説明

異方性粒子およびその製造方法、ならびに異方性粒子を配合した化粧料

【課題】基粉末の粒子表面が親水性物質によって、局所において緻密に被覆されていることによって、異方性の性能に優れた粒子を提供する。そして該異方性粒子の効率良い製造方法を提供する。
【解決手段】基粉末の粒子表面が親水性物質によって、局所において緻密に被覆されていることを特徴とする異方性粒子。前記異方性粒子が、基粉末と、油分と、水相(1)とを混合攪拌することにより油中水型粉末乳化基剤を得る工程と、前記油中水型粉末乳化基剤に水相(2)を添加し、前記油中水型粉末乳化基剤の内水相にて親水性物質が調製される工程と、内水相と基粉末の粒子の界面に前記親水性物質が集合し、基粉末の粒子表面が該親水性物質によって、局所において緻密に被覆される工程とを備える製造方法により得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異方性粒子に関し、特に該異方性粒子が有する異方性の性能改善に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業の急速な発達に伴い、エレクトロニクス・情報分野、生体・医療分野、ファインケミカル分野などに利用される粒子に対し、ナノオーダーでのサイズコントロールや用途に応じた粒子デザインの重要性が高まっている。粒子に多機能を付与するためには、性質の異なる物質の複合化が一般的に用いられ、特に一つの粒子に複数の異なる性質を持つ物質が分かれて存在する、いわゆる異方性粒子は特異的な性質を示すことで注目されている。
【0003】
異方性粒子の利用方法の一つとして、粉末乳化剤が挙げられる。粉末の乳化剤としての利用技術は、すでにLevineらによって行われており、表面処理された微細な疎水性シリカが界面活性剤を含まない分散物を安定化させることが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0004】
また、粒子表面に部分的にアルキルシラン処理を行い、親水性部分と疎水性部分の両方を有する粉末が開発されている(例えば、非特許文献2を参照)。これは、少量の水を添加した粒子径250〜660nmのシリカ粒子を、n−オクタデシルトリメトキシシランを含むトルエン溶液に懸濁させ、遠心分離、乾燥することで、粒子表面全体にオクタデシル基が修飾された半疎水性粒子が得られる技術である。
しかしながら、この疎水性シリカは、シリカ粒子表面全体に渡り、親水性部分および疎水性部分が散在している状態のものである。仮に、粉末粒子の片側表面に親水性、他方の表面に疎水性の性質を付与し、親水部および疎水部を分けることができれば、より界面活性能が向上した粉末乳化剤となることが期待される。
【0005】
さらなる異方性粒子の応用例として、異方性粒子の片側に+、他方の片側に−の性質を付与し、電子ペーパー化のための回転ビーズが考えられる。すなわち、異方性粒子の片側が白、他方の片側が黒で、かつ粒子両球面の電荷が異なれば、粒子を電場に置いた場合に白黒の配向を制御することができ、書き換え可能な電子ペーパー化が実現される。
また、片側に+、他方の片側に−の性質を付与した異方性粒子に関し、磁場を印加したときに起こる粘度増加を伴うMR流体として、車のブレーキ、クラッチ、機械の潤滑油などへの応用も可能である。
【0006】
粒子の片側半球表面と、他方の片側半球表面とで異なる性能を持たせた具体例として、表面異方性高分子粒子が知られている(例えば、特許文献1を参照)。これは、基板の(ポリスチレンのプレートなど)の表面に修飾しようとする蛋白質(例えば免疫グロブリンG(ヒトIgG))を均一に吸着させておき、次いで高分子粒子の片側をその蛋白質に接触させて、高分子粒子の片側のみがヒトIgGに修飾され、もう片側が親水性の表面を有する特徴を有する。
しかしながら、上述の表面異方性高分子粒子の合成方法は煩雑であり、収量が比較的低いものであった。また、高分子表面に修飾される物質は半球部分においてまばらに存在するものであった。
したがって従来技術では、粒子片側表面上に緻密に修飾したい物質を被覆することは困難であった。
【特許文献1】特許第3567269号公報
【非特許文献1】Colloids andSurfaces, Vol.38, 325-343 (1989)
【非特許文献2】Journal ofAmerican Chemical Society, 2005, 127, 6271-6275
