説明

異なるメディアデータにおけるパケット多重化フレームの生成タイミングを制御する送信方法、送信プログラム及び送信装置

【課題】 異なるメディアデータにおける到着時間のゆらぎと、ヘッダによるオーバヘッドとを改善するデータ構造を有するパケット多重化フレームを送信するものであり、フレームを最適なタイミングで生成する送信方法、送信プログラム及び送信装置を提供する。
【解決手段】 フレームは、UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、音声メディアデータサイズ部と、音声メディアデータと、映像メディアデータとを含むデータ構造を有しており、音声メディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、映像メディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、第1のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視し、第1のバッファにおけるバッファ蓄積量が第1の閾値を越えた際に、第1のバッファから音声メディアデータを取り出し、第2のバッファから映像メディアデータを取り出してフレームを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるメディアデータにおけるパケット多重化フレームの生成タイミングを制御する送信方法、送信プログラム及び送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なるメディアデータを多重化する送信装置は、同時に並行して発生する複数のメディアデータをメディア毎に符号化し、所定サイズのフレームに構成してネットワークへ送信する。一方、受信装置は、メディア毎に異なるメディアデコーダを用いて、受信したフレーム単位でメディアデータを復号する。メディアデータ毎に、所定サイズをどのように決定するかが、マルチメディアデータの多重化においては重要である。
【0003】
多重化方式としては、バイト多重がある。バイト多重は、異なるメディアデータを適当なバイト数の単位で切り替えることができる。受信装置は、フレームに付加されたヘッダの内容によって、そのメディアデータに適したデコーダに切り替える。このようなパケット多重は、柔軟性が高く、ソフトウェア処理に適している。
【0004】
図1は、従来技術によるパケット多重化のための送信装置の機能構成図である。
【0005】
送信装置1は、映像データ及び音声データをリアルタイムで符号化して送信するものである。送信装置1は、映像信号を出力するカメラ4と、音声信号を出力するマイク5とに接続され、データパケットを送信するためにIPネットワーク3に接続されている。
【0006】
送信装置1は、映像データについて、フォーマット変換部101と、映像エンコーダ部102と、映像データ用バッファ103と、RTP(Real-time Transport Protocol)ヘッダ付加部104とを有する。また、音声データについて、増幅器110と、音声エンコーダ部108と、音声データ用バッファ107と、RTPヘッダ付加部106とを有する。更に、IP(Internet Protocol)ネットワーク3に対応してUDP(User Datagram Protocol)/IPプロトコルスタック部105を有する。
【0007】
カメラ4から出力された映像信号は、フォーマット変換部101によって圧縮符号化に適した映像フォーマットに変換され、映像エンコーダ102によって圧縮符号化される。その方式は、1フレーム(1画面)を単位として符号化データを生成するものであって、例えばISO/IEC(International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission) MPEG−4(Moving Picture Experts Group-4)ビジュアルがある。低ビットレートのMPEG−4によれば、1フレームは、例えば100m秒間隔(毎秒10フレーム)となる。生成されたビットストリームデータは、映像データ用バッファ103に入力される。RTPヘッダ付加部104は、バッファ103から取り出した映像データのフレーム毎にRTPヘッダを付加する。そのRTPパケットは、UDP/IPプロトコルスタック部105によってUDP及びIPヘッダが付加され、IPネットワーク3へ送信される。
【0008】
一方、マイク5から出力された音声信号は、増幅器110によって増幅され、A/D(Analog/Digital)変換部109によって伝送可能なビット列に変換される。次に、その音声データは、音声エンコーダ108によって圧縮符号化される。その方式は、予め決められた時間長を1フレームとして符号化データを生成するものであって、例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project) AMR(Adaptive Multi Rate)がある。AMR方式においては、1フレームは20m秒となる。生成されたビットストリームは、音声データ用バッファ107に入力される。RTPヘッダ付加部106は、バッファ107から取り出した映像データのフレーム毎にRTPヘッダを付加する。そのRTPパケットは、UDP/IPプロトコルスタック部105によってUDP及びIPヘッダが付加され、IPネットワーク3へ送信される。
【0009】
受信装置2は、データパケットを受信するためにIPネットワーク3に接続され、受信したデータパケットのメディアデータに応じて復号するものである。受信装置2は、映像信号を入力するディスプレイ6と、音声信号を入力するスピーカ7とに接続されている。
【0010】
受信装置2は、IPネットワーク3から受信したパケットに対して、IP及びUDPヘッダを処理するUDP/IPプロトコルスタック部205を有する。受信装置2は、映像データについて、RTPヘッダ除去部204と、映像デコーダ203と、映像データ用バッファ202と、ディスプレイ制御部201とを有する。映像信号は、ディスプレイ制御部201からディスプレイ6に出力される。また、音声データについて、RTPヘッダ除去部206と、音声デコーダ207と、音声データ用バッファ208と、D/A変換部209と、増幅器210とを有する。音声信号は、増幅器210からスピーカ7へ出力される。
【0011】
先行公知文献としては、RTPについて規定したIETF RFC3550(非特許文献1参照)、MPEG−4をRTPに乗せたフォーマットを規定したIETF RFC3016(非特許文献2参照)、AMRをRTPに乗せたフォーマットを規定したIETF RFC3267(非特許文献3参照)がある。
【0012】
【非特許文献1】IETF(Internet Engineering Task Force) RFC(Request For Comment)3550
【非特許文献2】IETF RFC3016
【非特許文献3】IETF RFC3267
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
表1は、従来技術におけるパケット多重化フレームのデータ構造である。
【表1】

【0014】
従来技術によれば、音声データのフレームと、映像データのフレームとは別々に必要となる。これは、フレーム毎に、そのメディアデータに応じたデコーダによって復号させるためである。
【0015】
前述したような従来技術によれば、生成されるRTPパケットは以下のようになる。ここで、符号化パラメータとして、低い伝送レート(64kbit/秒)における一般的な値を想定する。
