説明

画像調整方法、画像調整装置及び画像調整プログラム

【課題】プレゼンテーション時の表示画像の視認性を向上させるのに有利な画像調整方法を提供する。
【解決手段】画像調整方法は、情報処理装置から画像データと、表示装置が表示する画像用の表示設定とを取得する取得工程(S702,S703)と、該表示設定を用いてプロファイルを作成し、作成したプロファイルを用いて表示装置から出力する画像の画像データに変換する変換工程(S704,S712)と、該画像データに含まれる第1コンポーネントと第2コンポーネントとの間の明度及び色度の差に関する視認性の評価値を演算する演算工程(S715)と、取得した視認性の評価値と、予め設定された基準値とを比較する比較工程(S716)と、比較工程で得られた比較結果が基準値を下回る場合に視認性が低いと判断し、明度または前記色度を変更することにより視認性を高める変更工程(S717)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置から表示するプレゼンテーション用画像の視認性を高めるための画像調整方法、画像調整装置及び画像調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCで作成された画像を複数名で視聴するためのモニタ装置として、プロジェクタ装置が使用されている。プロジェクタ装置は、PCから電気信号であるRGB信号を入力し、入力されたRGB信号を画像としてスクリーン等に拡大投影することができる。ユーザは複数名で視聴するための資料をスライド画像データとして作成する場合、一般的にはプレゼンテーション用ソフトウェアを用いて作成する。ユーザは、プレゼンテーション用ソフトウェアを使用することで、ユーザ自身または発表者がプレゼンテーションで使用するスライド画像を意識しつつ全スライド画像に対し共通する背景を設定し、テキスト及びピクチャの大きさや配置の変更を行うことができる。さらにユーザは、全体構成を考慮し、効果的なプレゼンテーション資料を作成することもできる。
【0003】
ユーザがプレゼンテーション用ソフトウェアを用いてスライドを作成する場合、一般的にはPCモニタを利用するが、PCモニタでは複数名で視聴することが困難である。そこでユーザは、スライド作成時に使用したPCモニタではなく、プロジェクタ装置を介してプレゼンテーションを行う。この状況において、ユーザがスライド作成時に使用したPCモニタで表示される画像と、プレゼンテーション時に使用したプロジェクタ装置から表示される画像では、表示特性や、設置されている環境、または表示画面の大きさなどが異なる。そのためプレゼンテーションを行う環境下において、ユーザは表示されるスライドが適した色特性、階調特性を有するようにプロジェクタ装置を調整し、プロジェクタ装置から好適なスライド画像を表示することが望ましい。さらに、照明状態、スクリーン等の影響も無視することはできないため、プロジェクタ装置の管理者が画質改善のため、プロジェクタ装置の調整項目の適時調整を行う場合がある。
【0004】
しかしながら、ユーザの多くは、スライド作成時にプレゼンテーションを行う環境や設備を把握しておらず、プロジェクタ装置の調整が禁止されている場合もある。そのため、PCモニタとプロジェクタ装置では、表示される画像の見え方の違いが原因となり、プレゼンテーション時に発表者が意図しないスライドを表示せざるを得ない状況に陥る場合がある。上述した状況に陥らないために、ユーザは、プレゼンテーションを行う環境下を想定してスライド画像を作成する。例えば、ユーザは、背景色と文字色の使い分け、背景の明暗の使い分け、黄色系の色・淡い色・グラデーション、スライド画像の見え方を意識した配色など、複数のテクニックを使用することができる。しかしながら、現実にはプレゼンテーション環境に応じてそれらの複雑なテクニックを使い分ける必要がある。
【0005】
特許文献1は、スライド作成時とプレゼンテーション時の状況を考慮し、スライド作成時に文字の読みやすさを客観的に評価する技術を開示している。具体的には、表示画面設計装置は、表示装置の特性に応じて表示画像の色信号を変換し、表示画像の文字及び背景の色差、色差の分解能を決定し、スクリーンサイズ、スクリーンまでの距離に応じて文字の読み易さを評価する。また、表示画面設計装置のプロジェクタ特性テーブルが、プロジェクタの特性に対応するようにRGBデータのRGB値から輝度L、色度x及びyへと機種毎に変換する。
【0006】
また、特許文献2は、プレゼンテーション表示機器とスライド作成表示機器の色再現性の差を検出する技術を開示している。具体的には、色見本データと作成表示装置特性データを用いて作成表示機器による表示をエミュレートし、色見本データとプレゼンテーション実行表示装置特性データを用いて実行表示機器による表示をエミュレートする。また、双方のエミュレート結果から色度差を算出し、領域分割毎の色度差を算出し、使用色判定情報を出力する。色見本データは複数色のカラーパレットである。また表示特性データは色再現性を示すデータであって、RGBの色度点および白色の色度点の情報を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−44849号公報
【特許文献2】特開2004−139496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1が開示する技術は、表示画面設計装置のプロジェクタ特性テーブルが、プロジェクタの特性に対応するように、RGBデータのRGB値から輝度L、色度x及びyへと機種毎に変換する。しかしながら、現実的には表示装置には複数の表示モードが存在する。さらに、表示装置はメニュー等によりその表示特性が変化する。そのため特許文献1が開示する表示特性テーブルでは、メニュー等により変化した表示特性に応えることが困難である。