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述の事情に鑑み行われたものであり、その第一の目的は粉末粒子表面が、親水性物質によって、局所において緻密に被覆された異方性粒子を提供することである。第二の目的は前記異方性粒子の、油中水型乳化技術を利用した効率的製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意研究を行った結果、基粉末と、油分と、水相とを含む油中水型粉末乳化基剤を調製した後、内水相と基粉末の粒子界面に相当する粒子表面に、内水相にて調製された親水性物質を被覆させることにより、粒子表面が親水性物質によって、局所において緻密に被覆された異方性粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、基粉末の粒子表面が親水性物質によって、局所において緻密に被覆されていることを特徴とする異方性粒子を提供するものである。
【0009】
前記本発明にかかる異方性粒子において、基粉末がシリコーン樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ナイロン樹脂粉末、シリカ粉末から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
さらに前記本発明にかかる異方性粒子において、基粉末がシリコーン樹脂粉末であることが好適である。
前記本発明にかかる異方性粒子において、親水性物質が酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
【0010】
前記本発明にかかる異方性粒子において、基粉末の平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする。
前記本発明にかかる異方性粒子において、基粉末の粒子形状が球状であることを特徴とする。
前記本発明にかかる異方性粒子を配合した化粧料を提供するものである。
また、前記本発明にかかる異方性粒子を配合した乳化組成物を提供するものである。
【0011】
本発明は、基粉末と、油分と、水相(1)とを混合攪拌することにより油中水型粉末乳化基剤を得る工程と、前記油中水型粉末乳化基剤に水相(2)を添加し、前記油中水型粉末乳化基剤の内水相にて親水性物質が調製される工程と、内水相と基粉末の粒子の界面に前記親水性物質が集合し、基粉末の粒子表面が該親水性物質によって、局所において緻密に被覆される工程とを備える異方性粒子の製造方法を提供するものである。
前記本発明にかかる異方性粒子の製造方法において、水相(水相(1)+水相(2))、および油分の配合比(W/O比)が10/90〜70/30であることを特徴とする。
前記製造方法において、基粉末の配合割合が、油分と水相(水相(1)+水相(2))の合計量に対し、0.1〜20%であることを特徴とする。
【0012】
前記製造方法において、水相(1)が、オルトケイ酸テトラエチル、ケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、四塩化チタン、硫酸チタニル、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、塩化亜鉛、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性トリアルコキシシランから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする。
さらに、前記水相(1)に含まれるオルトケイ酸テトラエチル、ケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、四塩化チタン、硫酸チタニル、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、塩化亜鉛、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性トリアルコキシシランから選ばれる1種または2種以上の物質の配合割合が、油分と水相の合計量に対し、0.1〜20%であることを特徴とする。
前記製造方法において、水相(2)が、親水性物質を調製するための触媒を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基粉末表面が親水性物質によって、局所において緻密に被覆されていることによって、基粉末自身が有する性能と親水性の両性能が効果的に発揮することが可能な異方性粒子を得ることができる。そして該異方性粒子は、それを配合した乳化物を調製した場合に、界面活性能に優れた粉末乳化剤として機能することが可能である。
また、本発明にかかる異方性粒子の製造方法によれば、前記の異方性粒子を効率良く提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
基粉末
本発明において、異方性粒子を構成する基粉末としては、所望する異方性粒子の性質にもより適宜選択されるが、具体的には、シリコーン樹脂粉末、ポリアクリレート粉末、ポリカーボネート粉末、ポリ塩化ビニル粉末、ポリアミド粉末、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末等の高分子粉末、シリカ粉末、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、酸化鉄粉末、窒化ホウ素粉末、タルク粉末等の無機粉末等が挙げられる。本発明においては、これらの中でも、シリコーン樹脂粉末が特に好ましく用いられる。
