説明

発光装置

【課題】電極金属によって遮光されることなく発光部からの出射光を取り出すことができる発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置100において、基板110の表面又は前記基板の表面に形成された接合層112の表面に密着固定されている複数の単結晶半導体薄膜120と、前記単結晶半導体薄膜の発光部の第1導電側の電極132及び第2導電側の電極112にそれぞれ接続される第1導電側金属層130と第2導電側金属層114とを備え、前記第1導電側金属層の上面と前記第2導電側金属層の上面との双方が、前記発光部の上面よりも、前記基板側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の単結晶半導体薄膜を有する光取り出し効率の高い発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオードの発光効率を向上させるための発光ダイオードの構造として、例えば、特許文献1に開示されるものがある。
特許文献1には、発光層に積層された薄膜透明電極と、この透明電極に積層形成されて複数の開口部を持つ金属格子状電極とを備えた形態が開示されている。この形態によれば、各開口部の中央部における発光層の発光効率を減少させることなく、金属格子状電極の格子間隔を広くできることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−251634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の形態では、格子間隔を広く設けたとしても、発光層の上面を被覆する金属格子状電極による発光層の被覆率は低滅できるものの、発光層の上面の一部を金属格子状電極によって被覆するため、発光層よりも高い位置に金属格子状電極が設けられる。したがって、金属格子状電極の形成領域で光が遮蔽されると共に、開口部領域で発生した光の斜め方向に出射した光も、発光層上に形成された金属格子状電極によって遮光されてしまうことになり、光取り出し効率が制限されてしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、電極金属によって遮光されることなく発光部からの出射光を取り出すことができる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の発光装置は、基板の表面又は前記基板の表面に形成された接合層の表面に密着固定されている複数の単結晶半導体薄膜と、前記単結晶半導体薄膜の発光部の第1導電側の電極及び第2導電側の電極にそれぞれ接続される第1導電側金属層と第2導電側金属層とを備え、前記第1導電側金属層の上面と前記第2導電側金属層の上面との双方が、前記発光部の上面よりも前記基板側に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電極金属によって遮光されることなく発光部からの出射光を取り出すことができる発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態の発光装置の構成及び動作を説明するための図である。図1(a)は、発光装置の平面図であり、図1(b)は、図1(a)の発光装置のA−A線に沿った断面を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の単結晶半導体薄膜の構成例を示す断面図である。
【図3】第1の実施形態の発光装置を実装した照明装置の実装形態を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態の発光装置の製造工程(剥離・接合工程)を説明するための断面工程図である。
【図5】第1の実施形態の発光装置の主な製造工程を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の発光装置の動作(光取り出し)を説明するための断面図である。
【図7】第1の実施形態の変形例を示す平面図であり、図7(a)は、変形例1を示し、図7(b)は、変形例2を示す。
【図8】本発明の第2の実施形態の発光装置構成及び動作を説明するための平面図である。
【図9】第2の実施形態の変形例1の単結晶半導体薄膜の形態を示す図である。図9(a)は、平面図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線に沿った断面を示す断面図である。
【図10】第2の実施形態の変形例2の発光装置を示す平面図である。
【図11】図11(a)は、図10の変形例2の発光装置のC−C線に沿った断面を示す断面図であり、図11(b)は、図10の変形例2の発光装置のD−D線に沿った断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図1乃至図11を参照して説明する。各図は、本発明の特徴が明確になるように表記しており、寸法関係等は必ずしも実際のものに忠実に描いていないため、本発明を何ら制約するものではない。なお、各図で同じ構成要素には同一の符号を付している。以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。
まず、図1(a)及び図1(b)を参照して、本発明の第1の実施形態の発光装置100の構成及び動作を説明する。図1(a)は平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A線による断面を示す断面図である。なお、これらの図は本実施形態の特徴を模式的に示しており、各図における各部位の寸法関係等を限定するものではない。
【0011】
