発光装置及び電子機器
【課題】 複数の画素回路が形成された基板と外部の回路との接続においてアライメントを容易とすることが可能な発光装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】 基板と基板上に形成された表示部Aとを有する電気光学パネルAAには、基板の端部から眺めると、複数の端子C2が形成される端子領域B41〜B44と、複数の端子C1が形成される端子領域B31〜B34と、端子領域B31〜B34及び端子領域B41〜B44と複数の画素回路400が配列された表示部Aとの間に設けられた共通電源線LR,LG及びLB並びに共通陰極電源線LNとが順に形成されている。これらの電源線は、回路電源線により端子C1に、個別電源線により複数の画素回路400に接続されている。また、複数の端子C2と複数の画素回路400は複数のデータ線103により接続されている。
【解決手段】 基板と基板上に形成された表示部Aとを有する電気光学パネルAAには、基板の端部から眺めると、複数の端子C2が形成される端子領域B41〜B44と、複数の端子C1が形成される端子領域B31〜B34と、端子領域B31〜B34及び端子領域B41〜B44と複数の画素回路400が配列された表示部Aとの間に設けられた共通電源線LR,LG及びLB並びに共通陰極電源線LNとが順に形成されている。これらの電源線は、回路電源線により端子C1に、個別電源線により複数の画素回路400に接続されている。また、複数の端子C2と複数の画素回路400は複数のデータ線103により接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びこれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置に替わる画像表示装置として、EL(Electro Luminescence)素子を備えた装置が注目されている。EL素子は、光の透過量を変化させる液晶素子とは異なり、それ自体が発光する電流駆動型の発光素子である。発光素子を用いたアクディブマトリクス駆動の発光装置では、各発光素子に対して、発光階調を調整するための画素回路が設けられる。画素回路は、供給された電源により発光素子を発光させるとともに、供給された信号に応じた発光階調となるように発光素子の発光を制御する。このような画素回路が配列された表示部(画素領域)を基板上に形成して発光装置が構成されている。
【0003】
画素回路への信号は、例えばフレキシブルプリント基板を介して接続された外部回路から供給される。この場合、フレキシブルプリント基板は、表示部が設けられた基板に接続される。この基板において、フレキシブルプリント基板に接続される接続端子と表示部との間には、信号配線や電源配線が配置される。この配置の例を図に示す。
【0004】
図12は表示部と接続端子との間における配線パターンの一例を示す図である。この例では、一列に並んだ接続端子P1及びP2と表示部との間に共通電源線Lが横たわっている。共通電源線Lは複数の画素回路への電源の供給に用いられるものであり、各画素回路と接続されている。また、共通電源線Lは外部回路への電源の供給にも用いられており、接続端子P1に接続されている。また、表示部からの信号配線は共通信号線Lと立体的に交差して接続端子P2に接続されている。
【0005】
図13は表示部と接続端子との間における配線パターンの他の例を示す図である。この例でも、一列に並んだ接続端子P3及びP4と表示部との間に共通電源線Lが横たわっている。共通電源線Lの役割は図12の例におけるものと同一であり、各画素回路と接続される一方、接続端子P3に接続されている。また、表示部からの信号配線は共通信号線Lと立体的に交差して接続端子P4に接続されている。
【0006】
ところで、この種の発光装置では、装置全体の小型化が重要な課題となっている。しかし、上述した例では、全ての接続端子が一列に並んでおり、小型化を達成するためには端子の間隔を狭くせざるを得ない。この結果、基板とフレキシブル基板の接続において、アライメントが困難となる。これは、発光装置、ひいては当該発光装置の製造に悪影響を及ぼす。接続端子の間隔を広くする技術としては、特許文献1〜4に記載のものが挙げられるが、いずれも上記の問題を解決し得るものではない。
【0007】
【特許文献1】特開2002−169487号公報
【特許文献2】特開平11−326933号公報
【特許文献3】特開平9−318962号公報
【特許文献4】特開2000−221515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、複数の画素回路が形成された基板と外部の回路との接続においてアライメントを容易とすることが可能な発光装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る発光装置は、電源と信号とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成したものであって、前記基板は、前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、前記基板の端部から見て、前記信号端子領域、前記複数の電源端子領域、前記複数の共通電源配線、及び前記画素領域の順に配置したことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、信号端子領域と複数の電源端子領域とが別の領域に配置されているから、複数の信号端子のピッチと複数の電源端子のピッチを独立して設定することができる。これにより、複数の信号端子と複数の電源端子を一列に配置したものと比較して、複数の信号端子のピッチと複数の電源端子のピッチを広く取ることが可能となる。この結果、信号端子間および電源端子間の短絡を防止するとともに、当該基板とフレキシブル基板の接続において、アライメントに余裕を持たせることが可能となる。
【0011】
上述した発光装置において、前記複数の信号配線を前記複数の電源端子領域の間を通して引き回し、前記画素領域の端部及び前記信号端子領域における前記複数の信号配線のピッチを、前記複数の電源端子領域の間における前記複数の信号配線のピッチより広くすることが好ましい。この場合には、画素領域の端部から引き出された信号配線を束ねて複数の電源端子領域の間を引き回し、電源端子領域を抜けると複数の信号配線のピッチを広げて信号端子領域に導く。これにより、信号端子のピッチを広く取ることが可能となる。
【0012】
ここで、前記複数の第1電源接続線と前記複数の信号配線とは、異なる層で前記基板上に形成することが好ましい。複数の第1電源接続線は複数の共通電源配線と複数の電源端子とを各々接続するが、これを複数の信号配線とは異なる層で配線するので、同一の層に形成する場合と比較して、製造工程において両者の間で短絡が発生する不具合を低減することができる。この結果、発光装置の歩留まりを向上させ、製造コストを低減することができる。
【0013】
次に、本発明に係る他の発光装置は、信号と複数色に対応して電圧の異なる電源とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成したものであって、前記基板は、前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、前記複数の第2電源接続線は、前記画素領域から引き出された複数の第1配線と、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士の一部又は全部を接続する複数の補助配線と、前記複数の第1配線の数より少ない数で前記複数の第1配線と前記複数の共通電源線とを接続する複数の第2配線とを有する。
【0014】
この発明によれば、補助配線を用いて同一電圧が供給される第1配線が接続されるので、画素領域から引き出された複数の第1配線の全部を複数の共通電源線に接続する必要はなく、複数の第1配線の数より少ない数で複数の第1配線と複数の共通電源線とを接続することができる。このため、第2配線のピッチを広くとることができ、歩留まりを向上させることができる。くわえて、この場合には第1配線が画素領域から引き出された直後に補助配線を用いて同一電圧が供給されるもの同士が接続されるので、電源のインピーダンスを低減することができ、ノイズマージンを向上させることができる。ここで、電源のインピーダンスを低減する観点から、前記複数の補助配線は、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士を全て接続することが好ましい。
【0015】
ここで、前記複数の共通電源配線と前記複数の第1電源接続線とは、直交するように配置することが、共通電源配線と第1電源接続線の短絡を防止する観点から、望ましい。さらに、前記複数の共通電源配線と前記複数の信号配線とは、直交するように配置することが共通電源配線と信号配線の短絡を防止する観点から好ましい。
【0016】
また、上述した発光装置において、前記基板と対向する対向基板と、前記基板と前記対向基板とを所定の間隙を持って接着するシール部を備え、前記シール部の長手方向と前記複数の信号配線又は前記複数の第1電源配線とを直交するように配置することが好ましい。この場合、基板と対向基板とはシール部で接着される。両者の接着では、熱や圧力をかけることが通常である。また、製造工程においてシール材に異物が混入することもある。従って、信号配線がシール部と接する面積は小さいことが好ましい。この発明によれば、信号配線とシール部の長手方向とは直交するので、両者が接する面積を小さくして信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、上述した発光装置において、前記複数の電源端子と接続され、前記電源を供給する第1のフレキシブル基板と、前記複数の信号端子と接続され、前記信号を供給する第2のフレキシブル基板と、を備えることが好ましい。この場合には、電源端子と信号端子を独立したフレキシブル基板に接続するので、全ての端子を1個のフレキシブル基板で接続する場合と比較して、アライメントを簡易にできる。なお、第1及び第2のフレキシブル基板は両者が重なるように配置することによって、狭い空間にフレキシブル基板のレイアウトすることが可能となる。
【0018】
次に、本発明に電子機器は、上述した発光装置を備えることを特徴とする。そのような電子機器としては例えば、複数のパネルを連結した大型ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、および携帯情報端末等が該当する。また、上述した画素回路は有機発光ダイオードや無機発光ダイオードなどの発光素子を備えることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。なお、図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0020】
<1.第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の概略構成を示す分解斜視図である。この発光装置1は、電気光学パネルAAと図示しない外部回路とをFPC(フレキシブルプリント基板又はフレキシブル基板)B1及びB2で電気的に接続して構成されている。電気光学パネルAAは、基板上にEL(Electro Luminescence)素子や配線などの要素を形成して構成され、外部回路により駆動および制御されて方形の画像を表示する。この電気光学パネルAAの一端には画像が表示されない部分があり、この部分には、FPCとの接続用の端子が2段に分けて配列されている。以降、1段目の端子(電源端子)C1が配列されている部分を端子部B3、2段目の端子(信号端子)C2が配列されている部分を端子部B4と称する。端子部B3には端子C1の配列方向に並ぶ4つの端子領域B31〜B34が存在し、端子部B4には端子C2の配列方向に並ぶ4つの端子領域B41〜B44が存在する。端子C1は4等分されて端子領域B31〜B34に配置されており、端子C2は4等分されて端子領域B41〜B44に配置されている。