【0015】
また、前記基粉末は、その表面の一部あるいは全部を処理されたものであってもよい。処理方法としてはシリコーン処理、フッ素処理、脂肪酸処理、カチオン処理等が挙げられる。
本発明に用いる基粉末は、油分、水相とともに混合攪拌されて油中水型粉末乳化基剤を形成するため、該基粉末の粒子径は、該油中水型粉末乳化基剤を安定に調製できるものであれば特に限定されるものではないが、0.01〜100μmであることが好ましい。
また、本発明に用いる基粉末の粒子形状は、球状、板状、塊状、円柱状等が挙げられるが、粒子表面への新規性物質による被覆の均一性の観点から、球状であることが好ましい。
【0016】
親水性物質
本発明において、基粉末の表面の局所を被覆する親水性物質としては、具体的に以下のようなものが挙げられる。
無機物として、オルトケイ酸テトラエチル、ケイ酸ナトリウム等より得られる酸化ケイ素、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等より得られる酸化アルミニウム、四塩化チタン、硫酸チタニル等より得られる酸化チタン、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄等より得られる酸化鉄、塩化亜鉛等より得られる酸化亜鉛等が挙げられる。
有機物としては、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン基、エーテル基等の親水性基を有する物質である、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性トリアルコキシシラン等のシリコーン系物質等が挙げられる。
本発明にかかる異方性粒子は、上記の親水性物質の1種または2種以上を用いて被覆されていてもよい。
【0017】
本発明にかかる異方性粒子の構成を模式的に示すと図1のようになる。図1に示されるように、該異方性粒子は、シリコーン樹脂等の基粉末の片側表面の局所が、シリカ等の親水性物質によって被覆されている。本発明において、親水性物質による被覆は、局所的な被覆部分において、緻密になされていることが特徴である。「緻密に」とは、近似する親水性物質の粒子同士の距離が1μm以下である状態を意味し、より好ましくは200nm以下であることを意味する。この距離は例えば、SEM顕微鏡写真から算出される。近似する親水性物質の粒子同士の距離が200nm以下であると、局所的な被覆部分において、極めて平滑に親水性物質が存在しており、異方性粒子としての機能がより好ましく発揮される場合がある。
【0018】
また、「局所において」とは、基粉末表面全体に点在することを意味するものではなく、片側半球表面の一部、または片側半球表面全部もしくは片側半球表面以上において、連続した部分を意味する。
さらに、本発明にかかる異方性粒子の被覆状態は、基粉末の表面積に対する親水性物質による被覆部分面積の割合、すなわち被覆率によって表すことも可能である。該被覆率は以下のような測定方法によって算出される。
測定機器:SEM(査型電子顕微鏡)(株式会社日立製作所製)
測定方法:異方性粒子(100個)の表面をSEMで観察し、基粉末の粒子径および被覆部分の面積を測定し平均被覆率を算出した。
本発明においては、前記平均被覆率が30〜70%であることを特徴とする。
【0019】
次に、本発明にかかる異方性粒子の製造方法について説明する。
本発明にかかる異方性粒子の製造方法は、基粉末と、油分と、水相(1)とを混合攪拌することにより油中水型粉末乳化基剤を得る工程と、
前記油中水型粉末乳化基剤に水相(2)を添加し、前記油中水型粉末乳化基剤の内水相にて親水性物質が調製される工程と、
内水相と基粉末の粒子の界面に前記親水性物質が集合し、基粉末の粒子表面が該親水性物質によって、局所において緻密に被覆される工程とを備えることを特徴とする。
上記製造方法過程で調製される油中水型粉末乳化基剤の構成を図2に示す。
図中、油相は前記油分を含み、水相は水、基粉末を被覆する親水性物質の原料成分、および前記原料成分を親水性物質へと変換するために用いられる触媒を含む。
まず最初に、製造過程に用いられる成分について以下に詳細に説明する。
【0020】
油分
本発明にかかる異方性粒子を製造する際に用いる油分として、常温で液状の油分が好ましく用いられる。具体的には、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、流動パラフィン、イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、サリチル酸2−エチルヘキシル等のエステル油、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油等の油脂、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等の有機溶剤等が挙げられる。