映像の符号化ビットレート:32kbit/秒、フレームレート:10枚/秒
音声の符号化ビットレート:6800bit/秒、フレーム長:20m秒
RTPヘッダサイズ:12byte
UDPヘッダ:8byte
IPヘッダ:20byte
【0016】
映像データについては、以下のようになる。
映像の符号化ビットレート:32kbit/秒÷8bit = 4kbyte/秒
秒当たりの伝送フレーム数:10フレーム/秒
映像データパケットの伝送間隔:1秒/10フレーム = 100m秒
フレームレート:4kbyte/秒÷10フレーム/秒 = 400byte/フレーム
映像の1パケット:400byte+12byte+8byte+20byte = 440byte
映像1パケットの伝送時間:440byte×8bit÷64kbit/秒 = 55m秒
【0017】
音声データについては、以下のようになる。
音声の符号化ビットレート:6800bit/秒÷8bit = 850byte/秒
秒当たりの伝送フレーム数:50フレーム/秒
音声データパケットの伝送間隔:1秒/50フレーム = 20m秒
1フレーム当たりのバイト数:850byte/秒×20m秒 = 17byte/フレーム
音声の1パケット:17byte+12byte+8byte+20byte = 57byte
音声1パケットの伝送時間:57byte×8bit÷64kbit/秒 = 7.125m秒
【0018】
音声データパケットは20m秒間隔で送信され、映像データパケットは100m秒間隔で送信されるので、音声データパケットの送信の5回に1回の割合で、映像データパケットの送信が割り込むこととなる。
【0019】
図2は、従来技術におけるフレームの伝送シーケンス図である。
【0020】
音声データパケットは20m秒毎に送信され、映像データパケットは100m秒毎に送信される。音声データパケットは、40byteのヘッダ(IP、UDP、RTP)とデータ部分とからなる。データ部分が17byteとすると、伝送に7.125m秒を要する。映像データパケットは、40byteのヘッダとデータ部分とからなる。データ部分が400byteとすると、伝送に55m秒を要する。
【0021】
図2によれば、例えば、映像データパケットV1の送信の直後に、音声データパケットA3が送信されたとする。映像データパケットV1は、送信装置から送信されてから55m秒後に、受信装置に到着する。一方、音声データパケットA3は、更に7.125m秒後、即ち送信装置から送信されてから62.125m秒後に、受信装置に到着する。このために、映像データパケットによって割り込まれた音声データパケットは、送信装置の送出間隔20m秒に対し、受信装置に受信された時は62m秒後ということになる。その後、音声データパケットA4,A5,A6,A7が連続して、受信装置に到着する。音声データパケットの伝送に要する時間7m秒は、送出間隔20m秒に比べて十分小さいため、受信装置における到着間隔はやがて元に戻ることとなるが、その後、再度、映像データパケットが音声データパケットの間に割り込むため、到着遅延の変動が生じる。
【0022】
音声データは、映像データのようなフレーム単位で離散的なデータと異なって、アナログ信号に戻して再生する際に、連続的でなければならない。このため、受信装置は、音声データパケットの最大到着遅延量に合わせて、予めバッファに蓄積してから再生する。このような音声データパケットの遅延変動は、受信側に大きなバッファ蓄積を要求することとなり、伝送遅延全体を増大させるものとなる。
【0023】
更に、従来技術によれば、RTP、UDP、IPのヘッダを、映像データパケット及び音声データパケットそれぞれ独立に付加する必要がある。従って、
(12byte+8byte+20byte)×8bit×(50音声フレーム+10映像フレーム)
= 19.2kbit/秒
ものヘッダによるオーバヘッドを要する。
【0024】
また、音声データパケットの遅延変動を抑えるために、映像データパケットを分割し、映像データパケットと音声データパケットとを交互に送信するという方法もある。この場合、両パケットが等間隔で送信されるため、音声データパケットの到着時間ゆらぎを回避することは可能となる。しかしながら、この方法によれば、ヘッダによるオーバヘッドは、更に大きくなり、伝送効率が極めて低下する。
(12byte+8byte+20byte)×8bit×(50音声フレーム+50映像フレーム)
= 32kbit/秒
【0025】
このように、従来技術によれば、異なるメディアデータが異なるフレームで伝送され、フレーム毎にRTPヘッダを必要とするために伝送効率が低くなるだけでなく、一方のメディアデータの伝送が、他方のメディアデータの伝送の遅延変動に影響を与えることとなる。
【0026】
また、フレームの生成タイミングの時間間隔が短いと、メディアデータの遅延も少ないが、フレームが増大すると共にそのヘッダ量も増大し、伝送効率が低下する。一方、フレームの生成タイミングの時間間隔が長いと、ヘッダ量も相対的に低下し、伝送効率も高まるが、メディアデータの遅延が大きくなる。
【0027】
従って、本発明は、異なるメディアデータにおけるパケット到着時間のゆらぎと、ヘッダによるオーバヘッドとを改善することができるデータ構造を有するパケット多重化フレームを送信するものであって、そのフレームを最適なタイミングで生成する送信方法、送信プログラム及び送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明におけるフレームの送信方法は、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
第1のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
第1のバッファにおけるバッファ蓄積量が第1の閾値を越えた際に、第1のバッファに蓄積された第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納し、第2のバッファに蓄積された第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納して、フレームを構成する第2のステップとを有することを特徴とする。
【0029】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、第2のステップは、第1のバッファに蓄積された第1の閾値に相当する量の第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納することも好ましい。
【0030】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、第2のステップは、第2のバッファに蓄積された第2の閾値に相当する量の第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納することも好ましい。
【0031】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
第2のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
第2のバッファにおけるバッファ蓄積量が第2の閾値を越えた際に、第1のバッファに蓄積された第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納し、第2のバッファに蓄積された第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納して、フレームを構成する第2のステップとを有することを特徴とする。
