装置1が「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更する。
【0098】
本実施形態によれば、排紙部11が排紙フルエラーをもたらすような状況である場合にセパレート媒体31の排出を制限できるので、セパレート媒体31の排出によって、排紙部11が排紙フルエラーになることを抑制することができる。
【0099】
また、本実施形態によれば、排紙トレイ11が排紙フルエラーを発生したエラー回数が多い画像形成装置1に対して、高頻度にセパレート紙31を排出すると、排紙フルエラーの発生をさらに増大させてしまう可能性が高くなる。このため、画像形成装置1の電源が投入されてから排紙フルエラーを発生したエラー回数が第1の閾値以上である場合、すなわち、排紙部11が排紙フルエラーをもたらすような状況である場合、画像形成装置1が「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更することにより、実際に排紙フルエラーが多く発生している画像形成装置1に対して、排紙フルエラーの発生をさらに増大させることを抑制することができる。
【0100】
また、画像形成装置1が「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更することで、排紙部11が排紙フルエラーになるまでの期間を長くなり、セパレート紙31による排紙フルエラーになる可能性を低減することができる。
【0101】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を説明する。図8は、図6の排出条件変更処理の流れを示すフローチャートである。
【0102】
実施形態1では、排出条件変更処理において、排紙トレイ11が排紙フルエラーを発生したエラー回数が第1の閾値以上である場合、セパレート紙31の排出条件を「通常の排出条件」をそれよりセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更することを例に説明したが、実施形態2では、排紙トレイ11がニアフルになった場合、セパレート紙31の排出条件を変更する。
【0103】
ここで、排紙トレイ11がニアフルになったことは、排紙トレイ11が排紙フルエラーをもたらすような状況であると考えられる。なぜならば、排紙トレイ11がニアフルになると、排紙フルエラーになるまでの期間が短いことが予想される。
【0104】
このため、図8の排出条件変更処理の流れを示すフローチャートにおいて、S301では、CPU61Aは排紙トレイ11がニアフルになったか否かを判定する。
【0105】
CPU61Aは、排紙トレイ11がニアフルになった場合はS205に進み、排紙トレイ11がニアフルになっていない場合はS203に進む。
【0106】
ここで、排紙トレイ11のニアフルは、排紙トレイ11に排紙されている用紙がまもなく最大積載可能量に達する状態である。このため、排紙トレイ11の排紙口付近にニアフルを検出できるフルセンサ60Bを備える。フルセンサ60Bは前述のフルセンサ60と違い、フルセンサ60Bの光軸を透過する光量を検知することができる。CPU61Aはフルセンサ60Bが透過した光量でニアフルと排紙フルエラーを判断する。
【0107】
より具体的に、図2Aに示すように、排紙トレイ11に排紙されている用紙がニアフルに達していない状態では、用紙ディテクター39の腕部39bはフルセンサ60の光軸を遮蔽しない位置に配設されている。この状態において、フルセンサ60Bの光軸を透過する光量は最大光量である。
【0108】
それに対して、排紙トレイ11に排紙されている用紙がフルエラー状態に達している状態では、図2Bに示すように、用紙ディテクター39の端面39cが上方へ持ち上げられた状態となり、用紙ディテクター39の腕部39bがフルセンサ60Bの光軸を遮光し、透過された光量が0になる。この場合、一定の時間を越えても光軸が遮光されたまま、すなわち、一定の時間を越えても光軸を透過する光量が0のままであれば、フルセンサ60がフルエラー信号をCPU61Aに送出する。
【0109】
また、排紙トレイ11に排紙されている用紙がニアフル状態に達している状態では、用紙ディテクター39の端面39cがある程度上方へ持ち上げられた状態となり、用紙ディテクター39の腕部39bがフルセンサ60Bの光軸を一部遮光している状態となる。よって、光軸を透過する光量は0と最大光量との間の値となる。そして、一定の時間を越えても第2の閾値以下の光量が透過された状態のままであれば、フルセンサ60Bがニアフル信号をCPU61Aに送出する。なお、第2の閾値はユーザにより、操作部63を介して設定することができる。
【0110】
実施形態2はその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
【0111】
実施形態2によれば、排紙部11がニアフルになった画像形成装置1に対して、高頻度にセパレート紙31を排出すると、排紙部11が排紙フルエラーになるまでの期間を短縮させてしまう可能性が高くなる。このため、排紙部11がニアフルである場合、すなわち、排紙部11が排紙フルエラーをもたらすような状況である場合、画像形成装置1が「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更することにより、排紙部11がニアフルになった画像形成装置1に対して、排紙部11が排紙フルエラーになるまでの期間を短縮させることを抑制することができる。
【0112】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を説明する。図9は、図6の排出条件変更処理の流れを示すフローチャートである。
【0113】
実施形態3では、排出条件変更処理において、排紙トレイ11に排出された印刷用紙21の枚数に対するセパレート紙31の割合が第3の閾値以上である場合、セパレート紙31の排出条件を「通常の排出条件」をそれよりセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更する。
