説明

画素構造および液晶ディスプレイパネル

【課題】光学補償複屈折液晶ディスプレイ(OCB-LCD)での液晶分子をスプレイ状態からベンド状態へ速く変換することができる画素構造および液晶ディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】この画素構造は、能動素子、画素電極、絶縁層、および転移電極を含んでいる。能動素子は、走査線およびデータ線に電気的に接続されている。画素構造は、能動素子に電気的に接続されている。絶縁層は、走査線、データ線、および画素電極上に配置される。転移電極は、絶縁層に配置され、転移電極と画素電極との間に横電場が生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素構造と液晶ディスプレイパネルに関するものである。さらに詳細に述べると、本発明は転移電極を有する画素構造と液晶ディスプレイパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置への需要が増加するにつれて、関連するディスプレイ装置の開発への努力がなされてきた。優れた表示品質や熟練した技術のために、陰極線管(CRT)がディスプレイ装置市場を支配してきた。しかし、近年、環境保全の概念の高まりから、消費電力が高く、放射線発生が高レベルであり、また、フラットパネル設計に限りがある、といった不利点から、CRTは、軽い、薄い、短い、小さい、省電力ディスプレイ生産、といった市場動向の要求に応えることができない。それゆえ、高画質、高い空間利用効率、低消費電力、放射線を発生しない、といった利点をもった薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)が、市場における主な生産動向になっている。
【0003】
液晶ディスプレイ装置は、液晶のタイプ、光源の構成位置、駆動方法、によって異なるタイプに分けることができる。速い応答速度をもつ、光学補償複屈折液晶ディスプレイ(OCB-LCD)は、アニメや映画のような、素早く連続的に変化する画像を表示しながら、画像表示の円滑なコンピュータを提供することができる。OCB-LCDは高性能液晶ディスプレイ装置に適している。しかし、液晶分子の一部が、スプレイ状態からねじれ状態に変換され、それからベンド状態に変換された後のみ、OCB-LCDは、速い応答稼動をもたらすためのスタンバイ状態に入ることができる。
【0004】
図1Aは、液晶ディスプレイパネルにおける、スプレイ状態の液晶分子の概略図である。図1Bは、液晶ディスプレイパネルにおける、ベンド状態の液晶分子の概略図である。図1Aと図1Bを同時に参照すると、OCB-LCDパネル10では、液晶層11が上部基板12と下部基板13との間に配置される。上部基盤12と下部基板13に配置される配向層のラビング方向は、互いに平行である。液晶層11内の液晶分子が外部電場によって作用されないとき、該液晶分子は、スプレイ状態に並べられる。OCB-LCD装置がスタンバイ状態に変わるとき、上部基板12に垂直な電場が、液晶分子に働かなければならない。それにより、液晶分子の一部はベンド状態へ変換される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のOCB-LCD装置においては、画素を正常に駆動するためには上述した変換過程を行うのに、数分間を必要とする、つまり、OCB-LCDがスタンバイ状態に変わるまでに、長い待機時間が必要とされる。しかし、それは液晶ディスプレイにとって、オープンアンドプレイ特性の必要性に対して不利である。それゆえ、OCB-LCD装置が消費者によってより受け入れられるためには、速い転移が必要である。
【0006】
OCB-LCDパネル中の液晶分子が、ベンド状態からスプレイ状態へ速く変換するように、従来技術では、液晶分子がベンド状態からスプレイ状態へと速く変換されるように、電圧をあげることによってより強い電場を発生させることになる。しかしながら、高電圧に耐え得る、適切な駆動チップを見つけるのは簡単ではなく、また、関連する研究や開発を行うことは簡単ではない。従来技術における他の一般的な方法は、高分子を液晶層に加えることによるものである。液晶分子がベンド状態にあるとき、高分子の壁を形成するために、紫外線が高分子に照射される。それによって、液晶分子はベンド状態に配列された状態を保つことができる。前記の方法は簡単だけれど、OCB-LCDパネルでは、光漏れをもたらすことになる。さらに、他の従来技術の方法では、例えば、画素電極中にスリットが形成されたり、あるいは、バンプが、特別な画素設計によって画素電極に形成される。これによって、スプレイ状態からベンド状態への転移のプロセスを促進するために、部分的な領域での液晶分子の配列形を変えることができる。
【0007】
