説明

発振回路

【課題】1つのプリント配線基板上に2種類の発振器に対応可能としたものに於いては、少量他品種の場合に適しているものの、2つの発振回路を構成するために必要な配線を必要とするためプリント配線基板の面積が大きくなって小型化の要求には応えられなかった。
【解決手段】本発明は、プリント配線板に表面実装型部品を搭載することにより構成した発振回路であって、前記プリント基板には搭載する表面実装型部品によって2種類の異なる発振回路の何れかを選択的に構成できる配線パターンが形成されていることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振回路、特に1つのプリント配線基板で2つの異なる発振回路を適宜選択して実現することが可能な発振回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水晶発振器は、通信機器等の分野で周波数信号源として広く用いられている。
発振回路には幾つかの種類があり、その用途によって適宜選択され使用している。
【0003】
水晶発振器の低価格化のため、1枚のプリント配線基板の上に2種類の発振回路を構成するための配線パターンを用意しておき、客先の要求に応じて何れか一方の配線パターンに所定表面実装部品を搭載して発振回路を構成したものがある。
【0004】
図2は従来の2種類対応発振回路用の回路図を示すものであり、図中左側は水晶振動子Y1と温度補償回路T1と周波数調整回路F1とを直列に接続した共通回路部分であり、図中右側の下方に第1の発振回路OSC1、図中右側の上方に第2の発振回路OSC2がある。
第1の発振回路OSC1は典型的なコルピッツ型発振回路であり、第2の発振回路OSC2はトランジスタをカスコードに接続したカスコード型発振回路である。
【0005】
【特許文献1】特開2004−80527号公報
【特許文献2】特開平08−340216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成の発振器では1つのプリント配線基板を設計するだけで2種類の発振器に対応可能となるので、特に少量他品種の場合に適しているものの、2つの発振回路を構成するために必要な配線を必要とするためプリント配線基板の面積が大きくなって小型化の要求には応えられなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プリント配線板に表面実装型部品を搭載することにより構成した発振回路であって、前記プリント基板には搭載する表面実装型部品によって2種類の異なる発振回路の何れかを選択的に構成できる配線パターンが形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発振回路は、1枚のプリント配線基板上に2つの発振回路を構成するに際して、配線パターンを共通化して、搭載する表面実装部品を変更するだけで2種類の発振回路を提供できるという利点がある。プリント配線基板上の配線パターンの専有面積を大幅に減らすことができるので発振器の小型化に大きく寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施形態例に基づいて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0010】
図1は、本発明に係る発振回路の実施形態例を示す回路図であって、発振回路を構成する配線パターンは図2に示す従来の回路より大幅に少なくなっている。
構成部品のうち2つの符号(一方をアンダーラインで示した)が付された部品は、2種類の発振回路を構成するときに選択変更する部品である。
【0011】
図中の各部品の右側(または上側)に記載された符号の部品を搭載したときに、図2の第1の発振回路OSC1として、左側(または下側)に記載された符号(アンダーライン有り)の部品を搭載したときに、図2の第2の発振回路OSC2として機能する。
尚、図1に於いて「0Ω」とは短絡を意味し、例えば0Ωのチップ抵抗を搭載するものであり、「open」とは開放を意味し、例えばこの位置に部品を搭載しないことで実現する。
【0012】
以上、本発明を2種類の発振回路の配線パターンを共通化するものを例示して説明してきたが、本発明は上記の実施例のみに限定されるものではなく、構成要素、種類、組み合わせ、形状などは適宜選択して構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る発振回路の実施形態例を示す回路図。
【図2】従来の発振回路の回路図。
【符号の説明】
【0014】
OSC1 第1の発振回路
OSC2 第2の発振回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線板に表面実装型部品を搭載することにより構成した発振回路であって、前記プリント基板には搭載する表面実装型部品によって2種類の異なる発振回路の何れかを選択的に構成できる配線パターンが形成されていることを特徴とする発振回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−203298(P2006−203298A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10076(P2005−10076)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】