説明

監視システム、監視方法、サーバ装置、プログラム、及び、監視装置

【課題】コストが過大となることを抑制しながら、サーバ装置へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高くすることが可能な監視システムを提供すること。
【解決手段】監視システム100は監視装置110とサーバ装置120とを含む。監視装置及びサーバ装置は、帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線及び非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて接続される。監視装置は、カメラ又はセンサにより検出された信号に基づく監視データを、監視装置に蓄積する監視データ蓄積部111を備える。監視システムは、監視装置が蓄積している監視データをサーバ装置へ第2の通信回線を用いて伝送することにより、監視データをサーバ装置へ移動させるデータ移動部130と、監視装置により取得された監視データをサーバ装置へ第1の通信回線を用いてリアルタイム方式に従って伝送するリアルタイム伝送部140と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置とサーバ装置とを含む監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視装置とサーバ装置とを含む監視システムが知られている。この種の監視システムの一例は、監視装置が、カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて生成した監視データを、通信ネットワークを介して接続されたサーバ装置へ送信する。そして、サーバ装置は、受信した監視データを出力したり、当該監視データに基づいて異常(異常な状態)を検知したりしていた。
【0003】
しかしながら、監視装置とサーバ装置とを、常時、監視データを伝送可能な状態に接続しておくことは、比較的大きなコストを要する。また、例えば、ファイル転送を用いて監視データを送信した場合、サーバ装置が、リアルタイムに監視データを出力することが困難である。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の監視システムは、監視装置が、センサにより異常を検知した場合に、ユーザ端末との間で通信を確立し、その後、リアルタイム方式に従って監視データを送信する。これにより、ユーザ端末は、リアルタイムに監視データを出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−324714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、異常が発生した原因等を調査するために、センサにより異常が検知される時点よりも前の時点における監視データも必要とされることが多い。このため、監視装置が、取得した監視データを蓄積するための記憶装置を備えることが好適であると考えられる。
【0007】
一般に、監視システムは、比較的多数の監視装置を含むことが多い。従って、各監視装置が備える記憶装置の記憶容量が比較的大きくなると、監視システムを構築するために要するコストが過大になってしまう。そこで、各監視装置が備える記憶装置の記憶容量を比較的小さくするとともに、定期的に、又は、空き領域が所定の大きさよりも小さくなった場合に、監視データをサーバ装置へ移動させることが好適であると考えられる。
【0008】
ところで、通信帯域が十分に存在していないと、十分に高い品質を維持しながら、サーバ装置がリアルタイムに監視データを出力することはできない。また、一般に、予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信は、比較的大きなコストを要する。
【0009】
このため、帯域確保型通信を行うことが可能な通信回線のみを用いて、監視装置とサーバ装置とを通信可能に接続した場合、監視システムを運用するために要するコストが過大となる虞があった。一方、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な通信回線のみを用いて、監視装置とサーバ装置とを通信可能に接続した場合、サーバ装置へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高く維持することができない虞があった。
【0010】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「監視システムを運用するために要するコストが過大となる場合が生じること、及び、サーバ装置へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高く維持することができない場合が生じること」を解決することが可能な監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である監視システムは、監視装置とサーバ装置とを含むシステムである。
更に、上記監視装置、及び、上記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて通信可能に接続される。
【0012】
加えて、上記監視装置は、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、当該監視装置が備える記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段を備える。
更に、上記監視システムは、
上記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から上記サーバ装置へ、上記第2の通信回線を用いて伝送することにより、当該監視データを当該サーバ装置が備える記憶装置へ移動させるデータ移動手段と、
上記監視装置により取得された監視データを、当該監視装置から上記サーバ装置へ、上記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って伝送するリアルタイム伝送手段と、
を備える。
【0013】
また、本発明の他の形態である監視方法は、監視装置とサーバ装置とを含む監視システムに適用される方法である。
更に、上記監視装置、及び、上記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて通信可能に接続される。
【0014】
加えて、上記監視方法は、
上記監視装置が、カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、当該監視装置が備える記憶装置に蓄積し、
上記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から上記サーバ装置へ、上記第2の通信回線を用いて伝送することにより、当該監視データを当該サーバ装置が備える記憶装置へ移動させ、
上記監視装置により取得された監視データを、当該監視装置から上記サーバ装置へ、上記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って伝送する方法である。
【0015】
また、本発明の他の形態であるサーバ装置は、記憶装置を備える装置である。
更に、このサーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、監視装置と通信可能に接続され、
上記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から、上記第2の通信回線を用いて受信し、当該受信された監視データを、上記記憶装置に蓄積する移動用監視データ受信手段と、
上記監視装置が取得した監視データを、当該監視装置から、上記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って受信するリアルタイム用監視データ受信手段と、
を備える。
【0016】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、記憶装置を備えるサーバ装置に実行されるプログラムである。
