界面検出装置および界面検出方法
【課題】液界面の揺れ、気泡の発生等に関係なく、液体残量を正確に検出できる界面検出装置および界面検出方法を提供することにある。
【解決手段】信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出装置である。そして、異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とする。
【解決手段】信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出装置である。そして、異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面検出装置および界面検出方法、例えば、タンク内の液体残量を検出できる界面検出装置および界面検出方法に関する。ただし、前記界面には、液体と気体との界面、気体と固体との界面、液体中の異物(例えば、固体)と前記液体との界面が含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、タンク内の液体残量を検出できる界面検出装置としては、例えば、図19(A)に示すように、タンク1の底面に取付けた超音波センサ2から液界面3に向けて超音波4を発射する装置がある。そして、発射された超音波4が液界面3で反射して前記超音波センサ2に受信されるまでの時間をカウントし、カウントした時間を距離に換算することにより、液界面3の高さを検出して液体5の残量を測定していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図20に示すように、外部からの振動により液界面3が揺れ、波立つことがある。このため、前述の測定方法では、超音波4が高さの異なる液界面3で反射し、前記超音波センサ2が受信時間を正確にカウントできない。
また、揮発性液体が温度,圧力の変化で沸騰した場合には、液界面3および液体5中に気泡6が発生することがある。また、炭酸ガスを溶解した溶液からも気泡6が発生することもある。このような場合には、超音波4が気泡6で反射し、液界面3で反射することなく超音波センサ2に受信されるだけでなく、乱反射によって反射波を検出できない場合もあった。
さらに、図21に示すように、超音波センサ2から発射された超音波4が液界面3で何度の反射し、前記超音波センサ2が第1反射波だけでなく、第2反射波,第3反射波をも受信することがある。
以上のような理由により、従来の測定方法では液界面3までの距離を正確に測定できず、タンク1内の液体5の残量を正確に検出できないという問題点があった。
【0004】
本発明は、前記問題点に鑑み、液界面の揺れ、気泡の発生等に関係なく、液体残量などを正確に測定できる界面検出装置および界面検出方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる界面検出装置は、前記課題を解決すべく、信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出装置において、異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とする構成からなるものであってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、液界面が揺れている場合であっても、送信信号を複数回送信することにより、反射波の受信時間を測定すると、得られたデータは一定の母集団となる。このデータを受信時間幅毎に分類,累積すると、正規分布となる。そして、正規分布の山頂部、すなわち、最多頻度におけるデータが真値を示すと考えられる。このため、最多頻度のデータを真値として採用することにより、液界面の揺れによる測定誤差を除去できる。
【0007】
また、気泡が発生した場合であっても、通常、気泡は液体中を上昇し、一定の位置に停止していない。このため、同一の気泡で反射した反射波(受信波)であっても、受信時間は一定でない。この結果、同一の気泡で反射して受信される受信波の受信時間は長くなり、同一気泡に基づく受信信号であっても、同一受信時間の受信信号は得られない。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、気泡の影響を解消して液界面までの距離を求めることができる。
【0008】
さらに、複数の反射波が混在する場合であっても、通常、送信された送信信号は界面で反射して液体等の中を往復する間に減衰してゆく。このため、受信信号の増幅が小さい、あるいは、しきい値が高いと、所定のしきい値を超えない受信信号がある一方で、常にしきい値を超える受信信号がある。この結果、得られた受信信号のうち、最多頻度の受信信号が第1反射波と断定できる。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、第1反射波の受信時間、すなわち、液界面までの距離を求められる。
【0009】
特に、本発明によれば、例えば、装置の稼働開始時において最適な初期検出周波数を自動的に選択できるので、マニュアル調整のような調整のバラツキがなく、消費電力を確実に低減できる。
【0010】
したがって、本発明によれば、界面の揺れ、気泡の発生、および、複数回の反射波の存在に関係なく、界面までの距離を正確に検出できる界面検出装置が得られる。
【0011】
本発明の実施形態としては、送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号の検出周波数の近傍領域としてもよい。
【0012】
本実施形態によれば、時々刻々と変化する外部環境に応じて最適な検出周波数を短時間で選択できる。このため、常に最適な検出周波数で界面を検出でき、信頼性の高い界面検出装置が得られるという利点がある。
【0013】
本発明にかかる界面検出方法としては、信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、送信回数に応じて受信感度を変化させ、送信毎に得られた受信信号を受信時間毎に累積し、最大累積度数が規定頻度を越えた場合に、最多頻度の受信時間に基づいて前記界面までの距離を決定する工程であってもよい。
【0014】
なお、ここで受信感度を変化させるとは、反射波に対する増幅の度合いを変化させることにより、前記反射波がしきい値を越えるか否かで受信信号を選択する場合と、しきい値を変化させることにより、反射波が前記しきい値を超えるか否かで受信信号を選択する場合とを意味する。
【0015】
本発明によれば、液界面が揺れている場合、気泡が発生した場合、および、複数の反射波が混在する場合であっても、前述の界面検出装置と同様、最多頻度のデータを真値として採用することにより、液界面の揺れによる測定誤差を除去できる。
【0016】
別の発明にかかる界面検出方法としては、信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とする工程からなるものであってもよい。
【0017】
本発明によれば、例えば、装置の稼働開始時において最適な初期検出周波数を自動的に選択できるので、マニュアル調整のような調整のバラツキがなく、消費電力を確実に低減できる。
【0018】
本発明の実施形態としては、送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号の検出周波数の近傍領域としてもよい。
【0019】