従って、本発明の目的は、光学補償複屈折液晶ディスプレイ(OCB-LCD)での液晶分子をスプレイ状態からベンド状態へ速く変換することができる画素構造を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、短い応答時間の液晶ディスプレイパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的を達成するため、走査線とデータ線によって駆動される画素構造が提供される。前記画素構造は、能動素子、画素電極、絶縁層、および転移電極を含んでいる。前記能動素子は、前記走査線と前記データ線に電気的に接続されている。前記画素電極は、前記能動素子に電気的に接続されている。前記絶縁層は、前記走査線、前記データ線、前記画素電極上に配置される。前記転移電極は、前記絶縁層に配置され、横電場が、前記転移電極と前記画素電極との間に生じる。
【0010】
本発明の一実施例によれば、転移電極の材料は、透明あるいは不透明な導電性材料を含んでいる。該転移電極の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、あるいは金属を含んでいる。
【0011】
本発明の一実施例によれば、転移電極は画素電極上に配置される。
【0012】
本発明の一実施例によれば、転移電極は走査線上に配置される。
【0013】
本発明の一実施例によれば、転移電極は第一共通電圧V1に電気的に接続されている。画素電極は駆動電圧Vdに電気的に接続されている。第一共通電圧V1と駆動電圧Vdとの間の電圧差の絶対値は、約3ボルトと7ボルトとの間である。
【0014】
本発明の一実施例によれば、画素構造は、絶縁層と転移電極上に配置される配向層を含み、配向層はラビング方向を有する。さらに、ラビング方向は横電場の方向とは異なる。
【0015】
本発明の一実施例によれば、画素構造はさらに、画素構造の下に配置されるコンデンサ電極を含んでいる。
【0016】
本発明の一実施例によれば、転移電極は、コンデンサ電極上の絶縁層に配置される。
【0017】
本発明はまた、能動素子配列基板、カラーフィルター基板、および液晶層を含む、液晶ディスプレイパネルを提供する。カラーフィルター基板は能動素子配列基板上に配置される。液晶層は、能動素子配列基板とカラーフィルター基板との間に配置される。能動素子配列基板は、第一基板、複数の走査線、複数のデータ線、および複数の画素構造を含んでいる。走査線とデータ線のいずれも、第一基板に配置される。画素構造は、第一基板に配置され、それぞれ走査線とデータ線によって駆動される。各画素構造は、能動素子、画素電極、絶縁層、転移電極を含んでいる。能動素子は、対応する走査線とデータ線に電気的に接続されている。画素電極は、対応する能動素子に電気的に接続されている。絶縁層は、走査線、データ線、画素電極上に配置される。転移電極は、絶縁層に配置され、転移電極と画素電極との間に、横電場が生じる。カラーフィルター基板は、第二基板、共通電極、カラーフィルター層を含んでいる。共通電極は第二基板上に配置される。カラーフィルター層は第二基板と共通電極との間に配置される。
【0018】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板の転移電極の材料は、透明あるいは不透明の導電性材料を含んでいる。しかし、転移電極の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、あるいは金属を含んでいる。
【0019】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板の転移電極は、画素電極上に配置される。
【0020】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板の転移電極は、走査線上に配置される。
【0021】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板の転移電極は、第一共通電圧V1に電気的に接続されている;画素電極は駆動電圧Vdに電気的に接続されている;第一共通電圧V1と駆動電圧Vdとの電圧差の絶対値は、3ボルトと7ボルトとの間である。
【0022】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板は、絶縁層と転移電極上に配置される配向層を含み、配向層はラビング方向を有する。さらに、ラビング方向は、横電場の方向とは異なる。
【0023】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板の各画素構造は、画素電極の下に配置されたコンデンサ電極を含んでいる。
【0024】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板の転移電極は、コンデンサ電極上の絶縁層に配置される。
