説明

監視システム、警備装置、センサおよび監視方法

【課題】画像からセンサの検知領域を把握できるようにし、また、画像のどの部分に注目して確認すべきかを明確にすることにより、精度が高い監視をすることができる監視システム、警備装置、センサおよび監視方法を提供する。
【解決手段】警備対象を警備するとともに、監視センタ200にネットワーク300を介して接続された警備装置100において、検知部111は、所定の検知領域を有し、検知領域内における異常を検知し、レーザ光射出部112は、検知部111の検知領域を表示するためのレーザ光を射出し、監視カメラ120は、検知領域を含む撮像領域を撮像し、送受信部136は、撮像された画像情報を監視センタ200に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システム、警備装置、センサおよび監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、警備装置において赤外線量の変化により異常を検知するようなセンサ(パッシブセンサ)では、検知領域を視覚で確認することができないため、センサの検知領域を設定する際には実際に人が移動してセンサによって検知されることを確認しながら、検知領域を調整するため、作業が煩雑であるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するものとして、パッシブセンサの検知領域調整装置が開示されている(特許文献1参照)。かかる装置では、センサの検知領域が映る凸面鏡を用い、設定したい検知領域と凸面鏡に映った領域を合わせることによって、センサの検知領域を調整することができる。
【0004】
【特許文献1】特許第3743974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、センサを設定する際には検知領域を人が視覚で確認することができるが、実際に警備を行なう際にはセンサの検知領域を人が視覚で確認することができない。よって、異常を検知した際にセンサが検知した人や動物、もの等を監視カメラで撮像した画像で確認する場合は、センサの検知領域を視覚で確認することができなかった。
【0006】
すなわち、監視カメラが撮像する撮像領域とセンサの検知領域は通常一致しないため、撮像された画像にセンサの検知領域の一部が含まれていないような場合に、センサの検知領域を誤認して、実際にセンサで検知された不審者を見逃す可能性が生じてしまう。また、画像のどの部分を特に注目して確認すべきかを把握することはできなかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像からセンサの検知領域を把握できるようにし、また、画像のどの部分に注目して確認すべきかを明確にすることにより、精度が高い監視をすることができる監視システム、警備装置、センサおよび監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、警備対象を警備するとともに、監視センタにネットワークを介して接続された警備装置において、所定の検知領域を有し、検知領域内における異常を検知する検知手段と、前記検知手段の前記検知領域を表示するためのレーザ光を射出する射出手段と、前記検知領域を含む撮像領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像情報を前記監視センタに送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の警備装置において、前記検知手段は、可動部を動かすことにより検知領域を変更可能に構成され、前記射出手段は、可動部の動きに伴いレーザ光の射出方向が変更されるよう構成されたこと、を特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載の警備装置において、前記検知手段は、赤外線を検知する焦電素子と反射ミラーとを備えてなり、検知領域の赤外線を前記反射ミラーに反射させ前記焦電素子で検知した赤外線量の変化により、前記検知領域での異常を検知し、前記射出手段は、前記焦電素子近傍に設けられ、前記反射ミラーにレーザ光を射出することにより検知領域を表示すること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の警備装置において、前記射出手段は、前記検知手段が異常を検知した場合に、前記検知領域に前記レーザ光を射出すること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置において、前記検知手段が異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信する警備モード、前記センサが異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信しない警備解除モード、いずれかに設定する操作を行う警備設定手段、をさらに備え、前記射出手段は、前記警備設定手段により前記警備モードに設定された場合、前記レーザ光を射出すること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置において、前記検知手段が異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信する警備モード、前記センサが異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信しない警備解除モード、いずれかに設定する操作を行う警備設定手段、をさらに備え、前記射出手段は、前記警備モード中に前記検知手段が異常を検知した場合、前記レーザ光を射出すること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の警備装置とネットワークを介して接続される監視センタを備える監視システムであって、前記監視センタは、前記警備装置から送信された前記画像情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記画像情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の監視システムにおいて、前記監視センタは、前記警備装置に対して画像の送信を要求する画像要求手段、をさらに備え、前記警備装置は、前記監視センタからの画像の要求を受信する要求受信手段、をさらに備え、前記要求受信手段によって前記画像の要求を受信した場合に、前記射出手段はレーザ光を射出するとともに、前記撮像手段は撮像領域を撮像し、前記送信手段は撮像された画像情報を前記監視センタに送信すること、を特徴とする。
【0016】
また、請求項9にかかる発明は、所定の検知領域を有し、検知領域内における異常を検知する検知手段と、前記検知手段の前記検知領域を表示するためのレーザ光を射出する射出手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項10にかかる発明は、請求項9に記載のセンサにおいて、前記検知手段は、可動部を動かすことにより検知領域を変更可能に構成され、前記射出手段は、可動部の動きに伴いレーザ光の射出方向が変更されるよう構成されたこと、を特徴とする。
【0018】
また、請求項11にかかる発明は、請求項9または請求項10に記載のセンサにおいて、前記検知手段は、赤外線を検知する焦電素子と反射ミラーとを備えてなり、検知領域の赤外線を前記反射ミラーに反射させ前記焦電素子で検知した赤外線量の変化により、前記検知領域での異常を検知し、前記射出手段は、前記焦電素子近傍に設けられ、前記反射ミラーにレーザ光を射出することにより検知領域を表示すること、を特徴とする。
【0019】
また、請求項12にかかる発明は、請求項9〜11のいずれか一つに記載のセンサにおいて、前記射出手段は、前記レーザ光として可視光を射出すること、を特徴とする。
【0020】
また、請求項13にかかる発明は、請求項9〜11のいずれか一つに記載のセンサにおいて、前記射出手段は、前記レーザ光として不可視光を射出すること、を特徴とする。
【0021】
また、請求項14にかかる発明は、請求項9〜13のいずれか一つに記載のセンサにおいて、前記射出手段は、前記検知手段が異常を検知した場合に、前記レーザ光を射出すること、を特徴とする。
【0022】
また、請求項15にかかる発明は、警備対象を警備する警備装置と、前記警備装置とネットワークを介して接続された監視センタとを備える監視システムで実行される監視方法において、検知手段が、所定の検知領域を有し、検知領域内における異常を検知する検知手段により、前記検知領域内の異常を検知する検知ステップと、射出手段が、前記検知領域を表示するためのレーザ光を射出する射出ステップと、撮像手段が、撮像領域を撮像する撮像ステップと、表示手段が、前記撮像ステップによって撮像された前記画像情報を表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、センサの検知領域を示すレーザ光が照射された領域を撮像手段で撮像し、撮像された画像情報を監視センタに送信することにより、監視センタでセンサの検知領域を目視で確認することができるため、センサの検知領域を誤認せず、精度が高い監視をすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる監視システム、警備装置、センサおよび監視方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
本実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、本発明が適用される監視システムの構成例について説明する。図1は、本実施の形態にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。監視システム10は、警備装置100と監視センタ200とを備え、警備装置100と監視センタ200は、電話回線、無線ネットワーク、インターネットなどのネットワーク300を介して接続されている。
