説明

画像表示装置

【課題】 画像データの表示機能と緊急災害速報の報知機能とを兼ね備えて機能性を高めた画像表示装置を提供する。
【解決手段】 画像表示装置は、各種入力操作を行う操作手段により所定の入力操作が行われると、画像データを表示する表示手段の表示機能と受信した緊急災害速報に基づく災害情報を音声によりユーザに報知する報知手段の報知機能を停止状態とし、ネットワークを介して緊急災害速報を受信する受信手段の受信機能を活性化状態のまま受信待ち状態とし、前記受信待ち状態のときに前記受信手段により前記緊急災害速報を受信すると、前記報知手段の報知機能を活性化状態として災害情報を報知するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像データを表示する画像表示装置に関するものであり、特に、気象庁が配信する緊急地震速報等の緊急災害速報を受信してユーザに報知する機能を備えた画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、気象庁が提供する緊急地震速報に基づいてユーザの現在位置に応じて予測震度及び到達猶予時間を算出し、報知する緊急地震速報サービスが開発されている。この緊急地震速報サービスでは、気象庁が提供する緊急地震速報の電文データに含まれる震源情報(緯度、経度、深さ、マグニチュード)とサーバに各ユーザの所在位置として事前登録されている対象地点情報(緯度、経度、地盤増幅度)から、対象地点における予測震度と到達猶予時間を直ちに演算し、主要動到達前にユーザに報知を行う仕組みとなっている。
【0003】
このような緊急地震速報サービスに用いられる報知装置に関する従来例としては、例えば、下記の特許文献1(特開2008−117166号公報)に記載されている。この特許文献1に記載されている報知装置は、災害発生時に実施すべき事項を表す報知内容を優先順位に従って報知するように構成されている。
【0004】
また近年、デジタルカメラや携帯電話で撮影したデジタル静止画像をメモリカードなどから取り込んで写真立てのように表示させたり、スライドショー機能により複数画像を切り替えて表示させたりすることによって、手軽にデジタル写真を日常的に楽しむことができるデジタルフォトフレーム(電子式写真立て)が普及し始めている。
【0005】
このような電子式写真立てに関する従来例としては、例えば、下記の特許文献2(特開平10−83146号公報)に記載されている。この特許文献2に記載されている電子式写真立ては、寝室に設置され、就寝時には写真データの表示を自動的に停止し、起床時には写真データの表示を自動的に開始することができるように構成されている。
【特許文献1】特開2008−117166号公報(段落[0042]〜[0045]、図2)
【特許文献2】特開平10−83146号公報(段落[0068]〜[0070]、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の緊急地震速報サービスに用いられる報知装置は、専ら地震情報を報知するための専用装置として用いられることが多く、居住スペースとの関係から設置場所が重要視されることがある。このため、ユーザの居住スペースが損なわれないように装置の小型化が要求されたり、居住スペースに適応したデザイン性に優れた装置が求められたりしている。
【0007】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、デジタルフォトフレームとして用いられる画像表示装置に緊急災害速報を受信してユーザに報知する機能を設けるようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、画像データの表示機能と緊急災害速報の報知機能とを兼ね備えて機能性を高めた画像表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、画像データを表示する表示手段(例えば下記実施例では、表示部11に相当する)と、各種入力操作を行う操作手段(例えば下記実施例では、操作部12に相当する)と、ネットワークを介して緊急災害速報を受信する受信手段(例えば下記実施例では、データ通信モジュール17に相当する)と、前記受信手段により受信した緊急災害速報に基づく災害情報を音声によりユーザに報知する報知手段(例えば下記実施例では、音声出力部18に相当する)と、前記各手段への電源供給を制御することにより当該各手段の機能を活性化状態あるいは停止状態となるように制御するスイッチ制御手段(例えば下記実施例では、電源制御部16および制御部19に相当する)と、を備え、前記スイッチ制御手段は、前記操作手段により所定の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態とし、前記受信手段の受信機能を活性化状態のまま受信待ち状態とし、前記受信待ち状態のときに前記受信手段により前記緊急災害速報を受信すると、前記報知手段の報知機能を活性化状態として災害情報を報知するよう制御することを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像表示装置において、音楽データを再生する再生手段(例えば下記実施例では、音声出力部18および制御部19に相当する)を備え、前記所定の入力操作が音楽のみを再生させるための入力操作である場合には、前記スイッチ制御手段は、前記再生手段の再生機能を活性化状態として音楽データを再生するよう制御することを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係る画像表示装置において、前記スイッチ制御手段は、前記操作手段により電源切断の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態とし、前記受信手段の受信機能と前記操作手段の操作機能を活性化状態のまま受信待ち状態とし、前記操作手段により電源供給の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を活性化状態とし、前記受信手段により前記緊急災害速報を受信すると、前記報知手段により災害情報を報知するよう制御することを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項3に係る画像表示装置において、前記報知手段により災害情報を報知するとカウントを開始するタイマを備え、前記スイッチ制御手段は、前記タイマが所定時間までカウントすると前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態となるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明においては、画像表示装置は、各種入力操作を行う操作手段により所定の入力操作が行われると、画像データを表示する表示手段の表示機能と受信した緊急災害速報に基づく災害情報を音声によりユーザに報知する報知手段の報知機能を停止状態とし、ネットワークを介して緊急災害速報を受信する受信手段の受信機能を活性化状態のまま受信待ち状態とし、前記受信待ち状態のときに前記受信手段により前記緊急災害速報を受信すると、前記報知手段の報知機能を活性化状態として災害情報を報知するよう制御する。
【0014】
このような構成によれば、画像表示装置のデジタルフォトフレームとして表示機能を停止状態にしても緊急災害速報を受信できる受信待ち状態に保つことができるため、画像表示機能を備えた災害情報報知装置としても利用することができるので、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0015】
また、請求項2に係る発明のおいては、請求項1に係る画像表示装置において、音楽データを再生する再生手段を設け、この再生手段の再生機能を活性化状態として音楽データを再生するよう制御する。
【0016】
このような構成によれば、画像表示装置のデジタルフォトフレームとして表示機能を停止状態にしても音楽を聴きながら緊急災害速報を受信できる受信待ち状態に保つことができるため、画像表示機能を備えた災害情報報知装置とともに音楽再生装置としても利用することができるので、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0017】
また、請求項3に係る発明のおいては、請求項1に係る画像表示装置において、前記操作手段により電源切断の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態とし、前記受信手段の受信機能と前記操作手段の操作機能を活性化状態のまま受信待ち状態とし、前記操作手段により電源供給の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を活性化状態とし、前記受信手段により前記緊急災害速報を受信すると、前記報知手段により災害情報を報知するよう制御する。
【0018】
このような構成によれば、画像表示装置のデジタルフォトフレームとして表示機能を停止状態にしても緊急災害速報を受信できる受信待ち状態に保つことができるため、画像表示機能を備えた災害情報報知装置としても利用することができるので、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0019】
また、請求項4に係る発明のおいては、請求項3に係る画像表示装置において、前記報知手段により災害情報を報知するとカウントを開始するタイマを備え、前記タイマが所定時間までカウントすると前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態となるように制御する。