【0025】
本発明の一実施例によれば、能動素子配列基板の転移電極は、第一共通電圧V1に電気的に接続され、カラーフィルター基板の共通電極は、第二共通電圧V2に電気的に接続され、第一共通電圧V1と第二共通電圧V2の電圧差の絶対値は、15ボルトよりも大きい。本発明の好適な実施例では、第一共通電圧V1と第二共通電圧V2との間の電圧差の絶対値は、15ボルトと32ボルトとの間である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の画素構造では、横電場は転移電極と画素電極との間に生じ、画素構造が、液晶ディスプレイパネルにおいて用いられるならば、部分的な領域での液晶分子の配列は速く変えられることができる。液晶ディスプレイパネルが画像を表示するときに、残りの液晶分子はベンド状態へ速く変換され得るので、液晶ディスプレイパネルの応答時間を短く出来る。さらに、液晶ディスプレイパネルでは、液晶ディスプレイパネルがより速い応答時間を示すことができるように、転移電極とカラーフィルター基板との間の電圧差は、横電場の強度を変えるために調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の形態を図2Aから図2Gに示した実施例に沿って詳細に説明する。なお、本発明は実施形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0028】
図2Aは、本発明の一実施例による液晶ディスプレイの断面概略図である。図2Bは、図2Aの液晶ディスプレイパネルの能動素子配列基板の平面図である。図2Aおよび図2Bを参照すると、液晶ディスプレイパネル400は光学補償複屈折液晶ディスプレイ(OCB-LCD)パネルであり、液晶ディスプレイパネルは能動素子配列基板300、カラーフィルター基板200、液晶層100を含んでいる。カラーフィルター基板200は、能動素子配列基板300上に配置され、液晶層100はカラーフィルター基板200と能動素子配列基板300との間に配置される。
【0029】
能動素子配列基板300は、第一基板310、複数の走査線320、複数のデータ線330、複数の画素構造340を含んでいる。第一基板310は、例えばガラス、石英ガラス、あるいは他の適した材料からなる基板である。走査線320はアルミニウム合金導線あるいは他の適した導電性材料からなる導線であり、該走査線320は前記第一基板310に配置される。データ線330はクロム導線、アルミニウム合金導線、あるいは他の適した導電性材料の導線であり、データ線330はまた第一基板310に配置される。画素構造340は第一基板310に配置され、対応する走査線320およびデータ線330によって駆動され、また、各画素構造340のそれぞれは、能動素子20、画素電極30、絶縁層40および転移電極50を含んでいる。能動素子20は、例えば、薄膜トランジスタ、三端子を有するスイッチ素子、あるいは他の適切な素子であり、該能動素子20は前記走査線320および前記データ線330に電気的に接続されている。本実施例では、能動素子20は薄膜トランジスタとして示されている。能動素子20は、ゲート21、ソース22、ドレイン23、チャネル層24およびオーミック接触層25(図2Aを参照)をもつ。画素電極30は、前記能動素子20に電気的に接続されている。画素電極30は、例えば、透過型電極、反射型電極、あるいはトランスフレクティブ型電極である。画素電極の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、金属、あるいは他の透明もしくは不透明な導電性材料を含んでいる。絶縁層40は、走査線320、データ線330、および画素電極30上に配置される。絶縁層40の材料は、例えば、有機感光材、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、あるいは他の適した絶縁材料を含んでいる。絶縁層40は、平坦な層でもよい。転移電極50は、絶縁層40に配置されていて、横電場52は、転移電極50と画素電極30との間に作り出される。横電場52は転移電場50から始まり(あるいは、に終わる)画素電極30に終わる(あるいは、から始まる)電場であり、横電場52の方向は、転移電極50の異なる位置や形によって変化することができるということに注目すべきである。
【0030】
カラーフィルター基板200は、第二基板210、共通電極220およびカラーフィルター層230を含んでいる。第二基板210は、例えばガラス基板、石英ガラス基板、あるいは他の適した材料からなる基板である。共通電極220の材料は、例えば、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、あるいは他の適する導電性材料であり、共通電極220は第二基板210に配置される。カラーフィルター層230は第二基板210と共通電極220の間に配置される。