本発明においては、上記油分の1種または2種以上を用いてもよい。
【0021】
水相
本発明にかかる異方性粒子を製造する際に用いる水相(1)には、水および基粉末を被覆する親水性物質の原料成分を含むことを特徴とする。
水は、油分と基粉末と共に混合攪拌した際に、基粉末を介した油中水型の粉末乳化基剤を形成させるための主成分に相当する。
また、前記「親水性物質の原料成分」とは、前述のオルトケイ酸テトラエチル、ケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、四塩化チタン、硫酸チタニル、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、塩化亜鉛、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性トリアルコキシシランなどから選ばれる1種または2種以上に相当する。
【0022】
本発明にかかる異方性粒子を製造する際に用いる水相(2)には、前記親水性物質の原料成分を親水性物質へと変換するために用いられる触媒を含むことを特徴とする。
また、前記水相(1)および/または水相(2)には、「親水性物質の原料成分」の水への可溶化のために、エタノールを配合することも可能である。エタノールを水相に配合する場合、エタノールの配合量は水相の総量(水相(1)+水相(2))に対し、40%以下であることが好ましい。エタノールの配合量が水相の総量に対し40%を超えると、油中水型の粉末乳化基剤の形成が困難になり、本発明にかかる異方性粒子が得られない場合があり好ましくない。
【0023】
前記「触媒」を含む水相(2)が、基粉末と油分と水相(1)により形成される油中水型粉末乳化基剤に添加されて混合攪拌されると、水相(1)に存在していた「親水性物質の原料成分」と、水相(2)に存在していた触媒が内水相にて共存することになる。そこで、触媒は「親水性物質の原料成分」が親水性物質に変換されるための反応を促す働きをすることになる。触媒についての詳細は後述する。
本発明にかかる異方性粒子の製造方法において、前記水相(水相(1)+水相(2))および油分の配合比(W/O比)は10/90〜70/30であることが好適である。油中水型の粉末乳化基剤を調製するにあたり、このような配合比が好ましい。W/O比が10/90より小さいと、乳化に要する粉末量が少なく製造効率が著しく低下する。一方、W/O比が70/30より大きいと、安定な油中水型の乳化基剤の調製が困難となる。
【0024】
触媒
前記水相(2)に含まれる触媒は、「親水性物質の原料成分」が親水性物質に変換させることのできる物質であれば、特に限定されないが、用いる親水性物質の原料成分に応じて適宜選択されて配合される。具体的には、「親水性物質の原料成分」としてオルトケイ酸テトラエチルを用いた場合には塩酸またはアンモニア水、酸化鉄を用いた場合には水酸化ナトリウムまたはその水溶液などが挙げられる。
また、触媒の配合量は、「親水性物質の原料成分」が親水性物質に変換するために必要な量として適宜決定される。
【0025】
本発明にかかる異方性粒子の製造方法において、基粉末の配合量は、油分と水相(水相(1)+水相(2))の合計量に対し、0.1〜20%であることが好適である。0.1%未満であると、粉末乳化基剤の調製のために十分な量ではなく、また20%を超えると油相への分散性が悪くなり好ましくない。
また、親水性物質の原料成分の配合量は、油分と水相(水相(1)+水相(2))の合計量に対し、0.1〜20%であることが好適である。0.1%未満であると、基粉末の表面を被覆するために十分な量ではなく、また20%を超えて配合しても、増量による効果の向上は認められない。
【0026】
以下に、本発明にかかる異方性粒子の製造方法の一例を示す。
製造例
基粉末として、平均粒子径0.5μmである球状のシリコーン樹脂粉末(商品名 トスパール105 GE東芝シリコーン株式会社製)2重量部を、流動パラフィン58重量部に投入し、超音波で分散させた後、ディスパーを用いて1分間攪拌し分散体を得る。
続いて、親水性物質の原料成分としてオルトケイ酸テトラエチル0.74重量部、エタノール10重量部、イオン交換水15重量部の水相(1)を前記分散体にスターラーにて攪拌しながら徐添し、1分間攪拌した後に油中水型粉末乳化基剤を得る。
さらに、前記油中水型粉末乳化基剤をスターラーで攪拌しながら、触媒として25%アンモニア水10重量部およびイオン交換水5重量部の水相(2)を徐添し、室温にて6時間混合攪拌する。