【0009】
例えば、現状販売されている一般的なプロジェクタ装置の表示特性としては、超高圧水銀ランプの分光特性や、ランプの光量を有効利用することで、明るくコントラストは高いものの若干白色が色づいている色度特性が存在する。また、複数の色フィルタを用いたカラーホイールを有するプロジェクタ装置の表示モードとしては、白表示時の光量を増大させるため、透過率の高い透明なフィルタを有し、単色であるRGBの光量が暗く色再現性の低い表示モードが存在する。表示モードを有するプロジェクタ装置において、表示モードのような白色光量の高い表示モードだけでなく、白色光量は低下するが、色再現性を高める表示モードも存在する。さらに、特許文献1には、典型的なプロジェクタ装置の代表値を用いてもよいことが記載されているが、典型的なプロジェクタ装置の代表値などは実質的に存在するとは言い難い。
【0010】
同様に、特許文献2についても、上述した複数の表示モードや設定メニューに関する記載は無い。また、表示特性テーブルを作成するためには、プレゼンテーション会場に設置された状態のプロジェクタ装置に対しカラーパレット等を入力しその特性を取得する必要がある。この特性を取得する作業は、プレゼンテーションファイルを作成した場所と異なる場所、例えばプレゼンテーション会場でプレゼンテーションを表示する場合、現実的ではない。たとえ特性を取得したとしても、ユーザまたは発表者自身がプロジェクタ装置から出力される画像の特性を判断しなければならない。
【0011】
そこで、本発明は、プレゼンテーション時の表示画像の視認性を向上させるのに有利な画像調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態の画像調整方法は、情報処理装置で作成された画像データを、表示装置から表示する画像データに調整するための画像調整方法であって、前記情報処理装置から第1コンポーネントの情報及び第2コンポーネントの情報を含む画像データと、前記表示装置が表示する画像用の表示設定とを取得する取得工程と、前記表示設定を用いて、RGBデータと明度及び色度とを関連付けたプロファイルを作成し、作成した前記プロファイルを用いて前記情報処理装置で作成された画像データを前記表示装置から出力する画像データに変換する変換工程と、前記変換工程で変換された前記画像データに含まれる第1コンポーネントと第2コンポーネントとの間の明度及び色度の差に関する視認性の評価値を演算する演算工程と、前記演算工程で取得した視認性の評価値と、予め設定された基準値とを比較する比較工程と、前記比較工程で得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断し、前記明度または前記色度を変更することにより視認性を高める変更工程とを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば、プレゼンテーション時の表示画像の視認性を向上させるのに有利な画像調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像調整装置の機能ブロック図である。
【図3】画像調整装置が取得する各種情報及び該装置が行う信号処理を示す。
【図4】三刺激値XYZへの変換式の例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る方法で処理される画像データの説明図である。
【図6】背景明度と色度の変換処理を説明する図である。
【図7】第1の実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る方法で処理される画像データの説明図である。
【図10】第3の実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第4の実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る画像調整装置について図面を参照して説明する。尚、以下に示す各実施形態は本発明の画像調整装置の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。従って、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0016】
(第1の実施形態)
まず、図1について説明する。図1に示す画像調整システムは、PC101、PCモニタ102、モニタケーブルA103、キーボード104、PCマウス205、プロジェクタ装置106、スクリーン107、モニタケーブルB108、プロジェクタ装置通信ケーブル109で構成されている。
【0017】
PC101及びPCモニタ102は、モニタケーブルA103を介して接続される。PC101及びプロジェクタ装置106は、モニタケーブルB108及びプロジェクタ装置通信ケーブル109を介して接続される。また、PC101は、キーボード104及びPCマウス205とネットワークを介して接続される。各構成要素は、ネットワークを介すことにより、互いにデータ通信を行うことができる。なお、プロジェクタ装置通信ケーブル109は、ネットワークを介してPC101からプロジェクタ装置106を制御するための信号を通信するネットワークケーブルであってもよい。
【0018】