【0021】
図2は、図1の矢視図である。発光装置1の製造工程では、FPCB2の一端がACF(異方性導電フィルム)B6を用いた熱圧着により電気光学パネルAAに固定される。この固定の際には、導通させるべき端子同士がACFB6を介して対向するようにFPCB2と電気光学パネルAAとの位置合わせ(アライメント)が行われる。この固定により、FPCB2の一端に設けられた端子と端子C2との導通が実現されている。上記の固定以降に、FPCB1の一端がACFB5を用いた熱圧着により電気光学パネルAAに固定される。この固定の際には、導通させるべき端子同士がACFB5を介して対向するようにFPCB1と電気光学パネルAAとの位置合わせが行われる。この固定により、FPCB1の一端に設けられた端子と端子C1との導通が実現されている。このような製造工程を経ることにより、電気光学パネルAAと外部回路との電気的接続が確保されている。なお、ACFに代えてACP(異方性導電ペースト)を用いるようにしてもよい。また、FPCの一端を電気光学パネルAAに固定する方法として、上記の導通を実現可能な任意の方法を採用してもよい。
【0022】
図3は、発光装置1の電気的構成を示すブロック図である。電気光学パネルAAには、表示部A及び走査線駆動回路100が形成されている。このうち、表示部Aには、X方向と平行にm本の走査線101が形成されている。また、X方向と直交するY方向と平行にn本のデータ線(信号配線)103が形成されている。nは3の倍数であり、n本のデータ線103は外部回路であるデータ線駆動回路200に接続されている。
【0023】
走査線101とデータ線103との各交差に対応して画素回路400が各々設けられている。つまり、画素回路400がマトリクス状に配列されている。画素回路400の各々は、電気エネルギを受けて発光するEL素子、EL素子を駆動するためのTFT素子、及びEL素子からの発光光を赤色光、緑色光又は青色光に変換する色変換層を含んでおり、電源電圧を受けて各自が包含するEL素子を駆動することにより赤色光、緑色光又は青色光を発する。EL素子としては、有機EL素子や無機EL素子を例示することができる。
【0024】
図において、画素回路400には、その発光色を表す符号「R」、「G」または「B」が付されている。「R」はR色(赤色)、「G」はG色(緑色)、「B」はB色(青色)を表す。これらの符号の配置から明らかなように、画素回路400は、表示部AのX方向においてはR色用のもの、G色用のもの及びB色用のものが順に繰り返して並び、Y方向においては同一色用のものが並ぶように配置されている。
【0025】
また、電気光学パネルAAには、EL共通電源線LR、EL共通電源線LG、EL共通電源線LB及び共通陰極電源線LNがX方向に延在して設けられている。以降の説明では、これらの電源線の各々を共通電源配線と称することもある。EL共通電源線LRにはn/3本のR用個別電源線(第2電源接続線)を介してR色用の画素回路400が、EL共通電源線LGにはn/3本のG用個別電源線(第2電源接続線)を介してG色用の画素回路400が、EL共通電源線LBにはn/3本のB用個別電源線(第2電源接続線)を介してB色用の画素回路400が接続されている。個別電源線はY方向に並ぶ画素回路400に共通であり、1本の個別電源線にはm個の画素回路400が接続されている。つまり、各画素回路400は個別電源線及び共通電源線を介して電源回路600に電気的に接続されている。
【0026】
共通電源線LR、LG及びLBは、基準電位となる共通陰極電源線LNとともに電源回路600に接続されている。電源回路600は、電源電圧Vddr、Vddg及びVddbを生成し、電源電圧VddrをR色用の、電源電圧VddgをG色用の、電源電圧VddbをB色用の画素回路400に印加する。共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNは略等間隔で配置されており、各データ線103はこれらの電源線と立体的に交差して端子C2に結線されている。つまり、各画素回路400は、データ線103、端子C2、及びFPCB2を介して後述のデータ線駆動回路200に電気的に接続されている。
【0027】
走査線駆動回路100は、複数の走査線101を順次選択するための走査信号Y1、Y2、Y3、…、Ymを生成して、各画素回路400に各々供給する。走査信号Y1は、1垂直走査期間(1F)の最初のタイミングから、1水平走査期間(1H)に相当する幅のパルスであって、1行目の走査線101に供給される。以降、このパルスを順次シフトして、2、3、…、m行目の走査線101の各々に走査信号Y2、Y3、…、Ymとして供給する。一般的にi(iは、1≦i≦mを満たす整数)行目の走査線101に供給される走査信号YiがHレベルになると、当該走査線101が選択されたことを示す。
【0028】
データ線駆動回路200は、選択された走査線101に位置する画素回路400の各々に対し、データ線103を介して供給階調信号X1、X2、X3、…、Xnを供給する。この例において、供給階調信号X1〜Xnは階調輝度を指示する電圧信号(データ電圧)として各画素回路400に与えられる。また、データ線駆動回路200には、供給階調信号の供給に必要な電圧が、電源回路600から、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LN、端子C1、及びFPCB1を介して印加される。
【0029】
タイミング発生回路700は、各種の制御信号を生成してこれらを走査線駆動回路100及びデータ線駆動回路200へ出力する。また、画像処理回路800はガンマ補正等の画像処理を施した階調データDを生成し、データ線駆動回路200へ出力する。なお、この例では、タイミング発生回路700及び画像処理回路800を、電気光学パネルAAの外部に設けたが、これらの一部又は全部を電気光学パネルAAに取り込んでもよい。また、走査線駆動回路100を外部回路として設けてもよい。
【0030】
図4は、表示部Aと端子C1及びC2との間の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域BBにおける配線パターンは同一の部分配線パターンを4つ並べて構成されている。つまり、端子領域B31及びB41についての部分配線パターン、端子領域B32及びB42についての部分配線パターン、端子領域B33及びB43についての部分配線パターン、及び端子領域B34及びB44についての部分配線パターンは同一のパターンとなっている。よって、以降の説明では、端子領域B32及びB42についての部分配線パターンのみに着目する。
【0031】
端子領域B32及びB42についての部分配線パターンとは、表示部Aと端子領域B42内の端子C2とを接続するn/4本のデータ線103の配置と、これらのデータ線103が接続されている画素回路400に接続されているn/4本の個別電源線の配置と、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと端子領域B32内の端子C1とを接続する8本の回路電源線(第1電源接続線)の配置とを意味する。
【0032】
これらn/4本のデータ線103は、電気光学パネルAAの上面から眺めて4箇所で折り曲げられている。これらの折り曲げ箇所を表示部Aに近い順に1番目、2番目、3番目、4番目とすると、これらのデータ線103は、表示部Aから1番目の折り曲げ箇所までは対応する端子C2に最短距離で達する向き(以降、「当初方向」)でまっすぐ延び、1番目の折り曲げ箇所において内側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して2番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、2番目の折り曲げ箇所において共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに直交するように折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持しつつ共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差して3番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、3番目の折り曲げ箇所において外側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して4番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、4番目の折り曲げ箇所において当初方向に折り曲げられている。
【0033】
つまり、n/4本のデータ線103は、共通電源線LRの手前で束ねられ、束ねられたままで共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差し、交差した後に元の幅と同じ程度の幅に広がっている。立体的な交差は複数の層により実現されている。つまり、n/4本のデータ線103は、基本的には共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと共通する層(以降、「第1層」)に配置されているが、これらと交差する部分においては第1層に重なる第2層に配置されている。本実施形態では第1層を下層とし第2層を上層としているが、両者を逆とした形態を採ることも可能である。
【0034】
また、n/4本のデータ線103を共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに平行な面で切断したときの当該面におけるデータ線103の間隔(以降、「端子間隔」)は、1番目の折り曲げ箇所までは表示部Aから引き出されたときの間隔(以降、「当初間隔」)のままであり、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までは徐々に狭まり、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までは狭くなったままであり、3番目から4番目の折り曲げ箇所までは徐々に広がる。4番目の折り曲げ箇所における端子間隔は当初間隔と同程度である。
【0035】
また、これらのデータ線103に沿ってn/4本の個別電源線も配置されている。ただし、個別電源線は対応する共通電源線に接続されており、対応する共通電源線に重なった部分より先には延在しない。つまり、個別電源線の折り曲げ回数は2回となっており、データ線103とともに束ねられるものの、広がることはない。これらの個別電源線は上記のデータ線103と交互に配置されており、図において一部を拡大して模式的に示すように、両者は相互に接触しない。
【0036】
第2層において、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに重なる部分には、束ねられたデータ線103および個別電源線の両隣にスペースが存在する。これら2つのスペースに、上記8本の回路電源線が配置されている。8本の回路電源線は4本ずつ2組に分けられており、一方のスペースには一方の組の電源線が、他方のスペースには他方の組の電源線が配置されている。各組は、一端が共通電源線LRに接続された電源線、共通電源線LGに接続された電源線、共通電源線LBに接続された電源線、及び共通陰極電源線LNに接続された電源線からなる。これらの電源線の他端は、第2層を通って対応する端子C1に接続されている。第2層を通すのは、基本的には第1層に形成されるデータ線103との間の短絡を確実に回避するためである。なお、本実施形態では合計8組の電源線を介してデータ線駆動回路200に電源電圧を印加するようにしているが、これは、データ線駆動回路200を安定して動作させるためである。
