説明

皮膚美白のための方法、組成物および製品

本発明は、ヒトの皮膚を美容美白する方法、皮膚美白効果を有する化合物および香料組成物、並びにかかる皮膚美白化合物および香料組成物を含有する、ヒトの皮膚に適用するためのパーソナルケア製品に関する。以前には皮膚美白効果を有することが知られていなかった多数の化合物を同定した。これらの皮膚美白化合物は、調香師にさらに多数の芳香特徴種類を提供し、皮膚美白香料組成物および皮膚美白パーソナルケア製品において所望の芳香調和を創造するより高い可能性を提供する。本発明による皮膚美白香料組成物および皮膚美白パーソナルケア製品は、少なくとも1種の同定された芳香皮膚美白化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある化合物を用いることにより皮膚美白(skin lightening)効果を提供する方法、前記化合物を含んでおり前記効果をもたらす香料組成物、および前記化合物または組成物を混合することにより形成されるパーソナルケア製品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
皮膚美白効果、または皮膚白色化(skin whitening)とも言う皮膚美白効果を有する製品が、皮膚の日焼け、シミ・ソバカス、および/または過度の色素沈着を美的な理由から予防しまたは逆転させることを望む消費者のために、市場で利用可能である。皮膚の日焼けは、皮膚でのメラニンの沈着により起こる。メラニンが斑点状に沈着すると、シミ・ソバカスや過度の色素沈着を生じる。
メラニンはチロシンから生成され、この反応はチロシナーゼ酵素により触媒される。既知の皮膚美白化合物は、該酵素を直接阻害するチロシナーゼ阻害剤であり、例えば、アルブチンおよびコウジ酸である。アルブチンは、ベアベリー、クランベリーやブルーベリー、およびほとんどの種類の西洋ナシの葉から得られる、植物由来のヒドロキノン誘導体である。
皮膚美白パーソナルケア製品のその他の一般的な成分は、アスコルビン酸およびその誘導体などの抗酸化剤であり、例えばパルミトイル−アスコルビン酸、アスコルビン酸のグリコシドおよび特にアスコルビン酸2−リン酸塩、並びに天然のポリフェノール化合物であるエンブリカニン(emblicanin)AおよびエンブリカニンBである。
メラニン生成の低減、従って皮膚美白効果を達成する作用の、他の可能性のある機構は、転写または翻訳レベルでのチロシナーゼ生成の抑制である。かかる効果は、オクタデセンジオン酸(octadecendioic acid)を用いて実現することができる。
【0003】
ある種の香料成分を用いて、メラニン形成細胞培養物においてメラニン生成を低減させることが知られており、例えばオイゲノールの使用、ある種のトリメチルシクロヘキサン誘導体の使用、および皮膚美白剤としてのビャクダン油の使用である。
ある種の香料成分がメラニン生成の抑制剤として知られており、例えば、ベータ−イオノン、テトラヒドロ−イオノン、およびジ−ヒドロ−ベータ−イオノンの両形態、EP 1264594 A2に記載されている芳香大環状ケトン類、およびUS 5466718に記載されている芳香テルペンアルコール類およびこれらのエステル類である。
パーソナルケア製品(特にクリーム、ローション、ジェルまたはスプレーの形態でヒト皮膚に適用されるもの)の場合、皮膚美白剤は十分な皮膚美白活性を有していなければならず、特にパーソナルケア製品において最大0.2%〜2%の濃度で用いられる場合にそうである。
多くの皮膚美白成分は、パーソナルケア製品において、特に皮膚に適用される場合に、その効率または有効性を損なう望ましくない特徴を有する。例えば化合物は、強い不快な臭気を有していたり、揮発性が高いため皮膚に長い時間留まらなかったり、親水性が高すぎて効果を生じるほど十分皮膚に浸透せず、または酸素やUVに暴露されると組成物中もしくは皮膚上のどちらかで安定性を欠いたりすることもある。
【0004】
数種類の皮膚美白剤が知られているが、さらなる、または代替的な皮膚美白化合物の必要性が存在し、特に、1または2以上の以下の望ましい特徴を有するものが必要とされる:低濃度での高い皮膚美白活性、少なくとも部分的に皮膚を透過する能力、効果を奏するのに十分な時間皮膚上に留まるための低い揮発性、香料組成物中、パーソナルケア製品用の調合物中および皮膚上での良好な安定性。さらに、パーソナルケア製品において用いられる濃度において、既存の皮膚美白化合物の活性を強化することにより、規定濃度における前記活性を改善することができるか、または特定の皮膚美白剤の濃度を低減し、従ってその望ましくない特徴、例えば皮膚への有害な効果および/または不快な臭気などを低減することができるような、皮膚美白化合物に対する必要性が存在する。
【0005】
現在知られている数種類の芳香皮膚美白化合物では、調香師が十分な活性および許容可能な匂いを有する香料組成物を実現することは難しい。製品中で皮膚美白効果を提供するため、香料組成物中に高濃度で組み込むことが必要とされる皮膚美白成分においては、これはさらに難しくなる。匂いは、消費者が製品を受け入れるのに決定的な要因である。ただ1種のみの芳香皮膚美白化合物(または1種の皮膚美白成分を主とする混合化合物を含む、皮膚美白香料成分)を用いると、強烈な香料の特徴が際立つ。これは特に、活性のために高濃度が要求される化合物または成分についてそうであり、このため、得られる皮膚美白製品は、消費者には不快と知覚されるであろう。より多種類の皮膚美白化合物、特に特定の芳香特徴の芳香を有するものが利用可能であることは、調香師に対し、皮膚美白活性を提供しつつ望ましい芳香の調和を創造する、さらなる可能性を提供する。
多数の化合物の中から、皮膚美白活性を有する、異なる芳香クラスの化合物類が同定された。
【0006】
かかる化合物の一般の香料における使用が知られており、これには例えば、特にIso E superおよびGalaxolide(WO 96/12467)を含有することができる香料が含まれる。WO 96/12467による製品は、かかる香料と、任意に皮膚の漂白のための漂白剤(ヒドロキノン、アスコルビン酸、コウジ酸、亜硫酸水素ナトリウム)とを含む。しかし、これらの香料は、同定された皮膚美白剤を高濃度で、かつ少なくとも2種の本発明による皮膚美白化合物と組み合わせては含まない。1種のみの皮膚美白化合物を十分高い濃度で用いても、製品中で皮膚美白剤として活性であり、かつ消費者に許容される芳香を有する香料組成物を調剤することは困難である。
幾つかの化合物が、専門パーソナルケア製品例えばデオドラント、制汗剤、抗菌剤、にきび用製品およびシャンプーなどにおいて、香料としてだけでなく、活性物質として知られている。抗菌物質、従って抗臭気効果を有するサンデラ(Sandela)の場合がそれである(EP 1181866)。かかる特殊調合物は、通常は皮膚の美白が求められる身体部分には用いられず、皮膚美白効果を達成するのに好適ではない可能性がある。特に、にきび用の製品および抗菌剤は通常は均等に適用されず、デオドラント、制汗剤およびシャンプーは、日光に暴露されず美白が不要なヒト皮膚の領域(脇の下、毛髪)に適用される。
【0007】
同定された皮膚美白化合物はパーソナルケア製品と混合することができ、ヒト皮膚を美白する。これらの快い芳香特性と低濃度でも高い皮膚美白活性のために、これらは、皮膚美白パーソナルケア製品用の香料組成物中に容易に組み込むことができる。これらはその親油性の性質により皮膚に浸透することができ、また揮発性が低いため皮膚により長い時間留まる。上に規定された、本発明の組成物および方法において用いるための皮膚美白化合物は、高度の親油性の性質、好ましくは3.6より高いclogP値を有する。clogPはACDプログラムACD/LogP,version 4.0, Advanced Chemistry Development, Inc., Tronto ON, Canadaを用いて計算される。さらに、皮膚美白化合物は低い揮発性を有し、特に25℃の空気中での飽和濃度により測定されるように250μg/L未満の蒸気圧を有する。
本発明の組成物および方法において用いるための皮膚美白化合物は、安定な皮膚美白香料組成物および皮膚美白パーソナルケア製品を形成するために用いることができる。
