説明

画像表示装置

【課題】多視点表示する場合の表示画面上の物体による観察者の違和感を軽減する画像表示装置を提供すること。
【解決手段】画像表示装置100は、複数の視点に対して視差が異なる少なくとも2つの画像を表示する表示部106と、表示部106前方の物体2aを検出する検出部102と、検出部102による検出結果に基づいて、表示部106の表示画面のうち物体2aと重なって観察される領域を特定する領域特定部104と、表示部106が表示する画像のうち、特定された領域の周辺領域の表示態様を他の領域と異ならせるように表示制御する表示制御部104と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次のような操作制御装置が知られている。この操作制御装置は、ユーザーの手の動きに応じて画像を操作することができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−81466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような操作制御技術を、視差バリアなどを用いて複数の視点に対して視差が異なる画像を表示する(いわゆる3D表示)場合へ適用することが着目されていなかった。一般に、多視点表示中の画面上に手をかざすと、ユーザーの目から見て手の陰になる領域で視差が得られなくなる。このため、手の周囲において立体感が損なわれ、表示画面を観察するユーザーが違和感を感じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像表示装置は、複数の視点に対して視差が異なる少なくとも2つの画像を表示する表示部と、表示部前方の物体を検出する検出部と、検出部による検出結果に基づいて、表示部の表示画面のうち物体と重なって観察される領域を特定する領域特定部と、表示部が表示する画像のうち、特定された領域の周辺領域の表示態様を他の領域と異ならせるように表示制御する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による画像表示装置では、多視点表示する場合の表示画面上の物体による観察者の違和感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第一の実施形態による画像表示装置の構成を例示するブロック図である。
【図2】デジタルフォトフレームの外観を例示する図である。
【図3】制御装置が実行する表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】画像を再生表示中のモニタを例示する図である。
【図5】画像を再生表示中のモニタの前に手をかざした場合を例示する図である。
【図6】周辺領域を説明する図である。
【図7】第二の実施形態における周辺領域を説明する図である。
【図8】視差を変化させた状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態による画像表示装置の構成を例示するブロック図である。画像表示装置としては、例えば、図2に示すようなデジタルフォトフレーム100が用いられる。このデジタルフォトフレーム100は、操作部材101と、カメラ102と、接続IF(インターフェース)103と、制御装置104と、記憶媒体105と、モニタ106とを備える。操作部材101は、デジタルフォトフレーム100のユーザーによって操作される種々の操作ボタン等を含む。
【0009】
カメラ102は、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサを備えている。このカメラ102は、図2に示すように、デジタルフォトフレーム100の前面に配置され、デジタルフォトフレーム100に対面するユーザーを撮像することができる。カメラ102が備えるイメージセンサから出力される画像信号は、制御装置104へ出力される。制御装置104は、画像信号に基づいて画像データを生成する。
【0010】
接続IF103は、デジタルフォトフレーム100と外部機器とを接続するためのインターフェースである。本実施形態のデジタルフォトフレーム100は、この接続IF103を介して画像データが記録されている外部機器、例えばデジタルカメラ等と接続される。そして、制御装置104は、接続IF103を介して外部機器から画像データを取り込んで、記憶媒体105に記録する。
【0011】
なお、接続IF103としては、外部機器とデジタルフォトフレーム100とを有線接続するためのUSBインターフェースや、無線接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。あるいは、接続IF103の代わりにメモリカードスロットを設け、該メモリカードスロットに画像データが記録されたメモリカードを挿入することにより、画像データを取り込むように構成してもよい。