本実施形態によれば、時々刻々と変化する外部環境に応じて最適な検出周波数を短時間で選択できるので、常に最適な状態で界面を検出でき、信頼性の高い界面検出装置が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明にかかる第1実施形態は、図1ないし図11に示すように、バルクタンク10内に貯留した液体プロパンガス11の液界面を検出することにより、液体プロパンガス11の残量を検出する超音波計測システムに適用した場合である。
【0021】
本実施形態にかかる超音波計測システムは、図1Aに示すように、前記バルクタンク10の底面に取り付けた超音波センサ13を、ガス漏れ警報機14内の制御装置15に接続したものである。そして、前記制御装置15およびガスメータ16はネットワーク・コントロール・ユニット17(以下、「NCU」という)に接続されている。前記NCU17は電話回線,PHS等を介して図示しないガス管理センターに接続されている。
【0022】
したがって、前記液体ガス11の残量が所定量よりも少なくなったことを超音波センサ13が検出すると、前記制御装置15が前記NCU17を介してガス管理センターに信号を自動的に出力し、前記液体ガス11の補充を依頼する。このため、図1Bに示すように、ガス供給信号を受信したガス管理センターはローリー車18で液体ガス11を前記バルクタンク10に補給する。なお、19aは圧力計、19bは流量計、19cはバーナーである。
【0023】
前記制御装置15は、図2のブロック図に示すように、入力信号を処理して種々の出力信号を出力するCPU20を備えている。
すなわち、前記超音波センサ13は、増幅回路21、フィルタ回路22、検波回路23、更に増幅回路24、比較回路25を介して前記CPU20に接続されている。そして、前記CPU20は相互に信号を入出力するバースト波発生回路26および駆動回路27を介して前記超音波センサ13に接続されている。また、前記CPU20は発信回路28を介して前記バースト波発生回路26に接続されている。さらに、前記CPU20は増幅回路24に増幅の度合いを変更するゲイン制御を行うとともに、検波回路23の出力信号に対して残響制御を行う。なお、前記CPU20および前記駆動回路27等の各ブロックは電源部29にそれぞれ接続されている。
一方、前記CPU20は警報出力部30を介して前記NCU17に接続されているとともに、通信制御部をも介して前記NCU17に接続されている。また、前記ガスメータ16もガスの使用量を検出し、前記NCU17を介してガス管理センターに信号を出力する。
【0024】
次に、超音波センサ13による計測方法について説明する。
発信回路28から出力された高周波がバースト波発生回路26に入力されると、スタート信号が前記CPU20に入力される。このため、前記CPU20から前記バースト波発生回路26に制御信号が出力され、前記バースト波発生回路26から所定の周波数のバースト波が出力される。このバースト波は駆動回路27で増幅され、超音波センサ13から超音波として発射される。そして、液界面あるいは気泡で反射した反射波は前記超音波センサ13に受信波として受信される。前記受信波は増幅回路21で増幅された後、フィルタ回路22で雑音が除去され、検波回路23で検波される。ついで、前記検波回路23で処理された受信信号が出力されるとき、前記CPU20からの残響制御で超音波センサ13の残響に基づく信号がカットされる。そして、増幅回路24で再度増幅され、比較回路25で比較されて一定のしきい値を超える受信信号のみが前記CPU20に格納される。
【0025】
次に、超音波センサ13から得られた受信信号の処理手順について図3から図5のフローチャートに従って説明する。
ステップS1でCPU20から増幅器24にゲイン制御を行い、ゲイン、すなわち増幅率を小とした後、ステップS2でバースト波を超音波センサ13から送信する。そして、ステップS3で反射波である受信波を受信したか否かを判断し、受信していないのであれば、ステップS5にスキップし、受信していれば、ステップS4で受信までの時間をカウントして距離に換算した後、格納する。ついで、ステップS5で所定時間、送信を待った後、送信回数が規定回数N以上であるか否かを判断し、N回よりも少ない場合には、ステップS2にリターンし、N以上であれば、ステップS7に進む。ステップS7では収集した距離の最多頻度が規定頻度M以上であるか否かを判断し、規定頻度Mよりも少ない場合にはステップS9にスキップし、規定頻度M以上であれば、ステップS8で最多頻度の距離を真値と決定し、計測を終了する。
【0026】
図4に示すように、ステップS9でCPU20から増幅器24にゲイン制御を行い、ゲイン、すなわち増幅率を中とした後、ステップS10でバースト波を超音波センサ13から送信する。そして、ステップS11で反射波である受信波を受信したか否かを判断し、受信していないのであれば、ステップS13にスキップし、受信していれば、ステップS12で受信までの時間をカウントして距離に換算した後、格納する。ついで、ステップS13で所定時間、送信を待った後、送信回数が規定回数N以上であるか否かを判断し、Nよりも少ない場合には、ステップS10にリターンし、N以上であれば、ステップS15に進む。ステップS15では収集した距離の最多頻度が規定頻度M以上であるか否かを判断し、規定頻度Mよりも少ない場合にはステップS17にスキップし、規定頻度M以上であれば、ステップS16で最多頻度の距離を真値と決定し、計測を終了する。
【0027】
図5に示すように、ステップS17でCPU20から増幅器24にゲイン制御を行い、ゲイン、すなわち増幅率を大とした後、ステップS18でバースト波を超音波センサから送信する。そして、ステップS19で反射波である受信波を受信したか否かを判断し、受信していないのであれば、ステップS21にスキップし、受信していれば、ステップS20で受信までの時間をカウントして距離に換算した後、格納する。ついで、ステップS21で所定時間、送信を待った後、送信回数が規定回数N以上であるか否かを判断し、Nよりも少ない場合には、ステップS18にリターンし、N以上であれば、ステップS23に進む。ステップS23では収集した距離の最多頻度が規定頻度M以上であるか否かを判断し、規定頻度Mよりも少ない場合には計測範囲外とし、規定頻度M以上であれば、ステップS24で最多頻度の距離を真値と決定し、計測を終了する。
したがって、ゲイン、すなわち増幅率を徐々に増大させることにより、規定頻度に達するデータを収集し、最多頻度のデータを真値と決定して所望の距離を求めることができる。
【0028】
次に、図6のタイムチャートに基づき、超音波センサが収集したデータから真値を決定する方法について説明する。なお、説明の便宜上、実際の計測回数よりも少ない計測回数で説明する。
ゲインが小さい場合、バースト波を送信した後、大きな反射波を受信するまでの間の受信時間T1,T2をカウントする。ついで、所定の時間間隔t1でバースト波を送信し、同様に処理して受信時間T3,T4を求める。ただし、超音波センサの残響による影響を除去するため、送信波時間および残響時間の合計時間t2の間は、計測されない。
【0029】
そして、ゲインの程度を中とし、前述と同様な処理を施して反射波の受信時間T5を測定する。さらに、ゲインの程度を大とし、前述と同様な処理を施して反射波の受信時間T6,T7,T8,T9,T10,T11を測定する。
【0030】
次に、図7に示すように、前述の処理で得られた受信時間T1ないしT11を、受信時の温度に基づく超音波の伝達速度を考慮して距離換算し、距離L1ないしL11を得る。そして、距離幅1cm毎に分類し、距離幅毎に累積した後、最多頻度の距離幅を真値と決定する。送信回数毎に得られた距離幅をグラフ化すると、図8Aに示すようになり、これをより判りやすく分類して累積すると、図8Bとなる。
【0031】
