説明

癌を処置するための治療剤の組合せ

本発明は、Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤;ならびに1種以上の薬学的活性剤を含む組合せ剤;該組合せ剤を含む医薬組成物;該組合せ剤を含む処置法;該組合せ剤の製造方法;ならびに、該組合せ剤を含む販売用パッケージに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Erb−Bおよび血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤、ならびに、1種以上の薬学的活性剤を含む組合せ剤;該組合せ剤を含む医薬組成物;該組合せ剤を含む処置法;該組合せ剤の製造方法;および、該組合せ剤を含む販売用パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体は、多様な生物学的活性を示す。WO03/013541は、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリニジンピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンを含む7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体、ならびにその製造方法を記載する。薬物{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンは、二重EGF/VEGF阻害剤であり、抗腫瘍作用を示す。しかしながら、活性成分の種々の組合せが、抗腫瘍作用を増大し得ることも公知である。故に、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンの新規組合せ剤が引き続き必要とされている。
【発明の開示】
【0003】
発明の概要
本発明は、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤;ならびに
(b)1種以上の薬学的活性剤
を含む、組合せ剤に関する。
【0004】
本発明はさらに、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤;
(b)薬学的活性剤;ならびに
(c)薬学的に許容される担体
を含む、医薬組成物に関する。
【0005】
本発明はさらに、同時、併用、個別または連続使用のための、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害物質の製剤;ならびに
(b)薬学的活性物質の製剤
を含む、販売用パッケージまたは製品に関する。
【0006】
組合せパートナー(a)および(b)を、1個の合した単位投与量形態または2個の個別単位投与量形態で、共に、逐次に(one after the other)、または個別に投与することができる。該単位投与量形態はまた、固定した組合せ剤であり得る。
【0007】
本発明はさらに、哺乳動物、特にヒトにおける、増殖性疾患、または持続的な血管形成と関係するか、またはそれにより引き起こされる疾患を、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤;ならびに
(b)1種以上の薬学的活性剤
を含む組合せ剤を用いて、予防または処置する方法に関する。
【0008】
図面の簡単な説明
図1は、SKOV−3細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、およびN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを含む組合せ剤について、81−ポイント 9×9用量マトリックス(dose matrix)として阻害%を示す。
【0009】
図2は、SKOV−3細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、およびN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを含む組合せ剤の、Loewe相加モデル(Loewe additivity model)と比較した各用量ポイントの相乗性を示す。
【0010】
図3は、SKOV−3細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、およびN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを含む組合せ剤の30%阻害でのアイソボログラム(isobologram)曲線を示す。
【0011】
図4は、A549細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンおよびクラドリビンを含む組合せ剤について、81−ポイント 9×9用量マトリックスとして阻害%を示す。
【0012】
図5は、A549細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンおよびクラドリビンを含む組合せ剤の、ロエベ付加モデルと比較した各用量ポイントの相乗性を示す。
【0013】
図6は、A549における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンおよびクラドリビンを含む組合せ剤の55%阻害でのアイソボログラム(isobologram)曲線を示す。
【0014】
発明の詳細な説明
I.Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤
阻害剤の詳細な説明
本明細書で用いる用語“Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤”は、核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝を標的とし、低下させる、または阻止する化合物に関する。アデノシンキナーゼ阻害剤の例には、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、5−ヨード−7−β−D−リボフラノシル−(9Cl)としても公知の、5−ヨードツベルシジン(lodotubercidin)が含まれるが、これに限定されない。式(I)の化合物は、有益な、薬理学的に有用な特性を有する。特に、それらは、薬理学的に興味のある特異的な阻害活性を示す。それらは、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤として、および/または(さらに)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼの阻害剤として有効である。それらは、例えば、上皮細胞増殖因子受容体(EGF−R)およびErbB−2キナーゼのチロシンキナーゼ活性の強力な阻害を示す。これらの2種のタンパク質チロシンキナーゼ受容体は、そのファミリーメンバーであるErbB−3およびErbB−4と共に、ヒト細胞、とりわけ上皮細胞、免疫系の細胞ならびに中枢および末梢神経系の細胞を含む、多数の哺乳動物細胞におけるシグナル伝達において重要な役割を果たす。例えば、様々な細胞タイプにおいて、EGFにより誘導される受容体結合タンパク質チロシンキナーゼの活性化は、細胞分化の前提条件であり、故に、細胞数の増大をもたらす。最も重要なことには、EGF−R(HER−1)および/またはErbB−2(HER−2)の過剰発現が、多くのヒト腫瘍のかなりの割合で観察される。EGF−Rは、例えば、非小細胞肺癌、側頭部癌腫(頭頸部)、乳癌、胃癌、卵巣癌、結腸癌および前立腺癌、ならびに神経膠腫において過剰発現することが見出された。ErbB−2は、側頭部癌腫(頭頸部)、乳癌、胃癌および卵巣癌、ならびに神経膠腫において過剰発現することが見出された。
【0015】
EGF−Rのチロシンキナーゼ活性を阻害することに加えて、式(I)の化合物はまた、栄養因子により仲介されるシグナル伝達に関係する、種々の他のタンパク質チロシンキナーゼ、特に、VEGF受容体ファミリー(例えば、KDR、Flt−1、Flt−3)、またablキナーゼ、とりわけv−abl、Srcファミリー由来のキナーゼ、とりわけc−Src、LckおよびFyn、EGF受容体ファミリーの他のメンバー、例えばErbB−3(HER−3)およびErbB−4(HER−4)、CSF−1、Kit、FGF受容体、ならびにサイクリン依存性キナーゼであるCDK1およびCDK2(これらは全て、ヒトを含む、哺乳動物細胞における増殖制御および形質転換において役割を果たす。)を阻害する。
【0016】
本発明は、式(I):
【化1】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはシクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換、一置換もしくは二置換アミノまたはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは、酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRが、両方とも水素ではない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルであり;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);そして
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体または該化合物の塩に関する。
【0017】
上記および下記に用いる一般用語は、好ましくは、他に特記しない限り、本明細書の内容において下記の意味を有する。
【0018】
複数形を化合物、塩などに使用するとき、これは1個の化合物、塩などについても意味するものとする。
【0019】
互変異性体を形成し得る式(I)の化合物を記載するとき、かかる式(I)の化合物の互変異性体も包含することを意味する。特に、互変異性化が、例えば、2−ヒドロキシ−ピリジルラジカル(例えば、下記の実施例115−120のラジカルRを参照のこと)を含む式(I)の化合物で起こる。かかる化合物において、2−ヒドロキシ−ピリジルラジカルは、ピリド−2(1H)−オン−イルとしても存在し得る。
【0020】
所望により存在し得る式Iの化合物の不斉炭素原子は、(R)、(S)または(R,S)立体配置で、好ましくは(R)または(S)立体配置で存在し得る。二重結合または環の置換基は、シス−(=Z−)またはトランス(=E−)形で存在していてよい。故に、化合物は、異性体の混合物、または好ましくは純粋な異性体として存在していてよい。
【0021】
好ましくは、アルキルは、20個までの炭素原子を含み、最も好ましくは、低級アルキルである。
【0022】
接頭語“低級”は、最大7個まで(7個を含む)、とりわけ最大4個まで(4個を含む)の炭素原子を有するラジカルを示し、該ラジカルは、非分枝鎖または単一もしくは複数の分枝を有する分枝鎖である。
【0023】
低級アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシルまたはn−ヘプチルである。
【0024】
アルキルRおよびRは、それぞれ独立して、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチル、とりわけメチルまたはエチルである。
【0025】
低級アルキルYは、好ましくはメチル、エチルまたはプロピルである。
低級アルコキシは、例えば、エトキシまたはメトキシ、とりわけメトキシである。
【0026】
置換アルキルは、好ましくは、1個以上、好ましくは1個の置換基が存在し得る、上記の低級アルキル、例えばアミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオ、ハロゲンまたはヘテロ環式ラジカルである。
【0027】
置換アルキルRおよびRは、それぞれ独立して、好ましくは、ヒドロキシ−低級アルキル、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルまたはモルホリニル−低級アルキルである。
【0028】
好ましくは、非置換もしくは置換シクロアルキルRまたはRは、3ないし20個までの炭素原子を含み、とりわけ非置換または置換C−C−シクロアルキル(ここで、置換基は、例えば非置換もしくは置換低級アルキル、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオ、ハロゲンまたはヘテロ環式ラジカルから選択される。)である。
【0029】
一置換または二置換アミノは、例えば非置換もしくは置換低級アルキルからそれぞれ独立して選択される1個または2個のラジカルにより置換されるアミノである。
【0030】
二置換アミノRは、好ましくはN,N−ジ−低級アルキルアミノ、とりわけN,N−ジメチルアミノまたはN,N−ジエチルアミノである。
【0031】
ヘテロ環式ラジカルは、とりわけ20個までの炭素原子を含み、好ましくは4もしくは8個の環メンバーおよび好ましくは窒素、酸素および硫黄から選択される1ないし3個のヘテロ原子を有する飽和もしくは不飽和単環式ラジカル、または二環式もしくは三環式ラジカル(例えば、1個または2個の炭素環式ラジカル、例えばベンゼンラジカルが、記載の単環式ラジカルと環形成(annellated)(縮合)する。)である。ヘテロ環式ラジカルが縮合炭素環式ラジカルを含むとき、該ヘテロ環式ラジカルはまた、縮合炭素環式ラジカルの環原子を介して式(I)の他の分子に結合し得る。ヘテロ環式ラジカル(縮合炭素環式ラジカル(複数可)が存在するとき、それを含む)は、所望により、1個以上の、好ましくは1個または2個のラジカル、例えば非置換もしくは置換低級アルキル、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオまたはハロゲンにより置換されていてよい。
【0032】
最も好ましくは、ヘテロ環式ラジカルは、ピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、ジ−低級アルキル−ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、ピリジル、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されたピリジル、またはベンゾジオキソリル、とりわけピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、ジ−低級アルキル−ピペラジニルまたはモルホリニルである。
【0033】
ヘテロ環式ラジカルRまたはRは、上記のヘテロ環式ラジカルに記載の通りである(ただし、それは環炭素原子を介して式(I)の他の分子に結合する。)。好ましくは、ヘテロ環式ラジカルRまたはRは、低級アルキル−ピペラジニルであるか、またはとりわけ好ましくはテトラヒドロピラニルである。2個のラジカルRおよびRのうち一方が、ヘテロ環式ラジカルであるとき、他方は、好ましくは水素である。
【0034】
ヘテロ環式ラジカルRは、上記のヘテロ環式ラジカルに記載の通りである(ただし、それはXが存在しないとき、環炭素原子を介してQと結合する。)。好ましくは、ヘテロ環式ラジカルRは、ベンゾジオキソリル、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されたピリジルであるか、またはとりわけ好ましくは、ハロゲンおよび低級アルキルにより置換されたインドリルである。故に、Rがヒドロキシにより置換されたピリジルであるとき、ヒドロキシ基は、好ましくは環窒素原子に隣接する環炭素原子に結合する。
【0035】
ヘテロ環式ラジカルRは、ヘテロ環式ラジカルについて上記に定義の通りであり、好ましくはピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、モルホリニルまたはピリジルである。
【0036】
およびRが、それらが結合する窒素原子と一体となってヘテロ環式ラジカルを形成するとき、該ヘテロ環式ラジカルは、ヘテロ環式ラジカルについて上記に定義の通りであり、好ましくはピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、ジ−低級アルキル−ピペラジニルまたはモルホリニルを表す。
【0037】
非置換もしくは置換芳香族性ラジカルRは、20個までの炭素原子を有し、非置換または置換、例えばそれぞれの場合に非置換もしくは置換フェニルである。
【0038】
好ましくは、非置換芳香族性ラジカルRはフェニルである。置換芳香族性ラジカルRは、好ましくは非置換もしくは置換低級アルキル、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオおよびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択される1種以上の置換基により置換されたフェニルである。最も好ましくは、置換芳香族性ラジカルRは、低級アルキル、アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲンおよびベンジルオキシからなる群から選択される1個以上のラジカルにより置換されたフェニルである。
【0039】
ハロゲンは、主に、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、とりわけフルオロ、クロロまたはブロモである。
【0040】
−C−アルキレンは、分枝または非分枝鎖であってよく、特にC−C−アルキレンである。
【0041】
−C−アルキレンGは、好ましくはC−C−アルキレンであり、最も好ましくはメチレン(−CH−)である。
【0042】
GがC−C−アルキレンではないとき、それは、好ましくは−C(=O)−を表す。
【0043】
−C−アルキレンXは、好ましくはC−C−アルキレンであり、最も好ましくはメチレン(−CH−)またはエタン−1,1−ジイル(−CH(CH)−)である。
【0044】
Qは、好ましくは−NH−である。
Zは、好ましくは酸素または硫黄であり、最も好ましくは酸素である。
【0045】
塩は、とりわけ式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0046】
かかる塩は、例えば酸付加塩として、塩基性窒素原子を有する式(I)の化合物から、好ましくは有機酸または無機酸と形成され、とりわけ薬学的に許容される塩である。
【0047】
カルボキシまたはスルホのような負荷電ラジカルの存在において、塩はまた、塩基と形成されてよく、例えば金属もしくはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、またはアンモニアもしくは適当な有機アミン、例えば三級モノアミンとのアンモニウム塩である。
【0048】
同一分子内に塩基性基および酸性基の存在において、式(I)の化合物はまた、分子内塩を形成し得る。
【0049】
単離または精製目的で、薬学的に許容さない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩の使用も可能である。治療的使用のために、(適用可能であれば医薬製剤に包含されて)薬学的に許容される塩または遊離化合物のみを使用し、故にこれらが好ましい。
【0050】
遊離形の新規化合物と、例えば新規化合物の精製または同定における、中間体として使用できる塩を含む、これらの塩形の新規化合物との密接な関係を考慮して、上記および下記の遊離化合物への言及は、適当におよび好都合に、対応する塩へも言及するものとして理解されるべきである。
【0051】
好ましいのは、
およびRが、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはシクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル(式中、Rが、非置換、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yが、存在しないか、または低級アルキルであり、Zが、酸素または硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRが、両方とも水素ではない。)であるか、または
およびRが、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
が、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gが、C−C−アルキレンであり;
Qが、−NH−または−O−であり;そして
Xが、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRが、環炭素原子を介して結合する、
である式(I)の化合物またはその塩である。
【0052】
さらに好ましいのは、
およびRが、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはシクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル(式中、Rが、非置換、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yが、存在しないか、または低級アルキルであり、Zが、酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRが、両方とも水素ではない。)であるか、または
およびRが、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
が、ヘテロ環式ラジカル、または非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gが、C−C−アルキレンであり;
Qが、−NH−であり;そして
Xが、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRが、環炭素原子を介して結合する、
である式(I)の化合物またはその塩である。
【0053】
特に好ましいのは、
およびRが、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換低級アルキルもしくはC−C−シクロアルキル、環炭素原子により結合した、20個までの炭素原子を含むヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル(式中、Rが、非置換、一置換または二置換アミノ、または20個までの炭素原子を含むヘテロ環式ラジカルであり、Yが、存在しないか、または低級アルキルであり、Zが、酸素である。ただし、RおよびRが、両方とも水素ではない。)であるか、または
およびRが、それらが結合する窒素原子と一体となって、20個までの炭素原子を含むヘテロ環式ラジカルを形成し;
が、20個までの炭素原子を含むヘテロ環式ラジカル、または20個までの炭素原子を有する、非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gが、C−C−アルキレンであり;
Qが、−NH−であり;そして
