説明

発光素子を備えた発光装置

【課題】画素部の発光素子の抵抗値の変動を検出するモニター用の発光素子を画素と同一基板上に設けた発光装置において、モニター素子からの光漏れを抑える。
【解決手段】画素部の発光素子及びモニター素子は、それぞれ、透明電極165、171、有機化合物層167、反射電極168を有する。画素部の発光素子とモニター素子の透明電極165、171の下地となる絶縁膜178の膜厚が異なっており、その膜厚はλ/4の奇数倍となっている。λはモニター素子か発する光の波長である。
この結果、モニター素子の透明電極171からの出射光が絶縁膜178で弱められ、モニター素子から最終的に外部に出射する光量を画素部の発光素子よりも小さくできる。よって、モニター素子を画素の発光素子と同じ大きさにしても、モニター素子の発光が表示の妨げにならないようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子を備えた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画素を自発光型の発光素子で画素を形成した薄型の表示装置が注目を浴びている。発光素子としては有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、有機EL素子、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子とも言う)が注目を集めており、有機ELディスプレイなどに用いられるようになってきている。
【0003】
このような自発光型の表示装置では、その駆動方式としてアクティブマトリクス方式が知られている。アクティブマトリクス方式は、各画素に数個のスイッチング用の薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)を有する制御回路を備え、各画素の制御回路により発光、非発光を制御している。
【0004】
また、アクティブマトリクス型の自発光型の発光装置の種類として、ボトムエミッション(Bottom Emission)方式とトップエミッション(Top Emission)方式が知られている。
ボトムエミッション(Bottom Emission)方式は、発光素子からの光を発光素子のTFTが形成されている基板側から下方向に光を取り出す方法であり、トップエミッション(Top Emission)方式は発光素子からの光を、その逆の上方向に取り出す方式である。
【0005】
発光素子は、周囲の温度(以下、「環境温度」という。)によりその抵抗値(内部抵抗値)が変化する性質があるため、定電圧駆動の場合、温度が高くなると電流値が増加し高い輝度となり、温度が低くなると電流値が低下し低い輝度となる。また、経時的にその電流値が減少する性質も有する。特に、有機化合物が用いられる有機EL素子の場合、環境温度や経時的に内部抵抗値が変化しやすい。
【0006】
そのため発光素子を用いた発光装置において、環境温度の変化と経時変化に起因した、画素部の発光素子の電流値の変動による影響を抑制する定電圧駆動の表示装置のため、画素部以外にモニター用発光素子を設け、画素部の発光素子に入力される電流値を補償するための補償回路が提案されている。定電圧駆動の画素部の抵抗値によらず画素部の発光素子の電流値を一定にすることで、画素部の発光素子に入力される電流値モニター用発光素子を用いた補償回路については、特許文献1の実施の形態5等に記載されている。
【特許文献1】特開2002−333861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の補償回路では、モニター素子は電流源からの定電流により駆動され、画素部の発光素子に印加される電圧は、モニター素子両極間に印加される電圧を検出して、その電圧を画素部の発光素子に印加している。そのため、画素部の発光素子の抵抗値の変化をできるだけ正確に検出するには、モニター素子は画素部の発光素子と同特性になるのが望ましく、また、開口率も等しくしておくことが要求される。
【0008】
また、画素部を発光させる間は、モニター素子も同時に発光するため、画素部の表示の妨げにならないように、モニター用発光素子からの光を遮光する必要がある。例えば、トップエミッション方式の場合では、光の射出側の基板に遮光膜を形成して遮光している。
【0009】
また、モニター素子を隠す配線成膜による遮光では、モニター素子の開口率と画素部の発光素子との開口率を等しくすると、モニター素子からの光漏れが大きくなり、十分に遮光することができないおそれがある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解消し、モニター用発光素子を画素部の発光素子と同様に発光させつつ、モニター用の発光素子から外部に射出する光量を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続されていることを共通の構成とする。
【0012】
そして、本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記透明電極が前記基板側に設けられ、前記モニター素子の透明電極は絶縁膜上に接して形成され、前記モニター素子が設けられている部分の前記絶縁膜の膜厚dは、λを前記モニター素子が発する光の波長、Nを正の整数としたとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0013】
