説明

監視システム

【課題】サーバ装置が得る観測場所の映像と共に、監視者が災害を予測する上で必要な多くの判断材料を提供する。
【解決手段】この監視システムは、観測場所に設置され、その場所の映像を撮影する撮像機器と、観測場所に設置され、その場所で観測データを取得する観測設備と、サーバ装置と、監視場所に設置され、撮像機器から送られてくる映像を監視するための監視機器と、監視機器に伝達するための文字情報および/または音声情報、サーバ装置に通報のための条件設定を行う端末とをネットワークで接続したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばclosed circuit television システム(以下「CCTVシステム」と称す)などの監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、監視対象をカメラで撮影し、その映像に警報などの文字情報を重ねてネットワークを通じ映像集配装置へ送り、映像集配装置に接続したディスプレイに表示するシステムがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−136557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術の場合、ディスプレイに表示される情報は、カメラの映像と単純な警報文字程度であり、監視者が災害を予測するための判断材料としては乏しいという問題があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、サーバ装置が得る観測場所の映像と共に、監視者が災害を予測するための多くの判断材料を提供することができる監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の監視システムは、観測場所に設置され、その場所の映像を撮影する撮像機器と、観測場所に設置され、その場所で観測データを取得する観測設備と、サーバ装置と、監視場所に設置され、前記撮像機器から送られてくる映像を監視するための監視機器と、前記監視機器に伝達するための文字情報および/または音声情報、前記サーバ装置に通報のための条件設定を行う端末とをネットワークで接続した監視システムにおいて、前記サーバ装置が、前記観測設備から今までに受信された観測データの過去データが保存され、前記映像と前記文字情報および/または音声情報との組合せ条件が前記端末から設定可能なデータベースと、前記端末から入力される文字情報および/または音声情報と、前記撮像機器により撮影された観測場所の映像と、前記観測設備から入力された観測データとをタイムスタンプして前記データベースに登録・保存する登録部と、前記データベースに新たに登録された前記観測設備からの観測データと前記過去データを使って統計計算し、計算結果を前記データベースに登録する計算部と、前記データベースに登録された観測場所の映像と、前記端末から入力された文字情報および/または音声情報との組合せが存在するか否かを前記組合せ条件により判定する判定部と、前記観測場所の映像と前記文字情報および/または音声情報との組合せが存在する場合に、前記映像と前記文字情報および/または音声情報とを前記データベースから読み出してデジタル信号で前記ネットワークを通じて該当監視機器へ送る制御部とを備え、前記監視機器が、前記サーバ装置から受信された前記デジタル信号を前記映像、前記文字情報、前記音声情報に復号および分離する復号部と、前記文字情報を前記映像に重畳するための文字画面を生成し、生成した文字画面と前記映像とを合成し、合成映像を生成する合成部と、前記合成部により合成された前記合成映像と、前記合成映像にタイミングを合わせた前記音声情報とを出力する出力部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サーバ装置が得る観測場所の映像と共に、監視者が災害を予測する上で必要な多くの判断材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の監視システムの構成を示す図である。
【図2】監視システムのサーバ装置の構成を示す図である。
【図3】監視システムの映像復号装置の構成を示す図である。
【図4】サーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】映像復号装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】映像表示装置に表示される映像(画面)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一つの実施の形態の監視システムを詳細に説明する。図1は監視システムの構成を示す図である。