発光装置100は、図1(a)乃至図1(b)に示すように、基板110の表面に形成された接合層112の表面に密着固定された複数の単結晶半導体薄膜120と、単結晶半導体薄膜120の表面に層間絶縁膜116の開口部118を介して形成された第1の電極132と単結晶半導体薄膜120以外の領域の層間絶縁膜116の表面に形成された第1の共通電極130とが接続された構成である。そして、発光装置100の外部に設けられた制御装置(図示せず)とは接続領域134を介して行われる。また、基板100の裏面は金属層114が形成されており、発光装置100の接地電極となっている。
以下、主な構成要素について説明する。
【0012】
(基板110)
基板110は、例えば、鋼、アルミニウム、真鍮、ニッケル、鉄、ステンレス、から選択される金属基板、窒化アルミニウム基板、酸化アルミニウム基板から選択されるセラミック基板であり、ガラス基板、SiC、Si、ダイヤモンドライクカーボン(以後DLCと表記する。)、ダイヤモンド、から選択される半導体基板又は絶縁基板、プラスチック基板である。
【0013】
特に、照明用途等の発光素子の放熱性すなわち基板の高熱伝導性が必要とされる場合には、前記の金属基板、セラミック基板、半導体基板や絶縁基板等の熱伝導率の高い基板を使用することが好適である。
【0014】
また、基板100の要件として、ペーストや半田等の接着性材料を使用せず、基板110上又は基板上に形成した接合層112上に密着固定するために、基板110の表面は少なくとも、ナノメータオーダの平坦性を備えることが望ましい。ここで、ナノメータオーダの平坦性とは、原子間力顕微鏡を用いて測定した表面粗さ:山−谷の最大粗さ(peak-to-valleyラフネス:RPV)で、10nmよりも小さい値(1桁のナノメータの値)であることを意味する。さらに、接合面同士の密着性を高くするために、RPV値が3nm以下であることがより好適である。
【0015】
(接合層112)
そして、接合層112は、ナノメータオーダの平坦性を備えた基板110の表面に積層されている。接合層112の表面はナノメータオーダの平坦性を備えていることが望ましい。接合層112としては、金、ゲルマニウム、ニッケル、アルミニウム、チタン、パラジウム、銅、クロム、及び、白金から選択される元素を少なくとも一つ含む材料の単層の金属層又は異なる材料、異なる組成の材料を積層した金属層である。
【0016】
接合層112は、スパッタ法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法、メッキ法等によって形成することができる。また、接合層112を異なる金属材料の積層構造とする場合には、前記形成方法の複数の方法を適宜組み合わせることも可能である。
【0017】
したがって、接合層112は、表面の平坦性がナノメータオーダであれば、前記形成方法によって形成した状態であってもよい。また、接合層112の表面にナノメータオーダの平坦性を具備させるために、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械研磨)、電解研磨、スパッタ等の平坦化処理を施すことも可能である。接合層112を異なる金属材料の積層構造で構成する場合には、構成する金属層の一部にCMP等による平坦化処理を施してもよい。
【0018】
また、接合層112は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、酸窒化珪素(SiON)、PSG(Phospho Silicate Glass:リン珪素ガラス)、BSG(Boron Silicate Glass:ボロン珪素ガラス)等の無機誘電体膜、ポリイミド等の有機材料、SOG(Spin On Glass)等の無機/有機ガラス材料層、DLC、多結晶ダイヤモンド、Si、SiC等の半導体や絶縁体の材料層等とすることもできる。
【0019】
発光素子の高い放熱性が必要な用途では、この接合層112として熱伝導率が高い材料を選択することが望ましい。例えば、前記金属層、無機誘電体材料層、DLC、多結晶ダイヤモンド、Si、SiC等の半導体層又は絶縁層とすることが好適である。
【0020】
つぎに、単結晶半導体薄膜120は、発光層を備えて構成される。単結晶半導体薄膜120は、母材基板上で形成された半導体エピタキシャル成長層であり、母材基板から剥離され、基板110上、又は、基板110上に接合した単結晶半導体層である。この単結晶半導体薄膜120の接合面、すなわち、接合層112表面と密着している面は、少なくともナノメータオーダの平坦性を備えていることが望ましい。
【0021】
(単結晶半導体薄膜120)
単結晶半導体薄膜120は、母材基板から剥離したものを接合層112上に、接着剤や半田等の接着性材料を使わずに密着固定した形態が好適である。なお、この剥離・接合工程については後記する。発光素子等の高い放熱性が必要な用途では、接合面同士が密着する接合形態が望ましい。
【0022】
図1(a)に示すように、発光装置100において、接合層112上には、複数の単結晶薄膜120が接合されている。また、図1(b)に示すように、接合層112上に接合された単結晶半導体薄膜120は、互いに分離されている。
【0023】
そして、発光装置100のサイズを大きくして大きな発光領域を確保する場合には、発光部のサイズを大きくせずに、発光部の数を増やすことが望ましい。発光装置100のサイズは、例えば、母材基板上に形成された従来の形態の発光ダイオードのベアチップの典型的な最小のサイズ(300μm×300μm)よりも小さくして、複数の単結晶半導体薄膜120の集合体として、合計の発光領域の面積が所望の面積となるようにする。
【0024】