他の本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子の透明電極は同じ絶縁膜上に接して形成され、前記モニター素子の透明電極が設けられている箇所の膜厚dは、前記画素の発光素子の透明電極が形成されている箇所よりも薄く、前記膜厚dは、λを前記モニター素子が発する光の波長、Nを正の整数としたとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0014】
他の本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記透明電極が前記基板側に設けられており、前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0015】
他の本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記透明電極が前記基板側に設けられており、前記モニター素子の透明電極は、前記画素の発光素子の透明電極よりも薄く、前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0016】
他の本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記反射電極が前記基板側に設けられており、前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0017】
他の本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記反射電極が前記基板側に設けられており、前記モニター素子の透明電極は、前記画素の発光素子の透明電極よりも薄く、前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0018】
他の本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、それぞれ、一対の第1及び第2の透明電極、前記第1と第2の透明電極に挟まれた有機化合物層を有し、前記第1の透明電極が前記基板側に設けられ、前記モニター素子の第1の透明電極は、絶縁膜上に形成され、前記モニター素子の第1の透明電極は絶縁膜上に接して形成され、前記モニター素子が設けられている部分の前記絶縁膜の膜厚dは、λを前記モニター素子が発する光の波長、Nを正の整数、d=(2N−1)λ/4を満たし、前記モニター素子の第2の透明電極の膜厚dは、Mを正の整数としたとき、d=(2M−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0019】
他の本発明の1つは、前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、それぞれ、一対の第1及び第2の透明電極、前記第1と第2の透明電極に挟まれた有機化合物層を有し、前記第1の透明電極が前記基板側に設けられ、前記モニター素子の第1の透明電極は、絶縁膜上に形成され、前記モニター素子の第1の透明電極の膜厚dは、λを前記モニター素子が発する光の波長、Nを正の整数としたとき、d=(2N−1)λ/4を満し、前記モニター素子の第2の透明電極の膜厚dは、Mを正の整数としたとき、d=(2M−1)λ/4を満たすことを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記画素の発光素子及び前記モニター素子の有機化合物層は、同時に形成されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の発光装置は、アクティブマトリクス型の画素部を定電圧駆動をさせるため、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路を備えることにより、環境温度や経時的劣化により画素部の発光素子の特性が変化しても、画素部の発光素子の抵抗値の変動を検出して、画素部の発光素子に流れる電流を一定にすることができる。その結果、発光素子の抵抗値が上がっても流れる電流をおさえることができるため、環境温度、経時的な劣化によって、画素部の発光素子の抵抗値が上がっても、発光装置の消費電力が増加することを避けることができる。
【0022】
そして、本発明の発光装置は、モニター素子から表示側に漏れる光を抑えることができるため、モニター発光素子の開口率を大きくし、画素部の発光素子の開口率に近づけることができる。その結果、より正確に画素部の発光素子の抵抗値の変動を検出できる。
【0023】
また、本発明は、ボトムエミッション(Bottom Emission)方式とトップエミッション(Top Emission)方式の両方式の発光装置に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、構造や材料の置き換え、あるいは実施の形態ごとの組み合わせは任意に行えることはいうまでもない。
【0025】
(実施の形態1)
本実施の形態では、発光素子の温度及び劣化を補償するための補償回路を有するボトムエミッション型の発光装置について説明する。
【0026】
まず、補償回路の基本原理を図1を用いて説明する。図1はアクティブマトリクス型表示装置本実施の形態の発光装置の模式図を示したものである。
【0027】
本発明の表示装置は、ゲート信号線駆動回路107、ソース信号線駆動回路108及び画素部109を備える。画素部109は複数の画素106から構成される。そして、本発明の表示装置は温度及び劣化補償回路(以下補償回路という)を有する。
【0028】