【0026】
本実施の形態にかかる警備装置100は、センサ110と、監視カメラ120と、警備操作部130とを備えている。また、センサ110は、さらに検知部111と、レーザ光射出部112とを備えている。
【0027】
検知部111は、検知領域での異常を検知する。検知部111は、具体的には赤外線の受光量の変化をもとに人を検知する、いわゆる赤外線センサ(パッシブセンサ)である。なお、パッシブセンサに代えて、検知領域の外縁が明確である他のセンサを用いてもよい。パッシブセンサは、焦電素子と反射ミラー(凹面鏡等)とからなる光学ユニットを備え、検知領域の赤外線を反射ミラーによって反射し、反射された赤外線を焦電素子によって受光し、その変化量によって人を検知する。また、反射ミラーの角度を変えることにより、検知領域を変えることができる。
【0028】
レーザ光射出部112は、検知部111の検知領域を示すレーザ光を射出する。図2は、センサの一例を示す説明図である。図3は、センサの検知部の構造の一例を示す説明図である。例えば、図2に示すようなセンサ110において、図3に示すような検知部111を備えている場合について説明する。検知部111は、焦電素子31近傍にレーザ光射出部112を備え、レーザ光射出部112から検知領域の外縁32に対応する反射ミラー33の端部にレーザ光21を射出する。これにより、射出されたレーザ光21が反射ミラー33に反射され、検知領域の外縁32に照射される。なお、レーザ光21と検知領域の外縁32は、図3では若干ずれて描かれているが、これは図を見やすくするためであり、実際にはほぼ一致した位置である。
【0029】
また、検知部111の検知領域は、反射ミラーの角度が変化することに伴って変化するが、レーザ光射出部112から射出するレーザ光21を反射ミラーに反射させて検知領域に照射することにより、レーザ光射出部112自体に対して操作を行うことなく、反射ミラーの位置の変化に伴う検知領域の変化に追随してレーザ光の位置を変化させることができる。
【0030】
図4は、センサの検知領域に照射されたレーザ光の一例を示す説明図である。図4に示すように、センサ110のレーザ光射出部112から射出されたレーザ光21が検知部111の検知領域の外縁、例えば4隅を照射することにより、検知部111の検知領域22を視覚で確認することができる。
【0031】
また、レーザ光射出部112は、検知部111が異常を検知して送出された検知信号や後述する警備状態切替部133によって警備状態として警備モードが設定されることによって送出される警備モード信号を受信することにより、レーザ光を射出する。
【0032】
監視カメラ120は、撮像領域を撮像する。撮像領域は、監視カメラの機能によって異なり、撮像領域が固定である場合や、監視カメラ120のパンやチルト、ズーム機能により撮像領域を変更することが可能である場合がある。監視カメラ120は、センサ110の検知領域22を含んだ領域を撮像できるように設置されることが通常であるが、撮像領域のレイアウトの変更や、パンやチルト、ズーム機能により撮像領域が検知領域22から外れてしまったような場合に、センサ110の検知領域22に照射されたレーザ光21を含んだ領域を撮像することにより、撮像領域のうちのどの領域がセンサ110の検知領域であるかを撮像された画像情報で視覚的に確認することができる。
【0033】
次に、警備操作部130について説明する。警備操作部130は、検知情報受信部131と、画像情報受信部132と、警備状態切替部133と、操作パネル制御部134と、操作パネル135と、送受信部136と、警備状態記憶部137とを備えている。
【0034】
検知情報受信部131は、検知部111によって異常が検知された場合に送出される検知情報を受信する。検知情報は、検知部111から送出される検知信号であり、センサ110が複数設置されている場合は、検知信号およびセンサを識別するセンサIDである。画像情報受信部132は、監視カメラ120によって撮像された画像情報を受信する。
【0035】
警備状態切替部133は、操作パネル制御部134によって受付けた警備状態を警備状態記憶部137に格納する。警備状態記憶部137は、現在の警備装置100の警備状態である警備モードまたは警備解除モードのいずれかを記憶する。
【0036】
ここで、警備モードとは、センサ110が異常を検知して検知情報を取得した場合に、警備領域での異常を知らせる警報情報をネットワーク300で接続されている監視センタ200に送信する状態をいい、警備解除モードとは、上記検知情報を取得した場合でも異常を知らせる警報情報を監視センタ200に送信しない状態をいう。
【0037】
操作パネル135は、警備装置100に関する情報が表示され、警備装置100に対して情報が入力される。操作パネル135は、ボタンの押下等によって警備モードまたは警備解除モードのいずれかの警備状態を入力する。操作パネル制御部134は、操作パネル135への表示情報の出力や、操作パネル135から入力された入力情報の取得等の操作パネル135に対する制御を行う。操作パネル135は、本発明にかかる警備設定手段を構成する。