更に、上記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、監視装置と通信可能に接続される。
加えて、上記プログラムは、
上記サーバ装置に、
上記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から、上記第2の通信回線を用いて受信し、当該受信された監視データを、上記記憶装置に蓄積する移動用監視データ受信手段と、
上記監視装置が取得した監視データを、当該監視装置から、上記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って受信するリアルタイム用監視データ受信手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0017】
また、本発明の他の形態である監視装置は、記憶装置を備える装置である。
更に、この監視装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、サーバ装置と通信可能に接続され、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、上記記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段と、
上記蓄積している監視データを上記サーバ装置へ上記第2の通信回線を用いて送信するとともに、当該送信された監視データを上記記憶装置から消去する移動用監視データ送信手段と、
上記取得された監視データを上記サーバ装置へ、上記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って送信するリアルタイム用監視データ送信手段と、
を備える。
【0018】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、記憶装置を備える監視装置に実行されるプログラムである。
更に、上記監視装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、サーバ装置と通信可能に接続される。
【0019】
加えて、上記プログラムは、上記監視装置に、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、上記記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段と、
上記蓄積している監視データを上記サーバ装置へ上記第2の通信回線を用いて送信するとともに、当該送信された監視データを上記記憶装置から消去する移動用監視データ送信手段と、
上記取得された監視データを上記サーバ装置へ、上記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って送信するリアルタイム用監視データ送信手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上のように構成されることにより、コストが過大となることを抑制しながら、サーバ装置へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る監視システムの構成の概略を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る監視システムの構成の詳細を表すブロック図である。
【図3】監視装置データベースが含む、基本テーブル、及び、監視装置テーブルを示した図である。
【図4】課金データベースが含む、サービス料金テーブル、及び、課金実績テーブルを示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る監視システムの、異常な状態が検知された際の作動を示したシーケンス図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る監視システムの、蓄積部に新たに蓄積可能なデータの量が閾値量よりも少なくなった際の作動を示したシーケンス図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る監視装置の、通信セッションを確立するために通信回線及び通信プロトコルを決定する際の作動を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係る監視装置の、コストポリシーを満たすか否かを判定する際の作動を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態の変形例に係る監視システムの構成の詳細を表すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る監視システムの機能の概略を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る、監視システム、監視方法、サーバ装置、プログラム、及び、監視装置、の各実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0023】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る監視システム1は、サーバ装置10と、複数の監視装置20,…と、を含む。サーバ装置10と、各監視装置20,…と、は、第1の通信回線NW1を用いて通信可能に接続されるとともに、第2の通信回線NW2を用いて通信可能に接続されている。
【0024】
第1の通信回線NW1は、予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な通信回線である。本例では、第1の通信回線NW1は、NGN(Next Generation Network)を構成する通信回線である。また、第2の通信回線NW2は、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な通信回線である。なお、第1の通信回線NW1は、第2の通信回線NW2の一部を構成していてもよい。
【0025】
複数の監視装置20,…は、互いに異なる位置に配置されている。例えば、各監視装置20,…は、施設、店舗、及び、家庭等に配置される。また、サーバ装置10は、例えば、警備会社等に配置される。
【0026】
監視装置20は、入力部21と、入力分析部22と、制御部(移動用監視データ送信手段の一部、リアルタイム用監視データ送信手段の一部、監視データ特定情報記憶手段、異常検知情報送信手段の一部)23と、蓄積部(監視データ蓄積手段)24と、リアルタイム通信IF(Interface)部(リアルタイム用監視データ送信手段の一部)25と、データ移動通信IF部(移動用監視データ送信手段の一部)26と、を備える。
【0027】
また、監視装置20は、周囲の映像を撮影し、撮影した映像を表す映像信号を出力するカメラ(本例では、ビデオカメラ)30と接続されている。なお、監視装置20は、物理量を表す信号を出力するセンサ(例えば、熱、音声、又は、光等を検出するセンサ)と接続されていてもよい。
【0028】
入力部21は、カメラ30により出力された信号(本例では、映像信号)を受け付け、受け付けられた信号を表すデータ(監視データ)を生成(取得)する。入力部21は、生成した監視データを、入力分析部22、蓄積部24、及び、リアルタイム通信IF部25のそれぞれへ出力する。
【0029】
入力分析部22は、入力部21により出力された監視データが表す信号に対する、予め設定された異常判定条件が成立するか否かを判定し、当該異常判定条件が成立すると判定された場合、異常な状態を検知した旨を表す異常検知情報を制御部23へ出力する。例えば、異常判定条件は、上記信号が、予め設定された範囲外の値である、という条件である。なお、異常判定条件は、上記信号の時間変化率が、予め設定された閾値よりも大きい(又は、小さい)、という条件であってもよい。また、異常判定条件は、上記信号が発生する間隔が、予め設定された閾値よりも大きい(又は、小さい)、という条件であってもよい。
【0030】
蓄積部24は、記憶装置(例えば、メモリ、又は、ハードディスク駆動装置(HDD;Hard Disk Drive))を含む。蓄積部24は、制御部23により出力された制御情報を受け付ける。蓄積部24は、入力部21により出力された監視データを記憶装置に蓄積(格納)する(記憶させる)。