したがって、大きな面積にわたって発光部が必要な場合には、単結晶半導体薄膜120の配列ピッチを大きくすることができる。また、発光装置100のサイズを小さくして発光領域の面積を小さくする場合には、発光部のサイズ、発光部のピッチを共に小さくすることで可能となる。
【0025】
例えば、発光装置100の寸法を例示すると、図1(a)に示した形態において、各発光部のサイズを100μm、各発光部のピッチを200μmとすると、分割された発光部を有する、発光装置100のサイズが1.5mmとなり、大きなサイズの発光装置100が得られる。
【0026】
また、図1(a)に示した形態で、各発光部のサイズを10μm、各発光部のピッチを20μmとすると、分割された発光部を有する、発光装置100のサイズが150μmとなり、小さなサイズの発光装置100が得られる。
【0027】
そして、本発明の本実施形態では、発光部を有する単結晶半導体薄膜120は、エピタキシャル層のみから形成されているので、その膜厚は10μm以下とすることが可能である。
【0028】
ここで、発光部を備える単結晶半導体薄膜120の構成例を説明する。単結晶半導体薄膜120は、母材基板上に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)法やMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシ)法等によって結晶成長された多層の単結晶半導体積層層から構成されている。
【0029】
単結晶半導体薄膜120がAlGaInP系単結晶半導体積層層の場合には、母材基板としてGaAs基板、単結晶半導体薄膜120が窒化物半導体薄膜の場合には、母材基板としてサファイヤ基板、GaN基板、SiC基板等を使用して、単結晶半導体積層層を積層することができる。
【0030】
図2(a)は、AlGaInP系の材料で構成する赤色の発光ダイオード構造の例である単結晶半導体薄膜120aの構成例を示す。図2(a)において、単結晶半導体薄膜120aは、n型GaAs接合層411、n型(Alx1Ga1−x1ylInl-y1P(1≧x1≧0、1≧y1≧0)クラッド層412、(Alx2Ga1−x2y2Inl-y2P(x1>x2、y2≧y1、x3>x2、y3≧y1)活性層413、p型(Alx3Ga1−x3y3ln1−y3P(1≧x3≧0、1≧y3≧0)クラッド層414、そして、p型GaPコンタクト層415の順に積層されている。
【0031】
なお、活性層413の構成は、ノンドープ(Alx2Ga1−x2y2Inl−y2P層(活性層)(x1>x2、y2≧y1、x3>x2、y3≧y1)を量子井戸層とし、ノンドープ(AlGa1−tIn1−sP層(t>x2、y2≧s)をバリア層とするSQW(Single Quantum Well)構造又はMQW(Multi Quantum Well)構造とすることができる。
【0032】
図2(b)は、単結晶半導体薄膜120が窒化物半導体薄膜による構成の単結晶半導体薄膜120bの構成例である。図3(b)において、n型GaN接合層502、n型AlGaNクラッド層503、InGaN/GaN‐MQW活性層504、p型AlGaNクラッド層505、及び、p型GaNコンタクト層506の順に積層されている。この場合、n型AlGaNクラッド層503を省略してもよい。また、n型GaN層502の下にn型AlN層を設けることもできる。
【0033】
(第1の共通配線130)
ここで、再度図1(a)及び図1(b)を参照した説明に戻る。第1の共通配線130は、発光部を備えた各単結晶半導体薄膜120が備える第1の電極(例えば、第2導電側電極)と接続された配線金属層である。この第1の共通配線130は、発光部を備えた単結晶半導体薄膜120の位置に開口部136を備えるとともに、第1の共通配線130の最上面の高さは少なくとも発光部を備えた単結晶半導体薄膜120の最上面の高さよりも低くして、発光部を備えた単結晶半導体薄膜120で発光した上面方向及び斜め方向に出射した光を、遮光することなく外部へ取り出すことができる構造とする。
【0034】
なお、図1(b)に示すように、単結晶半導体薄膜120の最表面の少なくとも表面を被覆する層間絶縁膜116を設ける。この層間絶縁膜116は、後記する単結晶半導体薄膜120の上面を被覆し、第1の共通配線130と電気的に接続する第1の電極によって、単結晶半導体薄膜120の側面に露出する第1導電型半導体薄膜と第2導電型半導体層とが電気的に短絡することを防止する。
【0035】
後記する図4を参照して説明する単結晶半導体薄膜120の作製工程におけるメサエッチング工程(図4(b))で、単結晶半導体薄膜120の側面形状が台形になっている理由は、この層間絶縁膜116によるステップカバレッジ効果と単結晶半導体薄膜120の側面からの斜め方向への発光光の取り出し効果とを向上させることにある。
【0036】
第2の電極(例えば、第1導電側電極)は、接合層112の接合面と単結晶半導体薄膜120の接合面との間で低抵抗コンタクト、望ましくは、オーミックコンタクトを形成する金属材料層とする。こうすることによって、接合層112を第2の共通電極として使用することもできる。
【0037】
第2の共通電極の一例を示す。単結晶半導体薄膜120の接合面をn型GaAs層で構成する場合、接合層112の最上層をAu、Ge、Niを含む合金あるいはGe/Niの積層構成とすることによって、単結晶半導体薄膜120の接合面と接合層112の接合面との間でオーミックコンタクトを形成することができる。また、単結晶半導体薄膜120の接合面がp型GaAsで構成される場合には、接合層112の接合面がAlを含む金属層で構成することによって、単結晶半導体薄膜120の接合面と接合層112の接合面との間でオーミックコンタクトを形成することができる。