【0010】
図1に示すように、この実施形態の監視システムは、地点Aに設置されたカメラ装置A1(撮像機器)および映像符号化装置A2、地点Bに設置されたカメラ装置B1(撮像機器)および映像符号化装置B2、地点Cに設置されたカメラ装置C1(撮像機器)および映像符号化装置C2、地点Dに設置されたカメラ装置D1(撮像機器)および映像符号化装置D2などの観測機器と、監視場所aに設置された映像復号装置4aおよび映像表示装置5a、監視場所bに設置された映像復号装置4bおよび映像表示装置5bなどの監視機器と、サーバ装置6、端末としての操作卓7、観測設備(気象観測設備8、地震観測設備9、越波観測装置10、河川観測装置11等)がIPネットワーク3で構築される情報伝送網により接続されたものであり、特にいつ発生するか予測しにくい災害の予兆を監視するためのシステムである。
【0011】
カメラ装置A1は、災害が起こる可能性のある場所に設置されており、その位置の監視映像を撮像するものである。映像符号化装置2は、カメラ装置A1の映像信号をIPネットワーク3に送出するように圧縮符号化およびデジタル化する。
【0012】
IPネットワーク3は、デジタル化された映像信号や、観測設備から送られるデータをサーバ装置6へ伝送する。
【0013】
サーバ装置6は、観測装置からのデータの受信や映像復号装置4a,4bへの情報の出力を統括制御する。操作卓7は、キーボード及びマイクなどが設けられており、サーバ装置6に対し手動で文字情報や音声情報などが入力される。操作卓7は、監視機器に伝達するための文字情報および/または音声情報の入力や、サーバ装置6に通報のための条件設定を行う端末である。
【0014】
操作卓7からサーバ装置6に入力された文字情報や音声情報は、キーボードから入力された送り先(監視機器の識別情報)と共にデータベース63に登録される。
【0015】
映像復号装置4aおよび映像表示装置5aなどの監視機器は、カメラ装置A1から送られてくる映像を監視するためのものである。映像復号装置4bおよび映像表示装置5bなどの監視機器は、カメラ装置B1から送られてくる映像を監視するためのものである。
【0016】
映像復号装置4aは、サーバ装置6から指示された圧縮・デジタル化された映像のデジタルデータを復号して映像信号を生成し、生成した映像信号に、サーバ装置6から受信された文字、表等の画面を映像に重畳して音声信号とともに映像表示装置5aに出力する。
【0017】
映像復号装置4bは、サーバ装置6から指示された圧縮・デジタル化された映像のデジタルデータを復号して映像信号を生成し、生成した映像信号に、サーバ装置6から受信された文字、表等の画面を映像に重畳して音声信号とともに映像表示装置5b出力する。
【0018】
すなわち、映像表示装置5a,5b…は、映像復号装置4a,4bから入力される映像信号をモニタなどの画面に表示する。また映像表示装置5a,5b…は映像復号装置4a,4bから入力される音声信号をスピーカから出力する。
【0019】
気象観測設備8、地震観測設備9、越波観測装置10、河川観測装置11などの観測装置は、災害が起こる可能性のある場所に設置されており、その位置で各データを観測し、リアルタイムでサーバ装置6へ送る。つまり観測装置は、サーバ装置6が災害の予兆を判断するための情報の提供元となる。
【0020】
気象観測設備8は、地点Aの気温、風向・風速、雨量・積雪量などを観測する。地震観測設備9は、地点Bで地震の震度、ゆれの方向などを観測する。越波観測装置10は、地点Cの海面や波の高さを観測する。河川観測装置11は、地点Dの河川の水面の高さを観測する。
【0021】
図2に示すように、サーバ装置6は、通信インタフェース61、データ入力・登録部62、データベース63、統計・表計算処理部64、文節・音声合成部65、映像・音声組合せ判定部66、制御部67などを有している。
【0022】
通信インタフェース61は、IPネットワーク3から、デジタル化された映像信号や、観測設備から送られてきたデータを受信する。
【0023】
データ入力・登録部62は、操作卓7から入力される文字・写真情報や音声情報、映像復号装置4a,4bへ送信する映像符号化装置の識別情報と、各種観測設備8〜11から入力データされてデータ処理した結果の情報等をタイムスタンプしてデータベース63に登録・保存する。
【0024】