その後、遠心分離を行い、粉末成分を取り出しエタノール洗浄し、105℃にて12時間加熱乾燥を行いシリコーン樹脂粉末の片側表面の局所が、シリカによって、緻密に被覆された異方性粒子が単離される。
【0027】
原理
(i)基粉末と、油分と、水相(1)とを混合攪拌することにより油中水型粉末乳化基剤を得る工程において、基粉末により安定化された油中水型粉末乳化基剤が調製される。その結果、油分は外相である油相を形成し、一方、親水性物質の原料成分を含む水相(1)は、粉末乳化基剤の内水相を形成することになる。
(ii)次に、前記工程で調製された油中水型粉末乳化基剤を攪拌しながら、触媒を含む水相(2)を添加すると、この水相(2)は内水相に入り込み水相(1)と混合されることになる。触媒が親水性物質の原料成分と共存することによって、親水性物質が内水相にて合成される。触媒を含む水相(2)を、水相(1)を内水相とした油中水型乳化基剤の調製した後に添加することによって、基粉末粒子の内水相側の片側表面の一部、または全部、もしくは片側表面以上に親水性物質が集合することなり、本発明にかかる異方性粒子の特徴ある被覆状態が得られる。
【0028】
また、基粉末粒子の内水相側の片側表面は、親水性物質が存在する内水相に十分に接触するため、緻密に被覆されることになる。さらに、乳化状態を形成する基粉末粒子の全てが、効率良く親水性物質によって被覆されることになる。そして、この時点で本発明にかかる異方性粒子が形成される。
内水相側に面した基粉末粒子の片側表面が親水性物質と十分に反応した後に、遠心分離機などにより油中水型の乳化状態を壊して基粉末のみを回収し、乾燥を行うことにより、本発明にかかる異方性粒子が単離される。
本発明にかかる異方性粒子の製造において、油中水型の粉末乳化基剤を調製するにあたり採用される攪拌方式は、通常乳化組成物を調製するのに用いられる方式を使用することができる。具体的には、スターラー、プロペラミキサー、ディスパー、ホモミキサー、ホモジナイザー等が挙げられる。
【0029】
本発明にかかる記異方性粒子を乳化基剤として使用することが可能である。このような使用により調製される乳化組成物としては、油中水型、水中油型、油中多価アルコール型などの乳化物、マルチプルエマルションなどが挙げられる。
本発明にかかる化粧料は、前記異方性粒子を含むことによって、乳化状態に優れたものとなる。また、前記異方性粒子の親水性物質の特異な被覆状態によって、油分の種類に関わらず、幅広い化粧料に対して適用可能である。
【0030】
本発明にかかる化粧料において含まれる、前記異方性粒子の含有量は本発明の効果が得られる範囲であれば別段限定されず、適宜調整して用いることができるが、一般的には0.1〜20質量%である。0.1質量%未満であると、本発明の効果が発揮されない場合があり、20質量%を超えると、製剤処方上好ましくない場合がある。
本発明にかかる化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することが可能である。
【0031】
本発明にかかる化粧料は、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション、頬紅、アイシャドー、白粉、口紅、浴用剤、あぶら取り紙、紙おしろい、ボディパウダー、ベビーパウダー、パウダースプレー等、従来の化粧料に用いるものであればいずれの形で適用することができ、剤型は特に問わない。
【実施例1】
【0032】
以下、具体的に実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、本発明において異方性粒子の平均粒子径の測定は以下のように実施した。
走査型電子顕微鏡で粒子を観察し、無作為に抽出した粒子100個の粒子径の平均値を平均粒子径とした。
【0033】
まず最初に、本発明にかかる異方性粒子の製造実施例を以下に示す。
製造例1
平均粒子径4.5μmの球状シリコーン樹脂粉末(商品名 トスパール145A GE東芝シリコーン株式会社製)2重量部をジメチルポリシロキサン58重量部に投入し、超音波で分散させた後、ディスパーを用いて1分間攪拌し分散体を得た。
続いて、オルトケイ酸テトラエチル0.74重量部、エタノール10重量部、イオン交換水15重量部の水相(1)を前記分散体にスターラーにて攪拌しながら徐添し、1分間攪拌した後に油中水型粉末乳化基剤を得た。
【0034】
さらに、前記油中水型粉末乳化基剤をスターラーで攪拌しながら、触媒として25%アンモニア水10重量部およびイオン交換水5重量部の水相(2)を徐添し、室温にて6時間混合攪拌した。
その後、遠心分離を行い、粉末成分を取り出しエタノール洗浄し、105℃にて12時間加熱乾燥を行いシリコーン樹脂粉末の片側表面上がシリカによって被覆された異方性粒子を得た。
平均粒子径:4.5μm
【0035】
製造例2