【0114】
ここで、排紙トレイ11に排出された印刷用紙21の枚数に対するセパレート紙31の割合が第3の閾値以上であることは、排紙トレイ11が排紙フルエラーをもたらすような状況であると考えられる。なぜならば、セパレート紙31の割合が高く、すなわち、高頻度にセパレート用紙が排出されると、排紙フルエラーになるまでの期間中に実行できるが印刷ジョブの数が少なく、排紙フルエラーになるまでの期間が短いことが予想される。このため、画像形成装置1は電源が投入されてから排紙トレイ11に排紙された印刷用紙21の枚数Aとセパレート紙31の枚数Bとをそれぞれ計数するための機構を備えており、図9の排出条件変更処理の流れを示すフローチャートにおいて、S401では、CPU61Aは印刷用紙21の枚数Aとセパレート紙31の枚数Bのカウント値をそれぞれ取得する。
【0115】
ここで、排紙トレイ11に排紙された印刷用紙21の枚数Aとセパレート紙31の枚数Bとをそれぞれ計数する機構を説明する。例えば、搬送経路Tにおいて、ピックアップローラ41、42の付近にセンサ(非図示)をそれぞれ設けることで、印刷用紙21またはセパレート紙31がセンサを通過すると、信号をCPU31Aに送出する。CPU61Aが信号を受信するたびに、予め記憶部62に設定された枚数Aと枚数Bを計数するための2つのカウンタ値をインクリメントする。印刷用紙21またはセパレート紙31が搬送中に紙詰まりになった場合、CPU61Aは紙詰まりになった紙の枚数Aまたは枚数Bカウント値を差し引けばよい。
【0116】
S402では、CPU61AはS401で取得したカウンタ値、すなわち、枚数Aと枚数Bを用いて、画像形成装置1の電源が投入されてから排紙トレイ11に排出された全ての用紙の枚数に対するセパレート紙31の割合(すなわち、B/(A+B))が第3の閾値以上であるか否かを判定する。第3の閾値はユーザにより設定してもよい。
【0117】
CPU61Aは、排紙トレイ11に排出されたセパレート紙31の割合が第3の閾値以上である場合はS205に進み、第1の閾値未満である場合はS203に進む。
【0118】
実施形態3はその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
【0119】
実施形態3によれば、排出された用紙のうちセパレート紙31の割合が多い画像形成装置1に対して、高頻度にセパレート紙31を排出すると、排紙部11が排紙フルエラーになるまで排出される印刷用紙21の枚数が少なく、実行される印刷ジョブの数が少なくなる可能性がある。このため、画像形成装置1の電源が投入されてから排紙トレイ11に排出された全ての用紙の枚数に対するセパレート紙31の割合(すなわち、B/(A+B))が第3の閾値以上である場合、すなわち、排紙部11が排紙フルエラーをもたらすような状況である場合、画像形成装置1が「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更することにより、排紙されたセパレート用紙の割合が多い画像形成装置1に対して、排紙部11が排紙フルエラーになるまでできる限り多くの印刷ジョブを実行することができる。
【0120】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を説明する。図10は、図6の排出条件変更処理の流れを示すフローチャートである。
【0121】
実施形態4では、印刷枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブを連続2以上印刷する場合、セパレート紙31の排出条件を「通常の排出条件」をそれよりセパレート紙31が排出される頻度が小さくなるように「変更後の排出条件」に変更する。
【0122】
ここで、印刷枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブを連続2以上印刷することは、排紙トレイ11が排紙フルエラーをもたらすような状況であると考えられる。なぜならば、少ない印刷枚数の印刷ジョブが連続して印刷されると、セパレート紙31が高頻度に排出され、排紙フルエラーになるまでの期間が短いことが予想される。
【0123】
このため、図10の排出条件変更処理の流れを示すフローチャートにおいて、S501では、CPU61Aは記憶部62に記憶されている複数の印刷ジョブの印刷枚数をそれぞれ取得する。
【0124】
ここで、例えば印刷ジョブの印刷条件データには印刷枚数などの情報が含まれている。CPU61Aは各印刷ジョブの印刷条件データから印刷枚数を取得する。
【0125】
S502では、これら複数の印刷ジョブのうち、印刷枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブが連続2以上である否かを判定する。第4の閾値はユーザにより設定してもよい。
【0126】
CPU61Aは、ジョブ毎の印刷枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブが連続2以上である場合はS205に進み、ジョブ毎の印刷枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブが1つのみの場合はS203に進む。なお、本実施形態には、連続2以上の印刷ジョブを判断基準としたが、連続3以上などでもよい。
【0127】
実施形態4はその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
【0128】
実施形態4によれば、印刷枚数が少ない印刷ジョブが連続して印刷される画像形成装置1に対して、高頻度にセパレート紙31を排出すると、排出部11が排紙フルエラーになるまでの期間を短縮させてしまう可能性が高くなる。
【0129】
