説明

画素データ転送制御装置及び画素データ転送制御方法

【課題】出力データセレクタを構成する論理回路の回路規模を小さくすることを可能にする画素データ転送制御装置及び画素データ転送制御方法を提供する。
【解決手段】
本願発明の画素データ転送制御装置100は、m色の色要素の画素データにより構成されるカラー画素データが格納されるメモリからnバイト幅を有する入力バス160を介して読み出して、該色要素に対応づけた出力バス(170〜172)を介して画像処理回路に転送する制御を行う装置であり、カラー画素データを構成する1の色要素の画素データを格納する記憶容量を備えるバッファであって、mとnとの公倍数に相当する個数のバッファ(101〜112)と、カラー画素データをバッファ列(101〜112)のバッファに順次格納させる入力データセレクタ120と、同一色要素の画素データを格納する複数のバッファから、画素データを各色要素に対応づけられた出力バス(170〜172)に出力する出力データセレクタ(130〜132)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DMA(Direct Memory Access)転送方式による画素データの転送制御を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャン機能を利用して画素データ(例えば、RGBデータ)を生成する画像処理装置として、例えば、コピー、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、等の複合機が知られている。これらの画像処理装置が生成する画素データには、例えば、RGBデータがある。RGBデータは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、の各色データを、1画素に含む。また、各色データのサイズは8ビットであることが多く、その場合、1画素のデータサイズは24ビットとなる。
【0003】
一般に、上述した画像処理装置において、メモリ内に生成されたRGBデータは、RGBデータに対して各種処理を実行する画像処理回路に転送される。ここでの転送は、DMA転送方式等により行われることが多く、例えば、32ビットや64ビット単位で転送される。例えば、特許文献1には、DMA転送方式によるデータ転送を行うシステムについて記載されている。
【0004】
このとき、RGBデータは、画素単位で、画像処理回路に入力されることが望まれる。しかしながら、DMA転送方式では、上述したように、RGBデータは32ビットや64ビット単位で転送されるため、RGBデータを1画素(24ビット)単位で画像処理回路に入力することができない。そこで、DMA転送方式で転送されるRGBデータは、画素単位で同期して出力可能なブリッジ回路を介して、画像処理回路に入力される。このブリッジ回路は、少なくとも、複数のバッファと、DMA転送方式で転送された各色データを各バッファに順次格納するための入力データセレクタと、各バッファに格納した各色データの1画素分を同期させて画像処理回路に出力するための出力データセレクタを備える。ここで、出力データセレクタには、赤色(R)の色データだけを出力する赤色データ出力セレクタと、緑色(G)色データだけを出力する緑色データ出力セレクタと、青色(B)の色データだけを出力する青色データ出力セレクタの3つのセレクタが含まれていなければならない。
【特許文献1】特開2000−322375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したブリッジ回路では、各バッファに格納される各色データの色の種類は不定であるため、各色に対応する出力データセレクタから、決められた色の色データを出力させるためには、出力データセレクタを構成する論理回路の回路規模が大きくならざるを得ない。
【0006】
本発明は、上述した出力データセレクタを構成する論理回路の回路規模を小さくすることを可能にするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、m色の色要素の画素データにより構成されるカラー画素データが格納されるメモリからnバイト幅を有する第1のバスを介して読み出して、該色要素に対応づけた第2のバスを介して画像処理回路に転送する制御を行う画素データ転送制御装置において、前記第1のバスを介して前記メモリから転送されるカラー画素データを一時的に格納する一の色要素の画素データを格納する記憶容量を備えるバッファであって、前記mと前記nとの公倍数に相当する個数のバッファを配列したバッファ列と、前記第1のバスを介して転送されるカラー画素データを前記バッファ列のバッファに順次格納させる第1のセレクタと、前記バッファ列のうち、同一色要素の画素データを格納する複数のバッファから、当該格納される画素データを、各色要素に対応づけられた第2のバスに、出力する第2のセレクタと、を備える、画素データ転送制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のデータ転送装置によれば、出力データセレクタを構成する論理回路の回路規模を小さくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
本発明の実施形態に適用される画素データ転送制御装置100のハードウェア構成の一例を、図1のブロック図に示す。画素データ転送制御装置100は、図示するように、RGBデータを格納するためのバッファ(101〜112)と、入力データセレクタ120と、出力データセレクタ(130〜132)と、転送制御回路140と、カウンタ150と、を有する。