平均粒子径4.5μmの球状シリコーン樹脂粉末(商品名 トスパール145A GE東芝シリコーン株式会社製)2重量部をジメチルポリシロキサン58重量部に投入し、超音波で分散させた後、ディスパーを用いて1分間攪拌し分散体を得た。
続いて、塩化鉄(II)四水和物0.172重量部、塩化鉄(III)六水和物0.468重量部、イオン交換水30重量部の水相(1)を前記分散体にスターラーにて攪拌しながら徐添し、1分間攪拌した後に油中水型粉末乳化基剤を得た。
さらに、前記油中水型粉末乳化基剤をスターラーで攪拌しながら、触媒として1N水酸化ナトリウム水溶液10重量部の水相(2)を徐添し、室温にて6時間混合攪拌した。
その後、遠心分離を行い、粉末成分を取り出しエタノール洗浄し、105℃にて12時間加熱乾燥を行いシリコーン樹脂粉末の片側表面上が酸化鉄によって被覆された異方性粒子を得た。
平均粒子径:4.5μm
【0036】
製造例3
平均粒子径9μmのポリメチルメタクリレート樹脂粉末(商品名 マツモトマイクロスフェアー M-306 松本油脂製薬株式会社製)2重量部を流動パラフィン58重量部に投入し、超音波で分散させた後、ディスパーを用いて1分間攪拌し分散体を得た。
続いて、ケイ酸ナトリウム0.41重量部、イオン交換水30重量部の水相(1)を前記分散体にスターラーにて攪拌しながら徐添し、1分間攪拌した後に油中水型粉末乳化基剤を得た。
さらに、前記油中水型粉末乳化基剤をスターラーで攪拌しながら、触媒として1M塩酸6.5重量部の水相(2)を徐添し、室温にて6時間混合攪拌した。
その後、遠心分離を行い、粉末成分を取り出しエタノール洗浄し、105℃にて12時間加熱乾燥を行いポリメチルメタクリレート樹脂粉末の片側表面上がシリカによって被覆された異方性粒子を得た。
平均粒子径:9μm
【0037】
製造例4
平均粒子径4.5μmの球状シリコーン樹脂粉末(商品名 トスパール145A GE東芝シリコーン株式会社製)2重量部をジメチルポリシロキサン38重量部に投入し、超音波で分散させた後、ディスパーを用いて1分間攪拌し分散体を得た。
続いて、塩化鉄(II)四水和物0.172重量部、塩化鉄(III)六水和物0.468重量部、イオン交換水25重量部の水相(1)を前記分散体にスターラーにて攪拌しながら徐添し、1分間攪拌した後に油中水型粉末乳化基剤を得た。
【0038】
さらに、前記油中水型粉末乳化基剤をスターラーで攪拌しながら、触媒として25%アンモニア水10重量部およびイオン交換水15重量部の水相(2)を徐添し、室温にて6時間混合攪拌した。
その後、遠心分離を行い、粉末成分を取り出しエタノール洗浄し、105℃にて12時間加熱乾燥を行いシリコーン樹脂粉末の片側表面上がシリカによって被覆された異方性粒子を得た。
平均粒子径:4.5μm
【0039】
製造例5
平均粒子径4.5μmの球状シリコーン樹脂粉末(商品名 トスパール145A GE東芝シリコーン株式会社製)2重量部をジメチルポリシロキサン38重量部に投入し、超音波で分散させた後、ディスパーを用いて1分間攪拌し分散体を得た。
続いて、1M塩化チタン水溶液20重量部の水相(1)を前記分散体にスターラーにて攪拌しながら徐添し、1分間攪拌した後に油中水型粉末乳化基剤を得た。
さらに、前記油中水型粉末乳化基剤をスターラーで攪拌しながら、触媒として1M水酸化ナトリウム水溶液20重量部の水相(2)を徐添し、室温にて6時間混合攪拌した。
その後、遠心分離を行い、粉末成分を取り出しエタノール洗浄し、105℃にて12時間加熱乾燥を行いシリコーン樹脂粉末の片側表面上が酸化チタンによって被覆された異方性粒子を得た。
平均粒子径:4.5μm
【0040】
前記製造例1〜5にて合成された異方性粒子の被覆状態を電子顕微鏡にて観察した結果、基粉末の片側表面上に連続的に緻密に球状の粒子が被覆している状態が確認された。図3に製造例1で得られた、シリコーン樹脂粉末がシリカによって被覆された異方性粒子の顕微鏡写真を示す。また、図4に製造例2で得られた、シリコーン樹脂粉末が酸化鉄によって被覆された異方性粒子の顕微鏡写真を示す。
また、製造例2で得られた、シリコーン樹脂粉末が酸化鉄によって被覆された異方性粒子を磁石に近づけると引き寄せられことから、該異方性粒子が磁性を有していることが確認された。
【実施例2】
【0041】
次に、前記製造例2で得られた異方性粒子を用いて、粉末乳化剤としての界面活性能を確認する試験を実施した。試験方法および評価方法は以下のとおりである。
試験方法
下記表1に示す組成で、油分に被検体粉末を添加し、ディスパーで1分間分散させた後、スターラーで攪拌しながら水を徐添して油中水型(W/O)乳化物を得た。
なお、下記表1に記載した数値は、全て重量部である。
【0042】
評価方法・評価基準
前記試験方法によって得られた各乳化物の乳化状態をレーザー顕微鏡による観察および目視にて判定した。
○:粒子径の分布が狭く、球状の乳化粒子が乳化層を形成している。
△:粒子径の分布が広く、擬球形の乳化粒子が乳化層を形成している。