Xが、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRが、環炭素原子を介して結合する、
である式(I)の化合物またはその塩である。
【0054】
さらに、特に好ましいのは、
およびRが、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、モルホリニル−低級アルキル、テトラヒドロピラニル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル(式中、Rが、ジ−低級アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、モルホリニルまたはピリジルであり、Yが、存在しないか、または低級アルキルであり、Zが酸素である。ただし、RおよびRが、両方とも水素ではない。)であるか、または
およびRが、それらが結合する窒素原子と一体となって、ピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、ジ−低級アルキル−ピペラジニルおよびモルホリニルからなる群から選択されるラジカルを形成し;
が、フェニル、ベンゾジオキソリル、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されたピリジル、ハロゲンおよび低級アルキルにより置換されたインドリル、または低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲンおよびベンジルオキシからなる群からそれぞれ独立して選択される1個以上のラジカルにより置換されたフェニルであり;
Gが、−CH−または−C(=O)−であり;
Qが、−NH−または−O−であり(ただしGが−C(=O)−であるとき、Qが−O−である。);そして
Xが、存在しないか、−CH−または−CH(CH)−である。ただし、Xが存在しないとき、置換ピリジルまたはインドリルRが、環炭素原子を介して結合する、
である式(I)の化合物またはその塩である。
【0055】
さらにまた、特に好ましいのは、
およびRが、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル(式中、Rが、ジ−低級アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、モルホリニルまたはピリジルであり、Yが、存在しないか、または低級アルキルであり、Zが酸素である。ただし、RおよびRが、両方とも水素ではない。)であるか、または
およびRが、それらが結合する窒素原子と一体となって、ピロリジニル、ピペリジル、低級アルキル−ピペラジニル、ジ−低級アルキル−ピペラジニルおよびモルホリニルからなる群から選択されるラジカルを形成し;
が、フェニル、ベンゾジオキソリル、ヒドロキシもしくは低級アルコキシにより置換されたピリジル、または低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲンおよびベンジルオキシからなる群からそれぞれ独立して選択される1個以上のラジカルにより置換されたフェニルであり;
Gが、−CH−であり;
Qが、−NH−であり;そして
Xが、存在しないか、−CH−または−CH(CH)−である。ただし、Xが存在しないとき、置換ピリジルRが、環炭素原子を介して結合する、
である式(I)の化合物またはその塩である。
【0056】
また、特に好ましいのはまた、C−C−アルキレンGが、3位または4位、最もとりわけ4位にて、フェニル環と結合する、式(I)の化合物である。
【0057】
さらに、非常に好ましいのは、下記の実施例に記載の式(I)の化合物、またはその塩、とりわけその薬学的に許容される塩である。
【0058】
II.薬学的活性剤
用語“薬学的活性剤”は、様々な作用機序を有する多くの薬学的活性剤を含む幅広いものである。これらのいくつかとErb−BおよびVEGF受容体阻害剤の組合せ剤は、癌治療における改善をもたらし得る。一般的に、薬学的活性剤は、作用機序に従って分類される。市販薬の多くは、様々な腫瘍の発生経路の代謝拮抗剤であるか、または腫瘍細胞のDNAと反応する。また、トポイソメラーゼIおよびトポイソメラーゼIIのような酵素を阻害する薬剤、または抗分裂剤(antimiotic agent)もある。
【0059】
用語“薬学的活性剤”は、とりわけErb−BおよびVEGF受容体阻害剤以外の何れかの薬学的活性剤を意味する。それらには、
i.アポトーシスタンパク質の阻害剤(IAP);
ii.ステロイド;
iii.アデノシンキナーゼ阻害剤;
iv.アジュバント;
v.副腎皮質アンタゴニスト;
vi.AKT経路阻害剤;
vii.アルキル化剤;
viii.血管形成阻害剤;
ix.抗アンドロゲン;
x.抗エストロゲン;
xi.抗高カルシウム血症剤;
xii.代謝拮抗剤;
xiii.アポトーシス誘導剤;
xiv.オーロラキナーゼ阻害剤;
xv.ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;
xvi.カルシニューリン阻害剤;
xvii.CaMキナーゼII阻害剤;
xviii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;
xix.CDC25ホスファターゼ阻害剤;
xx.CHKキナーゼ阻害剤;
xxi.ゲニステイン、オロモウシン(olomucine)および/またはチルホスチンを調節するための制御剤;
xxii.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;
xxiii.cRAFキナーゼ阻害剤;
xxiv.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;
xxv.システインプロテアーゼ阻害剤;
【0060】
xxvi.DNA挿入剤;
xxvii.DNA鎖破壊剤;
xxviii.E3リガーゼ阻害剤;
xxix.内分泌ホルモン;
xxx.上皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物;
xxxi.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xxxii.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;
xxxiii.Flk−1キナーゼ阻害剤;
xxxiv.グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK3)阻害剤;
xxxv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;
xxxvi.HSP90阻害剤;
xxxvii.I−κ B−α キナーゼ阻害剤(IKK);
xxxviii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;
xxxix.c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;
xl.微小管結合剤;
xli.マイトージェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;
xlii.MDM2阻害剤;
xliii.MEK阻害剤;
xliv.マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;
xlv.NGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlvi.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含む、p38 MAPキナーゼ阻害剤;
xlvii.p56チロシンキナーゼ阻害剤;
xlviii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlix.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;
l.ホスファターゼ阻害剤;
li.白金物質;
lii.PP1およびPP2阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤、ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤;
liii.PKC阻害剤およびPKCδキナーゼ阻害剤;
liv.ポリアミン合成阻害剤;
lv.プロテオソーム阻害剤;
lvi.PTP1B阻害剤;
lvii.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;および、JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含む、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;
lviii.レチノイド;
lix.RNAポリメラーゼII伸張阻害剤;
lx.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;
lxi.ステロール生合成阻害剤;
lxii.トポイソメラーゼ阻害剤;および
i.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤
が含まれるが、それらに限定されない。
【0061】
本明細書で用いる用語“アポトーシスタンパク質の阻害剤”は、Smacタンパク質のIAPへの結合を阻害する化合物に関する。“アポトーシスタンパク質の阻害剤”の例には、本発明の化合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、式(A):
【化2】


[式中、
は、H;C−C−アルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニルまたはC−C10−シクロアルキル(それらは、非置換か、または置換される。)であり;
は、H;C−C−アルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニルまたはC−C10−シクロアルキル(それらは、非置換か、または置換される。)であり;
は、H;−CF;−C;C−Cアルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニル;−CH−Zであるか、または
およびRは、窒素と一体となって、het環を形成し;
Zは、H;−OH;F;Cl;−CH;−CF;−CHCl;−CHFまたは−CHOHであり;
は、C−C16−直鎖もしくは分枝鎖アルキル;C−C16−アルケニル;C−C16−アルキニル;または、−C−C10−シクロアルキル;−(CH1−6−Z;−(CH0−6−アリールフェニル;および、−(CH0−6−het(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびフェニルは、非置換か、または置換される。)であり;
は、−N(R)−C(O)−C−C10−アルキル;−N(R)−C(O)−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−N(R)−C(O)−(CH0−6−フェニル;−N(R)−C(O)−(CH1−6−het;−C(O)−N(R)(R10);−C(O)−O−C−C10−アルキル;−C(O)−O−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−C(O)−O−(CH0−6−フェニル;−C(O)−O−(CH1−6−het;−O−C(O)−C−C10−アルキル;−O−C(O)−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−O−C(O)−(CH0−6−フェニル;−O−C(O)−(CH1−6−het(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびフェニルは、非置換か、または置換される。)であり;
hetは、N、OおよびSから選択される1−4個のヘテロ原子を含む5員ないし7員のヘテロ環式環、またはN、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む少なくとも1個の5員ないし7員のヘテロ環式環を含む8員ないし12員の縮合環系(該ヘテロ環式環または縮合環系は、非置換か、または炭素もしくは窒素原子において置換される。)であり;
は、H;−CH;−CF;−CHOHまたは−CHClであり;
およびR10は、それぞれ独立して、H;C−C−アルキル;C−C−シクロアルキル;−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−(CH0−6−フェニル(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびフェニルは、非置換か、または置換される。)であるか、または
およびR10は、窒素と一体となって、hetを形成し;
は、H;C−C10−アルキル;アリール;フェニル;C−C−シクロアルキル;−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−C−C10−アルキル−アリール;−(CH0−6−C−C−シクロアルキル−(CH0−6−フェニル;−(CH0−4CH−((CH1−4−フェニル);−(CH0−6−CH(フェニル);−インダニル;−C(O)−C−C10−アルキル;−C(O)−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−C(O)−(CH0−6−フェニル;−(CH0−6−C(O)−フェニル;−(CH0−6−het;−C(O)−(CH1−6−het(ここで、アルキル、シクロアルキル、フェニルおよびアリール置換基は、非置換か、または置換される。)であるか、または
は、アミノ酸残基であり;
【0062】
Uは、構造式(II):
【化3】


〔式中、
n=0−5であり;
Xは、−CHまたはNであり;
RaおよびRbは、独立して、O、SもしくはN原子であるか、またはC−C−アルキル(ここで、アルキル鎖の1種以上の炭素原子は、O、SまたはNから選択されるヘテロ原子により置換されていてよく、アルキルは、非置換または置換されていてよい。)であり;
Rdは、
(a)−Re−Q−(Rf)(Rg)
(b)Ar−D−Ar、または
(c)Ar−D−Ar
から選択され、
Rcは、Hであるか、または
RcおよびRdは、一体となって、シクロアルキルまたはhetを形成していてよく(ここで、RdおよびRcがシクロアルキルまたはhetを形成するとき、Rは、CまたはN原子において形成した環と結合する。);
pおよびqは、独立して、0または1であり;
Reは、C−C−アルキルまたはアルキリデンであり;
Reは、非置換または置換されていてよく;
Qは、N、O、S、S(O)またはS(O)であり;
ArおよびArは、置換または非置換アリールまたはhetであり;
RfおよびRgは、それぞれ独立して、存在しないか、またはH;−C−C10−アルキル;C−C10−アルキルアリール;−OH;−O−C−C10−アルキル;−(CH0−6−C−C−シクロアルキル;−O−(CH0−6−アリール;フェニル;アリール;フェニル−フェニル;−(CH1−6−het;−O−(CH1−6−het;−OR11;−C(O)−R11;−C(O)−N(R11)(R12);−N(R11)(R12);−S−R11;−S(O)−R11;−S(O)−R11;−S(O)−NR1112;−NR11−S(O)−R12;S−C−C10−アルキル;アリール−C−C−アルキル;het−C−C−アルキル(ここで、アルキル、シクロアルキル、hetおよびアリールは、非置換か、または置換される。);−SO−C−C−アルキル;−SO−C−C−アルキルフェニル;−O−C−C−アルキルであるか、または
RgおよびRfは、hetまたはアリールから選択される環を形成し;
Dは、−CO−;−C(O)−もしくはC−C−アルキレンもしくはアリーレン;−CF−;−O−;または、−S(O)nr(ここで、nrは0−2である。);1,3ジオキソラン(dioaxolane);または、C−C−アルキル−OH(ここで、アルキル、アルキレン、またはアリーレンは、非置換か、もしくはハロゲン、OH、−O−C−C−アルキル、−S−C−C−アルキルまたは−CFの1個以上で置換されていてよい。)であるか;または、Dは、−N(Rh)(ここで、Rhは、H;C−C−アルキル(非置換または置換);アリール;−O(C−C−シクロアルキル)(非置換または置換);C(O)−C−C10−アルキル;C(O)−C−C10−アルキル−アリール;C−O−C−C10−アルキル;C−O−C−C10−アルキル−アリール;SO−C−C10−アルキル;または、SO−(C−C10−アルキルアリール)であり;
【0063】
、R、R’およびR’は、それぞれ独立して、H;−C−C10−アルキル;−C−C10−アルコキシ;アリール−C−C10−アルコキシ;−OH;−O−C−C10−アルキル;−(CH0−6−C−C−シクロアルキル;−O−(CH0−6−アリール;フェニル;−(CH1−6−het;−O−(CH1−6−het;−OR11;−C(O)−R11;−C(O)−N(R11)(R12);−N(R11)(R12);−S−R11;−S(O)−R11;−S(O)−R11;−S(O)−NR1112;−NR11−S(O)−R12(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換か、または置換される。)であり;そして、R、R、R’およびR’は、一体となって、環系を形成していてよく;
11およびR12は、独立して、H;C−C10−アルキル;−(CH0−6−C−C−シクロアルキル;−(CH0−6−(CH)0−1(アリール)1−2;−C(O)−C−C10−アルキル;−C(O)−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−C(O)−O−(CH0−6−アリール;−C(O)−(CH0−6−O−フルオレニル;−C(O)−NH−(CH0−6−アリール;−C(O)−(CH0−6−アリール;−C(O)−(CH1−6−het;−C(S)−C−C10−アルキル;−C(S)−(CH1−6−C−C−シクロアルキル;−C(S)−O−(CH0−6−アリール;−C(S)−(CH0−6−O−フルオレニル;−C(S)−NH−(CH0−6−アリール;−C(S)−(CH0−6−アリール;−C(S)−(CH1−6−het(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換か、または置換される。)であるか、またはR11およびR12は、細胞膜を通過する分子の輸送を容易にする置換基であるか、または
11およびR12は、窒素原子と一体となって、hetを形成し(ここで、R11およびR12のアルキル置換基は、非置換か、またはC−C10−アルキル、ハロゲン、OH、−O−C−C−アルキル、−S−C−C−アルキルまたは−CFから選択される1個以上の置換基により置換されていてよく;
11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、C−C10−アルケン;C−C−アルキル;ハロゲン;OH;−O−C−C−アルキル;−S−C−C−アルキル、または−CFから選択される1個以上の置換基により置換され;そして
11およびR12の置換フェニルまたはアリールは、ハロゲン;ヒドロキシ;C−C−アルキル;C−C−アルコキシ;ニトロ;−CN;−O−C(O)−C−C−アルキル、および−C(O)−O−C−C−アリールから選択される1個以上の置換基により置換される。)である。〕
で示すとおりである。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0064】
“アリール”は、6−14個の炭素原子を有する芳香族性ラジカルであり、それは縮合または非縮合であってよく、非置換か、または1個以上、好ましくは1個もしくは2個の置換基により置換される(ここで該置換基は、下記の通りである。)。好ましい“アリール”は、フェニル、ナフチルまたはインダニルである。
【0065】
“Het”は、ヘテロアリールおよびヘテロ環式環類、ならびに芳香族性および非芳香族性ヘテロ環式環を含む縮合環を意味する。“Het”は、N、OおよびSから選択される1−4個のヘテロ原子を含む5員ないし7員のヘテロ環式環、またはN、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む、少なくとも1個の5員ないし7員のヘテロ環式環を含む8員ないし12員の縮合環系である。適当なhet置換基には、非置換または置換ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフラニル、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、1,3−ジアザパン、1,4−ジアザパン、1,4−オキサゼパン、1,4−オキサチアパン(oxathiapane)、フリル、チエニル、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、テトラゾリル、オキサジアゾール、チオフェン、イミダゾール、ピロリジン、ピロリドン、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、イソオキサゾリル、ピラジン、キノリン、イソキノリン、ピリドピラジン、ピロロピリジン、フロピリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフラン、ベンズインドール、ベンゾオキサゾール、ピロロキノリンなどが含まれる。該het置換基は、非置換か、または炭素原子上でハロゲン、とりわけフッ素または塩素、ヒドロキシ、C−C−アルキル、例えばメチルおよびエチル、C−Cアルコキシ、とりわけメトキシおよびエトキシ、ニトロ、−O−C(O)−C−C−アルキルまたは−C(O)−O−C−C−アルキルにより、または、窒素原子上でC−C−アルキル、とりわけメチルまたはエチル、−O−C(O)−C−C−アルキルまたは−C(O)−O−C−C−アルキル、例えばカルボメトキシまたはカルボエトキシにより置換される。
【0066】
2個の置換基が、通常結合する窒素と一体となってhetであるとき、生じるヘテロ環式環は、窒素含有環、例えばアジリジン、アゼチジン、アゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルフィリン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、イソオキサゾリルなどであると理解される。
【0067】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、とりわけフッ素および塩素である。
【0068】
他に特記されない限り、“アルキル”は、直鎖または分枝鎖アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよび分枝鎖ペンチル、n−ヘキシルおよび分枝鎖ヘキシルなどを含む。
【0069】