最多頻度の距離幅にかかる受信時間を採用すれば、真値が得られる理由について詳述する。ただし、説明の便宜上、ゲイン(増幅率)を大きくした場合を基準として説明する。
通常、超音波センサから発射された超音波は液界面で反射して液体中を往復する間に減衰してゆく。そこで、例えば、図9に示すように、インターバル時間Tの間隔で送信するとともに、送信毎にゲイン(増幅率)を小さくすると、同一の液界面に反射して減衰した第2反射波、第3反射波は計測されなくなり、第1反射波だけが計測される。このため、1回目の送信で受信時間t1,t2,t3の受信波を受信し、次いで、2回目の送信で受信時間t4,t5の受信波を受信し、3回目の送信で受信時間t6の受信波を受信した場合、第1反射波の受信時間は最多頻度の受信時間t1(=t4=t6)であることになる。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、第1反射波の受信時間、すなわち、液界面までの距離を求められる。
【0032】
また、液界面で反射した複数回目の反射波と気泡で反射した反射波とが混在している場合がある。通常、気泡は液体中を上昇し、一定の位置に停止していない。このため、同一の気泡に反射した反射波(受信波)であっても、受信時間は同一でない。このため、例えば、図10に示すように、インターバル時間Tの間隔で送信するとともに、送信毎にゲイン(増幅率)を小さくして受信する。
【0033】
すなわち、1回目の送信で受信時間t1,t2,t3,t4の受信波を受信し、次いで、2回目の送信で受信時間t5,t6,t7,t8,t9の受信波を受信し、3回目の送信で受信時間t10,t11の受信波を受信したとする。この場合、前述の説明から明らかなように、同一の液界面に反射して減衰した第2反射波、第3反射波が受信される回数が減少する。さらに、同一の気泡で反射しても、受信される受信波の受信時間は長くなるので、同一気泡に基づく受信信号であっても、同一受信時間の受信信号は得られない。このため、最多頻度の受信時間t2(=t6=t10)が第1反射波の受信時間であると判断できる。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、複数回の反射波および気泡の影響を除去し、第1反射波の受信時間、すなわち、液界面までの距離を求めることができる。
【0034】
さらに、図11に示すように、液界面で反射した前回の受信波と気泡で反射した今回の受信波とを送信毎に順次受信する場合がある。液界面で反射した前回の受信波の受信時間t1と気泡で反射した受信波の今回の受信時間t2との差が充填速度あるいは放出速度から存在し得ない場合には、今回の受信時間t2を除去する。気泡は一定の位置に留まっていないので、このように処理することにより、気泡の存在による測定誤差を除去できる。
【0035】
そして、液界面が揺れている場合であっても、送信信号を複数回送信することにより、反射波の受信時間を測定すると、得られたデータは一定の母集団となる。このデータを受信時間幅毎に分類,累積すると、正規分布する。そして、正規分布の山頂部、すなわち、最多頻度におけるデータが真値を示すと考えられる。このため、最多頻度のデータを真値として採用することにより、液界面の揺れによる測定誤差を除去できる。
【0036】
第2実施形態は、図12ないし図17に示すように、最適な初期検出周波数を自動的に選択できる機能を第1実施形態に付加した場合である。
前述の第1実施形態における界面検出装置は、その初期検出周波数が固定式の場合である。しかし、例えば、鉄製タンクに充填した液体の界面を検出しようとすると、超音波カップリング剤の組成および厚み、鉄製タンクの鉄板の材質および厚み、液体の内容等により、最も透過しやすい超音波の周波数は変化する。そして、最適な検出周波数と現実の検出周波数との間にズレがあると、所望の検出感度が得られず、所望の検出感度を得るために出力電力を大きくする必要があり、消費電力が多くなる。そこで、最適な初期検出周波数とするため、現場ではマニュアルによって初期の検出周波数を調整していた。しかし、現場におけるマニュアル調整では手間がかかるだけでなく、バラツキが大きいという不具合がある。第2実施形態は、前述の不具合に鑑み、自動的に最適な初期検出周波数を選択して界面を検出できる界面検出装置を提供することにある。
【0037】
基本的構成は、図12に示すように、第1実施形態とほぼ同様であるので、異なる点についてのみ説明する。
すなわち、検波回路23に直接接続された本実施形態にかかる比較回路25は、図13に示すように、CPU20からの信号を受けてSW1,2,3,4が順次切り変わる。したがって、抵抗R1,R2,R3,R4それぞれと抵抗R5との合成抵抗に基づき、抵抗R5における分圧でしきい値が順次切り変わる。そして、前記しきい値を検出信号が超えたか否かを比較器25aが比較,検出する。
【0038】
また、本実施形態にかかる発信回路28は、図14に示すように、CPU20から出力されたデジタル信号をDAコンバータ28aがアナログ信号に変換し、そのアナログ信号の電圧に応じた周波数を出力する。したがって、CPU20で検出周波数を任意に変更できる可変式の界面検出装置が得られる。
【0039】
図12に示したブロック図に基づく制御工程のうち、最適の周波数を判定する工程を図15のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、ステップS30でしきい値を最大に設定し、かつ、送信周波数を最小に設定する。ついで、ステップS31で超音波を最小の周波数で送信し、ステップS32で受信信号がしきい値を越えたか否かを判定し、超えていればステップS33で記憶し、超えていなければ、ステップS34でしきい値が最小か否かを判定する。ステップS34では前述のしきい値が最小でなければ、ステップS35でしきい値を下げてステップS31にリターンし、最小であれば、ステップS36に進む。ステップS36ではしきい値を最大とした後、ステップS37で超音波の周波数が最大か否かを判定する。周波数が最大でなければ、ステップS38で送信周波数を変更し、ステップS31にリターンし、最大であれば、ステップS39に進む。ステップS39では送信された超音波の周波数を記憶、収集し、ステップS40で初期検出周波数f0を判定、記憶する。
【0040】
より具体的に説明すると、例えば、所定の周波数の超音波を送信して得られた受信信号が、図16Aに示す山形波形を描く場合には、前記山形波形に交差するしきい値V3を特定できる。前記しきい値および送信された超音波の周波数を記憶,収集し、その中で最も高いしきい値にかかる周波数を初期検出周波数f0として判定,記憶する(図16B)。したがって、記憶した前記初期検出周波数f0の超音波を超音波センサ13から発射することにより、最適な周波数の超音波で界面を検出できる。
【0041】
なお、最適な周波数を選択する場合に、液体中に気泡が発生していたとき、あるいは、液面が揺れていたときには反射波の信号電圧が小さくなる。このため、気泡等が存在していても、反射波の最大の信号電圧に基づいて最適な初期検出周波数を選択できるという利点がある。
【0042】
第3実施形態は、図17および図18に示すように、初期検出周波数を設定した後に外部環境が変化しても、最適な検出周波数で界面を自動的に検出できる界面検出装置,方法である。
すなわち、前述の第2実施形態は装置稼働開始時の初期検出周波数を自動的に選定する場合である。しかし、装置稼働開始時の初期設定が適正であっても、外部温度の変化、超音波カップリング剤の経時変化、液体の成分変化等により、最適な検出周波数が初期検出周波数と異なる場合がある。このような場合であっても、常に最適な検出周波数で界面を検出できる界面検出装置を提供することが第3実施形態の目的である。