【0037】
上述した第1実施形態によれば、端子C1と端子C2が2段に設けられるから、端子C1の間隔(ピッチ)と端子C2の間隔(ピッチ)を独立して設定することができる。よって、両者を一列に並べる場合に比較して、端子C1の間隔と端子C2の間隔を広く取ることが可能となる。また、端子領域B31〜B34付近のデータ線103の端子間隔は、表示部A付近の間隔や端子領域B41〜B44付近におけるデータ線103の間隔よりも狭くなっており、電気光学パネルAAの端部から眺めると端子領域B31〜B34と端子領域B41〜B44とが重なっている。つまり、実際にも、両者を一列に並べる場合に比較して、端子C1の間隔と端子C2の間隔がより広く確保されている。以上より、本実施形態によれば、端子C1間および端子C2間の短絡を防止すること、並びに電気光学パネルAAとFPCB1及びB2との接続においてアライメントに余裕を持たせることの両方を達成することができる。
【0038】
また、端子C1と端子C2が2段に設けられているため、端子間隔が広くなっても、端子部の幅が表示部Aの幅を超えずに済む。したがって、狭額縁化に寄与する。また、端子C1にはFPCB1が接続され、端子C2にはFPCB1とは異なるFPCB2が接続されるから、全ての端子を1個のFPCに接続する場合と比較して、アライメントを簡易にすることができる。
【0039】
ところで、発光装置1の形態であれば、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと端子部B3との間に、これらの電源線に沿ってシール部を設けるのが普通である。シール部を設ける際には、シール材を圧着又は熱圧着することになるから、圧着又は熱圧着による損傷を考慮すると、シール部に覆われるデータ線103の長さは短いほど良いことになる。これに対し、本実施形態では、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までの間のデータ線103は当初方向(共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと直交する方向)に延在しているから、シール部に覆われるデータ線103の長さは最短となる。よって、データ線103が損傷する可能性を低く抑えることができる。
【0040】
<2.第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る発光装置2について説明する。発光装置2が発光装置1と異なる点は、配線領域BBにおける配線パターンのみである。
図5は、発光装置2の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域BBにおける配線パターンは発光装置1と同様に同一の部分配線パターンを4つ並べて構成されている。よって、以降の説明では、端子領域B31及びB41についての部分配線パターンのみに着目する。
【0041】
発光装置2における部分配線パターンも、n/4本のデータ線103の配置、n/4本の個別電源線の配置、及び8本の回路電源線の配置を意味する。これらの配置のうち、発光装置1における配置と異なるのは、n/4本の個別電源線の配置のみである。すなわち、n/4本の個別電源線は、データ線103の1番目の折れ曲げ箇所の手前でn/8本にまとめられる。具体的には、図において一部を拡大して示すように、同一の共通電源線に接続すべき2本の個別電源線を第2層の補助配線で接続することにより、2列分の画素回路400に対する個別電源線を1本にまとめる。ここで、表示部Aから補助配線までの個別電源線を第1配線とし、補助配線から共通電源線までの個別電源線を第2配線とすると、第2配線の数は第1配線の数の半分となっている。なお、同一の共通電源線に接続すべき個別電源線は共通電源線毎にn/12本あり、どの2本を1本にまとめるかは任意であるが、本実施形態では、電源のインピーダンスを最小とするために、隣接する2本を1本にまとめている。
【0042】
上述した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果の他に、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までの間においてデータ線103の間に通す個別電源線の数を半分に減らすことができるという効果が得られる。
第1及び第2の実施形態では、データ線103及び個別電源線を束ねることによってデータ線駆動回路200を駆動するための8組の電源線を配置するためのスペースを確保している。したがって、2番目の折り曲げ箇所においてデータ線103及び個別電源線を折り曲げる角度を大きくすれば、8組の電源線を配置するためのスペースを広げることができる。スペースを広げる際に問題となるのは、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までの間におけるデータ線103の間隔である。この間隔は表示部Aから1番目の折り曲げ箇所までの間におけるデータ線103の間隔に比較して狭くならざるを得ず、上記の角度を大きくし過ぎると、データ線103と個別電源線が接触してしまうからである。しかし、第2実施形態によれば、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までの間においてデータ線103の間に通す個別電源線の数を半分に減らすことができるから、個別電源線を間に通すデータ線103の間隔を広くし、通さないデータ線103の間隔を狭くすることにより、上記の角度を大きくし、8組の電源線の間隔を広げて配置することができる。これは、FPCを電気光学パネルAAに固定する際の両者の位置合わせの容易化に寄与する。
【0043】
<3.第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る発光装置3について説明する。発光装置3が発光装置1と異なる点は、配線領域BBにおける配線パターンのみである。
図6は、発光装置3の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域BBにおける配線パターンは発光装置1と同様に同一の部分配線パターンを4つ並べて構成されている。よって、以降の説明では、端子領域B31及びB41についての部分配線パターンのみに着目する。
【0044】
発光装置2における部分配線パターンも、n/4本のデータ線103の配置、n/4本の個別電源線の配置、及び8本の回路電源線の配置を意味する。これらの配置のうち、発光装置1における配置と異なるのは、n/4本の個別電源線の配置のみである。すなわち、n/4本の個別電源線は、データ線103の1番目の折れ曲げ箇所の手前でn/8本にまとめられる。具体的には、図において一部を拡大して示すように、同一の共通電源線に接続すべき全ての個別電源線を第2層で補助配線により接続することにより、2列分の画素回路400に対する個別電源線を1本にまとめる。ここで、表示部Aから補助配線までの個別電源線を第1配線とし、補助配線から共通電源線までの個別電源線を第2配線とすると、第2配線の数は第1配線の数の半分となっている。なお、1本にまとめる個別電源線の選択ルールは第2実施形態と同様である。
【0045】
補助配線は共通電源線毎に存在し、全ての部分配線パターンで共通している。具体的には、EL共通電源線LRに接続すべきn/3本の個別電源線を接続する補助配線SR、EL共通電源線LGに接続すべきn/3本の個別電源線を接続する補助配線SG、及びEL共通電源線LBに接続すべきn/3本の個別電源線を接続する補助配線SBが配置されている。
【0046】
上述した第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果の他に、電源のインピーダンスを大幅に下げることができるという効果が得られる。これは、画素回路400に印加される電源電圧のバラつきを抑制することになるから、表示部Aの表示品質の向上につながる。
【0047】
<4.応用例>
次に、発光装置1の応用例について説明する。応用例に係る発光装置4が発光装置1と大きく異なる点は、端子部を2段構成ではなく1段構成とし、束ねたデータ線103を少しだけ広げて端子に接続している点である。以降、図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
図7は、発光装置4の概略構成を示す分解斜視図である。この発光装置4は、電気光学パネルDDと図示しない外部回路とをFPCE1で電気的に接続して構成されている。電気光学パネルDDが前述の電気光学パネルAAと異なる点は、配線領域BBよりも広い配線領域EEを有する点と、配線領域EEにおける配線パターンや端子の配置パターンが配線領域BBにおけるものと異なる点である。
【0049】
配線領域EEにはFPCE1との接続用の端子C3が1段だけ配列されている。端子C3が配列されている部分を端子部E2と称する。端子部E2には端子C3の配列方向に並ぶ4つの端子領域E21〜E24が存在する。端子C3は電源端子又は信号端子として用いられるものであり、4等分されて端子領域E21〜E24に配置されている。端子領域における電源端子と信号端子の配置は全ての端子領域E21〜E24に共通である。
【0050】
FPCE1の一端には端子部E2における端子C3と導通させるべき端子が設けられている。FPCE1の一端を電気光学パネルDDに固定する方法は第1実施形態で述べた方法と同様である。この固定により、FPCE1の一端に設けられた端子と端子C3とが導通し、電気光学パネルDDと外部回路との電気的接続が確保される。
【0051】
図8は、電気光学パネルDDの表示部Aと端子C3との間の配線領域EEにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域EEにおける配線パターンは、端子領域E22とE23との間を境に左右対称となっている。さらに、端子領域E22についての部分配線パターンは、端子領域E21についての部分配線パターンについての説明及び図から容易に特定可能である。よって、以降の説明では、端子領域E21についての部分配線パターンのみに着目する。
【0052】
端子領域E21についての部分配線パターンとは、表示部Aと端子領域E21内の端子C3とを接続するn/4本のデータ線103の配置と、これらのデータ線103が接続されている画素回路400に接続されているn/4本の個別電源線の配置と、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと端子領域E21内の端子C3とを接続する8本の回路電源線の配置とを意味する。
【0053】
これらn/4本のデータ線103は、電気光学パネルDDの上面から眺めて4箇所で折り曲げられている。これらの折り曲げ箇所を表示部Aに近い順に1番目、2番目、3番目、4番目とすると、これらのデータ線103は、表示部Aから1番目の折り曲げ箇所までは当初方向にまっすぐ延び、1番目の折り曲げ箇所において内側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して2番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、2番目の折り曲げ箇所において共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに直交するように折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持しつつ共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差して3番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、3番目の折り曲げ箇所において表示部Aの外側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して4番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、4番目の折り曲げ箇所において当初方向に折り曲げられている。なお、ここで、表示部Aの外側とは、端子C3の配列方向において表示部Aからはみ出した領域を意味する。
