説明

発泡性組成物

本発明は、塩基性アミノ酸を含む発泡性組成物に向けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本発明は塩基性アミノ酸を含む発泡性口腔ケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 発泡性の粉末および錠剤は当技術において周知であり、一般に水に添加すると”シューシュー音を立ててあわ立つ(fizz)”。その発泡性物質は様々な技術において多様な目的のために利用されてきた。例えば、Bayer CorporationからのALKA−SELTZERは、様々な徴候、例えば頭痛、消化不良、ガス、胃けいれん、および胸焼けのためのあらゆる数の医薬を送達するのに用いることができる。医薬を経口で送達するための発泡性製品の使用は、老人および幼い子供にとって問題である、カプセルまたはカプセル類を嚥下する必要が無い点で都合がよい。発泡性製品は香味料を含んでいてもよく、それは多くの医薬の味を隠すことができる。ある研究は、医薬の投与における発泡性粉末の使用は結果として有効物質の吸収の増進ももたらすことも示した。
【0003】
[0004] 発泡は、通常は酸とカルボネート塩の反応により二酸化炭素が放出されてもたらされる。例えば、クエン酸は炭酸水素ナトリウムと反応して二酸化炭素、水およびクエン酸ナトリウムを形成することができる。医薬の送達における発泡性製品の利点を考えると、その配合物において改良を進めるのが望ましい。既存の発泡性配合物は齲食に寄与する可能性があるため、齲食を避けるだけでなくその作用を処置または逆転させ、口の障害を処置することのできる発泡性組成物を開発するのが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
[0005] 本発明は、塩基性アミノ酸の生理的に許容できる塩、酸源、および可溶性のカルボネート塩を含む発泡性組成物を含み、組成物が溶媒、例えば水の中で溶解すると、二酸化炭素が放出され、アミノ酸塩が実質的に可溶化される。
【0005】
[0006] ”可溶性のカルボネート塩”により、与えられた濃度において酸と反応するのに十分に可溶性である、炭酸または溶解した二酸化炭素により形成されるあらゆる塩を意味する。水溶液中で、カルボネートイオン、ビカルボネートイオン、二酸化炭素、および炭酸は動的平衡を形成する。従って、本明細書において用いられる用語”カルボネート”は、別途指定しない限り通常はビカルボネート(HCO)およびカルボネート(CO2−)の形およびそれらの混合物を含む。従って、可溶性のカルボネート塩類は、例えば炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを含む。本発明は、固体の発泡性の形、例えば錠剤、粉末および顆粒、さらに、単一のチューブの非水性または水分の少ない練り歯磨きならびに、あるいは酸およびカルボネートが使用まで別々なままに保たれる2本のチューブの、または隔離された組成物を構成する発泡性の組成物を含む。
【0006】
[0007] 従って、本発明は1態様において、遊離または生理的に許容できる塩の形の塩基性アミノ酸、酸源、および可溶性のカルボネート塩を含む発泡性製品(組成物1.0)を提供する。
【0007】
[0008] 一部の態様において、塩基性アミノ酸はカルボネートまたはビカルボネート塩の形であってよく、その場合、それは本発明の可溶性カルボネート塩構成要素の全てまたは一部としての役割も果たすことができる。
【0008】
[0009] 本発明はさらに次の組成物を含む:
1.1 塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン(citrullene)、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸(diaminoproprionic acid)、それらの塩類および/またはそれらの組み合わせである、組成物1.0。
【0009】
1.2 塩基性アミノ酸がL−立体配置を有する、組成物1.0または1.1。
1.3 前記の組成物のいずれも、その塩基性アミノ酸を含むジまたはトリペプチドの塩の形で提供される。
【0010】
1.4 塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記の組成物のいずれか。
1.5 塩基性アミノ酸がL−アルギニンである、前記の組成物のいずれか。
1.6 塩基性アミノ酸の塩がカルボネートである、前記の組成物のいずれか。
【0011】
1.7 塩基性アミノ酸の塩がビカルボネートである、前記の組成物のいずれか。
1.8 塩基性アミノ酸塩が重炭酸アルギニンである、前記の組成物のいずれか。
1.9 塩基性アミノ酸の重量を遊離塩基の形として計算して、塩基性アミノ酸が組成物の総重量の約1重量%〜約10重量%に相当する量で存在する、前記の組成物のいずれか。
【0012】
1.10 酸性塩がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸およびフマル酸から選択される、前記の組成物のいずれか。
1.11 酸性塩がクエン酸である、前記の組成物のいずれか。
【0013】
1.12 さらに第2の塩基性塩を含み、塩基性塩が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムから選択される、前記の組成物のいずれか。