【0032】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、第2のステップは、第2のバッファに蓄積された第2の閾値に相当する量の第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納することも好ましい。
【0033】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、第2のステップは、第1のバッファに蓄積された第1の閾値に相当する量の第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納することも好ましい。
【0034】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、フレームを構成する毎にリセットされる、最長時間間隔を規定するクロック手段を有しており、第2のステップは、第1のバッファ及び/又は第2のバッファにメディアデータが蓄積されているにもかかわらず、第1又は第2のバッファのバッファ蓄積量が第1又は第2の閾値に達していない場合、クロック手段から出力されるタイミングで、フレームを構成することも好ましい。
【0035】
本発明のフレームの送信方法によれば、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、時間間隔を規定するクロック手段とを有しており、
クロック手段のタイミングに従って、第1のバッファに蓄積された第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納し、第2のバッファに蓄積された第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納して、フレームを構成することを特徴とする。
【0036】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、第2のステップは、第2のバッファに蓄積された第2の閾値に相当する量の第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納することも好ましい。
【0037】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、第2のステップは、第1のバッファに蓄積された第1の閾値に相当する量の第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納することも好ましい。
【0038】
本発明のフレームの送信方法における他の実施形態によれば、第1のメディアデータは音声データであって、第2のメディアデータは映像データであってもよい。また、第1のメディアデータは映像データであって、第2のメディアデータは音声データであってもよい。
【0039】
本発明のフレームの送信プログラムによれば、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信プログラムであって、
第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
第1のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
第1のバッファにおけるバッファ蓄積量が第1の閾値を越えた際に、第1のバッファに蓄積された第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納し、第2のバッファに蓄積された第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納して、フレームを構成する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0040】
本発明のフレームの送信プログラムによれば、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信プログラムであって、
第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
第2のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
第2のバッファにおけるバッファ蓄積量が第2の閾値を越えた際に、第1のバッファに蓄積された第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納し、第2のバッファに蓄積された第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納して、フレームを構成する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0041】
本発明のフレームの送信プログラムによれば、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、時間間隔を規定するクロック手段とを有しており、
クロック手段のタイミングに従って、第1のバッファに蓄積された第1のメディアデータを、フレームの第1のメディアデータとして格納し、第2のバッファに蓄積された第2のメディアデータを、フレームの第2のメディアデータとして格納して、フレームを構成するようにコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0042】
本発明のフレームの送信装置によれば、
送信すべき第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、
送信すべき第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを生成する多重化手段と、
第1のバッファと多重化手段との間に接続された第1のスイッチと、
第2のバッファと多重化手段との間に接続された第2のスイッチと、
第1のバッファに対する第1の閾値を蓄積し、第1のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視し、該バッファ蓄積量が第1の閾値を越えた際に、第1のバッファの第1のメディアデータと第2のバッファの第2のメディアデータとを多重化手段へ送出するように第1のスイッチ及び第2のスイッチを制御するタイミング制御手段と
を有することを特徴とする。
【0043】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、第1のバッファは、第1の閾値に相当する量の第1のメディアデータを一度に多重化手段へ送出するように構成されていることも好ましい。
【0044】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、第2のバッファは、第2の閾値に相当する量の第2のメディアデータを一度に多重化手段へ送出するように構成されていることも好ましい。
【0045】
本発明のフレームの送信装置によれば、
送信すべき第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、
送信すべき第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを生成する多重化手段と、
第1のバッファと多重化手段との間に接続された第1のスイッチと、
第2のバッファと多重化手段との間に接続された第2のスイッチと、