【0038】
送受信部136は、監視センタ200とネットワーク300を介して各種情報を送受信する。送受信部136は、監視カメラ120が撮像した画像情報を監視センタ200に送信する。また、送受信部136は、センサ110から検知情報を受信した場合で、かつ警備状態記憶部137に記憶された現在の警備状態に警備モードが記憶されている場合に、警報情報を監視センタ200に送信する。
【0039】
監視センタ200は、さらに送受信部201と、表示制御部202と、表示部203と、操作制御部204と、操作部205とを備えている。
【0040】
送受信部201は、警備装置100から送信された画像情報や警報情報を受信し、警備装置100に種々の情報を送信する。
【0041】
表示制御部202は、表示部203に対して種々の情報、例えば警備装置100から送信された画像情報を表示するように制御する。
【0042】
表示部203は、表示制御部202によって制御された種々の情報を表示する。表示部203は、警備装置100から送信された撮像領域を撮像した画像情報を表示する。図5は、センサの検知領域を示すレーザ光が撮像された画像情報の一例を示す説明図である。図5に示すように、センサ110の検知領域を示すレーザ光21を含んだ画像情報が監視センタ200の表示部203に表示される。これにより、表示部203に表示されている画像からセンサ110の検知領域を把握した上で画像を確認できるため、センサ110の検知領域外の人や動物等を検知したと誤解することがない。また、センサ110の検知領域内として示された部分に注目して画像を確認できるので、センサ110が検知した異常を見落とすことを防止することができる。よって、精度が高い警備を行うことができる。
【0043】
操作部205は、表示部203に表示されている画像情報に対する操作の指示や、警備装置100の監視カメラ120に対する指示等を入力する。具体的には、キーボードやマウス等の入力機器である。操作制御部204は、操作部205からの様々な情報の入力を受付け、操作部205を制御する。
【0044】
次に、以上のように構成されている監視システムによる監視処理について説明する。図6は、警備装置および監視センタが行う監視処理手順を示すフローチャートである。前提として、監視カメラ120は、撮像領域を常時撮像し、撮像した画像情報は監視センタ200に送信する。
【0045】
まず、警備装置100において、監視カメラ120は撮像領域を撮像する(ステップS401)。検知部111は、異常を検知したか否かを判断する(ステップS402)。異常を検知していないと判断した場合は(ステップS402:No)、ステップS405に進む。異常を検知したと判断した場合は(ステップS402:Yes)、検知部111は検知信号を送出する(ステップS403)。
【0046】
レーザ光射出部112は、検知部111から送出された検知信号を受信した場合にレーザ光を射出する(ステップS404)。レーザ光射出部112からレーザ光が射出されることにより、検知部111の検知領域にレーザ光が照射される。送受信部136は、監視カメラ120が撮像した画像情報を監視センタ200に送信する(ステップS405)。
【0047】
監視センタ200において、送受信部201は、警備装置100から送信された画像情報を受信する(ステップS406)。表示制御部202は、受信した画像情報を表示部203に表示するように制御する(ステップS407)。
【0048】
警備装置100において、監視カメラ120は、撮像を終了するか否かを判断する(ステップS408)。具体的には、撮像終了信号を受信したか否かによって撮像を終了するか否かを判断する。撮像を終了しないと判断した場合は(ステップS408:No)、ステップS401に戻り、撮像を繰り返す。撮像を終了すると判断した場合は(ステップS408:Yes)、処理を終了する。
【0049】
このように、検知部111が異常を検知した場合に、検知部111の検知領域をレーザ光で照射し、レーザ光が撮像された画像情報を監視センタ200の表示部203で表示して確認することができるため、検知部111の検知領域を監視カメラ120で撮像した画像情報で容易に確認することができる。また、センサ110が異常を検知した前後の画像を確認する際に、撮像された画像中にレーザ光で検知領域が示されたタイミングをもとに、画像からでもセンサ110が異常を検知したタイミングを知ることができる。
【0050】
また、監視カメラ120で撮像されている人や動物等が検知部111で検知した人や動物等であるかを容易に確認することができる。すなわち、検知部111の検知領域が撮像領域外であった場合に、レーザ光による検知領域を確認することにより、画像情報に撮像されている人・動物以外によって異常を検知した可能性を判断することができ、撮像されていない不審者を見逃すことを防ぐことができる。