【0014】
1.13 塩基性塩が炭酸水素カリウムである、前記の組成物のいずれか。
1.14 溶媒、例えば水中で溶解すると二酸化炭素を生成する、前記の組成物のいずれか。
【0015】
1.15 溶媒、例えば水中での溶解の後の食用に適した、前記の組成物のいずれか。
1.16 唾液中で溶解して二酸化炭素を形成する、前記の組成物のいずれか。
1.17 口腔中で溶解する、前記の組成物のいずれか。
【0016】
1.18 さらにフッ化物、またはフッ化物イオンの源を含む、前記の組成物のいずれか。
1.19 フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせから選択されるフッ化物イオンの源を含む、前記の組成物のいずれか。
【0017】
1.20 さらに防腐剤または抗微生物剤を含む、前記の組成物のいずれか。
1.21 トリクロサン、草本エキスおよび精油(例えば、ローズマリーエキス、チモール、メントール、ユーカリプトール(eucalyptol)、サリチル酸メチル)、ビスグアニド系防腐剤(bisguanide antiseptics)(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム)、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、ポビドンヨード、デルモピノール(delmopinol)、サリフルオル(salifluor)、金属イオン(例えば、亜鉛塩類、例えばクエン酸亜鉛)、サンギナリン(sanguinarine)、プロポリス、ならびに抗生物質から選択される防腐剤または抗微生物剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0018】
1.22 口内洗浄剤である、前記の組成物のいずれか。
1.23 消費可能である、例えば食用である、前記の組成物のいずれか。
1.24 胃酸を中和する、例えば制酸剤である、前記の組成物のいずれか。
【0019】
1.25 さらに鎮痛剤、解熱剤、抗炎症剤、オピオイド類、およびビタミン類から選択される追加の成分を含む、前記の組成物のいずれか。
1.26 アセチルサリチル酸、イブプロフェン、アセトアミノフェン、ならびに向精神剤、抗高血圧剤(anti−hypertensitive)、抗発作剤(anti−seizure)、アンフェタミン、抗微生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、抗真菌剤、抗うつ剤、興奮剤、抗ヒスタミン剤、抗不安剤、三環系薬剤、精神安定剤、ベンゾジアゼピン類、催眠剤、気分安定剤、コデイン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、抗アレルギー剤、フェノチアジン、化学療法剤、アミン類、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、抗発癌剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、麦角製剤(ergot preparations)、抗コリン作用剤、抗炎症剤、抗痛風製剤、催眠剤、ホルモン性製剤、食欲抑制剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、オピオイド類、およびそれらの組み合わせである薬剤を含む、前記の組成物のいずれか。
【0020】
1.27 粉末または顆粒の形である、前記の組成物のいずれか。
1.28 使用の前に酸源が可溶性カルボネート塩から隔離されている歯磨剤の形である、前記の組成物1.0〜1.26のいずれか。
【0021】
1.29 酸源を含む構成要素および可溶性カルボネート塩を含む構成要素が別々の区画の中に包装されているが一緒に分配されるような二重の構成要素の製品である、組成物1.28。
【0022】
1.30 水分の少ないまたは水分の無い組成物である、組成物1.28。
[0010] 使用の際にカプセルの包みが壊れて酸源および可溶性カルボネート塩が反応して二酸化炭素が放出されるように酸源または可溶性カルボネート塩のどちらかがカプセルに包まれている、組成物1.28。本発明の別の態様において、組成物1.0〜1.26のいずれかを錠剤の形で含む組成物2.0が提供される。
【0023】
[0011] 本発明は、下記の組成物も含む:
2.1 組成物2.0のうち、さらに潤滑剤を含む組成物。
2.2 組成物2.0または2.1のうち、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、アジピン酸、およびそれらの組み合わせから選択される潤滑剤を含む組成物。
【0024】
2.3 組成物2.0〜2.2のうち、さらに結合剤を含む組成物。
2.4 組成物2.0〜2.3のうち、デキストロース、ソルビトール、キシリトール、ラクトース、およびそれらの組み合わせから選択される結合剤を含む組成物。
【0025】