【0011】
画素データ転送制御装置100は、例えば、図2に示すような画素データ転送制御システム50で使用される。
図示するように、画素データ転送制御システム50は、画素データ転送制御装置100と、メインメモリ200と、DMAC(Direct Memory Access Controller)300と、画像処理回路400と、を備えている。画素データ転送制御システム50において、メインメモリ200に格納されているRGBデータは、32ビット幅の入力バス160を介して、DMA転送方式で画素データ転送制御装置100に転送される。そして、画素データ転送制御装置100は、メインメモリ200から転送されたRGBデータを、1画素分ずつ同期させて、出力バス(170〜172)を介して、画像処理回路400に転送する。これにより、画像処理回路400は、画素データ転送制御装置100から同期して転送されたデータを1画素分のデータと認識した上で、画像処理を行うことができる。
【0012】
なお、メインメモリ200は、スキャン機能を利用してRGBデータを生成する、例えば、コピー、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、等の複合機に内蔵されるメモリである。メインメモリ200には、図3に示すように、生成されたRGBデータの各色データ(赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、の色データ)が、アドレス順に格納される。ここで、各色データのサイズは8ビット(1バイト)であり、3色の色データでRGBデータの1画素を構成する。従って、RGBデータの1画素分のデータサイズは24ビットとなる。
【0013】
図2に戻って、DMAC300は、CPUを介すことなくデータ転送を行なうDMA転送方式によるデータ転送(メインメモリ200から画素データ転送制御装置100へのデータ転送)の制御を行なう専用のLSIである。ここでのDMA転送方式によるデータ転送は、入力バス160を介して、32ビットのバス幅で行われる。
【0014】
画像処理回路400は、画素データ転送制御装置100から転送されたRGBデータに対して、各種画像処理を行う回路である。ここで、各種画像処理には、「2値化処理」、「エッジ検出処理」、「補正処理」等の処理が含まれる。また、画像処理回路400には、RGBデータの1画素を構成する各色データ(赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、の色データ)が、同期して入力される。ここで、各色データの転送(画像処理回路400への入力)には、それぞれの色専用に設けたバスを使用して行われる。例えば、赤色(R)データは、赤色データ専用バス170、緑色(G)データは、緑色データ専用バス171、青色(B)データは、青色データ専用バス172、を介して、画像処理回路400に同期して入力される。
【0015】
図1に戻り、画素データ転送制御装置100のバッファ(101〜112)は、メインメモリ200から転送されたRGBデータを格納するためのバッファである。バッファ(101〜12)は、第1のバッファ101、第2のバッファ102、第3のバッファ103、第4のバッファ104、第5のバッファ105、第6のバッファ106、第7のバッファ107、第8のバッファ108、第9のバッファ109、第10のバッファ110、第11のバッファ111、第12のバッファ112といった、12個のバッファから構成される。本実施形態では、バッファ(101〜112)の個数を12個としているが、これは、「{DMA転送方式によるデータ転送のバス幅(4バイト(32ビット))}×{色データの色の種数(3色)}の公倍数」になるようにする。
また、各バッファ(101〜112)は、全て、1個の色データ(1バイト(8ビット))を格納するためのデータ記憶容量を有している。入力セレクタ120を介して入力されるRGBデータは、転送されてきた色データの順番に、各バッファ(101〜112)に格納される。例えば、RGBデータが、赤色データ(R1)、緑色データ(G1)、青色データ(B1)、赤色データ(R2)の順に、メインメモリ200から転送されてきた場合、第1のバッファ101に赤色データ(R1)、第2のバッファ102に緑色データ(G1)、第3のバッファ103に青色データ(B1)、第4のバッファ104に赤色データ(R2)が、順次格納される。そして、第12のバッファ112に青色データ(B4)が格納されると、次に転送されてきた赤色データ(R5)は、第1のバッファ101に格納される。
このように、バッファ(101〜112)の個数を12個にすることで、第1のバッファ101、第4のバッファ104、第7のバッファ107、第10のバッファ110には、赤色(R)データが格納される。また、第2のバッファ102、第5のバッファ105、第8のバッファ108、第11のバッファ111には、緑色(G)データが格納される。さらに、第3のバッファ103、第6のバッファ106、第9のバッファ109、第12のバッファ112には、青色(B)データが格納される。
さらに、各バッファ(101〜112)は、出力データセレクタ(130〜132)に接続され、格納された色データは出力データセレクタ(130〜132)に出力される。
【0016】