【0043】
第3実施形態の特徴は、図17に示すように、前述の第2実施形態が最小周波数から最大周波数までの全ての領域についてサーチするのに対し、前回の検出周波数fnを中心とする周辺の周波数についてのみサーチする場合である。これは、経時変化、温度変化に基づく最適周波数の変化はあまり大きくないという経験則に基づくものである。
【0044】
すなわち、第3実施形態の検出手法は第2実施形態とほぼ同様である。異なる点は、図18に示すように、前回の最適周波数fnを中心とし、その前後の周波数fn±Δfの領域をサーチすることより、最適周波数のサーチ時間を短縮するようにした点である。
【0045】
本実施形態にかかる制御工程のうち、最適の周波数を判定するための工程を図18のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、ステップS50でしきい値を最大に設定し、かつ、送信周波数を(fn−Δf)に設定する。ついで、ステップS51で超音波を前述の周波数で送信し、ステップS52で受信信号がしきい値を越えたか否かを判定し、超えていればステップS53で記憶し、超えていなければ、ステップS54でしきい値が最小か否かを判定する。ステップS54で前述のしきい値が最小でなければ、ステップS55でしきい値を下げてステップS51にリターンし、最小であれば、ステップS56に進む。ステップS56ではしきい値を最大とした後、ステップS57で超音波の周波数が(fn+Δf)であるか否かを判定する。周波数が(fn+Δf)でなければ、ステップS58で送信周波数を変更してステップS51にリターンし、周波数が(fn+Δf)であれば、ステップS59に進む。ステップS59では送信された超音波の周波数を記憶、収集し、ステップS60で最適検出周波数fn+1を判定、記憶する。
【0046】
本実施形態によれは、温度の変化等によって外部環境が変化しても、短時間で最適な周波数を選択でき、常に最適な条件で界面を検出できる界面検出装置,方法が得られるという利点がある。
【0047】
前述の第2,第3実施形態では、最適な検出周波数を選択できる機能を付加した場合について説明したが、前述の最適な検出周波数を選択する方法と同一の方法で、界面を検出するための受信信号を選択してもよい。すなわち、高いしきい値を徐々に下げゆき、しきい値と交差する受信信号をCPUに出力する方法である。ただし、選択した受信信号に基づいてCPUが行う処理方法は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0048】
前述の実施形態では、送信信号が超音波である場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、レーザ光を使用してもよい。ただし、タンク壁面を透過させて計測する場合には、前記タンクは光が透過できる透明または透光性を有するものに限られる。
レーザ光を送信信号とした場合、レーザ光の伝達速度は液体の温度による影響を受けず、応答が速いので、より一層精度の高い測定を迅速に行うことができるという利点がある。データの基本的処理方法は超音波と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
なお、液体の残量を検出する方法としては、送信信号が液体中を通過する必要はなく、液界面の上方から送信信号を送信して受信してもよい。また、液体と気体との界面を検出する場合に限らず、液体中の異物の検出、個体と気体との界面を検出する場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、液体プロパンガスの液界面だけでなく、他の液体の液界面、また、固体と気体との界面を検出する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明にかかる一実施形態を示し、図1Aは全体配置図、図1Bは液体ガスの補給状態を示す説明図である。
【図2】図1Aで示した制御装置のブロック図である。
【図3】図2のブロック図に基づく制御工程を示すフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】前記フローチャートに基づくタイムチャートである。
【図7】データの処理過程を示す説明図である。
【図8】図8Aは処理データをグラフ化した図面であり、図8Bはより判りやすくまとめた図表である。
【図9】同一液界面からの複数回の反射波による測定誤差を除去する方法を説明するためのタイムチャートである。
【図10】同一液界面からの複数回の反射波、および、気泡からの反射波が混在する場合の測定誤差を除去する方法を説明するためのタイムチャートである。
【図11】液中の気泡の発生による測定誤差を除去する方法を説明するためのタイムチャートである。
【図12】第2実施形態にかかる制御装置のブロック図である。
【図13】図12で示した比較回路の詳細図である。
【図14】図12で示した発信回路の詳細図である。
【図15】図12で示したブロック図に基づく制御工程を示すフローチャートである。
【図16】図15で示したフローチャート図に基づくサーチを説明するためのグラフ図であり、図Aは受信信号としきい値との関係を示し、図Bは周波数としきい値との関係を示す。
【図17】第3実施形態の基本原理を説明するためのグラフ図である。
【図18】第3実施形態にかかる制御工程を示すフローチャートである。
【図19】従来例にかかる界面検出装置を示し、図Aは装置の概略図、図Bはタイムチャート図である。
【図20】従来例にかかる界面検出装置を示し、図Aは装置の概略図、図Bはタイムチャート図である。
【図21】従来例にかかる界面検出装置を示し、図Aは装置の概略図、図Bはタイムチャート図である。
【符号の説明】
【0052】
10:バルクタンク
11:液体プロパンガス
12:液界面
13:超音波センサ
14:ガス警報機
15:制御装置
16:ガスメータ
17:NCU
20:CPU
25:比較回路
26:バースト波発生回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面検出装置および界面検出方法、例えば、タンク内の液体残量を検出できる界面検出装置および界面検出方法に関する。ただし、前記界面には、液体と気体との界面、気体と固体との界面、液体中の異物(例えば、固体)と前記液体との界面が含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、タンク内の液体残量を検出できる界面検出装置としては、例えば、図19(A)に示すように、タンク1の底面に取付けた超音波センサ2から液界面3に向けて超音波4を発射する装置がある。そして、発射された超音波4が液界面3で反射して前記超音波センサ2に受信されるまでの時間をカウントし、カウントした時間を距離に換算することにより、液界面3の高さを検出して液体5の残量を測定していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図20に示すように、外部からの振動により液界面3が揺れ、波立つことがある。このため、前述の測定方法では、超音波4が高さの異なる液界面3で反射し、前記超音波センサ2が受信時間を正確にカウントできない。
また、揮発性液体が温度,圧力の変化で沸騰した場合には、液界面3および液体5中に気泡6が発生することがある。また、炭酸ガスを溶解した溶液からも気泡6が発生することもある。このような場合には、超音波4が気泡6で反射し、液界面3で反射することなく超音波センサ2に受信されるだけでなく、乱反射によって反射波を検出できない場合もあった。