第2のバッファに対する第2の閾値を蓄積し、第2のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視し、該バッファ蓄積量が第2の閾値を越えた際に、第1のバッファの第1のメディアデータと第2のバッファの第2のメディアデータとを多重化手段へ送出するように第1のスイッチ及び第2のスイッチを制御するタイミング制御手段と
を有することを特徴とする。
【0046】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、第2のバッファは、第2の閾値に相当する量の第2のメディアデータを一度に多重化手段へ送出するように構成されていることも好ましい。
【0047】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、第1のバッファは、第1の閾値に相当する量の第1のメディアデータを一度に多重化手段へ送出するように構成されていることも好ましい。
【0048】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、フレームを構成する毎にリセットされる、最長時間間隔を規定するクロック手段を有しており、
タイミング制御手段は、第1のバッファ及び/又は第2のバッファにメディアデータが蓄積されているにもかかわらず、第1のバッファのバッファ蓄積量が第1の閾値に達していない場合、クロック手段から出力されるタイミングで、フレームを構成することも好ましい。
【0049】
本発明のフレームの送信装置によれば、
送信すべき第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、
送信すべき第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを生成する多重化手段と、
第1のバッファと多重化手段との間に接続された第1のスイッチと、
第2のバッファと多重化手段との間に接続された第2のスイッチと、
時間間隔を規定するクロック手段とを有しており、
第1及び第2のスイッチは、クロック手段のタイミングに従って、第1のバッファに蓄積された第1のメディアデータを多重化手段へ送出し、第2のバッファに蓄積された第2のメディアデータを多重化手段へ送出する
ことを特徴とする。
【0050】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、第2のスイッチは、第2のバッファに蓄積された第2の閾値に相当する量の第2のメディアデータを多重化手段へ送出することも好ましい。
【0051】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、
第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
第2のスイッチは、第1のバッファに蓄積された第1の閾値に相当する量の第1のメディアデータを多重化手段へ送出することも好ましい。
【0052】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、
多重化手段は、
シリアル番号を送出する加算手段と、
第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のメモリと、
第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のメモリと、
加算手段から出力されたシリアル番号を、フレームのシリアル番号部に含め、次に、第1のメモリから出力された第1のメディアデータサイズを、フレームの第1のメディアデータサイズ部に含め、次に、第1のメモリから出力された、第1のメディアデータサイズ部に格納された長さの第1のメディアデータを含め、次に、第2のメモリから出力された第2のメディアデータを含めたパケット多重化フレームの生成を繰り返す多重パケット生成手段と
を有することも好ましい。
【0053】
本発明のフレームの送信装置における他の実施形態によれば、第1のメディアデータは音声データであって、第2のメディアデータは映像データであってもよい。また、第1のメディアデータは映像データであって、第2のメディアデータは音声データであってもよい。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、フレームの生成タイミングを、時間間隔で制御することなく、バッファ蓄積量に応じて制御する。この制御は、各バッファに対して予め決定された閾値によって行われる。この閾値は、メディアデータの遅延と、フレームのヘッダ量による伝送効率との相互関係から任意に決定することができ、フレームを最適なタイミングで生成することができる。また、バッファ蓄積量が閾値に達しなくても、所定の時間間隔でフレームが生成される。
【0055】
また、本発明によれば、映像データ及び音声データは、同じタイミングでバッファから抜き取られ、1つのフレームに多重化されて伝送される。これにより、映像データ及び音声データの到着遅延が一定となり、受信装置において音声データの到着ゆらぎを回避することができる。
【0056】
更に、多重パケットの生成に際し、RTPによって映像データパケット及び音声データパケットそれぞれに12byteを要していたのに対し、本発明によれば、これら異なるメディアデータのパケットが統合され、且つRTPに相当する部分のヘッダが2byteとなるため、ヘッダサイズをかなり軽減することができ、伝送効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0058】
表2は、本発明によって用いられるパケット多重化フレームのデータ構造である。
【表2】

【0059】
表2によれば、本発明におけるフレームのデータ構造は、UDPヘッダに続いて、1byteのシリアル番号部と、1byteの音声データサイズ部と、そのサイズ部に格納された長さの音声データと、映像データとを含む。従って、表1と比較して、RTPヘッダを必要としない。シリアル番号部は、符号なし整数であって、0〜255の巡回値となる。音声データサイズ部は1byteであるので、必然的に音声データのサイズは0〜255byteとなる。
【0060】
図3は、本発明におけるパケット多重化フレームのメディア分割構成図である。
【0061】
図3の上段には、映像データを等サイズに分割し、パケット多重化フレームを構成したものである。常に、所定のバイト数の位置で映像データを分割することができるので、実装が容易となる。しかしながら、フレームの間を意識することなく、等サイズに分割するために、フレームに跨って分割される場合がある。この場合、映像フレームに跨った映像データを含むパケットを損失すると、2つの(前後の)フレーム対して影響を及ぼす。
【0062】
図3の下段には、MPEG4で規定された再同期のためのResyncマーカが映像フレームに挿入されたものが表されている。Resyncマーカとは、特定パターンのビット列であって、それをストリーム中に挿入し可変長符号語の切れ目を示す。エラー発生時にそのResyncマーカから復号を再開することにより、ストリームの途中からの再生が可能となる。Resyncマーカは、符号化時に、マクロブロック境界に挿入される。このResyncマーカを実質的に等サイズ間に挿入し、このResyncマーカ間を1つの映像データとして多重化フレームに含めることにより、映像フレームに跨って映像データが分割されることがなくなる。即ち、1つの多重化フレームの損失が、2つの映像フレームに影響を及ぼすことがなくなる。