PC101は、情報処理装置として機能し、プレゼンテーション用ソフトウェアを実行する。ユーザは、モニタケーブルA103を介してPC101に接続されているPCモニタ102を操作し、スライド画像の作成、編集または確認作業を行なうことができる。ユーザは、プレゼンテーションを行う際に、モニタケーブルB108を介して接続されているプロジェクタ装置106を用い、作成したスライド画像を表示する。モニタケーブルA103及びモニタケーブルB108はRGB信号だけでなく、VESAの定めるモニタの制御に使用されるDDC/CI、同じくDDCラインを用いてモニタ情報を通信するEDID、または他の信号線を用いた制御信号等の通信も媒介してよい。
【0019】
なお、VESAとはVideo Electronics Standards Associationの略称である。また、DDC/CIとはDisplay Data Channel/Command Interfaceの略であり、EDIDとはExtended Display Identification Dataの略である。
【0020】
図1に示すスライド画像について説明する。PCモニタ102に表示されているスライド画像と、プロジェクタ装置106で表示しているスライド画像は同じ情報を表示しているが、厳密には一致しない。なぜなら、PCモニタで表示される画像と、プロジェクタ装置から表示される画像では、表示特性や、設置されている環境、表示画面の大きさなどが異なるためである。スライド画像は、4つのテキストコンポーネント、1つの矢印コンポーネント及び1つのピクチャコンポーネント(第1コンポーネント)、並びに背景画像コンポーネント(第2コンポーネント)で構成されている。4つのテキストコンポーネントとは、「text1text1」、「text2text2text2text2」、「text3」及び「text4」である。
【0021】
次に、図2の機能ブロック図を参照して図1に示すPC101が備えるプレゼンテーション用ソフトウェアの各機能を説明する。図2に示す画像形成装置201は、PC101が備えるプレゼンテーション用ソフトウェアにより実現される。画像形成装置201は、通信部202、制御部203、記憶部204、比較部205、強調部206及び警告部207を備える。
【0022】
通信部202は、PCモニタ102及びプロジェクタ装置106と通信し、RGBデータなど各種データの送受信を行う。制御部203は、PCモニタ102及びプロジェクタ装置106の各種データを通信部202から受け取り、プロジェクタ装置106を介して投影される表示画像データを作成するため、演算処理を行う。記憶部204は、制御部203からの指示を受け、PCモニタ102を介してユーザが作成した画像データを記憶する。また、記憶部204はプロジェクタ装置106から取得した印刷設定及び演算方法、並びに制御部203が作成したプロファイル及びプロジェクタ装置106を介して投影される表示画像データなども記憶する。比較部205は、制御部203が演算したことにより得られた視認性の評価値を既定の基準値と比較する。強調部206は、比較部が視認性の評価値を既定の基準値よりも低いと判定した場合に、背景明度/色度の変換処理を行なう。警告部207は、通信部202を介してPCモニタに表示させるための警告を通知する。プレゼンテーション用ソフトウェアは、PC101に組み込まれた不図示のCPU(Central Processing Unit)により各種機能を実現する。
【0023】
以下、図3〜図6を参照して図7に示す第1の実施形態のフローチャートを説明する。S701で、ユーザがPCモニタ102を介してプロジェクタ装置106でプレゼンテーション用画像を表示することを選択する。すなわち、図1に示す4つのテキスト、矢印、ピクチャ及び背景で構成されたプレゼンテーション用ファイルに対し、スライド表示コマンドが選択され、通信部202はスライドの画像データを受け取る。S702で、通信部202は、スライド表示装置であるプロジェクタ装置106と通信ケーブル109もしくはモニタケーブル108を介して機種名を取得する。この時に通信部202は、モニタケーブル108を介して上述のEDIDを使用する場合はRGB及び白色の色度を取得する事もできる。
【0024】
次に通信部202は、表示モードや設定メニューに応じたプロジェクタ装置106の画像処理アルゴリズム等、RGB信号に対するデータ処理手法等を通信ケーブル109を介して取得する。DDC/CI、ネットワークまたはその他の通信ケーブル等を使用してPC101からプロジェクタ装置106を制御している場合に、通信部202は、PCとプレゼンテーション用ソフトウェア間の通信だけで、表示モードや設定メニューの情報を得る事もできる。S703で、RGB及び白色の色度、並びにRGBガンマ値などが通信され、通信部202は、入力RGBデータとプロジェクタから出力される明度及び色度、すなわち画像調整の設定値を取得する。すなわち、通信部202は、画像データと、前記表示装置が表示する画像用の表示設定とを取得する取得手段として機能する。
【0025】
S704で、制御部203はS702及びS703で得た情報を基に、プロジェクタ装置106から入力されたRGBデータと出力明度及び色度との関係を表すプロファイルを作成する。プロファイルの詳細については後述する。S705で、制御部203は図2に示すプレゼンテーションファイル画像から、ピクチャコンポーネント領域を除去する。S706で、制御部203はピクチャコンポーネントを除去した後に残った領域の色数をカウントする。
【0026】
なお、図2に示すシミュレーションファイル画像に含まれる4つのテキストコンポーネントは、各々色が異なり、縁取りされていないものとする。さらに、矢印コンポーネントの色は、テキスト色とは異なるものとする。背景は単色のグラデーションで256色が使用されているものとする。すなわち、制御部203は、色数が4+1+256=261色であるとカウントする。ここで、S707、S798、S710、S714、S799及びS718に示すiは、繰返し演算を行なうための変数である。
