説明

発光装置、発光装置の製造方法、及び発光装置用パッケージアレイ

【課題】成形体とリードとの密着力を向上可能な発光装置、発光装置の製造方法、及び発光装置用パッケージアレイを提供する。
【解決手段】発光装置100において、第1リード40は、第1脚部101を有する。第1脚部101は、成形体30の外表面(パッケージ20の背面20D)と、第1接続部41の第1裏面41Bとに連なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を備える発光装置、発光装置の製造方法、及び発光装置用パッケージアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶テレビ用バックライト、照明器具、或いは光通信用デバイスなどの光源として、発光素子(例えば、発光ダイオードやレーザーダイオード)と、発光素子が載置されるパッケージと、を備える発光装置が広く用いられている。パッケージは、樹脂によって構成される成形体と、成形体に埋設され、金属によって構成される板状の接続部を有するリードとを備える。
ここで、金型内にセットされた接続部の周りに流し込まれる樹脂材料を加熱硬化させるトランスファモールド法によって、成形体を形成する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−106243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の手法によると、流し込まれた樹脂材料が板状の接続部の端を回り込む際、樹脂材料からの圧力によって、接続部が微小に振動してしまう。そのため、接続部の周囲に樹脂材料を一様に行き渡らせることができず、成形体とリードとの密着力が低下するおそれがある。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、成形体とリードとの密着力を向上可能な発光装置、発光装置の製造方法、及び発光装置用パッケージアレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る発光装置は、樹脂によって構成される成形体と、成形体に埋設されるリードと、を有するパッケージと、パッケージに載置される発光素子とを備える。リードは、板状に形成されており、発光素子と電気的に接続される接続面と、接続面に対向する裏面とを有する接続部と、成形体の外表面と、接続部の裏面と、に連なる脚部とを含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、成形体とリードとの密着力を向上可能な発光装置、発光装置の製造方法、及び発光装置用パッケージアレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係る発光装置100を前方から見た斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る発光装置100を後方から見た斜視図である。
【図3】図1の透視図である。
【図4】図2の透視図である。
【図5】第1実施形態に係る発光装置100の背面20Dの透視図である。
【図6】図5のA−A線における断面図である。
【図7】第1実施形態に係る発光装置100の第1側面20E1の透視図である。
【図8】第1実施形態に係る発光装置100の第2側面20E2の透視図である。
【図9】第1実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【図10】第1実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【図11】第1実施形態に係るリードフレーム45の拡大図である。
【図12】図11のB−B線における切断面である。
【図13】第1実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【図14】第1実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【図15】第2実施形態に係る発光装置100Aを前方から見た斜視透視図である。
【図16】第2実施形態に係る発光装置100Aを後方から見た斜視透視図である。
【図17】第3実施形態に係る発光装置100を後方から見た透視斜視図である。
【図18】第3実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【図19】第4実施形態に係る発光装置100を後方から見た透視斜視図である。
【図20】第4実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【図21】第4実施形態に係るリードフレーム45Bの拡大図である。
【図22】第4実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0009】
[第1実施形態]
(第1実施形態の概要)
第1実施形態では、成形体とリードとの密着力を向上可能な発光装置、及びその製造方法について説明する。具体的に、発光装置のリードは、成形体と、板状の接続部と、接続部の主面上に立てられた脚部とを有する。脚部は、成形体の外表面に露出する。
以下、発光装置の構成、及びその製造方法について順次説明する。
【0010】
(発光装置の構成)
第1施形態に係る発光装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る発光装置100を前方から見た斜視図である。図2は、第1実施形態に係る発光装置100を後方から見た斜視図である。
【0011】
発光装置100は、発光素子10と、パッケージ20と、を備える。本実施形態に係る発光装置100は、いわゆるサイドビュー型の発光装置であり、発光素子10の出射光は、底面20Aに平行な方向に取り出される。
【0012】
本実施形態において、発光装置100の外形は、実装面200Aに平行な第1方向に沿って延びる略直方体形状である。本実施形態において、発光装置100のサイズは、第1方向において約3mm程度、第1方向に直交し、実装面200Aに平行な方向(以下、「第2方向」という。)において1mm程度、第1方向及び第2方向に直交する方向(以下、「第3方向」という。)において1mm程度である。ただし、発光装置100の外形及びサイズは、これに限られるものではない。
【0013】
〈発光素子10〉
発光素子10は、パッケージ20に載置される。発光素子10は、第1ワイヤ11及び第2ワイヤ12を介して、パッケージ20と電気的に接続される。
【0014】
発光素子10は、板状に形成されており、第2方向に対して垂直に配置されている。発光素子10の出射光は、後述する前面開口20Fから第2方向に対して平行な方向に取り出される。
【0015】
発光素子10は、例えば、いわゆる発光ダイオードと呼ばれる半導体発光素子である。発光素子10としては、基板上にGaAlN、ZnS、SnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として有するものが好適に用いられるが、これに限られるものではない。