【0020】
このような構成によれば、タイマが所定時間までカウントすると自動的に表示手段の表示機能と報知手段の報知機能を停止状態とするため、画像表示装置のデジタルフォトフレームとして表示機能を停止状態にしても緊急災害速報を受信できる受信待ち状態に保つことができるとともに、ユーザが操作することなく不要な電力消費を回避することができるので、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのデジタルフォトフレームを例示するものであって、本発明をこのデジタルフォトフレームに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の画像表示装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の実施例に係るデジタルフォトフレームの一例を示す斜視図、図2は、図1におけるデジタルフォトフレームの背面図、図3は、本発明の実施例に係るデジタルフォトフレームの構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施例に係るデジタルフォトフレーム10は、図1で示すように、矩形で扁平状の筐体の前面に設けられた表示部11と、筐体の背面中央に設けられたスタンド20とからなる。そして、筐体前面の下隅には、電源スイッチ21が設けられている。
【0024】
また、図2で示すように、デジタルフォトフレーム10の背面には、縦置き/横置きの調整が可能なスタンド20の他に、上方左右両側にステレオスピーカー22−1,22−2と、下方右側にDC電源端子23、SDカード/メモリースティック用スロット24、USBメモリ端子25と、下方左側に音量ダイヤル26、ヘッドホン端子27、中央左側に操作部12が設けられている。なお、本実施例では、電源スイッチ21をデジタルフォトフレーム10の前面側に設けているが、背面側の操作部12に設けてもよい。
【0025】
さらに、デジタルフォトフレーム10は、図3に示すように、表示部11、操作部12、内蔵メモリ13、外部メモリインターフェース14、フォトセンサー15、電源制御部16、データ通信モジュール17、音声出力部18、制御部19などを備えて構成されている。なお、表示部11は本発明の表示手段に相当し、操作部12は本発明の操作手段に相当し、データ通信モジュール17は本発明の受信手段に相当し、音声出力部18は本発明の報知手段に相当し、電源制御部16および制御部19は本発明のスイッチ制御手段に相当に相当し、音声出力部18および制御部19は本発明の再生手段に相当する。
【0026】
表示部11は、デジタルフォトフレーム10の前面側に設けられた液晶ディスプレイから構成されるLCDモジュール11−1と、その裏面に設けられたLED11−2およびLEDバックライトコントローラ11−3とから構成され、制御部19の制御により、メモリカードなどから読み出したデジタル画像データ(例えば、JPEGファイル)がLCDモジュール11−1に再生表示される。
【0027】
操作部12は、デジタルフォトフレーム10の背面側に設けられた複数の操作ボタン12−1と、これらの操作ボタンにユーザが接触したことを検知するためのセンサ12−2と、から構成される。ここで、ユーザがこれらの操作ボタンに接触したことを検知するためのセンサには、例えば、静電容量式あるいは感圧式のタッチセンサなどを用いることができる。
【0028】
また、複数の操作ボタンは、具体的には、図2で示すように、表示部11にメニュー画面を表示させるためのメニューボタン、画像データや音楽データの再生停止を行ったりデータ削除を行ったりするための停止/削除ボタン、表示部11の表示駆動を停止させて緊急地震速報の受信待ち受け状態にするための待受モードボタン、設定項目を選んだり画像や音楽のデータを切り換えるために次のデータを再生したりするための次へボタン、設定項目を選んだり1つ前のデータを再生したりするための前へボタン、設定項目を選んだり画像データを回転させたりするための回転ボタン、設定項目を選んだり表示部11の明るさを調節したりするための明るさボタン、画像データや音楽データの再生を行ったり選択した設定を確定させたりするための再生/決定ボタンなどから構成されている。
【0029】
内蔵メモリ13は、後述する制御部19がプログラム実行中に一時的に保持する必要の生じたデータが保存されるワーク用メモリであるSDRAM13−1や、メモリカードなどから読み出された音楽データ(例えば、MP3形式の音楽ファイル)が保存されるユーザ領域などからなるNAND型フラッシュメモリ13−2などから構成されている。音楽データは、後述するように、SDメモリカードなどの可搬型記憶媒体からコピーすることによって得てもよいし、WLANを介して所定のサーバからダウンロードすることによって得てもよい。