【0031】
図2Bに示された実施例では、転移電極50は帯形状の電極であり、同じ列の画素構造340に配置される転移電極50は、互いに接続している。転移電極50の材料は、例えば、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、金属あるいは他の透明もしくは不透明の導電性材料を含み、転移電極50は画素電極30上に配置される。さらに、画素構造340は配向層60aとコンデンサ電極70を含んでいる。配向層60aの材料は、例えばポリイミド樹脂(PI)あるいは他の適する材料を含み、配向層60aは絶縁層40と転移電極50上に配置され、配向層60aはラビング方向62を有する。コンデンサ電極70の材料は、例えば、金属、合金、あるいは他の適する導電性材料を含み、コンデンサ電極70は画素電極30の下に配置される。転移電極50はコンデンサ電極70上の絶縁層40に配置される。ラビング方向62は横電場52の方向とは異なることに注目するべきである。本実施例の画素構造340では、転移電極50の形状は、横電場52が全ての位置でできるだけラビング方向に対して垂直になるように設計されている。さらに、カラーフィルター基板200の共通電極220は、配向層60bを含み、配向層60bのラビング方向は、配向層60aのラビング方向62に対して同じか平行である。
【0032】
液晶ディスプレイパネル400では、画素構造340が、部分的な領域において、液晶分子の配列を予め変化可能なように設計することができる。通常、液晶ディスプレイパネル400が画像を表示する前に、画素構造340の転移電極50は、第一共通電圧V1に電気的に接続され、そして、画素電極30は電気的に駆動電圧Vdに接続される。第一共通電圧V1は固定電圧で、駆動電圧Vdは画像が表示されるのにしたがって変化してもよい。第一共通電圧V1と、駆動電圧Vdとの間の電圧差の絶対値は3ボルトと7ボルトとの間が好ましいということに注意すべきである。したがって、横電場52は転移電極50と画素電極30との間に生じる。液晶層100では、最初はスプレイ状態にあった液晶分子の部分は、横電場によってねじれ状態に変換し、それから、ねじれ状態からベンド状態へと変換する。液晶ディスプレイパネル400が画像を表示するとき、液晶層100に垂直な電場が形成される。全ての液晶分子がスプレイ状態にある条件と比較してみると、液晶分子の一部がベンド状態にあるとき、実施例における残りの液晶分子は、ベンド状態へより速く変換されうる。このように、液晶ディスプレイパネル400は、通常の駆動方法におけるよりも速い応答時間をもつ。
【0033】
上述したように、液晶ディスプレイパネル400では、カラーフィルター基板200の共通電極220が、第二共通電圧V2に電気的に接続されている。第一共通電圧V1と第二共通電圧V2との間の電圧差の絶対値は15ボルトより大きい。例えば、液晶ディスプレイパネル400が1〜2秒間待機状態のとき、第一共通電圧V1と第二共通電圧V2との間の電圧差の絶対値は、15ボルトと32ボルトとの間である。転移電極50とカラーフィルター基板200の共通電極220との間の電圧差を調整することによって、横電場の強度を変えることができる。このように、液晶ディスプレイパネルが画像を表示する前に、より多くの液晶分子をベンド状態にすることができる。液晶ディスプレイパネルが画像を表示するとき、第一共通電圧V1と第二共通電圧V2との電圧差の絶対値は、2ボルトと7ボルトとの間であり、したがって、液晶分子はスプレイ状態からベンド状態へより速く変換され得る。それゆえ、液晶ディスプレイパネルは、より速い応答時間を有する。
【0034】
図2Bに示されている実施例では、転移電極50は帯形状電極であり、転移電極50は、コンデンサ電極70上の絶縁層40に配置される。しかし、本発明では、転移電極50は帯形状電極に限定されず、転移電極50はまたコンデンサ電極70上の絶縁層に配置されることにも限定されない。
【0035】
図2Cに示されているように、他の実施例の能動素子配列基板500では、画素構造540の転移電極510は画素電極上に配置されるが、コンデンサ電極70上には重ねられていない。図2Cに示されている実施例では、転移電極510の材料は透明な導電性材料である方が好ましい。
【0036】