【0016】
発光素子10には、フェイスアップ構造やフェイスダウン構造を採用することができる。発光素子10のサイズは、特に限定されないが、350μm角、500μm角、1mm角などである。
【0017】
〈パッケージ20〉
本実施形態において、パッケージ20の外形は、第1方向に沿って延びる略直方体形状である。パッケージ20は、底面20Aと、上面20Bと、前面20Cと、背面20Dと、第1側面20E1と、第2側面20E2とを有する。
【0018】
底面20Aは、発光装置100が実装される場合、実装基板(不図示)に当接される。上面20Bは、底面20Aに対向して設けられる。前面20Cは、底面20Aと上面20Bとに連なる。前面20Cは、前面開口20Fを有する。前面開口20Fは、発光素子10の出射光を、パッケージ20の外部に導く。前面開口20Fの内部に露出する第1接続面41A(図3参照)上には、発光素子10が載置されている。背面20Dは、底面20Aと上面20Bとに連なり、前面20Cに対向して設けられる。背面20Dは、第2方向に対して垂直である。背面20Dと底面20Aとの境界は、第1方向に平行である。第1側面20E1は、背面20Dと前面20Cとに連なる。第2側面20E2は、第1側面20E1に対向して設けられる。第1側面20E1及び第2側面20E2は、第1方向に対して垂直である。
【0019】
なお、本実施形態において、前面20Cは、発光素子10の光が出射される光出射面である。一方で、前面20Cと異なる面(底面20A、上面20B、背面20D、第1側面20E1及び第2側面20E2)は、光が出射されない非光出射面である。
【0020】
パッケージ20は、成形体30と、第1リード40と、第2リード50と、封止樹脂60と、によって構成される。
【0021】
(1)成形体30
成形体30は、パッケージ20の外形を成す。従って、成形体30の外表面は、パッケージ20の底面20A、上面20B、前面20C、背面20D、第1側面20E1及び第2側面20E2の大部分を形成している。成形体30の外表面には、図1及び図2に示すように、第1リード40及び第2リード50それぞれの一部が露出している。
【0022】
成形体30は、耐熱性及び適度な強度を有し、発光素子10の出射光や外光などが透過しにくい絶縁性の樹脂材料によって構成される。このような材料としては、熱硬化性樹脂であるトリアジン誘導体エポキシ樹脂が好適である。このような熱硬化性樹脂には、酸無水物、酸化防止剤、離型材、光反射部材、無機充填材、硬化触媒、光安定剤、滑剤が含有されていてもよい。光反射部材としては、0〜90wt%、好ましくは10〜60wt%充填される二酸化チタンを用いることができる。ただし、成形体30の材料は、これに限られるものではなく、例えば、熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を用いることができる。特に、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂は、成形体30の材料として好適である。また、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂を用いてもよい。
【0023】
(2)第1リード40及び第2リード50
第1リード40及び第2リード50は、比較的大きな熱伝導率(例えば、200W/(m・K)程度以上)を有する材料によって構成されることが好ましい。このような材料としては、例えば、Ni、Au、Cu、Ag、Mo、W、アルミニウム、金、鉄等の金属又は鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅等の合金等の単層又は複数層を用いることができる。また、第1リード40及び第2リード50それぞれの表面には、メッキが施されていてもよい。
【0024】
第1リード40及び第2リード50の大部分は、成形体30に埋設されており、第1リード40及び第2リード50の一部分のみが、成形体30から露出している。すなわち、第1リード40及び第2リード50の一部分のみが、パッケージ20の外部から観察される。第1リード40及び第2リード50の構成については後述する。
【0025】
(3)封止樹脂60
封止樹脂60は、前面開口20Fの内部に充填されており、発光素子10を封止する。このような封止樹脂60としては、透光性を有する樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、メタクリル樹脂(PMMA等)、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、変性エポキシ樹脂等から選択される少なくとも1種の樹脂を用いることができる。また、このような材料には、例えば、WO2006/038502号、特開2006−229055号に記載の蛍光体又は顔料、フィラー又は拡散材等が含有されていてもよい。
【0026】
(リードの構成)
次に、第1実施形態に係るリードの構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、図1の透視図である。図4は、図2の透視図である。図5は、第1実施形態に係る発光装置100の背面20Dの透視図である。なお、図3及び図4では、成形体30の輪郭が示されている。
【0027】
〈第1リード40の構成〉
第1リード40は、第1接続部41(「接続部」の一例)と、第1端子部42と、露出部43と、第1脚部101と、によって構成される。本実施形態において、第1端子部42、露出部43及び第1脚部101は、第1接続部41に一体的に連結されている。
【0028】
(1)第1接続部41
第1接続部41は、板状に形成されており、背面20Dに沿って配置される。第1接続部41は、第1接続面41Aと、第1裏面41B(「裏面」の一例)とを有する。
【0029】
第1接続面41Aは、前面開口20Fの内部で成形体30から露出する。第1接続面41Aには、発光素子10が載置されるとともに、第1ワイヤ11が接続されている。これにより、第1接続面41Aと発光素子10とが電気的に接続されている。第1接続面41Aは、封止樹脂60によって封止されている(図1参照)。
【0030】
第1裏面41Bは、第1接続面41Aに対向して設けられる。第1裏面41Bは、成形体30に埋設されている。図5に示すように、第1裏面41Bは、角部41BCORNと、縁41BEDGE(「裏面の縁」の一例)とを有している。角部41BCORNは、第1裏面41Bのうち角Tから所定距離Sの領域である。所定距離Sは、第1裏面41Bの広さに応じて適宜設定可能である。縁41BEDGEは、第1裏面41Bの輪郭(縁)である。
【0031】
(2)第1端子部42
第1端子部42は、立方体状に形成されており、第1接続部41の第1側面20E1側の下端部(「接続部の一端部」の一例)に連結される。第1端子部42は、底面20A、背面20D及び第1側面20E1の境界において成形体30から露出しており、発光装置100の外部電極として機能する。