【0031】
制御部23は、記憶装置(例えば、メモリ、又は、HDD)を含む。制御部23は、入力分析部22により出力された異常検知情報を受け付ける。制御部23は、異常検知情報を受け付けた場合、リアルタイム通信IF部25又はデータ移動通信IF部26に、異常検知情報を送信させるための制御情報を出力する。
【0032】
更に、制御部23は、蓄積部24、リアルタイム通信IF部25、及び、データ移動通信IF部26のそれぞれを制御する。即ち、制御部23は、蓄積部24、リアルタイム通信IF部25、及び、データ移動通信IF部26のそれぞれへ制御情報を出力する。
【0033】
リアルタイム通信IF部25は、制御部23により出力された制御情報を受け付ける。リアルタイム通信IF部25は、受け付けられた制御情報に基づいて、サーバ装置10との間に通信セッションを確立し、確立された通信セッションを用いて、入力部21により出力された監視データをサーバ装置10へ送信する。
【0034】
データ移動通信IF部26は、制御部23により出力された制御情報を受け付ける。データ移動通信IF部26は、受け付けられた制御情報に基づいて、サーバ装置10との間に通信セッションを確立し、確立された通信セッションを用いて、蓄積部24に蓄積されている監視データをサーバ装置10へ送信する。
【0035】
制御部23は、リアルタイム通信IF部25及びデータ移動通信IF部26のそれぞれに、所定の通信プロトコル(例えば、SIP(Session Initiation Protocol)、及び、TCP(Transmission Control Protocol)等)に従って通信セッションを確立させるための制御情報を生成可能に構成されている。
なお、制御部23は、カメラ30を制御可能に構成されていてもよい。
【0036】
サーバ装置10は、入出力部11と、制御部(リアルタイム用監視データ受信手段の一部、移動用監視データ受信手段の一部、コストポリシー情報記憶手段)13と、蓄積部14と、リアルタイム通信IF部(リアルタイム用監視データ受信手段の一部)15と、データ移動通信IF部(移動用監視データ受信手段の一部)16と、を備える。
【0037】
入出力部11は、ユーザにより入力されたコマンド(指示を表す情報)を受け付け、受け付けたコマンドを制御部13へ出力する。例えば、入出力部11は、リアルタイム伝送要求を送信する旨を指示するコマンドを受け付ける。
【0038】
制御部13は、入出力部11により出力されたコマンドを受け付ける。制御部13は、蓄積部14、リアルタイム通信IF部15、及び、データ移動通信IF部16のそれぞれを制御する。即ち、制御部13は、蓄積部14、リアルタイム通信IF部15、及び、データ移動通信IF部16のそれぞれへ制御情報を出力する。
【0039】
例えば、制御部13は、リアルタイム伝送要求を送信する旨を指示するコマンドを受け付けた場合、リアルタイム通信IF部15又はデータ移動通信IF部16に、リアルタイム伝送要求を送信させるための制御情報を出力する。
【0040】
制御部13は、リアルタイム通信IF部15及びデータ移動通信IF部16のそれぞれに、所定の通信プロトコル(例えば、SIP、及び、TCP等)に従って通信セッションを確立させるための制御情報を生成可能に構成されている。
【0041】
また、制御部13は、記憶装置(例えば、メモリ、又は、HDD)を含む。制御部13は、監視装置データベース、ポリシーデータベース、及び、課金データベースを、記憶装置に記憶させている。
【0042】
監視装置データベースは、図3の(A)に示した基本テーブルと、図3の(B)に示した監視装置テーブルと、を含む。
ポリシーデータベースは、データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報を含む。
課金データベースは、図4の(A)に示したサービス料金テーブルと、図4の(B)に示した課金実績テーブルと、を含む。
【0043】
リアルタイム通信IF部15は、制御部13により出力された制御情報を受け付ける。リアルタイム通信IF部15は、受け付けられた制御情報に基づいて、監視装置20との間に通信セッションを確立し、確立された通信セッションを用いて、監視装置20から監視データを受信する。リアルタイム通信IF部15は、受信した監視データを入出力部11及び蓄積部14のそれぞれへ出力する。
【0044】
データ移動通信IF部16は、制御部13により出力された制御情報を受け付ける。データ移動通信IF部16は、受け付けられた制御情報に基づいて、監視装置20との間に通信セッションを確立し、確立された通信セッションを用いて、監視装置20から監視データを受信する。データ移動通信IF部16は、受信した監視データを蓄積部14へ出力する。
【0045】
蓄積部14は、記憶装置(例えば、メモリ、又は、HDD)を含む。蓄積部14は、制御部13により出力された制御情報を受け付ける。蓄積部14は、リアルタイム通信IF部15及びデータ移動通信IF部16のそれぞれにより出力された監視データを記憶装置に蓄積する。更に、蓄積部14は、記憶装置に蓄積されている監視データを入出力部11へ出力する。
【0046】
入出力部11は、制御部13により出力された制御情報を受け付ける。入出力部11は、リアルタイム通信IF部15、又は、蓄積部14により出力される監視データを受け付ける。入出力部11は、受け付けた監視データを出力する(例えば、ディスプレイに表示させる)。
【0047】
更に、各部の機能について、より詳細に説明する。
制御部23は、サーバ装置10からリアルタイム伝送要求を受信した場合、リアルタイム伝送処理を実行する。リアルタイム伝送要求は、リアルタイム伝送処理の実行を要求する旨を表す情報である。なお、制御部23は、異常検知情報を受け付けた場合、リアルタイム伝送処理を実行するように構成されていてもよい。
【0048】
具体的には、制御部23は、データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報が表す条件が成立するか否かを判定する。なお、後述するように、コストポリシー情報は、サーバ装置10が記憶している。従って、監視装置20は、サーバ装置10からコストポリシー情報を取得するように構成されている。なお、監視装置20は、上記判定結果をサーバ装置10から取得するように構成されていてもよい。
【0049】
制御部23は、上記条件が成立すると判定した場合、第1の通信回線NW1を用いてサーバ装置10との間に通信セッションを確立させるための制御情報をリアルタイム通信IF部25へ出力する。一方、制御部23は、上記条件が成立しないと判定した場合、第2の通信回線NW2を用いてサーバ装置10との間に通信セッションを確立させるための制御情報をリアルタイム通信IF部25へ出力する。
【0050】
これによれば、監視データを伝送するために要するコストに対する条件が成立する範囲において、サーバ装置10へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高めることができる。
【0051】
更に、制御部23は、監視データを伝送するために必要な通信帯域である要求通信帯域が、予め設定された閾値よりも小さい場合、再送制御を実行する通信プロトコル(本例では、TCP)を用いて監視データを送信させるための制御情報をリアルタイム通信IF部25へ出力する。一方、制御部23は、要求通信帯域が当該閾値よりも大きい場合、再送制御を実行しない通信プロトコル(本例では、UDP(User Datagram Protocol))を用いて監視データを送信させるための制御情報をリアルタイム通信IF部25へ出力する。
【0052】
リアルタイム通信IF部25は、制御部23からの制御情報に基づいて通信セッションを確立する。これにより、通信帯域が確保される。そして、リアルタイム通信IF部25は、入力部21により出力された監視データをリアルタイム方式に従って(例えば、RTSP(Real Time Streaming Protocol)に従って)サーバ装置10へ送信する。
【0053】
監視装置20が監視データをリアルタイム方式に従ってサーバ装置10へ送信することは、監視データが、監視装置20により取得された時点(即ち、入力部21により出力された時点)から、サーバ装置10により受信される時点までの間の遅延時間を、予め設定された閾値遅延時間内に維持することを表す。