さらに、転移電極はまた、図2Dから2Gに示されるように、走査線上に配置される。これらの実施例における能動素子配列基板600、700、800、900では、画素構造640、740、840、940の転移電極610、710、810、910は、すべて走査線320上に配置されていて、転移電極の形状はまた帯形状だけではない。転移電極610、710、810、910が走査線320上に配置される場合、転移電極610、710、810、910は透明な導電性材料あるいは不透明な導電性材料である。図2Cから2Gに示されるように、画素構造540、640、740、840、940は全て上述の画素構造340と同じ機能を持っている。つまり、画素構造540、640、740、840、940内の転移電極510、610、710、810、910と画素電極30との間に、横電場は生じうる。画素構造540、640、740、840、940を用いることによって作られる、全ての液晶ディスプレイパネル(図示しない)はまた、速い応答速度を有する。
【0037】
図2Dから2Gに示されているように、転移電極510、610、710、810、910の構造(帯形状電極だけでなく)は、コンデンサ電極70(図2Bに示されているように転移電極50の位置)上にも配置され得ること、また、画素電極40上に配置され得るが、コンデンサ電極70(図2Cに示されているように転移電極510の位置)には重ならないでいること、ということに注目するべきである。
【0038】
要約すると、本発明の画素構造では、転移電極と画素電極との間に、横電場が生じる。画素構造が液晶ディスプレイパネルに適用されると、部分的な領域の液晶分子の配列の型を前もって変えることができる。液晶ディスプレイパネルが画像を表示するとき、液晶分子はベンド状態に速く変換されるので、液晶ディスプレイパネルの応答時間は短くなる。さらに、液晶ディスプレイパネルでは、転移電極とカラーフィルター基板との間の電圧差もまた、横電場の強度を変化させるように調整され得るので、液晶分子はスプレイ状態からベンド状態へ、より速く変換することができる。すなわち、 液晶ディスプレイパネルはより速い応答時間を有することができる。
【0039】
本発明の範囲あるいは精神から逸脱することなく、本発明の構造に対して、様々な改良や変更が可能であることは、当業者にとって自明である。上記の観点から、本発明は、本発明の改良や変更が、特許請求の範囲及びそれらに相当する場合、そのような改良や変更を包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】液晶ディスプレイパネルにおけるスプレイ状態の液晶分子の概略図。
【図1B】液晶ディスプレイパネルにおけるベンド状態の液晶分子の概略図。
【図2A】本発明の一実施例による液晶ディスプレイの断面概略図。
【図2B】図2Aの液晶ディスプレイパネルの能動素子配列基板の平面図。
【図2C】本発明の一実施例の画素構造を示す平面図。
【図2D】本発明の一実施例の画素構造を示す平面図。
【図2E】本発明の一実施例の画素構造を示す平面図。
【図2F】本発明の一実施例の画素構造を示す平面図。
【図2G】本発明の一実施例の画素構造を示す平面図。
【符号の説明】
【0041】
20:能動素子
30:画素電極
40:絶縁層
50、510、610、710、810、910:転移電極
52:横電場の方向
60a、60b:配向層
62:ラビング方向
70:コンデンサ電極
100:液晶層
200:カラーフィルター基板
210:第二基板
220:共通電極
230:カラーフィルター層
300、500、600、700、800、900:能動素子配列基板
310:第一基板
320:走査線
330:データ線
340、540、640、740、840、940:画素構造
400:液晶ディスプレイパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線とデータ線とによって駆動されるのに適し、
前記走査線と前記データ線とに電気的に接続されている能動素子と、
前記能動素子と電気的に接続されている画素電極と、
前記走査線、前記データ線、および前記画素電極上に配置される絶縁層と、
前記絶縁層に配置される転移電極と、
を備え、
前記転移電極と前記画素電極とは、それらの間に横電場を発生することを特徴とする画素構造。
【請求項2】
前記転移電極の材料は、透明あるいは不透明な導電性材料を含んでいる、請求項1に記載の画素構造。
【請求項3】
前記転移電極の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、あるいは金属を含んでいる、請求項2に記載の画素構造。
【請求項4】
前記転移電極は、前記画素電極上に配置される請求項1に記載の画素構造。
【請求項5】
前記転移電極は、前記走査線上に配置される請求項1に記載の画素構造。
【請求項6】
前記転移電極は、第一共通電圧V1に電気的に接続され、
前記画素電極は、駆動電圧Vdに電気的に接続され、
前記第一共通電圧V1と前記駆動電圧Vdとの間の電圧差の絶対値は、約3ボルトと7ボルトとの間である、請求項1に記載の画素構造。
【請求項7】
前記絶縁層と前記転移電極の上に配置される配向層をさらに含み、
該配向層はあるラビング方向を有する、請求項1に記載の画素構造。
【請求項8】