画素106は、説明の都合上、電流制御用TFT104と発光素子105のみを示した。他、電流制御用TFT104のオン・オフを制御するためのスイッチ用TFTや、容量などが設けられる。
【0029】
補償回路は、発光素子でなるモニター素子102、バッファアンプ103を有し、定電流源101がモニター素子102に接続されている。
【0030】
モニター素子102は画素の発光素子105と同一の電流特性を持つ発光素子で形成する。例えばEL素子で発光素子を形成する場合には、モニター素子102のEL素子と発光素子105のEL素子は同じEL材料を、同じ条件で作製するようにする。
【0031】
定電流源101はモニター素子102に一定の電流を供給する。つまりモニター素子102の電流値は常に一定である。この状態で環境温度が変化すると、モニター素子102自体の抵抗値が変化する。モニター素子102の抵抗値が変化すると、当該モニター素子102の電流値は一定であることから、モニター素子102の両電極間の電位差が変化する。この温度変化によるモニター素子102の電位差を検出することで環境温度の変化を検出する。より詳しくは、モニター素子102の一定の電位に保たれている側の電極の電位、つまり図1では陰極110の電位は変わらないので、定電流源101に接続されている側の電位、つまり図1では陽極111側の電位の変化を検出する。
【0032】
図2はモニター素子の電圧・電流特性の温度依存性を示す図である。室温、低温、高温でのモニター素子102の電圧・電流特性をそれぞれ線21、線22、線23に示す。定電流源101からモニター素子102へ流れる電流値がIであるとき、室温ではモニター素子にVの電圧がかかっていることになる。そして、低温時ではVの電圧となり、高温時ではVの電圧となる。
【0033】
このようなモニター素子102の電圧の変化を含む情報は、バッファアンプ103に供給され、陽極111の電位に基づき当該バッファアンプ103で発光素子105に供給する電位を設定する。つまり図2のように環境温度が低温となった場合には発光素子105にV1の電圧がかかるように電位を設定し、高温となった場合には発光素子105にV2の電圧がかかるように電位を設定する。そうすると、温度変化に合わせて、発光素子105に入力する電源電位を補正することができる。つまり、温度変化に起因した電流値の変動を抑制することができる。
【0034】
また、図3はモニター素子102の電圧・電流特性の経時劣化を示す図である。モニター素子102の初期特性を線31、劣化後の特性を線32で表している。なお、初期特性と劣化後の特性は同じ温度条件で測定したものとする。初期特性の状態でモニター素子102に電流Iが流れるとモニター素子102にかかる電圧はV、劣化後のモニター素子102にかかる電圧はVとなる。よって、このVの電圧を、同様に劣化した発光素子105に印加するようにすれば、見かけ上の発光素子105の劣化を低減することができる。このように、モニター素子102も発光素子105とともに劣化するため、発光素子105の劣化に対しても補償することができる。
【0035】
このようにモニター素子102の陽極111の電位の変化に合わせて発光素子105の陽極に同電位を設定するバッファアンプ103には、オペアンプを用いたボルテージフォロワ回路を適用することができる。ボルテージフォロワ回路の非反転入力端子は高入力インピーダンスで、出力端子は低出力インピーダンスであるため入力端子と出力端子を同電位とし、定電流源101の電流がボルテージフォロワ回路に流れ込むことなく出力端子からは電流を流すことができるからである。
【0036】
補償回路を有する発光装置の具体的構成例について図4、図5及び図6を用いて説明する。図4は、発光装置の上面図、図5は図4をA−A’で切断した断面図である。図6画素部151の等価回路を示す。図6に示すように、画素部151はアクティブマトリクス型である。なお、本発明において、画素部の等価回路図は図6に限定されないことはもちろんである。
【0037】
図4に示すように表示装置は駆動回路部(ソース信号線駆動回路150)、画素部151、モニター素子などを備えた補償回路152、駆動回路部(ゲート信号線駆動回路153)を有する。また、封止用の基板(対向基板154)とシール材155で囲まれた内側は、密封空間156になっている。補償回路152には、画素部の列ごとにモニター素子が設けられている。
【0038】
配線158(図5に図示)はソース信号線駆動回路150及びゲート信号線駆動回路153に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC159(フレキシブルプリントサーキット)からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。また、FPC159上にはICチップ160(半導体集積回路)がCOG(Chip On Glass)で接続されている。なお、ICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いて接続してもよい。
【0039】
断面構造について図5を用いて説明する。基板157上には下地膜175が形成されている。下地膜175上にソース信号線駆動回路部150、画素部151、補償回路152及びゲート信号線駆動回路153が形成されている。
【0040】
なお、ソース信号線駆動回路150の断面構造として、図5では代表的にnチャネル型TFT161とのpチャネル型TFT162とを組み合わせたCMOS回路で示した。基板157に形成される、画素部を含む回路は、全てpチャネル型TFTのみ、又はnチャネル型TFTのみで形成することもできる。また、画素部以外の回路をpチャネル型TFTのみ、又はnチャネル型TFTのみで形成することもできる。
