説明

発熱部品の取り付け装置と発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法

【課題】取り付けや取り外しが容易な発熱部品の取り付け装置と発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法とを提供することを目的とする。
【解決手段】基板に配置された場合に基板に垂直となるヒートシンクの壁面へ、発熱部品を取り付ける装置であって、ヒートシンクの壁面に固定される押さえバネ取り付けベースと、押さえバネ取り付けベースに固定され、発熱部品を壁面に押圧する押さえバネとを備え、押さえバネは、壁面に平行な方向から締結治具により取り付けられる発熱部品の取り付け装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱部品の取り付け装置と発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
パワートランジスタ等の発熱部品は、放熱板(ヒートシンク)に押圧固定され、パワートランジスタから発生する熱が効果的に放熱板に伝達される。発熱部品のヒートシンクへの取付装置として、一般に発熱部品の被取付部分の厚みが異なると、クランプ用取り付け部材も異なる高さのものを使用する必要がある。
【0003】
このような問題点を改善し、発熱部品の被取付部分の厚みが異なる場合であっても、共通の取り付け部材によって、異なる厚みの発熱部品を取付けることができるクランブ用取り付け部材の考案が提案されている。
【0004】
図8は、従来の取り付け部材を使用して被取付部品を取付ける方法を説明する図である。図8において、放熱板等の取付基板821には、取り付け部材811の段差部が最も深く挿入固定されるよう幅広の穴が設けられている。
【0005】
取り付け部材811の延長部と取付基板821との高さは最も低くなり、取付ネジ825によって取付基板821と取り付け部材811との間に最も厚みの小さい部品を押圧固定することができる。
【0006】
なお、取付基板821はプリント回路基板827に止めネジ829によってネジ止めされ、パワートランジスタ等の被取付部品831の接続リードは、プリント回路基板827の導電パターンに半田付けされている。
【0007】
このようにして、取付基板821に設けられる段差部挿入用の開孔823の大きさを段差部の幅に応じて変える。これにより、取り付け部材811と取付基板821との高さを調整することができるので、異なる厚みの部品を一つの取り付け部材でクランプすることができる。
【0008】
上述したような取り付け部材は、例えば下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平8−760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来の取り付け部材をヒートシンクに取り付ける場合には、プリント基板に平行な方向からドライバーを挿入してネジ止めする必要があった。一方、電子機器の高機能化に伴い、プリント基板上の実装部品密度は、基板面内方向においても基板面に垂直な高さ方向においても、益々増大する傾向にある。
【0011】
従って、他の実装部品等が障害となって、プリント基板に平行な方向からドライバーを挿入して取り付け部材をヒートシンクにネジ止めすることが、困難な場合が生じる。
【0012】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、取り付けや取り外しが容易な発熱部品の取り付け装置と、発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法と、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の発熱部品の取り付け装置は、基板に配置された場合に基板に垂直となるヒートシンクの壁面へ、発熱部品を取り付ける装置であって、ヒートシンクの壁面に固定される押さえバネ取り付けベースと、押さえバネ取り付けベースに固定され、発熱部品を壁面に押圧する押さえバネとを備え、押さえバネは、壁面に平行な基板上方向から締結治具により取り付けられることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、好ましくは押さえバネが、押さえバネ取り付けベースの基板に平行な面に取り付けられることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは押さえバネ取り付けベースが、ヒートシンクの壁面に垂直な方向から締結治具により、壁面に取り付けられることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは押さえバネが、発熱部品を、押さえバネとヒートシンクの壁面との間に挟持することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは発熱部品が、リード挿入タイプの半導体部品であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは押さえバネが、略逆L字形状を呈する板状であり、壁面に平行なスリットを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは押さえバネ取り付けベースが、壁面に面一に接触する接触面と、接触面から接触面に垂直かつ基板に平行に突出した押さえバネ取り付け台