入力データセレクタ120は、メインメモリ200からDMA転送方式で32ビットずつ転送されてきたRGBデータを、各色データごとに、各バッファ(101〜112)に、順次格納可能なように、各色データの格納先のバッファ(101〜112)を決定する回路である。
【0017】
出力データセレクタ(130〜132)は、各バッファ(101〜112)に格納されている各色データのうち、先にバッファ(101〜112)に格納された色データの順に、1つの画素を構成する色データ(赤色(R)データ、緑色(G)データ、青色(B)データ)、を同期させて画像処理回路400に出力する回路である。例えば、出力データセレクタ(130〜132)は、赤色データ出力専用セレクタ130、緑色データ出力専用セレクタ131、青色データ出力専用セレクタ132、から構成される。赤色データ出力専用セレクタ130は、第1のバッファ101、第4のバッファ104、第7のバッファ107、第10のバッファ110に接続され、赤色データを、赤色データ専用バス170を介して画像処理回路400に出力する回路である。また、緑色データ出力専用セレクタ131は、第2のバッファ102、第5のバッファ105、第8のバッファ108、第11のバッファ111に接続され、緑色データを、緑色データ専用バス172を介して画像処理回路400に出力する回路である。さらに、青色データ出力専用セレクタ132は、第3のバッファ103、第6のバッファ106、第9のバッファ109、第12のバッファ112に接続され、青色データを、青色データ専用バス172を介して画像処理回路400に出力する回路である。
【0018】
転送制御回路140は、入力データセレクタ120、各バッファ(101〜112)、出力データセレクタ130制御して、メインメモリ200から転送されてきたRGBデータを、1画素を構成する各色データを同期させて、画像処理回路400に出力させる回路である。例えば、転送制御回路140には、カウンタ150が接続される。そして、転送制御回路140は、RGBデータが格納されていないバッファ(101〜112)の個数と、バッファ(101〜112)から出力されたRGBデータのデータ数を、カウンタ150にカウントさせる。これにより、転送制御回路140は、RGBデータが格納されていないバッファ(101〜112)が4個以上あるときに、入力データセレクタ120に、32ビット分のRGBデータ(4個の色データ)を、バッファ(101〜112)に格納させるように制御することができる。また、転送制御回路140は、バッファ(101〜112)に3個以上のRGBデータが格納されたときに、赤色データ、緑色データ、青色データ、の各色データを、それぞれ、赤色データ出力専用セレクタ130、緑色データ出力専用セレクタ131、青色データ出力専用セレクタ132に、出力させることができる。
【0019】
カウンタ150は、各バッファ(101〜112)に32ビット分のRGBデータが格納された回数をカウントするためのカウンタと、各バッファ(101〜112)に格納されているRGBデータを1画素単位で出力した回数をカウントするカウンタと、含む。カウンタ150は、転送制御回路140に接続され、転送制御回路140からの要求に応じて、カウント値をインクリメント、デクリメント、リセット、等することができる。
【0020】
以上のような構成により、画素データ転送制御装置100は、メインメモリ200から転送されたRGBデータを、1画素を構成する各色データを、同期させて、出力バス(170〜172)を介して、画像処理回路400に転送することができる。
【0021】
また、ここで、本実施形態に係る画素データ転送制御装置100と、従来のデータ転送装置とを比較する。従来のデータ転送装置は、上述したように、各バッファに格納される各色データの色の種類は不定である。これは、データ転送装置に備わるバッファの個数が、「{DMA転送方式によるデータ転送のバス幅(4バイト(32ビット))}×{色データの色の種数(3色)}の公倍数」になっていないためである。これにより、各バッファから、1画素を構成する各色データを、同期させて出力させるように制御する出力データセレクタは、(入力:出力)が(バッファ数:1)とせざるを得ない。
しかしながら、本実施形態に係る画素データ転送制御装置100は、画素データ転送制御装置100に備わるバッファ(101〜112)の個数が、「{DMA転送方式によるデータ転送のバス幅(4バイト(32ビット))}×{色データの色の種数(3色)}の公倍数」になっているため、1つのバッファ(101〜112)に格納される色データは、必ず同色の色データとなる。これにより、各バッファ(101〜112)から、1画素を構成する各色データを、同期させて出力させるように制御する出力データセレクタ(130〜132)は、(入力:出力)が(((バッファ数×(1/3)):1)となる。
このことは、出力データセレクタ(130〜132)の論理が、従来に比べて浅くなる(回路規模が小さくなる)ことを意味し、これにより、RGBデータの転送処理は高速化される。
【0022】
図4は、画素データ転送制御装置100で行うRGBデータの格納処理を示すフローチャートである。
【0023】
画素データ転送制御装置100の転送制御回路140は、入力データセレクタ120にRGBデータが転送されてきたときに、格納処理を開始する。例えば、転送制御回路140は、入力データセレクタ120にRGBデータが転送されてきたことを示す信号を、入力データセレクタ120から供給されたときに、格納処理を開始する。
【0024】
転送制御回路140は、格納処理を開始すると、入力データセレクタ120が、32ビット分のRGBデータを受け付ける(ステップS101)。