【0008】
さらに、本発明の組成物および方法において用いるための皮膚美白化合物は、他の既知の皮膚美白化合物と、特にアルブチン、およびオクタデセンジオン酸(CAS 70445-23-7、オランダのSeppicからの登録商標Arlatone dioic DCAとして市場で入手可能)からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と組み合わせることができて、増強効果を有する。従って、これらは、有効性を維持しつつ、組み合わせて用いる皮膚美白剤の濃度を低下させるために、または与えられた濃度における効果を増強するために用いることができる。上に規定された皮膚美白化合物とデオキシアルブチン(4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]フェノール)との同様に有利な組合せも、上記増強効果を有し、そのように用いることができる。
【発明の開示】
【0009】
第1の側面において、本発明は、以下に規定される皮膚美白化合物の、皮膚の美容美白用の使用、特に、1種または2種以上のかかる皮膚美白化合物をヒトの皮膚の美白のために用いる美容方法を、対象とする。この方法は、少なくとも1種の皮膚美白化合物、好ましくは少なくとも2種の皮膚美白化合物を、定期的な間隔で皮膚に適用し、皮膚の美白を達成することを含む。この適用は皮膚美白パーソナルケア製品の形態におけるものであってよい。
【0010】
本発明の組成物および方法において用いるための皮膚美白化合物は、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−プロピル]−シクロペンタノン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキス−1−エン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オン、アルファイオノン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−1−ペンテン−3−オン、6−イソプロピル−オクタヒドロ−ナフタレン−2−オン、4,7,7−トリメチル−2−(3−メチル−ブト−2−エニル)−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−オン、1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフタル−エニル)−エタノン、1,1,2,3,3,8−ヘキサメチル−1,2,3,5,7,8−ヘキサヒドロ−6−オキサ−シクロペンタ[b]ナフタレン、6,7−エポキシ−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチル−オクタヒドロ−ナフタレン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−インデン−4−オン、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エタノン、2,2,3’,7’,7’−ペンタメチルスピロ(1,3−ジオキサン−5,2’−ノルカラン)、メチル−n−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデンアントラニラート、2−[3−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−メチル−プロペニルアミノ]−安息香酸メチルエステル、2−[(2,4−ジメチル−シクロヘキス−3−エニルメチレン)−アミノ]−安息香酸メチルエステル、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−シクロヘキス−2−エニル)−ブチルアルデヒド、3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド、3−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、[1−メチル−2−(1,2,2,−トリメチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3−イルメチル)−シクロプロピル]−メタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノールを含有するサンデラプロセス(sandela process)の製品(登録商標「sandela」として市場で入手可能)、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エニル)−ペンタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、(e)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オン、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オンからなる群から選択される(市場で入手可能な化合物または化合物の混合物の構造および商品名については、表1を比較のこと)。
【0011】
他の側面において、本発明は皮膚美白香料組成物を対象とする。
前記皮膚美白香料組成物は、
(a)少なくとも30%(w/w)の、少なくとも2種の上に規定された皮膚美白化合物、
(b)70%(w/w)までの、香料において用いられる添加剤、賦形剤および溶媒を含む1種または2種以上の付加的な香料成分から選択される任意の成分、
を含む。
【0012】
他の側面において、本発明は、上に規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物または組成物をパーソナルケア製品調合物と混合する、皮膚美白パーソナルケア製品を製造するための方法を対象とする。
他の側面において、本発明は、本明細書に規定された皮膚美白化合物または組成物を含む皮膚美白パーソナルケア製品を対象とする。
他の側面において、本発明は、上に規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物の、皮膚美白パーソナルケア製品における皮膚美白活性物質としての美容のための使用を対象とする。
【0013】
さらに他の側面において、本発明は、皮膚美白パーソナルケア製品の製造方法であって、
a)上に規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物を、パーソナルケア製品調合物に混合し、パーソナルケア製品を形成することにより、パーソナルケア製品を提供すること、
b)前記パーソナルケア製品を包装すること、
c)前記包装されたパーソナルケア製品に、皮膚の美容美白用の使用説明書を提供すること、
のステップを含む、前記方法を対象とする。
他の側面において、本発明は、上に規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物を、色素が沈着または過度に沈着したヒト皮膚に定期的に十分な量で適用することにより、皮膚を美容美白する方法を対象とする。
【0014】
皮膚美白パーソナルケア製品は、少なくとも1種の、好ましくは少なくとも2、3、4または5種の、上に規定された皮膚美白化合物を、皮膚美白効果を提供するのに十分な濃度でパーソナルケア製品調合物に混合することにより形成される。皮膚美白パーソナルケア製品は、初めに皮膚美白香料組成物を調製し、次にこの香料組成物を残りの調合物と混ぜることにより、調剤してもよい。かかる香料組成物は、上に記載された皮膚美白成分並びに香料成分および賦形剤などの他の任意の成分から形成される。
皮膚に適用されるパーソナルケア製品における、好適な皮膚美白化合物の濃度は、特定の化合物に依存する。皮膚透過性および下層組織での希釈のため、パーソナルケア製品において必要とされる濃度は一般に、細胞培養系での活性濃度よりかなり高い(例1および2を比較のこと)。パーソナルケア製品において有用な濃度は通常、本明細書に記載の細胞培養アッセイ系で活性な濃度の約100〜1000倍であり、容易に試験できる。