【0041】
また、本実施の形態では、同時にTFTにより形成した画素部と駆動回路を一体型として構造を示すが、必ずしも、駆動回路を画素部と同時に形成する必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。駆動部と画素部を同時に形成することにより、画素部と駆動回路の接続を省略できるという利点がある。
【0042】
画素部151において、複数の画素ごとに、下地膜175上にスイッチング用TFT163と電流制御用TFT164が設けられている。
【0043】
これらのTFT上には絶縁膜176が形成される。絶縁膜176は、可視光を透過する透光性の絶縁膜であり、無機の絶縁物でなる。例えば、窒化珪素(SiN)膜、酸化窒化珪素(SiN)膜,酸化珪素(SiO)膜などの多層又は単層膜が、絶縁膜176として形成される。
【0044】
絶縁膜176上には、上記のTFTのソース、ドレインに接続される電極又は配線、端子部の配線158、補償回路152に配置された配線170などが形成される。
【0045】
さらに、これらの電極や配線上に、可視光を透過する透光性の絶縁膜178が形成される。絶縁膜178は、下部構造の凹凸を相殺し、平坦な表面が得られるものが好ましい。絶縁膜178の表面を平坦化するのは、画素部151や補償回路152に配置される発光素子を平坦な表面に形成するためである。よって絶縁膜178には、少なくとも一層塗布法で形成される層を形成することが好ましい。塗布法で形成される層として、アクリルやポリイミドなどの樹脂膜や、シロキサン等を材料とする酸化珪素の塗布膜が好ましい。なお、絶縁膜178は補償回路152の部分が薄くなっている。この点については後述する。
【0046】
絶縁膜178上に、透明導電膜が形成され、リソグラフィ法等によりマスクパターンを転写し、エッチングすることにより、画素の発光素子169、モニター素子172それぞれの陽極となる透明電極165、透明電極171が形成される。絶縁膜178には、透明電極165、透明電極171に対するコンタクトホールが形成され、絶縁膜178上の電極180、電極181により、透明電極165は電流制御用TFT164に接続され、透明電極171は配線170に接続される。
なお、リソグラフィ法等によりマスクパターンを転写する、とは、リソグラフィ法の他にインクジェット法を用いたマスクパターン転写技術、ナノインプリント法を用いたマスクパターン転写技術も含み、また感光性の有機膜(例えばアクリル・ポリイミド等)にマスクパターンを露光して現像することも含むものとして定義する。
【0047】
透明電極165、透明電極171を形成する透明な導電膜は、仕事関数の高い導電膜を用いることが好ましく、材料としてはインジウム錫酸化物(以下ITOという。),Si元素を含むインジウム錫酸化物(以下ITSOという),酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)などの材料、もしくはこれらを組み合わせた化合物を含む膜を用いることができる。
【0048】
中でもITSOは、熱処理を行ってもITOのように結晶化せず、アモルファスの状態のままである。従って、ITSOは、ITOよりも平坦性が高く、陰極と陽極のショートが生じにくく適している。
【0049】
後述する有機化合物層167等のカバレッジを良好なものとするため、透明電極165、透明電極171上には、絶縁膜166が設けられる。絶縁膜166には、画素部の発光素子169、及びモニター素子172が設けられている部分に開口が設けられており、この開口の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。絶縁膜166として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。例えば、絶縁膜166の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁膜166の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。
【0050】
絶縁膜166上に有機化合物を含む層(以下、「有機化合物層167」という)が形成される。有機化合物層167には電界を印加することで発光する発光層が少なくとも設けられている。有機化合物層167は蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法によって形成される。有機化合物層167には、低分子系の有機化合物であっても高分子系の有機化合物であっても良い。また、電界発光層に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本明細書の発光装置では有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。さらに、公知の三重項材料を用いることも可能である。なお、画素部151と補償回路152とで有機化合物層167を共通して設けたが、絶縁膜166の開口部を利用して、分離して設けてもよい。
【0051】
有機化合物層167上に、画素部151と補償回路152に共通に、陰極となる反射電極168が形成される。反射電極168に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF、または窒化カルシウム)を用いればよい。こうして、光を反射する膜を用いることで光が透過しない電極を形成することができる。