データベース63には、各種観測設備8〜11から今までに受信された観測データの過去データや観測データを統計計算した結果のデータ等が保存されている。またデータベース63には、各種観測設備8〜11から入力された観測データを処理した結果と比較するためのしきい値データが格納されている。しきい値データは、各観測場所で災害が発生する恐れがあるとされる限度を示す通報条件である。またデータベース63には、映像と文字情報および/または音声情報との組合せ条件が操作卓7からの条件入力で設定可能である。
【0025】
つまりデータベース63には、操作卓7から入力される文字・写真情報や音声情報、映像復号装置がカメラ映像を受信するために必要な映像符号化装置の識別情報、各種観測設備8〜11からの入力データをデータ処理した結果の情報等のデータがタイムスタンプされて、そのデータの送り先(監視場所の映像復号装置4a,4b)を示す識別情報と共に時系列的に保存される。
【0026】
統計・表計算処理部64は、各種観測設備8〜11から入力された観測データと過去データを使って統計計算や表計算を行う。すなわち、統計・表計算処理部64は、データベース63に新たに登録された観測設備からの観測データと過去データを使って統計計算し、計算結果をデータベース63に登録する計算部として機能する。文節・音声合成部65は、操作卓7から入力された文字・写真情報や音声情報、映像符号化装置の識別情報を、互いの同期をとるように合成する。
【0027】
映像・音声組合せ判定部66は、各種観測設備8〜11からの観測データを処理した結果とデータベース63の通報条件(しきい値データ)とを比較して、結果が通報条件(しきい値データ)を超えた場合(通報条件を満たした場合)、データベース63に蓄積されている該当観測場所からのカメラ映像(映像符号化装置の識別情報)と、操作卓7から入力された文字・写真情報や音声情報との組合せ条件の有無を判定し、組合せ条件が存在すれば、その組み合わせを制御部67に通知する。映像と音声との組合せ条件が設定されていなければ、映像の送り先の映像復号装置4a,4bの識別情報が一致しているか否かを判定し、一致していれば、映像復号装置4a,4bへ送るべき新たな情報としてデータベース63に登録する。
【0028】
すなわち、映像・音声組合せ判定部66は、データベース63に登録された観測場所の映像(映像符号化装置の識別情報)と、操作卓7から入力された文字情報および/または音声情報との組合せが可能か否かを前記組合せ条件により判定する判定部として機能する。
【0029】
制御部67は、上記各部を統括制御する。また制御部67は、映像と文字および音声などの組合せが正しいもの(組合せ条件を満たしたもの)を、通信インタフェース61からIPネットワーク3を通じて、該当監視場所の監視機器へ送る。
【0030】
図3に示すように、映像復号装置4aは、通信インタフェース42、映像復号処理部43、通信処理部51、制御部50、文字・表・写真映像蓄積部44、表示制御部45、合成部46、映像出力部47、音声蓄積部48、音声出力部49、電源部52等を有している。
【0031】
通信インタフェース42は、映像符号化装置A2からの映像信号やサーバ装置6からの映像符号化装置の識別情報、映像・音声データや制御信号を受信する。
【0032】
通信処理部51は、通信インタフェース42を経由してサーバ装置6との間でデータベース63に登録したデータの通信を行う。通信処理部51は、通信インタフェース42で受信されたデジタルデータが制御データであった場合に、制御データから映像符号化装置の識別情報、文字、表、写真、音声関係の制御信号のみを抽出し、制御部50に渡す。
【0033】
制御部50は、通信処理部51から受け取った映像符号化装置の識別情報、文字、表、写真、音声関係の制御信号より、映像符号化装置情報及び文字情報と音声情報に分離し、映像符号化装置の識別情報を映像復号処理部43へ通知し、文字・表・写真などの文字関係の情報を文字・表・写真映像蓄積部44に蓄積し、音声情報を音声蓄積部48に蓄積する。
換言すると、映像復号処理部43には、制御部50により分離された映像符号化装置の識別情報が通知される。文字・表・写真映像蓄積部44には、制御部50により分離された文字・表・写真などのデータが蓄積される。音声蓄積部48には、制御部50により分離された中の音声情報が蓄積される。映像復号処理部43は、映像符号化装置の識別情報に従い、例えば映像符号化装置A2からの符号化データを復号し映像信号を生成する。
【0034】
制御部50は、通信インタフェース42からの音声データを復号し音声蓄積部48に蓄積する。換言すると、音声蓄積部48には、制御部50により復号された音声データが蓄積される。制御部50は、映像出力部47から出力される合成映像にタイミングを合わせるように音声情報を出力するよう音声情報の出力タイミングを制御する。