【0032】
第1端子部42は、第1端面42Aと、第2端面42Bと、第1端子凹部42Sとを有する。第1端面42Aは、パッケージ20の背面20Dにおいて成形体30から露出する。第1端面42Aは、背面20Dの一部を形成する。第2端面42Bは、パッケージ20の第1側面20E1において成形体30から露出する。第2端面42Bは、第1側面20E1の一部を形成する。第1端子凹部42Sは、底面20A、背面20D及び第1側面20E1の境界に形成される切り欠きである。第1端子凹部42Sは、底面20A、背面20D及び第1側面20E1の3面それぞれに連なって開口している。発光装置100が実装される場合、第1端子凹部42Sには、半田が充填される。
【0033】
(3)露出部43
露出部43は、L字状に形成されており、第1接続部41の底面20A側及び背面20D側に連結されている。露出部43は、パッケージ20の底面20A及び背面20Dにおいて成形体30から露出する。これにより、露出部43は、発光素子10から発生する熱を放出するヒートシンクとして機能する。
【0034】
また、露出部43は、底面20A及び背面20Dに連なって開口する凹部43Sを有する。凹部43Sは、底面20Aと背面20Dとの境界の一部に形成される切り欠きである。発光装置100が実装される場合、凹部43S内には半田が収容される。
【0035】
ここで、図6は、図5のA−A線における断面図である。図6に示すように、露出部43は、土台部431と、支持板部432とを有する。
【0036】
土台部431は、第1接続部41の底面20A側に配置される。土台部431は、発光装置100の土台であり、背高で倒れやすい形状の発光装置100を倒れにくくする重りとして機能する。土台部431は、底面20Aに露出している。また、土台部431は、凹部43Sを有する。
【0037】
支持板部432は、板状に形成されており、第1接続部41の背面20D側に配置される。すなわち、支持板部432は、第1接続部41の第1裏面41B上に設けられる。支持板部432は、背面20Dに露出している。このような支持板部432は、後述するように、成形体30の形成工程において、第1接続部41を支持する。
【0038】
(4)第1脚部101
第1脚部101は、図4に示すように、棒状に形成されている。第1脚部101は、成形体30の外表面(本実施形態では、パッケージ20の背面20D)と、第1接続部41の第1裏面41Bとに連なっている。
【0039】
本実施形態において、第1脚部101は、第1裏面41Bの端部に連なっている。具体的に、第1脚部101は、図5に示すように、第1裏面41Bの縁41BEDGEに隣接する。ただし、第1脚部101は、縁41BEDGEから離間している。また、第1脚部101は、第1裏面41Bの角部41BCORN内に連なっている。
【0040】
ここで、図7は、第1実施形態に係る発光装置100の第1側面20E1の透視図である。図7に示すように、第1脚部101は、第1端部101mと、第2端部101nとを有する。
【0041】
第1端部101mは、背面20Dにおいて成形体30から露出する。第1端部101mは、成形体30から露出する第1端面101Sを有する。第1端面101Sは、背面20Dの一部を形成する。
【0042】
第2端部101nは、第1裏面41Bにおいて第1接続部41に連結される。上述のとおり、第2端部101nは、第1裏面41Bの角部41BCORN内に連なっており、かつ、縁41BEDGEから離間している。
【0043】
〈第2リード50の構成〉
第2リード50は、第2接続部51(「接続部」の一例)と、第2端子部52と、第2脚部102とによって構成される。本実施形態において、第2接続部51と第2端子部52と第2脚部102とは、一体的に形成されている。
【0044】
(1)第2接続部51
第2接続部51は、板状に形成されており、背面20Dに沿って配置される。第2接続部51は、第2接続面51Aと、第2裏面51B(「裏面」の一例)とを有する。
【0045】
第2接続面51Aは、前面開口20Fの内部で成形体30から露出する。第2接続面51Aには、第2ワイヤ12が接続されている。これにより、第2接続面51Aと発光素子10とが電気的に接続されている。第2接続面51Aは、封止樹脂60によって封止されている(図1参照)。
【0046】
第2裏面51Bは、第2接続面51Aに対向して設けられる。第2裏面51Bは、成形体30に埋設されている。図5に示すように、第2裏面51Bは、縁51BEDGEを有している。縁51BEDGE(「裏面の縁」の一例)は、載置第2裏面51Bの輪郭(縁)である。
【0047】
(2)第2端子部52
第2端子部52は、立方体状に形成されており、第2接続部51の第2側面20E2側の下端部(「接続部の一端部」の一例)に連結される。第2端子部52は、底面20A、背面20D及び第2側面20E2の境界において成形体30から露出しており、発光装置100の外部電極として機能する。
【0048】
第2端子部52は、第1端面52Aと、第2端面52Bと、第2端子凹部52Sとを有する。第1端面52Aは、パッケージ20の背面20Dにおいて成形体30から露出する。第1端面52Aは、背面20Dの一部を形成する。第2端面52Bは、パッケージ20の第2側面20E2において成形体30から露出する。第2端面52Bは、第2側面20E2の一部を形成する。第2端子凹部52Sは、底面20A、背面20D及び第2側面20E2の境界に形成される切り欠きである。第2端子凹部52Sは、底面20A、背面20D及び第2側面20E2の3面それぞれに連なって開口している。発光装置100が実装される場合、第2端子凹部52Sには、半田が充填される。
【0049】
(3)第2脚部102
第2脚部102は、図4に示すように、棒状に形成されている。第2脚部102は、成形体30の外表面(本実施形態では、パッケージ20の背面20D)と、第2接続部51の第2裏面51Bとに連なっている。
【0050】
本実施形態において、第2脚部102は、第2裏面51Bの端部に連なっている。具体的には、第2脚部102は、図5に示すように、第2裏面51Bの縁51BEDGEに隣接する。ただし、第2脚部102は、縁51BEDGEから離間している。
【0051】
ここで、図8は、第1実施形態に係る発光装置100の第2側面20E2の透視図である。図8に示すように、第2脚部102は、第1端部102mと、第2端部102nとを有する。
【0052】
第1端部102mは、背面20Dにおいて成形体30から露出する。第1端部102mは、成形体30から露出する端面102Sを有する。第1端面102Sは、背面20Dの一部を形成する。
【0053】
第2端部102nは、第2裏面51Bにおいて第2接続部51に連結される。上述のとおり、第2端部102nは、第2裏面51Bの端部に連なっており、かつ、第2裏面51Bの縁51BEDGEから離間している。
【0054】
(発光装置の製造方法)