【0054】
一方、リアルタイム通信IF部15は、監視装置20から監視データを受信する。そして、入出力部11は、リアルタイム通信IF部15により受信された監視データを出力する。
【0055】
そして、制御部23は、リアルタイム方式に従って送信された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶する。本例では、監視データ特定情報は、リアルタイム方式に従った監視データの送信が開始した日時と、当該送信が終了した日時と、を含む。なお、監視データ特定情報は、リアルタイム方式に従って送信された監視データの開始位置(例えば、先頭からのバイト数等)、及び、終了位置を含んでいてもよい
以上のように、制御部23は、リアルタイム伝送処理を実行する。
【0056】
即ち、制御部23、リアルタイム通信IF部25、制御部13、及び、リアルタイム通信IF部15は、監視装置20により取得された監視データを、監視装置20からサーバ装置10へ、第1の通信回線NW1を用いて、リアルタイム方式に従って伝送するリアルタイム伝送手段を構成している、と言うことができる。
【0057】
また、制御部23は、予め設定された移動周期が経過した場合、又は、蓄積部24に新たに蓄積可能なデータの量が予め設定された閾値量よりも少なくなった場合、データ移動処理を実行する。
【0058】
具体的には、制御部23は、第2の通信回線NW2を用いてサーバ装置10との間に通信セッションを確立させるための制御情報をデータ移動通信IF部26へ出力する。
【0059】
データ移動通信IF部26は、制御部23からの制御情報に基づいて通信セッションを確立した後、蓄積部24に蓄積されている監視データを、再送制御を実行する通信プロトコル(本例では、TCP)に従ってサーバ装置10へ送信する。
これによれば、監視装置20からサーバ装置10へ、監視データを確実に移動させることができる。
【0060】
このとき、データ移動通信IF部26は、制御部23に記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データを送信しない(監視データ特定情報により特定される監視データの送信を禁止する)。
【0061】
一方、データ移動通信IF部16は、監視装置20から監視データを受信する。蓄積部14は、データ移動通信IF部16により受信された監視データを蓄積する。
【0062】
制御部23は、データ移動通信IF部26による監視データの送信が完了すると、蓄積部24に記憶されている監視データを、蓄積部24から消去する。
以上のように、制御部23は、データ移動処理を実行する。
【0063】
即ち、制御部23、データ移動通信IF部26、制御部13、及び、データ移動通信IF部16は、監視装置20が蓄積している監視データを、監視装置20からサーバ装置10へ、第2の通信回線NW2を用いて伝送することにより、当該監視データをサーバ装置10が備える記憶装置へ移動させるデータ移動手段を構成している、と言うことができる。
【0064】
なお、本例では、監視システム1は、監視装置20が、使用する通信回線を決定するように構成されていたが、サーバ装置10が、使用する通信回線を決定するように構成されていてもよい。この場合、サーバ装置10は、監視装置20へ、決定した通信回線を通知するように構成されていてもよい。
【0065】
(作動)
次に、上述した監視システム1の作動の概要について説明する。
先ず、異常な状態が検知された際の監視システム1の作動について図5に示したシーケンス図を参照しながら説明する。
【0066】
先ず、監視装置20の入力分析部22は、異常判定条件が成立すると判定し、異常検知情報を制御部23へ出力する。これにより、制御部23は、サーバ装置10との間で通信セッションを確立させるための制御情報をリアルタイム通信IF部25へ出力する。そして、リアルタイム通信IF部25は、通信セッションを確立し、その通信セッションを用いて異常検知情報をサーバ装置10へ送信する(ステップS101)。
【0067】
これにより、サーバ装置10は、異常検知情報を監視装置20から受信する。そして、サーバ装置10の入出力部11は、受信した異常検知情報を出力する(ステップS102)。これにより、ユーザは、異常な状態が検知されたことを知得する。
【0068】
そして、ユーザは、サーバ装置10の入出力部11を介して、リアルタイム伝送要求を送信する旨を指示するコマンドを入力する。これにより、制御部13は、監視装置20との間で通信セッションを確立させるための制御情報をリアルタイム通信IF部15へ出力する。そして、リアルタイム通信IF部15は、通信セッションを確立し、その通信セッションを用いてリアルタイム伝送要求を監視装置20へ送信する(ステップS103)。
【0069】
これにより、監視装置20は、リアルタイム伝送要求をサーバ装置10から受信する。そして、監視装置20の制御部23は、サーバ装置10との間で通信セッションを確立させるための制御情報をリアルタイム通信IF部25へ出力する。そして、リアルタイム通信IF部25は、通信セッションを確立する(ステップS104)。これにより、通信帯域が確保される。
【0070】
そして、リアルタイム通信IF部25は、確立された通信セッションを用いて、入力部21により出力される監視データをリアルタイム方式に従ってサーバ装置10へ送信する(ステップS105)。
【0071】
なお、監視システム1は、サーバ装置10が異常検知情報を受信した場合にサーバ装置10が通信セッションを確立し、その通信セッションを用いて監視装置20がサーバ装置10へ監視データを送信するように構成されていてもよい。
【0072】
これにより、サーバ装置10のリアルタイム通信IF部15は、監視装置20から監視データを受信する。そして、サーバ装置10の入出力部11は、受信された監視データを出力する(ステップS106)。更に、蓄積部14は、受信された監視データを蓄積する(ステップS107)。
【0073】
なお、サーバ装置10の入出力部11を介してサーバ装置10に入力されたコマンドに基づいてカメラ30を制御可能に監視システム1が構成されている場合、ステップS104にて確立された通信セッションを用いて、上記コマンド(制御用コマンド)をサーバ装置10から監視装置20へ伝送するように監視システム1が構成されることが好適である。
【0074】
また、監視システム1は、データ移動処理の実行中に、ユーザがリアルタイム伝送要求を送信する旨を指示するコマンドを入力した場合、データ移動処理の実行を中断することにより、リアルタイム伝送処理を優先して実行するように構成されることが好適である。
【0075】
その後、ユーザは、サーバ装置10の入出力部11を介して、リアルタイム伝送処理を終了する旨を指示するコマンドを入力する。これにより、リアルタイム通信IF部15は、上記通信セッションを用いて伝送終了要求を監視装置20へ送信する(ステップS108)。
【0076】
これにより、監視装置20は、伝送終了要求をサーバ装置10から受信する。そして、制御部23は、通信セッションを終了させるための制御情報をリアルタイム通信IF部25へ出力する。これにより、リアルタイム通信IF部25は、監視データの送信を終了し、その後、通信セッションを終了する(ステップS109)。
【0077】
次いで、制御部23は、リアルタイム方式に従って送信された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶する(ステップS110)。
【0078】
次に、蓄積部24に新たに蓄積可能なデータの量が予め設定された閾値量よりも少なくなった際の監視システム1の作動について図6に示したシーケンス図を参照しながら説明する。
【0079】
先ず、監視装置20の制御部23は、サーバ装置10との間で通信セッションを確立させるための制御情報をデータ移動通信IF部26へ出力する。そして、データ移動通信IF部26は、通信セッションを確立する(ステップS201)。そして、データ移動通信IF部26は、確立された通信セッションを用いて、蓄積部24に蓄積されている監視データをサーバ装置10へ送信する(ステップS202)。
【0080】