【0027】
S708で、制御部203は、ピクチャコンポーネント以外のプレゼンテーション画像で使用されている261色を、S704で作成したプロファイルを使用して、プロジェクタ装置106が投射する色に変換する。すなわち制御部203は、PC101で作成された画像の色データをプロジェクタ装置106から出力する画像の色データに変換する変換手段として機能する。S709で制御部203は、変換した色データを記憶部204に記憶させる。制御部203により変換した色データは、PC101が内蔵する別の記憶部に記憶してもよい。ユーザがプレゼンテーションファイル画像の出力対象としてプレゼンテーション表示装置であるプロジェクタ装置106を選択している場合(S711)、制御部203は視認性評価処理および色変換処理を行う。PC101が複数の出力端子を持つ場合は、前述したEDID等を用いて、プロジェクタ装置106から出力される画像の色のみが色変換処理される。S712で、制御部203は、テキスト、矢印コンポーネントおよび背景色を、記憶部204に保存されている色変換情報を用いて変換する。
【0028】
次に、S713で制御部203は、プロジェクタ装置106が表示する色へと変換したテキストコンポーネントと背景の隣接色数及び矢印コンポーネントと背景の隣接色数をカウントする。図2に示すプレゼンテーション画像の場合、「Text1」コンポーネントと背景との隣接色数は32とし、「Text2」コンポーネントと背景との隣接色数は64とする。「Text3」コンポーネントと背景との隣接色数は32とし、「Text4」コンポーネントと背景との隣接色数が32とする。そして矢印コンポーネントと背景との隣接色数は64とする。この場合、全隣接色数は224となる(S713)。S714、S715、S716、S717、及びS718で行う処理により、コンポーネントと背景との視認性を評価する(S715)。すなわち制御部203は、コンポーネントと背景との間の明度及び色度に関する視認性の評価値を演算する演算手段としても機能する。S716で比較部205は、得られた評価値を既定の基準値と比較する。すなわち比較部205は、視認性の評価値と、予め設定された基準値とを比較する比較手段として機能する。
【0029】
S717で強調部206は、比較部205が比較結果に基づき、評価値が基準値を下回り、視認性が悪いと判定した場合、視認性を高めるために、背景の明度または色度を変更する。すなわち、強調部206は明度または色度を変更することにより視認性を高める変更手段として機能する。変更の結果、S719でプロジェクタ装置106は、コンポーネントの視認性が高まるように背景の色を変換した画像を出力する。
【0030】
図3は、第1の実施形態のフローチャートである図7におけるS702、S703、S704の説明図である。すなわち、通信部202は、図3(A)に示すスライド表示装置の機種及び調整設定値を取得する。また通信部202は、図3(B)に示す具体的な演算順序、処理手法も取得する。図3(A)に示すように、通信部202は、スライド表示装置の機種として製品名を、調整設定値として、表示モード、Rゲイン、Rオフセット、Rガンマ、及び色補正Aの設定値を受け取る。本図では、G及びBの設定値や他の色補正などの設定メニュー値はRと類似であり簡略のため省略している。
【0031】
図3(B)には、図3(A)に示す調整設定値に対応した演算順序、処理手法が示されている。図の上部から順に、表示モードに対応するRGB色度と白及び黒の色度とが記されている。また、図3(A)には、設定メニュー値内のガンマ調整値がデフォルト(一般的には±0)時のガンマ値が記されている。
【0032】
制御部203は、これらの数値を用いて単純に演算できないと判断した場合に、図3(C)に示すように、記憶部204に予め設定し、記憶した表示モード時のデフォルト時における入出力状態を表す対応表を用いて演算することもできる。図3(C)に示すように、RGBはデフォルトの入力RGBデータ値であり、XYZは国際照明委員会(CIE)の定めるXYZ表色系の三刺激値である。
【0033】
また図3(B)には、「Rゲイン:+5」に対応する「1:×1.05」、「Rオフセット:−3」に対応する「2:−6」等、図3(A)に対応する具体的な処理順序、処理手法が記されている。例えば、「1:×1.05」は「一番目の処理で入力を×1.05倍」する事を意味する。図3(A)に示す「色補正A」に対応する、図3(B)に示す「YCC(601)色空間:補間A」は、「国際電気通信連合の定義するITU−R.BT601色空間において演算し、補間A処理を行なうこと」を意味する。続く「肌色1:+3,+3」は「3(番目の処理)、+150度の色相データを+3度回す色相処理を施し、+3%彩度を高める」という処理を意味する。「肌色1:+3,+3」以降に記載されている調整設定値に対応する処理は、前述と同様の処理であり説明は省略する。
【0034】
図3(D)は、制御部203がプロファイルを作成する際の信号処理手順を示す。図3(D)に示すように、301、302、303は入力部であり、RGBデータの各データが入力される。制御部203は、304、305、306でRGB各データに対する一番目の処理であるゲイン処理を行う。次いで、制御部203は、307、308、309でゲイン処理を、304、305、306で出力に対する二番目の処理であるRGBに対するオフセット処理を行う。310は三番目の処理である色補正Aである。具体的には、制御部203はRGBから前述のITU−R.BT601色空間へのマトリクス処理、ITU−R.BT601色空間における色の処理を行う。その後、制御部203は、図3(B)に示す補間Aとして記されている補間処理、ITU−R.BT601色空間からRGBへの逆マトリクス演算を行う。図3(A)及び図3(B)には詳細を示していないが、制御部203は四番目の処理を行ってもよく、図3(D)に示す311の処理が挙げられる。311では任意の設定による処理が行われてよく、それにより、より正確な三刺激値XYZが得られる。