次に、第1実施形態に係る複数の発光装置100を一括して製造する方法について、図面を参照しながら説明する。図9(a)は、金属薄板451の断面図であり、図9(b)は、金属薄板451の平面図である。図10(a)は、リードフレーム45の断面図であり、図10(b)は、リードフレーム45の平面図である。図11は、リードフレーム45の拡大図である。図12は、図11のB−B線における断面図である。図13は、本実施形態に係る発光装置用パッケージアレイPAの平面図である。
【0055】
まず、第1主面S1と、第1主面S1の反対に設けられる第2主面S2とを有する金属薄板451を準備する。本実施形態において、金属薄板451は、厚みt1(例えば、0.5mm程度)を有する。
【0056】
次に、図9(a)に示すように、第1主面S1上に所定のパターンの第1マスクM1を形成するとともに、第2主面S2上に第1マスクM1と対称なパターンの第2マスクM2を形成し、第1主面S1と第2主面S2とを同時にエッチングする。これによって、図9(b)に示すように、金属薄板451にエッチング孔部Gが形成される。なお、エッチング手法としては、ドライエッチング及びウェットエッチングを用いることができる。また、エッチャントは、金属薄板451の材質に対応する適切なものを選択すればよい。
【0057】
次に、図10(a)に示すように、第1主面S1上に所定のパターンの第3マスクM3を形成するとともに、第2主面S2上に第2主面S2の全面を覆う第4マスクM4を形成し、第1主面S1のみをエッチングする。これによって、図10(b)に示すように、第1主面S1に形成されるエッチング凹部Hを有するリードフレーム45が完成する。エッチング凹部Hの深さは、例えば、0.3mm程度である。そのため、金属薄板451のうちエッチング凹部Hが形成された部分は、厚みt1よりも小さい厚みt2(例えば、0.2mm程度)を有する。
【0058】
このように形成されるリードフレーム45の詳細な構成について、図面を参照しながら説明する。図11に示すように、リードフレーム45は、第1フレーム部F1、第2フレーム部F2、第3フレーム部F3、及び第4フレーム部F4を有する。
【0059】
第1フレーム部F1と第2フレーム部F2とは、所定方向において互いに隣接しており、第1連結フレームR1によって連結される。第3フレーム部F3と第4フレーム部F4とは、所定方向において互いに隣接しており、第2連結フレームR2によって連結される。第1フレーム部F1と第3フレーム部F3とは、所定方向に直交する直交方向(直交方向の一例)において互いに隣接しており、第3連結フレームR3及び第4連結フレームR4によって連結される。第2フレーム部F2と第4フレーム部F4とは、直交方向において互いに隣接しており、第5連結フレームR5及び第6連結フレームR6によって連結される。
【0060】
第1乃至第4フレーム部F1〜F4は、それぞれ同じ構成を有しており、第1肉厚部P1と、第2肉厚部P2と、第1肉薄部Q1と、第2肉薄部Q2と、第1脚元部101Aと、第2脚元部102Aとを含む。
【0061】
第1肉厚部P1は、第1厚みt1(すなわち、金属薄板451の厚み)を有する。後工程において、第1肉厚部P1がダイシングソーによって切断されることによって、露出部43が形成される。第2肉厚部P2は、第1厚みt1を有する。第2肉厚部P2は、所定方向において第1肉厚部P1から離間している。後工程において、第2肉厚部P2がダイシングソーによって切断されることによって、第1端子部42及び第2端子部52が形成される。
【0062】
第1肉薄部Q1は、第2厚みt2(すなわち、金属薄板451のうちエッチング凹部Hが形成された部分の厚み)を有する。第1肉薄部Q1は、第1肉厚部P1と第2肉厚部P2とに連結される。第1肉薄部Q1は、発光装置100の第1接続部41の外周部分に対応する。第2肉薄部Q2は、第2厚みt2を有する。第2肉薄部Q2は、第2肉厚部P1に連結されるとともに、所定方向においてエッチング孔部G(図9参照)を介して第1肉薄部Q1から離間している。第2肉薄部Q2は、発光装置100の第2接続部51に対応する。
【0063】
第1脚元部101Aは、第1厚みt1を有する。第1脚元部101Aは、第1肉厚部P1及び第2肉厚部P2から離間しており、平面視において第1肉薄部Q1に囲まれている。同様に、第2脚元部102Aは、第1厚みt1を有する。第2脚元部102Aは、第1肉厚部P1、第2肉厚部P2及び第1脚元部101Aから離間しており、平面視において第2肉薄部Q2に囲まれている。
【0064】
ここで、本実施形態において、リードフレーム45の平面視において、各フレーム部Fの第1肉厚部P1の内側には、エッチング凹部Hの一部である片面エッチング凹部Xが形成されている。図12に示すように、第1肉厚部P1のうち片面エッチング凹部Xが形成された部分は、第2厚みt2を有する。後工程において、片面エッチング凹部Xがダイシングソーによって切断されることによって、凹部43S(図4参照)が形成される。
【0065】
同様に、本実施形態において、リードフレーム45Dの平面視において、各フレーム部Fの第2肉厚部P2の内側には、エッチング凹部Hの一部である片面エッチング凹部Y(「エッチング凹部」の一例)が形成されている。図12に示すように、第2肉厚部P2のうち片面エッチング凹部Yが形成された部分は、第2厚みt2を有する。後工程において、片面エッチング凹部Yがダイシングソーによって切断されることによって、第1端子凹部42S及び第2端子凹部52S(図4参照)が形成される。
【0066】
また、本実施形態において、第3フレーム部F3の第1肉薄部Q1は、第3連結フレームR3を介して、第1フレーム部F1の第1肉厚部P1に連結される。第3フレーム部F3の第2肉薄部Q2は、第4連結フレームR4を介して、第1フレーム部F1の第2肉厚部P2に連結される。同様に、第4フレーム部F4の第1肉薄部Q1は、第5連結フレームR5を介して、第2フレーム部F2の第1肉厚部P1に連結される。第4フレーム部F4の第2肉薄部Q2は、第6連結フレームR6を介して、第2フレーム部F2の第2肉厚部P2に連結される。
【0067】
なお、第1乃至第6連結フレームR1〜R6は、後工程においてダイシングソーによって切除される(図14参照)。すなわち、第1乃至第6連結フレームR1〜R6は、ダイシング用の切除代を構成している。また、図11に示すように、第1肉厚部P1のうち第3連結フレームR3に連結される部分と、第2肉厚部P2のうち第4連結フレームR4に連結される部分とは、所定方向に沿って配置されており、第1乃至第6連結フレームR1〜R6と共に切除代を構成している。
【0068】
次に、図13に示すように、リードフレーム45を下金型201と上金型202との間にセットする。この際、リードフレーム45の第1主面S1を、下金型201の内面201Sに当接させた状態とする。これによって、第1肉厚部P1(「接続部」に対応)と、第2肉厚部P2(図13において不図示)と、第1脚元部101A(「脚部」に対応)と、第2脚元部102A(「脚部」に対応)とが、下金型201の内面201Sに当接される。すなわち、第1脚元部101Aの端部101a(「脚部の第2端部」に対応)と第2脚元部102Aの端部102a(「脚部の第2端部」に対応)が、下金型201の内面201Sに当接される。