このとき、データ移動通信IF部26は、制御部23に記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データ(即ち、既にリアルタイム方式に従って送信した監視データ)を送信しない。
【0081】
これによれば、監視装置20からサーバ装置10へ既に伝送されている監視データが、再び伝送されることを回避することができる。この結果、監視装置20とサーバ装置10との間で通信されるデータ量を低減することができる。
【0082】
これにより、サーバ装置10のデータ移動通信IF部16は、監視装置20から監視データを受信する。そして、蓄積部14は、受信された監視データを蓄積する(ステップS203)。
【0083】
そして、制御部23は、蓄積部24に蓄積されている監視データの送信が完了すると、通信セッションを終了させるための制御情報をデータ移動通信IF部26へ出力する。これにより、データ移動通信IF部26は、通信セッションを終了する(ステップS204)。
次いで、制御部23は、蓄積部24に記憶されている監視データを、蓄積部24から消去する(ステップS205)。
【0084】
なお、上述したように、制御部23は、通信セッションを確立する際に、通信セッションが使用する通信回線と、当該通信セッションにて使用する通信プロトコルと、を決定する。従って、以下、制御部23が通信回線及び通信プロトコルを決定する際の制御部23の作動について、図7及び図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。なお、制御部23に代えて、又は、制御部23に加えて、制御部13が、通信回線及び通信プロトコルを決定するように構成されていてもよい。
【0085】
先ず、制御部23は、送信するデータ(監視データ、情報、又は、要求等)のサイズ(データ量)が、予め設定された閾値(本例では、1キロバイト(KB))以下であるか否かを判定する(図7のステップS301)。
【0086】
ステップS301にて「Yes」と判定した場合、制御部23は、ステップS302に進み、送信頻度が低いか否かを判定する。例えば、制御部23は、同種のデータの送信を前回に行った時点から経過した時間が予め設定された閾値よりも長い場合、送信頻度が低いと判定する。
【0087】
ステップS302にて「Yes」と判定した場合、制御部23は、ステップS303に進み、コストポリシーを満たすか否かを判定する。本例では、制御部23は、後述するように、図8に示したフローチャートに従って、この判定を行う。
【0088】
ステップS303にて「Yes」と判定した場合、制御部23は、ステップS304に進み、通信セッションが使用する通信回線として第1の通信回線NW1を決定(選択)し、且つ、当該通信セッションにて使用する通信プロトコルとしてインスタントメッセージ用の通信プロトコル(本例では、XMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol))を決定する。
【0089】
なお、ステップS302又はステップS303にて「No」と判定した場合、制御部23は、ステップS311に進み、通信セッションが使用する通信回線として第2の通信回線NW2を決定し、且つ、当該通信セッションにて使用する通信プロトコルとして再送制御を行う通信プロトコル(本例では、TCP)を決定する。
【0090】
また、ステップS301にて「No」と判定した場合、制御部23は、ステップS305に進み、リアルタイム性が要求されるか否かを判定する。本例では、制御部23は、リアルタイム伝送処理において通信セッションを確立する際(即ち、図5のステップS104)には、リアルタイム性が要求されると判定する。一方、制御部23は、データ移動処理において通信セッションを確立する際(即ち、図6のステップS201)には、リアルタイム性が要求されないと判定する。
【0091】
ステップS305にて「Yes」と判定した場合、制御部23は、ステップS306に進み、要求通信帯域が予め設定された閾値(本例では、1Mbps)以下であるか否かを判定する。要求通信帯域は、データを伝送するために必要な通信帯域である。
【0092】
ステップS306にて「Yes」と判定した場合、制御部23は、ステップS307に進み、コストポリシーを満たすか否かを判定する。本例では、制御部23は、後述するように、図8に示したフローチャートに従って、この判定を行う。
【0093】
ステップS307にて「Yes」と判定した場合、制御部23は、ステップS308に進み、通信セッションが使用する通信回線として第1の通信回線NW1を決定し、且つ、当該通信セッションにて使用する通信プロトコルとして、データ通信用の通信プロトコル(本例では、FTP(File Transfer Protocol)及びTCP)を決定する。
【0094】
なお、ステップS305又はステップS307にて「No」と判定した場合、制御部23は、ステップS311に進む。
また、ステップS306にて「No」と判定した場合、制御部23は、ステップS309に進み、コストポリシーを満たすか否かを判定する。本例では、制御部23は、後述するように、図8に示したフローチャートに従って、この判定を行う。
【0095】
ステップS309にて「Yes」と判定した場合、制御部23は、ステップS310に進み、通信セッションが使用する通信回線として第1の通信回線NW1を決定し、且つ、当該通信セッションにて使用する通信プロトコルとして、ビデオ通信用の通信プロトコル(本例では、RTSP及びUDP)を決定する。
【0096】
なお、ステップS309にて「No」と判定した場合、制御部23は、ステップS311に進む。
【0097】
ここで、コストポリシーを満たすか否かを制御部23が判定する際の制御部23の作動について、図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0098】
先ず、制御部23は、サーバ装置10からコストポリシー情報を受信することによりコストポリシー情報を取得する(ステップS401)。本例では、コストポリシー情報が、当月料金が当月上限料金以下であり、且つ、当日料金が当日上限料金以下である、という条件を表す場合を想定する。
【0099】
この場合、制御部23は、当日料金、及び、当月料金を推定する(ステップS402)。
具体的には、制御部23は、サーバ装置10からサービス料金テーブル及び課金実績テーブルを受信する。そして、制御部23は、現時点までの当日料金、及び、当月料金を取得する。
【0100】
更に、制御部23は、コストポリシーを満たすと仮に判定した場合に決定される通信回線及び通信プロトコルを用いて、送信予定のデータを送信することにより生じる料金(予定追加料金)を、サービス料金テーブルと、当該データのサイズと、に基づいて推定する。加えて、制御部23は、推定された予定追加料金を、現時点までの当日料金及び当月料金のそれぞれに加算することにより、当日料金、及び、当月料金を推定する。
【0101】
そして、制御部23は、推定された当月料金が、当月上限料金以下であるか否かを判定する(ステップS403)。
ステップS403にて「Yes」と判定された場合、制御部23は、ステップS404へ進み、推定された当日料金が、当日上限料金以下であるか否かを判定する(ステップS404)。
【0102】
ステップS404にて「Yes」と判定された場合、制御部23は、ステップS405へ進み、コストポリシーを満たすと判定する。
なお、ステップS403又はステップS404にて「No」と判定された場合、制御部23は、ステップS406へ進み、コストポリシーを満たさないと判定する。
【0103】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る監視システム1によれば、サーバ装置10へリアルタイム方式に従って伝送される(リアルタイムに伝送される)監視データの品質を十分に高くすることができる。更に、監視データを監視装置20からサーバ装置10へ移動させる際にも、帯域確保型通信が行われる場合と比較して、監視システム1を運用するために要するコストを低減することができる。即ち、監視システム1によれば、コストが過大となることを抑制しながら、サーバ装置10へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高くすることができる。
【0104】