“シクロアルキル”基は、3個ないし8個の環炭素原子を有するC−C10−シクロアルキルを意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルであり得る。好ましくは、シクロアルキルは、シクロヘプチルである。シクロアルキル基は、非置換か、または下記に定義の置換基の何れか、好ましくはハロ、ヒドロキシまたはC−C−アルキル、例えばメチルで置換されていてよい。好ましい式(I)の化合物は、下記である:
・N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−アセトアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−プロピオンアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−プロピオンアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(8−オキソ−7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−カルボニル)−プロピル]−プロピオンアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−ブチルアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−ブチルアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(8−オキソ−7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−カルボニル)−プロピル]−ブチルアミド;
・N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・2−メチルアミノ−N−{2−メチル−1−[5−(3−メチル−ヘキサ−3,5−dienyl)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−カルボニル]−プロピル}−プロピオンアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(3−メチル−7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−プロピオンアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(3−メチル−7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−プロピオンアミド;
・N−[1−(4−ベンジルオキシ−7−オキソ−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(8−オキソ−7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
【0070】
・N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(8−オキソ−7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・2−メチルアミノ−N−[2−メチル−1−(8−オキソ−7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−カルボニル)−プロピル]−ブチルアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(R)−2−(3−ベンジル−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(3−ベンジル−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−2−メチルアミノ−N−((S)−2−メチル−1−{(S)−2−[3−(メチル−フェニル−アミノ)−フェニル]−ピロリジン−1−カルボニル}−プロピル)−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[3−(メチル−フェニル−アミノ)−フェニル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(R)−2−[3−(メチル−フェニル−アミノ)−フェニル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−[(R)−2−(3−フェノキシ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−[(S)−2−(3−フェノキシ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−[(R)−2−(3−フェニルスルファニル−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−[(S)−2−(3−フェニルスルファニル−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(R)−2−(3−ベンゼンスルホニル−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(2−ベンジル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
【0071】
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(2−ベンジル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(1−ベンジル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(1−ベンジル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[2−(ベンジルオキシイミノ−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−2−メチルアミノ−N−{(S)−2−メチル−1−[2−((S)−フェニルメタンスルホニルアミノ−メチル)−ピロリジン−1−カルボニル]−プロピル}−プロピオンアミド;
・(S)−2−メチルアミノ−N−{(S)−2−メチル−1−[2−((S)−フェニルメタンスルホニルアミノ−メチル)−ピロリジン−1−カルボニル]−プロピル}−ブチルアミド;
・N−(1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[(エチル−インダン−2−イル−アミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−((S)−メチルアミノ)−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−(2−{[(S)−インダン−2−イル−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{2−[((S)−シクロヘキシル−フェネチル−アミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−2−{2−[((S)−tert−ブチル−フェネチル−アミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{2−[((S)−フラン−2−イルメチル−フェネチル−アミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(2−{[(S)−フェネチル−(4−フェニル−ブチル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−(2−{[(S)−メチル−(4−フェニル−ブチル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・N−[(S)−1−(S)−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((R)−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)−エチル]−アセトアミド;
・(S)−N−[(S)−1−(S)−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((R)−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
【0072】
・(S)−2−メチルアミノ−N−[(S)−2−メチル−1−((R)−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−2,2−ジメチル−1−((R)−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−2−メチルアミノ−N−[(S)−2−メチル−1−((R)−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−ブチルアミド;
・(S)−N−[(S)−2,2−ジメチル−1−((3aR,7aS)−6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボニル)−プロピル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−{(3aR,7aS)−6−[2−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エチル]−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル}−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−{(3aR,7aS)−6−[2−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エチル]−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル}−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((3aR,6aR)−5−フェネチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((3aS,6aS)−5−フェネチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((3aS,6aS)−5−フェネチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((3aS,6aS)−6−オキソ−5−フェネチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・(S)−N−[(R)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((3aS,6aS)−6−オキソ−5−フェネチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・(S)−N−[(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((3aS,6aS)−6−オキソ−5−フェネチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(R)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((3aS,6aS)−6−オキソ−5−フェネチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−1−(R)−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((S)−7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−[(S)−1−(S)−シクロヘキシル−2−オキソ−2−((R)−8−オキソ−7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
【0073】
・N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・N−{1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(2−(3−フェノキシ−フェニル)ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(7−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]アゼピン−1−イル)−エチル]−2−メチルアミノプロピオンアミド;
・(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(2S,3R)−2−[(エチル−フェネチル−アミノ)−メチル]−3−メチル−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・N−{2−[2−(2−ベンジル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・N−{2−[2−ベンジルオキシイミノ(Benxyloxyimino)−メチル)−ピロリジン−1−イル}−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−[(S)−2−(3−フェノキシ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−[(S)−2−(3−フェニルスルファニル−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(2−ベンジル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(2−ベンジル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(1−ベンジル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;および
・(S)−N−{(S)−2−[(S)−2−(1−ベンジル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピロリジン−1−イル]−1−シクロヘキシル−2−オキソ−エチル}−2−メチルアミノ−ブチルアミド;
および、それらの薬学的に許容される塩。
【0074】
式(I)の範囲内の好ましい化合物は、式(III)
【化4】


のN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドである。
【0075】
本明細書で用いる用語“ステロイド”はプレドニゾンに関する。
【0076】
本明細書で用いる用語“アデノシンキナーゼ阻害剤”は、核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。アデノシンキナーゼ阻害剤の例には、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、5−ヨード−7−β−D−リボフラノシル−(9Cl)としても公知の、5−ヨードツベルシジンが含まれる。
【0077】
本明細書で用いる用語“アジュバント”は、5−FU−TS結合を増強する化合物、ならびにアルカリホスファターゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物を意味する。アジュバントの例には、ロイコボリンおよびレバミソールが含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
本明細書で用いる用語“副腎皮質アンタゴニスト”は、副腎皮質の活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物、ならびにコルチコステロイドの末梢代謝を変化し、17−ヒドロキシコルチコステロイドの減少をもたらす化合物に関する。副腎皮質アンタゴニストの例には、ミトタンが含まれるが、これに限定されない。
【0079】
本明細書で用いる用語“AKT経路阻害剤”は、細胞増殖を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。タンパク質キナーゼB(PKB)、セリン/スレオニンキナーゼとしても公知のAKTは、糖尿病に関係するいくつかのシグナル伝達経路において重要な酵素である。細胞におけるAKTの主な役割は、増殖因子により仲介される細胞生存を促進すること、およびアポトーシスによる細胞死を阻止することである。AKT経路阻害剤の標的には、Pi3K/AKTが含まれるが、これに限定されない。AKT経路阻害剤の例には、3H−ビス[1]ベンゾピラノ[3,4−b:6’,5’−e]ピラン−7(7aH)−オン、13,13a−ジヒドロ−9,10−ジメトキシ−3,3−ジメチル−、(7aS,13aS)−(9Cl)としても公知のデグエリン;ならびに、1,4,5,6,8−ペンタアザアセナフチレン−3−アミン、1,5−ジヒドロ−5−メチル−1−β−D−リボフラノシル−(9Cl)としても公知のトリシリビン(Trciribine)、が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本明細書で用いる用語“アルキル化剤”は、DNAのアルキル化を引き起こし、DNA分子の破壊ならびに二本鎖の架橋をもたらし、それによりDNA複製およびRNAの転写を阻害する、化合物に関する。アルキル化剤の例には、クロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン、ロムスチン、プロカルバジン、チオテパ、メルファラン、テモゾロミド(TEMODAR)、カルムスチン、イホスファミド、マイトマイシン、アルトレタミン、ブスルファン、塩酸メクロレタミン、ニトロソウレア(BCNUまたはGliadel)、ストレプトゾシン、およびエストラムスチンが含まれるが、これらに限定されない。シクロホスファミドは、例えば、商品名シクロスチンの下で、例えば市販される形態で投与され得る;そして、イホスファミドはHOLOXANとして投与され得る。
【0081】
本明細書で用いる用語“血管形成阻害剤”は、新しい血管形成を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。血管形成阻害剤の標的には、メチオニン アミノペプチダーゼ−2(MetAP−2)、マクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1アルファ)、CCL5、TGF−ベータ、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、およびトポイソメラーゼが含まれるが、これらに限定されない。血管形成阻害剤の間接的な標的には、p21、p53、CDK2、およびコラーゲン合成酵素が含まれるが、これらに限定されない。血管形成阻害剤の例には、2,4,6,8−デカテトラエン二酸、モノ(3R,4S,5S,6R)−5−メトキシ−4−[(2R,3R)−2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2.5]オクタ−6−イル]エステル、(2E,4E,6E,8E)−(9CI)として公知のフマギリン;1,4−ナフタレンジオン、5,8−ジヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンテニル]−(9CI)としても公知のシコニン;安息香酸、2−[[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]−(9Cl)としても公知のトラニラスト;ウルソール酸;スラミン;ならびに、サリドマイドが含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
本明細書で用いる用語“抗アンドロゲン”は、正常および悪性前立腺組織の増殖を刺激する副腎および精巣由来のアンドロゲンの作用を阻害する化合物に関する。抗アンドロゲンの例には、ニルタミド;例えば、米国特許第4,636,505号に記載の通り剤形され得るビカルタミド(CASODEX)が含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
本明細書で用いる用語“抗エストロゲン”は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの効果をアンタゴナイズする化合物に関する。抗エストロゲンの例には、トレミフェン;レトロゾール;テストラクトン;アナストロゾール;ビカルタミド;フルタミド;クエン酸タモキシフェン;エキセメスタン;フルベストラント(Fulestrant);タモキシフェン;フルベストラント;ラロキシフェンおよび塩酸ラロキシフェンが含まれるが、これらに限定されない。タモキシフェンは、例えばNOLVADEXとして市販される形態で;そして、塩酸ラロキシフェンは、EVISTAとして市販される形態で投与され得る。フルベストラントは、米国特許第4,659,516号に記載の通りに剤形され得て、FASLODEXとして市販される。抗エストロゲンである薬学的活性剤を含む本発明の組合せ剤は、特に、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば乳癌の処置に有用である。
【0084】
本明細書で用いる用語“抗高カルシウム血症剤”は、高カルシウム血症の処置に用いられる化合物を意味する。抗高カルシウム血症剤の例には、硝酸ガリウム(III)水和物;および、パミドロン酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
本明細書で用いる用語“代謝拮抗剤”は、DNAの合成を阻止または中断して、細胞死をもたらす化合物に関する。代謝拮抗剤の例には、6−メルカプトプリン;シタラビン;フルダラビン;フロクスウリジン(Flexuridine);フルオロウラシル;カペシタビン;ラルチトレキセド;メトトレキサート;クラドリビン;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;チオグアニン;ヒドロキシウレア;DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン;エダトレキサート;ならびに、限定されることなく、ペメトレキセドのような葉酸アンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。カペシタビンは、例えば、商品名XELODAの下で、例えば市販される形態で;そして、ゲムシタビンはGEMZARとして、投与され得る。
【0086】