【0054】
つまり、n/4本のデータ線103は、共通電源線LRの手前で束ねられ、束ねられたままで共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差し、交差した後にやや広がっている。立体的な交差の実現方法は第1の実施形態と同様である。
【0055】
また、n/4本のデータ線103の端子間隔は、1番目の折り曲げ箇所までは当初間隔のままであり、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までは徐々に狭まり、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までは狭くなったままであり、3番目から4番目の折り曲げ箇所までは徐々に少し広がる。4番目の折り曲げ箇所における端子間隔は当初間隔よりは狭いが立体的な交差の部分における端子間隔よりは広い。
【0056】
また、これらのデータ線103に沿ってn/4本の個別電源線も配置されているが、これらの個別電源線の配置は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、8本の回路電源線と共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNとの接続は第1実施形態と同様である。ただし、これら8本の回路電源線はデータ線103に沿って配置される。つまり、3番目及び4番目の折り曲げ箇所で折り曲げられて対応する端子C3に接続されている。また、これら8本の回路電源線の端子間隔は3番目の折り曲げ箇所から4番目の折り曲げ箇所まで徐々に少し広がる。
【0057】
上述した応用例によれば、端子C3がその配列方向において表示部Aからはみ出して配置されているため、はみ出さずに配置する形態に比較して、端子C3の間隔を広くすることができる。このため、FPCE1の一端に設けるべき端子の間隔をも広くすることができる。よって、FPCを電気光学パネルDDに固定する際の両者の位置合わせが容易となる。
【0058】
ところで、発光装置4の形態であれば、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと3番目の折り曲げ箇所との間に、これらの電源線に沿ってシール部を設けるのが普通である。前述のように、シール部に覆われるデータ線103の長さは短いほど良い。これに対し、応用例では、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までの間のデータ線103は当初方向(共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと直交する方向)に延在しているから、シール部に覆われるデータ線103の長さは最短となる。よって、データ線103が損傷する可能性を低く抑えることができる。
【0059】
<5.変形例>
上述した実施形態又は応用例を以下に列挙するように変形してもよい。
例えば、有機EL素子に代えて他の発光素子を用いるようにしてもよい。もちろん、発光素子として発光ダイオードを用いる場合には色変換層は不要となる。
また、白黒画像などの2値画像のみを表示可能な発光装置としてもよい。この場合、共通電源線LR、LG及びLBが1本にまとめられる。
また、シール部の下にはデータ線103などの配線が設けられるが、この配線はシール部に対して斜めであってもよい。この場合には、配線の凹凸により酸素や水分が迂回され封止性能が向上する。
【0060】
<6.電子機器>
次に、上述した実施形態及び変形例に係る発光装置1を適用した各種の電子機器について説明する。言うまでもないが、発光装置1に代えて発光装置2〜4のうち任意の一を適用することも可能である。
図9に、発光装置1を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての発光装置1と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。この発光装置1はEL素子17を用いるので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0061】
図10に、発光装置1を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての発光装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装置1に表示される画面がスクロールされる。
図11に、発光装置1を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての発光装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が発光装置1に表示される。
【0062】
なお、発光装置1〜4が適用される電子機器としては、図9〜図11に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した発光装置1〜4のうち任意の一を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置1の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の矢視図である。
【図3】発光装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】発光装置1の表示部Aと端子C1及びC2との間の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る発光装置2の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る発光装置3の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図7】発光装置1の応用例に係る発光装置4の概略構成を示す分解斜視図である。
【図8】発光装置4を構成する電気光学パネルDDの表示部Aと端子C3との間の配線領域EEにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図9】発光装置1を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図10】発光装置1を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図11】発光装置1を適用した情報携帯端末の構成を示す斜視図である。
【図12】従来の技術における、表示部とフレキシブルプリント基板を接続するための端子との間における配線パターンの一例を示す図である。
【図13】従来の技術における、表示部とフレキシブルプリント基板を接続するための端子との間における配線パターンの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1,2,3…発光装置、103…データ線(信号配線)、200…データ線駆動回路、400…画素回路、600…電源回路、A…表示部、AA…電気光学パネル(基板を含む)、B1,B2…FPC(フレキシブルプリント基板又はフレキシブル基板)、B3,B4…端子部、B31〜B34…端子領域(電源端子領域)、B41〜B44…端子領域(信号端子領域)、BB…配線領域、LN…共通陰極電源線(共通電源配線)、LR,LG,LB…EL共通電源線(共通電源配線)、SR,SG,SB…補助配線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びこれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置に替わる画像表示装置として、EL(Electro Luminescence)素子を備えた装置が注目されている。EL素子は、光の透過量を変化させる液晶素子とは異なり、それ自体が発光する電流駆動型の発光素子である。発光素子を用いたアクディブマトリクス駆動の発光装置では、各発光素子に対して、発光階調を調整するための画素回路が設けられる。画素回路は、供給された電源により発光素子を発光させるとともに、供給された信号に応じた発光階調となるように発光素子の発光を制御する。このような画素回路が配列された表示部(画素領域)を基板上に形成して発光装置が構成されている。
【0003】
画素回路への信号は、例えばフレキシブルプリント基板を介して接続された外部回路から供給される。この場合、フレキシブルプリント基板は、表示部が設けられた基板に接続される。この基板において、フレキシブルプリント基板に接続される接続端子と表示部との間には、信号配線や電源配線が配置される。この配置の例を図に示す。
【0004】
図12は表示部と接続端子との間における配線パターンの一例を示す図である。この例では、一列に並んだ接続端子P1及びP2と表示部との間に共通電源線Lが横たわっている。共通電源線Lは複数の画素回路への電源の供給に用いられるものであり、各画素回路と接続されている。また、共通電源線Lは外部回路への電源の供給にも用いられており、接続端子P1に接続されている。また、表示部からの信号配線は共通信号線Lと立体的に交差して接続端子P2に接続されている。
【0005】
図13は表示部と接続端子との間における配線パターンの他の例を示す図である。この例でも、一列に並んだ接続端子P3及びP4と表示部との間に共通電源線Lが横たわっている。共通電源線Lの役割は図12の例におけるものと同一であり、各画素回路と接続される一方、接続端子P3に接続されている。また、表示部からの信号配線は共通信号線Lと立体的に交差して接続端子P4に接続されている。
【0006】
ところで、この種の発光装置では、装置全体の小型化が重要な課題となっている。しかし、上述した例では、全ての接続端子が一列に並んでおり、小型化を達成するためには端子の間隔を狭くせざるを得ない。この結果、基板とフレキシブル基板の接続において、アライメントが困難となる。これは、発光装置、ひいては当該発光装置の製造に悪影響を及ぼす。接続端子の間隔を広くする技術としては、特許文献1〜4に記載のものが挙げられるが、いずれも上記の問題を解決し得るものではない。
【0007】
【特許文献1】特開2002−169487号公報
【特許文献2】特開平11−326933号公報
【特許文献3】特開平9−318962号公報
【特許文献4】特開2000−221515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、複数の画素回路が形成された基板と外部の回路との接続においてアライメントを容易とすることが可能な発光装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る発光装置は、電源と信号とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成したものであって、前記基板は、前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、前記基板の端部から見て、前記信号端子領域、前記複数の電源端子領域、前記複数の共通電源配線、及び前記画素領域の順に配置したことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、信号端子領域と複数の電源端子領域とが別の領域に配置されているから、複数の信号端子のピッチと複数の電源端子のピッチを独立して設定することができる。これにより、複数の信号端子と複数の電源端子を一列に配置したものと比較して、複数の信号端子のピッチと複数の電源端子のピッチを広く取ることが可能となる。この結果、信号端子間および電源端子間の短絡を防止するとともに、当該基板とフレキシブル基板の接続において、アライメントに余裕を持たせることが可能となる。