【0035】
音声出力部49は、音声蓄積部48に蓄積された音声データを読み出して音声信号として映像表示装置5aへ出力する。表示制御部45は、文字・表・写真映像蓄積部44に蓄積された文字・表・写真の映像を合成時に点滅させるなどの表示制御を行う。
【0036】
合成部46は、映像復号処理部43からの映像信号(現地のカメラ映像)と、文字・表・写真映像蓄積部44から表示制御部45により表示制御される文字・表・写真の映像信号とを合成処理する。映像出力部47は、合成部46により合成処理された合成映像を映像表示装置5aへ出力する。電源部52は、上記各部へ電源を供給する。なお、図3では映像復号装置4aの構成についいて説明したが、映像復号装置4bの構成も同様である。
【0037】
次に、図4および図5のフローチャートを参照してこの監視システムの動作を説明する。
この監視システムでは、操作卓7から登録するデータと関連付けるカメラ映像の映像符号化装置1A〜1Nの識別情報および、データの送り先である映像復号装置4a,4bの識別情報が入力される(図4のステップS100、S101)。
【0038】
そして、操作卓7から、表示文字、表・写真情報や音声情報等の表示・出力情報が入力されると、サーバ装置6では、データ入力・登録部62は、操作卓7から入力された表示文字、表・写真情報をデータベース63に登録する(ステップS102)。
【0039】
さらに操作卓7から、音声情報が入力されると、データ入力・登録部62は、操作卓7から入力された音声情報をデータベース63に登録する(ステップS103)。
【0040】
これ以外に、他の設備(観測機器や観測設備など)からは、現地の映像や観測データが入力されるため、これらの映像や観測データと表示・出力情報との組み合わせが可能か否かを示す情報(以下「組合せ条件」という)が入力される。
【0041】
そして、各種観測設備8〜11により観測されたそれぞれの観測データがサーバ装置6に入力されると(ステップS105〜S108)、サーバ装置6では、統計・表計算処理部64が、入力された観測データを一つのパラメータとして過去の処理結果のデータと共に統計計算及び表計算を行い、該当映像復号装置4a,4bへ登録する表・グラフなど(の映像)を生成する(ステップS109)。
【0042】
表・グラフなど(の映像)が生成されると、続いて、データ入力・登録部62は、データベース63を参照することで、データベース63に既に登録済みのデータがあるか否かを判定し(ステップS110)、既に登録済みのデータが存在すると(ステップS110の有り)、データベース63の該当レコードに、該当映像復号装置4a,4bへ送る文字・表・写真などの表示・出力情報を該当するカメラ映像にあたる映像符号化装置(例えば映像符号化装置A2など)の識別情報と共に登録する。映像復号装置4a,4bへデータを保存するためには、登録する文字・表・写真情報をどの映像符号化装置の情報か識別しておく必要があるため、データを送ってきた映像符号化装置の識別情報と共に保存する。
【0043】
また、データベース63に既に登録済みのデータがない場合(ステップS110の無し)、データ入力・登録部62は、入力された観測データと表示・出力情報との組合せ条件が設定されているか否かを判定する(ステップS112)。
【0044】
この判定の結果、観測データと表示・出力情報との組合せ条件が設定されていた場合(ステップS112のYes)、データ入力・登録部62は、該当映像復号装置4a,4bへ送る文字・表・写真と音声と受信する映像符号化装置の識別情報をデータベース63の該当レコードに登録する(ステップS113)。映像復号装置へデータを出力するためには、出力する文字・表・写真情報をどの映像符号化装置の映像と共に出力するかを示す情報が必要なため、映像復号処理部43へ出力する映像符号化装置の識別情報を出力する。
【0045】
上記判定の結果、観測データと表示・出力情報との組合せ条件が設定されていなかった場合(ステップS112のNo)、データ入力・登録部62は、このサーバ装置6の監視プログラム(システム)が稼働中か否かを判定し(ステップS114)、稼働中であれば(ステップS114の稼働中)、ステップS105の直前の処理に戻り、次の観測データの入力を待ち、監視動作が停止していれば(ステップS114の停止中)、この報知機能の動作を停止し、処理を終了する(ステップS115)。
【0046】