なお、第1実施形態の変形例に係る監視システム1のカメラ30は、図9に示したように、入力部31と、入力分析部32と、制御部33と、を備える。入力部31、入力分析部32、及び、制御部33は、第1実施形態に係る監視装置20が備える入力部21、入力分析部22、及び、制御部23とそれぞれ同一である。
一方、第1実施形態の変形例に係る監視システム1の監視装置20は、第1実施形態に係る監視装置20から、入力部21、入力分析部22、及び、制御部23を除いた構成を有する。
【0105】
このような構成により、監視装置20に新たにカメラ30を接続した場合であっても、監視装置20の設定を変更することが不要となる。この結果、監視装置20に接続されるカメラ30の数を容易に変更することができる。
【0106】
また、第1実施形態の他の変形例に係る監視システム1において、カメラ30は、監視装置20の一部を構成していてもよい。この場合、カメラ30は、映像信号に基づいて監視データを生成するように構成されていてもよい。
【0107】
なお、第1実施形態の他の変形例に係る監視システム1は、監視データ特定情報をサーバ装置10が記憶するように構成されていてもよい。また、第1実施形態の他の変形例に係る監視システム1は、コストポリシー情報を監視装置20が記憶するように構成されていてもよい。
【0108】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る監視システムについて図10を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る監視システム100は、監視装置110とサーバ装置120とを含むシステムである。
【0109】
更に、監視装置110、及び、サーバ装置120は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて通信可能に接続される。
【0110】
監視装置110は、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、監視装置110が備える記憶装置に蓄積する監視データ蓄積部(監視データ蓄積手段)111を備える。
【0111】
監視システム100は、
監視装置110が蓄積している監視データを、監視装置110からサーバ装置120へ、上記第2の通信回線を用いて伝送することにより、当該監視データをサーバ装置120が備える記憶装置へ移動させるデータ移動部(データ移動手段)130と、
監視装置110により取得された監視データを、監視装置110からサーバ装置120へ、上記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って伝送するリアルタイム伝送部(リアルタイム伝送手段)140と、
を備える。
【0112】
これによれば、サーバ装置120へリアルタイム方式に従って伝送される(リアルタイムに伝送される)監視データの品質を十分に高くすることができる。更に、監視データを監視装置110からサーバ装置120へ移動させる際にも、帯域確保型通信が行われる場合と比較して、監視システム100を運用するために要するコストを低減することができる。即ち、監視システム100によれば、コストが過大となることを抑制しながら、サーバ装置120へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高くすることができる。
【0113】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0114】
なお、上記各実施形態において監視システム1の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、サーバ装置10及び監視装置20のそれぞれは、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。
【0115】
更に、この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0116】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0117】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0118】
(付記1)
監視装置とサーバ装置とを含む監視システムであって、
前記監視装置、及び、前記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて通信可能に接続され、
前記監視装置は、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、当該監視装置が備える記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段を備え、
前記監視システムは、
前記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第2の通信回線を用いて伝送することにより、当該監視データを当該サーバ装置が備える記憶装置へ移動させるデータ移動手段と、
前記監視装置により取得された監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って伝送するリアルタイム伝送手段と、
を備える監視システム。
【0119】
これによれば、サーバ装置へリアルタイム方式に従って伝送される(リアルタイムに伝送される)監視データの品質を十分に高くすることができる。更に、監視データを監視装置からサーバ装置へ移動させる際にも、帯域確保型通信が行われる場合と比較して、監視システムを運用するために要するコストを低減することができる。即ち、上記監視システムによれば、コストが過大となることを抑制しながら、サーバ装置へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高くすることができる。
【0120】
(付記2)
付記1に記載の監視システムであって、
前記リアルタイム方式に従って前記監視データが伝送された場合、当該伝送された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶する監視データ特定情報記憶手段を備え、
前記データ移動手段は、前記記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データを、前記監視装置から前記サーバ装置へ伝送することなく、当該監視装置が備える記憶装置から消去するように構成された監視システム。
【0121】
これによれば、監視装置からサーバ装置へ既に伝送されている監視データが、再び伝送されることを回避することができる。この結果、監視装置とサーバ装置との間で通信されるデータ量を低減することができる。
【0122】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の監視システムであって、
前記監視データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報を記憶するコストポリシー情報記憶手段を備え、
前記リアルタイム伝送手段は、前記記憶されているコストポリシー情報が表す条件が成立しない場合、前記第2の通信回線を用いて前記監視データを伝送するように構成された監視システム。
【0123】
これによれば、監視データを伝送するために要するコストに対する条件が成立する範囲において、サーバ装置へリアルタイムに伝送される監視データの品質を十分に高めることができる。
【0124】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記データ移動手段は、再送制御を実行する通信プロトコルを用いて前記監視データを伝送するように構成された監視システム。
【0125】
これによれば、監視装置からサーバ装置へ、監視データを確実に移動させることができる。
【0126】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記リアルタイム伝送手段は、前記監視データを伝送するために必要な通信帯域である要求通信帯域が、予め設定された閾値よりも小さい場合、再送制御を実行する通信プロトコルを用いて前記監視データを伝送し、一方、当該要求通信帯域が当該閾値よりも大きい場合、再送制御を実行しない通信プロトコルを用いて前記監視データを伝送するように構成された監視システム。