×:乳化層がほとんど形成されていない。
【0043】
【表1】

※1:商品名 トスパール145A GE東芝シリコーン株式会社製
【0044】
上記表1より明らかなように、異方性を有さず疎水性が比較的高いシリコーン樹脂を用いて乳化を試みたところ、2−エチルヘキサン酸セチルやジネオペンタン酸トリプロピレングリコールのような無機性の強い油分および水からなる均一なW/O乳化物が得ることができなかった(試験例4および5)。
一方、前記製造例2で得られた、シリコーン樹脂粉末の表面の片側局所部分が緻密に連続的に酸化鉄によって被覆された異方性粒子を用いた場合は、各種油分に対して均一なW/O乳化物を形成した(試験例1〜3)。これは、親水性を示す酸化鉄部分と、比較的疎水性の高いシリコーン部分が、粒子球面上において分かれて存在するため、酸化鉄部分は水側に、シリコーン部分は油分側に優先的に配向し、各種油分を用いた場合にW/O乳化物を形成することができたと判断される。
【実施例3】
【0045】
さらに、本発明にかかる異方性粒子を配合した組成物の実施例を以下に示す。
W/Oクリーム
(1)シクロメチコン 28.4 質量%
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ベントン 10.0
(4)製造例1で得られた異方性粒子 3.5
(5)プロピルパラベン 0.1
(6)グリセリン 3.0
(7)メチルパラベン 0.2
(8)精製水 残余
(製法)
25℃の温度で撹拌しながら、成分(1)、(2)、(5)の油性成分に(4)製造例1の異方性粒子を分散させ、そこへ成分(6)から(8)の水性成分の混合物を注ぎ、次いで(3)を加えて目的のW/Oククリームを得た。
【実施例4】
【0046】
O/Wサンスクリーン
油相
(1)スクワラン 4.0 質量%
(2)オクチルメトキシシンナメート 8.0
(3)シクロペンタジメチルシロキサン 5.0
(4)香料 0.1
水相1
(5)1,3−ブチレングリコール 5.0
(6)エタノール 2.0
(7)製造例3で得られた異方性粒子 3.0
(8)精製水 適量
水相2
(9)サクシノグリカン 0.2
(10)グリセリン 3.0
(11)L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.01
(12)エデト酸塩 0.05
(13)メチルパラベン 適量
(14)精製水 残余
(製法)
水相1を70℃に加熱後、ミキサーもしくは超音波で分散した後、均一に溶解した水相2を添加する。さらに70℃に加熱した油相を加えて、乳化機で乳化する。これを冷却して目的のO/Wサンスクリーンを得た。
【実施例5】
【0047】
両用ファンデーション
粉末部
(1)シリコーン処理タルク 16.2 質量%
(2)シリコーン処理マイカ 40.0
(3)シリコーン処理二酸化チタン 15.0
(4)シリコーン処理超微粒子二酸化チタン 5.0
(5)シリコーン処理ベンガラ 1.0
(6)シリコーン処理黄酸化鉄 3.0
(7)シリコーン処理黒酸化鉄 0.2
(8)ステアリン酸亜鉛 0.1
(9)製造例2の異方性粒子 5.0
(10)エチルパラベン 適量
油相
(11)スクワラン 4.0
(12)固形パラフィン 0.5
(13)ジメチルポリシロキサン 4.0
(14)トリイソオクタン酸グリセリン 5.0
(15)オクチルメトキシシンナメート 1.0
(16)酸化防止剤(ビタミンE) 適量
(17)香料 適量
(製法)
(1)〜(7)を粉砕機で粉砕混合し、これに残りの粉末部を添加してよく混合する。前記粉末部に油相成分(11)〜(17)を均一になじませた後、粉砕機で粉砕混合した。さらに篩を通して中皿に圧縮成型し、目的の両用ファンデーションを得た。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明にかかる異方性粒子の概略構成を示した図である。
【図2】本発明にかかる異方性粒子の製造過程における、油中水型粉末乳化基剤の概略構成を示した図である。
【図3】本発明にかかる異方性粒子(製造例1)のSEM電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明にかかる異方性粒子(製造例2)のSEM電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0049】
1.異方性粒子
2.基粉末
3.内水相にて合成された親水性物質
4.基粉末により安定化された油中水型乳化基剤
5.水相
6.油相


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基粉末の粒子表面が親水性物質によって、局所において緻密に被覆されていることを特徴とする異方性粒子。
【請求項2】