本明細書で用いる用語“アポトーシス誘導剤”は、細胞における、その死を導く正常な一連の事象を誘導する化合物に関する。本発明のアポトーシス誘導剤は、哺乳動物のX染色体連鎖アポトーシス阻害タンパク質であるXIAPを選択的に誘導し得る。本発明のアポトーシス誘導剤は、BCL−xLを下方制御し得る。アポトーシス誘導剤の例には、エタノール、2−[[3−(2,3−ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ]−(9Cl);ガンボグ酸;2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン、2,5−ジヒドロキシ−3−ウンデシル−(9CI)としても公知のエンベリン;および、三酸化ヒ素が含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
本明細書で用いる用語“オーロラキナーゼ阻害剤”は、有糸分裂チェックポイントから後期分裂までのG2/Mチェックポイントから細胞周期の後期を標的とし、低下させる、または阻止する化合物に関する。オーロラキナーゼ阻害剤の例には、メタニミダミド、N’−[1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−5−イル]−N,N−ジメチル−(9CI)としても公知のBinucleine2が含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
本明細書で用いる用語“ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤(BTK阻害剤)”は、ヒトおよびマウスB細胞発生を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。BTK阻害剤の例には、テレイック酸が含まれるが、これに限定されない。
【0089】
本明細書で用いる用語“カルシニューリン阻害剤”は、T細胞活性化経路を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。カルシニューリン阻害剤の標的には、タンパク質ホスファターゼ2Bが含まれる。カルシニューリン阻害剤の例には、シクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチル−、シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(9Cl)としても公知のシペルメトリン;シクロプロパンカルボキシル酸、3−(2,2−ジブロモエテニル)−2,2−ジメチル−(S)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル、(1R,3R)−(9Cl)としても公知のデルタメトリン;ベンゼン酢酸、4−クロロ−α−(1−メチルエチル)−、シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(9Cl)としても公知のフェンバレレート;および、チルホスチン8が含まれるが、これらに限定されない。
【0090】
本明細書で用いる用語“CaMキナーゼII阻害剤”は、CaMキナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。CaMキナーゼは、ホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、およびCaMキナーゼI−IVを含む構造的に関係する酵素のファミリーを構成する。よく研究されている多機能酵素の一つであるCaMキナーゼIIは、神経シナプスにて高濃度で見出され、脳内のある領域において、全タンパク質含量の2%までを構成し得る。CaMキナーゼIIの活性化は、脊椎動物の神経系において記憶および学習プロセスに関係している。CaMキナーゼII阻害剤の標的には、CaMキナーゼIIが含まれる。CaMキナーゼII阻害剤の例には、5−イソキノリンスルホン酸、4−[(2S)−2−[(5−イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]−3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル(9CI);および、ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0091】
本明細書で用いる用語“CD45チロシンホスファターゼ阻害剤”は、様々な炎症性および免疫性障害の処置に役立つ、Srcファミリータンパク質−チロシンキナーゼ上のpTyr残基の脱リン酸化制御を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。CD45チロシンホスファターゼ阻害剤の例には、ホスホン酸、[[2−(4−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
本明細書で用いる用語“CDC25ホスファターゼ阻害剤”は、腫瘍において、過剰発現した脱リン酸化サイクリン依存性キナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。CDC25ホスファターゼ阻害剤の例には、1,4−ナフタレンジオン、2,3−ビス[(2−ヒドロキシエチル)チオ]−(9Cl)が含まれる。
【0093】
本明細書で用いる用語“CHKキナーゼ阻害剤”は、抗アポトーシスタンパク質Bcl−2の過剰発現を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。CHKキナーゼ阻害剤の標的は、CHK1および/またはCHK2である。CHKキナーゼ阻害剤の例には、デブロモヒメニアルジシンが含まれるが、これに限定されない。
【0094】
“ゲニステイン、オロモウシンおよび/またはチルホスチンを調節するための制御剤”の例には、4H−1−ベンゾピラン−4−オン、7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−(9Cl)としても公知のダイゼイン;イソ−オロモウシン、およびチルホスチン1が含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
本明細書で用いる用語“シクロオキシゲナーゼ阻害剤”は、例えば、Cox−2阻害剤を含むが、これに限定されない。本明細書で用いる用語“COX−2阻害剤”は、酵素cox−2(シクロオキシゲナーゼ−2)を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。COX−2阻害剤の例には、1H−インドール−3−アセトアミド、1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−N−(2−フェニルエチル)−(9Cl);5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブ;または、5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブ;ならびに、セレコキシブが含まれるが、これらに限定されない。
【0096】
本明細書で用いる用語“cRAFキナーゼ阻害剤”は、TNFにより誘導されるE−セレクチンおよび血管接着分子−1の上方制御を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。Rafキナーゼは、細胞分化、増殖、およびアポトーシスにおいて、細胞外シグナル調節キナーゼとして重要な役割を果たす。cRAFキナーゼ阻害剤の標的には、RAF1が含まれるが、これに限定されない。cRAFキナーゼ阻害剤の例には、3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドール−2−オン;および、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
本明細書で用いる用語“サイクリン依存性キナーゼ阻害剤”は、哺乳動物の細胞周期の調節において役割を果たすサイクリン依存性キナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。細胞周期進行は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdk)およびサイクリンの活性化および続く不活性化を含む一連の事象により制御される。Cdkは、その調節サブユニットであるサイクリンに結合することにより活性なヘテロ二量体複合体を形成する、セリン/スレオニンキナーゼ群である。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の標的の例には、CDK、AHR、CDK1、CDK2、CDK5、CDK4/6、GSK3ベータ、およびERKが含まれるが、これらに限定されない。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の例には、N9−イソプロピル−オロモウシン;オロモウシン;安息香酸、2−クロロ−4−[[2−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−6−イル]アミノ]−(9CI)としても公知のプルバラノールB;ロスコビチン(Roascovitine);2H−インドール−2−オン、3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−(9CI)としても公知のインディルビン;インドロ[3,2−d][1]ベンズアゼピン−6(5H)−オン、9−ブロモ−7,12−ジヒドロ−(9CI)としても公知のケンパウロン;1−ブタノール、2−[[6−[(3−クロロフェニル)アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−3−メチル−、(2R)−(9CI)としても公知のプルバラノールA;および、インディルビン−3’−モノオキシムが含まれるが、これらに限定されない。
【0098】
本明細書で用いる用語“システインプロテアーゼ阻害剤”は、哺乳動物の細胞ターンオーバーおよびアポトーシスにおいて重要な役割を果たすシステインプロテアーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。システインプロテアーゼ阻害剤の例には、4−モルホリンカルボキサミド、N−[(1S)−3−フルオロ−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)プロピル]アミノ]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0099】
本明細書で用いる用語“DNA挿入剤”は、DNAに結合し、DNA、RNA、およびタンパク質合成を阻害する化合物に関する。DNA挿入剤の例には、プリカマイシンおよびダクチノマイシンが含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
本明細書で用いる用語“DNA鎖破壊剤”は、DNA鎖切断を引き起こし、DNA合成の阻害、RNAおよびタンパク質合成の阻害をもたらす化合物に関する。DNA鎖破壊剤の例には、ブレオマイシンが含まれるが、これに限定されない。
【0101】
本明細書で用いる用語“E3リガーゼ阻害剤”は、ユビキチン鎖のタンパク質への移入(それにより、プロテオソームにおいて該タンパク質を分解する)を阻害するE3リガーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。E3リガーゼ阻害剤の例には、N−((3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミドが含まれるが、これに限定されない。
【0102】
本明細書で用いる用語“内分泌ホルモン”は、男性(オス)におけるホルモンの抑制を引き起こす下垂体腺に主に作用する化合物に関する(正味の効果は、去勢レベルにテストステロンを低下させる。)。女性(メス)において、卵巣エストロゲンおよびアンドロゲン合成の両方を阻害する。内分泌ホルモンの例には、リュープロリドおよび酢酸メゲストロールが含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書で用いる用語“上皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物”は、受容体チロシンキナーゼの上皮細胞増殖因子ファミリー(EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4のホモまたはヘテロ二量体)の活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関し、例えば、上皮細胞増殖因子受容体ファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物は、とりわけEGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害するか、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特に、一般的かつ具体的にWO97/02266に開示される化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えばEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、米国特許番号第5,747,498号、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983の化合物、およびとりわけWO96/30347の、例えばCP358774として公知の化合物、WO96/33980の、例えば化合物ZD1839;ならびに、WO95/03283の、例えば化合物ZM105180、例えばトラスツマブ(HERCEPTIN(登録商標))、セツキシマブ、イレッサ、OSI−774、CI1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、およびWO03/013541に開示される7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体、エルロチニブならびにゲフィチニブである。エルロチニブは、例えばTARCEVAとして市販される形態で、ゲフィチニブはIRESSAとして市販される形態で投与され得る(ABX−EGFRを含む上皮細胞増殖因子受容体に対するヒトモノクローナル抗体である。)。EGFRキナーゼ阻害剤の標的には、グアニル酸シクラーゼ(GC−C)およびHER2が含まれるが、これらに限定されない。EGFRキナーゼ阻害剤の他の例には、チルホスチン23、チルホスチン25、チルホスチン47、チルホスチン51およびチルホスチンAG825が含まれるが、これらに限定されない。EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的には、EGFR、タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)およびチューブリンが含まれる。EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の他の例には、2−プロパンアミド、2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N−フェニル−、(2E)−(9Cl);チルホスチンAg1478;ラベンダスティンA;および、3−ピリジンアセトニトリル、α−[(3,5−ジクロロフェニル)メチレン]−、(αZ)−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤には、チルホスチン46が含まれるが、これに限定されない。
【0104】
本明細書で用いる用語“ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤”は、癌において通常異常に活性なRasタンパク質を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤の標的には、RASが含まれるが、これに限定されない。ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤の例には、α−ヒドロキシファルネシルホスホン酸;ブタン酸、2−[[(2S)−2−[[(2S,3S)−2−[[(2R)−2−アミノ−3−メルカプトプロピル]アミノ]−3−メチルペンチル]オキシ]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−4−(メチルスルホニル)−、1−メチルエチルエステル、(2S)−(9Cl);および、マニュマイシンAが含まれるが、これらに限定されない。
【0105】
本明細書で用いる用語“Flk−1キナーゼ阻害剤”は、Flk−1チロシンキナーゼ活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。Flk−1キナーゼ阻害剤の標的には、KDRが含まれるが、これに限定されない。Flk−1キナーゼ阻害剤の例には、2−プロパンアミド、2−シアノ−3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−N−(3−フェニルプロピル)−、(2E)−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
本明細書で用いる用語“グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK3)阻害剤”は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK3)を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。高度に保存された、ユビキタスに発現するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼであるグリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK−3;タウタンパク質キナーゼI)は、多数の細胞過程のシグナル伝達カスケードに関係し、それは、タンパク質合成、細胞増殖、細胞分化、微小管重合/脱重合、およびアポトーシスを含む様々な一連の細胞機能の調節に関係することが示されているタンパク質キナーゼである。GSK3阻害剤の例には、インディルビン−3’−モノオキシムが含まれるが、これに限定されない。
【0107】
本明細書で用いる用語“HDAC阻害剤”は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖活性を有する化合物に関する。これには、WO02/22577に開示の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロパンアミド、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロパンアミド、およびそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。それにはさらに、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA);[4−(2−アミノ−フェニルカルバモイル)−ベンジル]−カルバミン酸ピリジン−3−イルメチルエステルおよびその誘導体;酪酸、ピロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド;デプデシンおよびトラポキシンが含まれる。他の例には、デプデシン;シクロ[L−アラニル−D−アラニル−(αS,2S)−α−アミノ−α−オキソオキシランオクタノイル−D−プロリル](9CI)としても公知の、HCトキシン;フェニル酪酸ナトリウム、スベロイルビス−ヒドロキサム酸;および、トリコスタチンAが含まれる。
【0108】
本明細書で用いる用語“HSP90阻害剤”は、HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物;ユビキチンプロテオソーム経路によりHSP90クライアントタンパク質を分解する、標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。HSP90阻害剤の可能性のある間接的標的には、FLT3、BCR−ABL、CHK1、CYP3A5*3および/またはNQ01*2が含まれる。HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物は、とりわけ、HSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば17−アリルアミノ、17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラディシコールおよびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の他の例には、ゲルダナマイシン,17−デメトキシ−17−(2−プロペニルアミノ)−(9Cl);および、ゲルダナマイシンが含まれる。
【0109】
本明細書で用いる用語“I−κ B−α キナーゼ阻害剤(IKK)”は、NF−カッパBを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。IKK阻害剤の例には、2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−、(2E)−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
本明細書で用いる用語“インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤”は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、微小管結合タンパク質、およびS6キナーゼの活性を調節する化合物に関する。インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤の例には、ヒドロキシル−2−ナフタレニルメチルホスホン酸が含まれるが、これに限定されない。
【0111】
本明細書で用いる用語“c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤”は、Jun N末端キナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。セリンを標的としタンパク質キナーゼであるJun N末端キナーゼ(JNK)は、c−JunおよびATF2のリン酸化および活性化に関与し、代謝、増殖、細胞分化、およびアポトーシスにおいて重要な役割を果たす。JNKキナーゼ阻害剤の標的には、DNMTが含まれるが、これに限定されない。JNKキナーゼ阻害剤の例には、ピラゾランスロンおよび/またはエピガロカテキン没食子酸塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0112】