【0038】
また、単結晶半導体薄膜120の接合面がn型GaNで構成される場合には、接合層112の接合面がTi、Alを含む金属層で構成することによって、単結晶半導体薄膜120の接合面と接合層112の接合面との間でオーミックコンタクトを形成することができる。また、単結晶半導体薄膜120の接合面がp型GaNで構成される場合には、接合層112の接合面がNi、Alを含む金属層で構成することによって、単結晶半導体薄膜120の接合面と接合層112の接合面との間でオーミックコンタクトを形成することができる。
【0039】
(第1の電極132)
第1の電極132は、単結晶半導体薄膜120の第1の電極である。この第1の電極132は、単結晶半導体薄膜120が備える発光領域から出射される光の波長に対して透明である透明電極とすることが好適である。したがって、第1の電極132は、例えば、ITO膜やZnO膜で構成することができる。
【0040】
この第1の電極132は、図1に示すように、各単結晶半導体薄膜120の共通電極として連続した薄膜として構成されてもよい。第1の電極132は、すべての単結晶半導体薄膜120の表面(上面)と低抵抗のコンタクトを形成するとともに、第1の共通配線130と電気的な低抵抗のコンタクトを形成する。
【0041】
したがって、第1の電極132を面状の連続した形態とすることにより、第1の電極132は、広い面積で第1の共通配線130表面とコンタクトすることができ、第1の電極132が第1の共通電極130とより低抵抗なコンタクトを形成することができる。
【0042】
なお、第1の電極132と半導体層とのコンタクト抵抗が低いとは、少なくとも、第1の電極132のシート抵抗値及び半導体層のシート抵抗値よりも小さく、コンタクト部での電圧降下が、第1の電極や半導体層での電圧降下よりも小さいことを意味する。
また、第1の電極132と第1の共通配線130とのコンタクト抵抗が低いとは、少なくとも、第1の電極132のシート抵抗値及び第1の共通配線130のシート抵抗値よりも小さく、コンククト部での電圧降下が第1の電極132や第1の共通配線130での電圧降下よりも小さいことを意味する。
【0043】
つぎに、接続領域134は、第1の共通配線130と外部の電源と接続するための接続領域である。この接続領域134は、例えば、ボンディングワイヤによって外部と接続する領域となる。接続の形態によって、接続領域134のサイズを適宜設計することができる。
【0044】
ボンディングワイヤによって接続する場合には、例えば50μm□〜100μm□の接続領域134を設ければよい。図1(b)には示さないが、基板110の材料を導電性の基板、例えば、金属基板あるいは半導体基板(低抵抗の半導体基板)とすることによって第2の共通電極側の外部電源との接続を基板110の裏面からとることもできる。
【0045】
図1(b)は、図1(a)では図示せずに説明した、層間絶縁膜116が単結晶半導体薄膜120の上面に開口部118を備え単結晶半導体薄膜120の側面及び接合層112である第2の共通電極(配線)112を被覆している。そして、開口部118を介して、単結晶半導体薄膜120の表面と接続される透明電極である第1の電極132が形成されている。また、基板110の裏面には、第2の共通電極(配線)112側と外部電源との接続をとるための金属層114を形成している。例えば、基板110を半導体基板、具体例として、Si基板とした場合には、金属層114は、Alとすることができる。したがって、基板110が金属基板の場合、例えばCu基板の場合は、金属層114を省略することもできる。
【0046】
次に図3(a)及び図(b)を参照して、本実施形態の発光装置100を実装した照明装置300及び照明装置400について説明する。
【0047】
図3(a)は、発光装置100を実装した照明装置300を説明するための斜視図である。ベース(躯体)310は、外部装置から供給される制御信号により、照明装置300を動作制御させるための配線や回路要素等を含む躯体である。
【0048】
ここで、照明装置300を制御する回路要素は、例えば、外部から供給される制御信号を照明装置300の点灯制御に必要な制御信号を供給するための回路等の照明装置300の点灯状態を制御する回路を意味する。
【0049】
また、配線は、ベース310と外部電源との間を接続するための種々の形態の配線を意味する。すなわち配線は、薄膜配線、Au線のようなボンディングワイヤ、被覆配線等の電気配線/ケーブル類等が該当する。
【0050】
なお、回路要素や配線の具体的な形態については、適宜所望の設計が可能である。また、前記回路要素を躯体外部に設け、配線によって接続することも可能である。
【0051】
また、照明装置300の高い放熱性を確保するためには、ベース310はCuやAlあるいはAlN等の熱伝導率が高い金属やセラミックスで構成されることが望ましい。
【0052】
図3(a)において、照明装置300は、発光装置100とベース310を経由して、外部電源からの制御信号を供給するための第2導電側配線領域330及び第1導電側配線領域332を備えて構成されている。図2で示したように、単結晶半導体薄膜120の上面をp型、下面をn型とする場合には、第1導電側配線領域332はn型側配線領域、第2導電型側配線領域330はp型側配線領域となる。
【0053】
第1導電側配線領域332と第2導電側配線領域330との間、あるいは必要に応じてベース310の間は、層間絶縁層331を設けることにより絶縁性が確保されている。発光装置100において、基板110の裏面あるいは基板110の裏面に設けた金属層114の表面は、導電性ペースト140を使って実装されている。発光装置100の第1の共通配線130の接続領域134とベース310上の第2導電側配線領域330とは、Au線を使ったボンディングワイヤ150によって接続されている。