すなわち、サーバ装置6では、出力対象のカメラ映像や音声をデータベース63に登録・保存しておき、各種観測設備8〜11から観測データが入力されたときに、入力データを処理し、それぞれの観測データの通報条件(しきい値データ)に基づいて、データベース63に登録された映像符号化装置の識別情報、映像・音声などのデータを該当映像復号装置4a,4bへ送出する。
【0047】
一方、映像復号装置4a,4bでは、例えば映像復号装置4aの通信インタフェース42に、デジタルデータd1が受信されると、そのデジタルデータd1がどんなデータかを識別する。例えば映像符号化装置A2からの映像データa1(カメラ映像)とサーバ装置6からの制御データc1に識別する(図5のステップS201)。
【0048】
デジタルデータd1が制御データc1であった場合、通信処理部51は、制御データc1より映像符号化装置・文字・表・写真・音声関係の制御信号(制御データc2)を抽出し(ステップS202)、制御部50に渡す。
【0049】
制御部50は、通信処理部51から受け取った制御データc2を、映像符号化装置の識別情報c7、文字情報c3,c4と音声情報c6に分離し(ステップS203)、映像符号化装置の識別情報c7を映像復号処理部43に出力し、文字情報c3を文字・表・写真映像蓄積部44に蓄積するとともに、文字情報c4を表示制御部45へ出力する。また制御部50は、分離した音声情報c6を音声蓄積部48に蓄積する。
【0050】
音声出力部49は、音声蓄積部48から音声情報c6を読み出し、アナログの音声出力信号b2に変換して映像表示装置5aの音声入力端子へ出力する(ステップS204)。
【0051】
一方、合成部46は、文字・表・写真映像蓄積部44から文字情報c3を読み出し、その文字情報c3から、カメラ映像に重畳させる文字画面a3を生成する(ステップS205)。
【0052】
また、表示制御部45は、制御部50から入力された文字情報c4に従い点滅制御を行うか否かを判定し、点滅制御を行う場合(ステップS206のYes)、点滅制御を行うよう文字・表・写真映像蓄積部44の文字情報c3に対して読出間隔を空けて読み出すようタイミング制御することで、文字・表・写真等の映像の点滅制御を行う(ステップS207)。
【0053】
ステップS202で分離された映像符号化装置の識別情報c7を基に受信した映像データa1が、映像復号処理部43によって復号されてカメラ映像(映像データa2)が生成され、合成部46へ送られる。
【0054】
合成部46は、入力されたカメラ映像(映像データa2)と文字画面a3とを合成して映像データa4を生成する(ステップS209)。
【0055】
そして、映像出力部47は、合成部46により生成された映像データa4を映像表示装置5aの映像入力端子へ出力する。すなわち、映像出力部47は、映像データa4を映像表示装置5aのモニタに表示可能な信号a5へ変換し映像表示装置5aへ出力する(ステップS210)。なおモニタに表示された画面の一例を図6に示す。
【0056】
図6の画面68では、カメラ装置A1により撮影された映像(カメラ装置A1設置位置の道路の映像)が背景に映し出され、その画面内の左上部に、過去の気象データからの統計処理された棒グラフが表示され、画面内の右側部に、現在時刻とそのときの気象データ(数値データ)が表示され、監視員が一目みれば、現地の状況が分かるようになっている。
【0057】
このようにこの実施形態の監視システムによれば、各観測設備8〜11から入力された観測データと過去データとを用いて統計計算し表やグラフの形態にしてカメラ映像とともにサーバ装置6から該当映像復号装置4a,4bへ送り出すので、観測場所のカメラ映像の他に監視者が災害を予測するための判断材料となる多くの情報を監視者に提供することができる。
すなわち、各観測設備8〜11から得られた観測データから表やグラフ等の文字情報を生成し、現地のカメラ映像に重ねて該当映像表示装置5aまたは映像表示装置5bの画面に表示すると共に音声や写真なども送るので、例えば監視場所aでは、映像表示装置5aの画面を監視者が見ることで、地点Aの災害を予測する上で必要な多くの判断材料を画面から得ることができる。
【0058】
また、データベース63に登録されている映像・音声などのデータは過去の観測データと共に処理することで1ポイントの情報のみではなく時系列に沿った連続情報として提供でき、監視者が見易い形式で出力(表形式で表示する等)といったことができる。
【0059】
すなわち、この監視システムによれば、現地のカメラ装置の映像や各種観測設備により観測された観測データを操作卓7の操作者が判断することなく、監視場所の映像監視者が状況認識し易い形態(映像・表・グラフ・写真・音声など)で判断材料を提供することができる。
【0060】
