説明

画像記録再生装置装置

【課題】
画像記録動作中に不慮の事故が起こり、正常な記録動作終了の手続きを済ませないまま記録動作が中断してしまうと、事故の起こった瞬間よりも前の記録した信号まで破壊されてしまう恐れがある。画像記録中に使用者が誤って電源SWを切ったり、バッテリ不足等問題が生じた場合でも、記録した画像の破壊を最小限度にとどめ、上記破壊を最小限度にとどめる。
【解決手段】
(1)撮影中であり、記録部104の記録媒体にデータを記録中の場合は、電源SW106を切っても所定の終了動作が終了するまで装置の電源を切らない。(2)撮影中、記録媒体の記録残量が所定値以下になった場合は、自動的に撮影を中止し、所定の記録終了動作を行う。(3)撮影(記録)中に誤って電源を切断してしまって、所定の記録終了動作をせずに記録動作を中断してしまった場合は、所定のファイル修復動作を行い少なくとも電源107を切断される前のデータを有効なデータとして取り扱えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像の記録、再生装置に係り、特に記録中の画像データの保護の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の記録、再生装置は、アナログ記録であるVHS方式、あるいは8mm方式のビデオカメラ、ビデオデッキが一般的であった。しかし近年、画像圧縮技術の進歩により、ディジタルビデオカメラも製品化されている。上記機器は、いずれもヘリカルスキャン方式で磁気テープに画像を記録する。VHS、8mmの両方式は、磁気記録面の1トラックに1フィールドの映像信号を記録する。ディジタルビデオカメラの記録方法も、同じくヘリカルスキャン方式であるが、撮像した画像をフレーム内符号化し、圧縮処理した信号を磁気テープに10トラックに分けて記録する。なお、ディジタルビデオカメラの信号記録法方に関しては、玄光社刊行の「ビデオサロン」1996年6月号の62〜63頁に記載されている。また、最近普及が進む電子スチルカメラも新しい画像記録再生装置として、近年、ハードディスクなどの記録装置の大容量化、小型化が進み携帯機器向けに多数製品化されている。例えば、コダック社から発売されているディジタルスチルカメラDCS460は、画像の記録媒体にPCMCIA−ATA、TypeIII準拠のハードディスクを用いている。また、静止画像だけでなく、MPEG1を用いて動画像を圧縮し、画像データをPCMCIA−ATA、TypeIII準拠のハードディスクに記録するビデオカメラも製品化予定が報告されている。上記PCMCIAカード型ハードディスクは、近年市場に出回っているノート型パーソナルコンピュータ(以下ノートPC)が装備しているPCMCIAスロットに差し込めば、ノートPCで直接データの読み書きが出来る。(マイクロソフト社の登録商標であるMS−DOSフォーマットされている場合)また、近年低価格化と大容量化が進むフラッシュメモリカードも、ディジタルスチスカメラ等の機器の記録媒体として盛んに用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、VHS方式や8mm方式、若しくはディジタルビデオカメラの場合、撮影の途中で故意に電源を切断しても、映像信号が破壊されるのは電源を切断した最後の1フィールドないし1フレーム分だけである。言い換えると、今まで撮影した分の情報が失われることはない(テープの絡みつき等の障害が起こらなかった場合)。
【0004】
しかし、記録媒体にハードディスクやフラッシュメモリを用いて、記録データの管理をMS−DOSに準拠した方法で行っている場合、データの記録開始、終了は、必ず所定動作に基づいて行われなければならない。もし、データ書き込み中に電源を切断すると、現在記録中のデータ(同一ファイルの全てのデータ)が破壊されてしまう。(上記テープ記
録と同様に、ハードディスクの物理的障害は発生しなかった場合)パーソナルコンピュータ(以下PC)を例に挙げれば、ハードディスクアクセス中は電源を切ってはいけない事が、明確に表示されている。ところで、ディジタルスチルカメラ等は、主に電源に電池を用いており、撮影の途中で電池の容量が減少し、電源が切れてしまったり、誤って電池を抜き取ってしまったり、といった事態が起こりうる。また、電池の残量だけでなく、記録媒体の記録残量も同様であり、残量が0になる以前に正規の終了動作をしなければ、現在記録中のデータが失われてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、上記した問題を解決する為に、