【0069】
次に、上金型202の注入口202Aから樹脂材料を金型内(下金型201と上金型202との間)に注入する。これによって、樹脂材料は、第2主面S2(「接続面」に対応)側から第1主面S1側に回り込む。具体的に、樹脂材料は、第2主面S2上を広がりながら、エッチング孔部Gを通って、エッチング凹部Hに充填されていく。
【0070】
次に、所定の温度で加熱することによって、樹脂材料をトランスファモールドする。これによって、図14に示すように、リードフレーム45と、リードフレーム45が埋設されるモールド板46とによって構成される発光装置用パッケージアレイPAが完成する。なお、発光装置用パッケージアレイPAにおいて、第1肉厚部P1及び第1脚元部101Aと、第2肉厚部P2及び第2脚元部102Aとは、モールド板46から露出していることに留意すべきである。
【0071】
次に、図14に示すように、ダイシングソーを用いて、所定幅の切断線G1及び切断線G2に沿って発光装置用パッケージアレイPAを切断する。これによって、複数の発光装置100が一括して製造される。
【0072】
(作用及び効果)
(1)第1実施形態に係る発光装置100において、第1リード40は、第1脚部101を有する。第1脚部101は、成形体30の外表面(パッケージ20の背面20D)と、第1接続部41の第1裏面41Bとに連なっている。
【0073】
このように、第1脚部101は、成形体30の外表面に露出している。すなわち、成形体30の製造工程において、第1脚部101の第1端部101mは、下金型201の内面201Sに当接する。これによって、第1接続部41は、第1脚部101に支持されるので、注入される樹脂材料によって第1接続部41が微小に振動することを抑制できる。そのため、第1接続部41の周囲に樹脂材料を一様に行き渡らせることができる。また、第1脚部101を設けることによって、成形体30と第1リード40との接触面積を大きくすることができる。以上の結果、成形体30と第1リード40との密着力を向上させることができる。
【0074】
なお、第2接続部51に連なる第2脚部102によって、第2リード50においても同様の効果を得ることができる。
【0075】
(2)第1実施形態に係る発光装置100において、第1脚部101は、第1裏面41Bの縁41BEDGEに隣接する。
【0076】
従って、第1接続部41のうち特に振動しやすい端部において、微小な振動が発生することを抑制できる。そのため、第1接続部41の周囲に樹脂材料をより一様に行き渡らせることができる。
【0077】
なお、第2脚部102は第2裏面51Bの縁51BEDGEに隣接しているので、第2リード50においても同様の効果を得ることができる。
【0078】
(3)第1実施形態に係る発光装置100において、第1脚部101は、第1裏面41Bのうち角部41BCORNに連なる。
【0079】
従って、第1接続部41の端部のうち特に振動しやすい角部41BCORNにおいて、微小な振動が発生することを抑制できる。そのため、第1接続部41の周囲に樹脂材料をより一様に行き渡らせることができる。
【0080】
(4)第1実施形態に係る発光装置100において、第1脚部101は、第1裏面41Bの縁41BEDGEから離間している。
【0081】
従って、樹脂材料が第1接続部41の端を回り込む際に、第1脚部101によって樹脂材料が堰き止められること抑制できる。そのため、樹脂材料をスムーズに充填させることができるので、第1接続部41の周囲に樹脂材料をより一様に行き渡らせることができる。
【0082】
なお、第2脚部102は第2裏面51Bの縁51BEDGEから離間しているので、第2リード50においても同様の効果を得ることができる。
【0083】
(5)第1実施形態に係る発光装置100において、第1脚部101が露出する背面20Dは、光出射面である前面20Cとは異なる非光出射面である。
【0084】
従って、光出射面である前面20Cから第1脚部101を露出させる場合に比べて、光出射面の面積を大きくすることができる。そのため、発光装置100の光量を大きくすることができる。
【0085】
(6)第1実施形態に係る発光装置100において、第1リード40は、第1接続部41の下端部に設けられる第1端子部42を有する。第1端子部42は、成形体30の外表面(パッケージ20の背面20D)に露出する。
【0086】
従って、成形体30の製造工程において、第1端子部42は、下金型201の内面201Sに当接する。これによって、第1接続部41は、第1端子部42に支持されるので、注入される樹脂材料によって第1接続部41が微小に振動することをより抑制できる。そのため、第1接続部41の周囲に樹脂材料を一様に行き渡らせることができるので、成形体30と第1リード40との密着力をさらに向上させることができる。
【0087】
(7)第1実施形態に係る発光装置100において、第1リード40は、第1接続部41の第1裏面41B上に設けられる支持板部432を有する。支持板部432は、成形体30の外表面(パッケージ20の背面20D)に露出する。
【0088】
従って、成形体30の製造工程において、支持板部432は、下金型201の内面201Sに当接する。これによって、第1接続部41は、支持板部432に支持されるので、注入される樹脂材料によって第1接続部41が微小に振動することをより抑制できる。そのため、第1接続部41の周囲に樹脂材料を一様に行き渡らせることができるので、成形体30と第1リード40との密着力をさらに向上させることができる。
【0089】
(8)第1実施形態に係る発光装置100の製造方法において、リードフレーム45を下金型201と上金型202との間にセットする際、第1脚元部101Aを下金型201の内面201Sに当接させる。
【0090】
従って、下金型201と上金型202との間に注入される注入される樹脂材料によって第1肉薄部Q1が微小に振動することを抑制できる。そのため、第1肉薄部Q1の周囲に樹脂材料を一様に行き渡らせることができる。その結果、成形体30と第1リード40との密着力を向上させることができる。
【0091】
なお、第2脚元部102Aを下金型201の内面201Sに当接させるので、第2リード50においても同様の効果を得ることができる。
【0092】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。第1実施形態と第2実施形態との相違点は、発光装置100が3つの端子部を備える点である。以下においては、この相違点について主に説明する。
【0093】
(発光装置の構成)
図13は、第2実施形態に係る発光装置100を前方から見た透視斜視図である。図14は、第2実施形態に係る発光装置100を後方から見た透視斜視図である。
【0094】