例えば、排出条件が時間単位に設定されている場合、印刷枚数が6枚の印刷ジョブを1つ印刷するよりも、印刷枚数が2枚の印刷ジョブを3つ印刷するほうが印刷に時間がかかるため、セパレート紙31を排出する頻度が高くなるといえる。
【0130】
また、排出条件がジョブ単位に設定されている場合、印刷枚数が6枚の印刷ジョブを1つ印刷するよりも、印刷枚数が2枚の印刷ジョブを3つ印刷するほうが、セパレート紙31を排出する頻度が高くなる。
【0131】
また、排出条件がユーザ単位に設定されている場合、印刷枚数が6枚の印刷ジョブを1つ印刷するよりも、印刷枚数が2枚の印刷ジョブを3つ印刷するほうが、ユーザが変わる可能性が高いため、セパレート紙31を排出する頻度が高くなるといえる。
【0132】
このため、記憶部62にジョブ毎の印刷枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブが連続2以上を記憶されているであれば、すなわち、排紙部11が排紙フルエラーをもたらすような状況である場合、画像形成装置1が「通常の排出条件」をそれに比べてセパレート紙31が排出される頻度が小さくなる「変更後の排出条件」に変更することにより、印刷枚数が少ない印刷ジョブが連続して印刷される画像形成装置1に対して、排出部11が排紙フルエラーになるまでの期間を短縮させることを抑制することができる。
【0133】
なお、排出条件がジョブ毎の印刷枚数単位に設定されている場合、第4の閾値を「通常の排出条件」として設定されている印刷枚数単位(例えば5枚)以上、かつ、「変更後の排出条件」として設定されている印刷枚数単位(例えば10枚)未満であることが望ましい。
【0134】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0135】
(1)実施形態1では、画像形成装置1の電源が投入されてから排紙フルエラーを発生したエラー回数が計数されたが、単位時間当たりに排紙フルエラーを発生したエラー回数を計算してもよい。実施形態3も同様に適用できる。
【0136】
(2)実施形態1では、画像形成装置1の電源が投入されてから排紙フルエラーを発生したエラー回数が計数されたが、一日ごとに計数してもよく、排紙トレイ11が空になってから計数してもよい。また、このような計数方法は実施形態3の枚数Aまたは枚数Bの計数にも同様に適応できる。その場合、記憶部62に記憶されているエラー回数や枚数Aや枚数Bのカウント値は、一日の終わりや、排紙トレイが空になった際に、クリアされる。
【0137】
(3)実施形態1〜4では、CPU61Aはセパレート紙31の排出条件を「通常の排出条件」をそれよりセパレート紙31が排出される頻度が小さくなるように「変更後の排出条件」に変更したが、セパレート紙31の排出を禁止することに変更してもよい。これにより、排紙トレイ11が排紙フルエラーになるまでの期間を長くし、セパレート紙31の排出によって排紙フルエラーになる可能性をできる限り減らすことができる。
【0138】
(4)実施形態1〜4では、画像形成装置1に排紙トレイが1つのみ備えられている構成であるが、2つ以上の排紙トレイを有してもよい。その場合、例えば排紙トレイAが排紙フルエラーになる前に、CPU61Aがセパレート紙31の排出条件を「通常の排出条件」を「変更後の排出条件」に変更する必要があると判定したとしても、直ちに変更せず、排紙トレイAから排紙トレイBに切替えてから変更することが望ましい。これにより、同じ排紙トレイの排紙条件を一致させることができ、ユーザに排出条件の変更による印刷物の仕分け処理負担を軽減できる。
【0139】
(5)実施形態1〜4では、CPU61Aはセパレート紙31の排出条件を「通常の排出条件」を「変更後の排出条件」に変更した場合、表示部64にメッセージ出力を出力し、排出条件が変更されたことをユーザに報知してもよい。また、排出条件が変更されてから初めてのセパレート紙31に排出条件が変更された旨のメッセージをセパレート紙31に印刷してもよい。
【0140】
(6)実施形態1〜4では、排出条件変更処理においてセパレート紙31の排出条件を変更するか否かの判断(S202,S301,S402,S502)をそれぞれ別々に説明していたが、これらの判断を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1・・・・画像形成装置
11・・・排紙トレイ(積載部の一例)
20・・・印刷用紙収容部(シート状媒体収容部の一例)
21・・・印刷用紙(シート状媒体の一例)
30・・・セパレート紙収容部(セパレート媒体収容部の一例)
31・・・セパレート紙(セパレート媒体の一例)
40・・・搬送部
50・・・画像形成部
60・・・フルセンサ(判定部の一例)
61・・・制御部(排出条件判定部、判定部、変更部の一例)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに基づいて画像が形成されるシート状媒体を収容するシート状媒体収容部と、
画像が形成された後の前記シート状媒体を仕切るためのセパレート媒体を収容するセパレート媒体収容部と、
前記セパレート媒体を排出する排出条件が満たされたか否かを判定する排出条件判定部と、
前記シート状媒体を搬送するとともに、前記排出条件判定部によって前記排出条件が満たされたと判定される毎に前記セパレート媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記シート状媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送部によって搬送された前記シート状媒体と前記セパレート媒体とが積載される積載部と、
前記積載部に積載されている前記媒体の枚数が最大積載枚数に達するフルエラーをもたらすような状況であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記積載部が前記フルエラーをもたらすような状況であると判定されると、前記排出条件を前記セパレート媒体の排出を制限するように変更する変更部と、
を備える画像形成装置。