座と、接触面から接触面と押さえバネ取り付け台座とに垂直に突出した反り防止側面とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは押さえバネ取り付けベースが、ヒートシンクに取り付けられた状態でヒートシンクの壁面に平行な面内での回動を防止するように、ヒートシンクの壁面が備える凹部に対応する凸部を備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは締結治具がネジ及びネジを回動させるドライバーであり、押さえバネ取り付けベースは、ドライバーにより壁面に垂直な方向からネジ止めされ、押さえバネは、壁面にネジ止めされた押さえバネ取り付けベースに、ドライバーにより壁面に平行な方向からネジ止めされることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは押さえバネ取り付けベースが壁面に対し一箇所でネジ止めされ、押さえバネは押さえバネ取り付けベースに一箇所でネジ止めされることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置は、さらに好ましくは押さえバネ取り付けベースと、押さえバネとが、共にアルミニウム合金またはニッケル合金で形成されることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法は、上述のいずれかに記載の発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法であって、ヒートシンクの壁面に押さえバネ取り付けベースを固定する工程と、基板にヒートシンクを固定する工程と、押さえバネ取り付けベースに押さえバネを仮固定する工程と、発熱部品を押さえバネと壁面との間に挟持させた状態で、発熱部品を位置決めする工程と、押さえバネ取り付けベースに押さえバネを本固定する工程とを有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法は、好ましくは発熱部品を位置決めする工程が、発熱部品のリードを基板の対応するスルーホールに挿入する工程であることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法は、さらに好ましくは発熱部品のリードを基板の対応するスルーホールに挿入する工程の後、続いて発熱部品のリードを基板へハンダ付けする工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、取り付けや取り外しが容易な発熱部品の取り付け装置と発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ヒートシンクに取り付けられた状態の発熱部品の取り付け装置を概念的に説明する模式図である。
【図2】押さえバネについて概念的に説明する模式図である。
【図3】押さえバネ取り付けベースを概念的に説明する模式図である。
【図4】ヒートシンクについて概念的に説明する模式図である。
【図5】反り防止側面の機能について比較説明する模式図である。
【図6】発熱部品の取り付け装置をヒートシンクへ実装する工程を説明するフロー図である。
【図7】ヒートシンクに固定された電子部品を取り外す際に、他のヒートシンクが障害となって、ドライバーが挿入できない状態の一般的な基板の典型例を説明する図である。
【図8】従来の取り付け部材を使用して被取付部品を取付ける方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
高密度実装された基板上は、ヒートシンクや他の電子部品等が基板面内だけでなく、基板面に垂直な方向にもある程度の高さを有して密集し、基板上の空間を占有した状態である。
【0030】
このため、作製持やメンテナンス時等に、例えば発熱部品をヒートシンクから取り外す必要が生じても、既に実装されている他の電子部品等が障害となり、ネジを緩めるドライバー等の治具が発熱部品まで届かない。その場合には、発熱部品をヒートシンクごと取り外さなければならず、多大な労力を要するだけではなく作業効率も悪い。
【0031】
実施形態で説明する発熱部品の取り付け装置は、ヒートシンクに予め取り付けられる押さえバネ取り付けベースと、押さえバネ取り付けベースにネジ等で基板上方から取り付けられる押さえバネと、の二つのパーツを備える。そして、押さえバネで挟むようにして、発熱部品をヒートシンクに押圧して発熱部品を放熱させる。
【0032】
このため、実施形態で説明する発熱部品の取り付け装置によれば、高密度実装された基板を備える電子機器においても、基板上に実装された他の電子部品等に阻害されることなく、基板上方から発熱部品のヒートシンクへの取り付けや取り外し等を容易に行える。
【0033】
図1は、ヒートシンク300に取り付けられた状態の発熱部品の取り付け装置100を概念的に説明する模式図である。図1(a)が平面図であり、図1(b)が左側面図であり、図1(c)が正面図であり、図1(d)が右側面図である。
【0034】
図1に示すように、基板200にはネジ210でヒートシンク300が固定される。ヒートシンク300の側面には、押さえバネ取り付けベース110がネジ111で固定される。この場合に、押さえバネ取り付けベース110に設けられた凸部115と、ヒートシンク300に設けられた凹部315とが、対応するように押さえバネ取り付けベース110が固定される。
【0035】