図13及び図14に示すように、発光装置100は、第1リード140、第2リード150、第3リード160、青発光素子10B、緑発光素子10G及び赤発光素子10Rを備える。
【0095】
第1リード140は、第1接続部141、第1端子部142及び第1脚部111を有する。第2リード150は、第2接続部151、第2端子部152及び第2脚部112を有する。第3リード160は、載置部161及び露出部162を有する。
【0096】
第1端子部142、第2端子部152及び露出部162のそれぞれは、実装基板(不図示)と電気的に接続されることによって、外部端子として機能する。
【0097】
青発光素子10B、緑発光素子10G及び赤発光素子10Rは、載置部161の載置面161Aに載置される。青発光素子10B及び緑発光素子10Gそれぞれは、第1接続部141の第1接続面141Aと、第2接続部151の第2接続面151Aとに電気的に接続される。赤発光素子10Rは、載置面161Aと第2接続面151Aとに電気的に接続される。
【0098】
ここで、第1脚部111は、第1実施形態に係る第1脚部101と同様の構成を有しており、成形体30の外表面と第1接続部141の第1裏面141Bとに連なっている。
【0099】
また、第2脚部112は、第1実施形態に係る第2脚部102と同様の構成を有しており、成形体30の外表面と第2接続部151の第2裏面151Bとに連なっている。
【0100】
(作用及び効果)
第2実施形態に係る発光装置100Aは、第1接続部141を支持する第1脚部111を有する。そのため、注入される樹脂材料によって第1接続部141が微小に振動することを抑制できる。また、第2実施形態に係る発光装置100Aは、第2接続部151を支持する第2脚部112を有する。そのため、注入される樹脂材料によって第2接続部151が微小に振動することを抑制できる。
【0101】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について図面を参照しながら説明する。第1実施形態と第3実施形態との相違点は、端子部を背高にした点である。以下においては、この相違点について主に説明する。
【0102】
(発光装置の構成)
図17は、第3実施形態に係る発光装置100を後方から見た透視斜視図である。図17に示すように、発光装置100において、第1端子部42及び第2端子部52は、第3方向における高さが大きくされている。これに伴い、第1端子凹部42S及び第2端子凹部52Sは、第3方向において凹部43Sよりも高く形成されている。
【0103】
なお、第1端子部42及び第2端子部52それぞれの高さは、第3方向における発光装置100の高さの半分以上であることが好ましい。
【0104】
(発光装置の製造方法)
まず、図18に示すようなリードフレーム45Aを準備する。リードフレーム45Aにおいて、第2肉厚部P2は、直交方向において大きく形成されている。また、リードフレーム45Aにおいて、片面エッチング凹部Yは、直交方向において広く設定されている。
【0105】
次に、トランスファモールド法によって、リードフレーム45Aをモールド板46(図14参照)に埋設する。
【0106】
次に、ダイシングソーを用いて、所定幅の切断線(図14参照)に沿ってリードフレーム45A及びモールド板46を一緒に切断する。
(作用及び効果)
【0107】
第3実施形態に係るリードフレーム45Aにおいて、第2肉厚部P2は、直交方向において大きく形成される。従って、第2肉厚部P2と第1脚元部101A及び第2脚元部102Aとの協働によって、第1肉薄部Q1及び第2肉薄部Q2が微小に振動することをより抑制できる。
【0108】
また、第3実施形態に係る発光装置100において、“発光素子10→第1接続部41→第1端子部42→実装基板”という放熱経路を大きくできる。また、“発光素子10→第2接続部51→第2端子部52→実装基板”という放熱経路を大きくできる。従って、発光素子10から発生する熱をより効率的に放出することができる。
【0109】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について図面を参照しながら説明する。第1実施形態と第4実施形態との相違点は、脚部が端子部と接続されている点である。以下においては、この相違点について主に説明する。
【0110】
(発光装置の構成)
図19は、第4実施形態に係る発光装置100を後方から見た透視斜視図である。図19に示すように、第1リード40は第1脚部121を有し、第2リード50は第2脚部122を有する。
【0111】
第1脚部121は、成形体30の外表面(本実施形態では、パッケージ20の背面20D)と、第1接続部41の第1裏面41Bとに連なっている。第1脚部121は、成形体30から露出する端面121Sを有する。
【0112】
ここで、本実施形態において、第1脚部121は、第1端子部42に接続されており、第1端面121Sは、第1端子部42の第1端面42Aとともに背面20Dの一部を形成している。なお、第1脚部121の第1端面121Sは、第1実施形態に係る第1脚部101の第1端面101Sよりも広い。
【0113】
第2脚部122は、成形体30の外表面(本実施形態では、パッケージ20の背面20D)と、第2接続部51の第2裏面51Bとに連なっている。第2脚部122は、成形体30から露出する端面122Sを有する。
【0114】
ここで、本実施形態において、第2脚部122は、第2端子部52に接続されており、第2端面122Sは、第2端子部52の第1端面52Aとともに背面20Dの一部を形成している。なお、第2脚部122の第1端面122Sは、第1実施形態に係る第2脚部102の第1端面102Sよりも広い。
【0115】
(発光装置の製造方法)
まず、図20に示すようなリードフレーム45Bを準備する。リードフレーム45Bは、第1脚元部121Aと第2脚元部122Aとを備える。このようなリードフレーム45Bは、第1接続元部41A及び第2接続元部51Aを形成するために片面エッチングを施す領域を図20に示すように設定することによって形成できる。
【0116】
なお、本実施形態に係るリードフレーム45Bでは、片面エッチング凹部Xと片面エッチング凹部Yとが、第1実施形態に係るリードフレーム45よりも大きく設定されている。これによって、片面エッチング可能な寸法上の加工限界が高められている。
【0117】
このように、本実施形態に係るリードフレーム45Bは、第1実施形態に係るリードフレーム45とは基本的に異なる構成を有している。以下、リードフレーム45Bの詳細な構成について、図面を参照しながら説明する。図21は、リードフレーム45Bの拡大図である。図21に示すように、リードフレーム45Bは、第1乃至第4フレーム部F1〜F4を有する。第1フレーム部F1と第2フレーム部F2とは、所定方向において互いに隣接しているが、連結はされていない。同様に、第3フレーム部F3と第4フレーム部F4とは、所定方向において互いに隣接しているが、連結はされていない。
【0118】