【0051】
なお、レーザ光射出部112から射出されるレーザ光は、可視光でも不可視光であってもよい。レーザ光を可視光とする場合は、通常の監視カメラで撮像することが可能である。また、センサ110の設置時や設置後に検知領域を調整する際に、レーザ光を射出させることにより容易に検知領域を確認できるとともに、監視カメラ120がセンサ110の検知領域を撮像できるように調整することも容易である。これに対して、レーザ光を赤外線のような不可視光とする場合は、監視カメラ120として赤外線カメラを用いることにより、検知領域を確認することができる。レーザ光を不可視光とした場合は、センサ110が設置されている領域ではレーザ光は見えないので、その領域に居る人や通行する人に気づかれることがない。
【0052】
なお、本実施の形態では、監視カメラ120は撮像領域を常時撮像し、撮像した画像情報は監視センタ200に送信することを前提として説明したが、それに代えて、監視センタ200からの要求によってレーザ光を射出するとともに、画像情報を送信するようにしてもよい。具体的には、監視センタ200の操作部205は、警備装置100に対する画像の送信の要求を受付ける。送受信部201は、受付けた画像の送信の要求を警備装置100に送信する。
【0053】
警備装置200は、監視センタ200から画像の送信の要求を受信した場合、レーザ射出部112からレーザ光を射出するとともに、監視カメラ120が撮像した画像情報を送受信部136によって監視センタ200に送信する。このように、監視センタ200からの要求に従ってレーザ光を射出し、撮像領域を撮像することにより、監視センタ200で表示された画像情報で容易に検知領域を確認することができる。
【0054】
さらに、他の実施の形態として、警備状態の切替えと連動した場合について説明する。図7は、警備装置および監視センタが行う監視処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
まず、警備装置100において、監視カメラ120は撮像領域を撮像する(ステップS501)。検知部111は、現在の警備状態が警備モードであるか否かを判断する(ステップS502)。具体的には、警備状態切替部133によって警備状態が警備解除モードから警備モードに切替えられた際に送出される警備モード信号を検知部111が受信した場合に、警備モードフラグに1を設定する等により、現在の警備状態を保持する。現在の警備状態が警備モードでないと判断した場合(ステップS502:No)、ステップS506に進む。
【0056】
現在の警備状態が警備モードであると判断した場合(ステップS502:Yes)、検知部111は異常を検知したか否かを判断する(ステップS503)。異常を検知していないと判断した場合は(ステップS503:No)、ステップS506に進む。異常を検知したと判断した場合は(ステップS503:Yes)、検知部111は検知信号を送出する(ステップS504)。
【0057】
レーザ光射出部112は、検知部111から送出された検知信号を受信した場合にレーザ光を射出する(ステップS505)。レーザ光射出部112からレーザ光が射出されることにより、検知部111の検知領域にレーザ光が照射される。送受信部136は、監視カメラ120が撮像した画像情報を監視センタ200に送信する(ステップS506)。
【0058】
監視センタ200において、送受信部201は、警備装置100から送信された画像情報を受信する(ステップS507)。表示制御部202は、受信した画像情報を表示部203に表示するように制御する(ステップS508)。
【0059】
警備装置100において、監視カメラ120は、撮像を終了するか否かを判断する(ステップS509)。具体的には、撮像終了信号を受信したか否かによって撮像を終了するか否かを判断する。撮像を終了しないと判断した場合は(ステップS509:No)、ステップS501に戻り、撮像を繰り返す。撮像を終了すると判断した場合は(ステップS509:Yes)、処理を終了する。
【0060】
このように、現在の警備状態が警備モードで、かつ、検知部111が異常を検知した場合に、検知部111の検知領域をレーザ光で照射し、レーザ光が撮像された画像情報を監視センタ200の表示部203で表示するため、検知部111の検知領域を監視カメラ120で撮像した画像情報で容易に確認することができる。
【0061】
なお、上述した実施の形態では、警備状態に警備モードが設定され、センサが異常を検知した場合に、レーザ光を射出しているが、警備状態に警備モードが設定された場合に、レーザ光を射出するようにしてもよい。
【0062】
次に、レーザ光を照射する位置のバリエーションについて説明する。図8は、センサの検知領域に照射されたレーザ光の一例を示す説明図である。図8に示すように、センサ110の検知領域62の4隅のみではなく、4隅の中間点および検知領域62の中心点にレーザ光61を照射してもよい。また、監視カメラ120がカラー画像を撮像する場合は、レーザ光の色を検知領域62の外周部と中心点で変えてもよい。