1.撮影中であり、記録媒体にデータを記録中の場合は、電源SWを切っても所定の終了動作が終了するまで装置の電源を切らない。
2.撮影中、記録媒体の記録残量が所定値以下になった場合は、自動的に撮影を中止し、所定の記録終了動作を行う。
3.撮影(記録)中に誤って電源を切断してしまって、所定の記録終了動作をせずに記録動作を中断してしまった場合は、所定のファイル修復動作を行い少なくとも電源を切断される前のデータを有効なデータとして取り扱えるようにする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、画像記録中に誤って電源SWを切ったり、バッテリが無くなったり、記録メディアの記録残量が無くなったり、誤ってバッテリを抜いてしまっても、撮像した画像の破壊を最小限度にとどめることが出来るので、携帯型の、特にバッテリを電源とする画像記録再生装置において、使い勝手の良い好適な画像記録再生装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を図を用いて説明する。
【0008】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。同図において、101は撮像部、102は画像圧縮伸長処理部、103はシステムコントローラ、104は記録部、105は電源開閉器、106は電源SW、107は電池や電源アダプタ等で構成された電源部、108は各部に電源を供給する電源配線、109は各部を電気的に接続し、ディジタルの信号をやりとりする信号線、110は録画スタートストップボタン、111は撮像部101及び画像圧縮伸長処理部102から供給されるディジタル映像信号をアナログ信号に変換し、例えばNTSC方式等の標準TV方式に変換して、図示しないモニタに出力する映像信号変換部である。
【0009】
なお、以下画像圧縮伸長処理回路102は、MPEG1方式で画像を圧縮、伸長するものとして説明するが、画像の圧縮方法に関しては、他の方式を用いても良いことは言うまでもない。また、記録部104は、マイクロソフト社の登録商標である、公知のMS−DOS準拠のファイル管理システムを用いて記録するデータを管理するものとして説明するが、ファイルの管理方法は、他の方式を用いても良いことは言うまでもない。
【0010】
まず、図1を用いて、画像を記録する動作を説明する。システムコントローラ103は、電源部107が電源を供給できる状態にあるとき、常に電源が供給され、電源SW106の状態を監視している。電源SW106が操作され、電源ONの状態になったら、システムコントローラ103は、電源開閉器105を操作し、電源部107と電源配線108を電気的に接続し、電源配線108に接続された各部に電源を供給する。この状態を電源ONの状態とする。上記電源ONの状態の動作流れ図を図2に示す。
【0011】
上記電源ONの状態の時、録画スタートストップボタン110を一度操作すると、画像圧縮伸長処理部102は、撮像部101から供給される映像信号をMPEG1方式で画像圧縮処理する。画像圧縮伸長処理部102で圧縮された信号は、システムコントローラ103に供給され、システムコントローラ103が制御する記録部104に記録される。なお、記録部104に信号を書き始めるに当たって、MS−DOS準拠のファイル管理方式の場合、ディレクトリにファイル名とファイルサイズを記述する必要がある。したがって、システムコントローラ103は、画像圧縮伸長処理部102から供給される信号を記録部104に出力する前に記録部104に対してディレクトリに任意のファイル名を記述させる。なお、MS−DOSのFATを用いたデータ(ファイル)管理方法は、例えば秀和システム社の「はじめてのハードディスク新改訂版」の100頁から108頁に記載されている。上記ディレクトリに対してファイル名を記述した後は、実際の画像データを記録するわけであるが、書き込むデータの位置を管理するため、FATを用いる。システムコントローラ103は、記録部104内の特定領域に書かれたFATを読みとり、空きセクタを探し、空きセクタに対して圧縮画像データの書き込みを行う。なお、MS−DOS準拠のファイル管理方法は、公知のものであり、上記文献や、その他多数の文献に詳しく記載されているので、その説明を省略する。記録部104は、例えばハードディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等で構成されており、上記記録部104に用いた記録媒体はあくまで一例として挙げたものであり、これに限定されることはない。なお、上記記録部104に映像信号を記録している動作状態を記録の状態という。上記電源ONの状態以降の記録の状態の動作流れ図を図3に示す。