【0015】
好ましい十分な濃度は0.1%〜2%、好ましくは0.2%〜1.5%、最も好ましくは0.6%〜1.2%である。濃度はまたパーソナルケア製品の種類にも依存し、特にその製品が皮膚にいかにして適用されるか、またどの程度長く皮膚上に留まるかにも依存し、これは当業者には明らかである。洗い流し用の製品、すなわち皮膚に短時間のみ、例えば数秒から数分までの間適用される製品(石鹸、シャワージェルなど)については、より高濃度を用いるべきであり、例えば0.6%〜2%、好ましくは0.8%〜2%、より好ましくは1〜2%である。より長い時間、例えば数時間皮膚上に留まるパーソナルケア製品(クリーム、ローションなど)については、0.1%〜1.5%の濃度、好ましくは0.4%〜1.2%、より好ましくは0.5%〜1%が好ましい。
【0016】
皮膚美白パーソナルケア製品は、皮膚美白化合物また香料組成物を、当分野に知られているようにして、パーソナルケア製品用の成分と混合することにより形成される。かかる製品は、例えばKosmetik, ed. W. Umbach, 1988, Georg, Thieme Verlag, Stuttgard, New Yorkに記載のようにして形成することができる。具体的には、製品は、ヒトの皮膚に適用するためのパーソナルケア製品、例えばクリーム、ローション、ジェル、タルカムパウダー、スプレー、任意の好適な形態の日焼け止め剤および日焼け後用調製物(after-sun preparation)などを含み、例えばクリーム、ローション、ジェル、スプレー、ヒト皮膚用の洗浄用調合物であって手の洗浄用調合物、石鹸、液体石鹸調合物、合成洗剤(syndet solution)(合成洗剤(synthetic detergent))、およびシャワージェルなどである。これらの製品は賦形剤を含み、その例としては界面活性剤、乳化剤、石鹸酸、溶媒、着色剤、保存剤、抗酸化剤、消泡剤、抗菌剤、抗析出剤、酵素、植物油または鉱物油、脂肪、蛍光材料、殺真菌剤、ヒドロトロープ、保湿剤、香料担体、香料、保存剤、タンパク質、シリコーン、可溶化剤、糖類誘導体、日焼け止め剤、ビタミン、植物抽出物およびワックスなどがある。かかる製品において一般に用いられる賦形剤は、「International cosmetic ingredient dictionary」6th ed., The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, Inc., Washington, 1995に見出すことができる。
【0017】
本発明による香料組成物は、少なくとも1種、好ましくは少なくとも2、3、4および5種の上に規定された皮膚美白化合物を、香料成分の総容量に対する容量に基づき、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%の濃度(v/v)で含む。
任意に、本発明の香料組成物は、さらなる香料成分(単一化合物または天然油などの複合混合物)を、それぞれ30%まで、50%まで、または70%まで含んでもよい。
【0018】
好ましくは、本発明の香料組成物は、上に規定された皮膚美白化合物であって、以下に詳細に記載される芳香特徴クラスの1種以上から、好ましくは2、3、4または5種から選択したものを含む。
本発明の種々の皮膚美白香料化合物により、調香師は、皮膚を美白し感覚に快く、以前には同程度のものは不可能であった香料組成物を調合することができる。
本発明の皮膚美白香料化合物は、その化学構造および芳香特徴により5クラスに分類される。これらのクラスおよびかかるクラスの皮膚美白化合物について、以下に詳述する。
【0019】
クラス1:フルーツ臭とウッド臭のケトン類、クラス2:ウッド臭とジャコウ臭の多環式化合物類、クラス3:アントラニラートおよびアルデヒドのフラワー臭のシッフ塩基類、クラス4:ビャクダンアルコール類、クラス5:ジャコウ臭の大環状ラクトン類およびケトン類。
クラス1の皮膚美白化合物は、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−プロピル]−シクロペンタノン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキス−1−エン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オン、アルファイオノン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−1−ペンテン−3−オン、6−イソプロピル−オクタヒドロ−ナフタレン−2−オン、4,7,7−トリメチル−2−(3−メチル−ブト−2−エニル)−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−オンからなる群から選択される。
【0020】
クラス2の皮膚美白化合物は、1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフタル−エニル)−エタノン、1,1,2,3,3,8−ヘキサメチル−1,2,3,5,7,8−ヘキサヒドロ−6−オキサ−シクロペンタ[b]ナフタレン、6,7−エポキシ−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチル−オクタヒドロ−ナフタレン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−インデン−4−オン、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エタノン、および2,2,3’,7’,7’−ペンタメチルスピロ(1,3−ジオキサン−5,2’−ノルカラン)からなる群から選択される。
クラス3の皮膚美白化合物は、メチル−n−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデンアントラニラート、2−[3−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−メチル−プロペニルアミノ]−安息香酸メチルエステル、2−[(2,4−ジメチル−シクロヘキス−3−エニルメチレン)−アミノ]−安息香酸メチルエステル、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−シクロヘキス−2−エニル)−ブチルアルデヒド、3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド、3−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒドからなる群から選択される。
【0021】
クラス4の皮膚美白化合物は、[1−メチル−2−(1,2,2,−トリメチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3−イルメチル)−シクロプロピル]−メタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノールを含有するサンデラプロセスの製品(登録商標「sandela」として市場で入手可能)、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エニル)−ペンタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オールからなる群から選択される。
クラス5の皮膚美白化合物は、(e)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オン、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オンからなる群から選択される。
皮膚美白化合物の化学構造については、下の表を参照のこと。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
【表3】