【0035】
図3(D)に示す312、313、314は、RGBデータに対する五番目の処理であるガンマ処理であり、図3(A)(B)に示すように、制御部203は、デフォルト状態のガンマ値に対し、「−0.4」のガンマ処理を行う。例えば、モニタガンマ基準値が2.2である場合に、ガンマ処理値「−0.4」が、前記基準値2.2に対する表示モードAにおけるガンマ変化量とすると、2.2から0.4をマイナスした1.8が本メニュー状態でのR信号に対するガンマ処理となる。このときのガンマ処理において、ガンマ処理312、313、314に対する入出力の関係は、出力 = 入力 ^ (1.8/2.2)という関係式で表される。
【0036】
制御部203は、ガンマ処理を行った後、315で示す三刺激値演算処理を行う。具体的には、制御部203は、312、313、314で行ったガンマ処理から出力されたRGBデータに対し、RGB色度、白及び黒色度、デフォルト状態でのRGBガンマ値を用いてCIEが定める三刺激値XYZへの変換処理を行う。ここで、RGB色度、白及び黒色度は各色に対する三刺激値XYZである。
【0037】
図4はデフォルト状態のRGBのガンマ値がそれぞれ2.2である時に、制御部203が正規化することにより0以上1以下となったRGBデータに対し三刺激値演算処理315を介して出力する三刺激値XYZへの変換式の例である。ここで、Xr、Yr、ZrはRGB色度のRデータの三刺激値である。同様にXg、Yg、ZgはGデータ、Xb、Yb、ZbはBデータの三刺激値を表し、Xk、Yk、Zkは黒に対する三刺激値を表している。この変換式の例では、制御部203は入力されたRGBデータが8ビットデータであれば255で除算した後、2.2乗演算し、マトリクス演算し、さらに黒に対する三刺激値を加算して演算する。制御部203は、演算の結果得られた三刺激値XYZをプロジェクタ装置106から入力されたRGBデータと関連付けてプロファイルとし、該プロファイルを記憶部に記憶させる。
【0038】
次に、図5及び図6を用いて、図7に示すステップS715、S716及びS717で画像調整装置201が行う視認性評価および背景明度/色変換を説明する。図5(A)はS712で制御部203が行った、表示装置色に変換されたプレゼンテーション表示装置画像である。
【0039】
図5(B)は、図5(A)のText1コンポーネントの一部拡大図である。図5(B)に示すように、「1」という数字はテキストコンポーネントの一部である。本実施形態では、背景がグラデーションになっている。図5(B)に示すように、テキスト色はT0であり、背景画像は6レベルの区画からなっており、背景色は上からB0、B1、B2、B3、B4、B5となっている。従って、S713で制御部203は、図5(B)に示される領域のコンポーネントと背景の隣接色数をカウントし、6色であると判定する。
【0040】
図5(C)はテキスト色と背景色の視認性評価値の例を示す。制御部203は、図3(D)に示す316、317、318から出力される三刺激値を用いて視認性の評価値を演算する。また、本実施形態では、テキストコンポーネントの三刺激値は(XTO、YTO、ZTO)であり、6レベルの背景の三刺激値は上から(XBO、YBO、ZBO(XB1、YB1、ZB1)、...、(XB5、YB5、ZB5)である。この時、視認性の評価値は、CIEの明度L*(エルスター)、色度u*(ユースター)、及びv*(ブイスター)、から計算されるL*u*v*色差を用いて、以下の式(1)として表すことができる。
【数1】

視認性評価値=f(L*u*v*色差)
ここで、テキスト色(T0)と一番上の背景色(B0)に対するL*u*v*色差は、白入力に対する表示装置色をX、Y、Zとする時、以下の式(2)を用いて演算することができる。
【数2】

L*TO=116×(YTO/Y)^(1/3)−16
L*BO=116×(YBO/Y)^(1/3)−16
u*TO=13×L*TO×(uTO−u
u*BO=13×L*BO×(uBO−u
v*TO=13×L*TO×(vTO−v
v*BO=13×L*BO×(vBO−v
TO=4×XTO/(XTO+15×YTO+3×ZTO
TO=9×YTO/(XTO+15×YTO+3×ZTO
BO=4×XBO/(XBO+15×YBO+3×ZBO
BO=9×YBO/(XBO+15×YBO+3×ZBO
=4×X/(X+15×Y+3×Z
=9×Y/(X+15×Y+3×Z
制御部203は、他の背景色(B1〜B5)に対しても同様の演算を行う。
【0041】
ここで、関数f(L*u*v*色差)は、三刺激値X、Y、Zが等しく同じ色であるときを100、L*u*v*色差が大きい時ほど小さくなるような変換式である。例えば、以下の式(3)として表すことができる。
f(L*u*v*色差)=100−N×(L*u*v*色差) ・・・式(3)
N:任意の数
【0042】