【0054】
図示しないが、図3(a)の形態に加えて、適宜ねじ込み式の接続部分を設けることもできる。また、内部の保護や、光の拡散等を目的としたガラスやプラスチックの覆いを設けることもできる。
【0055】
また、図3(b)は、照明装置400として、ベース410上に、第1導電側配線領域432、第2導電側配線領域430、及び、層間絶縁層431を備えて構成されている。発光装置100の裏面を導電性ペーストや半田材料を使って実装して第1導電側配線領域432と電気的に接続し、発光装置100の上面は、接続領域134とベース410上の第2導電側配線領域430との間を金属薄膜配線450によって接続されている。金属薄膜配線450は、例えば、メッキ法によって形成することができる。このようにすることで、ボンディングワイヤによる実装工程を省略することができる。
照明装置400は、第1導電側配線領域432と第2導電側配線領域430との間に電圧を印加して発光装置100の発光領域に電流を流して発光動作をさせる。
【0056】
(製造方法)
つぎに、図4及び図1を参照して、本実施形態の発光装置100の製造方法を説明する。
図4(a)乃至図4(e)には、本実施形態の発光装置100の作製方法において、単結晶半導体薄膜120を基板110上に形成した接合層112上に、接着剤や半田等の接着性材料を使用せずに、ナノメータオーダの平坦性を備えた接合面同士を密着させて接合する工程までの作製工程を模式的に断面図で示した。各工程を順次工程に沿って説明する。
【0057】
図4(a):母材基板210上に犠牲層250を形成し、さらに発光領域を備えた単結晶半導体層260をエピタキシャル成長する。
図4(b):単結晶半導体層260及び犠牲層250をメサエッチングにより所定の島状台形パターン形状に成形し、単結晶半導体薄膜120及び成形犠牲層251を形成する。この工程では、少なくとも犠牲層251を露出させるようにメサエッチングを行う。
図4(c):成形犠牲層251を、選択的にエッチング除去し、単結晶半導体薄膜120を母材基板210から剥離する。
図4(d)、(e):基板110上に接合層112を形成し、接合層112上に単結晶半導体薄膜120を密着させ、加圧・加熱により単結晶半導体薄膜120を接合層112表面に直接接合する。
【0058】
つぎに、図1(b)に示すように、基板110上の接続層112表面に接合された複数の単結晶半導体薄膜120上に、層間絶縁膜116を、例えば、SiN膜をP−CVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法で形成する。
そして、第1の共通配線130を形成するための金属薄膜、例えばTi/Pt/AuをEB蒸着法等で形成し、第1の共通配線130のパターンを標準的なリフトオフ法等により形成する。
つぎに、層間絶縁膜116を標準的なフォトリソ工程及びドライエッチング工程により単結晶半導体薄膜120の第2導電側の表面にコンタクト開口部118を開口する。
さらに、第1の電極132の形成工程として、透明電極材料を、例えば、ITO膜又はZnO膜をスパッタ法等の周知の形成方法により形成した後に、標準的なフォトリソ工程及びドライエッチング工程により、図1(a)に示す第1の電極132を形成する。
そして、基板110の裏面に、外部電源との接続をとるための金属層114を形成することで、発光装置100が作製完了する。
なお、最後の工程で、基板110を半導体基板、具体例として、Si基板とした場合には、金属層114は、Alとすることができる。また、基板110が金属基板の場合、例えば、Cu基板の場合は、この工程を省略することもできる。
【0059】
ここで、前記説明した本実施形態の発光装置100の主な製造工程を示すフローチャートを、図5を参照して説明する。主な製造工程は、母材基板の表面に犠牲層と単結晶半導体層とを結晶成長する(ステップS1)、メサエッチングにより単結晶半導体薄膜と成形犠牲層とを形成する(ステップS2)、成形犠牲層をエッチング除去して単結晶半導体薄膜を母材基板から剥離する(ステップS3)、基板表面に接合層を形成して接合層の表面と単結晶半導体薄膜の剥離面とを直接接合する(ステップS4)、単結晶半導体薄膜上に層間絶縁膜と第1の共通配線とを形成する(ステップS5)、単結晶半導体薄膜の第2導電側表面の層間絶縁膜に開口部を形成し第1の電極を形成する(ステップS6)、そして、基板裏面に金属層を形成する(ステップS7)である。
【0060】
(動作)
つぎに、図6を参照して、単結晶半導体薄膜120の活性層520の上面をp型導電側、下面をn型導電側とした構成の単結晶半導体薄膜120の動作ついて述べる。
【0061】
接合層112を金属層、基板110を金属基板とし、基板110の裏面又は第2の共通電極114を接地電位として、第1の共通配線130に接続領域134(図1(a)参照)を経由して外部からプラスの電位を印加する。第1の共通配線130は、単結晶半導体薄膜120を動作させる電流に対して電圧降下が無視できる程度に十分小さくなるように小さい抵抗値とすることによって、すべての個別の単結晶半導体薄膜120にほぼ均一に電流が流れ、すべての単結晶半導体薄膜120が発光する。
【0062】
第1の共通配線130は、活性層552あるいは単結晶半導体薄膜120のない領域に設けられており、単結晶半導体薄膜120の上面との電極コンタクト及び第1の共通配線130との接続には第1の電極132である透明電極が配設されている。
【0063】
そして、少なくとも、第1の共通配線130の上面の高さを活性層520の上面側の単結晶半導体薄膜120の表面の高さよりも低く設けることで、活性層520からの上面方向に出射する出射光550及び斜め方向に出射する出射光552、553は第1の共通配線130によって遮蔽されない。