【0025】
このとき、転送制御回路140は、RGBデータが格納されていないバッファ(101〜112)の個数データを取得して、32ビットの空き容量が有るか否かを判別する(ステップS102)。具体的には、転送制御回路140は、カウンタ150にアクセスして、バッファ(101〜112)へのRGBデータ(32ビット分)の入力回数値を示す信号と、バッファ(110〜112)へのRGBデータ(1画素分)の出力回数値を示す信号とを、取得する。ここで、転送制御回路140は、(出力回数値×3)−(入力回数値×4)を演算し、演算結果が4以上であるか否かを判別する。
【0026】
ステップS102で、転送制御回路140は、32ビットの空き容量がないと判別した場合(ステップS102;No)、32ビットの空き容量がバッファ(101〜112)にできるまで待機する。
【0027】
一方、ステップS102で、転送制御回路140は、32ビットの空き容量が有ると判別した場合(ステップS102;Yes)、入力データセレクタ120を制御して、32ビット分のRGBデータを、順次、バッファ(101〜112)に格納させる(ステップS103)。具体的には、転送制御回路140は、入力データセレクタ120に転送された色データから順に、32ビット分(4個の色データ)を、バッファ(101〜112)に格納させる。例えば、第6のバッファ106〜第10のバッファ110に、RGBデータが格納されていない場合、転送制御回路140は、入力データセレクタ120に転送されてきた順に、32ビット分(4個)の色データを、第6のバッファ106、第7のバッファ107、第8のバッファ108、第9のバッファ109へと格納させるように、入力データセレクト120を制御する。また、例えば、第1のバッファ101〜第3のバッファ103、及び、第10のバッファ110〜第12のバッファ112に、RGBデータが格納されていない場合、転送制御回路140は、32ビット(4個)の色データを、第10のバッファ110、第11のバッファ111、第112のバッファ112、第1のバッファ101へと格納させるように、入力データセレクタ120を制御する。
【0028】
32ビット分のRGBデータをバッファ(101〜112)に格納後、転送制御回路140は、カウンタ150の入力回数値をインクリメントして、格納処理を終了させる。
【0029】
図5は、画素データ転送制御装置100で行うRGBデータの出力処理を示すフローチャートである。
【0030】
画素データ転送制御装置100の転送制御回路140は、図示しない電源から画素データ転送制御装置100に電力が供給されたときに、出力処理を開始する。
【0031】
まず、転送制御回路140は、1画素分のRGBデータが、バッファ(101〜112)に格納されているか否かを判別する(ステップS201)。具体的には、転送制御回路140は、カウンタ150にアクセスして、バッファ(101〜112)へのRGBデータ(32ビット分)の入力回数値を示す信号と、バッファ(110〜112)へのRGBデータ(1画素分)の出力回数値を示す信号とを、取得する。ここで、転送制御回路140は、(入力回数値×4)−(出力回数値×3)を演算し、演算結果が3以上であるか否かを判別する。
【0032】
ステップS201で、転送制御回路140は、バッファ(101〜112)に、1画素分のRGBデータが格納されていないと判別した場合(ステップS201;No)、バッファ(101〜112)に1画素分のRGBデータが格納されるまで待機する。
【0033】
一方、ステップS201で、転送制御回路140は、バッファ(101〜112)に、1画素分のRGBデータが格納されていると判別した場合(ステップS201;Yes)、出力データセレクタ(130〜132)を制御して、1画素分のRGBデータを画像処理回路400に出力させる(ステップS202)。具体的には、転送制御回路140は、バッファ(101〜112)に最も先に格納された、赤色(R)データ、緑色(G)データ、青色(B)データ、の各色データを、それぞれ、赤色データ出力専用セレクタ130、緑色データ出力専用セレクタ131、青色データ出力専用セレクタ132に、出力させる。例えば、第4のバッファ104、第7のバッファ107に赤色(R)データ、第5のバッファ105に緑色(G)データ、第6のバッファ106に青色(B)データ、が格納されている場合、転送制御回路140は、赤色データ出力専用セレクタ130に、第4のバッファ104に格納されている赤色(R)データを、赤色データ専用バス170を介して、画像処理回路400に出力させる。また、これと同期させて、転送制御回路140は、緑色データ出力専用セレクタ131に、第5のバッファ105に格納されている緑色(G)データを、緑色データ専用バス171を介して、画像処理回路400に出力させる。さらに、これと同期させて、転送制御回路140は、青色データ出力専用セレクタ132に、第6のバッファ106に格納されている青色(B)データを、青色データ専用バス172を介して、画像処理回路400に出力させる。
【0034】
このとき、転送制御回路140は、RGBデータが出力されたバッファ(101〜112)に残っているデータは削除しておく。
【0035】
また、ステップS202で1画素分のRGBデータを画像処理回路400に出力した後、転送制御回路140は、カウンタ150の出力回数値をインクリメントして、処理をステップS203に移行させる。
【0036】