本明細書で用いる用語“微小管結合剤”は、分裂期および間期細胞機能に必須の微小管ネットワークを破壊することにより作用する化合物に関する。微小管結合剤の例には、硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;ビノレルビン;ドセタキセル;パクリタキセル;ビノレルビン;ディスコデルモライド;コルヒチン(cochicine)、ならびにエポチロンおよびその誘導体、例えばエポチロンBまたはその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。パクリタキセルは、タキソールとして;ドセタキセルは、タキソテールとして;硫酸ビンブラスチンは、VINBLASTIN R.Pとして;そして、硫酸ビンクリスチンは、FARMISTINとして市販される。また、パクリタキセルの一般的形態ならびにパクリタキセルの種々の投与量形態が含まれる。パクリタキセルの一般的形態には、塩酸ベタキソロールが含まれるが、それに限定されない。パクリタキセルの種々の投与量形態には、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセルであるABRAXANE;ONXOL;CYTOTAXとして市販される。ディスコデルモライドを、例えば、米国特許番号第5,010,099号に開示の通りに得ることができる。また、米国特許番号第6,194,181号、WO98/10121、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247に記載される、エポチロン誘導体が包含される。とりわけ好ましいのは、エポチロンAおよび/またはBである。
【0113】
本明細書で用いる用語“マイトージェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤”は、マイトージェン−活性化タンパク質を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。MAPキナーゼは、様々な細胞外刺激に応答して活性化され、細胞表面から核へのシグナル伝達を仲介するタンパク質セリン/スレオニンキナーゼ群である。それらは、炎症、アポトーシスによる細胞死、発癌性形質転換、腫瘍細胞侵襲、および転移を含む、いくつかの生理的および病理学的細胞現象を制御する。MAPキナーゼ阻害剤の例には、ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
本明細書で用いる用語“MDM2阻害剤”は、MDM2とp53腫瘍抑制因子の相互作用を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。MDM2阻害剤の例には、trans−4−ヨード、4’−ボラニル−カルコンが含まれるが、これらに限定されない。
【0115】
本明細書で用いる用語“MEK阻害剤”は、MAPキナーゼであるMEKのキナーゼ活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。MEK阻害剤の標的には、ERKが含まれるが、これに限定されない。MEK阻害剤の間接的標的には、サイクリンD1が含まれるが、これに限定されない。MEK阻害剤の例には、ブタンジニトリル、ビス[アミノ[2−アミノフェニル)チオ]メチレン]−(9Cl)が含まれるが、これに限定されない。
【0116】
本明細書で用いる用語“MMP阻害剤”は、腫瘍の周りの組織構造の喪失を促進し、腫瘍増殖、血管形成、および転移を促進することを伴う、酵素MMP−2およびMMP−9を含むポリペプチド結合の加水分解を選択的に触媒するプロテアーゼ酵素のクラスを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。MMP阻害剤の標的には、ポリペプチドデホルミラーゼが含まれるが、これに限定されない。MMP阻害剤の例には、ブタンジアミド、N4−ヒドロキシ−N1−[(1S)−1−[[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−メチルプロピル]−2−ペンチル−、(2R)−(9CI)としても公知のアクチノニン;エピガロカテキン没食子酸塩;コラーゲンペプチド模倣体および非ペプチド模倣体阻害剤;テトラサイクリン誘導体、例えば、ヒドロキサメート・ペプチド模倣体阻害剤であるバチマスタット;および、その経口利用可能な類似体であるマリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、ネオバスタット、タノマスタット、TAA211、MMI270BまたはAAJ996が含まれるが、これらに限定されない。
【0117】
本明細書で用いる用語“NGFRチロシンキナーゼ阻害剤”は、神経増殖因子依存性p140c−trkチロシンリン酸化を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。NGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的には、HER2、FLK1、FAK、TrkA、および/またはTrkCが含まれるが、これらに限定されない。間接的標的は、RAF1の発現を阻害する。NGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例には、チルホスチンAG879が含まれるが、これに限定されない。
【0118】
本明細書で用いる用語“p38MAPキナーゼ阻害剤”は、MAPKファミリーメンバーであるp38−MAPKを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。MAPKファミリーメンバーは、チロシンおよびスレオニン残基のリン酸化により活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである。このキナーゼは、アポトーシスおよび炎症性反応のような重要な細胞応答の調節に関与すると考えられる、多くの細胞ストレスおよび炎症性刺激によりリン酸化および活性化される。p38MAPキナーゼ阻害剤の例には、フェノール、4−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。SAPK2/p38キナーゼ阻害剤の例には、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書で用いる用語“p56チロシンキナーゼ阻害剤”は、T細胞増殖および活性化に重要なリンパ系特異的srcファミリーチロシンキナーゼである酵素であるp56チロシンキナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。p56チロシンキナーゼ阻害剤の標的には、Lckが含まれるが、これに限定されない。Lckは、CD4、CD8の細胞質内ドメイン、およびIL−2受容体のベータ鎖と結合し、TCRにより仲介されるT細胞活性化の初期段階に関与すると考えられる。p56チロシンキナーゼ阻害剤の例には、2−アントラセンカルボキシアルデヒド、9,10−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1 メトキシ−9,10−ジオキソ−(9Cl)としても公知のダムナカントール、および/またはチルホスチン46が含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
本明細書で用いる用語“PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤”は、C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物であって、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物、とりわけc−Kit受容体を阻害する化合物に関する。PDGFは、正常細胞における細胞増殖、走化性、および生存の調節に、ならびに癌、アテローム性動脈硬化症、および線維症のような様々な疾患状態において中心的役割を果たす。PDGFファミリーは、二量体イソ型(PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CC、およびPDGF−DD)からなり、それらは、2個の受容体チロシンキナーゼとそれぞれ結合して細胞効果を発揮する。PDGFR−αおよびPDGFR−βは、それぞれ170および180kDaの分子量を有する。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例には、PDGFR、FLT3および/またはc−KITが含まれるが、これらに限定されない。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例には、チルホスチンAG1296;チルホスチン9;1,3−ブタジエン−1,1,3−トリカルボニトリル、2−アミノ−4−(1H−インドール−5−イル)−(9Cl);イマチニブおよびIRESSAが含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
本明細書で用いる用語“ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤”は、PI3−キナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。PI3−キナーゼ活性は、インスリン、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、上皮細胞増殖因子、コロニー刺激因子、および肝細胞増殖因子を含む多数のホルモン刺激および増殖因子刺激に応答して増大することが示され、細胞増殖および形質転換に関係するプロセスに関与する。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の標的の例には、Pi3Kが含まれるが、これに限定されない。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の例には、3H−フロ[4,3,2−デ]インデノ[4,5−h]−2−ベンゾピラン−3,6,9−トリオン、11−(アセチルオキシ)−1,6b,7,8,9a,10,11,11b−オクタヒドロ−1−(メトキシメチル)−9a,11b−ジメチル−、(1S,6bR,9aS,11R,11bR)−(9CI)としても公知のワートマニン;8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オン;および/または、ケルセチン二水和物が含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
本明細書で用いる用語“ホスファターゼ阻害剤”は、ホスファターゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。ホスファターゼは、ホスホリル基を除去し、タンパク質をその元の脱リン酸化状態に戻す。故に、リン酸化−脱リン酸化サイクルは、分子の“オン−オフ”スイッチと見なされ得る。ホスファターゼ阻害剤の例には、カンタリド酸;カンタリジン;および、L−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−、(E)−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0123】
本明細書で用いる用語“白金物質”は、白金を含み、DNA分子の鎖間架橋形成によってDNA合成を阻止する化合物に関する。白金物質の例には、カルボプラチン;シスプラチン;オキサリプラチン;シスプラスチン;サトラプラチン、およびZD0473のような白金物質が含まれるが、これらに限定されない。カルボプラチンは、例えばCARBOPLATの、例えば市販される形態で;および、オキサリプラチンはELOXATINとして、投与され得る。
【0124】
本明細書で用いる用語“タンパク質ホスファターゼ阻害剤”は、タンパク質ホスファターゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。本明細書で用いる用語“PP1またはPP2阻害剤”は、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。PP1を含むタイプIホスファターゼを、インヒビター−1(I−1)およびインヒビター−2(I−2)として公知の2種の熱安定性タンパク質により阻害することができる。それらは、ホスホリラーゼキナーゼの□−サブユニットを優先的に脱リン酸化する。タイプIIホスファターゼは、ホスファターゼの自発的に活性なクラス(PP2A)、CA2+依存性クラス(PP2B)、およびMg2+依存性クラス(PP2C)に分類される。PP1およびPP2A阻害剤の例には、カンタリド酸、および/またはカンタリジンが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で用いる用語“チロシンホスファターゼ阻害剤”は、チロシンホスファターゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は、比較的最近、ホスファターゼファミリーに加えられる。それらは、タンパク質のリン酸化チロシン残基からリン酸基を除去する。PTPは、異なる構造的特徴を示し、細胞増殖、分化、細胞接着および運動性、および細胞骨格機能の制御に重要な役割を果たす。チロシンホスファターゼ阻害剤の標的の例には、アルカリホスファターゼ(ALP)、ヘパラナーゼ、PTPase、および/または前立腺酸性ホスファターゼが含まれるが、これらに限定されない。チロシンホスファターゼ阻害剤の例には、シュウ酸L−P−ブロモテトラミゾール;2(5H)−フラノン、4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−(1−オキソヘキサデシル)−、(5R)−(9Cl);および、ベンジルホスホン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0125】
本明細書で用いる用語“PKC阻害剤”は、プロテインキナーゼCならびにそのイソ酵素を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。ユビキタスに存在するリン脂質依存性酵素であるPKCは、細胞増殖、分化、およびアポトーシスに関係するシグナル伝達に関与する。PKC阻害剤の標的の例には、MAPKおよび/またはNF−カッパBが含まれるが、これらに限定されない。PKC阻害剤の例には、1−H−ピロロ−2,5−ジオン、3−[1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル]−4−(1H−インドール−3−イル)−(9Cl);ビスインドリルマレイミドIX;4−オクタデセン−1,3−ジオール、2−アミノ−、(2S,3R,4E)−(9CI)としても公知のスフィンゴシン;9,13−エポキシ−1H,9H−ジインドロ[1,2,3−gh:3’,2’,1’−lm]ピロロ[3,4−j][1,7]ベンゾジアゾニン−1−オン、2,3,10,11,12,13−ヘキサヒドロ−10−メトキシ−9−メチル−11−(メチルアミノ)−、(9S,10R,11R,13R)−(9CI)としても公知のスタウロスポリン;チルホスチン51;および、フェナントロ[1,10,9,8−opqra]ペリレン−7,14−ジオン、1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチル−、立体異性体(6CI,7CI,8CI,9CI)としても公知のヒペリシンが含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
本明細書で用いる用語“PKCδキナーゼ阻害剤”は、PKCのδイソ酵素を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。該δイソ酵素は、従来のPKCイソ酵素であり、Ca2+依存性である。PKCδキナーゼ阻害剤の例には、2−プロペン−1−オン、1−[6−[(3−アセチル−2,4,6−トリヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−5,7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−8−イル]−3−フェニル−、(2E)−(9CI)としても公知のロッテルリンが含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
本明細書で用いる用語“ポリアミン合成阻害剤”は、ポリアミンであるスペルミジンを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。該ポリアミンであるスペルミジンおよびスペルミンは、細胞増殖に極めて重要であるが、それらの正確な作用機序は不明確である。腫瘍細胞は、生合成酵素の増加した活性および高度のポリアミンプールに反映される変化したポリアミン恒常性を有する。ポリアミン合成阻害剤の例には、(−)−2−ジフルオロメチルオルニチンとしても公知のDMFO;N1,N12−ジエチルスペルミン4HClが含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
本明細書で用いる用語“プロテオソーム阻害剤”は、プロテオソームを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。プロテオソーム阻害剤の標的の例には、O(2)(−)−生成NADPHオキシダーゼ、NF−カッパB、および/またはファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼIが含まれるが、これらに限定されない。プロテオソーム阻害剤の例には、アクラシノマイシンA;グリオトキシン;PS−341;MLN341;ボルテゾミブ;または、ベルケイドが含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
本明細書で用いる用語“PTP1B阻害剤”は、PTP1B、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤を標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。PTP1B阻害剤の例には、L−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−、(E)−(9Cl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0130】
本明細書で用いる用語“タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤”は、PTKを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。PTKは、細胞増殖、分化、代謝、移動、および生存の制御に重要な役割を果たす。それらは、受容体型PTKおよび非受容体型PTKとして分類される。受容体型PTKは、膜貫通領域を有する単一のポリペプチド鎖を含む。この領域の細胞外末端は、高親和性のリガンド結合ドメインを含み、該細胞内末端は、触媒コアおよび調節配列を含む。チロシンキナーゼ阻害剤の標的の例には、ERK1、ERK2、ブルトンのチロシンキナーゼ(Btk)、JAK2、ERK1/2、PDGFR、および/またはFLT3が含まれるが、これらに限定されない。間接的標的の例には、TNFα、NO、PGE2、IRAK、iNOS、ICAM−1、および/またはE−セレクチンが含まれるが、これらに限定されない。チロシンキナーゼ阻害剤の例には、チルホスチンAG126;チルホスチンAg1288;チルホスチンAg1295;ゲルダナマイシン;および、ゲニステインが含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
非受容体型チロシンキナーゼには、Src、Tec、JAK、Fes、Abl、FAK、Csk、およびSykファミリーのメンバーが含まれる。それらは、細胞質ならびに核内に位置する。それらは、異なるキナーゼ制御、基質のリン酸化、および機能を示す。これらのキナーゼの脱制御はまた、いくつかのヒト疾患に関係する。
【0132】
本明細書で用いる用語“SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤”は、SRCを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤の例には、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−(1−ナフタレニル)−(9CI)としても公知のPP1;および、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、3−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−(9CI)としても公知のPP2が含まれるが、これらに限定されない。
【0133】
本明細書で用いる用語“Sykチロシンキナーゼ阻害剤”は、Sykを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例には、Syk、STAT3、および/またはSTAT5が含まれるが、これらに限定されない。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の例には、1,2−ベンゼンジオール、4−[(1E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エテニル]−(9CI)としても公知のピシアタンノールが含まれるが、これに限定されない。
【0134】
本明細書で用いる用語“Janus(JAK−2および/またはJAK−3)チロシンキナーゼ阻害剤”は、Janusチロシンキナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物に関する。Janusチロシンキナーゼ阻害剤は、抗血栓性、抗アレルギー性および免疫抑制特性を有する抗白血病薬を示す。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の標的には、JAK2、JAK3、STAT3が含まれるが、これらに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の間接的標的には、CDK2が含まれるが、これに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の例には、チルホスチンAG490;および、2−ナフチルビニルケトンが含まれるが、これらに限定されない。
【0135】
本明細書で用いる用語“レチノイド”は、レチノイド依存性受容体を標的とし、低下させる、または阻害する化合物を意味する。例には、イソトレチノインおよびトレチノインが含まれるが、これらに限定されない。
【0136】
本明細書で用いる用語“RNAポリメラーゼII伸張阻害剤”は、CHO細胞においてインスリンにより刺激される核および細胞質p70S6キナーゼを標的とし、低下させる、または阻害する化合物;カゼインキナーゼIIに依存し得る、RNAポリメラーゼII転写を標的とし、低下させる、または阻害する化合物;ならびに、ウシ卵母細胞において胚胞破壊を標的とし、減少する、または阻害する化合物に関する。RNAポリメラーゼII伸張阻害剤の例には、5,6−ジクロロ−1−ベータ−D−リボフラノシルベンゾイミダゾールが含まれるが、これに限定されない。