さらに、図21に示すように、超音波センサ2から発射された超音波4が液界面3で何度の反射し、前記超音波センサ2が第1反射波だけでなく、第2反射波,第3反射波をも受信することがある。
以上のような理由により、従来の測定方法では液界面3までの距離を正確に測定できず、タンク1内の液体5の残量を正確に検出できないという問題点があった。
【0004】
本発明は、前記問題点に鑑み、液界面の揺れ、気泡の発生等に関係なく、液体残量などを正確に測定できる界面検出装置および界面検出方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる界面検出装置は、前記課題を解決すべく、信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出装置において、異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とする構成からなるものであってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、液界面が揺れている場合であっても、送信信号を複数回送信することにより、反射波の受信時間を測定すると、得られたデータは一定の母集団となる。このデータを受信時間幅毎に分類,累積すると、正規分布となる。そして、正規分布の山頂部、すなわち、最多頻度におけるデータが真値を示すと考えられる。このため、最多頻度のデータを真値として採用することにより、液界面の揺れによる測定誤差を除去できる。
【0007】
また、気泡が発生した場合であっても、通常、気泡は液体中を上昇し、一定の位置に停止していない。このため、同一の気泡で反射した反射波(受信波)であっても、受信時間は一定でない。この結果、同一の気泡で反射して受信される受信波の受信時間は長くなり、同一気泡に基づく受信信号であっても、同一受信時間の受信信号は得られない。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、気泡の影響を解消して液界面までの距離を求めることができる。
【0008】
さらに、複数の反射波が混在する場合であっても、通常、送信された送信信号は界面で反射して液体等の中を往復する間に減衰してゆく。このため、受信信号の増幅が小さい、あるいは、しきい値が高いと、所定のしきい値を超えない受信信号がある一方で、常にしきい値を超える受信信号がある。この結果、得られた受信信号のうち、最多頻度の受信信号が第1反射波と断定できる。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、第1反射波の受信時間、すなわち、液界面までの距離を求められる。
【0009】
特に、本発明によれば、例えば、装置の稼働開始時において最適な初期検出周波数を自動的に選択できるので、マニュアル調整のような調整のバラツキがなく、消費電力を確実に低減できる。
【0010】
したがって、本発明によれば、界面の揺れ、気泡の発生、および、複数回の反射波の存在に関係なく、界面までの距離を正確に検出できる界面検出装置が得られる。
【0011】
本発明の実施形態としては、送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号の検出周波数の近傍領域としてもよい。
【0012】
本実施形態によれば、時々刻々と変化する外部環境に応じて最適な検出周波数を短時間で選択できる。このため、常に最適な検出周波数で界面を検出でき、信頼性の高い界面検出装置が得られるという利点がある。
【0013】
本発明にかかる界面検出方法としては、信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、送信回数に応じて受信感度を変化させ、送信毎に得られた受信信号を受信時間毎に累積し、最大累積度数が規定頻度を越えた場合に、最多頻度の受信時間に基づいて前記界面までの距離を決定する工程であってもよい。
【0014】
なお、ここで受信感度を変化させるとは、反射波に対する増幅の度合いを変化させることにより、前記反射波がしきい値を越えるか否かで受信信号を選択する場合と、しきい値を変化させることにより、反射波が前記しきい値を超えるか否かで受信信号を選択する場合とを意味する。
【0015】
本発明によれば、液界面が揺れている場合、気泡が発生した場合、および、複数の反射波が混在する場合であっても、前述の界面検出装置と同様、最多頻度のデータを真値として採用することにより、液界面の揺れによる測定誤差を除去できる。
【0016】
別の発明にかかる界面検出方法としては、信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とする工程からなるものであってもよい。
【0017】
本発明によれば、例えば、装置の稼働開始時において最適な初期検出周波数を自動的に選択できるので、マニュアル調整のような調整のバラツキがなく、消費電力を確実に低減できる。
【0018】
本発明の実施形態としては、送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号の検出周波数の近傍領域としてもよい。
【0019】
本実施形態によれば、時々刻々と変化する外部環境に応じて最適な検出周波数を短時間で選択できるので、常に最適な状態で界面を検出でき、信頼性の高い界面検出装置が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明にかかる第1実施形態は、図1ないし図11に示すように、バルクタンク10内に貯留した液体プロパンガス11の液界面を検出することにより、液体プロパンガス11の残量を検出する超音波計測システムに適用した場合である。
【0021】
本実施形態にかかる超音波計測システムは、図1Aに示すように、前記バルクタンク10の底面に取り付けた超音波センサ13を、ガス漏れ警報機14内の制御装置15に接続したものである。そして、前記制御装置15およびガスメータ16はネットワーク・コントロール・ユニット17(以下、「NCU」という)に接続されている。前記NCU17は電話回線,PHS等を介して図示しないガス管理センターに接続されている。
【0022】
したがって、前記液体ガス11の残量が所定量よりも少なくなったことを超音波センサ13が検出すると、前記制御装置15が前記NCU17を介してガス管理センターに信号を自動的に出力し、前記液体ガス11の補充を依頼する。このため、図1Bに示すように、ガス供給信号を受信したガス管理センターはローリー車18で液体ガス11を前記バルクタンク10に補給する。なお、19aは圧力計、19bは流量計、19cはバーナーである。
【0023】
前記制御装置15は、図2のブロック図に示すように、入力信号を処理して種々の出力信号を出力するCPU20を備えている。
すなわち、前記超音波センサ13は、増幅回路21、フィルタ回路22、検波回路23、更に増幅回路24、比較回路25を介して前記CPU20に接続されている。そして、前記CPU20は相互に信号を入出力するバースト波発生回路26および駆動回路27を介して前記超音波センサ13に接続されている。また、前記CPU20は発信回路28を介して前記バースト波発生回路26に接続されている。さらに、前記CPU20は増幅回路24に増幅の度合いを変更するゲイン制御を行うとともに、検波回路23の出力信号に対して残響制御を行う。なお、前記CPU20および前記駆動回路27等の各ブロックは電源部29にそれぞれ接続されている。
一方、前記CPU20は警報出力部30を介して前記NCU17に接続されているとともに、通信制御部をも介して前記NCU17に接続されている。また、前記ガスメータ16もガスの使用量を検出し、前記NCU17を介してガス管理センターに信号を出力する。