【0030】
外部メモリインターフェース14は、SDメモリカードやメモリースティックを差し込むためのスロット24を備え、差し込まれたメモリカードの読み書きを行うSDアダプタ14−1、差し込まれたメモリースティックの読み書きを行うMSアダプタ14−2や、USBメモリを差し込むためのポート25を備えたUSBコネクタ14−3などから構成されている。
【0031】
フォトセンサー15は、表示部11の輝度や明るさを自動調節するために周囲の明るさを検知するためのものであり、検知された制御信号は制御部19へ出力される。このフォトセンサー15は、デジタルフォトフレーム10の前面側に設けることがより望ましい。
【0032】
電源制御部16は、デジタルフォトフレーム10内の各部に対して電力の供給を行う。本実施例の電源制御部16は、後述するように、各部に対する電源供給を制御することにより各部の機能を活性化状態あるいは停止状態にすることが可能である。このように部分的に電源供給を行うことによって必要な部分のみを駆動させて不要な電力消費を抑えることができる。なお、供給される電力は、電源端子23に接続された電源アダプタを介して外部電源から得るようにしてもよく、あるいはデジタルフォトフレーム10内に設けた充電地(図示せず)などから得るようにしてもよい。
【0033】
データ通信モジュール17は、無線通信でデータの送受信を行うWLANモジュール17−1や、赤外線を利用して近距離データ通信を行うSIR(Serial IrDA)モジュール17−2などから構成されている。WLANモジュール17−1は、WLANポート(図示せず)を介してインターネット網と接続されており、地震速報配信サーバから配信される緊急地震速報の受信を行う。
【0034】
音声出力部18は、メモリカードなどから読み出された音楽データを再生して出力するために、D/Aコンバータ(DAC)、アンプ、スピーカー22−1,22−2などから構成されている。また、本実施例の音声出力部18は、地震速報サーバから受信した緊急地震速報に基づく地震情報を音声信号に変換してスピーカー22−1,22−2から出力させる。さらに、音声出力部18は、図3で示すように、音量を調節するための音量ダイヤル26やヘッドホンを接続するためのヘッドホン端子27を備えている。
【0035】
制御部19は、マイクロプロセッサを主たる構成要素とし、一般的なコンピュータ装置と同様に各種クロックパルスを生成して、NAND型フラッシュメモリ13−2に格納されている制御プログラムに基づき各部動作を制御する。また、SDRAM13−1には、プログラム実行中に一時的に保持する必要の生じたデータを保存する。
【0036】
また、制御部19は、操作部12からの操作入力に応じてスロット24に差し込まれたSDメモリカードやメモリースティックに画像データとして記録されているJPEG形式の画像ファイル(JPEGファイル)をNAND型フラッシュメモリ13−2のユーザ領域へコピーして保存したり、SDメモリカードなどの画像データやNAND型フラッシュメモリ13−2に保存されている画像データを表示部11にスライドショー再生させたりする。
【0037】
さらに、制御部19は、操作部12からの操作入力に応じてスロット24に差し込まれたSDメモリカードやメモリースティックに音楽データとして記録されているMP3形式の音楽ファイル(MP3ファイル)をNAND型フラッシュメモリ13−2のユーザ領域へコピーして保存したり、SDメモリカードなどの音楽データやNAND型フラッシュメモリ13−2に保存されている音楽データを再生させて音声出力部18から出力させたりする。
【0038】
ここで、操作部12の特定のキーとして待受モードボタンが押下されると、制御部19は、表示部11が画像データを表示している状態では画像データの再生を停止させてから表示部11の表示駆動を停止させ、あるいは表示部11が画像データを表示していない状態では直ちに表示部11の表示駆動を停止させるとともに、操作部12とWLANモジュール17−1を除くその他の部分の駆動も停止させ、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。
【0039】
このとき、電源制御部16が操作部12およびWLANモジュール17−1に対してのみ電源供給されるよう制御することによって、操作部12のキー操作機能とWLANモジュール17−1の受信機能が活性化状態に保たれ、表示部11の表示機能や音声出力部18の報知機能などのその他の機能が停止状態になっている。
【0040】
そして、制御部19は、この緊急地震速報の受信待ち状態においてWLANモジュール17−1の受信信号の監視動作と操作部12からのキー入力の監視動作とを行い、WLANモジュール17−1により緊急地震速報を受信した際には、音声出力部18を駆動させて緊急地震情報として、例えば、ブザー音による警告音や揺れ(主要動)の到達予想時刻情報などを報知するように制御する。このとき、電源制御部16が音声出力部18に対しても電源供給されるよう制御することによって、音声出力部18の報知機能が活性化状態になっている。
