説明

皮膚化粧料

【課題】シリコーン油を多く含有しても、経時でセラミド類似化合物の結晶が析出することがなく安定で、のびが良く、べたつきのない優れた使用感の皮膚化粧料の提供。
【解決手段】(A)一般式(1)
1a2b3cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(R1はC1〜30のアルキル基等、R2は一般式(3)
−Q−O−X (3)
(Qはエーテル結合及び/又はエステル結合を有していてもよいC3〜20の二価炭化水素基、Xは多価アルコール置換炭化水素基)、R3は一般式(4)


(R1は前記と同じ意味を示し、1≦g≦5、0≦h≦500)で表されるオルガノシロキサン、1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5)
で表される多価アルコール変性シリコーン、
(B)セラミド類似化合物、
(C)シリコーン油
を含有する皮膚化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン油を多く含有しても、経時でセラミド類似化合物の結晶が析出することがなく安定で、のびが良く、べたつきのない優れた使用感の皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
人の皮膚における保湿機能やバリア機能を担っているのは、角質層に存在する細胞間脂質の主成分であるセラミドであることが一般に知られており、セラミドと類似構造を有する化合物も同様の効果を示すことも報告されている(特許文献1参照)。このセラミド類似化合物は天然由来のセラミドと比べて安価に供給されるため、化粧料に応用しやすく十分な効果が期待される。しかし、セラミド類似化合物も天然セラミドと同様に、一般的な化粧品用原料との相溶性が著しく悪く、製造時又は経時で結晶が析出するなど、化粧料中に安定に配合することが困難であった。そこで、セラミド類似化合物を含めセラミドに関し、化粧料に安定に配合するための検討がなされてきた。
【0003】
例えば、特許文献1は、セラミドに2種の界面活性剤(非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤)及びその他の油剤を含有する皮膚外用剤に関し、その質量割合を調整することにより、安定な組成物が得られることが記載されている。しかしながら、組成物中の総界面活性剤量が多くなると、のびが悪くなり、べたついた使用感になる。セラミド類似化合物であるガラクトシルセラミド、グルコシルセラミドに関しては、油性成分、アクリル酸とメタクリル酸アルキルの共重合体と組み合わせた乳化組成物(特許文献2)や、分岐高級アルコールに溶解させて配合する技術(特許文献3)などが知られているが、これらはセラミド類似化合物に対して多量の油性成分を必要とするため、ぬるつきやべたつきなど使用感の悪化を伴う。感触を改善するためにエタノールやシリコーン油などを加えると、セラミド類似化合物の結晶が析出してしまうという問題もあった。
【0004】
また、1価の低級アルコールを配合することにより、セラミドを加熱することなく容易に油中に溶解する技術があるが(特許文献4)、化粧料として皮膚に適用する場合には、低級アルコールによる皮膚への刺激性が問題となる。また、セラミドやセラミド類似化合物を、ソルビタンモノラウレートなどの低HLBの非イオン界面活性剤を用いて安定に配合する試みもなされているが(特許文献5、特許文献6)、これらは水中油型乳化物にしか応用できないこと、また優れた感触向上剤であるシリコーン油を同時に配合すると、セラミドのシリコーン油への溶解性が低いためセラミドが経時的に結晶析出してしまい、保存安定性についてはいずれも満足できるものではなかった。
【特許文献1】特開平6−345633号公報
【特許文献2】特開2000−264825号公報
【特許文献3】特開平10−192686号公報
【特許文献4】特開2000−119178号公報
【特許文献5】特開2005−8580号公報
【特許文献6】特開2005−179320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、シリコーン油を多く含有しても、経時でセラミド類似化合物の結晶が析出することがなく安定で、しかも使用感に優れた皮膚化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特定の多価アルコール変性シリコーンを用いれば、シリコーン油を多く含有しても、経時でセラミド類似化合物の結晶が析出することがなく安定で、のびが良く、べたつきのない優れた使用感の皮膚化粧料が得られることを見出した。
【0007】
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)次の一般式(1)
1a2b3cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基又は一般式(2)
−Cd2d−O−(C24O)e(C36O)f4 (2)
(式中、R4は炭素数4〜30の炭化水素基又はR5−(CO)−で表される有機基(R5は炭素数1〜30の炭化水素基を示す)を示し、d、e及びfはそれぞれ0≦d≦15、0≦e≦50、0≦f≦50の数を示す)で表される有機基を示し、R2は一般式(3)