【0137】
本明細書で用いる用語“セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤”は、セリン/スレオニンキナーゼを阻害する化合物に関する。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の標的の例には、dsRNA依存性プロテインキナーゼ(PKR)が含まれるが、これに限定されない。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の間接的標的の例には、MCP−1、NF−カッパB、elF2α、COX2、RANTES、IL8、CYP2A5、IGF−1、CYP2B1、CYP2B2、CYP2H1、ALAS−1、HIF−1、エリスロポエチン、および/またはCYP1A1が含まれるが、これらに限定されない。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の例には、1H−プリン−2−アミン(9Cl)としても公知の2−アミノプリンが含まれるが、これに限定されない。
【0138】
本明細書で用いる用語“ステロール生合成阻害剤”は、コレステロールのようなステロールの生合成を阻害する化合物に関する。ステロール生合成阻害剤の標的の例には、スクアレンエポキシダーゼ、およびCYP2D6が含まれるが、これらに限定されない。ステロール生合成阻害剤の例には、テルビナフィン(terbinadine)が含まれるが、これに限定されない。
【0139】
用語“トポイソメラーゼ阻害剤”は、トポイソメラーゼI阻害剤およびトポイソメラーゼII阻害剤を含む。トポイソメラーゼI阻害剤の例には、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテシン(camptothecian)およびその類似体、9−ニトロカンプトテシンおよび高分子カンプトテシン結合PNU−166148(WO99/17804の化合物A1);10−ヒドロキシカンプトテシン酢酸塩;エトポシド;塩酸イダルビシン;塩酸イリノテカン;テニポシド;塩酸トポテカン;ドキソルビシン;塩酸エピルビシン;塩酸ミトキサントロン;および、塩酸ダウノルビシンが含まれるが、これらに限定されない。イリノテカンは、例えば商品名CAMPTOSARの下で、例えば市販される形態で、投与され得る。トポテカンは、例えば商品名HYCAMTINの下で、例えば市販される形態で、投与され得る。本明細書で用いる用語“トポイソメラーゼII阻害剤”には、リポソーム製剤、例えばCAELYXを含むドキソルビシン、リポソーム製剤、例えばDAUNOSOMEを含むダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin)のようなアントラサイクリン類;アントラキノン類 トキサントロンおよびロソキサントロン;ならびに、ポドフィロトキシン類 エトポシドおよびテニポシドが含まれるが、これらに限定されない。エトポシドは、ETOPOPHOSとして;テニポシドは、VM26−BRISTOLとして;ドキソルビシンは、ADRIBLASTINまたはアドリアマイシンとして;エピルビシンは、FARMORUBICINとして;イダルビシンは、ZAVEDOSとして;そして、ミトキサントロンはNOVANTRONとして市販される。
【0140】
本明細書で用いる用語“VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤”は、正常および病的血管形成の調節に関係する公知の血管新生増殖因子およびサイトカインを標的とし、低下させる、および/または阻害する化合物に関する。VEGFファミリー(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D)およびそれらの対応する受容体チロシンキナーゼ[VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1、KDR)およびVEGFR−3(Flt−4)]は、血管新生およびリンパ脈管新生過程の多数の局面を制御する主要な不可欠の役割を果たす。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例には、3−(4−ジメチルアミノベンジリデニル)−2−インドリノンが含まれるが、これに限定されない。
【0141】
特許出願または科学文献を、特にそれぞれの化合物請求項および明細書中実施例の最終生成物に関して記載するそれぞれの場合において、最終生成物、医薬品および特許請求の範囲の目的は、これらの文献を参照することにより本明細書中に包含することである。同様に、それに記載される、対応する立体異性体、ならびに対応する結晶修飾体、例えば溶媒和物および多形が包含される。本明細書中に記載の組合せ中活性成分として用いる化合物を、引用文献それぞれに記載のとおりに製造し、投与することができる。
【0142】
コード番号、一般名または商品名により同定される活性物質の構造は、標準概論“The Merck Index”の現行版から、またはデータベースから、例えばPatents International、例えば、IMS World Publicationsまたは上記および下記の文献から入手可能である。その対応する内容は、参照により本明細書中に包含させる。
【0143】
成分(a)および(b)の言及は、何れかの活性物質の薬学的に許容される塩も包含することを意味することが理解され得る。成分(a)および/または(b)により包含される活性物質が、例えば少なくとも1つの塩基性中心を有するとき、それらは酸付加塩を形成し得る。対応する酸付加塩はまた、要すれば、さらに塩基性中心を有するように形成し得る。酸性基、例えばCOOHを有する活性物質は、塩基と塩を形成し得る。成分(a)および/または(b)またはその薬学的に許容される塩を含む活性物質はまた、水和物の形成に用い得るか、または結晶化に用いる他の溶媒を含み得る。7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンは、最も好ましい組合せパートナー(a)である。
【0144】
III.組合せ剤
本発明は、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)薬学的活性剤、の組合せ剤に関する。
【0145】
好ましい態様において、本発明は、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)アポトーシスタンパク質の阻害剤、ステロイド、代謝拮抗剤;MEK阻害剤;PKC阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、およびトポイソメラーゼ阻害剤からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む組合せ剤を提供する。
【0146】
別の好ましい態様において、本発明は、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド、フロクスウリジン、プレドニゾン、シタラビン;クラドリビン、ブタンジニトリル、スタウロスポリン;テニポシド;塩酸ミトキサントロン;エトポシド、からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む組合せ剤を提供する。
【0147】
好ましい態様において、本発明は、
(a)式(I)のErb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)アポトーシスタンパク質の阻害剤、ステロイド、代謝拮抗剤;MEK阻害剤;PKC阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤およびトポイソメラーゼ阻害剤、からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む組合せ剤を提供する。
【0148】
別の好ましい態様において、本発明は、
(a)式(I)のErb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド、フロクスウリジン、プレドニゾン、シタラビン;クラドリビン、ブタンジニトリル、スタウロスポリン;テニポシド;塩酸ミトキサントロン;エトポシド、からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む組合せ剤を提供する。
【0149】
好ましい態様において、本発明は、
(a)7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン;ならびに
(b)アポトーシスタンパク質の阻害剤、ステロイド、代謝拮抗剤;MEK阻害剤;PKC阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤およびトポイソメラーゼ阻害剤、からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む組合せ剤を提供する。
【0150】
別の好ましい態様において、本発明は、
(a)7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン;ならびに
(b)N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド、フロクスウリジン、プレドニゾン、シタラビン;クラドリビン、ブタンジニトリル、スタウロスポリン;テニポシド;塩酸ミトキサントロン;エトポシド、からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む組合せ剤を提供する。
【0151】
成分(a)および(b)の組合せ剤、これらの2種の成分を投与することを含む温血動物の処置方法、同時、個別または連続使用のための、これらの2種の成分を含む医薬組成物、増殖性疾患の進行の遅延または処置のための、もしくはこれらの目的のための製剤の製造のための、組合せ剤の使用、またはかかる成分(a)および(b)の組合せ剤を含む市販製品は、すべて上記に記載または定義される通り、下記の「本発明の組合せ剤」にも記載され得る(この用語は、これらの態様のそれぞれに言及するように、適当なとき、この用語を置換可能である。)。
【0152】
IV.投与
同時投与を、例えば2個以上の活性成分を有する1個の固定した組合せ剤の形態で行うか、または独立して剤形される2個以上の活性成分を同時に投与することにより行うことができる。連続使用(投与)は、好ましくは、ある時点で組合せ剤の1個(またはそれ以上)の成分を投与し、異なる時点で他の成分を投与すること、すなわち好ましくは、該組合せが、単一の化合物を独立して投与するよりも良好な効果を示す(とりわけ相乗効果を示す)ように長期的に時間差の方法で投与することを意味する。個別使用(投与)は、好ましくは、異なる時間点でそれぞれ独立して組合せ剤の成分を投与することを意味し、好ましくは、成分(a)および(b)を、両方の化合物の測定可能な血中レベルの重なりが、重複して(同時に)存在しないように投与することを意味する。
【0153】
また、2個以上の組合せ剤を、好ましくは組合せ剤の成分−薬物が、その組合せ剤の成分−薬物を、長い間隔で独立して用いたため、それらの治療効果への、とりわけ好ましくは、相乗効果への相互影響が見られないときに見られる効果を超える共同的治療効果を示すように、連続、個別および同時投与することができる。
【0154】
本明細書で用いる用語“進行の遅延”は、処置すべき疾患の最初の徴候または再発の前段階または初期にある患者に対する組合せ剤の投与を意味し、ここで患者は、例えば対応する疾患の前段階にあると診断されるか、または、例えば、医学的処置中または事故に起因する状態の、対応する疾患を発症しそうな状況下の状態にある。
【0155】
用語“共同的に治療的に活性”または“共同的に治療的に有効”は、化合物を、好ましくは、処置すべき温血動物、とりわけヒトにおいて、それらが(好ましくは、相乗的な)相互作用(共同的治療効果)を示しているような間隔で、個別に(長期的に時間差の方法、とりわけ特定の順序の方法で)与えることができることを意味する。上記の場合かどうかは、とりわけ、両方の化合物が、少なくとも任意の間隔内に処置すべきヒトの血中に存在することを示す血中レベルに従い決定され得る。
【0156】
“薬学的に有効”は、好ましくは、治療的に有効であるか、または広い意味で、増殖性疾患の進行に対して予防的にも有効である量に関する。
【0157】
V.販売用パッケージ
本明細書で用いる用語“販売用パッケージ”または“製品”または“医薬パッケージ”は、とりわけ、上記に定義の成分(a)および(b)が、独立して、または異なる量の成分(a)および(b)を有する異なる固定した組合せ剤の使用により、すなわち同時または異なる時点での使用により、投薬され得るという意味で、“複数部分のキット”を定義する。さらに、これらの用語は、活性成分として成分(a)および(b)を、増殖性疾患の進行の遅延または処置における、その同時使用、連続(長期的に時間差の、時間内に特定の順序で、優先的な)使用、または(あまり好ましくない)個別使用のための説明書と共に含む(とりわけ、組み合わせて含む)販売用パッケージを包含する。次に、複数部分のキットの部分を、例えば、同時にまたは、異なる時間点で、かつ複数部分のキットの各部分について等しいかまたは異なる間隔で長期的に時間差で投与することができる。非常に好ましくは、該間隔は、複数部分の併用において処置される疾患に対する効果が、組み合わせパートナー(a)および(b)のいずれか1個のみの使用により得られ得る効果よりも大きい(標準方法により決定され得る)ように選択される。組み合わせ製剤(combined preparation)で投与されるべき全量の、組み合わせパートナー(b)に対する組み合わせパートナー(a)の比は、例えば、処置すべき患者の下位集団の必要性または一人の患者の必要性(異なる必要性は、特定の疾患、患者の年齢、性別、体重などに起因し得る。)に対応するために、変化し得る。好ましくは、少なくとも1個の有益な効果、例えば、組み合わせパートナー(a)および(b)の効果の相互増強、特に付加効果以上が得られ、それ故に、組合せ剤なしに個々の薬物のみを用いる処置の場合に許容できるよりも、組み合わせた薬物のそれぞれをより低用量で用いて、さらなる有利な効果、例えば副作用が少ないか、または組み合わせパートナー(成分)(a)および(b)の一方または両方の非有効投与量での合わせた治療効果、および好ましくは組み合わせパートナー(a)および(b)の非常に強い相乗作用をもたらすことができる。
【0158】
成分(a)および(b)の組合せ剤ならびに販売用パッケージの使用の場合、両方とも、同時、連続および個別使用のあらゆる組み合わせがまた可能であり、そのことは、成分(a)および(b)を、ある時点で同時に投与し、次いでより低い宿主毒性を有する一方の成分を、後の時点で長期的に(例えば、1日用量投与を3から4週間以上)かつその後に他方の成分を投与するか、またはさらに後の時点で(最適な抗腫瘍効果のためのその後の薬物組み合わせ治療コースで)両成分の組合せ剤を投与することができることなどを意味する。
【0159】
本発明の組合せ剤は、他の処置、例えば、外科的介入、加温療法および/または放射線療法との組み合わせを適用することもできる。
【0160】
VI.医薬組成物および製品
本発明の医薬組成物は、常套方法で製造することができ、ヒトを含む哺乳動物に対する経口または経直腸のような経腸投与、および非経腸投与に適し、とりわけ経腸または非経腸適用に適する治療的有効量の微小管活性剤および少なくとも1個の薬学的活性剤のみを含むか、または1個以上の薬学的に許容される担体との組合せを含む。
【0161】
該医薬組成物は、約0.00002ないし約100%、とりわけ(例えば、すぐに使用できる注入希釈液の場合)0.0001ないし0.02%、または(例えば、注射または注入濃縮物、またはとりわけ非経腸製剤の場合)約0.1%ないし約95%、好ましくは約1%ないし約90%、より好ましくは約20%ないし約60%の本発明の活性成分(それぞれの場合で重量比)を含む。本発明の医薬組成物は、アンプル、バイアル、糖衣錠、錠剤、輸液バックまたはカプセルの形態のような、例えば単位用量形態であり得る。
【0162】
本発明の製剤に用いる組み合わせパートナーのそれぞれの有効投与量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与方法、処置すべき状態、処置すべき状態の重症度に依存して変化し得る。通常の技術を有する医師、臨床医または獣医師は、状態の予防、処置または進行の阻止に必要とされる活性成分それぞれの有効量を容易に決定することができる。
【0163】
経腸または非経腸投与のための併用療法のための医薬品は、例えば、糖衣錠、カプセルまたは坐薬、さらにアンプルのような単位投与量形態である。他に特記しない限り、これらの製剤を、常套方法、例えば、常套的混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程の手段により製造する。必要な有効量が、複数の投与量単位の投与により達成され得るため、各投与量形態の個々の用量中に含まれる組合せパートナーの単位含量が、それ自体で有効量を構成する必要がないことが、理解され得る。当業者は、適当な薬学的に有効量の組合せ成分を決定する能力を有する。
【0164】
好ましくは、化合物またはその薬学的に許容される塩は、錠剤、カプセルまたはシロップの形態の経口製剤として;または、適当なとき非経腸注入剤として投与される。
【0165】
経口投与のための組成物の製造において、何らかの薬学的に許容される媒体、例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤を用いることができる。薬学的に許容される担体には、デンプン類、糖類、微結晶セルロース類、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤が含まれる。
【0166】
活性成分の溶液、およびまた懸濁液、とりわけ等張水溶液または懸濁液は、可能ならば、例えば活性成分を単独で、または薬学的に許容される担体、例えばマンニトールと共に含む凍結乾燥組成物の場合に、使用前に製造されるべきそのような溶液または懸濁液について、活性成分の非経腸投与のために有用である。医薬組成物は滅菌可能であり、そして/または賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよく、それ自体公知の方法で、例えば慣用の溶解または凍結乾燥工程の手段により製造される。溶液または懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンのような増粘剤を含み得る。油中懸濁液は、油成分として、注射用に慣用の、植物油、合成油または半合成油を含む。
【0167】
等張剤は、当分野で既知のいずれか、例えばマンニトール、デキストロース、グルコースおよび塩化ナトリウムから選択され得る。注入製剤を、水性媒体で希釈してよい。希釈剤として用いる水性媒体の量は、注入溶液中の活性成分の所望の濃度に従って選択される。注入溶液は、静脈内投与されるべき製剤に一般的に用いられる他の賦形剤、例えば抗酸化剤を含み得る。
【0168】
本発明はさらに、とりわけ、上記に定義の組み合わせパートナー(a)および(b)が、独立して、または異なる量の組み合わせパートナー(a)および(b)を有する異なる固定した組合せ剤の使用により、すなわち同時または異なる時点での使用により投薬され得るという意味で、“複数部分のキット”を定義する、本明細書で用いる“組み合わせ製剤”に関する。複数部分のキットの部分を、例えば、同時にまたは、異なる時間点で、かつ複数部分のキットの各部分について等しいかまたは異なる間隔で長期的に時間差で投与することができる。組み合わせ製剤で投与されるべき全量の、組み合わせパートナー(b)に対する組み合わせパートナー(a)の比は、例えば、処置すべき患者の下位集団の必要性または一人の患者の必要性(患者が経験する何らかの副作用の重症度に基づく)に対応するために、変化し得る。
【0169】
本発明は、とりわけ、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤の1種以上の単位投与量形態;ならびに
(b)1種以上の薬学的活性剤の単位投与量形態
を含む組み合わせ製剤に関する。
【0170】
VII.処置すべき疾患
本発明の組成物は、増殖性疾患または持続的血管形成と関係するか、もしくはそれにより引き起こされる疾患の処置に有用である。
【0171】
増殖性疾患とは、主に腫瘍疾患(または癌)(および/または、何らかの転移)である。本発明の組成物は、特に、乳癌、泌尿生殖器癌、肺癌、消化管癌、類表皮癌、黒色腫、神経膠腫、卵巣癌、膵臓癌、神経芽腫、頭頸部癌または膀胱癌、またはより広い意味では、腎臓癌、脳腫瘍(brain cancer)または胃癌である腫瘍の処置に有用である。
【0172】
特に、本発明の組成物は、特に、
(i)乳房腫瘍;肺腫瘍、例えば、小細胞または非小細胞肺癌腫;黒色腫;または
(ii)他の化学療法剤での処置に難治性の増殖性疾患;または
(iii)多剤耐性のために他の化学療法剤での処置に難治性である腫瘍
の処置に有用である。
【0173】
腫瘍、腫瘍疾患、癌腫または癌を記載するとき、腫瘍および/または転移の位置がどこでも、原発臓器または組織の転移および/または何らかの他の位置の転移もまた、それに変えてまたはそれに加えて意図される。
【0174】
本発明の組成物は、正常細胞よりも急速に増殖する細胞、特にヒト癌細胞、例えば癌性腫瘍に選択的に毒性またはより高い毒性であり、該化合物は、顕著な抗増殖性効果を有し、分化、例えば細胞周期停止およびアポトーシスを促進する。
【0175】
本発明を下記の実施例により説明する。
下記の実施例は、相乗効果を示す7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体と{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンを含む組合せ剤を説明する。全ての組合せ剤を、3種の、この共同研究の一部として異なる細胞株:非小細胞肺癌腫のモデルであるA549;卵巣癌のモデルであるSKOV−3;およb、悪性黒色腫のモデルであるSKMEL−28で試験した。
【0176】
一例は、SKOV−3細胞における、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンとN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドで観察された相乗効果である。
【0177】
別の例は、A549細胞における、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンと代謝拮抗剤であるクラドリビンで観察された相乗効果である。7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン有効性の顕著増大が、クラドリビンの増大した濃度の存在において観察された。