【0041】
さらに、制御部19は、音声出力部18による緊急地震情報の報知が終わると、音声出力部18の駆動を停止させ、再びWLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。このとき、電源制御部16が操作部12およびWLANモジュール17−1に対してのみ電源供給されるよう制御することによって、音声出力部18の報知機能が再び停止状態になっている。
【0042】
また、操作部12から所定の操作入力、例えば、操作部12の画像再生停止ボタンが押下され、音楽データだけ再生させる場合には、制御部19は、表示部11の表示駆動を停止させるとともに、操作部12、WLANモジュール17−1、および音声出力部18を除くその他の部分の駆動も停止させ、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。
【0043】
それとともに、制御部19は、NAND型フラッシュメモリ13−2から音楽データを読み込んでSDRAM13−1に一旦格納した後に、SDRAM13−1に格納されている音楽データを再生させ、音声出力部18のD/Aコンバータ(DAC)でアナログに変換してスピーカー22−1,22−2から出力させる。
【0044】
このとき、電源制御部16が操作部12、WLANモジュール17−1、および音声出力部18に対してのみ電源供給されるよう制御することによって、操作部12のキー操作機能、WLANモジュール17−1の受信機能、および音声出力部18の音楽再生機能が活性化状態に保たれ、表示部11の表示機能や音声出力部18の報知機能などのその他の機能が停止状態になっている。
【0045】
そして、制御部19は、WLANモジュール17−1により緊急地震速報を受信した際には、緊急地震情報を報知するときにだけ、音声出力部18の報知機能が活性化状態になるように駆動させて緊急地震情報を報知するように制御する。また、音楽データの再生が終了した場合には、制御部19は、音声出力部18の駆動を停止させ、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。このとき、電源制御部16が操作部12およびWLANモジュール17−1に対してのみ電源供給されるよう制御することによって、音声出力部18の音楽再生機能が停止状態になっている。
【0046】
さらに、制御部19は、デジタルフォトフレーム10の電源スイッチ21から電源オフの入力操作が行われると、操作部12とWLANモジュール17−1を除くその他の部分の駆動を停止させ、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。
【0047】
このとき、電源制御部16が操作部12およびWLANモジュール17−1に対してのみ電源供給されるよう制御することによって、操作部12のキー操作機能とWLANモジュール17−1の受信機能が活性化状態に保たれ、表示部11の表示機能や音声出力部18の報知機能などのその他の機能が停止状態になっている。
【0048】
そして、制御部19は、再び電源スイッチ21から電源オンの入力操作が行われると、表示部11と音声出力部18を駆動するように制御する。このとき、電源制御部16が表示部11と音声出力部18に対しても電源供給されるよう制御することによって、表示部11の表示機能と音声出力部18の報知機能が活性化状態になる。ここで、音声出力部18の報知機能が活性化状態になるために要する時間の方が、表示部11の表示機能が活性化状態になるために要する時間よりも早いため、表示部11の表示機能が活性化状態になる前に緊急地震速報を受信した場合でも音声出力部18により緊急地震情報を報知することが可能である。
【0049】
また、本実施例の制御部19はタイマ機能を備えており、WLANモジュール17−1により緊急地震速報を受信し、音声出力部18により緊急地震情報を報知すると、それと同時にカウントを開始する。そして、所定時間まで再び緊急地震速報を受信することなくカウントすると、再び表示部11と音声出力部18の駆動を停止させ、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。
【0050】
ここで、カウントされる所定時間は、最初に緊急地震速報を受信した後にも地震速報の続報が何度かある可能性を考慮し、また、ユーザ不在による電源オフの操作忘れをも考慮して、少なくとも最後の緊急地震速報を受信してから24時間位であることが好ましい。このように音声出力部18の報知機能を停止状態から活性化状態まで立ち上げる時間を考慮して、一回の緊急地震速報を報知した後もすぐに音声出力部18の報知機能を停止状態にせずに所定時間(例えば、24時間)は活性化状態に保つことにより、緊急地震速報の報知サービスに迅速に対応できるとともに、不要な電力消費を回避することができる。