上記評価値を用いて、テキスト色に対する6レベルの各背景色を評価した時の結果を図5(C)に示す。各レベル、すなわち区画毎の評価値は、背景(B0)に対し90、背景(B1)に対し85、背景(B2)に対し80、背景(B3)に対し75、背景(B4)に対し70、背景(B5)に対し65になっている。ここで、評価基準値を80と設定していた場合、制御部203は背景色B0、背景色B1及び背景色B2が評価基準値以上であり、背景明度/色度の変換対象とはならないと判断する。制御部203は背景色B3、背景色B4及び背景色B5は評価基準値未満であると判断し、強調部206に背景明度/色度の変換処理を行なうように指示する。図5(D)は強調部206が背景明度/色度の変換処理を行った後のプレゼンテーション用表示画像である。図5(D)に示すように、図5(B)に示す背景色B3、背景色B4及び背景色B5が、背景色B3c、背景色B4c及び背景色B5cに変換されている。
【0043】
図6は、背景明度/色度の変換処理を説明する図である。図6(A)はテキスト色(T0)及び背景色(B0〜B5)の明度L*を表し、図6(B)は、テキスト色(T0)及び背景色(B0〜B5)のu*、v*の色度座標を表す。図6(B)には、強調部206が背景明度/色度を変換処理することによって、色度を変換したB3c、B4c及びB5cも記されている。図6(B)は、色度のみの処理を示している。評価基準値よりも評価値が低いほど色度の変換処理量を大きくする必要があるため、図に示すように、B3からB3cへの色相変換角度よりB5からB5cへの色相変換角度の方が大きい。
【0044】
第1の実施形態では、視認性評価式にCIEのL*u*v*色差式を用いた実施形態として表記しているが、評価式及び評価値は限定されるものではない。さらに、背景明度/色度の変換処理量として評価値と基準値との差に応じた色相角変換量を記述しているが、背景の明度または色度の一方のみを視認性の評価値として決める方法を用いてもよい。また、本実施形態において、PC101がプレゼンテーション用ソフトウェアを備えている例を記載したが、プロジェクタ装置106が該ソフトウェア備えることも可能である。
【0045】
(第2の実施形態)
図8は、本発明に係る第2の実施形態のフローチャートである。なお、S801からS816までの処理は第1の実施形態におけるS701からS716までと同様であるため説明は省略する。S816で、比較部205は評価結果を既定の基準値と比較する。S817で、比較部が該評価結果が既定の基準値より低いと判断した場合、そのコンポーネント隣接エリアは視認性が低く表示情報が識別困難なエリアであると判断する。S820で、強調部206は視認性の低いエリアに対しエッジ強調または縁取り処理を行ない、処理を施した画像データを制御部203を介して通信部202に渡す。S819で、通信部202から画像データを受け取ったプロジェクタ装置106は、全コンポーネントに対し視認性が高まるように色変換された画像を出力する。
【0046】
図9は、第2の実施形態のS820で強調部206が行ったエッジ強調または縁取り処理の詳細図である。図9(A)、図9(B)及び図9(C)は図6の図6(A)、図6(B)及び図6(C)に類似しているため、説明は省略する。図9(D)の実線で囲まれたエリアは、図8のS817で比較部205が視認性が低いと判断したエリアを表している。具体的には、テキスト色T0と背景色B3、テキスト色T0と背景色B4、テキスト色T0と背景色B5の境界部分である。
【0047】
図9(E)は、図8のS820で強調部206が行った基準値未満エリア処理の一例を示す図である。強調部206は、図8(D)で説明した視認性が低いエリア部の明度に対し、エッジ強調処理を施す。すなわち、強調部206は評価値の高いB3エリアより評価値の低いB4及びB5エリアに対し、強度を強めたエッジ強調処理を施す。強調部206は、テキストコンポーネント側にもエッジ強調処理が施すが、T0の明度レベルが高いためプロジェクタ装置106が表示する画像に変化はおきない。
【0048】
同様に、図9(F)は図8のS820で強調部206が行った基準値未満エリア処理の別の例を示す。この例では、強調部206は、図8(D)で表される視認性が低いエリア部B3〜B5が同じ明度になるように縁取り処理を施す。
【0049】
第2の実施形態における、エッジ強調処理量は、評価値と基準値との差に応じた処理強度を記述しているが、必ずしも評価値と基準値との差に応じて変化させる必要はない。また、エッジ強調の強度や縁取り処理の縁の太さまたは濃さも一定である必要はない。例えば、表示解像度、設定メニューのうち解像感に関与するメニューである「シャープネス/ソフトネス」、明度を制御するメニューである「ゲイン/オフセット/ガンマ」などに連動して変化させてもよい。
【0050】
(第3の実施形態)
図10は、本発明に係る第3の実施形態のフローチャートである。なお、S1001からS1016までの処理は、図7のS701からS716までと同様であるため説明は省略する。S1016で比較部205は評価結果を既定の基準値と比較する。比較部205は、評価結果が基準値より低いと判断した場合、そのコンポーネント隣接エリアは視認性が低く、表示される画像が識別困難なエリアであると判断する。
【0051】
S1017で、比較部205は、基準値未満のエリアの数、例えば図5に示すB3〜B5の数をカウントする。比較部205は、カウント結果の数と既定の警告カウント情報の数とを比較する。比較部205は、カウント結果の数が既定の警告カウント情報の数と等しいまたは上回る場合は、通信部202を介してPCモニタに警告表示、例えばコンポーネントと隣接するコンポーネントとの差異を明確にするための強調処理を促す警告表示を行う。なお、警告カウント情報とは、基準値未満エリアが既定数以上であるとき警告を表示させる数値を表す情報である。警告カウント情報は、ユーザが設定しても良い。
【0052】