【0025】
【表4】

表1 本発明の皮膚美白化合物およびそれらのクラス
【0026】
本化合物または化合物の混合物は、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オンおよび4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オンを除き、上の表に示された商品名で市場で入手可能である。4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オンは、種々の既知の方法により、例えばUS6,326,349に記載のようにして調製してもよい。例えば、4−カルボキシ−3−メチルブチル)トリフェニルホスホニウムブロミドに対し、例えばテトラヒドロフラン中のカリウムブトキシドを用いた処理に続くメチル9−オキソノナノエートの添加により、ウィティヒ反応を生じさせる。得られた産物であるジメチル3−メチルテトラデク−5−エネジオエートをアシロイン縮合させ、次に酸性アンヒドリド/ピリジンにより処理する。主としてZ−4−メチル−2−オキソシクロテトラデク−6−エニルアセテートとZ−3−メチル−14−オキソシクロテトラデク−5−エニルアセテートからなる得られた混合物を、アンモニア中のカルシウムにより、低温度(例えば約−30℃〜約−70℃の間)において処理する。余分なカルシウムはブロモベンゼンで消滅させる。この方法により、以下の化合物の混合物を生成する:E−3−メチル−シクロテトラデク−5−エノン、Z−3−メチル−シクロテトラデク−5−エノン、およびZ−4−メチル−シクロテトラデク−6−エノン;化合物の比率は異なってもよい。可能な比率は、例えば上記化合物が約11%、35%、および49%である。化合物は混合物として用いてもよく、または当分野に既知の好適な分離方法により分離してもよい。代替的に、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン(E−およびZ−3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン異性体)は、当業者に明白であるように、cis/transプロペニルシクロドデク−3−エン−1−オールのシリルエーテルの熱分解により、WO02068372に記載の方法と同様にして得ることもできる。
【0027】
登録商標Sandelaは、カンフェンおよびグアラコル(Gualacol)から、酸性触媒を用いて次に水素化により形成される反応産物である(US 3'499'937)。これは異性体の混合物であって、該異性体は3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−シクロヘキサン−1−オールを主成分とし、さらに2−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−シクロヘキサン−1−オールおよび4−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−シクロヘキサン−1−オールを含有する。これはまた低濃度の2−メトキシ−4−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−シクロヘキサノールおよび2−メトキシ−5−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−シクロヘキサノールも含む。
幾つかの化合物、特にクラス1の多数の化合物(ダマスコン、ロノンおよびこれらの誘導体)、クラス3化合物の全て、JavanolおよびRadjanolは強い特徴的な臭いを有し、このためこれらをパーソナルケア製品用の香料組成物中またはパーソナルケア最終製品中の、単独の皮膚美白成分として高濃度で用いることは、生じる臭いを消費者が不快と感じるために、不可能となっている。
【0028】
上に規定された皮膚美白化合物の以下の香料混合物は、それらの快い芳香および良好な皮膚美白活性のために、特に好ましい。
上に規定された皮膚美白化合物は、香料組成物全体に対して合計で少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも70%とすべきであり、他の香料成分を含む任意の成分を含んでもよい。
【0029】
A)以下を含有する香料混合物
−10〜40%のウッド臭とジャコウ臭の多環式化合物
−5〜20%のビャクダンアルコール
−5〜20%のフルーツ臭とウッド臭のケトン
B)以下を含有する香料混合物
−2.5〜10%のジャコウ臭の大環状ラクトンおよびケトン
−5〜20%のビャクダンアルコール
−5〜40%のウッド臭とジャコウ臭の多環式化合物
−5〜20%のフルーツ臭とウッド臭のケトン
【0030】
C)以下を含有する香料混合物
−10〜40%のウッド臭とジャコウ臭の多環式化合物
−5〜20%のビャクダンアルコール
−2.5〜20%の、アントラニラートおよびアルデヒドのフラワー臭のシッフ塩基
D)以下を含有する香料混合物
−2.5〜10%のジャコウ臭の大環状ラクトンおよびケトン
−10〜40%のウッド臭とジャコウ臭の多環式化合物
−5〜20%のビャクダンアルコール
−2.5〜20%の、アントラニラートおよびアルデヒドのフラワー臭のシッフ塩基
【0031】
E)以下を含有する香料混合物
−2.5〜10%のジャコウ臭の大環状ラクトンおよびケトン
−5〜30%のウッドとジャコウ臭の多環式化合物
−5〜20%のビャクダンアルコール
−2.5〜10%の、アントラニラートおよびアルデヒドのフラワー臭のシッフ塩基
−5〜20%のフルーツ臭とウッド臭のケトン
【0032】
F)以下を含有する香料混合物
−10〜40%のウッド臭とジャコウ臭の多環式化合物
−5〜20%のフルーツ臭のケトン
−2.5〜20%の、アントラニラートおよびアルデヒドのフラワー臭のシッフ塩基
G)以下を含有する香料混合物
−2.5〜10%のジャコウ臭の大環状ラクトンおよびケトン
−10〜40%のウッド臭とジャコウ臭の多環式化合物
−5〜20%のフルーツ臭のケトン
−2.5〜20%の、アントラニラートおよびアルデヒドのフラワー臭のシッフ塩基
【0033】
特に好ましい皮膚美白化合物は、(E)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オン、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、および4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オンからなる群から選択される。これらの化合物は、他の皮膚美白化合物と組み合わせた場合に特に有利である。理論に縛られることを望まず、これらの化合物は、その固有の皮膚美白能に加えて、他のより親水性の高い皮膚美白化合物との反応が許容される化学構造を有し、従って皮膚への浸透を増加させることにより皮膚美白効果を増強させると考えられている。