【0012】
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、デジタルフォトフレーム100の全体を制御する。なお、制御装置104を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリを含む。
【0013】
記憶媒体105は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであって、制御装置104によって実行されるプログラムや、接続IF103を介して取り込まれた画像データ等が記録される。モニタ106は、例えば3D液晶パネルによって構成され、図2に示すように、再生対象の画像2bを表示する。具体的には、モニタ106の表示面に視差バリア(不図示)を備えており、視差が異なる複数の画像をそれぞれ異なる視点に向けて表示(多視点表示)させる。これにより、ユーザーが3D画像を立体的に観察し得る。
【0014】
制御装置104は、再生対象画像2bをモニタ106に表示させる場合に、2枚(またはそれ以上)の視差像を上下方向に長く切って交互に並べて表示させる。上記視差バリアの周期は、上記視差像を並べる周期と同じに構成され、該視差バリアの開口部の幅は視差像と同じである。ユーザーがこの画像を所定距離から観察すると、左右の目で別々の画像を分離して観察することができるので両眼視差が発生する。このような立体視を得るための表示は公知技術であるため、ここでは詳細説明を省略する。
【0015】
制御装置104はさらに、カメラ102によって撮像された画像に基づいてユーザーの手2aの動きを検出し、ユーザーの手2aが横に移動したことを検出した場合には、図2に示すように、ユーザーの手2aの動きに従って再生中の画像2bを切り替える。例えば、制御装置104は、ユーザーの手2aが左方向に移動したことを検出した場合には、再生中の画像2bを左方向にスライドさせるとともに、1つ後の画像も左にスライドさせて表示する。一方、制御装置104は、ユーザーの手2aが右方向に移動したことを検出した場合には、再生中の画像2bを右方向にスライドさせるとともに、1つ前の画像も右にスライドさせて表示する。このように、ユーザーは、手の振りによって直感的に表示する画像の切り替えを指示することができる。
【0016】
第一の実施形態では、再生中の画像2bのうち、ユーザーの手2aと重なって観察される領域の周辺領域における表示態様を変化させる。以下、制御装置104による、ユーザーの手2aの動きに応じた表示制御処理について説明する。
【0017】
図3は、ユーザーの手2aの動きに応じた表示制御処理の流れを示すフローチャートである。図3に示す処理は、モニタ106で画像2bの再生表示を開始すると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。なお、モニタ106は、該モニタ106からたとえば50cm〜1m離れて観察する場合に適した視差像を表示するように構成されている。
【0018】
図3のステップS10において、制御装置104は、カメラ102による画像の撮像を開始させる。第一の実施形態では、カメラ102は所定のフレームレート(たとえば30フレーム/秒)で撮像を行うこととし、制御装置104にはカメラ102から該フレームレートに応じた時間間隔で連続して画像データが入力される。制御装置104は、撮像を開始させるとステップS20へ進む。
【0019】
ステップS20において、制御装置104は、カメラ102から入力される画像データに基づいて、入力画像内にユーザーの手2aが写っているか否かを判断する。例えば、あらかじめユーザーの手2aの画像をテンプレート画像として記憶媒体105に記録しておき、制御装置104が入力画像とテンプレート画像とのマッチング処理を行うことにより、入力画像内にユーザーの手2aが写っているか否かを判断する。制御装置104は、ユーザーの手2aが写っていると判断した場合にステップS20を肯定判定してステップS30へ進む。これに対して、ユーザーの手2aが写っていないと判断した場合の制御装置104は、ステップS20を否定判定してステップS80へ進む。
【0020】
ステップS30において、制御装置104は、ステップS20でユーザーの手2aを検出したことに伴い、モニタ106の画面上でユーザーの手2aと重なって観察される領域の周辺において、以下のように画像の表示態様を変化させる。図4は、画像2bを再生表示中のモニタ106を例示する図である。図5は、画像2bを再生表示中のモニタ106の前にユーザーが手2aをかざした場合を例示する図である。