【0052】
そして、シール材155で封止用の基板154をTFTや発光素子が形成されている基板157に貼り合わせる。その結果、基板157、基板154、およびシール材155で囲まれた密封空間156に発光素子169、及びモニター素子172が備えられた構造になる。なお、156の密封空間には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填したり、シール材155のような樹脂で代表される固体物で充填される。
【0053】
シール材155にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、基板154に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【0054】
図7に、画素部の発光素子169とモニター素子172の断面図を示す。画素部の発光素子とモニター素子の透明電極165の下地となる絶縁膜178の膜厚が異なっており、モニター素子172が形成されている箇所の絶縁膜178が薄くなっている。本実施の形態では、薄くなっている部分の絶縁膜178の厚さがλ/4の奇数倍となるように、成膜とエッチングによりその膜厚を制御する。λはモニター素子が発する光の波長である。
【0055】
この結果、モニター素子の透明電極171から絶縁膜178に入射した光は、絶縁膜178内で干渉して弱められるため、絶縁膜178から射出する光量が少なくなる。その結果、モニター素子172から基板外部へ最終的に射出する光量が画素部の発光素子169に比べ小さくなる。
【0056】
また、絶縁膜178は単層膜、多層膜のいずれでもよい。多層構造とすることで絶縁膜178で多重反射が生じ、モニター素子から最終的に取り出される光量をより減らすことが期待できる。多層の場合、それぞれの層の膜厚をλ/4の奇数倍となるように形成するとより好ましい。
【0057】
なお、画素部の発光素子として、有機化合物を含む層の材料を適宜変更して、3種類(R、G、B)の発光する発光素子を設けて、フルカラー表示を行う場合、発光素子の発光波長が異なる。Rの発光波長は610〜780nm、Gの発光波長は500〜570nm、Bの発光波長は430〜460nmなので、光の干渉現象で光が弱め合う状態になる膜厚もそれぞれ異なる。膜厚はλ/4の奇数倍となるので、補償回路152における絶縁膜178の膜厚は、R、G、Bの順に薄くなる。
【0058】
このような場合は、絶縁膜178の膜厚制御は成膜工程と、リソグラフィ法等によりマスクパターンを転写し、エッチングする工程を複数回繰り返して膜厚制御を行う。成膜手段として、溶液を塗布する塗布法が簡便で好ましく、また平坦な表面を得られる点で好ましい。以下、塗布法で、部分的に膜厚を異ならせて、絶縁膜178を形成する方法を説明する。
【0059】
まず、基板全体に、Rの発光素子からの光(以下、「Rの光」と省略する。G、Bについても同様)の遮光に必要な膜厚dと、最も厚くなる画素部の膜厚dとの差分の厚さに、絶縁膜178を塗布法により成膜する。そして、補償回路152全体から、絶縁膜178をリソグラフィ法等によりマスクパターンを転写し、エッチングして除去する。
【0060】
次に、Rの光の遮光に必要な膜厚dとGの光の遮光に必要な膜厚dの差分の厚さに絶縁膜178を基板157全面に塗布法により形成し、G、Bの発光素子172から絶縁膜178をリソグラフィ法等によりマスクパターンを転写し、エッチングして除去する。
【0061】
次に、Gの光の遮光に必要な膜厚dとBの光の遮光に必要な膜厚d差分の厚さに絶縁膜178を塗布法により基板157全面に塗布法で形成し、Bの発光素子172の部分から絶縁膜178をリソグラフィ法等によりマスクパターンを転写し、エッチングして除去する。
【0062】
最後に、Bの光の遮光に必要な膜厚dで基板全体に絶縁膜178を全体に形成する。以上の工程を行うと、R、G、Bのモニター素子172と、画素部151において絶縁膜178の厚さを異ならせることができる。
【0063】
(実施の形態2) 図8に本実施の形態の画素部の発光素子とモニター素子の断面図を示す。他は実施の形態1と同様である。
【0064】
本実施の形態では、画素部の発光素子の透明電極165とモニター素子の透明電極171の膜厚が異なり、モニター素子の透明電極171の方が薄く、その膜厚を(2N−1)λ/4になるようにする。ここでNは正の整数であり、λはモニター素子が発する光の波長である。
【0065】
この結果、モニター素子で発した光は、透明電極171で干渉し、弱められるため、透明電極171から射出する光量を画素部の発光素子に比べ小さくすることができる。
【0066】
本実施の形態では、透明電極165、透明電極171の下地となる絶縁膜の膜厚は一様にする。したがって絶縁膜178を省略し、透明電極165、透明電極171はTFT上に設けられて絶縁膜176上に形成される。この場合、電極180、電極181も形成されないため、画素部の透明電極165は電極180を介さずに電流制御用TFT164の電極に直接に接続され、モニター素子の透明電極171は電極181を介さずに、配線170に接続されることとなる。
【0067】
また、モニター素子の透明電極171は単層膜、多層膜のいずれでもよい。多層構造とすることで透明電極171で多重反射が生じ、モニター素子から最終的に取り出される光量をより減らすことが期待できる。例えば3層構造にする場合、反射率の異なる2種類の膜を用い、より反射率の高い材料でなる膜で反射率の低い膜を挟むとよい。また、多層の場合、それぞれの層の膜厚をλ/4の奇数倍となるように形成するとより好ましい。