ここで、本実施形態では、第1脚元部121Aは、所定方向において、第1肉厚部P1と第2脚元部122Aとの間に配置される。第1脚元部121Aは、第2肉厚部P2に接続されている。また、第2脚元部122Aは、所定方向において、第1肉厚部P1と第1脚元部121Aとの間に配置される。第2脚元部122Aは、第2肉厚部P2に接続されている。
【0119】
また、本実施形態では、第3フレーム部F3及び第4フレーム部F4は、厚み方向(所定方向及び直交方向に直交する方向、すなわち紙面に直交する方向)に平行な軸心Tを中心として、第1フレーム部F1及び第2フレーム部F2に対して回転対称に配置されている。また、第3フレーム部F3の第1肉厚部P1は、第1フレーム部F1の第1肉厚部P1に直接連結される。第3フレーム部F3の第2肉厚部P2は、第2フレーム部F2の第2肉厚部P2に直接連結される。第4フレーム部F4の第2肉厚部P2は、第1フレーム部F1の第2肉厚部P2に直接連結される。
【0120】
また、本実施形態では、リードフレーム45Bの平面視において、各フレーム部Fの第1肉厚部P1の内側には、エッチング凹部Hの一部が形成されている。これにより、第3フレーム部F3の第1肉厚部P1と第1フレーム部F1の第1肉厚部P1とが連結されることによって、片面エッチング凹部Xが形成されている。
【0121】
また、本実施形態では、リードフレーム45Dの平面視において、各フレーム部Fの第2肉厚部P2の内側には、エッチング凹部Hの一部が形成されている。これにより、第1フレーム部F1の第2肉厚部P2と第4フレーム部F4の第2肉厚部P2とが連結されることによって、片面エッチング凹部Yが形成されている。同様に、第2フレーム部F2の第2肉厚部P2と第3フレーム部F3の第2肉厚部P2とが連結されることによって、片面エッチング凹部Yが形成されている。
【0122】
なお、第3フレーム部F3の第1肉厚部P1と第1フレーム部F1の第1肉厚部P1とが連結される部分は、ダイシング用の切除代を構成している(図22参照)。同様に、第3フレーム部F3の第2肉厚部P2と第2フレーム部F2の第2肉厚部P2とが連結される部分は、ダイシング用の切除代を構成している。第4フレーム部F4の第2肉厚部P2と第1フレーム部F1の第2肉厚部P2とが連結される部分は、ダイシング用の切除代を構成している。
【0123】
次に、トランスファモールド法によって、図22に示すように、リードフレーム45Bをモールド板46に埋設することによって、発光装置用パッケージアレイPAが完成する。なお、発光装置用パッケージアレイPAにおいて、第1肉厚部P1及び第1脚元部121Aと、第2肉厚部P2及び第2脚元部122Aとは、モールド板46から露出していることに留意すべきである。
【0124】
次に、ダイシングソーを用いて、図22に示すように、所定幅の切断線H1及び切断線H2に沿って発光装置用パッケージアレイPAを切断する。
【0125】
(作用及び効果)
第4実施形態に係る発光装置100において、第1リード40は、第1端子部42に接続される第1脚部121を有し、第2リード50は、第2端子部52に接続される第2脚部122を有する。
【0126】
このように、第1脚部121が第1端子部42に接続されているので、“発光素子10→第1接続部41→第1脚部121→第1端子部42→実装基板”という放熱経路を形成することができる。そのため、発光素子10から発生する熱をより効率的に放出することができる。
【0127】
同様に、第2脚部122が第2端子部52に接続されているので、“発光素子10→成形体30及び第2ワイヤ12→第2接続部51→第2脚部122→第2端子部52→実装基板”という放熱経路を形成することができる。そのため、発光素子10から発生する熱をより効率的に放出することができる。
【0128】
なお、第1脚部121及び第2脚部122によって第1接続部41及び第2端子部52における微小振動を抑制できることについては、第1実施形態において説明したとおりである。
【0129】
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0130】
(A)上記実施形態では、第1リード40は、第1脚部101を有し、第2リード50は、第2脚部102を有することとしたが、これに限られるものではない。第1リード40及び第2リード50それぞれは、2以上の脚部を有していてもよい。
【0131】
特に、発光素子10が載置される第1接続部41は第2接続部51よりも大きいので、樹脂材料からの圧力によって微小に振動しやすい。そのため、第1裏面41Bのうち露出部43を基準として第1脚部101の反対側に第3脚部を設けることが好ましい。これによって、第1接続部41の周囲に樹脂材料をより一様に行き渡らせることができる。
【0132】
(B)上記実施形態では、第1リード40は、露出部43を有することとしたが、これに限られるものではない。第1リード40は、露出部43を有していなくてもよい。
【0133】
(C)上記実施形態では、発光装置100は、いわゆるサイドビュー型の発光装置であることとしたが、発光装置100は、いわゆるトップビュー型の発光装置であってもよい。
【0134】
(D)上記実施形態では、第1脚部101は、縁41BEDGEから離間することとしたが、縁41BEDGEに密着していてもよい。同様に、第2脚部102は、縁51BEDGEから離間することとしたが、縁51BEDGEに密着していてもよい。
【0135】
(E)上記実施形態では、第1リード40は第1脚部101を有し、第2リード50は第2脚部102を有することとしたが、これに限られるものではない。第1リード40及び第2リード50の一方が脚部を有していればよい。これは、第1リード40及び第2リード50の一方に特に微小振動が発生しやすい場合に有効である。
【0136】
(F)上記実施形態では、発光装置100は、一つの発光素子10のみを備えることとしたが、これに限られるものではない。発光装置100は、互いに連結された複数の発光素子10を備えていてもよい。この場合、複数の発光素子10は、全て同種類であってもよいし、また、光の三原色となる赤・緑・青の発光色を示す異種類のものの組み合わせであってもよい。
【0137】
(G)上記実施形態では、露出部43は、L字状に形成されることとしたが、これに限られるものではない。露出部43は、板状、棒状、或いは円柱状などであってもよい。
【0138】
(H)上記実施形態では、第1端子部42及び第2端子部43それぞれは、立方体状に形成されることとしたが、これに限られるものではない。第1端子部42及び第2端子部43それぞれの形状は、適宜変更可能である。
【0139】
(I)上記実施形態では、リードフレーム45は、金属薄板をエッチングすることによって形成されることとしたが、これに限られるものではない。例えば、複数枚の薄金属薄板を所定の形状に打ち抜き加工した後に、複数枚の薄金属薄板を互いに圧着することによっても、リードフレーム45を形成することができる。
【0140】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0141】