【0012】
ところで、複数の画像データを記録部104に記録するとき、各々のデータの管理をしなければならない。これも、PCを例に挙げると、ファイルを作成した日時、ファイルの名前、ファイルの容量等を管理している。
【0013】
次に、録画スタートストップボタン110をもう一度操作すると、システムコントローラ103は、現在撮像中のフレーム画像以降の圧縮を止め、MPEG1データの終了コードを圧縮データに付加し圧縮画像データを記録部104に出力する。なお、圧縮動作の終了は、現在処理しているGOPが終了するまで待っていても良い。システムコントローラ103は、記録部104に対して上記終了コードを書き込んだら、FATに対して終了コードを記入して、ディレクトリにファイルサイズと、ファイル作成日時、ファイルの先頭を示すFAT番号を書き込んでファイルをクローズする。上記記録の状態から、記録動作を終了するまでの動作流れ図を図4に示す。なお、MPEG1方式のデータの形に関しては、株式会社アスキーの「最新MPEG教科書」98頁から101頁に記載されている。
【0014】
次に、装置の電源を切る動作を説明する。電源SW106が操作され、電源切るが選択されると、システムコントローラ103は電源開閉器105を制御し、電源部107と電源配線108を電気的に切り放し、電源配線108に接続された各部への電源を遮断する。この状態を電源OFFの状態とする。上記電源を切る動作の動作流れ図を図5に示す。
【0015】
ところで、画像の記録中、若しくは記録動作を終了する図4に示した記録終了の動作を行っている最中に、電源配線108に接続された各部への電源供給が遮断されると、今まで記録したデータが失われてしまう。記録されたデータは記録部104内に残っているが、先頭のFATがディレクトリに対して記入されていない状態や、FATに終了コードを記入していないと、正常なファイルとして取り扱うことが出来ない。上記問題を回避するため、システムコントローラ103は、電源SW106を操作して、装置の電源を切る状態を選択しても、上記図4に示す動作が完全に終了するまでは、電源開閉器105を操作しない。つまり、上記図4に示した動作が完全に終了するまでは、電源部107と電源配線108に接続された各部との電気的接続を保ち続け、システムコントローラ103は、上記図4に示す動作が終了した後、上記図5に示す電源OFFの動作を行う。また、装置全体の動作流れの一例を図6に示す。
【0016】
次に、本発明の第2の実施の形態を図を用いて説明する。
【0017】
なお、本実施の形態の動作、及び構成は、上記第1の実施の形態と共通する部分があり、重複する部分は同一の番号で記入しの説明は省略する。
【0018】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。同図において、703はシステムコントローラ、707はバッテリであり、システムコントローラ703は、バッテリ707の残量を認識する手段を有している。バッテリ707の残量を認識する手段としては、例えばバッテリ707がニッケルカドミウム電池だった場合、バッテリ707の電圧を測定すれば、おおよその残量を認識することが出来る。また、近頃リチウムイオン電池も盛んに使われており、リチウムイオン電池の場合は、現在の端子電圧、累積消費電力量、等の値を基にしてさらにきめの細かい残量認識が可能である。なお、本実施の形態においては、バッテリ707はニッケルカドミウム電池を用いているものとして説明するが、所望の電圧、電流が取り出せる電池であれば、どのような電池を用いても良い。
【0019】
本実施の形態において、画像記録再生装置の動作は、上記図2、図3、図4、図5に示した動作の流れは同一である。ただし、システムコントローラ703は、バッテリ707の供給電圧を監視しており、バッテリ707の電圧が所定の電圧よりも低くなったら、上記図4に示した動作を行い、記録動作を終了し、その後、上記図5に示す動作を行い装置の電源を切る。なお、本実施の形態の全体の動作流れの一例を図8に示す。
【0020】
次に、本発明の第3の実施の形態を図を用いて説明する。