【0178】
全ての組合せ剤を、試験のために同様の方法で製造した。
【実施例】
【0179】
アッセイ条件およびプロトコール
1日目:細胞調製
細胞を、T−175フラスコ中、完全培地(RPMI−1640、10%FBS、1% Penn/Strep)中、37℃および5%CO下で培養した。細胞を0.25%トリプシンで短時間処理してフラスコから取り出した。トリプシンを培地で不活性化し、細胞数を適当に合わせた。その後、細胞を、マルチドロップを用いて384ウェルマイクロタイタープレート(35μL)に1500(A549)または3,000(SKOV−3、SKMEL−28)細胞/ウェルで播種し、16−24時間後に一般的スクリーニングのために化合物を添加した。播種したプレートを一晩インキュベートし(37℃/5%CO)、回復および再付着させた。
【0180】
2日目:化合物添加
希釈プレートを、非細胞培養処理ポリプロピレンの384ウェルプレート中、ウェル当たり100μLの完全培地で調製した。化合物を、Mini−Trakを用いて1:101希釈で希釈プレートに添加し(1μL添加)、次いで混合した。単剤の用量反応曲線について、希釈プレートからのアリコート5μLをアッセイプレートに添加し、11ポイントの用量反応曲線を作製した(最終容量40μL)。最終希釈は、全溶媒濃度〜0.1%で、〜1:808であった。組合せマトリックスに関して、直交的に滴定した(orthogonally−titrated)マスタープレートの希釈プレートからのアリコート4.5μLを同じアッセイプレートに添加して、用量反応マトリックスを作製した(最終容量44μL)。各化合物の最終希釈は、〜1:988であり、全溶媒濃度は、〜0.2%であった。化合物添加後、プレートを37℃/5%COで72時間インキュベートした。
【0181】
5日目:細胞生存率の測定
完全培地中5%CellTiter−Blue(Promega)生存判別色素の溶液を、マルチドロップまたは384ウェルピペッターを用いてアッセイプレートに添加した。2.5%の最終色素濃度になるように適当な量を添加した。生存反応を、37℃/5%COにて、細胞タイプによって4ないし6時間インキュベートして、生存判別色素を減少させた。プレートを1時間室温まで冷却し、その後540nmで励起してWallac Victor−Vプレートリーダーで590nmの蛍光強度を読んだ。
【0182】
【表1】

【0183】
QC(quality control:品質管理)基準
初代プレートのQC状態
cHTSプレートフォーマットは、自動化品質管理として用いられる陽性および陰性のプレート内対照ウェル群を含む。全てのアッセイプレートに、LIMシステムにより自動的にQC値を付し、次いでデータを収集する。自動化品質管理の判定を、標準係数Z=1−3(_V+_U)/(V−U)[式中、V、Uは、平均ビヒクル(処理)および培地(非処理)対照レベルであり、_V、_Uは、対応する標準偏差概算値である。]を用いてプレート内対照を用いて計算したZ係数に基づき作製する。Z係数閾値を、3つのクラスのプレート群に実験的に設定する:自動的に許容される(Z>0.6)、自動的に拒絶される(Z<0.4)、および視覚的に評価される必要がある未決定プレート(0.4<Z<0.6)。必要ならば、許容されるプレートのQC状態を、プレート品質、移入対照(transfer control)または他の二次QC基準の視覚的検査に基づき拒絶される状態に再配置し得る。自動的にまたは視覚的検査により拒絶されるプレートを、さらなる分析から除き、それを繰り返す。
【0184】
移入対照
陽性対照化合物(ゲンチアナ・バイオレット)は、全てのマスタープレート上に含まれる。これは、研究者が、アッセイプレート中、両方のカラムおよび横列のマスタープレートからの化合物移入を確認するための、スクリーニングのための視覚的チェックを提供する。
【0185】
二次QC
二次QCには、下記:プレート品質および移入対照の視覚的検査、データスパイクの標示、および細胞系について単剤の適当な挙動のチェック、を含むデータ品質の付加的マニュアルチェックが含まれる。許容されないプレート勾配を示す一次QCからの許容される状態を有するプレートを、拒絶状態に調整し、繰り返し用に取り置く。プレートはまた、一時的に悪いウェル、またはそのすぐ隣(同様の処理クラス内)とは非常に異なるデータ値を有する“スパイク”について視覚的検査を行う。これらのデータスパイクを、データベース中で標識しておき、その後の分析から除く。最後に、過去の経験と不整合の単剤活性を含む用量反応マトリックスを、拒絶状態に印付けし、繰り返し用に取り置く。カットオフ閾値が達成されないデータブロックをデータベース中で標識し、必要であればその後の分析から除いて、繰り返し用に取り置く。
【0186】
抗増殖性活性の測定
効果の測定は、アラマーブルー生存性アッセイを用いて、未処理レベル(ビヒクルのみ)と比較して細胞生存性の阻害であった。未処理および処理レベルのUおよびTについて、部分阻害I=1−T/Uを計算した。該阻害は、未処理レベルの0%からT=0のときの100%までの範囲である。
【0187】
各処理レベルTを、プレート全体に配した未処理対照ウェル間で、中央アラマーブルーレベル(および、上記のそれと関連する不確実性)を見出すことにより各プレートについて決定した、未処理の中央レベルU±σUと比較した。標準誤差伝搬ルールを適用して、概算した標準誤差σI〜(σU/U)sqrt(1−I)であるIを表す。
【0188】
誤差評価は、複製組合せブロックと_分、〜3%の最小限に仮定した断片的な不確実性との間の変動を説明するためにさらに増大した。故に、阻害について、標準誤差概算値は、σI〜sqrt{(σU/U)2(1−I)+σrep 2+σminとなる。
【0189】
中央値および誤差評価
中央値を、偶発的な異常値のコンセンサスへの影響を減少させるために平均値よりも使用した。中央値は、異常値に対してよりロバストであるが、それらは、〜30%以上の偏差をもたらす統計ノイズにより感受性である。標準偏差を、中央絶対偏差(MAD)から概算し、正規分布について、サンプル偏差はσdat〜1.5MADである。従って、中央値自体の標準誤差は、σmed〜σdat/sqrt(N−1)(既知のNデータ値)である。
【0190】
単剤投与量曲線
単剤活性を、式I=Imax/[1+(C/EC50)σ]のシグモイド関数を下記のシンプレックス・アルゴリズムを用いる最小二乗法最小化にフィッティングすることにより特徴付ける。ここで、Cは濃度であり、EC50は50%阻害効果を示す濃度であり、そしてσは、シグモイド性(sigmoidicity)である。各フィットパラメーターの不確実性を、減少したカイ二乗χ2の変化が、1未満であるか、または最小値が1を超えるとき、減少したχ2の最小値未満である範囲から、少なく概算したσI誤差を考慮して、概算した。最適濃度を実現するため、EC50を決定し、それぞれの提案された増殖アッセイの最大効果レベルとした。384ウェルプレートを用いて、デュプリケートの用量応答曲線を、用量比f=2、3、または4の3−7桁にわたる12段階希釈で得た。
【0191】
最適濃度の選択
本発明者らは、単剤曲線データを、組合せスクリーニングに用いるために各化合物の連続希釈を定義するために用いる。本発明者らは、単剤曲線のシグモイド性によって、2、3または4の希釈係数fを用いて、フィットしたEC50に近い中心濃度を有する5種の用量レベルを選択し得る。検出可能な単剤活性を有さない化合物について、本発明者らは、f=4を用いて達成可能な最大濃度から始め得る。
【0192】
組合せ用量マトリックスおよび参照モデル
cHTSスクリーニングにより、0を含む一連の濃度で、2個の単剤の全ての対組合せを含む用量マトリックスを作製する。各用量マトリックスは、組み合わせ効果の参照として使用される単剤曲線の内在コピー(internal copies)を含む。複製用量マトリックスを、対応するデータ点を中央値にすることにより結合することができ、濃度シリーズが異なるとき、対応する値を双線形補間を用いることで見出す。標準誤差を、上記の式を用いて各阻害値について計算した。組合せ効果を、各データ点の阻害を、単剤曲線から導かれた組合せ参照モデルのそれと比較して、最も迅速に特徴付けた。3つのモデルが、一般的に用いられる:(1)最高の単剤モデル IHSA(CX,CY)=max(IX,IY)は、単一の参照モデルである(ここで、CX,Yは、XおよびY化合物の濃度であり、IX,Yは、CX,Yでの単剤の阻害である。);(2)Bliss 独立モデル IBliss(CX,CY)=IX+IY−IXIYは、独立して競合する阻害剤についての統計的期待値を示す;そして、(3)Loewe相加モデル、ここで、ILoewe(CX,CY)は、(CX/ECX)+(CY/ECY)=1を満たす阻害であり、ECX,Yは、単剤曲線についてILoeweでの有効濃度である。Loewe相加モデルは、XおよびYが同じ化合物であるとき生じる組合せ反応を表すとき、相乗作用の一般に許容される参照である[4]。IHSAおよびIBlissは両方とも、IX、Yを容易に計算するが、ILoeweの決定には、補間および数値複素根検出を必要とする。
【0193】
9×9 再検定のための組合せの選択
高分解能9×9用量マトリックスを用いてアッセイを繰り返すための所望の腫瘍学的組合せ剤を選択するため、3つの重要な検討事項が評価される:(1)加法モデル以上の顕著な相乗効果;(2)相乗効果が生じるときの実質的な活性;および、(3)シフティングの十分な可能性。S=logfX logfY_Iデータ(Iデータ−ILoewe)により“相乗スコア(synergy score)”を用いて、全ての非単剤濃度ペアを総和した(式中、logfX,Yは、各単剤に用いた希釈係数の自然対数である。)。これは、測定値と、高阻害に偏り、様々な希釈係数について補正したLoewe相加応答表面の間の容積を効率よく計算する。この容量スコアは、組合せ剤の全体の相乗効果または拮抗効果に重点を置き、故に、範囲外のデータスパイクの影響を最小化し、広範囲の濃度でロバスト性相乗効果および高効果レベルを有する組合せ剤を同定する。Sは、最も相乗的な組合せに陽性であり、拮抗作用に対して陰性である。相乗作用および拮抗作用の両方が異なる濃度で存在する場合において、荷重係数(weighting favor)は、高阻害レベルで効果を有する。不確実性σSを、Iデータ値および標準誤差伝搬についての測定誤差を基に、各相乗スコアについて計算する。相乗スコアを用いて、その誤差を、適当な選択カットオフ値と定義する。例えば、S>2_Sを有する組合せは、正規分布と仮定して〜95%信頼性で有意である。また、シフトの十分な可能性を得られるように、該組合せインデックスである、選択した効果レベルでのCI=(CX/ECX)+(CY/ECY)を、有用な相乗効果を示すのに十分小さくする。現在使用されている臨床的組合せ剤について観測したインビトロCI測定値(CI〜0.5−0.7)を、カットオフ値を設定する指針として用いることができる。
【0194】
下記の表は、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンと最大の相乗効果を示す組合せのリストである。
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】SKOV−3細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、およびN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを含む組合せ剤について、81−ポイント 9×9用量マトリックス(dose matrix)として阻害%を示す。
【図2】SKOV−3細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、およびN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを含む組合せ剤の、Loewe相加モデル(Loewe additivity model)と比較した各用量ポイントの相乗性を示す。
【図3】SKOV−3細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、およびN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを含む組合せ剤の30%阻害でのアイソボログラム(isobologram)曲線を示す。
【図4】A549細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンおよびクラドリビンを含む組合せ剤について、81−ポイント 9×9用量マトリックスとして阻害%を示す。
【図5】A549細胞における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンおよびクラドリビンを含む組合せ剤の、ロエベ付加モデルと比較した各用量ポイントの相乗性を示す。
【図6】A549における、{6−[4−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミンおよびクラドリビンを含む組合せ剤の55%阻害でのアイソボログラム(isobologram)曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増殖性疾患の予防または処置における、同時、併用、個別または逐次使用のための、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)i.アポトーシスタンパク質の阻害剤;
ii.ステロイド;
iii.アデノシンキナーゼ阻害剤;
iv.アジュバント;
v.副腎皮質アンタゴニスト;
vi.AKT経路阻害剤;
vii.アルキル化剤;
viii.血管形成阻害剤;
ix.抗アンドロゲン;
x.抗エストロゲン;
xi.抗高カルシウム血症剤;
xii.代謝拮抗剤;
xiii.アポトーシス誘導剤;
xiv.オーロラキナーゼ阻害剤;
xv.ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;
xvi.カルシニューリン阻害剤;
xvii.CaMキナーゼII阻害剤;
xviii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;
xix.CDC25ホスファターゼ阻害剤;
xx.CHKキナーゼ阻害剤;
xxi.ゲニステイン、オロモウシン(olomucine)および/またはチルホスチンを調節するための制御剤;
xxii.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;
xxiii.cRAFキナーゼ阻害剤;
xxiv.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;
xxv.システインプロテアーゼ阻害剤;
xxvi.DNA挿入剤;
xxvii.DNA鎖破壊剤;
xxviii.E3リガーゼ阻害剤;
xxix.内分泌ホルモン;
xxx.上皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物;
xxxi.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xxxii.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;
xxxiii.Flk−1キナーゼ阻害剤;
xxxiv.グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK3)阻害剤;
xxxv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;
xxxvi.HSP90阻害剤;
xxxvii.I−κ B−α キナーゼ阻害剤(IKK);
xxxviii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;
xxxix.c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;
xl.微小管結合剤;
xli.マイトージェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;
xlii.MDM2阻害剤;
xliii.MEK阻害剤;
xliv.マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;
xlv.NGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlvi.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含む、p38 MAPキナーゼ阻害剤;
xlvii.p56チロシンキナーゼ阻害剤;
xlviii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlix.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;
l.ホスファターゼ阻害剤;
li.白金物質;
lii.PP1およびPP2阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤、ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤;
liii.PKC阻害剤およびPKCδキナーゼ阻害剤;
liv.ポリアミン合成阻害剤;
lv.プロテオソーム阻害剤;
lvi.PTP1B阻害剤;
lvii.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;および、JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含む、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;
lviii.レチノイド;
lix.RNAポリメラーゼII伸張阻害剤;
lx.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;
lxi.ステロール生合成阻害剤;
lxii.トポイソメラーゼ阻害剤;および
i.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;ならびに、それらの混合物;
からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤の、組合せ剤。
【請求項2】
該Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物が、式(I):
【化1】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはシクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換か、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは、酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRが、両方とも水素でない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される化合物またはその塩である、請求項1記載の組合せ剤。
【請求項3】
該1種以上の薬学的活性剤が、アポトーシスタンパク質の阻害剤;ステロイド;代謝拮抗剤;MEK阻害剤;PKC阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;および、トポイソメラーゼ阻害剤ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の組合せ剤。
【請求項4】
請求項1記載の組合せ剤を含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項5】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
増殖性疾患の予防または処置における、同時、併用、個別または逐次使用のための、
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド、フロクスウリジン、クラドリビン、ブタンジニトリル、スタウロスポリン;テニポシド;エトポシドからなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、の組合せ剤。
【請求項7】
該Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物が、式(I):
【化2】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換か、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRは両方とも水素ではない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される化合物またはその塩である、請求項6記載の組合せ剤。
【請求項8】
請求項6記載の組合せ剤を含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項9】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)i.アポトーシスタンパク質の阻害剤;
ii.ステロイド;
iii.アデノシンキナーゼ阻害剤;
lxiii.アジュバント;
lxiv.副腎皮質アンタゴニスト;
lxv.AKT経路阻害剤;
lxvi.アルキル化剤;
lxvii.血管形成阻害剤;
lxviii.抗アンドロゲン;
lxix.抗エストロゲン;
lxx.抗高カルシウム血症剤;
lxxi.代謝拮抗剤;
lxxii.アポトーシス誘導剤;
lxxiii.オーロラキナーゼ阻害剤;
lxxiv.ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;
lxxv.カルシニューリン阻害剤;
lxxvi.CaMキナーゼII阻害剤;
lxxvii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;
lxxviii.CDC25ホスファターゼ阻害剤;
lxxix.CHKキナーゼ阻害剤;
lxxx.ゲニステイン、オロモウシン(olomucine)および/またはチルホスチンを調節するための制御剤;
lxxxi.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;
lxxxii.cRAFキナーゼ阻害剤;
lxxxiii.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;
lxxxiv.システインプロテアーゼ阻害剤;
lxxxv.DNA挿入剤;
lxxxvi.DNA鎖破壊剤;
lxxxvii.E3リガーゼ阻害剤;
lxxxviii.内分泌ホルモン;
lxxxix.上皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物;