【0068】
なお、本実施の形態の場合、画素部の透明電極165とモニター素子の透明電極171の抵抗値が異なることになるが、有機化合物層167の抵抗値が透明電極165、171に比べて非常に高いため、補償回路152の動作には影響がない。
【0069】
また、本実施の形態でも、画素部にRGBの発光素子を設けた場合、実施の形態1と同様に、RGBごとにモニター素子の透明電極の膜厚を発光する波長にあわせて制御するとよい。透明電極の厚さの制御も、実施の形態1の絶縁膜178の膜厚制御と同様に、透明導電膜の成膜工程と、リソグラフィ法等によりマスクパターンを転写し、エッチングする工程の繰り返しにより行うことができる。
【0070】
また、本実施の形態においても、実施の形態1のように絶縁膜178を設け、絶縁膜178の厚さを画素部151と補償回路152とで異ならせてもよい。
【0071】
(実施の形態3) 図9に本実施の形態の画素部の発光素子とモニター素子172の断面図を示す。本実施の形態はトップエミッション型の発光装置に関するものである。図9に示す画素部の発光素子と、モニター素子の構造の他は、実施の形態1と同様である。
【0072】
絶縁膜205上に、モニター素子の反射電極204と透明電極203でなる下部電極、画素部の反射電極214と透明電極213でなる下部電極が形成される。これら下部電極上に絶縁膜202が形成されている。
【0073】
下部電極上に、画素部とモニター素子に共通に、有機化合物層201、及び透明電極200が形成されている。なお、本実施の形態の絶縁膜205は、図5の絶縁膜176に対応する(図5を参照のこと。)。本実施の形態の場合、絶縁膜178、電極180、181は省略されるため、画素部の下部電極は電極180を介さずに電流制御用TFT164の電極に直接に接続され、モニター素子の下部電極は電極181を介さずに、配線170に接続されることとなる。
【0074】
本実施の形態では、透明電極200において、モニター素子の部分の膜厚が画素部と異なり、薄く、その膜厚を(2N−1)λ/4になるようにする。ここでNは正の整数であり、λはモニター素子が発する光の波長である。この結果、モニター素子において、有機化合物層201で発した光は、透明電極200内で干渉し弱められるため、最終的に透明電極200から射出する光量を画素部の発光素子に比べ小さくすることができる。
【0075】
また、透明電極200は単層膜、多層膜のいずれでもよい。多層構造とすることで、透明電極200のモニター素子の部分で多重反射が生じ、モニター素子から最終的に取り出される光量をより減らすことが期待できる。例えば3層構造にする場合、反射率の異なる2種類の膜を用い、より反射率の高い材料でなる膜で反射率の低い膜を挟むとよい。また、多層とした場合、それぞれの層の膜厚をλ/4の奇数倍となるように形成するとより好ましい。
【0076】
なお、本実施の形態の場合、透明電極200が画素部の発光素子とモニター素子とでは抵抗値が異なることになるが、有機化合物層201の抵抗値が透明電極200に比べて非常に高いため、補償回路152の動作には影響がない。
【0077】
また、本実施の形態でも、画素部にRGBの発光素子を設けた場合、実施の形態2と同様に、透明電極200の厚さをモニター素子の部分においてRGBごとに異ならせるとよい。
【0078】
また、本実施の形態では、反射電極204、反射電極214上にそれぞれ透明電極203、透明電極213を設けたが、省略してもよい。透明電極203、透明電極213を設ける場合、透明電極203の膜厚をλ/4の奇数倍となるように形成すると、反射電極204での反射光を減衰させることができるため、モニター素子から最終的に取り出される光量をより減らすことができる。
【0079】
(実施の形態4) 図10に本実施の形態の画素部の発光素子とモニター素子の断面図を示す。本実施の形態はボトムエミッション方式とトップエミッション方式を複合化した方式であり、画素部の両面から光を射出させることができる方式の発光装置に関するものである。本明細書ではこの方式をデュアルエミッション方式という。本実施の形態の発光装置は画素部の発光素子と、モニター素子の構造以外は、実施の形態1と同様である。
【0080】
絶縁膜305上に、モニター素子の透明電極303、画素部の透明電極313が形成される。これら透明電極303、透明電極313上に絶縁膜302が形成されている。この絶縁膜302は図5の絶縁膜166に相当する膜である。
【0081】
透明電極303、313上に、画素部とモニター素子に共通に、有機化合物層301、及び透明電極300が形成されている。なお、本実施の形態の絶縁膜305は、図5の絶縁膜176に対応する。本実施の形態の場合、図5の絶縁膜178、電極180、181は省略される。この場合、画素部の透明電極313は電極180を介さずに電流制御用TFT164の電極に直接に接続され、モニター素子の透明電極303は電極181を介さずに、配線170に接続されることとなる。
【0082】
本実施の形態では、モニター素子の透明電極303の膜厚が画素部の透明電極313と異なり、薄くなっている。かつ透明電極303の膜厚をλ/4の奇数倍になるようにする。λはモニター素子が発する光の波長である。この結果、モニター素子において、上方に射出する光量を画素部の発光素子に比べ小さくすることができる。
【0083】
さらに、本実施の形態では、透明電極300において、モニター素子の部分の膜厚が画素部と異なり、薄く、その膜厚をλ/4の奇数倍になるようにする。この結果、モニター素子において、下方に射出する光量を画素部の発光素子に比べ小さくすることができる。