【0063】
図9は、センサの検知領域に照射されたレーザ光の一例を示す説明図である。図9に示すように、センサ110の種類や設置位置によってセンタ110の検知領域72が異なるため、検知領域72に応じてレーザ光71を照射する数や位置を決定する。
【0064】
また、上述した実施の形態では、反射ミラーを有する赤外線センサを一例として説明したが、さらに他の種類のセンサ110について説明する。図10は、近接赤外線センサの一例を示す説明図である。図10に示すように、センサ110は検知領域82に向けて検知波83を出力する。検知領域82内に物体が存在する場合は、出力された検知波83が物体に反射した反射波を検知部が検知し、物体との距離を検知する。なお、検知領域82になにも存在しない場合は、床面や壁面との距離が検知される。センサ110は、検知された距離が変動した場合に、検知領域41内に侵入者や侵入物が存在すると判断する。図10に示すようなセンサにおいては、検知波83が出力される範囲が検知領域82であり、検知領域82の外縁を示すように、レーザ射出部112からレーザ光81を射出する。
【0065】
さらに、他の種類のセンサ110について説明する。図11−1、図11−2は、可動部を有する赤外線センサの一例を示す説明図である。図11−1に示すセンサ110は、上述した実施の形態でのセンサと異なり、反射ミラーを持たず、検知部111自体を回転可能とすることにより検知領域92を変更する。センサ110では、レーザ射出部112を検知部111と一体に構成することにより、検知領域92に対応したレーザ光91を射出される。図11−2に示すように、検知部111が可動することにより、レーザ射出部112も可動して、検知領域92が変動したことに伴ってレーザ光91の射出方向も変動し、検知領域92に対応した位置にレーザ光91が照射される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】センサの一例を示す説明図である。
【図3】センサの検知部の構造の一例を示す説明図である。
【図4】センサの検知領域に照射されたレーザ光の一例を示す説明図である。
【図5】センサの検知領域を示すレーザ光が撮像された画像情報の一例を示す説明図である。
【図6】警備装置および監視センタが行う監視処理手順を示すフローチャートである。
【図7】警備装置および監視センタが行う監視処理手順を示すフローチャートである。
【図8】センサの検知領域に照射されたレーザ光の一例を示す説明図である。
【図9】センサの検知領域に照射されたレーザ光の一例を示す説明図である。
【図10】近接赤外線センサの一例を示す説明図である。
【図11−1】可動部を有する赤外線センサの一例を示す説明図である。
【図11−2】可動部を有する赤外線センサの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
10 監視システム
100 警備装置
110 センサ
111 検知部
112 レーザ光射出部
120 監視カメラ
130 警備操作部
131 検知情報受信部
132 画像情報受信部
133 警備状態切替部
134 操作パネル制御部
135 操作パネル
136 送受信部
137 警備状態記憶部
200 監視センタ
201 送受信部
202 表示制御部
203 表示部
204 操作制御部
205 操作部
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象を警備するとともに、監視センタにネットワークを介して接続された警備装置において、
所定の検知領域を有し、検知領域内における異常を検知する検知手段と、
前記検知手段の前記検知領域を表示するためのレーザ光を射出する射出手段と、
前記検知領域を含む撮像領域を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像情報を前記監視センタに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする警備装置。
【請求項2】
前記検知手段は、可動部を動かすことにより検知領域を変更可能に構成され、
前記射出手段は、可動部の動きに伴いレーザ光の射出方向が変更されるよう構成されたこと、を特徴とする請求項1に記載の警備装置。
【請求項3】
前記検知手段は、赤外線を検知する焦電素子と反射ミラーとを備えてなり、検知領域の赤外線を前記反射ミラーに反射させ前記焦電素子で検知した赤外線量の変化により、前記検知領域での異常を検知し、
前記射出手段は、前記焦電素子近傍に設けられ、前記反射ミラーにレーザ光を射出することにより検知領域を表示すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の警備装置。
【請求項4】
前記射出手段は、前記検知手段が異常を検知した場合に、前記検知領域に前記レーザ光を射出すること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の警備装置。