【0011】
上述した発光装置において、前記複数の信号配線を前記複数の電源端子領域の間を通して引き回し、前記画素領域の端部及び前記信号端子領域における前記複数の信号配線のピッチを、前記複数の電源端子領域の間における前記複数の信号配線のピッチより広くすることが好ましい。この場合には、画素領域の端部から引き出された信号配線を束ねて複数の電源端子領域の間を引き回し、電源端子領域を抜けると複数の信号配線のピッチを広げて信号端子領域に導く。これにより、信号端子のピッチを広く取ることが可能となる。
【0012】
ここで、前記複数の第1電源接続線と前記複数の信号配線とは、異なる層で前記基板上に形成することが好ましい。複数の第1電源接続線は複数の共通電源配線と複数の電源端子とを各々接続するが、これを複数の信号配線とは異なる層で配線するので、同一の層に形成する場合と比較して、製造工程において両者の間で短絡が発生する不具合を低減することができる。この結果、発光装置の歩留まりを向上させ、製造コストを低減することができる。
【0013】
次に、本発明に係る他の発光装置は、信号と複数色に対応して電圧の異なる電源とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成したものであって、前記基板は、前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、前記複数の第2電源接続線は、前記画素領域から引き出された複数の第1配線と、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士の一部又は全部を接続する複数の補助配線と、前記複数の第1配線の数より少ない数で前記複数の第1配線と前記複数の共通電源線とを接続する複数の第2配線とを有する。
【0014】
この発明によれば、補助配線を用いて同一電圧が供給される第1配線が接続されるので、画素領域から引き出された複数の第1配線の全部を複数の共通電源線に接続する必要はなく、複数の第1配線の数より少ない数で複数の第1配線と複数の共通電源線とを接続することができる。このため、第2配線のピッチを広くとることができ、歩留まりを向上させることができる。くわえて、この場合には第1配線が画素領域から引き出された直後に補助配線を用いて同一電圧が供給されるもの同士が接続されるので、電源のインピーダンスを低減することができ、ノイズマージンを向上させることができる。ここで、電源のインピーダンスを低減する観点から、前記複数の補助配線は、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士を全て接続することが好ましい。
【0015】
ここで、前記複数の共通電源配線と前記複数の第1電源接続線とは、直交するように配置することが、共通電源配線と第1電源接続線の短絡を防止する観点から、望ましい。さらに、前記複数の共通電源配線と前記複数の信号配線とは、直交するように配置することが共通電源配線と信号配線の短絡を防止する観点から好ましい。
【0016】
また、上述した発光装置において、前記基板と対向する対向基板と、前記基板と前記対向基板とを所定の間隙を持って接着するシール部を備え、前記シール部の長手方向と前記複数の信号配線又は前記複数の第1電源配線とを直交するように配置することが好ましい。この場合、基板と対向基板とはシール部で接着される。両者の接着では、熱や圧力をかけることが通常である。また、製造工程においてシール材に異物が混入することもある。従って、信号配線がシール部と接する面積は小さいことが好ましい。この発明によれば、信号配線とシール部の長手方向とは直交するので、両者が接する面積を小さくして信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、上述した発光装置において、前記複数の電源端子と接続され、前記電源を供給する第1のフレキシブル基板と、前記複数の信号端子と接続され、前記信号を供給する第2のフレキシブル基板と、を備えることが好ましい。この場合には、電源端子と信号端子を独立したフレキシブル基板に接続するので、全ての端子を1個のフレキシブル基板で接続する場合と比較して、アライメントを簡易にできる。なお、第1及び第2のフレキシブル基板は両者が重なるように配置することによって、狭い空間にフレキシブル基板のレイアウトすることが可能となる。
【0018】
次に、本発明に電子機器は、上述した発光装置を備えることを特徴とする。そのような電子機器としては例えば、複数のパネルを連結した大型ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、および携帯情報端末等が該当する。また、上述した画素回路は有機発光ダイオードや無機発光ダイオードなどの発光素子を備えることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。なお、図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0020】
<1.第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の概略構成を示す分解斜視図である。この発光装置1は、電気光学パネルAAと図示しない外部回路とをFPC(フレキシブルプリント基板又はフレキシブル基板)B1及びB2で電気的に接続して構成されている。電気光学パネルAAは、基板上にEL(Electro Luminescence)素子や配線などの要素を形成して構成され、外部回路により駆動および制御されて方形の画像を表示する。この電気光学パネルAAの一端には画像が表示されない部分があり、この部分には、FPCとの接続用の端子が2段に分けて配列されている。以降、1段目の端子(電源端子)C1が配列されている部分を端子部B3、2段目の端子(信号端子)C2が配列されている部分を端子部B4と称する。端子部B3には端子C1の配列方向に並ぶ4つの端子領域B31〜B34が存在し、端子部B4には端子C2の配列方向に並ぶ4つの端子領域B41〜B44が存在する。端子C1は4等分されて端子領域B31〜B34に配置されており、端子C2は4等分されて端子領域B41〜B44に配置されている。
【0021】
図2は、図1の矢視図である。発光装置1の製造工程では、FPCB2の一端がACF(異方性導電フィルム)B6を用いた熱圧着により電気光学パネルAAに固定される。この固定の際には、導通させるべき端子同士がACFB6を介して対向するようにFPCB2と電気光学パネルAAとの位置合わせ(アライメント)が行われる。この固定により、FPCB2の一端に設けられた端子と端子C2との導通が実現されている。上記の固定以降に、FPCB1の一端がACFB5を用いた熱圧着により電気光学パネルAAに固定される。この固定の際には、導通させるべき端子同士がACFB5を介して対向するようにFPCB1と電気光学パネルAAとの位置合わせが行われる。この固定により、FPCB1の一端に設けられた端子と端子C1との導通が実現されている。このような製造工程を経ることにより、電気光学パネルAAと外部回路との電気的接続が確保されている。なお、ACFに代えてACP(異方性導電ペースト)を用いるようにしてもよい。また、FPCの一端を電気光学パネルAAに固定する方法として、上記の導通を実現可能な任意の方法を採用してもよい。
【0022】
図3は、発光装置1の電気的構成を示すブロック図である。電気光学パネルAAには、表示部A及び走査線駆動回路100が形成されている。このうち、表示部Aには、X方向と平行にm本の走査線101が形成されている。また、X方向と直交するY方向と平行にn本のデータ線(信号配線)103が形成されている。nは3の倍数であり、n本のデータ線103は外部回路であるデータ線駆動回路200に接続されている。
【0023】
走査線101とデータ線103との各交差に対応して画素回路400が各々設けられている。つまり、画素回路400がマトリクス状に配列されている。画素回路400の各々は、電気エネルギを受けて発光するEL素子、EL素子を駆動するためのTFT素子、及びEL素子からの発光光を赤色光、緑色光又は青色光に変換する色変換層を含んでおり、電源電圧を受けて各自が包含するEL素子を駆動することにより赤色光、緑色光又は青色光を発する。EL素子としては、有機EL素子や無機EL素子を例示することができる。
【0024】
図において、画素回路400には、その発光色を表す符号「R」、「G」または「B」が付されている。「R」はR色(赤色)、「G」はG色(緑色)、「B」はB色(青色)を表す。これらの符号の配置から明らかなように、画素回路400は、表示部AのX方向においてはR色用のもの、G色用のもの及びB色用のものが順に繰り返して並び、Y方向においては同一色用のものが並ぶように配置されている。
【0025】
また、電気光学パネルAAには、EL共通電源線LR、EL共通電源線LG、EL共通電源線LB及び共通陰極電源線LNがX方向に延在して設けられている。以降の説明では、これらの電源線の各々を共通電源配線と称することもある。EL共通電源線LRにはn/3本のR用個別電源線(第2電源接続線)を介してR色用の画素回路400が、EL共通電源線LGにはn/3本のG用個別電源線(第2電源接続線)を介してG色用の画素回路400が、EL共通電源線LBにはn/3本のB用個別電源線(第2電源接続線)を介してB色用の画素回路400が接続されている。個別電源線はY方向に並ぶ画素回路400に共通であり、1本の個別電源線にはm個の画素回路400が接続されている。つまり、各画素回路400は個別電源線及び共通電源線を介して電源回路600に電気的に接続されている。
【0026】
共通電源線LR、LG及びLBは、基準電位となる共通陰極電源線LNとともに電源回路600に接続されている。電源回路600は、電源電圧Vddr、Vddg及びVddbを生成し、電源電圧VddrをR色用の、電源電圧VddgをG色用の、電源電圧VddbをB色用の画素回路400に印加する。共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNは略等間隔で配置されており、各データ線103はこれらの電源線と立体的に交差して端子C2に結線されている。つまり、各画素回路400は、データ線103、端子C2、及びFPCB2を介して後述のデータ線駆動回路200に電気的に接続されている。
【0027】
走査線駆動回路100は、複数の走査線101を順次選択するための走査信号Y1、Y2、Y3、…、Ymを生成して、各画素回路400に各々供給する。走査信号Y1は、1垂直走査期間(1F)の最初のタイミングから、1水平走査期間(1H)に相当する幅のパルスであって、1行目の走査線101に供給される。以降、このパルスを順次シフトして、2、3、…、m行目の走査線101の各々に走査信号Y2、Y3、…、Ymとして供給する。一般的にi(iは、1≦i≦mを満たす整数)行目の走査線101に供給される走査信号YiがHレベルになると、当該走査線101が選択されたことを示す。
【0028】