[0012] 本発明は、例えばそれを必要とする患者の口腔に本発明の組成物を適用することにより、本発明の組成物を口腔に適用することを含む、(i)齲食の形成を低減または抑制する、(ii)例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気伝導度測定(ECM)により検出されるエナメル質の前齲食(pre−carious)病変を低減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を低減する、(v)歯肉炎を低減または抑制する、(vi)口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸を産生する細菌のレベルを低減する、(viii)アルギノ分解性(arginolytic)細菌の相対的なレベルを増大させる、(ix)口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、(x)プラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、(xi)プラークの蓄積を低減する、(xii)歯および口腔を清潔にする、(xiii)歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与える、(xiv)酸食を低減する、(xv)全身の健康を増進する、および/または(xvi)口内乾燥を処置または抑制するための方法である、方法3.0も含む。
【0026】
[0013] 本発明は、下記の方法も含む:
3.1 1.0〜2.4の組成物を口腔に適用する前に溶媒に溶解させる、方法3.0。
【0027】
3.2 前記の方法のいずれかのうち、1.0〜2.4の組成物を水中で溶解させる方法。
3.3 前記の方法のいずれかのうち、1.0〜2.4の組成物を口腔の中で唾液中で溶解させる方法。
【0028】
3.4 前記の方法のいずれかのうち、1.0〜2.4の組成物を口腔の中で少なくとも5秒間留め、次いで吐き出す方法。
3.5 前記の方法のいずれかのうち、1.0〜2.4の組成物を嚥下する方法。
【0029】
[0014] 本発明の他の態様は、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0015] 発泡は一般には酸およびカルボネートが水中で反応して二酸化炭素を生成することの結果である。例えば酸は、有機酸、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸およびフマル酸およびそれらの混合物から選択してよい。カルボネート類には、アミノ酸のカルボネート類、例えば重炭酸アルギニン、さらに例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素カリウムのようなアルカリカルボネート類が含まれる。驚いたことに、塩基性アミノ酸塩類は塩基性塩として用いることができるだけでなく、その塩基性アミノ酸塩類は口腔に利益を与えることが分かっている。
【0031】
[0016] 特定の理論に縛られることを意図すること無く、口腔中の塩基性アミノ酸は、齲食原性ではなく歯の上の、および口腔中での位置に関してS.ミュータンス(S. mutans)のような齲食原性細菌と競合する特定のタイプの細菌、例えばS.サングイス(S. sanguis)により代謝されると信じる。アルギノ分解性細菌はアルギニンおよび他の塩基性アミノ酸を用いてアンモニアを生成することができ、それによりそれらの環境のpHを上昇させ、一方齲食原性細菌は糖を代謝して乳酸を生成し、それはプラークのpHを低下させ歯を脱灰させる傾向があり、最終的には虫歯につながる。本発明の組成物の使用は、アルギノ分解性細菌の相対的な増加および齲食原性細菌の相対的な減少につながり、その結果より高いプラークのpHがもたらされる可能性があると信じる。
【0032】
[0017] 本発明の組成物および方法において用いることのできる塩基性アミノ酸には、天然に生じる塩基性アミノ酸、例えばアルギニン、リシン、およびヒスチジンだけでなく、分子中にカルボキシル基およびアミノ基を有し、水溶性であり約7またはそれより大きいpHの水溶液を与えるあらゆる塩基性アミノ酸も含まれる。従って、塩基性アミノ酸には、アルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸(diaminoproprionic acid)、それらの塩類またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。特定の態様において、塩基性アミノ酸はアルギニン、シトルリン、およびオルニチン、好ましくはアルギニン、例えば1−アルギニンから選択される。
【0033】
[0018] 本発明の組成物は口の中で用いられ、場合により摂取されてよく、従って本発明における使用のための塩類は、提供される量および濃度において、その用途に関して安全であるべきである。適切な塩類には、当技術において医薬的に許容できる塩類であると知られている塩類が含まれ、それは一般に与えられる量および濃度において生理的に許容できると考えられる。生理的に許容できる塩類には、医薬的に許容できる無機もしくは有機酸または塩基に由来する塩類、例えば生理的に許容できる陰イオンを形成する酸により形成される酸付加塩類、例えば塩酸塩または臭化物塩、ならびに生理的に許容できる陽イオンを形成する塩基により形成される塩基付加塩類、例えばカリウムおよびナトリウムのようなアルカリ金属またはカルシウムおよびマグネシウムのようなアルカリ土類金属に由来する塩基付加塩類が含まれる。生理的に許容できる塩類は、当技術において既知の標準的な手順を用いて、例えばアミンのような十分に塩基性の化合物と生理的に許容できる陰イオンを与える適切な酸を反応させることにより得ることができる。好ましい塩はビカルボネート、例えば重炭酸アルギニンである。