【0064】
また、図6には、活性層520から斜め方向及び垂直方向に出射した出射光552、553、及び、550が第1の共通配線130によって遮光されずに上面に取り出されている状況を模式的に示した。活性層520から垂直方向に出射された出射光550の他、斜め方向に出射された出射光552は、少なくとも活性層520の上面側の単結晶半導体薄膜120の表面の高さよりも低い第1の共通配線130に遮られることなく、単結晶半導体薄膜120の上面方向に光取り出しされる。
【0065】
また、第1の共通配線130は、各単結晶半導体薄膜120の近傍に開口部136を備えており、第1の電極132による電圧降下を小さくすることができる。さらに本実施形態の単結晶半導体薄膜120の厚さは10μm以下と薄くでき、しかも接着剤を使用することなく接合層に直接密着接合しているため、第1の電極132である透明電極の単結晶半導体薄膜120の側面のステップカバレッジを確実にすることができる。
【0066】
(効果)
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、単結晶半導体薄膜の発光部から垂直方向及び斜め方向に出射された出射光が金属層で遮光されることなく、高い光取出し効率が得られる発光装置を得ることができる。
【0067】
(第1の実施形態の変形例1)
本実施形態の変形例として、図7(a)に示すように、発光装置101の透明電極である第1の電極132を第1の共通配線130の形成に先立って形成し、この第1の電極132の表面に第1の共通配線130を形成した変形例の発光装置101としてもよい。
【0068】
(第1の実施形態の変形例2)
また、図7(b)に示すように、発光装置102の第1の共通配線160は、内周の単結晶半導体薄膜120Aに対して周囲を囲み、最外周の単結晶半導体薄膜120Bに対しては、すべての周囲を囲む配線形態ではない第1の共通配線160の形態とする発光装置102あってもよい。
【0069】
(第1の実施形態の変形例3)
また、図示しないが、基板110としてセラミック基板、ガラス基板等の誘電体材料(絶縁体材料)を用いる場合、単結晶半導体薄膜120の第1導電側及び第2導電側の両極の電極コンタクトを上面に形成し、各第1導電側コンタクトを共通の第1導電側共通配線で結線し、各第2導電側コンタクトを透明電極及び第2導電側共通配線で結線する形態とすることもできる。
【0070】
この変形例では、単結晶半導体薄膜120を直接接合する接合層112は、導電性の材料ではなく絶縁性の材料とすることができる。絶縁性の接合層112を使用することによって、単結晶半導体薄膜120を基板110と電気的に絶縁することができる。各個別の単結晶半導体薄膜120を備えた接合層112を絶縁性材料で構成する場合においては、高い放熱性が必要な場合には、その熱伝導性、放熱性等を考慮して、高熱伝導率の薄膜材料を使用することが望ましい。すなわち、接合層112は、高熱伝導率の薄膜材料として、AlN、Al、SiN、DLC等を用いることが好適である。
【0071】
(第2の実施形態)
つぎに、本発明の第2の実施形態について、図8乃至図11を参照して説明する。
図8は、第2の実施形態の発光装置200の構成及び動作を説明するための平面図である。
【0072】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態の発光装置100が、単一の発光波長の単結晶半導体薄膜の第1導電側コンタクトと第2導電側コンタクトとをそれぞれ共通配線で接続した形態の発光装置100であるのに対して、第2の実施形態の発光装置200が、単一の発光波長の単結晶半導体薄膜の第1導電側コンタクトと第2導電側コンタクトとをそれぞれ共通配線で接続した形態を第1群の単結晶半導体薄膜として、発光波長が異なる複数群の単結晶半導体薄膜を隣接して集積・配置して発光装置200を構成している点である。以下、第1の実施形態との差異を中心に図を参照しながら説明する。
【0073】
図8において、第1乃至第4の単結晶半導体薄膜は、それぞれ、第1の単結晶半導体薄膜220、第2の単結晶半導体薄膜222、第3の単結晶半導体薄膜224、及び、第4の単結晶半導体薄膜226を備えて構成されている。これら第1乃至第4の単結晶半導体薄膜のうち、少なくとも2つの単結晶半導体薄膜は、異なる発光波長の単結晶半導体薄膜から構成されている。
【0074】
例えば、第1の単結晶半導体薄膜220は赤色、第2乃至第3の単結晶半導体薄膜222、224は緑色、そして、第4の単結晶半導体薄膜226は青色に対応する単結晶半導体薄膜である。このように赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の発光波長に対応する半導体材料としては、第1の実施形態において、図2(a)及び図2(b)を参照して説明した、AlGaInP系の半導体材料によって赤色発光波長の単結晶半導体薄膜を構成し、窒化物半導体材料によって緑色及び青色の発光波長の単結晶半導体薄膜を構成することができる。
【0075】
各単結晶半導体薄膜は、金属材料から構成される接合層112(図示せず)は、例えば、Au、Ge、Ni、Ti、Al、Pd、及びAuから少なくとも一つ選択される元素を含む金属層(単層金属層あるいは積層金属層)のいずれかの金属層上に直接接合されている。金属材料から構成される接合層112は、第2の共通配線の機能をも担う。図8における第2の共通配線230は、接合層112から基板110の表面に延在し、外部の電源や回路との接続のための接続領域となっている。第2の共通配線230は、例えば、接地電位に接続される。そして、第2の共通配線230の上面の高さは、第1の実施形態と同様、少なくとも第1乃至第4単結晶半導体薄膜の発光部の上面の高さよりも低い構造となっている。