【0051】
次に、本実施例に係るデジタルフォトフレームの表示制御方法について説明する。
【0052】
図4は、本発明の実施例に係るデジタルフォトフレームの動作を示すフローチャートである。なお、図4に示す処理は制御部19がNAND型フラッシュメモリ13−2に記憶されている制御プログラムを実行することで実現される。
【0053】
まずステップS401において、ユーザがデジタルフォトフレーム10に対して電源スイッチ21を押下することにより電源オンの指示を行うと、制御部19は電源制御部16を制御することによって各部へ電力が供給される。
【0054】
そして、ステップS402において、電源制御部16が表示部11に対して電源供給されるよう制御することによって、表示機能が活性化状態になり、次のステップS403において、NAND型フラッシュメモリ13−2に画像データが保存されている場合やスロット24にSDメモリカードやメモリースティックが差し込まれている場合には、制御部19は、NAND型フラッシュメモリ13−2やSDメモリカードなどから画像データを順次読み出すことにより画像データの再生を行い、表示部11に表示させる。
【0055】
ステップS404の処理では、制御部19は、ユーザからデジタルフォトフレーム10に対して入力操作が行われて表示オフや電源オフなどの指示があるか否か判定し、電源オフの指示があると判断した場合にはステップS405の処理に進み、表示オフの指示があると判断した場合にはステップS413の処理に進み、入力操作による指示がない場合にはステップS403の処理に戻り画像データの表示を継続する。
【0056】
ステップS405の処理では、制御部19は、電源制御部16を制御することで操作部12とWLANモジュール17−1を除くその他の部分の駆動を停止させ、操作部12のキー操作機能とWLANモジュール17−1の受信機能のみが活性化状態に保たれてWLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。
【0057】
そして、ステップS406において、制御部19は、ユーザからデジタルフォトフレーム10に対する電源オンの指示があるか否か判定し、電源オンの指示がない場合には処理を終了し、一方、電源オンの指示がある場合にはステップS407の処理に進む。
【0058】
ステップS407の処理では、制御部19は、電源制御部16を制御することで表示部11と音声出力部18を駆動させて、表示部11の表示機能と音声出力部18の報知機能が活性化状態になるように制御する。その後、ステップS408の処理では、制御部19は、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信があるか否か判定し、受信がない場合にはステップS412の処理を経てステップS408に戻りWLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態を続け、一方、受信がある場合にはステップS409の処理に進む。
【0059】
ステップS409の処理では、制御部19は、受信した緊急地震速報に基づく地震情報としてスピーカー22−1,22−2からブザー音による警告音や揺れ(主要動)の到達予想時刻情報などの報知を開始し、ステップS410において、タイマのカウントを開始する。
【0060】
そして、ステップS411の処理では、制御部19は、タイマが所定時間(例えば、24時間)までカウントしたか否かを判定し、タイマが所定時間までカウントするまでステップS408の処理に戻り、タイマが所定時間までカウントするとステップS405の処理に戻る。なお、再び戻ったステップS408の処理において緊急地震速報を受信した場合には、その後のステップS410の処理では、制御部19は、カウントを途中まで行っていたタイマをクリアし、再び最初からカウントを開始させる。
【0061】
また、再び戻ったステップS408の処理において緊急地震速報の受信がない場合には、次のステップS412において、制御部19は、タイマが所定時間(例えば、24時間)までカウントしたか否かを判定し、タイマが所定時間までカウントするまでステップS408の処理に戻り、タイマが所定時間までカウントするとステップS405の処理に戻る。
【0062】
一方、ステップS404において表示オフの指示があると判断した場合には、ステップS413の処理において、制御部19は、音楽データの再生指示があるか否か判定し、音楽データの再生指示がない場合(本実施例では、待受モードボタンが押下された場合)にはステップS421の処理に進み、一方、音楽データの再生指示がある場合(本実施例では、画像再生停止操作が行われて音楽再生開始操作が行われた場合)にはステップS414処理に進む。なお、既に音楽再生中の場合には、ステップS404の処理において単に画像再生停止操作を行えばステップS414の処理へ進むことになる。