【0127】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記監視装置は、前記検出された信号に対する、予め設定された異常判定条件が成立する場合、異常な状態を検知した旨を表す異常検知情報を前記サーバ装置へ送信する異常検知情報送信手段を備える監視システム。
【0128】
(付記7)
監視装置とサーバ装置とを含む監視システムに適用される監視方法であって、
前記監視装置、及び、前記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて通信可能に接続され、
前記監視装置が、カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、当該監視装置が備える記憶装置に蓄積し、
前記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第2の通信回線を用いて伝送することにより、当該監視データを当該サーバ装置が備える記憶装置へ移動させ、
前記監視装置により取得された監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って伝送する、監視方法。
【0129】
(付記8)
付記7に記載の監視方法であって、
前記リアルタイム方式に従って前記監視データが伝送された場合、当該伝送された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶し、
前記監視装置が蓄積している監視データを前記サーバ装置が備える記憶装置へ移動させる場合、当該記憶装置が蓄積している監視データのうちの、前記記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データを、当該監視装置から当該サーバ装置へ伝送することなく、当該監視装置が備える記憶装置から消去する、監視方法。
【0130】
(付記9)
付記7又は付記8に記載の監視方法であって、
前記監視データを伝送するために要するコストに対する条件を表し且つ記憶装置に記憶されているコストポリシー情報が表す条件が成立しない場合、前記第2の通信回線を用いて前記監視データを伝送する、監視方法。
【0131】
(付記10)
記憶装置を備えるサーバ装置であって、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、監視装置と通信可能に接続され、
前記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から、前記第2の通信回線を用いて受信し、当該受信された監視データを、前記記憶装置に蓄積する移動用監視データ受信手段と、
前記監視装置が取得した監視データを、当該監視装置から、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って受信するリアルタイム用監視データ受信手段と、
を備えるサーバ装置。
【0132】
(付記11)
付記10に記載のサーバ装置であって、
前記監視データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報を記憶するコストポリシー情報記憶手段を備え、
前記リアルタイム用監視データ受信手段は、前記記憶されているコストポリシー情報が表す条件が成立しない場合、前記第2の通信回線を用いて前記監視データを受信するように構成されたサーバ装置。
【0133】
(付記12)
記憶装置を備えるサーバ装置に実行されるプログラムであって、
前記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、監視装置と通信可能に接続され、
前記プログラムは、前記サーバ装置に、
前記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から、前記第2の通信回線を用いて受信し、当該受信された監視データを、前記記憶装置に蓄積する移動用監視データ受信手段と、
前記監視装置が取得した監視データを、当該監視装置から、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って受信するリアルタイム用監視データ受信手段と、
を実現させるためのプログラム。
【0134】
(付記13)
付記12に記載のプログラムであって、
前記リアルタイム用監視データ受信手段は、前記監視データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報が表す条件が成立しない場合、前記第2の通信回線を用いて前記監視データを受信するように構成されたプログラム。
【0135】
(付記14)
記憶装置を備える監視装置であって、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、サーバ装置と通信可能に接続され、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、前記記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段と、
前記蓄積している監視データを前記サーバ装置へ前記第2の通信回線を用いて送信するとともに、当該送信された監視データを前記記憶装置から消去する移動用監視データ送信手段と、
前記取得された監視データを前記サーバ装置へ、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って送信するリアルタイム用監視データ送信手段と、
を備える監視装置。
【0136】
(付記15)
付記14に記載の監視装置であって、
前記リアルタイム方式に従って前記監視データを送信した場合、当該送信された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶する監視データ特定情報記憶手段を備え、
前記移動用監視データ送信手段は、前記記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データを、前記サーバ装置へ送信することなく、前記記憶装置から消去するように構成された監視装置。
【0137】
(付記16)
付記14又は付記15に記載の監視装置であって、
前記リアルタイム用監視データ送信手段は、前記監視データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報が表す条件が成立しない場合、前記第2の通信回線を用いて前記監視データを送信するように構成された監視装置。
【0138】
(付記17)
記憶装置を備える監視装置に実行されるプログラムであって、
前記監視装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、サーバ装置と通信可能に接続され、
前記プログラムは、前記監視装置に、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、前記記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段と、
前記蓄積している監視データを前記サーバ装置へ前記第2の通信回線を用いて送信するとともに、当該送信された監視データを前記記憶装置から消去する移動用監視データ送信手段と、
前記取得された監視データを前記サーバ装置へ、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って送信するリアルタイム用監視データ送信手段と、
を実現させるためのプログラム。
【0139】
(付記18)
付記17に記載のプログラムであって、
前記監視装置に、更に、
前記リアルタイム方式に従って前記監視データを送信した場合、当該送信された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶する監視データ特定情報記憶手段を実現させるとともに、
前記移動用監視データ送信手段は、前記記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データを、前記サーバ装置へ送信することなく、前記記憶装置から消去するように構成されたプログラム。