データ線駆動回路200は、選択された走査線101に位置する画素回路400の各々に対し、データ線103を介して供給階調信号X1、X2、X3、…、Xnを供給する。この例において、供給階調信号X1〜Xnは階調輝度を指示する電圧信号(データ電圧)として各画素回路400に与えられる。また、データ線駆動回路200には、供給階調信号の供給に必要な電圧が、電源回路600から、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LN、端子C1、及びFPCB1を介して印加される。
【0029】
タイミング発生回路700は、各種の制御信号を生成してこれらを走査線駆動回路100及びデータ線駆動回路200へ出力する。また、画像処理回路800はガンマ補正等の画像処理を施した階調データDを生成し、データ線駆動回路200へ出力する。なお、この例では、タイミング発生回路700及び画像処理回路800を、電気光学パネルAAの外部に設けたが、これらの一部又は全部を電気光学パネルAAに取り込んでもよい。また、走査線駆動回路100を外部回路として設けてもよい。
【0030】
図4は、表示部Aと端子C1及びC2との間の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域BBにおける配線パターンは同一の部分配線パターンを4つ並べて構成されている。つまり、端子領域B31及びB41についての部分配線パターン、端子領域B32及びB42についての部分配線パターン、端子領域B33及びB43についての部分配線パターン、及び端子領域B34及びB44についての部分配線パターンは同一のパターンとなっている。よって、以降の説明では、端子領域B32及びB42についての部分配線パターンのみに着目する。
【0031】
端子領域B32及びB42についての部分配線パターンとは、表示部Aと端子領域B42内の端子C2とを接続するn/4本のデータ線103の配置と、これらのデータ線103が接続されている画素回路400に接続されているn/4本の個別電源線の配置と、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと端子領域B32内の端子C1とを接続する8本の回路電源線(第1電源接続線)の配置とを意味する。
【0032】
これらn/4本のデータ線103は、電気光学パネルAAの上面から眺めて4箇所で折り曲げられている。これらの折り曲げ箇所を表示部Aに近い順に1番目、2番目、3番目、4番目とすると、これらのデータ線103は、表示部Aから1番目の折り曲げ箇所までは対応する端子C2に最短距離で達する向き(以降、「当初方向」)でまっすぐ延び、1番目の折り曲げ箇所において内側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して2番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、2番目の折り曲げ箇所において共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに直交するように折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持しつつ共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差して3番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、3番目の折り曲げ箇所において外側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して4番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、4番目の折り曲げ箇所において当初方向に折り曲げられている。
【0033】
つまり、n/4本のデータ線103は、共通電源線LRの手前で束ねられ、束ねられたままで共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差し、交差した後に元の幅と同じ程度の幅に広がっている。立体的な交差は複数の層により実現されている。つまり、n/4本のデータ線103は、基本的には共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと共通する層(以降、「第1層」)に配置されているが、これらと交差する部分においては第1層に重なる第2層に配置されている。本実施形態では第1層を下層とし第2層を上層としているが、両者を逆とした形態を採ることも可能である。
【0034】
また、n/4本のデータ線103を共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに平行な面で切断したときの当該面におけるデータ線103の間隔(以降、「端子間隔」)は、1番目の折り曲げ箇所までは表示部Aから引き出されたときの間隔(以降、「当初間隔」)のままであり、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までは徐々に狭まり、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までは狭くなったままであり、3番目から4番目の折り曲げ箇所までは徐々に広がる。4番目の折り曲げ箇所における端子間隔は当初間隔と同程度である。
【0035】
また、これらのデータ線103に沿ってn/4本の個別電源線も配置されている。ただし、個別電源線は対応する共通電源線に接続されており、対応する共通電源線に重なった部分より先には延在しない。つまり、個別電源線の折り曲げ回数は2回となっており、データ線103とともに束ねられるものの、広がることはない。これらの個別電源線は上記のデータ線103と交互に配置されており、図において一部を拡大して模式的に示すように、両者は相互に接触しない。
【0036】
第2層において、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに重なる部分には、束ねられたデータ線103および個別電源線の両隣にスペースが存在する。これら2つのスペースに、上記8本の回路電源線が配置されている。8本の回路電源線は4本ずつ2組に分けられており、一方のスペースには一方の組の電源線が、他方のスペースには他方の組の電源線が配置されている。各組は、一端が共通電源線LRに接続された電源線、共通電源線LGに接続された電源線、共通電源線LBに接続された電源線、及び共通陰極電源線LNに接続された電源線からなる。これらの電源線の他端は、第2層を通って対応する端子C1に接続されている。第2層を通すのは、基本的には第1層に形成されるデータ線103との間の短絡を確実に回避するためである。なお、本実施形態では合計8組の電源線を介してデータ線駆動回路200に電源電圧を印加するようにしているが、これは、データ線駆動回路200を安定して動作させるためである。
【0037】
上述した第1実施形態によれば、端子C1と端子C2が2段に設けられるから、端子C1の間隔(ピッチ)と端子C2の間隔(ピッチ)を独立して設定することができる。よって、両者を一列に並べる場合に比較して、端子C1の間隔と端子C2の間隔を広く取ることが可能となる。また、端子領域B31〜B34付近のデータ線103の端子間隔は、表示部A付近の間隔や端子領域B41〜B44付近におけるデータ線103の間隔よりも狭くなっており、電気光学パネルAAの端部から眺めると端子領域B31〜B34と端子領域B41〜B44とが重なっている。つまり、実際にも、両者を一列に並べる場合に比較して、端子C1の間隔と端子C2の間隔がより広く確保されている。以上より、本実施形態によれば、端子C1間および端子C2間の短絡を防止すること、並びに電気光学パネルAAとFPCB1及びB2との接続においてアライメントに余裕を持たせることの両方を達成することができる。
【0038】
また、端子C1と端子C2が2段に設けられているため、端子間隔が広くなっても、端子部の幅が表示部Aの幅を超えずに済む。したがって、狭額縁化に寄与する。また、端子C1にはFPCB1が接続され、端子C2にはFPCB1とは異なるFPCB2が接続されるから、全ての端子を1個のFPCに接続する場合と比較して、アライメントを簡易にすることができる。
【0039】
ところで、発光装置1の形態であれば、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと端子部B3との間に、これらの電源線に沿ってシール部を設けるのが普通である。シール部を設ける際には、シール材を圧着又は熱圧着することになるから、圧着又は熱圧着による損傷を考慮すると、シール部に覆われるデータ線103の長さは短いほど良いことになる。これに対し、本実施形態では、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までの間のデータ線103は当初方向(共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと直交する方向)に延在しているから、シール部に覆われるデータ線103の長さは最短となる。よって、データ線103が損傷する可能性を低く抑えることができる。
【0040】
<2.第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る発光装置2について説明する。発光装置2が発光装置1と異なる点は、配線領域BBにおける配線パターンのみである。
図5は、発光装置2の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域BBにおける配線パターンは発光装置1と同様に同一の部分配線パターンを4つ並べて構成されている。よって、以降の説明では、端子領域B31及びB41についての部分配線パターンのみに着目する。
【0041】
発光装置2における部分配線パターンも、n/4本のデータ線103の配置、n/4本の個別電源線の配置、及び8本の回路電源線の配置を意味する。これらの配置のうち、発光装置1における配置と異なるのは、n/4本の個別電源線の配置のみである。すなわち、n/4本の個別電源線は、データ線103の1番目の折れ曲げ箇所の手前でn/8本にまとめられる。具体的には、図において一部を拡大して示すように、同一の共通電源線に接続すべき2本の個別電源線を第2層の補助配線で接続することにより、2列分の画素回路400に対する個別電源線を1本にまとめる。ここで、表示部Aから補助配線までの個別電源線を第1配線とし、補助配線から共通電源線までの個別電源線を第2配線とすると、第2配線の数は第1配線の数の半分となっている。なお、同一の共通電源線に接続すべき個別電源線は共通電源線毎にn/12本あり、どの2本を1本にまとめるかは任意であるが、本実施形態では、電源のインピーダンスを最小とするために、隣接する2本を1本にまとめている。
【0042】
上述した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果の他に、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までの間においてデータ線103の間に通す個別電源線の数を半分に減らすことができるという効果が得られる。
第1及び第2の実施形態では、データ線103及び個別電源線を束ねることによってデータ線駆動回路200を駆動するための8組の電源線を配置するためのスペースを確保している。したがって、2番目の折り曲げ箇所においてデータ線103及び個別電源線を折り曲げる角度を大きくすれば、8組の電源線を配置するためのスペースを広げることができる。スペースを広げる際に問題となるのは、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までの間におけるデータ線103の間隔である。この間隔は表示部Aから1番目の折り曲げ箇所までの間におけるデータ線103の間隔に比較して狭くならざるを得ず、上記の角度を大きくし過ぎると、データ線103と個別電源線が接触してしまうからである。しかし、第2実施形態によれば、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までの間においてデータ線103の間に通す個別電源線の数を半分に減らすことができるから、個別電源線を間に通すデータ線103の間隔を広くし、通さないデータ線103の間隔を狭くすることにより、上記の角度を大きくし、8組の電源線の間隔を広げて配置することができる。これは、FPCを電気光学パネルAAに固定する際の両者の位置合わせの容易化に寄与する。