【0021】
なお、本実施の形態の動作、及び構成は、上記第1及び第2の実施の形態と共通する部分があり、重複する部分は同一の番号で記入しの説明は省略する。
【0022】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。同図において、903はシステムコントローラであり、システムコントローラ903は、記録部104の記録空き容量を認識する手段を有している。記録部104の空き容量を認識する手段は、使用していないFATの数を数える。一つ当たりのクラスタサイズは解っているから、空き容量は下記の式で容易に計算することが出来る。
空き容量=1クラスタの大きさ×空きFATの数
記録部104には、上記計算式で求まる空き容量以上の信号を記録することは出来ない。記録部104にさらに新しい信号を記録する場合は、不要なファイルを削除、つまりどこかのクラスタを空けなくてはならない。しかし、画像を記録している最中に、使用者に対して不要ファイルを選択させるのは操作が煩雑になり好ましくない。そこで、少なくともMPEG1データの終了コードと、ディレクトリに記述するファイルサイズ、記録日時等の情報を記録する領域が残っている内に上記図4に示す終了動作を行い記録動作を終了する。なお、本実施の形態の動作流れを図10に示す。
【0023】
次に、本発明の第4の実施の形態を図を用いて説明する。
【0024】
なお、本実施の形態の動作、及び構成は、上記第1、2及び第3の実施の形態と共通する部分があり、重複する部分は同一の番号で記入しの説明は省略する。
【0025】
図11は、本発明の第4の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。同図において、1103はシステムコントローラであり、上記図1に示したシステムコントローラ103とは、動作が異なる。
【0026】
まず、本実施の形態において、記録を開始する動作を説明する。
【0027】
図12は、記録を開始する動作の動作流れ図である。同図において、STARTの位置は、後述する電源ONの状態である。録画スタートストップボタン110が操作されると、システムコントローラ1103は、記録部104に予め用意されている管理ファイルにこれから記録する圧縮画像データを格納するファイルのファイル名を記録する。なお、管理ファイルへのファイル名の書き込みは、上書き方式を取り、本記録動作以前に記録したファイルがあった場合、古いファイル名を削除して、新しく記録するファイル名を記録する。次に、システムコントローラ1103は、上記第1の実施の形態と同様にディレクトリ中の所定の場所に、これから記録するファイル名を記述する。続いてFATを検索し、空きクラスタを探し、上記動作で見つけた空きクラスタ(これから圧縮画像を記録するファイルの先頭)を指し示すFAT番号をディレクトリ中の所定の場所に記述する。上記一連の動作実行の後、記録部104が有する空きクラスタに撮像部101で撮像され、画像圧縮伸長処理部102で画像圧縮された圧縮画像信号を記録する。上記圧縮画像信号の記録部104への記録動作は、後述する記録終了の動作が行われるまで続く。上記記録動作によって、処理されて、記録部104に記録される圧縮画像データの信号量が、一つのクラスタの記録容量越えた場合、新たに空きクラスタを検索し、FATにクラスタ番号を記述し、上記動作で見つけた空きクラスタに圧縮画像データを記録する。また、システムコントローラ1103は、上記記録動作中に所定の時間が経過したら、ディレクトリに現時点の記録中のファイルの大きさを記述する。上記所定の時間は、短ければ短い程良いが、圧縮画像信号の記録動作を妨げない程度に行うよう定めた時間である。
【0028】
次に、記録を終了する動作を説明する。上記記録中に録画スタートストップボタン110が操作されると、上記第1の実施の形態と同様に図4に示す動作を行い記録動作を終了する。また、電源を切る動作も、上記第1の実施の形態と同様に図5に示す動作を行う。
【0029】