【0140】
(付記19)
付記17又は付記18に記載のプログラムであって、
前記リアルタイム用監視データ送信手段は、前記監視データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報が表す条件が成立しない場合、前記第2の通信回線を用いて前記監視データを送信するように構成されたプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、監視装置とサーバ装置とを含む監視システム、及び、監視カメラを使用する警備システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0142】
1 監視システム
10 サーバ装置
11 入出力部
13 制御部
14 蓄積部
15 リアルタイム通信IF部
16 データ移動通信IF部
20 監視装置
21 入力部
22 入力分析部
23 制御部
24 蓄積部
25 リアルタイム通信IF部
26 データ移動通信IF部
30 カメラ
31 入力部
32 入力分析部
33 制御部
100 監視システム
110 監視装置
111 監視データ蓄積部
120 サーバ装置
130 データ移動部
140 リアルタイム伝送部
NW1 第1の通信回線
NW2 第2の通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視装置とサーバ装置とを含む監視システムであって、
前記監視装置、及び、前記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて通信可能に接続され、
前記監視装置は、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、当該監視装置が備える記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段を備え、
前記監視システムは、
前記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第2の通信回線を用いて伝送することにより、当該監視データを当該サーバ装置が備える記憶装置へ移動させるデータ移動手段と、
前記監視装置により取得された監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って伝送するリアルタイム伝送手段と、
を備える監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムであって、
前記リアルタイム方式に従って前記監視データが伝送された場合、当該伝送された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶する監視データ特定情報記憶手段を備え、
前記データ移動手段は、前記記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データを、前記監視装置から前記サーバ装置へ伝送することなく、当該監視装置が備える記憶装置から消去するように構成された監視システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の監視システムであって、
前記監視データを伝送するために要するコストに対する条件を表すコストポリシー情報を記憶するコストポリシー情報記憶手段を備え、
前記リアルタイム伝送手段は、前記記憶されているコストポリシー情報が表す条件が成立しない場合、前記第2の通信回線を用いて前記監視データを伝送するように構成された監視システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記データ移動手段は、再送制御を実行する通信プロトコルを用いて前記監視データを伝送するように構成された監視システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記リアルタイム伝送手段は、前記監視データを伝送するために必要な通信帯域である要求通信帯域が、予め設定された閾値よりも小さい場合、再送制御を実行する通信プロトコルを用いて前記監視データを伝送し、一方、当該要求通信帯域が当該閾値よりも大きい場合、再送制御を実行しない通信プロトコルを用いて前記監視データを伝送するように構成された監視システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記監視装置は、前記検出された信号に対する、予め設定された異常判定条件が成立する場合、異常な状態を検知した旨を表す異常検知情報を前記サーバ装置へ送信する異常検知情報送信手段を備える監視システム。
【請求項7】
監視装置とサーバ装置とを含む監視システムに適用される監視方法であって、
前記監視装置、及び、前記サーバ装置は、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて通信可能に接続され、
前記監視装置が、カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、当該監視装置が備える記憶装置に蓄積し、
前記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第2の通信回線を用いて伝送することにより、当該監視データを当該サーバ装置が備える記憶装置へ移動させ、
前記監視装置により取得された監視データを、当該監視装置から前記サーバ装置へ、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って伝送する、監視方法。
【請求項8】
請求項7に記載の監視方法であって、
前記リアルタイム方式に従って前記監視データが伝送された場合、当該伝送された監視データを特定するための監視データ特定情報を記憶し、
前記監視装置が蓄積している監視データを前記サーバ装置が備える記憶装置へ移動させる場合、当該記憶装置が蓄積している監視データのうちの、前記記憶されている監視データ特定情報により特定される監視データを、当該監視装置から当該サーバ装置へ伝送することなく、当該監視装置が備える記憶装置から消去する、監視方法。
【請求項9】
記憶装置を備えるサーバ装置であって、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、監視装置と通信可能に接続され、
前記監視装置が蓄積している監視データを、当該監視装置から、前記第2の通信回線を用いて受信し、当該受信された監視データを、前記記憶装置に蓄積する移動用監視データ受信手段と、
前記監視装置が取得した監視データを、当該監視装置から、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って受信するリアルタイム用監視データ受信手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項10】
記憶装置を備える監視装置であって、
予め確保された通信帯域を用いて行われる通信である帯域確保型通信を行うことが可能な第1の通信回線、及び、予め通信帯域を確保することなく行われる通信である非帯域確保型通信を行うことが可能な第2の通信回線を用いて、サーバ装置と通信可能に接続され、
カメラ又はセンサにより検出された信号に基づいて取得された監視データを、前記記憶装置に蓄積する監視データ蓄積手段と、
前記蓄積している監視データを前記サーバ装置へ前記第2の通信回線を用いて送信するとともに、当該送信された監視データを前記記憶装置から消去する移動用監視データ送信手段と、
前記取得された監視データを前記サーバ装置へ、前記第1の通信回線を用いて、リアルタイム方式に従って送信するリアルタイム用監視データ送信手段と、
を備える監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−94961(P2012−94961A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238368(P2010−238368)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】