凸部115と凹部315とが対応することにより、押さえバネ取り付けベース110の回動が抑制されるので、押さえバネ取り付けベース110は、一個のネジ111によって、安定してヒートシンク300に固定されることとなる。
【0036】
また、押さえバネ120は、押さえバネ取り付けベース110にネジ130を用いて固定される。すなわち、発熱部品の取り付け装置100は、少なくとも押さえバネ取り付けベース110と、押さえバネ120と、ネジ130とを備える。ネジ130はこれに限定されることはなく、押さえバネ取り付けベース110と押さえバネ120とを固定し、必要に応じて固定解除できる機能を有する固定機構や固定部材であればよい。
【0037】
また、発熱部品150は、押さえバネ120によりヒートシンク300に押圧された状態で、押さえバネ120とヒートシンク300との間に挟持される。これにより、発熱部品150は、自身で発生した熱を良好にヒートシンク300へと放熱させることができる。
【0038】
発熱部品150は、典型的にはリード挿入タイプの半導体デバイスであって、リード線151を備える。発熱部品150のリード線151は、基板200に予め設けられている不図示のスルーホールに挿入されて、ハンダ付け等により基板200の配線と電気的に接続されるとともに、基板200に固定される。
【0039】
図1(b)から理解されるように、発熱部品の取り付け装置100は、基板200に略垂直な上方、すなわち発熱部品150が取り付けられたヒートシンク300の壁面に略平行な上方から、ドライバー190を用いてネジ130を緩めることが可能である。
【0040】
ネジ130を緩めると押さえバネ120による発熱部品150への押圧が解除されるので、発熱部品150を取り外したり配置換えしたりすることができる。この場合に、ヒートシンク300それ自体は基板200に固定されたままでよいので、作業性がよく作業工数も小さくてよい。このため、容易に迅速かつ的確な作業が可能となる。
【0041】
また、例えばヒートシンク300や発熱部品150の周囲に、相当な高さ(典型的には発熱部品の取り付け装置100の実装高さを超える高さ)を有する実装部品等が密集していた場合においても、ドライバーを上方から差し込めばよいので、発熱部品150の取り外し等に何らの障害とならない。
【0042】
発熱部品の取り付け装置100は、好ましくは放熱性や耐久性に優れており、かつ軽量なアルミニウム合金またはニッケル合金で形成される。しかし、発熱部品の取り付け装置100は、例えばプラスチック等の各種樹脂で形成されてもよく、また鉄等により形成されてもよい。
【0043】
図2は、押さえバネ120について概念的に説明する模式図である。図2(a)が平面図であり、図2(b)が左側面図であり、図2(c)が正面図であり、図2(d)が右側面図である。
【0044】
図2から理解されるように、押さえバネ120は、押さえバネ取り付けベース110の台座に接合する接合板123と、発熱部品150に押圧力を付与するバネ部124とを有する。また、押さえバネ120は、接合板123とバネ部124との境界で、略90°弱に折り曲げられた板状である。
【0045】
また、接合板123には、ネジ130が嵌るネジ孔121が設けられる。また、バネ部124は、その中央に基板200に垂直方向にスリット122を有する。バネ部124は、スリット122により、第一のバネ部124(1)と第二のバネ部124(2)とに分割される。
【0046】
すなわち、第一のバネ部124(1)と第二のバネ部124(2)とが、発熱部品150に対して各々押圧することとなる。このため、発熱部品150は、第一のバネ部124(1)と第二のバネ部124(2)とに独立した2箇所において接触する。これにより、発熱部品150は、独立した複数箇所において、ほぼ同一の押圧力で押圧されることとなるので、より安定した状態で押圧されることとなる。
【0047】
なお、図2においては、押さえバネ120が一つのスリット122を有する場合について示したが、スリット122の数は一つに限定されるものではない。押さえバネ120は、複数のスリット122を有していてもよく、またスリット122の方向も、実装された状態で基板200に垂直な方向に限定されることはなく、実装された状態で斜め方向等のスリットであってもよい。
【0048】
すなわち、スリット122により分割された第一のバネ部124(1)と第二のバネ部124(2)とは、発熱部品150に対して押圧力を付与する押圧点を増大させる。従って、発熱部品150に対する押圧点を独立した複数箇所として、安定して発熱部品150をヒートシンク300との間に挟持できるという限りにおいて、スリット122の数と形状とはそれぞれ任意である。
【0049】
図3は、押さえバネ取り付けベース110を概念的に説明する模式図である。図3(a)が平面図であり、図3(b)が左側面図であり、図3(c)が正面図であり、図3(d)が右側面図である。
【0050】
図3において、押さえバネ取り付けベース110は、ヒートシンク300の壁面に面一に接触する接触面116と、押さえバネ取り付け台座117と、反り防止側面118とを備える。
【0051】
接触面116の辺縁部には、ヒートシンク300の凹部315に対応する凸部115が設けられている。また、押さえバネ取り付け台座117には、ネジ130に対応するネジ孔113が設けられる。また、接触面116には、ネジ111に対応するネジ孔114が設けられる。
【0052】