【0034】
[0019] 様々な態様において、塩基性アミノ酸は組成物の総重量の約0.5重量%〜約50重量%、組成物の総重量の約1重量%〜約10重量%、例えば組成物の総重量の約1.5重量%、約3.75重量%、約5重量%、または約7.5重量%の量で存在する。
【0035】
[0020] 本発明の発泡性粉末は場合により、例えば口内洗浄剤として使用するために溶媒中で溶解させるように配合される場合、フッ化物またはフッ化物イオンの源を含んでいてよい。多種多様なフッ化物イオンを生じる物質を、本組成物における可溶性フッ化物の源として用いることができる。適切なフッ化物イオンを生じる物質の例は、本明細書に援用するBrinerらへの米国特許第3,535,421号;Parran,Jr.らへの米国特許第4,885,155号、およびWidderらへの米国特許第3,678,154号において見いだされる。代表的なフッ化物イオンの源には、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限定されない。特定の態様において、フッ化物イオンの源はフッ化スズ、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物を含む。従って、その発泡性粉末は、フッ化物イオンの源またはフッ素を提供する成分を、約25ppm〜約25,000ppmのフッ化物イオン、一般には少なくとも約500ppm、例えば約500〜約2000ppm、例えば約1000〜約1600ppm、例えば約1450ppmを供給するのに十分な量で含んでいてもよい。フッ化物イオンの源は、本発明の組成物に1態様において約0.01重量%〜約10重量%、または約0.03重量%〜約5重量%、および別の態様において組成物の重量により別の態様において約0.1重量%〜約1重量%のレベルで添加されてよい。フッ化物イオンの適切なレベルを提供するためのフッ化物塩類の重量は、明らかに塩の中のカウンターイオンの重量に基づいて異なるであろう。
【0036】
[0021] 本発明の発泡性粉末は、防腐剤および抗微生物化合物、例えばトリクロサン、草本エキスおよび精油(例えば、ローズマリーエキス、チモール、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル)、ビスグアニド系防腐剤(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム)、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、ポビドンヨード、デルモピノール、サリフルオル、金属イオン(例えば、亜鉛塩類、例えばクエン酸亜鉛)、サンギナリン、プロポリス、ならびに抗生物質を含んでいてもよい。その防腐剤および抗微生物化合物は、本発明の発泡性粉末を溶媒中で溶解させて口内洗浄剤を形成するために配合する場合に望ましい。
【0037】
[0022] 本発明の発泡性粉末は、1種類以上の医薬または他の有効物質、例えばアセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、ビタミン類、ならびに向精神剤、抗高血圧剤(anti−hypertensitive)、抗発作剤、アンフェタミン、抗微生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、抗真菌剤、抗うつ剤、興奮剤、抗ヒスタミン剤、抗不安剤、三環系薬剤、精神安定剤、ベンゾジアゼピン類、催眠剤、気分安定剤、コデイン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、抗アレルギー剤、フェノチアジン、化学療法剤、アミン類、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、抗発癌剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、麦角製剤、抗コリン作用剤、抗炎症剤、抗痛風製剤、催眠剤、ホルモン性製剤、食欲抑制剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、およびオピオイド類である薬剤を含んでいてもよい。
【0038】
[0023] 本発明の発泡性粉末は、1種類以上の香味料を含んでいてもよい。本発明の実行において用いられる香味料には、精油および様々な香味アルデヒド類、エステル類、アルコール類、および類似の物質が含まれるが、それらに限定されない。精油の例には、スペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、サッサフラス、チョウジ、セージ、ユーカリ、マヨラマ、桂皮、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジの油が含まれる。メントール、カルボン(carvone)、およびアネトール(anethole)のような化学物質も有用である。特定の態様は、ペパーミントおよびスペアミントの油を用いる。発泡を生じさせるための様々な酸および塩基は、クエン酸およびリンゴ酸のように、香味料であってもよい。
【0039】