【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記判定部は、単位時間当たりに発生する前記フルエラーの回数をカウントし、そのカウント値が第1の閾値以上である場合に、前記積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定する、画像形成装置。

【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記判定部は、前記積載部に積載されている前記媒体の積載量を検出し、その検出された積載量が第2閾値以上である場合に、前記積載部がフルエラーをもたらすような状況であると判定する、画像形成装置。

【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記判定部は、単位時間当たりに前記搬送部により搬送された前記媒体のうち前記セパレート媒体の割合を算出し、単位時間当たりに前記搬送部により搬送された前記セパレート媒体の割合が第3の閾値以上である場合に、前記積載部がフルエラーにもたらすような状況であると判定する、画像形成装置。

【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、
複数の印刷ジョブを記憶する記憶部と、
当該記憶部に記憶されている印刷ジョブに基づいて、画像が形成される前記シート状媒体の枚数を印刷ジョブ毎に取得する取得部とを備え、
前記判定部は、前記取得部によって取得された前記シート状媒体の枚数が第4の閾値以下の印刷ジョブが少なくとも2以上連続する場合に、前記積載部がフルエラーにもたらすような状況であると判定する、画像形成装置。

【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記排出条件は、前記シート状媒体が予め決められた単位で仕切られるように前記セパレート媒体を排出する条件であり、
前記変更部は、前記排出条件を、前記予め決められた単位よりも大きい単位で前記シート状媒体が仕切られる条件に変更する、画像形成装置。

【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記排出条件は、前記シート状媒体が予め決められた単位で仕切られるように前記セパレート紙を排出する条件であり、
前記変更部は、前記排出条件を、前記セパレート媒体の排出をしない条件に変更する、画像形成装置。

【請求項8】
請求項1ないし請求項7に記載の画像形成装置であって、
複数の前記積載部を備え、
前記搬送部は、複数の前記積載部のうち排出対象である積載部が排紙不可能になった場合に、排出可能な他の積載部に切替えて前記シート状媒体と前記セパレート媒体とを排出し、
前記変更部は、前記他の積載部に切替えた場合に、前記排出条件を変更する、画像形成装置。
































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−6676(P2013−6676A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141621(P2011−141621)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】