【0063】
ステップS414の処理では、制御部19は、電源制御部16を制御することで操作部12、WLANモジュール17−1、および音声出力部18を除くその他の部分(表示部11など)の駆動を停止させ、操作部12のキー操作機能、WLANモジュール17−1の受信機能、音声出力部18の音楽再生機能(DACやスピーカー22−1,22−2など)が活性化状態に保たれる。
【0064】
この状態において、制御部19は、NAND型フラッシュメモリ13−2から音楽データを読み込んでSDRAM13−1に一旦格納した後に、SDRAM13−1に格納されている音楽データを再生させ、音声出力部18のDACでアナログに変換してスピーカー22−1,22−2から出力させるとともに、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態になるように制御する。
【0065】
そして、ステップS415の処理では、制御部19は、において、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信があるか否か判定し、受信がある場合にはステップS416の処理に進み、一方、受信がない場合にはステップS420の処理に進む。
【0066】
ステップS416の処理では、制御部19は、電源制御部16を制御することで音声出力部18を駆動させて、音声出力部18の報知機能が活性化状態になるように制御し、ステップS417の処理では、制御部19は、受信した緊急地震速報に基づく地震情報としてスピーカー22−1,22−2からブザー音による警告音や揺れ(主要動)の到達予想時刻情報などを報知する。
【0067】
その後、ステップS418において、制御部19は、再生する音楽データが残っているか否か判定し、再生する音楽データがある場合にはステップS419の処理に進み、一方、再生する音楽データがない場合にはステップS425の処理に進む。
【0068】
ステップS419の処理では、制御部19は、電源制御部16を制御することで操作部12、WLANモジュール17−1、および音声出力部18を除くその他の部分(表示部11など)の駆動を停止させ、操作部12のキー操作機能、WLANモジュール17−1の受信機能、音声出力部18の音楽再生機能(DACやスピーカー22−1,22−2など)が活性化状態に保たれる。
【0069】
そして、ステップS420の処理において、制御部19は、ユーザからデジタルフォトフレーム10に対して入力操作が行われて表示オンの指示があるか否か判定し、表示オンの指示があると判断した場合にはステップS402の処理に戻り、表示オンの指示がないと判断した場合にはステップS415の処理に戻り、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態を継続する。
【0070】
一方、ステップS413において音楽データの再生指示がない場合(本実施例では、待受モードボタンが押下された場合)には、ステップS421の処理において、制御部19は、電源制御部16を制御することで操作部12とWLANモジュール17−1を除くその他の部分(表示部11や音声出力部18など)の駆動を停止させ、操作部12のキー操作機能とWLANモジュール17−1の受信機能が活性化状態に保たれる。
【0071】
そして、ステップS422の処理では、制御部19は、において、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信があるか否か判定し、受信がある場合にはステップS423の処理に進み、一方、受信がない場合にはステップS426の処理に進む。
【0072】
ステップS423の処理では、制御部19は、電源制御部16を制御することで音声出力部18を駆動させて、音声出力部18の報知機能が活性化状態になるように制御し、ステップS424の処理では、制御部19は、受信した緊急地震速報に基づく地震情報としてスピーカー22−1,22−2からブザー音による警告音や揺れ(主要動)の到達予想時刻情報などを報知する。
【0073】
その後、ステップS425において、制御部19は、電源制御部16を制御することで操作部12とWLANモジュール17−1を除くその他の部分(表示部11や音声出力部18など)の駆動を停止させ、操作部12のキー操作機能とWLANモジュール17−1の受信機能が活性化状態に保たれる。
【0074】
そして、ステップS426の処理において、制御部19は、ユーザからデジタルフォトフレーム10に対して入力操作が行われて表示オンの指示があるか否か判定し、表示オンの指示があると判断した場合にはステップS402の処理に戻り、表示オンの指示がないと判断した場合にはステップS422の処理に戻り、WLANモジュール17−1による緊急地震速報の受信待ち状態を継続する。