−Q−O−X (3)
(式中、Qはエーテル結合及び/又はエステル結合を有していてもよい炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、Xはヒドロキシ基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す)を示し、R3は下記一般式(4)
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、R1は同一又は異なって、前記と同じ意味を示し、g及びhはそれぞれ1≦g≦5、0≦h≦500の数を示す)で表されるオルガノシロキサン残基を示し、a、b及びcはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5を示す)
で表される多価アルコール変性シリコーン、
(B)セラミド類似化合物、
(C)シリコーン油
を含有する皮膚化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の皮膚化粧料は、シリコーン油を多く含有しても、経時でセラミド類似化合物の結晶が析出することがなく安定で、のびが良く、べたつきのない優れた使用感を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明で用いる成分(A)の多価アルコール変性シリコーンは、前記一般式(1)で表されるものである。
式中、R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等のフッ素置換アルキル基などを挙げることができる。さらに、3−アミノプロピル基、3−[(2−アミノエチル)アミノ]プロピル基等のアミノ置換アルキル基、3−カルボキシプロピル基等のカルボキシル置換アルキル基などが挙げられる。
【0012】
また、R1は一般式(2)
−Cd2d−O−(C24O)e(C36O)f4 (2)
で表される有機基であってもよい。ここで、R4は炭素数4〜30の炭化水素基又はR5−(CO)−で表される有機基であって、R5は炭素数1〜30の炭化水素基である。d、e及びfはそれぞれ0≦d≦15、0≦e≦50、0≦f≦50の数である。このR1の一部はアルコール残基又はアルケニルエーテル付加物残基であり、具体例としては、d=0の時:−O−(C24O)e(C36O)f4が挙げられる。この場合、e=0、f=0であれば炭素数4〜30のアルコキシ基、例えばブトキシ基等の低級アルコキシ基からオレイロキシ基、ステアロキシ基等の高級アルコキシ基が挙げられ、あるいは酢酸、乳酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘニル酸等の脂肪酸残基が挙げられる。また、e、f>0であれば、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物(末端は水酸基)のアルコール残基となる。
【0013】
dが1以上、e=0、f=0の場合は、特にdが3、5又は11が好ましく、この場合はアリルエーテル、ペンテニルエーテル、ウンデセニルエーテル残基であり、R4の置換基によって、例えばアリルステアリルエーテル残基、ペンテニルベヘニルエーテル残基、ウンデセニルオレイルエーテル残基等が挙げられる。e又はfが0でない場合は、ポリオキシアルキレンを介してアルコキシ基やエステル基が存在することとなる。ここで、e、fが何であれ、dが0のときは耐加水分解性に劣る場合があり、dが15以上であると油臭が強いため、3〜5であることが好ましい。特に、R1全体の50%以上がメチル基であることが好ましく、さらに好ましくは70%以上がメチル基であり、100%ということもあり得る。
【0014】
また、R2は下記一般式(3)を示す。
−Q−O−X (3)
ここで、Qはエーテル結合及び/又はエステル結合を有していてもよい炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、−(CH22−、−(CH23−、−CH2CH(CH3)CH2−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH22−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2−CH(CH2CH3)−、−(CH23−O−(CH22−、−(CH23−O−(CH22−O−(CH22−、−(CH23−O−CH2CH(CH3)−、−CH2−CH(CH3)−COO(CH22−等を例示することができる。
Xは、ヒドロキシ基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基であり、好ましくは、グリセリン、ポリグリセリン及び糖誘導体が置換した炭化水素基である。
【0015】
グリセリン置換炭化水素基としては、下式の化合物が挙げられ、式中のQは式(3)中のQと同様であり、式中のsおよびtは1〜20の整数である。また、下記化合物中のヒドロキシ基の一部がアルコキシ基又はエステル基で置換されていてもよい。
【0016】
【化2】