【0063】
図4は、本発明によって用いられる送信装置の機能構成図である。以下では、送信装置の機能について説明するが、各機能はプログラムによっても実現できる。
【0064】
図4によれば、送信装置1は、図1のRTPヘッダ付加部104及び106に代わって、多重化部111を備えている。多重化部111は、多重パケット生成部111と、映像データを一時的に蓄積するメモリ1112と、音声データを一時的に蓄積するメモリ1113と、シリアル番号を生成する加算器1114と、遅延回路1115とを有する。ここで、音声データ用メモリ1112は、音声データサイズ(書き込みポインタと読み出しポインタとの差分)を、0〜255byteで表して出力することができる。
【0065】
音声データがメモリ113に蓄積され及び/又は映像データがメモリ112に蓄積された際、多重パケット生成部111は、4入力1出力のスイッチで、シリアル番号、音声データサイズ、音声データ、映像データの順に切り替えて、その1巡によって、表2に表した1つのフレームを構成する。シリアル番号は、遅延回路115を通じて加算器1114に入力され、1増分(1加算)されて、新たなシリアル番号となる。
【0066】
本発明によれば、映像データ及び音声データは、同じタイミングでバッファ103及び107から抜き取られ、シェーピングされて1つのフレームに多重化される。これにより、映像データと音声データとの到着遅延が一定となり、受信装置において音声データの到着ゆらぎを回避することができる。
【0067】
また、多重パケットの生成に際し、RTPによって映像データパケット及び音声データパケットそれぞれに12byteを要していたのに対し、本発明によれば、これら異なるメディアデータのパケットが統合され、且つRTPに相当する部分のヘッダが2byteとなるため、ヘッダサイズを軽減することができる。
【0068】
例えば、パケット送出間隔を20m秒とした場合、
(2byte+8byte+20byte) × 8bit × 50 = 12kbit/秒
のオーバヘッドとなる。
【0069】
即ち、従来技術によれば32kbit/秒であることを考慮すると、本発明によれば20kbit/秒ものオーバヘッドを削減することができる。ここで削減されたオーバヘッドのbit数は、映像データ又は音声データの符号化ビットレートに割り当てることができ、符号化品質を向上させることもできる。
【0070】
図5は、図4の送信装置におけるフレームの伝送シーケンス図である。以下では、受信装置の機能について説明するが、各機能はプログラムによっても実現できる。
【0071】
図5は、従来技術である図2のS200の部分を表している。20m秒毎に送信する音声データパケットの送信タイミングで送信しようとすると、図2の映像データパケットよりも短い長さの映像データパケットを送信することができる。図5によれば、17byteの音声データと80byteの映像データとからなるフレームは、15.8m秒で受信装置によって受信される。即ち、映像データV1(400byte)の受信終了タイミングは、音声データA1〜A4(17byte×4個)の受信終了のタイミングと一致する。
【0072】
例えば、AMR方式の音声データサイズは、パケット送出間隔が20m秒である場合、以下のようなバイト数になる。ここでは、代表的な3モードについて列記する。
4.75kbit/秒モード: 14byte
※6.70kbit/秒モード: 19byte
12.2kbit/秒モード: 33byte
【0073】
映像データサイズは、単純に「ビットレート×時間」で表される。1パケットが20m秒間隔の場合、以下のようなバイト数となる。
32kbit/秒: 32kbit/8bit × 20m秒 = 80byte
【0074】
AMRが6.70kbit/秒モードの場合、多重化フレームは、シリアル番号1byte、音声データサイズ1byte、音声データ19byte及び映像データ80byteからなる合計101byteを要する。
【0075】
図6は、本発明における送信装置の第1の機能構成図である。以下では、送信装置の機能について説明するが、各機能はプログラムによっても実装でき、そのプログラムをコンピュータが実行することによって各機能が実現される。
【0076】
図6の送信装置1は、図4と比較して、タイミング制御部112と、スイッチ113及び114と、クロック116とを更に有する。スイッチ113は、映像データ用バッファ103と多重化部111との間に備えられ、1フレームを生成するための映像データ量を制限する。スイッチ114は、音声データ用バッファ107と多重化部111との間に備えられ、1フレームを生成するための音声データ量を制限する。
【0077】
タイミング制御部112は、コンパレータ1121と閾値記憶部1122とを有する。閾値記憶部1122は、音声データ用バッファ107に対する第1の閾値を記憶する。コンパレータ1121は、音声データ用バッファ107から受信したバッファ蓄積量と、第1の閾値とを比較する。そのバッファ蓄積量が第1の閾値を越えた際に、スイッチ113及び114をONに制御する。
【0078】
スイッチ114のON制御によって、音声データ用バッファ107は、第1の閾値に相当する量の音声データを多重化部111へ送出する。音声データ用バッファ107は、第1の閾値に相当する量の音声データのみを、一度に送出することができる。一方、映像データ用バッファ103についても第2の閾値が決定されており、スイッチ113のON制御によって、映像データ用バッファ103は、第2の閾値に相当する量の映像データを多重化部111へ送出する。映像データ用バッファ103も、第2の閾値に相当する量の映像データのみを、一度に送出することができる。
【0079】
例えば、音声データがAMR方式である場合、パケット送出間隔が20m秒であるので、12.2kbit/秒モードの音声データサイズは33byteとなる。第1の閾値を33byteに設定することによって、音声データ用バッファ107に33byte蓄積された時点でフレームが構成される。また、音声データの遅延が多少生じても、フレームの伝送効率を優先したい場合、例えば音声データ2フレーム分を1フレームで生成することもできる。このとき、第1の閾値を66byte(33byte×2)に指定することにより、音声データ用バッファ107に66byte蓄積された時点でフレームが構成される。
【0080】
尚、スイッチ114のON制御によって、音声データ用バッファ107は、蓄積されている全ての音声データを多重化部111へ送出するものであってもよい。一方、スイッチ113のON制御によって、映像データ用バッファ103は、蓄積されている全ての映像データを多重化部111へ送出するものであってもよい。
【0081】
図7は、本発明における送信装置の第2の機能構成図である。
【0082】
図7は、図6と比較して、コンパレータ1121は、映像データ用バッファ103のバッファ占有量に基づいてスイッチ113及び114を制御する。タイミング制御部112の閾値記憶部1122は、映像データ用バッファ103に対する第2の閾値を記憶する。コンパレータ1121は、映像データ用バッファ103から受信したバッファ蓄積量と、第2の閾値とを比較する。そのバッファ蓄積量が第2の閾値を越えた際に、スイッチ113及び114をONに制御する。
【0083】
このように、タイミング制御部112が監視するバッファは、音声データ用バッファ107のみであってもよいし、映像データ用バッファ103のみであってもよい。また、両バッファとも監視するものであってもよい。即ち、第1の閾値又は第2の閾値のいずれか一方を越えたとき、スイッチ113及び114がONに制御される。