【0021】
制御装置104は、たとえば、モニタ106の画面上で手2aと重なって観察される領域の周辺領域5における表示輝度を周辺領域5以外の他の領域の表示輝度に比べて相対的に暗くするように表示制御を行う。このように表示態様を変化させることで、ユーザーに対して周辺領域5が他の領域と切り離されているという印象を与える。
【0022】
図6は周辺領域5を説明する図である。図6において、ユーザーは、左右の目61、62で観察画像に含まれる物体63〜66を観察する。ユーザーが手2aをかざしたので、ユーザーにとって物体63〜66を観察しづらくなる。符号Aは、ユーザーから見えない領域を示す。符号Bは、左右の目61、62の少なくとも一方が手2aの陰に入ることで、適切な視差が得られない領域を示す。符号Cは、手2aをかざしても適切な視差が得られる領域を示す。
【0023】
図5に例示した周辺領域5は、図6において符号Bで示した領域に対応する。符号Bおよび符号Aで示した領域は、ユーザーが左右の画像を分離して観察することができない。このため、モニタ106の表示画面上で周辺領域5を観察するユーザーにとって、観察画像の立体感が損なわれて違和感を感じやすい。しかしながら、ユーザーに対して周辺領域5が他の領域と切り離されているような印象を与えることで、立体視できないことに起因する違和感を軽減させる。
【0024】
記憶媒体105には、あらかじめカメラ102からユーザーの手2aまでの距離と、カメラ102で撮像した画面における撮影ユーザーの手2aの位置とに関連づけて、モニタ106の表示画面において手2aと重なって観察される領域を特定する情報と、表示態様の変化を行うべきモニタ106の表示画面上の座標と範囲を示す情報とがそれぞれ記憶されている。制御装置104は、カメラ102で撮像された画像に基づいて、上記記憶媒体105から上記情報を読み出し、該読み出し情報にしたがって表示態様を変化させる範囲(周辺領域5に対応)を特定した上で、モニタ106に対する表示制御を行う。
【0025】
なお、表示態様の変化として周辺領域5における表示輝度を他の領域に比べて相対的に下げる他に、周辺領域5における色の彩度を他の領域に比べて相対的に下げたり、周辺領域5におけるコントラストを他の領域に比べて相対的に低下させるように表示制御してもよい。また、これらの各表示制御を適宜組み合わせてもよい。
【0026】
制御装置104は、その後、ステップS40へ進み、カメラ102から時系列で入力される画像データ間での画像内における手2aの位置の変化を監視することにより、画像内におけるユーザーの手2aの位置が変化したか否か、すなわちユーザーの手2aの動きを検出したか否かを判断する。制御装置104は、手2aの動きを検出した場合にステップS40を肯定判定してステップS50へ進む。制御装置104は、手2aの動きを検出しない場合にはステップS40を否定判定してステップS60へ進む。
【0027】
ステップS50において、制御装置104は、ステップS40で検出したユーザーの手2aの動きに応じて再生中の画像2bを操作する。ユーザーの手2aが横に移動したことを検出した場合には、図2に示すように、ユーザーの手2aの動きに従って再生中の画像2bを切り替える。例えば、ユーザーの手2aが左方向に移動したことを検出した場合には、再生中の画像2bを左方向にスライドさせるとともに、1つ後の画像も左にスライドさせて表示する。一方、制御装置104は、ユーザーの手2aが右方向に移動したことを検出した場合には、再生中の画像2bを右方向にスライドさせるとともに、1つ前の画像も右にスライドさせて表示する。これによって、ユーザーは、手の振りによって直感的に表示する画像の切り替えを指示することができる。
【0028】
ステップS60において、制御装置104は、カメラ102から入力される画像データに基づいて、入力画像内にユーザーの手2aが写っているか否かを判断する。制御装置104は、ユーザーの手2aが継続して写っていると判断した場合には、ステップS60を肯定判定してステップS40へ戻り、上述した処理を繰り返す。制御装置104は、ユーザーの手2aが写っていないと判断した場合には、ステップS60を否定判定してステップS70へ進む。
【0029】
ステップS70において、制御装置104は、ステップS30以降に継続している画像の表示態様の変化を元に戻すように表示制御を行う。これにより、ユーザーの手2aと重なって観察される領域の周辺領域5に対する表示態様の変化が終了する。
【0030】