次に、装置の電源をONする動作を説明する。図13は、本実施の形態において、電源をONする動作の流れを示す図である。システムコントローラ1103は、上記第1の実施の形態と同様に電源部107から常に電源が供給され、電源SW106の状態を監視している。電源SW106が操作され、電源ONの状態になったら、システムコントローラ1103は、電源開閉器105を操作し、電源部107と電源配線108を電気的に接続し、電源配線108に接続された各部に電源を供給する。次にシステムコントローラ1103は、管理ファイルから、一番最近記録したファイル名を読みとる。上記一番最近記録したファイル名は、管理ファイルに、上記記録終了動作時に書かれたファイル名である。この時、システムコントローラ1103は、自信が認識できる所定の管理ファイルが無い場合、記録部104ないに管理ファイルをつくる。次にシステムコントローラ1103は、上記管理ファイルから読みとったファイル名と同じファイル名をディレクトリ中から探し、そのファイル情報が書かれている内容を読みとる。ファイル情報とは、ファイルの大きさ、記録日時、先頭のFATが書かれている位置等である。システムコントローラ1103は、まず、上記FATのファイルの先頭の位置情報を基にFATを検索し、ファイルの終了コードが入っているFATにたどり着くまでFATの数(使用しているクラスタの数)を数える。システムコントローラ1103は、上記数えたFATの数と、ディレクトリに記載されたファイルサイズから、下記の計算式で求まる使用クラスタ数を求める。
使用クラスタ数=ディレクトリ記載のファイルの大きさ÷クラスタサイズ(余りは切り上げ)
この時、上記FATから求めた使用クラスタ数と、ディレクトリ記載のファイルサイズから求めた使用クラスタ数が等しければ、ファイルに異常がないと判断し、記録開始の待機状態にはいる。しかし、上記記録動作の終了が、何らかの原因で正常に行われず、FATを検索しても、ファイルの終了位置が発見できなかった場合は、ディレクトリ記載のファイルサイズから求めた使用クラスタ数と、FATから求めた使用クラスタ数が等しくならない。また、FATを検索した時、ファイルの終了コードが出てくる前に、未使用クラスタを示すコードが出てきた場合も、上記記録の終了動作が正常に終了していないものと判断することが出来る。システムコントローラ1103は、上記したように一番最近記録した画像ファイルの異常を判定すると、ファイル修復動作を行う。
【0030】
次に、ファイルの修復動作について説明する。上記判定で、異常と判断された場合、システムコントローラ1103は、異常を判定したファイルの先頭FATから、上記ディレクトリ記載のファイルサイズから求めた使用クラスタ数個分だけFATを順に読みとる。上記場合において、例えばディレクトリ記載のファイルサイズから求めたクラスタ数が5だった場合は、ファイルの先頭FATから5つ目までを正常なファイルとし、5つ目のFATにファイルの終了コードを記入し、終了情報を持たない異常ファイルに終了情報を与える。この時、上記したディレクトリへのファイルサイズの書き込みが、1秒に1回の割合で行われていたとする。上記方法であれば、少なくともディレクトリ記載のファイルサイズ分の信号までは、ファイルとして修復することが出来る。
【0031】
すなわち、バッテリを抜き取る等の動作が行われ、装置に供給される電源がとだえてしまっても、1秒前の画像は正常に記録できたことになる。しかし、MPEG1方式の画像圧縮処理の場合、信号の最小構成単位がGOPであり、GOP中にイントラ画像が処理される前にバッテリ抜け等によって圧縮処理が中断されてしまった場合は、そのGOP画像を再生することが出来ない。また、記録動作が中断された時に記録中だったクラスタ内部は、記録が中断された以降の信号の内容を補償できない。上記異常データが入ったファイルを画像圧縮伸長処理部102で再生すると、再生画像が乱れる。上記画像の乱れは、上記画像圧縮伸長処理部102に、正常に伸長できないような異常な信号が入力されたら、出力する映像にミュートをかける(例えばブルーバック)機能を持たせることで回避することが出来る。
【0032】
次に、装置の電源を切る動作を説明する。本実施の形態においても上記第1の実施の形態と同様に、電源SW106が操作され、電源切るが選択されると、システムコントローラ1103は電源開閉器105を制御し、電源部107と電源配線108を電気的に切り放し、電源配線108に接続された各部への電源を遮断する。動作の流れは、図5に記載されている動作流れと同一である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。