100…発光装置
10…発光素子
11…第1ワイヤ
12…第2ワイヤ
20…パッケージ
20A…底面
20B…上面
20C…前面
20D…背面
20E1…第1側面
20E2…第2側面
20F…前面開口
30…成形体
40…第1リード
41…第1接続部
41A…第1接続面
41B…第1裏面
42…第1端子部
43…露出部
431…土台部
432…支持板部
43S…凹部
45…リードフレーム
451…金属薄板
46…モールド板
50…第2リード
51…第2接続部
51A…第2接続面
51B…第2裏面
52…第2端子部
60…封止樹脂
101、111、121…第1脚部
101A、121A…第1脚元部
102、112、122…第2脚部
102A、122A…第2脚元部
201…下金型
202…上金型
203…注入口
S…主面
M…マスク
F…フレーム部
G…エッチング孔部
H…エッチング凹部
P…肉厚部
Q…肉薄部
R…連結フレーム
PA…発光装置用パッケージアレイ
X,Y…片面エッチング凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂によって構成される成形体と、前記成形体に埋設されるリードと、を有するパッケージと、
前記パッケージに載置される発光素子と、
を備え、
前記リードは、
板状に形成されており、前記発光素子と電気的に接続される接続面と、前記接続面に対向する裏面とを有する接続部と、
前記成形体の外表面と、前記接続部の前記裏面と、に連なる脚部と、
を含む、
発光装置。
【請求項2】
前記脚部は、前記裏面の縁に隣接する、
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記裏面は、角部を有しており、
前記脚部は、前記角部に連なる、
請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記脚部は、前記裏面の前記縁から離間する、
請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記パッケージは、前記発光素子の光が出射される光出射面と、前記光出射面とは異なる非光出射面と、を有し、
前記成形体の前記外表面は、前記非光出射面である、
請求項1乃至4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
前記リードは、前記接続部の一端部に設けられる端子部を有しており、
前記端子部は、前記成形体の前記外表面に露出する、
請求項1乃至5のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】
前記リードは、板状に形成され、前記接続部の前記裏面上に設けられる支持板部を有しており、
前記支持板部は、前記成形体の前記外表面に露出する、
請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記脚部は、前記端子部に接続されている、
請求項6又は7に記載の発光装置。
【請求項9】
接続面と前記接続面に対向する裏面とを有する板状の接続部と、前記裏面に連なる第1端部と前記第1端部の反対の第2端部とを有する脚部と、を含むリードフレームを、金型の内面に前記脚部の前記第2端部を当接させた状態で、前記金型内にセットする工程と、
前記接続部の前記接続面に向けて、樹脂材料を前記金型内に注入する工程と、
前記樹脂材料を硬化させることによって、前記リードフレームが埋設される成形体を形成する工程と、
前記接続面に発光素子を電気的に接続する工程と、
を備える発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記リードフレームは、前記接続部に連結される端子部を有し、
前記脚部は、前記接続部に連結されている、
請求項9に記載の発光装置の製造方法。
【請求項11】
前記リードフレームは、前記接続部に連結される端子部を有し、
前記脚部は、前記端子部から離間している、
請求項10に記載の発光装置の製造方法。
【請求項12】
樹脂によって構成されるモールド板と、
第1フレーム部と、所定方向において前記第1フレーム部に隣接する第2フレーム部と、を有し、前記モールド板に埋設される薄板状のリードフレームと、
を備え、
前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部のそれぞれは、
第1厚みを有し、前記モールド板から露出する第1肉厚部と、
前記第1厚みを有し、前記モールド板から露出しており、前記所定方向において前記第1肉厚部から離間する第2肉厚部と、
前記第1厚みよりも小さい第2厚みを有し、前記第1肉厚部と前記第2肉厚部とに連結される第1肉薄部と、
前記第2厚みを有し、前記第2肉厚部に連結されており、前記所定方向において前記第1肉薄部から離間する第2肉薄部と、
前記第1厚みを有し、前記第1肉薄部又は前記第2肉薄部に取り囲まれる脚元部と、
を含む、
発光装置用パッケージアレイ。
【請求項13】
前記リードフレームは、前記第1フレーム部及び第2フレーム部と同様の構成を有する第3フレーム部及び第4フレーム部を有し、
前記第3フレーム部及び第4フレーム部は、厚み方向に平行な軸心を中心として、前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部に対して回転対称に配置されており、
前記第3フレーム部の前記第1肉厚部は、前記第1フレーム部の前記第1肉厚部に連結され、
前記第3フレーム部の前記第2肉厚部は、前記第2フレーム部の前記第2肉厚部に連結され、
前記第4フレーム部の前記第2肉厚部は、前記第1フレーム部の前記第2肉厚部に連結されている、
請求項12に記載の発光装置用パッケージアレイ。
【請求項14】
前記リードフレームは、前記第1フレーム部及び第2フレーム部と同様の構成を有する第3フレーム部及び第4フレーム部を有し、
前記第3フレーム部は、前記所定方向に直交する直交方向において前記第1フレーム部に隣接し、
前記第4フレーム部は、前記直交方向において前記第2フレーム部に隣接しており、
前記第3フレーム部の前記第1肉薄部は、前記第1フレーム部の前記第1肉厚部に連結され、
前記第3フレーム部の前記第2肉薄部は、前記第1フレーム部の前記第2肉厚部に連結され、
前記第4フレーム部の前記第1肉薄部は、前記第2フレーム部の前記第1肉厚部に連結され、
前記第4フレーム部の前記第2肉薄部は、前記第2フレーム部の前記第2肉厚部に連結されている、
請求項12に記載の発光装置用パッケージアレイ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−74663(P2012−74663A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253160(P2010−253160)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】