[0024] 香味料は経口組成物中に、約0.1〜約5重量%および約0.5〜約1.5重量%の濃度で組み込まれる。個々の経口ケア組成物の用量(すなわち1回量)中における香味料の用量は約0.001〜0.05重量%であり、別の態様において、約0.005〜0.015重量%である。
【0040】
[0025] 本発明の発泡性粉末は、例えば溶媒に添加するための1回量の形態を作るために圧縮して錠剤の形にすることができる。錠剤を製造する方法、および一般的な錠剤組成物は、当技術で周知である。錠剤は一般に結合剤を含み、それは当業者に既知である。好ましくは、結合剤は可溶性であり、例えばデキストロース、ソルビトール、キシリトール、およびラクトースを含む。好ましくは、結合剤の量は、錠剤が扱うのに十分なだけ硬く、溶媒の中に入れた際に崩壊するのに十分なだけ柔らかく、安定であるのに十分なだけ乾燥していることを可能にする。
【0041】
[0026] 錠剤は、プレスからの錠剤(table)の排出(expulsion)を補助するために潤滑剤を含んでいてもよい。そのような潤滑剤は当業者に既知であり、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、およびアジピン酸を含む。
【0042】
[0027] 本発明の1態様において、発泡性の錠剤は、直接口の中に置かれて溶解して口内洗浄剤を形成してもよい。
【実施例】
【0043】
実施例1
[0028] 粉末組成物は、下記の通りに配合される:
重炭酸アルギニン − 50重量%
クエン酸 − 50重量%
実施例2
[0029] 粉末組成物は、下記の通りに配合される:
重炭酸アルギニン − 40重量%
クエン酸 − 50重量%
炭酸ナトリウム − 10重量%
実施例3
[0030] .5グラムのアセチルサリチル酸を、10グラムの実施例1または2の組成物に添加し、圧縮して錠剤にする。
【0044】
実施例4
[0031] 実施例2に従って製造した錠剤を20mlの冷水中で溶解させて発泡させる。錠剤は2分以内に崩壊して、人に消費される。
【0045】
実施例5
[0032] 粉末組成物を、表1にリストした配合に従って製造する。
表1
【0046】
【表1】

【0047】
実施例6
[0033] 1グラムの実施例5の組成物を、15〜30mlの水に添加する。粉末は発泡し、2分以内に水に溶解する。人は得られた溶液を口内洗浄剤として用いる。
【0048】
実施例7
[0034] 実施例5の粉末を圧縮して、それぞれ3グラムの直径20mmの錠剤にする。
実施例8
[0035] 実施例7の錠剤を、約15から30mlまでの水の中で溶解させ、発泡および溶解させる。不溶性の粒子を沈殿させる。人はその溶液を攪拌して不溶性の粒子を懸濁して口内洗浄剤とし、次いでその溶液を口腔の中に30秒間入れた後、溶液を吐き出す。人はその手順を1ヶ月間毎日繰り返し、そしてその口内洗浄剤が歯の過敏性を低減し、口内乾燥を処置することを見いだす。
【0049】
実施例9
[0036] 下記の配合を有する粉末組成物を製造する:
炭酸カリウム − 20.5%
クエン酸 − 45.5%
香味料、着色料および溶媒 − 3%
SLS − 0.5%
甘味料 − 0.5%
塩基性アミノ酸 − 30%
実施例10
[0037] 実施例8の組成物を圧縮して、それぞれ3グラムの重量の錠剤にする。
【0050】
実施例11
[0038] 実施例8の錠剤を人の口の中に入れ、口腔中で液体、例えば唾液により発泡させる。人は結果として生じた溶液を口の中で30秒間くちゅくちゅと動かし、次いで口腔から溶液を吐き出す。
【0051】
実施例12
[0039] 下記の配合を有する発泡性の二重の歯磨剤組成物を製造する:
【0052】
【表2】

【0053】
B中のリン酸がA中の重炭酸アルギニンと使用の前に反応しないように、構成要素AおよびBを包装した。製品が分配されて用いられる際に、AおよびBは組み合わせられ、二酸化炭素が放出される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離または生理的に許容できる塩の形の塩基性アミノ酸、酸源、および可溶性のカルボネート塩を含む、発泡性組成物。
【請求項2】
塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸(diaminoproprionic acid)、それらの塩類および/またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
塩基性アミノ酸がL−立体配置を有する、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
塩基性アミノ酸がカルボネートの形である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
塩基性アミノ酸が重炭酸アルギニンである、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
酸源がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸およびフマル酸からなるグループから選択される、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
酸源がクエン酸である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