【0017】
単糖、オリゴ糖又は多糖から誘導される糖残基としては、例えばグリコシル基、マンノシル基、ガラクトシル基、リボシル基、アラビノシル基、キシロシル基、フルクトシル基等の単糖基;マルトシル基、セロビオシル基、ラクトシル基、マルトトリオシル基等のオリゴ糖基;セルロース、澱粉等の多糖基が例示され、単糖基及びオリゴ糖基が好ましい。
【0018】
3は前記一般式(4)で表されるオルガノシロキサン残基である。ここで、式中のgは1〜5の整数であって、特にビニルシロキシ基とSiH基との反応から合成する場合、gは2である。hは0〜500であり、好ましくは1〜50である。hが500より大きいと主鎖との反応性が悪くなるなどの問題が起こることがある。上記(4)のオルガノシロキサン残基は、公知の方法によりジビニルテトラメチルジシロキサンとヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルシクロテトラシロキサンとの平衡化反応によって片末端ビニルシロキサンを合成することが可能であり、さらに5配位ケイ素錯体触媒やアニオン重合触媒によるヘキサメチルシクロトリシロキサンの開環重合法によって片末端封鎖率を向上させたシリコーン化合物を合成することができる。
【0019】
aは1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.3であり、この範囲内であれば、油剤との相溶性や、親水性の点から、安定な組成物を得ることができる。bは0.001〜1.5、好ましくは0.05〜1.0であり、この範囲内であれば、親水性などの点から、安定な組成物を得ることができる。cは0.001〜1.5、好ましくは0.05〜1.0であり、この範囲内であれば、シリコーン油との相溶性や、親水性の点から安定な組成物を得ることができる。
【0020】
本発明で用いる多価アルコール変性シリコーンは、例えば、特開2002-179798号公報に記載の方法に従って、製造することができる。
多価アルコール変性シリコーンの重量平均分子量は特に制限されないが、500〜200000、特に1000〜100000が好ましい。
成分(A)としては、特にポリグリセリン変性シリコーンが好ましい。
【0021】
また、成分(A)の多価アルコール変性シリコーンとしては、例えば、ポリグリセリル−3−ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(例:KF−6104、信越化学工業社)、ラウリルポリグリセリル−3−ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(例:KF−6105、信越化学工業社)、ポリグリセリル−3−ジシロキサンジメチコン(例:KF−6100、信越化学工業社)、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー(例:KSG−710、信越化学工業社)、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー(例:KSG−820、信越化学工業社)等の市販品を使用することができる。
【0022】
成分(A)の多価アルコール変性シリコーンは、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜15質量%、特に0.1〜10質量%含有するのが、良好な使用感と安定性が得られるので好ましい。
【0023】
本発明で用いる成分(B)のセラミド類似化合物としては、一般式(5)
【0024】
【化3】