ステップS203では、転送制御回路140は、バッファ(101〜112)にRGBデータが格納されているか否かを判別する(ステップS203)。具体的には、転送制御回路140は、カウンタ150にアクセスして、バッファ(101〜112)へのRGBデータ(32ビット分)の入力回数値を示す信号と、バッファ(110〜112)へのRGBデータ(1画素分)の出力回数値を示す信号とを、取得する。ここで、転送制御回路140は、(出力回数値×3)−(入力回数値×4)を演算し、演算結果が0であるか否かを判別する。
【0037】
ステップS203で、転送制御回路140は、バッファ(101〜112)にRGBデータが格納されていると判別した場合(ステップS203;Yes)、処理をステップS201に移行させる。一方、転送制御回路140は、バッファ(101〜112)にRGBデータが格納されていないと判別した場合(ステップS203;No)、出力処理を終了させる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、転送制御回路140が入力データセレクタ120、各バッファ(101〜112)、出力データセレクタ(130〜132)を制御して、RGBデータを構成する各色データを同期させて、画像処理回路400に出力するようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、所定のプログラムを格納した記憶装置や、このプログラムを処理するCPU、等を備えて、CPUにプログラムを処理させて、RGBデータを転送する制御を行うようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、DMA転送方式によるデータ転送のバス幅は32ビットとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、64ビットや128ビットのバス幅で、RGBデータを転送させてもよい。
【0041】
さらに、上記実施形態では、画素データ転送制御装置100のバッファ(101〜112)の個数は12個にしている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、バッファの個数は、「{DMA転送方式によるデータ転送のバス幅(バイト)}×{色データの色の種類数}の公倍数」であれば、任意の個数でよい。ただし、1個のバッファ(101〜112)には、1(バイト)の各色データを格納することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、画素データ転送制御装置100は、RGBデータといった3色の色データを有する画素データの転送を制御するものとしている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、転送する画素データは、3色より多い種類又は3色より少ない種類の色データを有していてもよい。
【0043】
さらに、上記実施形態では、画素データ転送制御装置100を、図2に示す画素データ転送制御システム50に適用して、メインメモリ200から画像処理回路400への画素データの転送を制御する場合について説明している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、画像処理回路400が画像処理した後の画素データをメインメモリ200へ転送する場合にも、その転送を画素データ転送制御装置100に制御させるようにしてもよい。
この場合、例えば、画像処理回路200は、画像処理した後のRGBデータの各色データ(赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、の色データ)を、それぞれ、赤色データ専用バス170、緑色データ専用バス171、青色データ専用バス172を介して、画素データ転送制御装置100に入力する。このとき、画素データ転送制御装置100は、赤色データ出力専用セレクタ130、緑色データ出力専用セレクタ131、青色データ出力専用セレクタ132に対応する逆向きのセレクタを介して、第1バッファ101〜第12のバッファ112に、画素データを順次格納していく。この場合、赤色データは、第1のバッファ101、第4のバッファ104、第7のバッファ107、第10のバッファに順次格納される。また、緑色データは、第2のバッファ102、第5のバッファ105、第8のバッファ108、第11のバッファ111に順次格納される。さらに、青色データは、第3のバッファ103、第6のバッファ106、第9のバッファ109、第12のバッファ112に順次格納される。画素データ転送制御装置100は、第1のバッファ101〜第12のバッファ112に格納された画素データを、32ビット単位で、入力データセレクタ120に対応する逆向きのセレクタを介して、メインメモリ200に、順次、転送する。これにより、図1と同様の構成で、画像処理回路200からメインメモリ200への画素データの転送を実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る画素データ転送制御装置のハードウェア構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画素データ転送制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】メインメモリに格納される画素データのデータ構造を概念的に示す説明図である。