請求項1に記載の異方性粒子において、基粉末がシリコーン樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ナイロン樹脂粉末、シリカ粉末から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする異方性粒子。
【請求項3】
請求項1または2に記載の異方性粒子において、基粉末がシリコーン樹脂粉末であることを特徴とする異方性粒子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の異方性粒子において、親水性物質が酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする異方性粒子。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の異方性粒子において、基粉末の平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする異方性粒子。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の異方性粒子において、基粉末の粒子形状が球状であることを特徴とする異方性粒子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の異方性粒子を配合した化粧料。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の異方性粒子を配合した乳化組成物。
【請求項9】
基粉末と、油分と、水相(1)とを混合攪拌することにより油中水型粉末乳化基剤を得る工程と、
前記油中水型粉末乳化基剤に水相(2)を添加し、前記油中水型粉末乳化基剤の内水相にて親水性物質が調製される工程と、
内水相と基粉末の粒子の界面に前記親水性物質が集合し、基粉末の粒子表面が該親水性物質によって、局所において緻密に被覆される工程とを備える異方性粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の異方性粒子の製造方法において、水相(水相(1)+水相(2))、および油分の配合比(W/O比)が10/90〜70/30であることを特徴とする異方性粒子の製造方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の異方性粒子の製造方法において、基粉末の配合割合が、油分と水相(水相(1)+水相(2))の合計量に対し、0.1〜20%であることを特徴とする異方性粒子の製造方法。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれかに記載の異方性粒子の製造方法において、前記水相(1)が、オルトケイ酸テトラエチル、ケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、四塩化チタン、硫酸チタニル、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、塩化亜鉛、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性トリアルコキシシランから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする異方性粒子の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の異方性粒子の製造方法において、前記水相(1)に含まれるオルトケイ酸テトラエチル、ケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、四塩化チタン、硫酸チタニル、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、塩化亜鉛、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性トリアルコキシシランから選ばれる1種または2種以上の物質の配合割合が、油分と水相(水相(1)+水相(2))の合計量に対し、0.1〜20%であることを特徴とする異方性粒子の製造方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれかに記載の異方性粒子の製造方法において、前記水相(2)が、親水性物質を調製するための触媒を含むことを特徴とする異方性粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−302823(P2007−302823A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134104(P2006−134104)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】