【請求項5】
前記検知手段が異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信する警備モード、前記センサが異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信しない警備解除モード、いずれかに設定する操作を行う警備設定手段、をさらに備え、
前記射出手段は、前記警備設定手段により前記警備モードに設定された場合、前記レーザ光を射出すること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置。
【請求項6】
前記検知手段が異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信する警備モード、前記センサが異常を検知した場合に前記監視センタに警報を送信しない警備解除モード、いずれかに設定する操作を行う警備設定手段、をさらに備え、
前記射出手段は、前記警備モード中に前記検知手段が異常を検知した場合、前記レーザ光を射出すること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の警備装置とネットワークを介して接続される監視センタを備える監視システムであって、
前記監視センタは、
前記警備装置から送信された前記画像情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記画像情報を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする監視システム。
【請求項8】
前記監視センタは、前記警備装置に対して画像の送信を要求する画像要求手段、をさらに備え、
前記警備装置は、前記監視センタからの画像の要求を受信する要求受信手段、をさらに備え、
前記要求受信手段によって前記画像の要求を受信した場合に、前記射出手段はレーザ光を射出するとともに、前記撮像手段は撮像領域を撮像し、前記送信手段は撮像された画像情報を前記監視センタに送信すること、を特徴とする請求項7に記載の監視システム。
【請求項9】
所定の検知領域を有し、検知領域内における異常を検知する検知手段と、
前記検知手段の前記検知領域を表示するためのレーザ光を射出する射出手段と、
を備えることを特徴とするセンサ。
【請求項10】
前記検知手段は、可動部を動かすことにより検知領域を変更可能に構成され、
前記射出手段は、可動部の動きに伴いレーザ光の射出方向が変更されるよう構成されたこと、を特徴とする請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記検知手段は、赤外線を検知する焦電素子と反射ミラーとを備えてなり、検知領域の赤外線を前記反射ミラーに反射させ前記焦電素子で検知した赤外線量の変化により、前記検知領域での異常を検知し、
前記射出手段は、前記焦電素子近傍に設けられ、前記反射ミラーにレーザ光を射出することにより検知領域を表示すること、を特徴とする請求項9または請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
前記射出手段は、前記レーザ光として可視光を射出すること、を特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載のセンサ。
【請求項13】
前記射出手段は、前記レーザ光として不可視光を射出すること、を特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載のセンサ。
【請求項14】
前記射出手段は、前記検知手段が異常を検知した場合に、前記レーザ光を射出すること、を特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに記載のセンサ。
【請求項15】
警備対象を警備する警備装置と、前記警備装置とネットワークを介して接続された監視センタとを備える監視システムで実行される監視方法において、
検知手段が、所定の検知領域を有し、検知領域内における異常を検知する検知手段により、前記検知領域内の異常を検知する検知ステップと、
射出手段が、前記検知領域を表示するためのレーザ光を射出する射出ステップと、
撮像手段が、撮像領域を撮像する撮像ステップと、
表示手段が、前記撮像ステップによって撮像された前記画像情報を表示する表示ステップと、を有することを特徴とする監視方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11−1】
image rotate

【図11−2】
image rotate


【公開番号】特開2009−86729(P2009−86729A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251978(P2007−251978)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】