xc.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xci.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;
xcii.Flk−1キナーゼ阻害剤;
xciii.グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK3)阻害剤;
xciv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;
xcv.HSP90阻害剤;
xcvi.I−κ B−α キナーゼ阻害剤(IKK);
xcvii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;
xcviii.c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;
xcix.微小管結合剤;
c.マイトージェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;
ci.MDM2阻害剤;
cii.MEK阻害剤;
ciii.マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;
civ.NGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
cv.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含む、p38 MAPキナーゼ阻害剤;
cvi.p56チロシンキナーゼ阻害剤;
cvii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
cviii.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;
cix.ホスファターゼ阻害剤;
cx.白金物質;
cxi.PP1およびPP2阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤、ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤;
cxii.PKC阻害剤およびPKCδキナーゼ阻害剤;
cxiii.ポリアミン合成阻害剤;
cxiv.プロテオソーム阻害剤;
cxv.PTP1B阻害剤;
cxvi.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;および、JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含む、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;
cxvii.レチノイド;
cxviii.RNAポリメラーゼII伸張阻害剤;
cxix.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;
cxx.ステロール生合成阻害剤;
cxxi.トポイソメラーゼ阻害剤;および
cxxii.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、ならびにそれらの混合物
からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む医薬組成物。
【請求項11】
該Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物が、式(I):
【化3】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換か、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRは両方とも水素ではない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される化合物、またはその塩である、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
該1種以上の薬学的活性剤が、アポトーシスタンパク質の阻害剤;ステロイド;代謝拮抗剤;MEK阻害剤;PKC阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;および、トポイソメラーゼ阻害剤ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項10記載の医薬組成物を含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項14】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド、フロクスウリジン、クラドリビン、ブタンジニトリル、スタウロスポリン;テニポシド;エトポシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、を含む、医薬組成物。
【請求項16】
該Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物が、式(I):
【化4】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換か、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRは両方とも水素ではない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される化合物、またはその塩である、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
請求項15記載の医薬組成物を含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項18】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)i.アポトーシスタンパク質の阻害剤;
ii.ステロイド;
iii.アデノシンキナーゼ阻害剤;
iv.アジュバント;
v.副腎皮質アンタゴニスト;
vi.AKT経路阻害剤;
vii.アルキル化剤;
viii.血管形成阻害剤;
ix.抗アンドロゲン;
x.抗エストロゲン;
xi.抗高カルシウム血症剤;
xii.代謝拮抗剤;
xiii.アポトーシス誘導剤;
xiv.オーロラキナーゼ阻害剤;
xv.ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;
xvi.カルシニューリン阻害剤;
xvii.CaMキナーゼII阻害剤;
xviii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;
xix.CDC25ホスファターゼ阻害剤;
xx.CHKキナーゼ阻害剤;
xxi.ゲニステイン、オロモウシン(olomucine)および/またはチルホスチンを調節するための制御剤;
xxii.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;
xxiii.cRAFキナーゼ阻害剤;
xxiv.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;
xxv.システインプロテアーゼ阻害剤;
xxvi.DNA挿入剤;
xxvii.DNA鎖破壊剤;
xxviii.E3リガーゼ阻害剤;
xxix.内分泌ホルモン;
xxx.上皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物;
xxxi.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xxxii.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;
xxxiii.Flk−1キナーゼ阻害剤;
xxxiv.グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK3)阻害剤;
xxxv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;
xxxvi.HSP90阻害剤;
xxxvii.I−κ B−α キナーゼ阻害剤(IKK);
xxxviii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;
xxxix.c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;
xl.微小管結合剤;
xli.マイトージェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;
xlii.MDM2阻害剤;
xliii.MEK阻害剤;
xliv.マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;
xlv.NGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlvi.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含む、p38 MAPキナーゼ阻害剤;
xlvii.p56チロシンキナーゼ阻害剤;
xlviii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlix.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;
l.ホスファターゼ阻害剤;
li.白金物質;
lii.PP1およびPP2阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤、ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤;
liii.PKC阻害剤およびPKCδキナーゼ阻害剤;
liv.ポリアミン合成阻害剤;
lv.プロテオソーム阻害剤;
lvi.PTP1B阻害剤;
lvii.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;および、JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含む、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;
lviii.レチノイド;
lix.RNAポリメラーゼII伸張阻害剤;
lx.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;
lxi.ステロール生合成阻害剤;
lxii.トポイソメラーゼ阻害剤;および
i.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;および、それらの混合物
からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤
の組合せ剤を含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項20】
該Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物が、式(I):
【化5】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換か、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRは両方とも水素ではない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);そして
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される化合物、またはその塩である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
該1種以上の薬学的活性剤が、アポトーシスタンパク質の阻害剤;ステロイド;代謝拮抗剤;MEK阻害剤;PKC阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;および、トポイソメラーゼ阻害剤ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項19記載の方法。
【請求項22】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項19記載の方法。
【請求項23】
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物;ならびに
(b)N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド、フロクスウリジン、クラドリビン、ブタンジニトリル、スタウロスポリン;テニポシド;エトポシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種以上の薬学的活性剤、の組合せ剤を含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項24】
該Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物が、式(I):
【化6】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換か、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRは両方とも水素ではない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される化合物、またはその塩である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項23記載の方法。
【請求項26】
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物の医薬組成物;ならびに
(b)i.アポトーシスタンパク質の阻害剤;
ii.ステロイド;
iii.アデノシンキナーゼ阻害剤;
iv.アジュバント;
v.副腎皮質アンタゴニスト;
vi.AKT経路阻害剤;
vii.アルキル化剤;
viii.血管形成阻害剤;
ix.抗アンドロゲン;
x.抗エストロゲン;
xi.抗高カルシウム血症剤;
xii.代謝拮抗剤;
xiii.アポトーシス誘導剤;
xiv.オーロラキナーゼ阻害剤;
xv.ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;
xvi.カルシニューリン阻害剤;
xvii.CaMキナーゼII阻害剤;
xviii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;
xix.CDC25ホスファターゼ阻害剤;
xx.CHKキナーゼ阻害剤;
xxi.ゲニステイン、オロモウシン(olomucine)および/またはチルホスチンを調節するための制御剤;
xxii.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;
xxiii.cRAFキナーゼ阻害剤;
xxiv.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;
xxv.システインプロテアーゼ阻害剤;
xxvi.DNA挿入剤;
xxvii.DNA鎖破壊剤;
xxviii.E3リガーゼ阻害剤;
xxix.内分泌ホルモン;
xxx.上皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的とし、低下させる、または阻害する化合物;
xxxi.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xxxii.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;
xxxiii.Flk−1キナーゼ阻害剤;
xxxiv.グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK3)阻害剤;
xxxv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;
xxxvi.HSP90阻害剤;
xxxvii.I−κ B−α キナーゼ阻害剤(IKK);
xxxviii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;
xxxix.c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;
xl.微小管結合剤;
xli.マイトージェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;
xlii.MDM2阻害剤;
xliii.MEK阻害剤;
xliv.マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;
xlv.NGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlvi.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含む、p38 MAPキナーゼ阻害剤;
xlvii.p56チロシンキナーゼ阻害剤;
xlviii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
xlix.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;
l.ホスファターゼ阻害剤;
li.白金物質;
lii.PP1およびPP2阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤、ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤;
liii.PKC阻害剤およびPKCδキナーゼ阻害剤;
liv.ポリアミン合成阻害剤;
lv.プロテオソーム阻害剤;
lvi.PTP1B阻害剤;
lvii.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;および、JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含む、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;
lviii.レチノイド;
lix.RNAポリメラーゼII伸張阻害剤;
lx.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;
lxi.ステロール生合成阻害剤;
lxii.トポイソメラーゼ阻害剤;および
lxiii.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;および、それらの混合物
からなる群から選択される薬学的活性剤化合物の医薬組成物(ここで、(a)および(b)を、1個の合した単位投与量形態または2個の個別単位投与量形態で、共に、逐次に、または個別に投与する。)
を含む、販売用パッケージ。
【請求項27】
該単位投与量形態が固定した組合せ剤である、請求項26記載の販売用パッケージ。
【請求項28】
該Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物が、式(I):
【化7】


[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換アルキルもしくはクロアルキル、環炭素原子により結合したヘテロ環式ラジカル、または式R−Y−(C=Z)−のラジカル〔式中、Rは、非置換か、一置換または二置換アミノ、またはヘテロ環式ラジカルであり、Yは、存在しないか、または低級アルキルであり、Zは酸素、硫黄またはイミノである。ただし、RおよびRは両方とも水素ではない。〕であるか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式ラジカルを形成し;
は、ヘテロ環式ラジカルまたは非置換もしくは置換芳香族性ラジカルであり;
Gは、C−C−アルキレン、−C(=O)−、またはC−C−アルキレン−C(=O)−〔式中、カルボニル基は、NR部分に結合する。〕であり;
Qは、−NH−または−O−であり(ただし、Gが−C(=O)−またはC−C−アルキレン−C(=O)−であるとき、Qは−O−である。);
Xは、存在しないか、またはC−C−アルキレンである。ただし、Xが存在しないとき、ヘテロ環式ラジカルRは、環炭素原子により結合する。]
で示される化合物、またはその塩である、請求項26記載の販売用パッケージ。
【請求項29】
該1種以上の薬学的活性剤が、アポトーシスタンパク質の阻害剤;ステロイド;代謝拮抗剤;MEK阻害剤;PKC阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;および、トポイソメラーゼ阻害剤ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26記載の販売用パッケージ。
【請求項30】
請求項28記載の販売用パッケージを含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項31】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
(a)Erb−BおよびVEGF受容体阻害剤化合物の医薬組成物;ならびに
(b)N−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド、フロクスウリジン、クラドリビン、ブタンジニトリル、スタウロスポリン;テニポシド;エトポシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される薬学的活性剤化合物の医薬組成物(ここで、(a)および(b)を、1個の合した単位投与量形態または2個の個別単位投与量形態で、共に、逐次に、または個別に投与する。)を含む、販売用パッケージ。
【請求項33】
該単位投与量形態が固定した組合せ剤である、請求項32記載の販売用パッケージ。
【請求項34】
請求項32記載の販売用パッケージを含む、増殖性疾患の予防法または処置法。
【請求項35】
該増殖性疾患が、卵巣癌、肺癌腫および黒色腫から選択される、請求項34記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−532497(P2009−532497A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504434(P2009−504434)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/065911
【国際公開番号】WO2007/115286
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】