【0024】
次に、超音波センサ13による計測方法について説明する。
発信回路28から出力された高周波がバースト波発生回路26に入力されると、スタート信号が前記CPU20に入力される。このため、前記CPU20から前記バースト波発生回路26に制御信号が出力され、前記バースト波発生回路26から所定の周波数のバースト波が出力される。このバースト波は駆動回路27で増幅され、超音波センサ13から超音波として発射される。そして、液界面あるいは気泡で反射した反射波は前記超音波センサ13に受信波として受信される。前記受信波は増幅回路21で増幅された後、フィルタ回路22で雑音が除去され、検波回路23で検波される。ついで、前記検波回路23で処理された受信信号が出力されるとき、前記CPU20からの残響制御で超音波センサ13の残響に基づく信号がカットされる。そして、増幅回路24で再度増幅され、比較回路25で比較されて一定のしきい値を超える受信信号のみが前記CPU20に格納される。
【0025】
次に、超音波センサ13から得られた受信信号の処理手順について図3から図5のフローチャートに従って説明する。
ステップS1でCPU20から増幅器24にゲイン制御を行い、ゲイン、すなわち増幅率を小とした後、ステップS2でバースト波を超音波センサ13から送信する。そして、ステップS3で反射波である受信波を受信したか否かを判断し、受信していないのであれば、ステップS5にスキップし、受信していれば、ステップS4で受信までの時間をカウントして距離に換算した後、格納する。ついで、ステップS5で所定時間、送信を待った後、送信回数が規定回数N以上であるか否かを判断し、N回よりも少ない場合には、ステップS2にリターンし、N以上であれば、ステップS7に進む。ステップS7では収集した距離の最多頻度が規定頻度M以上であるか否かを判断し、規定頻度Mよりも少ない場合にはステップS9にスキップし、規定頻度M以上であれば、ステップS8で最多頻度の距離を真値と決定し、計測を終了する。
【0026】
図4に示すように、ステップS9でCPU20から増幅器24にゲイン制御を行い、ゲイン、すなわち増幅率を中とした後、ステップS10でバースト波を超音波センサ13から送信する。そして、ステップS11で反射波である受信波を受信したか否かを判断し、受信していないのであれば、ステップS13にスキップし、受信していれば、ステップS12で受信までの時間をカウントして距離に換算した後、格納する。ついで、ステップS13で所定時間、送信を待った後、送信回数が規定回数N以上であるか否かを判断し、Nよりも少ない場合には、ステップS10にリターンし、N以上であれば、ステップS15に進む。ステップS15では収集した距離の最多頻度が規定頻度M以上であるか否かを判断し、規定頻度Mよりも少ない場合にはステップS17にスキップし、規定頻度M以上であれば、ステップS16で最多頻度の距離を真値と決定し、計測を終了する。
【0027】
図5に示すように、ステップS17でCPU20から増幅器24にゲイン制御を行い、ゲイン、すなわち増幅率を大とした後、ステップS18でバースト波を超音波センサから送信する。そして、ステップS19で反射波である受信波を受信したか否かを判断し、受信していないのであれば、ステップS21にスキップし、受信していれば、ステップS20で受信までの時間をカウントして距離に換算した後、格納する。ついで、ステップS21で所定時間、送信を待った後、送信回数が規定回数N以上であるか否かを判断し、Nよりも少ない場合には、ステップS18にリターンし、N以上であれば、ステップS23に進む。ステップS23では収集した距離の最多頻度が規定頻度M以上であるか否かを判断し、規定頻度Mよりも少ない場合には計測範囲外とし、規定頻度M以上であれば、ステップS24で最多頻度の距離を真値と決定し、計測を終了する。
したがって、ゲイン、すなわち増幅率を徐々に増大させることにより、規定頻度に達するデータを収集し、最多頻度のデータを真値と決定して所望の距離を求めることができる。
【0028】
次に、図6のタイムチャートに基づき、超音波センサが収集したデータから真値を決定する方法について説明する。なお、説明の便宜上、実際の計測回数よりも少ない計測回数で説明する。
ゲインが小さい場合、バースト波を送信した後、大きな反射波を受信するまでの間の受信時間T1,T2をカウントする。ついで、所定の時間間隔t1でバースト波を送信し、同様に処理して受信時間T3,T4を求める。ただし、超音波センサの残響による影響を除去するため、送信波時間および残響時間の合計時間t2の間は、計測されない。
【0029】
そして、ゲインの程度を中とし、前述と同様な処理を施して反射波の受信時間T5を測定する。さらに、ゲインの程度を大とし、前述と同様な処理を施して反射波の受信時間T6,T7,T8,T9,T10,T11を測定する。
【0030】
次に、図7に示すように、前述の処理で得られた受信時間T1ないしT11を、受信時の温度に基づく超音波の伝達速度を考慮して距離換算し、距離L1ないしL11を得る。そして、距離幅1cm毎に分類し、距離幅毎に累積した後、最多頻度の距離幅を真値と決定する。送信回数毎に得られた距離幅をグラフ化すると、図8Aに示すようになり、これをより判りやすく分類して累積すると、図8Bとなる。
【0031】
最多頻度の距離幅にかかる受信時間を採用すれば、真値が得られる理由について詳述する。ただし、説明の便宜上、ゲイン(増幅率)を大きくした場合を基準として説明する。
通常、超音波センサから発射された超音波は液界面で反射して液体中を往復する間に減衰してゆく。そこで、例えば、図9に示すように、インターバル時間Tの間隔で送信するとともに、送信毎にゲイン(増幅率)を小さくすると、同一の液界面に反射して減衰した第2反射波、第3反射波は計測されなくなり、第1反射波だけが計測される。このため、1回目の送信で受信時間t1,t2,t3の受信波を受信し、次いで、2回目の送信で受信時間t4,t5の受信波を受信し、3回目の送信で受信時間t6の受信波を受信した場合、第1反射波の受信時間は最多頻度の受信時間t1(=t4=t6)であることになる。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、第1反射波の受信時間、すなわち、液界面までの距離を求められる。
【0032】
また、液界面で反射した複数回目の反射波と気泡で反射した反射波とが混在している場合がある。通常、気泡は液体中を上昇し、一定の位置に停止していない。このため、同一の気泡に反射した反射波(受信波)であっても、受信時間は同一でない。このため、例えば、図10に示すように、インターバル時間Tの間隔で送信するとともに、送信毎にゲイン(増幅率)を小さくして受信する。
【0033】
すなわち、1回目の送信で受信時間t1,t2,t3,t4の受信波を受信し、次いで、2回目の送信で受信時間t5,t6,t7,t8,t9の受信波を受信し、3回目の送信で受信時間t10,t11の受信波を受信したとする。この場合、前述の説明から明らかなように、同一の液界面に反射して減衰した第2反射波、第3反射波が受信される回数が減少する。さらに、同一の気泡で反射しても、受信される受信波の受信時間は長くなるので、同一気泡に基づく受信信号であっても、同一受信時間の受信信号は得られない。このため、最多頻度の受信時間t2(=t6=t10)が第1反射波の受信時間であると判断できる。したがって、最多頻度の受信時間を選択すれば、複数回の反射波および気泡の影響を除去し、第1反射波の受信時間、すなわち、液界面までの距離を求めることができる。
【0034】