前記ラビング方向は、前記横電場の方向とは異なる、請求項7に記載の画素構造。
【請求項9】
前記画素電極の下に配置されるコンデンサ電極を含んでいる、請求項1に記載の画素構造。
【請求項10】
前記転移電極は、前記コンデンサ電極の上方の前記絶縁層に配置される、請求項9に記載の画素構造。
【請求項11】
能動素子配列基板と、
カラーフィルム基板と、を備え、
前記能動素子配列基板は、
第一基板と、
前記第一基板に配置される、複数の走査線と、
前記第一基板に配置される、複数のデータ線と、
前記第一基板に配置され、前記走査線および前記データ線によってそれぞれ駆動される、複数の画素構造と、を備え、
前記画素構造はそれぞれ、
対応する前記走査線と前記データ線とに電気的に接続されている能動素子と、
対応する前記能動素子に電気的に接続されている画素電極と、
前記走査線、前記データ線、および前記画素電極上に配置される絶縁層と、
前記絶縁層に配置される転移電極と、を備え、
前記転移電極と前記画素電極とは、それらの間に横電場を発生し、
前記カラーフィルター基板は前記能動素子配列基板上に配置され、
第二基板と、
前記第二基板上に配置される共通電極と、
前記第二基板と前記共通電極との間に配置されるカラーフィルター層と、
前記能動素子配列基板と前記カラーフィルター基板との間に配置される液晶層と、を含んでいることを特徴とする、液晶ディスプレイパネル。
【請求項12】
前記能動素子配列基板の前記転移電極の材料は、透明あるいは不透明の導電性材料を含んでいる、請求項11に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項13】
前記転移電極の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、あるいは金属を含んでいる、請求項12に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項14】
前記能動素子配列基板の前記転移電極は、前記画素電極上に配置される、請求項11に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項15】
前記能動素子配列基板の前記転移電極は、前記走査線上に配置される、請求項11に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項16】
前記能動素子配列基板の前記転移電極は、第一共通電圧V1と電気的に接続され、
前記画素電極は駆動電圧Vdに電気的に接続され、前記第一共通電圧V1と前記駆動電圧Vdとの間の電圧差の絶対値は3ボルトと7ボルトとの間である、請求項11に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項17】
前記能動素子配列基板は、前記絶縁層と前記転移電極上に配置される配向層を含み、該配向層はラビング方向を有する、請求項11に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項18】
前記ラビング方向は前記横電場の方向と異なる、請求項17に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項19】
前記能動素子配列基板は、前記画素電極の下に配置されるコンデンサ電極をさらに含んでいる、請求項11に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項20】
前記能動素子配列基板の前記転移電極は、前記コンデンサ電極上の前記絶縁層に配置される、請求項19に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項21】
前記能動素子配列基板の前記転移電極は、第一共通電圧V1に電気的に接続され、前記カラーフィルター基板の前記共通電極は、第二共通電極V2と電気的に接続され、前記第一共通電圧V1と前記第二共通電圧V2との間の電圧差の絶対値は、15ボルトよりも大きい、請求項11に記載された液晶ディスプレイパネル。
【請求項22】
前記第一共通電圧V1と前記第二共通電圧V2との間の電圧差の絶対値は15ボルトと32ボルトとの間である、請求項21に記載された液晶ディスプレイパネル。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【公開番号】特開2007−183532(P2007−183532A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141305(P2006−141305)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(502352807)中華映管股▲ふん▼有限公司 (84)
【Fターム(参考)】