特に、既知の皮膚美白化合物であるアルブチン、デオキシアルブチン、オクタデセンジオン酸、コウジ酸、エンブリカニンA、エンブリカニンB、アスコルビン酸、およびアスコルビン酸の誘導体は、(E)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オン、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オン(登録商標Habanolide)からなる群から選択される少なくとも1種の皮膚美白化合物と組み合わせることにより、その皮膚美白活性を増強することができる。
【0034】
従って、特に好ましい皮膚美白香料組成物または皮膚美白パーソナルケア製品は、(E)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オンまたは3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オン(登録商標Habanolide)からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、アルブチン、オクタデセンジオン酸、デオキシアルブチン、コウジ酸、エンブリカニンA、エンブリカニンB、アスコルビン酸、およびアスコルビン酸誘導体からなる群から選択される、1種または2種以上の上に規定されたその他の皮膚美白化合物と組み合わせて含む。
本発明による皮膚美白香料組成物は、1種または2種以上の上に規定された皮膚美白化合物を少なくとも30%、少なくとも50%、または少なくとも70%の濃度で、および1種または2種以上の任意の成分を70%まで、50%まで、または30%までの濃度で混合することにより得られる。
【0035】
皮膚美白香料組成物における任意の成分は、溶媒、美的な理由のための非皮膚美白香料成分、付加的効果のための既知の皮膚美白活性物質、および他の既知の添加剤および賦形剤を含む。付加的な香料成分は、特定の所望の芳香特徴を提供するかまたは変更するために添加してよい。かかる添加剤または賦形剤は、例えば、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」, S. Arctander, Ed., Elizabeth, N.J., 1960;「Perfume and Flavor Chemicals」, S. Arctander, Ed., Vol. I&II, Allured Publishing Corporation, Carol Stream, USA, 1994;および「International cosmetic ingredient dictionary」, 6th ed., The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, Inc., Washington, 1995に記載されていえいる。
【0036】
上記規定の皮膚美白化合物の皮膚美白活性は、in vitroでメラニンを生成する高い固有能力を有するマウスメラノーマ細胞株B16Vを用いた伝統的な試験法により測定される。この試験において、上記規定の皮膚美白化合物を、アルブチン、デオキシアルブチン、オクタデセンジオン酸またはコウジ酸などの既知の皮膚美白化合物と比較する。上記規定の皮膚美白化合物は、マウスメラノーマ細胞株B16Vにおけるメラニン生成を、細胞の生存度または細胞増殖に影響しない濃度において抑制することが見出され、従ってメラニン生成に対する特定の抑制効果を有することが確認された。
従って上記規定の皮膚美白化合物は、既知の皮膚美白剤であるアルブチンおよびコウジ酸と比較した場合、例2に示すように、同等またはより改善された皮膚美白効果を有する。上記規定の皮膚美白化合物の効果は、例えば、B16V試験において6.3ppmの試験濃度にてメラニン生成を少なくとも25%抑制、または12.5ppmの濃度にて少なくとも30%抑制する。好ましい皮膚美白化合物は、6.3ppmの試験濃度にて少なくとも30%、または12.5ppmの濃度にて少なくとも35%の抑制効果を有する。
【0037】
本発明による香料組成物は、B16V細胞株試験において、12.5ppmにてメラニン生成を少なくとも30%、または6.25ppmにて少なくとも20%、または3.125ppmにて少なくとも20%抑制する。本発明による好ましい香料組成物は、B16V細胞株試験において、細胞の生存度または細胞増殖に影響することなく、12.5ppmにてメラニン生成を少なくとも50%、または6.25ppmにて少なくとも30%、または3.125ppmにて少なくとも30%抑制する。
これらの香料組成物は、最終濃度0.1〜2%で用いられた場合、ヒト皮膚において皮膚美白効果を有する。
【0038】
さらに、上記規定の殆どの皮膚美白香料化合物は、アルブチン、デオキシアルブチン、およびオクタデセンジオン酸と適合性があり、アルブチンまたはオクタデセンジオン酸と共に用いられるか、またはこれらの組合せと共に用いられた場合、増強された皮膚美白効果を提供する。デオキシアルブチンもまたかかる増強効果を提供することができる。
上記規定の皮膚美白化合物または香料組成物は、既知の皮膚美白化合物に加えてパーソナルケア製品に混合することができ、香料入り皮膚美白パーソナルケア製品を形成する。かかるパーソナルケア製品は、例えば、既知の皮膚美白成分として例えばアルブチン、デオキシアルブチン、またはオクタデセンジオン酸、またはこれらの組合せを、0.05〜1%の濃度で含んでよい。
【0039】
上記規定の皮膚美白化合物は広い範囲の化合物に適合性があり、アルブチン、デオキシアルブチン、またはオクタデセンジオン酸の代わりに、皮膚美白活性を有する他の適合成分を加えてもよい。例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体例えばアスコルビン酸2−ホスフェート、コウジ酸、オイゲノール、ベータ−イオノン、テトラヒドロ−イオノン、ジヒドロ−ベータ−イオノンの両形態、EP1264594 A2に記載されている大環状ケトン、特にシクロヘキサデク−5−エン−1−オンおよび4−(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン−2−オンなどである。
【0040】
皮膚美白パーソナルケア製品は、皮膚の美容美白を意図した製品である。皮膚美白のための指定された使用は、製品のラベルや表示、製品と共に提供される挿入物またはビラに作成される記事から決定してよい。かかる使用には、皮膚に十分な量を定期的に適用すること、特に少なくとも1日1回、好ましくは1日2回、より好ましくは1日3回適用することを含む。本明細書に規定された濃度(例えば0.01〜2%)で用いる場合、十分な量とは、皮膚に5〜10mg/cm(皮膚に厚さ0.05〜0.5mmで製品を適用する)である。皮膚美白パーソナルケア製品は、洗い流すことなく皮膚上に残される場合は特に、皮膚に均等に適用して、皮膚が均一に美白されるようにする。
同様に、皮膚美白香料組成物は、皮膚の美容美白を意図したものである。皮膚美白パーソナルケア製品を香り付けするための指定された使用、特に上記に規定の皮膚美白化合物をパーソナルケア製品調合物に混合して、皮膚美白パーソナルケア製品を形成する場合の使用は、香料組成物のラベルや表示、皮膚美白香料組成物と共に提供される挿入物またはビラに作成される記事から決定してよい。
【0041】