さらに、図11に示すように、液界面で反射した前回の受信波と気泡で反射した今回の受信波とを送信毎に順次受信する場合がある。液界面で反射した前回の受信波の受信時間t1と気泡で反射した受信波の今回の受信時間t2との差が充填速度あるいは放出速度から存在し得ない場合には、今回の受信時間t2を除去する。気泡は一定の位置に留まっていないので、このように処理することにより、気泡の存在による測定誤差を除去できる。
【0035】
そして、液界面が揺れている場合であっても、送信信号を複数回送信することにより、反射波の受信時間を測定すると、得られたデータは一定の母集団となる。このデータを受信時間幅毎に分類,累積すると、正規分布する。そして、正規分布の山頂部、すなわち、最多頻度におけるデータが真値を示すと考えられる。このため、最多頻度のデータを真値として採用することにより、液界面の揺れによる測定誤差を除去できる。
【0036】
第2実施形態は、図12ないし図17に示すように、最適な初期検出周波数を自動的に選択できる機能を第1実施形態に付加した場合である。
前述の第1実施形態における界面検出装置は、その初期検出周波数が固定式の場合である。しかし、例えば、鉄製タンクに充填した液体の界面を検出しようとすると、超音波カップリング剤の組成および厚み、鉄製タンクの鉄板の材質および厚み、液体の内容等により、最も透過しやすい超音波の周波数は変化する。そして、最適な検出周波数と現実の検出周波数との間にズレがあると、所望の検出感度が得られず、所望の検出感度を得るために出力電力を大きくする必要があり、消費電力が多くなる。そこで、最適な初期検出周波数とするため、現場ではマニュアルによって初期の検出周波数を調整していた。しかし、現場におけるマニュアル調整では手間がかかるだけでなく、バラツキが大きいという不具合がある。第2実施形態は、前述の不具合に鑑み、自動的に最適な初期検出周波数を選択して界面を検出できる界面検出装置を提供することにある。
【0037】
基本的構成は、図12に示すように、第1実施形態とほぼ同様であるので、異なる点についてのみ説明する。
すなわち、検波回路23に直接接続された本実施形態にかかる比較回路25は、図13に示すように、CPU20からの信号を受けてSW1,2,3,4が順次切り変わる。したがって、抵抗R1,R2,R3,R4それぞれと抵抗R5との合成抵抗に基づき、抵抗R5における分圧でしきい値が順次切り変わる。そして、前記しきい値を検出信号が超えたか否かを比較器25aが比較,検出する。
【0038】
また、本実施形態にかかる発信回路28は、図14に示すように、CPU20から出力されたデジタル信号をDAコンバータ28aがアナログ信号に変換し、そのアナログ信号の電圧に応じた周波数を出力する。したがって、CPU20で検出周波数を任意に変更できる可変式の界面検出装置が得られる。
【0039】
図12に示したブロック図に基づく制御工程のうち、最適の周波数を判定する工程を図15のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、ステップS30でしきい値を最大に設定し、かつ、送信周波数を最小に設定する。ついで、ステップS31で超音波を最小の周波数で送信し、ステップS32で受信信号がしきい値を越えたか否かを判定し、超えていればステップS33で記憶し、超えていなければ、ステップS34でしきい値が最小か否かを判定する。ステップS34では前述のしきい値が最小でなければ、ステップS35でしきい値を下げてステップS31にリターンし、最小であれば、ステップS36に進む。ステップS36ではしきい値を最大とした後、ステップS37で超音波の周波数が最大か否かを判定する。周波数が最大でなければ、ステップS38で送信周波数を変更し、ステップS31にリターンし、最大であれば、ステップS39に進む。ステップS39では送信された超音波の周波数を記憶、収集し、ステップS40で初期検出周波数f0を判定、記憶する。
【0040】
より具体的に説明すると、例えば、所定の周波数の超音波を送信して得られた受信信号が、図16Aに示す山形波形を描く場合には、前記山形波形に交差するしきい値V3を特定できる。前記しきい値および送信された超音波の周波数を記憶,収集し、その中で最も高いしきい値にかかる周波数を初期検出周波数f0として判定,記憶する(図16B)。したがって、記憶した前記初期検出周波数f0の超音波を超音波センサ13から発射することにより、最適な周波数の超音波で界面を検出できる。
【0041】
なお、最適な周波数を選択する場合に、液体中に気泡が発生していたとき、あるいは、液面が揺れていたときには反射波の信号電圧が小さくなる。このため、気泡等が存在していても、反射波の最大の信号電圧に基づいて最適な初期検出周波数を選択できるという利点がある。
【0042】
第3実施形態は、図17および図18に示すように、初期検出周波数を設定した後に外部環境が変化しても、最適な検出周波数で界面を自動的に検出できる界面検出装置,方法である。
すなわち、前述の第2実施形態は装置稼働開始時の初期検出周波数を自動的に選定する場合である。しかし、装置稼働開始時の初期設定が適正であっても、外部温度の変化、超音波カップリング剤の経時変化、液体の成分変化等により、最適な検出周波数が初期検出周波数と異なる場合がある。このような場合であっても、常に最適な検出周波数で界面を検出できる界面検出装置を提供することが第3実施形態の目的である。
【0043】
第3実施形態の特徴は、図17に示すように、前述の第2実施形態が最小周波数から最大周波数までの全ての領域についてサーチするのに対し、前回の検出周波数fnを中心とする周辺の周波数についてのみサーチする場合である。これは、経時変化、温度変化に基づく最適周波数の変化はあまり大きくないという経験則に基づくものである。
【0044】
すなわち、第3実施形態の検出手法は第2実施形態とほぼ同様である。異なる点は、図18に示すように、前回の最適周波数fnを中心とし、その前後の周波数fn±Δfの領域をサーチすることより、最適周波数のサーチ時間を短縮するようにした点である。
【0045】
本実施形態にかかる制御工程のうち、最適の周波数を判定するための工程を図18のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、ステップS50でしきい値を最大に設定し、かつ、送信周波数を(fn−Δf)に設定する。ついで、ステップS51で超音波を前述の周波数で送信し、ステップS52で受信信号がしきい値を越えたか否かを判定し、超えていればステップS53で記憶し、超えていなければ、ステップS54でしきい値が最小か否かを判定する。ステップS54で前述のしきい値が最小でなければ、ステップS55でしきい値を下げてステップS51にリターンし、最小であれば、ステップS56に進む。ステップS56ではしきい値を最大とした後、ステップS57で超音波の周波数が(fn+Δf)であるか否かを判定する。周波数が(fn+Δf)でなければ、ステップS58で送信周波数を変更してステップS51にリターンし、周波数が(fn+Δf)であれば、ステップS59に進む。ステップS59では送信された超音波の周波数を記憶、収集し、ステップS60で最適検出周波数fn+1を判定、記憶する。
【0046】
本実施形態によれは、温度の変化等によって外部環境が変化しても、短時間で最適な周波数を選択でき、常に最適な条件で界面を検出できる界面検出装置,方法が得られるという利点がある。
【0047】
前述の第2,第3実施形態では、最適な検出周波数を選択できる機能を付加した場合について説明したが、前述の最適な検出周波数を選択する方法と同一の方法で、界面を検出するための受信信号を選択してもよい。すなわち、高いしきい値を徐々に下げゆき、しきい値と交差する受信信号をCPUに出力する方法である。ただし、選択した受信信号に基づいてCPUが行う処理方法は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0048】