【図2】本発明の第1、2及び3の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図3】本発明の第1、2及び3の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図4】本発明の第1、2、3及び4の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図5】本発明の第1、2、3及び4の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る画像記録再生装置の構成図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る動作流れ図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る動作流れ図である。
【符号の説明】
【0034】
101…撮像部、102…画像圧 縮伸長処理部、103…システムコントローラ、1
04…記録部、105…電源開閉器、106…電源SW、107…電源部、108…電源配線、109…信号線、110…録画スタートストップボタン、111…映像信号変換部
、703…システムコントローラ、707…バッテリ、903…システムコントローラ、1103…システムコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像した画像を映像信号に変換する撮像手段と、該撮像手段から供給される映像信号を圧縮する圧縮処理手段と、該圧縮処理手段で圧縮処理された信号を記録する記録手段と、制御信号に応じて上記撮像手段、圧縮処理手段及び記録手段に供給する電源を開閉する開閉器と、該開閉器に電源開閉の制御信号を供給する制御手段と、該制御手段に接続され、装置全体の電源入切を選択する電源スイッチと、装置全体に電源を供給する電源供給手段とを有する画像記録再生装置において、
上記制御手段は、上記撮像手段が被写体を撮像し、上記映像信号を上記圧縮処理手段で圧縮し、上記記録手段に記録している最中に、上記電源スイッチが装置の電源を切る方に選択された場合、所定の記録終了動作が終了するまで、装置の電源を切らないように制御することを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記電源供給手段の電源供給能力を認識する機能を有し、上記電源供給手段の電源供給能力が所定の量より低くなった場合には、所定の記録終了動作をして、記録動作を終了させることを特徴とする請求項1記載の画像記録再生装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記記録手段の記録空き容量を認識する機能を有し、上記記録手段の記録空き容量が所定の量より少なくなった場合には、所定の記録終了動作をして、記録動作を終了させることを特徴とする請求項1記載の画像記録再生装置。
【請求項4】
上記制御手段と、少なくとも上記記録手段に、上記電源供給手段から電源が供給されたら、上記制御手段は、上記記録手段に、画像信号とは別に記録された情報を元に、前回記録した画像信号を識別し、上記前回記録した画像信号の、異常有無を調べ、異常有りと判断した場合は、所定の異常信号の修復動作を行うことを特徴とする請求項1記載の画像記録再生装置。
【請求項5】
上記所定の異常信号の修復動作を行うとき前回記録した画像信号がどれであるかを認識するために、上記制御手段は、画像信号を記録する際であり、少なくとも画像信号を上記記録手段に記録する動作を開始するより前に、これから記録する画像信号が、どこに記録されているかを、後に上記制御手段自身が認識できる形で上記記録手段に記録することを特徴とする請求項4記載の画像記録再生装置

【請求項6】
上記制御手段は、上記撮像手段から供給される映像信号を、上記画像圧縮手段で画像圧縮処理を施し、上記記録手段に記録している動作中に、所定の時間が経過したら、現在記録中の画像信号の信号量の累計値を所定の場所に記録することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−21003(P2009−21003A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220782(P2008−220782)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【分割の表示】特願2006−139691(P2006−139691)の分割
【原出願日】平成9年2月21日(1997.2.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】