PCモニタ102に表示された警告表示によりユーザは、視認性処理の判断を行う。警告表示に対し、視認性の処理を行なわないとユーザが決定した場合は、S1019でプロジェクタ装置106が視認性の処理を行っていない画像を出力する。一方、警告表示に対し、視認性の処理を行なうとユーザが決定した場合、通信部202は視認性の処理指示を受け取り、制御部203に渡す。制御部203は視認性の処理指示を受け取ると、S1021で強調部206に視認性の処理を行わせる。S1021で強調部206が行う視認性の処理は、第1の実施形態のS717で行う処理または第2の実施形態のS820で行う処理である。その後S1019で、プロジェクタ装置106は、視認性の処理が行われた画像を通信部202を介して受け取り、該画像を出力する。
【0053】
(第4の実施形態)
図11は、本発明に係る第4の実施形態のフローチャートである。S1101及びS1102の処理は、第1の実施形態のS701及びS702と同様である。S1122で制御部203は、記憶部204を参照し、S1102で取得した機器に対する表示機器情報ファイルを検索する。記憶部204が表示機器情報ファイルを所持していない場合、S1123で制御部203は、通信部202を介してプロジェクタ装置106から表示機器情報ファイルを取得する。なお、表示機器情報ファイルとは、図3(B)を参照して説明した情報のさらに詳細な情報である。図3(B)に示す図3(A)に対応した演算順序、処理方法の情報であるのに対し、表示機器情報ファイルは、表示機器のあらゆる表示モード、設定メニュー値に対応する処理順序、処理方法を含む。具体的には、RGB色度や白/黒色度やガンマ特性などの表示特性、RGBデータ処理順序、RGBデータ処理方法である。S1104で、制御部203は取得した表示機器情報ファイルを基にプロファイルを作成する。以降S1105〜S1121までの処理は図10のS1005〜S1021までの処理と同様であるため説明は省略する。
【0054】
(第5の実施形態)
次に第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、図11で示したS1119での映像出力に代わりファイルが保存される。S1119で、PCモニタ102に表示された警告表示に対し、ユーザが視認性の処理を行なわないと判断した場合、制御部203は強調部206に視認性の処理を行わせず、記憶部204に判断結果としてファイルを保存させる。一方、警告表示に対し、ユーザが視認性処理を行なうと判断した場合、S1121で制御部203は視認性の処理を行い、S1119で変更した画像データのファイルを判断結果として記憶部204に保存させる。
【0055】
なお、制御部203は、現状のアプリケーションファイル形式で保存してもよく、その他の形式、例えば静止画像として未圧縮もしくは圧縮処理後に保存してもよい。さらに、複数スライド画像を複数の静止画像として1ファイルに未圧縮もしくは圧縮処理後における保存、または複数スライド画像を複数のナンバリングされた静止画像ファイルとして未圧縮もしくは圧縮処理後における保存を行なう場合も含まれる。
【0056】
(画像調整プログラム)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そしてそのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0057】
101 PC
102 PCモニタ
106 プロジェクタ装置
107 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置で作成された画像データを、表示装置から表示する画像データに調整するための画像調整方法であって、
前記情報処理装置から第1コンポーネントの情報及び第2コンポーネントの情報を含む画像データと、前記表示装置が表示する画像用の表示設定とを取得する取得工程と、
前記表示設定を用いて、RGBデータと明度及び色度とを関連付けたプロファイルを作成し、作成した前記プロファイルを用いて前記情報処理装置で作成された画像データを前記表示装置から出力する画像データに変換する変換工程と、
前記変換工程で変換された前記画像データに含まれる第1コンポーネントと第2コンポーネントとの間の明度及び色度の差に関する視認性の評価値を演算する演算工程と、
前記演算工程で取得した視認性の評価値と、予め設定された基準値とを比較する比較工程と、
前記比較工程で得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断し、前記明度または前記色度を変更することにより視認性を高める変更工程と、
を含むことを特徴とする画像調整方法。
【請求項2】
前記演算工程は、前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントの隣接色数を区画毎にカウントし、カウントした前記各区画の隣接色数を予め設定された評価基準値と比較し、前記各区画の隣接色についてそれぞれの視認性の評価値を演算する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像調整方法。
【請求項3】
前記視認性の評価値は、L*u*v*色差の関数である、ことを特徴とする請求項1に記載の画像調整方法。
【請求項4】
前記変更工程は、前記比較手段により得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断し、前記基準値を下回る領域の前記第1コンポーネントの色もしくは前記第2コンポーネントの色または前記第1コンポーネントの明度もしくは前記第2コンポーネントの明度を変更することにより強調処理を施す、ことを特徴とする請求項1に記載の画像調整方法。
【請求項5】