可溶性のカルボネート塩が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸アルギニン、およびそれらの組み合わせから選択される、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
可溶性のカルボネート塩が炭酸水素カリウムである、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
溶媒中で溶解すると二酸化炭素を生成する、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が食用である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
唾液中で溶解して二酸化炭素を放出する、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
口腔中で溶解する、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
さらにフッ化物、またはフッ化物イオンの源を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
さらに防腐剤または抗微生物化合物を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
口内洗浄剤である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
胃酸を中和する、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
さらに鎮痛剤、解熱剤、抗炎症剤、オピオイド類、およびビタミン類から選択される追加の成分を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
錠剤の形である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
さらに潤滑剤を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
さらに結合剤を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
粉末または顆粒の形である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
使用の前に酸源が可溶性カルボネート塩から隔離されている歯磨剤の形である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
酸源を含む構成要素および可溶性カルボネート塩を含む構成要素が別々の区画の中に包装されているが一緒に分配されるような二重の構成要素の製品である、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
水分の少ないまたは水分の無い組成物である、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
使用の際にカプセルの包みが壊れて酸源および可溶性カルボネート塩が反応して二酸化炭素が放出されるように酸源または可溶性カルボネート塩のどちらかがカプセルに包まれている、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
それを必要とする対象の口腔に請求項1〜27のいずれか1項に記載の組成物を適用することを含む、(i)齲食の形成を低減または抑制する、(ii)例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気伝導度測定(ECM)により検出されるエナメル質の前齲食病変を低減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を低減する、(v)歯肉炎を低減または抑制する、(vi)口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸を産生する細菌のレベルを低減する、(viii)アルギノ分解性細菌の相対的なレベルを増大させる、(ix)口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、(x)プラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、(xi)プラークの蓄積を低減する、(xii)歯および口腔を清潔にする、(xiii)歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与える、(xiv)酸食を低減する、(xv)全身の健康を増進する、および/または(xvi)口内乾燥を処置または抑制するための方法。

【公表番号】特表2011−511797(P2011−511797A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546021(P2010−546021)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/033299
【国際公開番号】WO2009/100272
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】