【0076】
また、図8において、第1の単結晶半導体薄膜乃至第4の単結晶半導体薄膜220、222、224、226の第1の共通配線は、それぞれ、第1の共通配線212a、第1の共通配線212b、第1の共通配線212c、及び、第1の共通配線212dを備えて構成されている。各第1の共通配線は、発光波長が異なる第1乃至第4の単結晶半導体薄膜の発光素子の駆動電圧に対応して異なる駆動電圧を印加できるように、互いに電気的に分離されている。
【0077】
第1の実施形態と同様に、単結晶半導体薄膜の領域は、各第1の共通配線は開口部236を有する。各第1の共通配線は、例えば、Al、Ni、Pt、Au、及びTiから少なくとも一つ選択される金属を含む金属材料で構成される。第1の共通配線には、例えば、正の電位が印加される。そして、第1の共通配線212a乃至212dの上面の高さは、第1の実施形態と同様、少なくとも第1乃至第4単結晶半導体薄膜の発光部の上面の高さよりも低い構造となっている。
【0078】
なお、これら第1の共通配線212a、212b、212c、212dと第2の共通配線230は、第1の実施形態と同様、各単結晶半導体薄膜の少なくとも側面を被覆すると共に、少なくとも、第2の共通配線と第1の共通配線とが重なる領域を被覆する層間絶縁膜(図示せず)によって電気的に分離されている。
【0079】
そして、図8において、第1乃至第4の単結晶半導体薄膜の第2導電側の電極コンタクトを構成する透明導電性薄膜は、それぞれ、透明導電性薄膜232a、透明導電性薄膜232b、透明導電性薄膜232c、及び、透明導電性薄膜232dを備えて構成されている。これら透明導電性薄膜232a乃至232dは、第1乃至第4の単結晶半導体薄膜には共通の電極薄膜で、異なる発光波長の第1乃至第4の単結晶半導体薄膜の間では、互いに電気的に分離されている。
【0080】
これら透明導電性薄膜232a乃至232dは、第1乃至第4の単結晶単結晶薄膜の表面側である第2導電側の電極コンタクトを形成すると共に、各第1の共通配線212a乃至212dの表面において電気的に接続されている。
【0081】
また、発光装置200において、基板110は、第1の実施形態と同様、金属基板又は低抵抗半導体基板を使うことができる。例えば、低抵抗のSi基板を使う場合には、基板裏面の金属層114を共通電極としてAlを用いることができる。
【0082】
(動作)
本実施形態において、第1の単結晶半導体薄膜220を赤色、第2の単結晶半導体薄膜222及び第3の単結晶半導体薄膜224を緑色、第4の単結晶半導体薄膜226を青色とした場合の発光装置200の動作について説明する。
【0083】
第2の共通配線230を共通の接地電位として、赤色発光させる第1の単結晶半導体薄膜220の第1の共通配線212aに第1の印加電圧Vf1を印加し、緑色発光させる第2及び第3の単結晶半導体薄膜222、224の第1の共通配線212c、212dに第2の印加電圧Vf2を印加し、青色発光させる第4の単結晶半導体薄膜226の第1の共通配線212dに第3の印加電圧Vf3を印加する。
【0084】
このように、材料が異なる第1乃至第4の単結晶半導体薄膜に対して、異なる印加電圧を同時に印加することで、異なる発光波長の第1乃至第4の単結晶半導体薄膜を同時に発光させることができる。そして、第1乃至第4の単結晶半導体薄膜からの各発光波長の発光光は、発光部から斜め方向に出射した光であっても、第1の共通配線212a乃至212d及び第2の共通配線230の高さを、少なくとも各発光波長の発光部の上面の高さよりも低くした構造なので、第1及び第2の共通配線に遮光されることなく上方に取り出すことができる。
【0085】
(効果)
以上説明したように、本実施形態の発光装置によれば、第1の実施の形態の発光装置の効果に加え、複数群の単結晶半導体薄膜を構成する発光部から出射される複数種の波長の出射光の混色に優れ、光源に対して斜めの方向であっても混色の状態に差異がない高発光効率の発光装置を得ることができる。
【0086】
(第2の実施形態の変形例1)
図9は、第2の実施形態の変形例1の単結晶半導体薄膜910を示す。図9(a)は、単結晶半導体薄膜910の平面図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線に沿った断面を示す断面図である。単結晶半導体薄膜910は、第1導電型半導体層912を複数の単結晶半導体薄膜910の共通の半導体層とした構造である。
この場合、第1導電側電極コンタクトを第1導電型半導体層912の上に、第2導電側電極コンタクトを単結晶半導体薄膜910の発光部の上面側の第2導電型半導体層の表面に形成してもよい。
【0087】
(第2の実施形態の変形例2)
また、図10は、第2の実施形態の変形例2の発光装置1000の平面図を示す。図11(a)及び図11(b)は、それぞれ、図10のA−A線に沿った断面を示す断面図であり、図10のB−B線に沿った断面を示す断面図である。
【0088】
発光装置1000の構成は、複数の単結晶半導体薄膜1020(図10では4個の単結晶半導体薄膜)、表面に第2導電型半導体層を持つ複数の単結晶半導体薄膜1020に共通の第1導電型半導体層1012、透明導電膜1032、及び、共通金属層1030を1グループとして、複数グループの単結晶半導体薄膜1020の各共通金属層1030をy方向配線1080に接続し(図11(b))、複数グループの単結晶半導体薄膜1020の第1導電型半導体層1012をx方向配線1090に接続した(図11(a))発光装置1000である。そして、発光装置1000の動作は、各グループの単結晶半導体薄膜1020のON/OFFをx方向配線とy方向配線によって制御する形態としてものである。