【0084】
クロック116は、フレームを送信するための最長時間間隔を規定しており、フレームが構成される毎にリセットされる。このクロックは、所定の時間のタイムアウトをコンパレータ1121に指示する。基本的に、コンパレータ1121は、音声データ用バッファ107及び/又は映像データ用バッファ103に蓄積されたメディアデータが、第1及び/又は第2の閾値に達するまでは、スイッチ113及び114をONに制御しない。従って、バッファにメディアデータが残存する恐れがある。コンパレータ1121は、クロック116からのタイムアウトの通知を受けると、強制的にスイッチ113及び114をONに制御することによって、メディアデータを多重化部111に入力する。クロックの周期としては、具体的には、AMR方式の音声データを考慮して、パケット送出間隔が20m秒よりも大きい時間となる。
【0085】
図8は、本発明における送信装置の第3の機能構成図である。
【0086】
図8の送信装置1は、図6と比較して、タイミング制御部112の代わりに、クロック116がスイッチ113及び114のON/OFFを制御する。音声データがAMR方式であるならば、クロック116は例えば20m秒の周期でスイッチ113及び114を制御する。これにより、通常状態であるならば、17byteの音声データと、80byteの映像データとが1つのフレームに多重化されて送信される。このように、固定周期のクロック116を用いてスイッチ113及び114を制御することは、実装上極めて簡単であって、且つ、図5と同様のフレーム送出タイミングを実現することができる。
【0087】
ここで、音声データ用バッファ107は、スイッチ114の一度のON制御によって送信できるバッファ量である第1の閾値を規定することもできる。また、映像データ用バッファ103は、スイッチ113の一度のON制御によって送信できるバッファ量である第2の閾値を規定することもできる。第1の閾値を17byteに規定し、第2の閾値を80byteに規定することにより、確実に図5と同様のフレーム送出タイミングを実現することができる。
【0088】
図9は、本発明における送信装置の第4の機能構成図である。
【0089】
図9の送信装置は、図8と比較して、多重化部111の中にクロック1116が備えられている。クロック1116は例えば20m秒の周期で多重パケット生成部1111を制御する。多重パケット生成部1111は、クロック1116のタイミングに応じて多重化フレームを1つ構成する。これにより、通常状態であるならば、17byteの音声データと、80byteの映像データとが1つのフレームに多重化されて送信される。
【0090】
図10は、本発明における送信装置の第5の機能構成図である。
【0091】
図10の送信装置1は、図6と比較して、スイッチ113及びスイッチ114を備えていない。それに代わり、タイミング制御部112から出力されるタイミング制御信号は、多重化部111の多重パケット生成部1111に入力される。多重パケット生成部1111は、タイミング制御信号の基づいて、1フレームの生成タイミングを制御する。即ち、コンパレータ1121において、音声データ用バッファ107のバッファ蓄積量が第1の閾値を越えたと判断した際に、多重パケット生成部1111は、1フレームを生成するように動作する。
【0092】
前述した本発明におけるパケット多重化フレームの生成タイミングを制御する送信方法、送信プログラム及び送信装置の種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略を、当業者は容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】従来技術によるパケット多重化のための送信装置の機能構成図である。
【図2】従来技術におけるフレームの伝送シーケンス図である。
【図3】本発明におけるパケット多重化フレームのメディア分割構成図である。
【図4】本発明によって用いられる送信装置の機能構成図である。
【図5】図4の送信装置におけるフレームの伝送シーケンス図である。
【図6】本発明における送信装置の第1の機能構成図である。
【図7】本発明における送信装置の第2の機能構成図である。
【図8】本発明における送信装置の第3の機能構成図である。
【図9】本発明における送信装置の第4の機能構成図である。
【図10】本発明における送信装置の第5の機能構成図である。
【符号の説明】
【0094】
1 送信装置
101 フォーマット変換部
102 映像エンコーダ部
103 映像データ用バッファ
104、106 RTPヘッダ付加部
105 UDP/IPプロトコルスタック部
107 音声データ用バッファ
108 音声エンコーダ部
109 A/D変換部
110 増幅器
111 多重化部
116 クロック
1111 多重パケット生成部
1112 映像データ用メモリ
1113 音声データ用メモリ
1114 加算器
1115 遅延回路
1116 クロック
112 タイミング制御部
1121 コンパレータ
1122 閾値蓄積部
113、114 スイッチ
116 クロック
2 受信装置
201 ディスプレイ制御部
202 映像データ用バッファ
203 映像デコーダ
204、206 RTPヘッダ除去部
205 UDP/IPプロトコルスタック部
207 音声デコーダ
208 音声データ用バッファ
209 D/A変換部
210 増幅器
3 IPネットワーク
4 カメラ
5 マイク
6 ディスプレイ
7 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
前記第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、前記第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、前記第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
前記第1のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
前記第1のバッファにおける前記バッファ蓄積量が前記第1の閾値を越えた際に、前記第1のバッファに蓄積された前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納し、前記第2のバッファに蓄積された前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納して、前記フレームを構成する第2のステップと
を有することを特徴とする送信方法。
【請求項2】
前記第2のステップは、前記第1のバッファに蓄積された前記第1の閾値に相当する量の前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納することを特徴とする請求項1に記載の送信方法。
【請求項3】
前記第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
前記第2のステップは、前記第2のバッファに蓄積された前記第2の閾値に相当する量の前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納することを特徴とする請求項1又は2に記載の送信方法。
【請求項4】
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