【0084】
また、透明電極303、透明電極300は単層膜、多層膜のいずれでもよい。多層構造とすることで、透明電極303や透明電極300のモニター素子の部分で多重反射が生じ、モニター素子から最終的に取り出される光量をより減らすことが期待できる。例えば3層構造にする場合、反射率の異なる2種類の膜を用い、より反射率の高い材料でなる膜で反射率の低い膜を挟むとよい。また、多層とした場合、それぞれの層の膜厚をλ/4の奇数倍となるように形成するとより好ましい。
【0085】
なお、本実施の形態の場合、モニター素子の2透明電極の抵抗値が画素部の発光素子と異なることになるが、有機化合物層301の抵抗値が透明電極300、透明電極303に比べて非常に高いため、補償回路152の動作には影響がない。
【0086】
また、本実施の形態でも、画素部にRGBの発光素子を設けた場合、実施の形態2と同様に、モニター素子のそれぞれの透明電極300、透明電極303をRGBごとに異ならせるとよい。
【0087】
なお、本実施の形態の場合、モニター素子の一対の透明電極の抵抗値が画素部の発光素子と異なることになるが、有機化合物層301の抵抗値が透明電極300、透明電極303に比べて非常に高いため、補償回路152の動作には影響がない。
【0088】
また、本実施の形態でも、実施の形態1のように絶縁膜178(図5参照のこと)を設け、絶縁膜178の厚さを制御することで、モニター素子の下方からの射出光量を減少させてもよい。この場合、透明電極303の厚さはλ/4の奇数倍となるようにしてもよいし、画素部と同じ厚さでもよい。
【0089】
(実施の形態5) 実施の形態1〜4において説明したように、本発明は、画素部の発光素子の環境温度変化や経時変化による抵抗値の変動による消費電力をおさえることができる。よって、バッテリー駆動する電子機器の表示部や、消費電力が高い大画面の表示装置や、長時間に使用したり、発熱しやすい電子機器の表示部に好適である。例えば、テレビジョン装置(テレビ、テレビジョン受信機)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話装置(携帯電話機)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、モニター、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例について、図11を参照して説明する。
【0090】
例えば、図11(A)の携帯情報端末、図11(B)のデジタルビデオカメラ、図11(C)の携帯電話、図11(D)に示す携帯型のテレビジョン装置、図11(E)に示すノート型のコンピュータ、図11(F)に示すテレビジョン装置である。それぞれの表示部2001〜表示部2006に、本発明を用いた発光装置が用いられる。
【0091】
本発明により、図11(A)〜(E)に示すようなバッテリーを用いているものは、消費電力を抑えられるため、電子機器の使用時間を長持ちさせることができる。
【0092】
また、図11(F)にテレビジョン装置のような大型の表示部であっても、ソース信号線駆動回路の発熱が抑えられるため、長時間使用しても発熱による消費電力を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】補償回路を備えた発光装置のブロック図
【図2】モニター素子の電圧・電流特性の温度依存性を示す図
【図3】モニター素子102の電圧・電流特性の経時劣化を示す図
【図4】アクティブマトリクス型の画素部を備えた発光装置の上面図
【図5】アクティブマトリクス型の画素部を備えた発光装置の断面図
【図6】画素部の等価回路図である。
【図7】画素部の発光素子とモニター発光素子の断面図(実施の形態1)
【図8】画素部の発光素子とモニター発光素子の断面図(実施の形態2)
【図9】画素部の発光素子とモニター発光素子の断面図(実施の形態3)
【図10】画素部の発光素子とモニター発光素子の断面図(実施の形態4)
【図11】発光装置を用いた電子機器の説明図(実施の形態5)
【符号の説明】
【0094】
21 線
22 線
23 線
31 線
32 線
101 定電流源
102 モニター素子
103 バッファアンプ
104 電流制御用TFT
105 発光素子
106 画素
107 ゲート信号線駆動回路
108 ソース信号線駆動回路
109 画素部
110 陰極
111 陽極
150 ソース信号線駆動回路
151 画素部
152 補償回路
153 ゲート信号線駆動回路
154 対向基板
155 シール材
156 密封空間
157 基板
158 配線
159 FPC
160 ICチップ
161 nチャネル型TFT
162 pチャネル型TFT
163 スイッチング用TFT
164 電流制御用TFT
165 透明電極
166 絶縁膜
167 有機化合物層
168 反射電極
169 発光素子
170 配線
171 透明電極
172 モニター素子
175 下地膜
176 絶縁膜
178 絶縁膜
180 電極
181 電極
200 透明電極
201 有機化合物層
202 絶縁膜
203 透明電極
204 反射電極
205 絶縁膜
213 透明電極
214 反射電極
300 透明電極
301 有機化合物層
302 絶縁膜
303 透明電極
305 絶縁膜
313 透明電極
2001 表示部
2006 表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記透明電極が前記基板側に設けられており、
前記モニター素子の透明電極は絶縁膜上に接して形成され、