その後、ステップS80へ進み、制御装置104は、ユーザーによって画像の再生を終了するように指示されたか否かを判断する。制御装置104は、再生終了指示を示す操作信号を操作部材101から受けると、ステップS80を肯定判定して図3による処理を終了する。制御装置104は、再生終了指示を示す操作信号を受けない場合は、ステップS80を否定判定してステップS20へ戻る。
【0031】
以上説明した第一の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)デジタルフォトフレーム100は、複数の視点に対して視差が異なる少なくとも2つの画像(視差像)を表示するモニタ106と、モニタ106前方の手2aを検出するカメラ102と、カメラ102による検出結果に基づいて、モニタ106の表示画面のうち手2aと重なって観察される領域を特定する制御装置104と、モニタ106が表示する画像のうち、特定された領域の周辺領域5の表示態様を他の領域と異ならせるように表示制御する制御装置104と、を備えるようにしたので、多視点表示する場合の表示画面上の手2aが引き起こすユーザーの違和感を軽減できる。具体的には、モニタ106の表示画面上で観察するユーザーにとって、周辺領域5における観察画像の立体感が損なわれて違和感を感じやすいところ、ユーザーに対して周辺領域5が他の領域と切り離されているような印象を与えることで、立体視できないことに起因する違和感を軽減させることができる。
【0032】
(2)上記(1)のデジタルフォトフレーム100において、制御装置104は、表示画像の輝度、色、コントラストの少なくとも1つを変化させることによって表示態様を異ならせるので、適切に、ユーザーに対して周辺領域5が他の領域と切り離されているような印象を与えることができる。
【0033】
(3)上記(1)、(2)のデジタルフォトフレーム100において、カメラ102は、イメージセンサから出力される画像信号に基づいて手2aを検出するので、モニタ106前方の手2aを適切に検出することができる。
【0034】
(4)上記(1)〜(3)のデジタルフォトフレーム100において、カメラ102で検出された手2aの動きに応じた操作を受け付ける制御装置104をさらに備えるようにした。多視点表示する機器に対し、いわゆるジェスチャー操作を受け付けるように構成する場合でも、立体視できないことに起因する違和感を軽減させることができる。
【0035】
(5)上記(1)〜(4)のデジタルフォトフレーム100において、カメラ102は人の手2aを検出するので、モニタ106の前方に手2aをかざしたことによって立体視できないことに起因する違和感を軽減させることができる。
【0036】
(第二の実施形態)
第二の実施形態では、モニタ106の画面上で手2aと重なって観察される領域の周辺領域5に対し、他の領域と比べて視差像の視差を大きく異ならせることによって表示態様を変化させる。このように表示態様を変化させることで、ユーザーに対して周辺領域5が他の領域と切り離されているという印象を与える。
【0037】
図7は、周辺領域5を説明する図である。図7において、ユーザーは、左右の目71、72で観察画像に含まれる物体73〜76を観察する。ユーザーが手2aをかざしたので、ユーザーにとって物体73〜76を観察しづらくなる。符号Aは、ユーザーから見えない領域を示す。符号Bは、左右の目71、72の少なくとも一方が手2aの陰に入ることで、適切な視差が得られない領域を示す。符号Cは、手2aをかざしても適切な視差が得られる領域を示す。周辺領域5は、上記符号Bで示した領域に対応する。
【0038】
第二の実施形態の制御装置104は、第一の実施形態と同様に、カメラ102で撮像された画像に基づいて表示態様を変化させる範囲(周辺領域5に対応)を特定した上で、モニタ106に対する表示制御を行う。図8は、視差を変化させた状態を説明する図である。制御装置104は、領域Bのうち領域Cとの境界側の領域B2について、モニタ106に表示させる視差像の視差を他の領域における視差と異ならせることにより、画像にとって遠方に見えるように制御する。図8の例では、物体73の一部73Bと、物体76の一部76Bとが遠方にあるように視差が与えられる。物体73の一部73Bおよび物体76の一部76Bは、それぞれ領域B2に対応する。
【0039】
このように、第二の実施形態では物体が遠方に存在するように見せることで、ユーザーに対して周辺領域5が他の領域と切り離されているような印象を与え、立体視できないことに起因する違和感を軽減させる。
【0040】
以上説明した第二の実施形態によれば、上記第一の実施形態と同様の作用効果が得られる。そしてさらに、デジタルフォトフレーム100において、制御装置104は、表示画像の視差を変化させることによって表示態様を異ならせるので、適切に、ユーザーに対して周辺領域5が他の領域と切り離されているような印象を与えることができる。