前述の実施形態では、送信信号が超音波である場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、レーザ光を使用してもよい。ただし、タンク壁面を透過させて計測する場合には、前記タンクは光が透過できる透明または透光性を有するものに限られる。
レーザ光を送信信号とした場合、レーザ光の伝達速度は液体の温度による影響を受けず、応答が速いので、より一層精度の高い測定を迅速に行うことができるという利点がある。データの基本的処理方法は超音波と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
なお、液体の残量を検出する方法としては、送信信号が液体中を通過する必要はなく、液界面の上方から送信信号を送信して受信してもよい。また、液体と気体との界面を検出する場合に限らず、液体中の異物の検出、個体と気体との界面を検出する場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、液体プロパンガスの液界面だけでなく、他の液体の液界面、また、固体と気体との界面を検出する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明にかかる一実施形態を示し、図1Aは全体配置図、図1Bは液体ガスの補給状態を示す説明図である。
【図2】図1Aで示した制御装置のブロック図である。
【図3】図2のブロック図に基づく制御工程を示すフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】前記フローチャートに基づくタイムチャートである。
【図7】データの処理過程を示す説明図である。
【図8】図8Aは処理データをグラフ化した図面であり、図8Bはより判りやすくまとめた図表である。
【図9】同一液界面からの複数回の反射波による測定誤差を除去する方法を説明するためのタイムチャートである。
【図10】同一液界面からの複数回の反射波、および、気泡からの反射波が混在する場合の測定誤差を除去する方法を説明するためのタイムチャートである。
【図11】液中の気泡の発生による測定誤差を除去する方法を説明するためのタイムチャートである。
【図12】第2実施形態にかかる制御装置のブロック図である。
【図13】図12で示した比較回路の詳細図である。
【図14】図12で示した発信回路の詳細図である。
【図15】図12で示したブロック図に基づく制御工程を示すフローチャートである。
【図16】図15で示したフローチャート図に基づくサーチを説明するためのグラフ図であり、図Aは受信信号としきい値との関係を示し、図Bは周波数としきい値との関係を示す。
【図17】第3実施形態の基本原理を説明するためのグラフ図である。
【図18】第3実施形態にかかる制御工程を示すフローチャートである。
【図19】従来例にかかる界面検出装置を示し、図Aは装置の概略図、図Bはタイムチャート図である。
【図20】従来例にかかる界面検出装置を示し、図Aは装置の概略図、図Bはタイムチャート図である。
【図21】従来例にかかる界面検出装置を示し、図Aは装置の概略図、図Bはタイムチャート図である。
【符号の説明】
【0052】
10:バルクタンク
11:液体プロパンガス
12:液界面
13:超音波センサ
14:ガス警報機
15:制御装置
16:ガスメータ
17:NCU
20:CPU
25:比較回路
26:バースト波発生回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出装置において、
異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とすることを特徴とする界面検出装置。
【請求項2】
送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号にかかる検出周波数の近傍領域としたことを特徴とする請求項1に記載の界面検出装置。
【請求項3】
信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、
送信回数に応じて受信感度を変化させ、送信毎に得られた受信信号を受信時間毎に累積し、最大累積度数が規定頻度を越えた場合に、最多頻度の受信時間に基づいて前記界面までの距離を決定することを特徴とする界面検出方法。
【請求項4】
信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、
異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とすることを特徴とする界面検出方法。
【請求項5】
送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号にかかる検出周波数の近傍領域としたことを特徴とする請求項4に記載の界面検出方法。
【請求項1】
信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出装置において、
異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とすることを特徴とする界面検出装置。
【請求項2】
送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号にかかる検出周波数の近傍領域としたことを特徴とする請求項1に記載の界面検出装置。
【請求項3】
信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、
送信回数に応じて受信感度を変化させ、送信毎に得られた受信信号を受信時間毎に累積し、最大累積度数が規定頻度を越えた場合に、最多頻度の受信時間に基づいて前記界面までの距離を決定することを特徴とする界面検出方法。
【請求項4】
信号送信手段から送信信号を界面に所定の時間間隔で複数回送信し、反射した前記送信信号の反射波を受信し、送信から受信までの受信時間で前記界面までの距離を検出する界面検出方法において、
異なる周波数の送信信号を送信して得られる受信信号の信号電圧のうち、最大のしきい値を超えた信号電圧にかかる周波数を、界面検出に最適な送信信号の検出周波数とすることを特徴とする界面検出方法。
【請求項5】
送信信号にかかる最適な検出周波数を選択するためのサーチ領域を、直前に送信した送信信号にかかる検出周波数の近傍領域としたことを特徴とする請求項4に記載の界面検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−84479(P2006−84479A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339258(P2005−339258)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【分割の表示】特願2001−315509(P2001−315509)の分割
【原出願日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【分割の表示】特願2001−315509(P2001−315509)の分割
【原出願日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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