【0025】
(式中、R6は炭素数9〜25の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R7は炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す)
で表わされるものが挙げられる。
【0026】
一般式(5)で表されるセラミド類似化合物は、特開昭62-228048号公報、特開昭63-228048号公報等に記載された方法により製造することができる。また、具体的には、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド等が挙げられ、ソフケアセラミドSL−E(花王社)等の市販品を使用することができる。
【0027】
成分(B)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜20質量%、特に0.1〜10質量%含有するのが、十分な保湿効果、良好な使用感が得られるので好ましい。
【0028】
本発明で用いる成分(C)のシリコーン油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のフェニル変性シリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、フルオロ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。特に、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンが好ましい。
【0029】
成分(C)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜70質量%、特に1〜50質量%、さらには2〜30質量%含有するのが、のびがよくべたつきのない使用感が得られやすいので好ましい。
【0030】
本発明の皮膚化粧料は、更に(D)多価アルコールを含有することができ、より安定性に優れるので好ましい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量1000以下)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン等のグリセリン類;ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール等の糖アルコール等が挙げられる。これらのうち、特に、グリセリン、ポリエチレングリコールが好ましい。
【0031】
成分(D)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜30質量%、特に0.5〜20質量%含有するのが、良好な使用感が得られるので好ましい。
【0032】
本発明の皮膚化粧料は、更に(E)水を含有することができ、全組成中に0.1〜98質量%、特に0.5〜95質量%含有するのが好ましい。
【0033】
また、本発明の皮膚化粧料には、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の油性成分、界面活性剤、粉体、酸化防止剤、香料、防腐剤、美容成分、薬効成分、pH調整剤、紫外線吸収剤、増粘剤、殺菌剤等を含有させることができる。
【0034】
本発明の皮膚化粧料は、通常の方法により製造することができ、化粧水、乳液、クリーム(O/W、W/O)、ハンドクリーム、サンスクリーン(O/W、W/O)等とすることができる。
【実施例】
【0035】
実施例1〜6及び比較例1〜6
表1に示す組成の皮膚化粧料(2層分離タイプのW/O型化粧料)を製造し、保存安定性(結晶析出状態、乳化状態)及び使用感(のびの良さ、べたつきのなさ、しっとり感)を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0036】
(製造方法)
油相成分(成分(A)〜(C)を含む)及び界面活性剤を80℃で加熱溶解し、プロペラ攪拌機を用い、80℃にてあらかじめ攪拌しておいた水相と混合する。水相には、水性溶剤、防腐剤、塩類を溶解させておく。続いて、アジホモミキサーに移し換え、80℃にて乳化粒子を均一に調整するため30分間高速攪拌を行った後、室温まで冷却し、香料、植物エキス、アルコール等を混合して均一にし、脱気を行い、皮膚化粧料を得た。
【0037】
(評価方法)
(1)保存安定性:
各皮膚化粧料を50mL容量のガラス瓶に充填し、5℃、室温、50℃で1週間静置保存した後、以下の基準により判定した。
【0038】
(1−1)結晶析出状態:
5℃保存後の皮膚化粧料について、よく振ってから結晶析出の有無を顕微鏡下目視にて評価し、以下の基準で判定した。
○:結晶析出が認められない。
△:わずかな結晶析出が認められる。
×:明らかに結晶析出が認められる。
【0039】
(1−2)乳化状態:
保存後の皮膚化粧料について、よく振ってから性状の変化(増粘、ゲル化、凝集物等)の有無を目視にて評価し、以下の基準で判定した。
○:5℃、室温、50℃のいずれにおいても、性状変化が認められない。
△:5℃、室温、50℃のいずれかにおいて、性状変化がわずかに認められる。
×:5℃、室温、50℃のいずれかにおいて、性状変化が明らかに認められる。
【0040】
(2)使用感(のびの良さ、べたつきのなさ、しっとり感):
10名の専門パネラーが、実際に各皮膚化粧料を使用したときの「のびの良さ」、「べたつきのなさ」、「しっとり感」を官能評価し、次の基準により判定した。
○:7名以上が良好と評価した。
△:4〜6名が良好と評価した。
×:3名以下が良好と評価した。
【0041】
【表1】