前記第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、前記第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、前記第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
前記第2のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
前記第2のバッファにおける前記バッファ蓄積量が前記第2の閾値を越えた際に、前記第1のバッファに蓄積された前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納し、前記第2のバッファに蓄積された前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納して、前記フレームを構成する第2のステップと
を有することを特徴とする送信方法。
【請求項5】
前記第2のステップは、前記第2のバッファに蓄積された前記第2の閾値に相当する量の前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納することを特徴とする請求項4に記載の送信方法。
【請求項6】
前記第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
前記第2のステップは、前記第1のバッファに蓄積された前記第1の閾値に相当する量の前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納することを特徴とする請求項4又は5に記載の送信方法。
【請求項7】
前記フレームを構成する毎にリセットされる、最長時間間隔を規定するクロック手段を有しており、
前記第2のステップは、前記第1のバッファ及び/又は前記第2のバッファにメディアデータが蓄積されているにもかかわらず、前記第1又は第2のバッファのバッファ蓄積量が前記第1又は第2の閾値に達していない場合、前記クロック手段から出力されるタイミングで、前記フレームを構成することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の送信方法。
【請求項8】
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
前記第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、前記第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、時間間隔を規定するクロック手段とを有しており、
前記クロック手段のタイミングに従って、前記第1のバッファに蓄積された前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納し、前記第2のバッファに蓄積された前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納して、前記フレームを構成することを特徴とする送信方法。
【請求項9】
前記第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
前記第2のステップは、前記第2のバッファに蓄積された前記第2の閾値に相当する量の前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納することを特徴とする請求項8に記載の送信方法。
【請求項10】
前記第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
前記第2のステップは、前記第1のバッファに蓄積された前記第1の閾値に相当する量の前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納することを特徴とする請求項8又は9に記載の送信方法。
【請求項11】
前記第1のメディアデータは音声データであって、前記第2のメディアデータは映像データであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の送信方法。
【請求項12】
前記第1のメディアデータは映像データであって、前記第2のメディアデータは音声データであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の送信方法。
【請求項13】
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信プログラムであって、
前記第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、前記第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、前記第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
前記第1のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
前記第1のバッファにおける前記バッファ蓄積量が前記第1の閾値を越えた際に、前記第1のバッファに蓄積された前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納し、前記第2のバッファに蓄積された前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納して、前記フレームを構成する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とする送信プログラム。
【請求項14】
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信プログラムであって、
前記第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、前記第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファとを有し、前記第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
前記第2のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視する第1のステップと、
前記第2のバッファにおける前記バッファ蓄積量が前記第2の閾値を越えた際に、前記第1のバッファに蓄積された前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納し、前記第2のバッファに蓄積された前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納して、前記フレームを構成する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とする送信プログラム。
【請求項15】
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを送信する送信方法であって、
前記第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、前記第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、時間間隔を規定するクロック手段とを有しており、
前記クロック手段のタイミングに従って、前記第1のバッファに蓄積された前記第1のメディアデータを、前記フレームの第1のメディアデータとして格納し、前記第2のバッファに蓄積された前記第2のメディアデータを、前記フレームの第2のメディアデータとして格納して、前記フレームを構成するようにコンピュータを実行させることを特徴とする送信プログラム。