例1
B16V細胞におけるメラニン生成の測定
用いる細胞株はマウスメラノーマ細胞株B−16Vであり、微生物および細胞培養物のドイツのコレクション(DSMZ, Braunschweig, Germany)から入手可能である。これは加熱不活性化した5%のウシ胎仔血清を添加したRPMI1640倍地(Invitrogen, Basel, Switzerland)中に保持される。
集密培養物は2×10細胞/mlの最終細胞密度に希釈し、2mlの細胞懸濁液を6ウェルプレートの各ウェルに加える。細胞は24時間、5%二酸化炭素雰囲気下で湿度98%にて培養する。次に試験化合物を、細胞培地中の最大濃度が0.5%DMSOを超えないようにして、ジメチルスルホキシド(DMSO)に加える。培養物はさらに72時間、試験化合物の存在下で前と同じ条件でインキュベートする。次に上澄みを除去し、細胞をリン酸緩衝液(PBS)中で洗浄し、500mMNaOH含有溶液を1ウェル当たり0.5ml加えて溶解し、70℃で30分間インキュベーションする。得られた溶液を96ウェルプレートに移し、次に405nmにおける光学密度を測定して、生成されたメラニンの量を定量する。
結果の特異性を確認するため、同一の抑制化合物を同濃度で含有する平行培養を用いて、以下のようにしてMTTアッセイを用いて、試験化合物の潜在的細胞毒性効果を測定する。細胞は、PBS中で洗浄するまで上記と同様に処理する。次に、チアゾリルブルーテトラゾリウムブロミド(MTT、RPMI1640中0.5g/L)を含有する溶液を洗浄した細胞に加え、これを37℃で4時間インキュベートする。これらの条件下で、生存細胞はMTTを紫色色素に還元する。ドデシル硫酸ナトリウム溶液(10%)を細胞に加え、これを室温に48時間放置して細胞を溶解させ還元テトラゾリウム色素を可溶化する。得られた溶液の600nmにおける光学密度を次に測定する。試験化合物なしでDMSOのみを加えた対照培養物の光学密度を100%として、処置培養物の相対的生存度を評価する。
これらの平行アッセイの結果は、(a)試験化合物のある濃度におけるメラニン生成の減少、および(b)同じ試験濃度における、培養物の相対的生存度を示す。
【0042】
例2:皮膚美白効果を有する化合物
皮膚美白効果を試験するために、マウスメラノーマ細胞株B16Vを例1の記載と同様にして用いる。多数の香料成分のコレクションを含む、市場で入手可能な多数の物質を試験する。
以下の香料化合物は、試験した既知の皮膚美白化合物と比べて、少なくとも同等またはよりよい皮膚美白効果を有することが見出された(香料化合物の化学名については、上記の表を参照)。
【0043】
これら既知の皮膚美白化合物は以下である:アルブチン、コウジ酸、Phyllanthus emblica果実より抽出されMerck, Darmstadt, GermanyからEMBLICAの商品名で販売されているエンブリカニンA/エンブリカニンB、および4−(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン−2−オン。
【表5】