【0042】
実施例1〜6の皮膚化粧料はいずれも、使用感に優れ、セラミド類似化合物の結晶が析出することなく、乳化状態も良好であった。成分(A)を含まない比較例1は乳化状態が悪く、セラミドは短期間で析出した。比較例2はセラミド類似化合物を含有しないため安定性は良好なものの、しっとり感が得られなかった。シリコーン油を含まない比較例3は、セラミド類似化合物の結晶析出が確認されるとともに、使用感も劣るものであった。比較例4〜6は、成分(A)を2種のポリエーテル変性シリコーンとモノグリセリン系アルキルエーテルにそれぞれ置き換えたものであるが、すべての評価項目において劣るものであった。
【0043】
実施例7(化粧水)
表2に示す組成の化粧水を、常法により製造した。
得られた化粧水は、のびが良く、適度なしっとり感があり、べたつきがなく使用感に優れていた。また、セラミド類似化合物の結晶析出はみられなかった。
【0044】
【表2】

【0045】
実施例8(O/W型乳液)
表3に示す組成のO/W型乳液を、常法により製造した。
得られた乳液は、のびが良く、適度なしっとり感があり、べたつきがなく使用感に優れていた。また、セラミド類似化合物の結晶析出や分離等の乳化不良はみられなかった。
【0046】
【表3】

【0047】
実施例9(W/O型クリーム)
表4に示す組成のW/O型クリームを、常法により製造した。
得られたクリームは、のびが良く、適度なしっとり感があり、べたつきがなく使用感に優れていた。また、セラミド類似化合物の結晶析出や分離等の乳化不良はみられなかった。
【0048】
【表4】

【0049】
実施例10(ハンドクリーム)
表5に示す組成のハンドクリームを、常法により製造した。
得られたクリームは、のびが良く、適度なしっとり感があり、べたつきがなく使用感に優れていた。また、セラミド類似化合物の結晶析出や分離等の乳化不良はみられなかった。
【0050】
【表5】

【0051】
実施例11(O/W型サンスクリーン)
表6に示す組成のO/W型サンスクリーンを、常法により製造した。
得られたサンスクリーンは、のびが良く、適度なしっとり感があり、べたつきがなく使用感に優れていた。また、セラミド類似化合物の結晶析出や、分離・粉凝集等の乳化不良はみられなかった。
【0052】
【表6】

【0053】
実施例12(W/O型UVクリーム)
表7に示す組成のW/O型UVクリームを、常法により製造した。
得られたクリームは、のびが良く、適度なしっとり感があり、べたつきがなく使用感に優れていた。また、セラミド類似化合物の結晶析出や、分離・粉凝集等の乳化不良はみられなかった。
【0054】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)次の一般式(1)
1a2b3cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基又は一般式(2)
−Cd2d−O−(C24O)e(C36O)f4 (2)
(式中、R4は炭素数4〜30の炭化水素基又はR5−(CO)−で表される有機基(R5は炭素数1〜30の炭化水素基を示す)を示し、d、e及びfはそれぞれ0≦d≦15、0≦e≦50、0≦f≦50の数を示す)で表される有機基を示し、R2は一般式(3)
−Q−O−X (3)
(式中、Qはエーテル結合及び/又はエステル結合を有していてもよい炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、Xはヒドロキシ基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す)を示し、R3は下記一般式(4)
【化1】

(式中、R1は同一又は異なって、前記と同じ意味を示し、g及びhはそれぞれ1≦g≦5、0≦h≦500の数を示す)で表されるオルガノシロキサン残基を示し、a、b及びcはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5を示す)
で表される多価アルコール変性シリコーン、
(B)セラミド類似化合物、
(C)シリコーン油
を含有する皮膚化粧料。
【請求項2】
(B)セラミド類似化合物が、一般式(5)
【化2】

(式中、R6は炭素数9〜25の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R7は炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す)
で表わされるものである請求項1記載の皮膚化粧料。
【請求項3】
更に、(D)多価アルコールを含有する請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
【請求項4】
更に、(E)水を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。

【公開番号】特開2008−143822(P2008−143822A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331604(P2006−331604)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】