ここで、反り防止側面118は、押さえバネ取り付け台座117に固定された押さえバネ120から受ける応力、すなわち押さえバネ120が発熱部品150を押圧する力の反作用、により押さえバネ取り付けベース110が反ったり変形したりしないように保護する。反り防止側面118は、いわば筋交いのように、接触面116と押さえバネ取り付け台座117との為す角度(典型的には直角)を一定に保持する。
【0053】
図4は、ヒートシンク300について概念的に説明する模式図である。図4に示すヒートシンク300は一例を示すものであって、発熱部品の取り付け装置100を固定するヒートシンク300は、図4に示す形状に限定されるものではない。
【0054】
図4から理解されるように、ヒートシンク300は、基板200に固定される場合にネジ210が挿入されるネジ孔301(1),301(2)を有する。また、ヒートシンク300は、押さえバネ取り付けベース110を固定する際にネジ111が挿入されるネジ孔302を備える。また、ヒートシンク300は、押さえバネ取り付けベース110を固定する際に凸部115が挿入される凹部315を備える。
【0055】
凹部315は、押さえバネ取り付けベース110がヒートシンク300に取り付けられた状態で、凸部115をヒートシンク300の壁面内で回動しないように固定させ得る限りにおいて、へこみ部や貫通孔であってもよくその形状は任意である。
【0056】
図5は、反り防止側面118の機能について比較説明する模式図である。図5(a)が実施形態の発熱部品の取り付け装置100の場合を説明する図であり、図5(b)が比較のために反り防止側面118を備えない場合を説明する図である。図5においては、図1乃至図4と対応する部位には対応する符号を付して、説明の重複を避けるためにここでは説明を省略する。
【0057】
図5(a)に示すように、発熱部品150を押圧する反力は、押さえバネ120を外側へと押圧する。このため、ネジ130を含めた押さえバネ120と押さえバネ取り付けベース110との接触部分には、押さえバネ取り付けベース110の下端を図面上方へめくれあがらせるような力が働くこととなる。
【0058】
この場合に図5(b)に示す例では、反り防止側面118を備えないことから、押さえバネ取り付けベース5110の下端がヒートシンク300から離間して、上方へめくれあがることとなる。図5(b)に示す状態では、発熱部品150を充分に保持・固定することができないだけでなく、発熱部品150を充分にヒートシンク300に押圧できないことから、発熱部品150のヒートシンク300への放熱効率が低減することとなる。
【0059】
反り防止側面118は、図5(b)のような状態となることを防止し、常に図5(a)に示すように発熱部品150をヒートシンク300に安定して押圧することを可能とする。すなわち、反り防止側面118は、押さえバネ取り付けベース110の耐久性を高め寿命を延ばす。また、反り防止側面118は、発熱部品150が効率良く放熱できるように、発熱部品150をヒートシンク300と安定して接触させることを可能とする。
【0060】
図6は、発熱部品の取り付け装置100をヒートシンク300へ実装する工程を説明するフロー図である。そこで、図6に示す各ステップに基づいて、発熱部品の取り付け装置100の実装工程について順次説明する。なお、以下の説明においては、押さえバネ取り付けベース110が、その典型例として金属製の押さえバネ固定金具であるものとして説明する。また、発熱部品150は、その典型例として半導体であるものとして説明する。
【0061】
(ステップS610)
ドライバー190を用いてネジ111で、ヒートシンク300に押さえバネ固定金具110をネジ止めする。この場合に、押さえバネ固定金具110の凸部115と、ヒートシンク300に設けられた凹部315とが対応するようにネジ止めする。
【0062】
(ステップS620)
基板200の裏面側からドライバー190を用いてネジ210で、基板200にヒートシンク300をネジ止めする。
【0063】
(ステップS630)
ドライバー190を用いてネジ130で、押さえバネ120を押さえバネ固定金具110に仮止めする。この場合に、ネジ130とドライバー190とは、基板200の上方から挿入することができるので、基板200に設けられた他の電子部品やヒートシンク等が障害とならない。
【0064】
なお、図7は、ヒートシンク7300(2)に固定された電子部品7150を取り外す際に、比較的近接して配置された他のヒートシンク7300(1)が障害となって、ドライバー7770が挿入できない状態の一般的な実装基板7200の典型例を説明する図である。
【0065】
(ステップS640)
ヒートシンク300と押さえバネ120との間に半導体150を挟んでヒートシンク300に放熱可能に接触させるとともに、半導体リード線を基板のスルーホールに挿入する。
【0066】
(ステップS650)
半導体のリード線を半田付けする。
【0067】
(ステップS660)
ネジ130を増し締めして、押さえバネ120を押さえバネ固定金具110に本固定する。
【0068】
上述した工程により、発熱部品の取り付け装置100は、容易かつ少ない工数でヒートシンク300に取り付けることが可能となる。また、発熱部品150を取り外す場合には、ヒートシンク300を取り外すことなく、少ない労力で容易に取り外すことが可能である。
【0069】
上述した実施形態における発熱部品の取り付け装置100とその実装方法とは、実施形態での説明に限定されることはなく、自明な範囲で構成や処理を適宜変更してもよく、また自明な範囲で形状や構造やそれらの組み合わせ及び材料を適宜変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、ヒートシンクに発熱部品を取り付けるための発熱部品の取り付け装置等に幅広く適用できる。