【請求項16】
送信すべき第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、
送信すべき第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを生成する多重化手段と、
前記第1のバッファと前記多重化手段との間に接続された第1のスイッチと、
前記第2のバッファと前記多重化手段との間に接続された第2のスイッチと、
前記第1のバッファに対する第1の閾値を蓄積し、前記第1のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視し、該バッファ蓄積量が前記第1の閾値を越えた際に、前記第1のバッファの前記第1のメディアデータと前記第2のバッファの前記第2のメディアデータとを前記多重化手段へ送出するように前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御するタイミング制御手段と
を有することを特徴とする送信装置。
【請求項17】
前記第1のバッファは、前記第1の閾値に相当する量の前記第1のメディアデータを一度に前記多重化手段へ送出するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の送信装置。
【請求項18】
前記第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
前記第2のバッファは、前記第2の閾値に相当する量の前記第2のメディアデータを一度に前記多重化手段へ送出するように構成されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の送信装置。
【請求項19】
送信すべき第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、
送信すべき第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを生成する多重化手段と、
前記第1のバッファと前記多重化手段との間に接続された第1のスイッチと、
前記第2のバッファと前記多重化手段との間に接続された第2のスイッチと、
前記第2のバッファに対する第2の閾値を蓄積し、前記第2のバッファにおけるバッファ蓄積量を監視し、該バッファ蓄積量が前記第2の閾値を越えた際に、前記第1のバッファの前記第1のメディアデータと前記第2のバッファの前記第2のメディアデータとを前記多重化手段へ送出するように前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを制御するタイミング制御手段と
を有することを特徴とする送信装置。
【請求項20】
前記第2のバッファは、前記第2の閾値に相当する量の前記第2のメディアデータを一度に前記多重化手段へ送出するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の送信装置。
【請求項21】
前記第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
前記第1のバッファは、前記第1の閾値に相当する量の前記第1のメディアデータを一度に前記多重化手段へ送出するように構成されていることを特徴とする請求項19又は20に記載の送信装置。
【請求項22】
前記フレームを構成する毎にリセットされる、最長時間間隔を規定するクロック手段を有しており、
前記タイミング制御手段は、前記第1のバッファ及び/又は前記第2のバッファにメディアデータが蓄積されているにもかかわらず、前記第1のバッファのバッファ蓄積量が前記第1の閾値に達していない場合、前記クロック手段から出力されるタイミングで、前記フレームを構成することを特徴とする請求項16から21のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項23】
送信すべき第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のバッファと、
送信すべき第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のバッファと、
UDPヘッダに続いて、シリアル番号部と、第1のメディアデータサイズ部と、該サイズ部に格納された長さの第1のメディアデータと、第2のメディアデータとを含むデータ構造を有する、異なるメディアデータのパケット多重化フレームを生成する多重化手段と、
前記第1のバッファと前記多重化手段との間に接続された第1のスイッチと、
前記第2のバッファと前記多重化手段との間に接続された第2のスイッチと、
時間間隔を規定するクロック手段とを有しており、
前記第1及び第2のスイッチは、前記クロック手段のタイミングに従って、前記第1のバッファに蓄積された前記第1のメディアデータを前記多重化手段へ送出し、前記第2のバッファに蓄積された前記第2のメディアデータを前記多重化手段へ送出する
ことを特徴とする送信装置。
【請求項24】
前記第2のバッファに対する第2の閾値が決定されており、
前記第2のスイッチは、前記第2のバッファに蓄積された前記第2の閾値に相当する量の前記第2のメディアデータを前記多重化手段へ送出することを特徴とする請求項23に記載の送信装置。
【請求項25】
前記第1のバッファに対する第1の閾値が決定されており、
前記第2のスイッチは、前記第1のバッファに蓄積された前記第1の閾値に相当する量の前記第1のメディアデータを前記多重化手段へ送出することを特徴とする請求項23又は24に記載の送信装置。
【請求項26】
前記多重化手段は、
前記シリアル番号を送出する加算手段と、
前記第1のメディアデータを一時的に蓄積する第1のメモリと、
前記第2のメディアデータを一時的に蓄積する第2のメモリと、
前記加算手段から出力された前記シリアル番号を、前記フレームの前記シリアル番号部に含め、次に、前記第1のメモリから出力された第1のメディアデータサイズを、前記フレームの前記第1のメディアデータサイズ部に含め、次に、前記第1のメモリから出力された、前記第1のメディアデータサイズ部に格納された長さの前記第1のメディアデータを含め、次に、前記第2のメモリから出力された第2のメディアデータを含めたパケット多重化フレームの生成を繰り返す多重パケット生成手段と
を有することを特徴とする請求項16から25のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項27】
前記第1のメディアデータは音声データであって、前記第2のメディアデータは映像データであることを特徴とする請求項16から26のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項28】
前記第1のメディアデータは映像データであって、前記第2のメディアデータは音声データであることを特徴とする請求項16から26のいずれか1項に記載の送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−115305(P2006−115305A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−301608(P2004−301608)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】