なお、上記実施形態では、観測データが入力されたときに、その入力データと過去のデータとを合わせて統計処理し、しきい値データによる通報判定などは行わずに、該当映像復号装置4a,4bへ出力するようにしていたが、例えば入力データを統計処理した結果としきい値データとを比較して、入力データを統計処理した結果がしきい値データを超えたときに、映像や音声を合成し該当映像復号装置4a,4bへ出力するようにしてもよい。
【0061】
本願発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形してもよい。例えば各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。
【0062】
電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
【符号の説明】
【0063】
A1,B1,C1〜N1…カメラ装置、A2,B2,C2〜N2…映像符号化装置、3…IPネットワーク、4a,4b…映像復号装置、5a,5b…映像表示装置、6…サーバ装置、7…操作卓、8…気象観測設備、9…地震観測設備、10…越波観測装置、11…河川観測装置、16…合成部、42…通信インタフェース、43…映像復号処理部、44…文字・表・写真映像蓄積部、45…表示制御部、46…合成部、47…映像出力部、48…音声蓄積部、49…音声出力部、50…制御部、51…通信処理部、52…電源部、54…音声復号処理部、61…通信インタフェース、62…データ入力・登録部、63…データベース、64…統計・表計算処理部、65…文節・音声合成部、66…映像・音声組合せ判定部、67…制御部、68…画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測場所に設置され、その場所の映像を撮影する撮像機器と、観測場所に設置され、その場所で観測データを取得する観測設備と、サーバ装置と、監視場所に設置され、前記撮像機器から送られてくる映像を監視するための監視機器と、前記監視機器に伝達するための文字情報および/または音声情報、前記サーバ装置に通報のための条件設定を行う端末とをネットワークで接続した監視システムにおいて、
前記サーバ装置が、
前記観測設備から今までに受信された観測データの過去データが保存され、前記映像と前記文字情報および/または音声情報との組合せ条件が前記端末から設定可能なデータベースと、
前記端末から入力される文字情報および/または音声情報と、前記撮像機器により撮影された観測場所の映像と、前記観測設備から入力された観測データとをタイムスタンプして前記データベースに登録・保存する登録部と、
前記データベースに新たに登録された前記観測設備からの観測データと前記過去データを使って統計計算し、計算結果を前記データベースに登録する計算部と、
前記データベースに登録された観測場所の映像と、前記端末から入力された文字情報および/または音声情報との組合せが存在するか否かを前記組合せ条件により判定する判定部と、
前記観測場所の映像と前記文字情報および/または音声情報との組合せが存在する場合に、前記映像と前記文字情報および/または音声情報とを前記データベースから読み出してデジタル信号で前記ネットワークを通じて該当監視機器へ送る制御部とを備え、
前記監視機器が、
前記サーバ装置から受信された前記デジタル信号を前記映像、前記文字情報、前記音声情報に復号および分離する復号部と、
前記文字情報を前記映像に重畳するための文字画面を生成し、生成した文字画面と前記映像とを合成し、合成映像を生成する合成部と、
前記合成部により合成された前記合成映像と、前記合成映像にタイミングを合わせた前記音声情報とを出力する出力部と
を具備することを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記データベースには各観測場所で災害が発生する恐れがあるとされる限度を示す通報条件が格納され、
前記通報条件と前記観測設備により観測された観測データを処理した結果とを比較して前記結果が前記通報条件を満たした場合に、前記監視機器へ前記合成映像を送るように制御することを特徴とする請求項1記載の監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−283592(P2010−283592A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135222(P2009−135222)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】