【0043】
<3.第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る発光装置3について説明する。発光装置3が発光装置1と異なる点は、配線領域BBにおける配線パターンのみである。
図6は、発光装置3の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域BBにおける配線パターンは発光装置1と同様に同一の部分配線パターンを4つ並べて構成されている。よって、以降の説明では、端子領域B31及びB41についての部分配線パターンのみに着目する。
【0044】
発光装置2における部分配線パターンも、n/4本のデータ線103の配置、n/4本の個別電源線の配置、及び8本の回路電源線の配置を意味する。これらの配置のうち、発光装置1における配置と異なるのは、n/4本の個別電源線の配置のみである。すなわち、n/4本の個別電源線は、データ線103の1番目の折れ曲げ箇所の手前でn/8本にまとめられる。具体的には、図において一部を拡大して示すように、同一の共通電源線に接続すべき全ての個別電源線を第2層で補助配線により接続することにより、2列分の画素回路400に対する個別電源線を1本にまとめる。ここで、表示部Aから補助配線までの個別電源線を第1配線とし、補助配線から共通電源線までの個別電源線を第2配線とすると、第2配線の数は第1配線の数の半分となっている。なお、1本にまとめる個別電源線の選択ルールは第2実施形態と同様である。
【0045】
補助配線は共通電源線毎に存在し、全ての部分配線パターンで共通している。具体的には、EL共通電源線LRに接続すべきn/3本の個別電源線を接続する補助配線SR、EL共通電源線LGに接続すべきn/3本の個別電源線を接続する補助配線SG、及びEL共通電源線LBに接続すべきn/3本の個別電源線を接続する補助配線SBが配置されている。
【0046】
上述した第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果の他に、電源のインピーダンスを大幅に下げることができるという効果が得られる。これは、画素回路400に印加される電源電圧のバラつきを抑制することになるから、表示部Aの表示品質の向上につながる。
【0047】
<4.応用例>
次に、発光装置1の応用例について説明する。応用例に係る発光装置4が発光装置1と大きく異なる点は、端子部を2段構成ではなく1段構成とし、束ねたデータ線103を少しだけ広げて端子に接続している点である。以降、図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
図7は、発光装置4の概略構成を示す分解斜視図である。この発光装置4は、電気光学パネルDDと図示しない外部回路とをFPCE1で電気的に接続して構成されている。電気光学パネルDDが前述の電気光学パネルAAと異なる点は、配線領域BBよりも広い配線領域EEを有する点と、配線領域EEにおける配線パターンや端子の配置パターンが配線領域BBにおけるものと異なる点である。
【0049】
配線領域EEにはFPCE1との接続用の端子C3が1段だけ配列されている。端子C3が配列されている部分を端子部E2と称する。端子部E2には端子C3の配列方向に並ぶ4つの端子領域E21〜E24が存在する。端子C3は電源端子又は信号端子として用いられるものであり、4等分されて端子領域E21〜E24に配置されている。端子領域における電源端子と信号端子の配置は全ての端子領域E21〜E24に共通である。
【0050】
FPCE1の一端には端子部E2における端子C3と導通させるべき端子が設けられている。FPCE1の一端を電気光学パネルDDに固定する方法は第1実施形態で述べた方法と同様である。この固定により、FPCE1の一端に設けられた端子と端子C3とが導通し、電気光学パネルDDと外部回路との電気的接続が確保される。
【0051】
図8は、電気光学パネルDDの表示部Aと端子C3との間の配線領域EEにおける配線パターンの一部を示す図である。配線領域EEにおける配線パターンは、端子領域E22とE23との間を境に左右対称となっている。さらに、端子領域E22についての部分配線パターンは、端子領域E21についての部分配線パターンについての説明及び図から容易に特定可能である。よって、以降の説明では、端子領域E21についての部分配線パターンのみに着目する。
【0052】
端子領域E21についての部分配線パターンとは、表示部Aと端子領域E21内の端子C3とを接続するn/4本のデータ線103の配置と、これらのデータ線103が接続されている画素回路400に接続されているn/4本の個別電源線の配置と、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと端子領域E21内の端子C3とを接続する8本の回路電源線の配置とを意味する。
【0053】
これらn/4本のデータ線103は、電気光学パネルDDの上面から眺めて4箇所で折り曲げられている。これらの折り曲げ箇所を表示部Aに近い順に1番目、2番目、3番目、4番目とすると、これらのデータ線103は、表示部Aから1番目の折り曲げ箇所までは当初方向にまっすぐ延び、1番目の折り曲げ箇所において内側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して2番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、2番目の折り曲げ箇所において共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNに直交するように折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持しつつ共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差して3番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、3番目の折り曲げ箇所において表示部Aの外側に折り曲げられ、折り曲げられた角度を維持して4番目の折り曲げ箇所までまっすぐ延び、4番目の折り曲げ箇所において当初方向に折り曲げられている。なお、ここで、表示部Aの外側とは、端子C3の配列方向において表示部Aからはみ出した領域を意味する。
【0054】
つまり、n/4本のデータ線103は、共通電源線LRの手前で束ねられ、束ねられたままで共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと立体的に交差し、交差した後にやや広がっている。立体的な交差の実現方法は第1の実施形態と同様である。
【0055】
また、n/4本のデータ線103の端子間隔は、1番目の折り曲げ箇所までは当初間隔のままであり、1番目の折り曲げ箇所から2番目の折り曲げ箇所までは徐々に狭まり、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までは狭くなったままであり、3番目から4番目の折り曲げ箇所までは徐々に少し広がる。4番目の折り曲げ箇所における端子間隔は当初間隔よりは狭いが立体的な交差の部分における端子間隔よりは広い。
【0056】
また、これらのデータ線103に沿ってn/4本の個別電源線も配置されているが、これらの個別電源線の配置は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、8本の回路電源線と共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNとの接続は第1実施形態と同様である。ただし、これら8本の回路電源線はデータ線103に沿って配置される。つまり、3番目及び4番目の折り曲げ箇所で折り曲げられて対応する端子C3に接続されている。また、これら8本の回路電源線の端子間隔は3番目の折り曲げ箇所から4番目の折り曲げ箇所まで徐々に少し広がる。
【0057】
上述した応用例によれば、端子C3がその配列方向において表示部Aからはみ出して配置されているため、はみ出さずに配置する形態に比較して、端子C3の間隔を広くすることができる。このため、FPCE1の一端に設けるべき端子の間隔をも広くすることができる。よって、FPCを電気光学パネルDDに固定する際の両者の位置合わせが容易となる。
【0058】
ところで、発光装置4の形態であれば、共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと3番目の折り曲げ箇所との間に、これらの電源線に沿ってシール部を設けるのが普通である。前述のように、シール部に覆われるデータ線103の長さは短いほど良い。これに対し、応用例では、2番目の折り曲げ箇所から3番目の折り曲げ箇所までの間のデータ線103は当初方向(共通電源線LR、LG及びLB並びに共通陰極電源線LNと直交する方向)に延在しているから、シール部に覆われるデータ線103の長さは最短となる。よって、データ線103が損傷する可能性を低く抑えることができる。
【0059】
<5.変形例>
上述した実施形態又は応用例を以下に列挙するように変形してもよい。
例えば、有機EL素子に代えて他の発光素子を用いるようにしてもよい。もちろん、発光素子として発光ダイオードを用いる場合には色変換層は不要となる。
また、白黒画像などの2値画像のみを表示可能な発光装置としてもよい。この場合、共通電源線LR、LG及びLBが1本にまとめられる。
また、シール部の下にはデータ線103などの配線が設けられるが、この配線はシール部に対して斜めであってもよい。この場合には、配線の凹凸により酸素や水分が迂回され封止性能が向上する。
【0060】
<6.電子機器>
次に、上述した実施形態及び変形例に係る発光装置1を適用した各種の電子機器について説明する。言うまでもないが、発光装置1に代えて発光装置2〜4のうち任意の一を適用することも可能である。
図9に、発光装置1を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての発光装置1と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。この発光装置1はEL素子17を用いるので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0061】
図10に、発光装置1を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての発光装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装置1に表示される画面がスクロールされる。
図11に、発光装置1を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての発光装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が発光装置1に表示される。
【0062】