前記変更工程は、前記比較手段により得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断し、前記基準値を下回る領域の前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントとの境界を強調する強調処理を施す、ことを特徴とする請求項1に記載の画像調整方法。
【請求項6】
前記比較工程で得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断され、前記情報処理装置に対して警告を通知し、それにより前記情報処理装置を操作するユーザに強調処理の判断を促す警告工程をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の画像調整方法。
【請求項7】
前記警告工程を介して前記情報処理装置を操作するユーザに強調処理の判断を促した際に、前記ユーザによる強調処理の判断結果を保存する保存工程をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の画像調整方法。
【請求項8】
情報処理装置で作成された画像データを表示させる表示装置とネットワークを介して通信することができる画像調整装置であって、
前記情報処理装置から第1コンポーネントの情報及び第2コンポーネントの情報を含む画像データと、前記表示装置が表示する画像用の表示設定とを取得する取得手段と、
前記表示設定を用いて、RGBデータと明度及び色度とを関連付けたプロファイルを作成し、作成した前記プロファイルを用いて前記情報処理装置で作成された画像データを前記表示装置から出力する画像データに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記画像データに含まれる第1コンポーネントと第2コンポーネントとの間の明度及び色度の差に関する視認性の評価値を演算する演算手段と、
前記演算手段により取得した視認性の評価値と、予め設定された基準値とを比較する比較手段と、
前記比較手段により得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断し、前記明度または前記色度を変更することにより視認性を高める変更手段と、
を備えることを特徴とする画像調整装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像調整方法をコンピュータに実行させることを特徴とする画像調整プログラム。
【請求項10】
情報処理装置で作成された画像データを、表示装置から表示する画像データに調整するための画像調整方法であって、
前記情報処理装置から第1コンポーネントの情報及び第2コンポーネントの情報を含む画像データと、前記表示装置が表示する画像用の表示設定とを取得する取得工程と、
前記表示設定を用いて、RGBデータと明度及び色度とを関連付けたプロファイルを作成し、作成した前記プロファイルを用いて前記情報処理装置で作成された画像データを前記表示装置から出力する画像データに変換する変換工程と、
前記変換工程で変換された前記画像データに含まれる第1コンポーネントと第2コンポーネントとの間の明度及び色度の差に関する視認性の評価値を演算する演算工程と、
前記演算工程で取得した視認性の評価値と、予め設定された基準値とを比較する比較工程と、
前記比較工程で得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断され、前記情報処理装置に対して警告を通知し、それにより前記情報処理装置を操作するユーザに強調処理の判断を促す警告工程と、
を含むことを特徴とする画像調整方法。
【請求項11】
前記警告工程を介して前記情報処理装置を操作するユーザに強調処理の判断を促した際に、前記ユーザによる強調処理の判断結果を保存する保存工程をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の画像調整方法。
【請求項12】
情報処理装置で作成された画像データを表示させる表示装置とネットワークを介して通信することができる画像調整装置であって、
前記情報処理装置から第1コンポーネントの情報及び第2コンポーネントの情報を含む画像データと、前記表示装置が表示する画像用の表示設定とを取得する取得手段と、
前記表示設定を用いて、RGBデータと明度及び色度とを関連付けたプロファイルを作成し、作成した前記プロファイルを用いて前記情報処理装置で作成された画像データを前記表示装置から出力する画像データに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記画像データに含まれる第1コンポーネントと第2コンポーネントとの間の明度及び色度の差に関する視認性の評価値を演算する演算手段と、
前記演算手段により取得した視認性の評価値と、予め設定された基準値とを比較する比較手段と、
前記比較手段により得られた比較結果が前記基準値を下回る場合に視認性が低いと判断し、前記情報処理装置に対して警告を通知し、それにより前記情報処理装置を操作するユーザに強調処理の判断を促す警告手段と、
を備えることを特徴とする画像調整装置。
【請求項13】
請求項10または11に記載の画像調整方法をコンピュータに実行させることを特徴とする画像調整プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−114076(P2013−114076A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260818(P2011−260818)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】