【0089】
以上説明したように、本実施形態の発光装置によれば、電極金属によって遮光されることなく発光部からの出射光を取り出すことができる発光装置を提供する。
【符号の説明】
【0090】
100、101、102 発光装置
110 基板
112 接合層
114 金属層
116 層間絶縁膜
118 開口部
120、120a、120b、120A、120B 単結晶半導体薄膜
130 第1の共通配線
132 第1の電極(透明導電膜層、透明電極)
134 接続領域
136、236 開口部
140 導電性ペースト
150 ボンディングワイヤ
160 第1の共通配線
164 接続領域
200 発光装置
210 母材基板
220 第1の単結晶半導体薄膜
222 第2の単結晶半導体薄膜
224 第3の単結晶半導体薄膜
226 第4の単結晶半導体薄膜
212a、212b、212c、212d 第1の共通配線
230 第2の共通配線
232a、232b、232c、232d 透明導電性薄膜
250 犠牲層
251 成形犠牲層
260 単結晶半導体層
310 ベース(躯体)
330 第2導電側配線領域
331 層間絶縁層
332 第1導電側配線領域
300 照明装置
400 照明装置
410 ベース(躯体)
411 n−GaAs(接合層)
412 n−(AlGa1−x1y1In1−y1P(クラッド層)
413 (Alx2Ga1−x2y2In1−y2P(活性層)
414 p−(Alx3Ga1−x3y3In1−y3P(クラッド層)
415 p−GaP(コンタクト層)
430 第2導電側配線領域
431 層間絶縁層
432 第1導電側配線領域
450 金属薄膜配線
502 n−GaN(接合層)
503 n−AlGaN(クラッド層)
504 InGaN/GaN/・・・/InGaN/GaN/InGaN‐MQW(活性層)
505 p−AlGaN(クラッド層)
506 p−GaN(コンタクト層)
520 活性層
550、552、553 出射光
910 単結晶半導体薄膜
912 第1導電型半導体層
1000 発光装置
1012 第1導電型半導体層
1020 単結晶半導体薄膜
1030 共通金属層
1032 透明導電膜
1080 y方向配線
1090 x方向配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面又は前記基板の表面に形成された接合層の表面に密着固定されている複数の単結晶半導体薄膜と、
前記単結晶半導体薄膜の発光部の第1導電側の電極及び第2導電側の電極にそれぞれ接続される第1導電側金属層と第2導電側金属層とを備え、
前記第1導電側金属層の上面と前記第2導電側金属層の上面との双方が、前記発光部の上面よりも、前記基板側に設けられている
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第1導電側金属層の上面と前記第2導電側金属層の上面との双方が、前記単結晶半導体薄膜の活性層の上面よりも、前記基板側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記発光部の上面側に接続される電極は、透明導電膜層であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記基板は、金属、AlN、Al、Si、及び、SiCから選択される一つ又は複数の材料から構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記接合層は、DLC薄膜、AlN薄膜、Al薄膜、SiN薄膜の絶縁膜、及び、金属薄膜から選択される一つ又は複数の材料層から構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の単結晶半導体薄膜は、複数の発光波長の発光素子群を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数の発光波長の発光素子群において、
異なる発光波長の発光素子群の第1導電側金属層又は第2導電側金属層の少なくともいずれか一方が互いに電気的に独立している
ことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
基板上又は前記基板上に形成された接合層上に密着固定され、複数の発光部に分割された単結晶半導体薄膜と、
前記発光部の第1導電側の電極及び第2導電側の電極にそれぞれ接続される第1導電側金属層及び第2導電側金属層を備え、
前記第1導電側金属層の上面と前記第2導電側金属層の上面との双方が、前記発光部の上面よりも、前記基板側に設けられている前記単結晶半導体薄膜を1グループとして、
複数のグループの単結晶半導体薄膜の前記第1導電側金属層及び前記第2導電側金属層を接続した、それぞれのx方向配線及びy方向配線をさらに備える
ことを特徴とする発光装置。
【請求項9】
前記単結晶半導体薄膜が外部の電流供給源と接続されるための躯体を備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光素子は発光ダイオードである
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−77447(P2011−77447A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229728(P2009−229728)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(500002571)株式会社沖デジタルイメージング (186)
【Fターム(参考)】