【0075】
以上説明したように、本発明に係る画像表示装置によれば、デジタルフォトフレームとして表示機能を停止状態にしても緊急災害速報を受信できる受信待ち状態に保つことができるため、画像表示機能を備えた災害情報報知装置としても利用することができるので、ユーザにとっての利便性に優れた画像表示装置を提供することが可能である。また、ユーザが操作することなく不要な機能を停止状態にするため、不要な電力消費を回避することができるので、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施例に係るデジタルフォトフレームの一例を示す斜視図である。
【図2】図1におけるデジタルフォトフレームの背面図である。
【図3】本発明の実施例に係るデジタルフォトフレームの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係るデジタルフォトフレームの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
10・・・・デジタルフォトフレーム
11・・・・表示部
11−1・・・・LCDモジュール
11−2・・・・LED
11−3・・・・LEDバックライトコントローラ
12・・・・操作部
12−1・・・・操作ボタン
12−2・・・・センサ
13・・・・内蔵メモリ
13−1・・・・SDRAM
13−2・・・・NAND型フラッシュメモリ
14・・・・外部メモリインターフェース
14−1・・・・SDアダプタ
14−2・・・・MSアダプタ
14−3・・・・USBコネクタ
15・・・・フォトセンサー
16・・・・電源制御部
17・・・・データ通信モジュール
17−1・・・・WLANモジュール
17−2・・・・SIRモジュール
18・・・・音声出力部
19・・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを表示する表示手段と、
各種入力操作を行う操作手段と、
ネットワークを介して緊急災害速報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した緊急災害速報に基づく災害情報を音声によりユーザに報知する報知手段と、
前記各手段への電源供給を制御することにより当該各手段の機能を活性化状態あるいは停止状態となるように制御するスイッチ制御手段と、
を備え、
前記スイッチ制御手段は、前記操作手段により所定の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態とし、前記受信手段の受信機能を活性化状態のまま受信待ち状態とし、
前記受信待ち状態のときに前記受信手段により前記緊急災害速報を受信すると、前記報知手段の報知機能を活性化状態として災害情報を報知するよう制御することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
音楽データを再生する再生手段を備え、
前記所定の入力操作が音楽のみを再生させるための入力操作である場合には、前記スイッチ制御手段は、前記再生手段の再生機能を活性化状態として音楽データを再生するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記スイッチ制御手段は、前記操作手段により電源切断の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態とし、前記受信手段の受信機能と前記操作手段の操作機能を活性化状態のまま受信待ち状態とし、
前記操作手段により電源供給の入力操作が行われると、前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を活性化状態とし、前記受信手段により前記緊急災害速報を受信すると、前記報知手段により災害情報を報知するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記報知手段により災害情報を報知するとカウントを開始するタイマを備え、 前記スイッチ制御手段は、前記タイマが所定時間までカウントすると前記表示手段の表示機能と前記報知手段の報知機能を停止状態となるように制御することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−55359(P2010−55359A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219384(P2008−219384)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】