なお、発光装置1〜4が適用される電子機器としては、図9〜図11に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した発光装置1〜4のうち任意の一を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置1の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の矢視図である。
【図3】発光装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】発光装置1の表示部Aと端子C1及びC2との間の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る発光装置2の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る発光装置3の配線領域BBにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図7】発光装置1の応用例に係る発光装置4の概略構成を示す分解斜視図である。
【図8】発光装置4を構成する電気光学パネルDDの表示部Aと端子C3との間の配線領域EEにおける配線パターンの一部を示す図である。
【図9】発光装置1を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図10】発光装置1を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図11】発光装置1を適用した情報携帯端末の構成を示す斜視図である。
【図12】従来の技術における、表示部とフレキシブルプリント基板を接続するための端子との間における配線パターンの一例を示す図である。
【図13】従来の技術における、表示部とフレキシブルプリント基板を接続するための端子との間における配線パターンの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1,2,3…発光装置、103…データ線(信号配線)、200…データ線駆動回路、400…画素回路、600…電源回路、A…表示部、AA…電気光学パネル(基板を含む)、B1,B2…FPC(フレキシブルプリント基板又はフレキシブル基板)、B3,B4…端子部、B31〜B34…端子領域(電源端子領域)、B41〜B44…端子領域(信号端子領域)、BB…配線領域、LN…共通陰極電源線(共通電源配線)、LR,LG,LB…EL共通電源線(共通電源配線)、SR,SG,SB…補助配線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と信号とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成した発光装置であって、
前記基板は、
前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、
前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、
前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、
前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、
前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、
前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、
前記基板の端部から見て、前記信号端子領域、前記複数の電源端子領域、前記複数の共通電源配線、及び前記画素領域の順に配置したことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の信号配線を前記複数の電源端子領域の間を通して引き回し、前記画素領域の端部及び前記信号端子領域における前記複数の信号配線のピッチを、前記複数の電源端子領域の間における前記複数の信号配線のピッチより広くしたことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の第1電源接続線と前記複数の信号配線とは、異なる層で前記基板上に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
信号と複数色に対応して電圧の異なる電源とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成した発光装置であって、
前記基板は、
前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、
前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、
前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、
前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、
前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、
前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、
前記複数の第2電源接続線は、前記画素領域から引き出された複数の第1配線と、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士の一部又は全部を接続する複数の補助配線と、前記複数の第1配線の数より少ない数で前記複数の第1配線と前記複数の共通電源線とを接続する複数の第2配線とを有することを特徴とする発光装置。
【請求項5】
前記複数の補助配線は、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士を全て接続することを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の共通電源配線と前記複数の第1電源接続線とを直交するように配置したことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数の共通電源配線と前記複数の信号配線とを直交するように配置したことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記基板と対向する対向基板と、
前記基板と前記対向基板とを所定の間隙を持って接着するシール部を備え、
前記シール部の長手方向と前記複数の信号配線又は前記複数の第1電源配線とを直交するように配置したことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記複数の電源端子と接続され、前記電源を供給する第1のフレキシブル基板と、
前記複数の信号端子と接続され、前記信号を供給する第2のフレキシブル基板と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載した発光装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
電源と信号とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成した発光装置であって、
前記基板は、
前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、
前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、
前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、
前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、
前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、
前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、
前記基板の端部から見て、前記信号端子領域、前記複数の電源端子領域、前記複数の共通電源配線、及び前記画素領域の順に配置したことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の信号配線を前記複数の電源端子領域の間を通して引き回し、前記画素領域の端部及び前記信号端子領域における前記複数の信号配線のピッチを、前記複数の電源端子領域の間における前記複数の信号配線のピッチより広くしたことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の第1電源接続線と前記複数の信号配線とは、異なる層で前記基板上に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
信号と複数色に対応して電圧の異なる電源とが供給される複数の画素回路が形成された画素領域を基板上に形成した発光装置であって、
前記基板は、
前記信号が入力される複数の信号端子が形成される信号端子領域と、
前記電源が入力される複数の電源端子が形成される複数の電源端子領域と、
前記信号端子領域及び前記電源端子領域と前記画素領域との間に設けられ、前記電源を引き回す複数の共通電源配線と、
前記複数の共通電源配線と前記複数の電源端子とを各々接続する複数の第1電源接続線と、
前記複数の共通電源線と前記複数の画素回路とを接続する複数の第2電源接続線と、
前記複数の信号端子と前記複数の画素回路とを接続する複数の信号配線とを備え、
前記複数の第2電源接続線は、前記画素領域から引き出された複数の第1配線と、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士の一部又は全部を接続する複数の補助配線と、前記複数の第1配線の数より少ない数で前記複数の第1配線と前記複数の共通電源線とを接続する複数の第2配線とを有することを特徴とする発光装置。
【請求項5】
前記複数の補助配線は、前記複数の第1配線のうち同一電圧が供給されるもの同士を全て接続することを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の共通電源配線と前記複数の第1電源接続線とを直交するように配置したことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数の共通電源配線と前記複数の信号配線とを直交するように配置したことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記基板と対向する対向基板と、
前記基板と前記対向基板とを所定の間隙を持って接着するシール部を備え、
前記シール部の長手方向と前記複数の信号配線又は前記複数の第1電源配線とを直交するように配置したことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記複数の電源端子と接続され、前記電源を供給する第1のフレキシブル基板と、
前記複数の信号端子と接続され、前記信号を供給する第2のフレキシブル基板と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載した発光装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−285058(P2006−285058A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−107152(P2005−107152)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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