【0041】
(変形例1)
モニタ106に対面するユーザーを照明する赤外光源を設けるようにしてもよい。この場合のカメラ102は、赤外光源で照明されたユーザーの手2aを撮像する。赤外画像を撮像するように構成することで、赤外画像において手2aに相当する領域の輝度が高くなるため、該赤外画像の中から手2aを検出する処理が容易になる。
【0042】
(変形例2)
上記実施形態では、ユーザーの手2aを検出するためにカメラ102を用いる方法を説明したが、非タッチ式の静電検出方式を採用してユーザーの手を検出してもよい。また、ゲーム機用の距離センサを用いて構成してもよい。
【0043】
(変形例3)
上述した説明では、ユーザーがモニタ106の前に片手2aをかざす例を説明したが、両手をかざすようにしてもよい。この場合の制御装置104は、カメラ102で撮像された画像に基づいて、モニタ106の表示画面において左右それぞれの手と重なって観察される複数の領域をそれぞれ特定し、これら複数の周辺領域における表示態様を、他の領域の表示態様に比べて相対的に異ならせるように表示制御を行う。変形例3では、ユーザーが両手をかざす場合にも、該ユーザーに対して両手に対応するそれぞれの周辺領域が他の領域と切り離されているという印象を与えることができる。
【0044】
なお、上記説明ではモニタ106の前にかざす手の指を離していないが、指と指とを離すように広げた手をかざす場合には、指ごとに周辺領域を設け、各指の周辺領域においてそれぞれの周辺領域における表示態様を、他の領域の表示態様に比べて相対的に異ならせるように表示制御を行うとよい。
【0045】
(変形例4)
上記実施形態の説明では、手2aと重なって見える領域の周辺領域5において、他の領域の表示態様に比べて異なる表示態様で一様に表示制御するようにした。この代わりに、周辺領域5と他の領域との境界において表示態様を徐々に変化させることにより、グラデーション的に周囲になじむように表示態様を制御してもよい。
【0046】
(変形例5)
画像表示装置としてデジタルフォトフレームを例に説明したが、モニタ106およびカメラ102を備えるものであれば、デジタルカメラや携帯電話機、テレビなどにも本発明を適用可能である。
【0047】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0048】
2a…手
2b…表示画像
5…周辺領域
100…デジタルフォトフレーム
101…操作部材
102…カメラ
103…接続IF
104…制御装置
105…記憶媒体
106…モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の視点に対して視差が異なる少なくとも2つの画像を表示する表示部と、
前記表示部前方の物体を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記表示部の表示画面のうち前記物体と重なって観察される領域を特定する領域特定部と、
前記表示部が表示する画像のうち、前記特定された領域の周辺領域の表示態様を他の領域と異ならせるように表示制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記表示制御部は、前記表示画像の輝度、色、コントラストの少なくとも1つを変化させることによって前記表示態様を異ならせることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置において、
前記表示制御部は、前記表示画像の前記視差を変化させることによって前記表示態様を異ならせることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記検出部は、イメージセンサから出力される画像信号に基づいて前記物体を検出することを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記検出部で検出された物体の動きに応じた操作を受け付ける操作制御部をさらに備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記物体は人の手であることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−21389(P2013−21389A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150734(P2011−150734)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】