【0044】
【表6】

【0045】
【表7】

1)対照化合物であるコウジ酸は高濃度においてのみ、メラニン生成を大幅に抑制した:このように、コウジ酸は25ppmにおいて17%の抑制、50ppmにおいて37%の抑制、100ppmにおいて60%の抑制を示す。n.d.=試験剤の与えられた濃度においては計測されず。
【0046】
3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オンを、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オンによって部分的または完全に置き換えても、同様の結果が得られる。
指定の試験濃度において、全ての化合物は細胞生存度に影響を与えなかった。
試験された数百種類の他の化合物は、所望の皮膚美白効果を有さないことが確認された。
【0047】
例3:皮膚美白効果を有する香料組成物
以下の香料組成物を製造した:
皮膚美白香料組成物A:
【表8】

【0048】
皮膚美白香料組成物B:
【表9】

【0049】
皮膚美白香料組成物C:
【表10】

比較のために、高濃度のモノテルペンアルコールを含有する香料組成物Dを用いる。モノテルペンアルコールは、皮膚美白活性を有すると報告された香料化合物である。
【0050】
比較香料組成物D:
【表11】

【0051】
香料組成物A〜Cの皮膚美白効果を、例1に記載した試験方法を用いて香料組成物Dと比較する。
【表12】

上の表に見られるように、本発明の皮膚美白香料組成物の皮膚美白効果は、比較香料組成物の1つよりはるかに高い。
【0052】
香料組成物A〜Cの細胞生存度を、例1に記載した試験方法を用いて香料組成物Dと比較する;結果を下の表に示す。
【表13】

表に示されるように、香料組成物AおよびCは、これらがメラニン生成をブロックする濃度において細胞増殖に全く影響しないか、またはわずかな影響を及ぼすのみである。香料組成物Bは12.5ppmで細胞増殖を停止させるが、それより低い濃度では影響を及ぼさない。
【0053】
例4:皮膚美白香料組成物およびアルブチン
下に記載する本発明の香料組成物Eを、様々な濃度において、様々な濃度のアルブチンと組み合わせて試験する。低濃度のアルブチンの効果は、低濃度の香料組成物Eを添加することにより増強される。様々な濃度の香料組成物およびアルブチン(香料組成物濃度:0〜3.2ppm、アルブチン濃度:0〜3.2ppm)と共に3日間インキュベーション後の、細胞株B16Vにおけるメラニン生成の抑制%を示す。
皮膚美白香料組成物E:
【表14】

【0054】
結果を下の表に示す。
【表15】

【0055】
例5:
本発明の香料組成物の、再構成された表皮の皮膚特徴に及ぼす効果の評価
色素沈着したヒト表皮モデルとしての、正常なヒトのケラチノサイトとメラニン形成細胞の共培養物は、MatTek(200 Homer Avenue, Ashland, MA 01721, USA)から購入する。本発明による皮膚美白香料組成物は、水中0.02〜0.1%の濃度で超音波処理により均質化する。得られた溶液を、表皮モデルの表面に14日間、1日おきに適用する。続いて上皮を500mMのNaOHに溶解させ、405nmでの吸収を測定することにより、メラニン含量を決定する。上皮試料は、皮膚美白香料組成物による処理の後に、メラニン含量の低下を示す。
【0056】
例6:
皮膚美白香料組成物を含有する皮膚美白クリーム
【表16】