【図4】画素データ転送制御装置で実行される格納処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】画素データ転送制御装置で実行される出力処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
50…画素データ転送制御システム、100…画素データ転送制御装置、101…第1のバッファ、102…第2のバッファ、103…第3のバッファ、104…第4のバッファ、105…第5のバッファ、106…第6のバッファ、107…第7のバッファ、108…第8のバッファ、109…第9のバッファ、110…第10のバッファ、111…第11のバッファ、112…第12のバッファ、120…入力データセレクタ、130…赤色データ出力専用セレクタ、131…緑色データ出力専用セレクタ、132…青色データ出力専用セレクタ、140…転送制御回路、150…カウンタ、160…入力バス、170…赤色データ専用バス、171…緑色データ専用バス、172…青色データ専用バス、200…メインメモリ、300…DMAC、400…画像処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
m色の色要素の画素データにより構成されるカラー画素データが格納されるメモリからnバイト幅を有する第1のバスを介して読み出して、該色要素に対応づけた第2のバスを介して画像処理回路に転送する制御を行う画素データ転送制御装置において、
前記カラー画素データを構成する1の色要素の画素データを格納する記憶容量を備えるバッファであって、前記mと前記nとの公倍数に相当する個数のバッファを、配列したバッファ列と、
前記第1のバスを介して転送されるカラー画素データを前記バッファ列のバッファに順次格納させる第1のセレクタと、
前記バッファ列のうち、同一色要素の画素データを格納する複数のバッファから、当該格納される画素データを、各色要素に対応づけられた第2のバスに、出力する第2のセレクタと、を備える、
ことを特徴とする画素データ転送制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画素データ転送制御装置であって、
前記第1のセレクタは、前記メモリから、各画素について予め定められた色要素の順に、画素データを読み出し、前記バッファ列の各バッファに、前記色要素ごとに、順次格納する、
ことを特徴とする画素データ転送制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画素データ転送制御装置であって、
前記m色の色要素は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色である、
ことを特徴とする画素データ転送制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画素データ転送制御装置であって、
前記バッファ列を構成する各バッファの記憶容量が1バイトである、
ことを特徴とする画素データ転送制御装置。
【請求項5】
m色の色要素の画素データにより構成されるカラー画素データが格納されるメモリからnバイト幅を有する第1のバスを介して読み出して、該色要素に対応づけた第2のバスを介して画像処理回路に転送する制御を行う画素データ転送制御装置における画素データ転送制御方法であって、
前記画素データ転送制御装置は、
前記カラー画素データを構成する1の色要素の画素データを格納する記憶容量を備えるバッファであって、前記mと前記nとの公倍数に相当する個数のバッファを、配列したバッファ列と、第1のセレクタと、第2のセレクタと、を備え、
前記第1のセレクタが、前記第1のバスを介して転送されるカラー画素データを前記バッファ列のバッファに順次格納させる格納過程と、
前記第2のセレクタが、前記バッファ列のうち、同一色要素の画素データを格納する複数のバッファから、当該格納される画素データを、各色要素に対応づけられた第2のバスに、出力する出力過程と、
を有する、
ことを特徴とする画素データ転送制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画素データ転送制御方法であって、
前記格納過程は、
前記第1のセレクタが、前記メモリから、各画素について予め定められた色要素の順に、画素データを読み出し、前記バッファ列の各バッファに、前記色要素ごとに順次格納することである、
ことを特徴とする画素データ転送制御装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の画素データ転送制御方法であって、
前記m色の色要素は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色である、
ことを特徴とする画素データ転送制御方法。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の画素データ転送制御方法であって、
前記バッファ列を構成する各バッファの記憶容量は、1バイトである、
ことを特徴とする画素データ転送制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−199351(P2008−199351A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33276(P2007−33276)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】