前記モニター素子がもう得られている部分の前記絶縁膜の膜厚dは、λを前記モニター素子が発する光の波長、Nを正の整数としたとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを
特徴とする発光装置。
【請求項2】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記透明電極が前記基板側に設けられており、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子の透明電極は同じ絶縁膜上に接して形成され、前記モニター素子の透明電極が設けられている箇所の膜厚dは、前記画素の発光素子の透明電極が形成されている箇所よりも薄く、
前記膜厚dは、λを前記モニター素子が発する光の波長、Nを正の整数としたとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記透明電極が前記基板側に設けられており、
前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記透明電極が前記基板側に設けられており、
前記モニター素子の透明電極は、前記画素の発光素子の透明電極よりも薄く、
前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記反射電極が前記基板側に設けられており、
前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、反射電極、透明電極及び前記反射電極と前記透明電極とに挟まれた有機化合物層を有し、前記反射電極が前記基板側に設けられており、
前記モニター素子の透明電極は、前記画素の発光素子の透明電極よりも薄く、
前記モニター素子の透明電極の膜厚dは、λをモニター素子が発する光の波長、Nを正の整数したとき、d=(2N−1)λ/4を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子において、前記反射電極の上面に接して他の透明電極が設けられ、
前記モニター素子の他の透明電極の厚さは、Kを正の整数としたとき、(2K−1)λ/4
を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、それぞれ、一対の第1及び第2の透明電極、前記第1と第2の透明電極に挟まれた有機化合物層を有し、前記第1の透明電極が前記基板側に設けられ、
前記モニター素子の第1の透明電極は、絶縁膜上に形成され、
前記モニター素子の第1の透明電極は絶縁膜上に接して形成され、
前記モニター素子が設けられている部分の前記絶縁膜の膜厚dは、λを前記モニター素
子が発する光の波長、Nを正の整数、d=(2N−1)λ/4を満たし、
前記モニター素子の第2の透明電極の膜厚dは、Mを正の整数としたとき、d=(2M−1)λ/4を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項9】
複数の画素を有する画素部と、前記画素部の周辺に配置され、発光素子でなるモニター素子を備えた補償回路とが同一基板上に設けられ、
前記複数の画素は、それぞれ、発光素子、薄膜トランジスタを有し、
前記補償回路はモニター素子を備え、定電流源が接続され、
前記モニター素子には前記定電流源により一定の電流が与えられ、
前記補償回路は前記モニター用素子の抵抗値で決まる電位を出力し、
前記補償回路の出力は、前記画素の薄膜トランジスタを介して、前記画素の発光素子の一方の電極に接続され、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子は、それぞれ、一対の第1及び第2の透明電極、前記第1と第2の透明電極に挟まれた有機化合物層を有し、前記第1の透明電極が前記基板側に設けられ、
前記モニター素子の第1の透明電極は、絶縁膜上に形成され、
前記モニター素子の第1の透明電極の膜厚dは、λを前記モニター素子が発する光の波
長、Nを正の整数としたとき、d=(2N−1)λ/4を満し、
前記モニター素子の第2の透明電極の膜厚dは、Mを正の整数としたとき、d=(2M−1)λ/4を満たすことを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項において、
前記画素の発光素子及び前記モニター素子の有機化合物層は、同時に形成されたものであることを特徴とする発光装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項において、
前記補償回路にバッファアンプが用いられていることを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発光装置を用いたテレビジョン装置。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発光装置を用いた携帯情報端末。
【請求項14】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発光装置を用いたカメラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−186324(P2006−186324A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332499(P2005−332499)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】