【0057】
皮膚美白クリームは、上の表に指定された成分から次のようにして形成する。A相の成分を混合し、B相についても同様にする。A相とB相それぞれを75〜80℃まで加熱し、次にBをAにゆっくり攪拌しつつ加える。混合物をゆっくり冷却し、クリームが濃厚になるにつれて攪拌を強くする。40℃においてC相を加え、混合物を均一にする。35℃の温度において、皮膚美白香料組成物A〜Cの1種を加える(上記の例と比較のこと)。室温(約20〜25℃)にて攪拌を終了する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト皮膚の美容美白のための皮膚美白化合物の使用であって、前記皮膚美白化合物が、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−プロピル]−シクロペンタノン、6−イソプロピル−オクタヒドロ−ナフタレン−2−オン、4,7,7−トリメチル−2−(3−メチル−ブト−2−エニル)−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−オン、1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフタル−エニル)−エタノン、1,1,2,3,3,8−ヘキサメチル−1,2,3,5,7,8−ヘキサヒドロ−6−オキサ−シクロペンタ[b]ナフタレン、6,7−エポキシ−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチル−オクタヒドロ−ナフタレン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−インデン−4−オン、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エタノン、2,2,3’,7’,7’−ペンタメチルスピロ(1,3−ジオキサン−5,2’−ノルカラン)、メチル−n−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデンアントラニラート、2−[3−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−メチル−プロペニルアミノ]−安息香酸メチルエステル、2−[(2,4−ジメチル−シクロヘキス−3−エニルメチレン)−アミノ]−安息香酸メチルエステル、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−シクロヘキス−2−エニル)−ブチルアルデヒド、3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド、3−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、[1−メチル−2−(1,2,2,−トリメチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3−イルメチル)−シクロプロピル]−メタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノールを含有するサンデラプロセスの製品、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エニル)−ペンタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、(e)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オン、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オンからなる群から選択される、前記使用。
【請求項2】
皮膚美白化合物が、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−プロピル]−シクロペンタノン、6−イソプロピル−オクタヒドロ−ナフタレン−2−オン、4,7,7−トリメチル−2−(3−メチル−ブト−2−エニル)−ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−オン、1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフタル−エニル)−エタノン、6,7−エポキシ−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチル−オクタヒドロ−ナフタレン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−インデン−4−オン、2,2,3’,7’,7’−ペンタメチルスピロ(1,3−ジオキサン−5,2’−ノルカラン)、メチル−n−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデンアントラニラート、2−[3−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−メチル−プロペニルアミノ]−安息香酸メチルエステル、2−[(2,4−ジメチル−シクロヘキス−3−エニルメチレン)−アミノ]−安息香酸メチルエステル、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−シクロヘキス−2−エニル)−ブチルアルデヒド、3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド、3−(4−イソブチル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、[1−メチル−2−(1,2,2,−トリメチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3−イルメチル)−シクロプロピル]−メタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノールを含有するサンデラプロセスの製品、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エニル)−ペンタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、(e)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オン、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オンからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
皮膚美白化合物が、[1−メチル−2−(1,2,2,−トリメチル−ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3−イルメチル)−シクロプロピル]−メタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エン−1−イル)−ブト−2−エン−1−オール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノール、3−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)シクロヘキサノールを含有するサンデラプロセスの製品、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−シクロペント−3−エニル)−ペンタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オールからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
皮膚美白化合物が、1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフタル−エニル)−エタノン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−インデン−4−オン、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−ナフタレン−2−イル)−エタノンからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
皮膚美白化合物が、1,1,2,3,3,8−ヘキサメチル−1,2,3,5,7,8−ヘキサヒドロ−6−オキサ−シクロペンタ[b]ナフタレン、6,7−エポキシ−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチル−オクタヒドロ−ナフタレン、2,2,3’,7’,7’−ペンタメチルスピロ(1,3−ジオキサン−5,2’−ノルカラン)からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物および任意に賦形剤を含む組成物を、十分な濃度においてヒトの皮膚に定期的な間隔で適用する、ヒト皮膚を美白する方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物を、パーソナルケア製品調合物に0.1〜2%(w/v)の濃度で混合する、皮膚美白パーソナルケア製品を形成する方法。
【請求項8】
濃度が0.2%〜1.5%、好ましくは0.6%〜1.2%である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1のステップとして、組成物を、請求項1〜5のいずれかに規定された皮膚美白化合物から選択される少なくとも1種の化合物、並びに、アルブチン、デオキシアルブチン、オクタデセンジオン酸、コウジ酸、エンブリカニンA、エンブリカニンB、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、香料成分、溶媒、添加剤、および賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分から形成する、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
(a)少なくとも30%(w/w)の、少なくとも2種の請求項1〜5のいずれかに規定された皮膚美白化合物、
(b)70%(w/w)までの、香料において用いられる添加剤、賦形剤および溶媒を含む1種または2種以上の付加的な香料成分から選択される任意の成分、
を含む、皮膚美白香料組成物。
【請求項11】
(E)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オンまたは3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オンおよびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに、アルブチン、オクタデセンジオン酸、デオキシアルブチン、コウジ酸、エンブリカニンA、エンブリカニンB、アスコルビン酸、およびアスコルビン酸の誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の皮膚美白化合物を含む、請求項10に記載の皮膚美白香料組成物。
【請求項12】
請求項9、10または11に規定された組成物を、パーソナルケア製品調合物と混合する、皮膚美白パーソナルケア製品を製造するための方法。
【請求項13】
請求項9、10または11に記載の組成物を少なくとも0.1%(w/v)含む、皮膚美白パーソナルケア製品。
【請求項14】
少なくとも2種の請求項1〜5のいずれかに規定された皮膚美白化合物を、0.1%〜1%の合計濃度で含む、皮膚美白パーソナルケア製品。
【請求項15】
(E)−オキサシクロヘプタデク−10−エン−2−オン、3−メチルシクロテトラデク−5−エン−1−オン、4−メチルシクロテトラデク−6−エン−1−オン、およびオキサシクロヘキサデク−12−エン−2−オンからなる群から選択される少なくとも1種の皮膚美白化合物、並びに、アルブチン、デオキシアルブチン、オクタデセンジオン酸、コウジ酸、エンブリカニンA、エンブリカニンB、アスコルビン酸、およびアスコルビン酸の誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、皮膚美白パーソナルケア製品。
【請求項16】
請求項1〜5のいずれかに規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物の、皮膚美白パーソナルケア製品における皮膚美白活性物質としての使用。
【請求項17】
皮膚美白パーソナルケア製品の製造方法であって、
a)請求項1〜5のいずれかに規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物を、パーソナルケア製品調合物に混合し、パーソナルケア製品を形成することにより、パーソナルケア製品を提供すること、
b)前記パーソナルケア製品を包装すること、
c)前記包装されたパーソナルケア製品に、皮膚の美容美白用の使用説明書を提供すること、
のステップを含む、前記方法。
【請求項18】
使用説明書が、色素が沈着または過度に沈着した皮膚に、パーソナルケア製品を、定期的に皮膚美白効果を得るのに十分な量で適用するためのものである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
パーソナルケア製品が、請求項1に規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物を0.1%〜2%の濃度で有し、使用説明書が、パーソナルケア製品を、色素が沈着または過度に沈着した皮膚にたっぷりと、少なくとも1日1回、好ましくは5〜50mg/cmの量または0.05〜0.5mmの厚さで適用するためのものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1〜5のいずれかに規定された化合物を、色素が沈着または過度に沈着したヒトの皮膚に定期的に十分な量で適用することにより、皮膚を美白する方法。
【請求項21】
パーソナルケア製品が、請求項1〜5のいずれかに規定された少なくとも1種の皮膚美白化合物を0.1〜2%の濃度で有し、これを少なくとも1日1回、5〜50mg/cmの量または0.05〜0.5mmの厚さで皮膚に適用する、請求項20に記載の方法。

【公表番号】特表2008−534524(P2008−534524A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503342(P2008−503342)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000161
【国際公開番号】WO2006/102777
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】