【符号の説明】
【0071】
100・・発熱部品の取り付け装置、110・・押さえバネ取り付けベース、120・・押さえバネ、130・・ネジ、150・・発熱部品、200・・基板、300・・ヒートシンク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置された場合に前記基板に垂直となるヒートシンクの壁面へ、発熱部品を取り付ける装置であって、
前記ヒートシンクの前記壁面に固定される押さえバネ取り付けベースと、
前記押さえバネ取り付けベースに固定され、前記発熱部品を前記壁面に押圧する押さえバネとを備え、
前記押さえバネは、前記壁面に平行な基板上方向から締結治具により取り付けられる
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネは、前記押さえバネ取り付けベースの前記基板に平行な面に取り付けられる
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネ取り付けベースは、前記ヒートシンクの壁面に垂直な方向から締結治具により、前記壁面に取り付けられる
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネは、前記発熱部品を、前記押さえバネと前記ヒートシンクの前記壁面との間に挟持する
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記発熱部品は、リード挿入タイプの半導体部品である
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネは、略逆L字形状を呈する板状であり、前記壁面に平行なスリットを備える
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネ取り付けベースは、前記壁面に面一に接触する接触面と、前記接触面から前記接触面に垂直かつ前記基板に平行に突出した押さえバネ取り付け台座と、前記接触面から前記接触面と前記押さえバネ取り付け台座とに垂直に突出した反り防止側面とを備える
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネ取り付けベースは、前記ヒートシンクに取り付けられた状態で前記ヒートシンクの壁面に平行な面内での回動を防止するように、前記ヒートシンクの壁面が備える凹部に対応する凸部を備える
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記締結治具はネジ及び前記ネジを回動させるドライバーであり、
前記押さえバネ取り付けベースは、前記ドライバーにより前記壁面に垂直な方向からネジ止めされ、
前記押さえバネは、前記壁面にネジ止めされた前記押さえバネ取り付けベースに、前記ドライバーにより前記壁面に平行な方向からネジ止めされる
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項10】
請求項9に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネ取り付けベースは前記壁面に対し一箇所でネジ止めされ、前記押さえバネは前記押さえバネ取り付けベースに一箇所でネジ止めされる
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置において、
前記押さえバネ取り付けベースと、前記押さえバネとは共にアルミニウム合金またはニッケル合金で形成される
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発熱部品の取り付け装置を前記ヒートシンクに実装する方法であって、
前記ヒートシンクの前記壁面に前記押さえバネ取り付けベースを固定する工程と、
前記基板に前記ヒートシンクを固定する工程と、
前記押さえバネ取り付けベースに前記押さえバネを仮固定する工程と、
前記発熱部品を前記押さえバネと前記壁面との間に挟持させた状態で、前記発熱部品を位置決めする工程と、
前記押さえバネ取り付けベースに前記押さえバネを本固定する工程と、
を有することを特徴とする発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法。
【請求項13】
請求項12に記載の発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法において、
前記発熱部品を位置決めする工程は、前記発熱部品のリードを前記基板の対応するスルーホールに挿入する工程である
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法において、
前記発熱部品のリードを前記基板の対応するスルーホールに挿入する工程の後、
続いて前記発熱部品のリードを前記基板へハンダ付けする工程を有する
ことを特徴とする発熱部品の取り付け装置をヒートシンクに実装する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−124452(P2011−124452A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282231(P2009−282231)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】