監視画面表示制御装置
【課題】不審者を検出し移動方向を計算し、移動方向にあって監視カメラ視野内に入ると推測されるカメラを特定、特定されたカメラの画像を表示装置に通過すると推測される順に表示画面を並べ替え表示させる。
【解決手段】複数のカメラ画像を監視する場合に不審者を検知し移動方向を求めることで、不審者の移動先にあるカメラ画像をあらかじめ表示装置に表示させる。監視カメラと画像比較部と移動方向検出部と移動方向カメラ検出部と表示制御部と表示装置から構成される。不審者は正常時との差分画像として抽出され、t時間前との差分画像との位置関係のずれから不審者の移動方向(移動直線)を求める。各監視カメラの撮影方向に対し仮想的な直線を持たせこの直線と不審者の移動方向(移動直線)との交点が求まる場合を移動方向監視カメラ候補とし、現在監視中のカメラ位置との交点の距離が短い順に並び替えて不審者の移動方向にあるカメラの順位付けを行う。
【解決手段】複数のカメラ画像を監視する場合に不審者を検知し移動方向を求めることで、不審者の移動先にあるカメラ画像をあらかじめ表示装置に表示させる。監視カメラと画像比較部と移動方向検出部と移動方向カメラ検出部と表示制御部と表示装置から構成される。不審者は正常時との差分画像として抽出され、t時間前との差分画像との位置関係のずれから不審者の移動方向(移動直線)を求める。各監視カメラの撮影方向に対し仮想的な直線を持たせこの直線と不審者の移動方向(移動直線)との交点が求まる場合を移動方向監視カメラ候補とし、現在監視中のカメラ位置との交点の距離が短い順に並び替えて不審者の移動方向にあるカメラの順位付けを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ監視における監視画面表示制御に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫等の監視では多方向に向いた複数のカメラを配置し、監視者は一般にこれらをひとつの表示画面に対し対象となるカメラ旋廻装置がない場合切り替え表示させる、あるいは複数の表示装置を並べ複数のカメラ画像を同時に表示させる、あるいはひとつの表示画面を複数の子画面に分割し複数のカメラ画像を同時に表示させ監視を行う。しかし複数の表示装置を並べる方法やひとつの画面を複数の子画面に分割する方法では、複数の画面を同時に注視しなければならず、必ずしも不審者の接近など監視画面の異常に直ちに気づくことはできない。また監視カメラの視野外に不審者が移動する場合に、不審者が次に映るだろうカメラ画像を探すことは困難である。
【0003】
図1は複数の監視カメラと接続された監視システムの概要を示すブロック構成図である。撮影を行うカメラ部101〜103とカメラの撮影画像を処理するカメラ入力部111〜113、表示装置130は複数の表示画面131〜134から構成され、表示制御部120によって個々の表示画面とカメラ部のいずれかの画像の対応付けを行う。またカメラ部各カメラはローテータ制御装置150からの制御信号によりローテータ141〜143を制御しカメラ部各カメラを回転させる。
【0004】
いったん表示制御部120によってカメラと子画面との対応付けを行った後に不審者が一つのカメラの視野から外れる場合、監視者は人為的に、たとえば表示カメラ切り替え装置135〜138を操作し切り替え、あるいはローテータを回転させ不審者を追尾する。特許文献1ではカメラの視野に入った不審者の位置を三角測量の手法を用い求め、一定時間後の位置との差分から不審者の移動を算出、当該カメラの視野から外れた場合に他の監視カメラに不審者の監視を引き継ぐ監視システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−092751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで監視カメラには必ずしもローテータが付属しているものではない。ローテータが付属していない監視カメラで不審者の追尾を行う場合、監視者は監視画像を見ながら移動方向を地図上で確認、次に移動するであろうカメラを特定しそのカメラを画面上に表示させる手順をとる。ローテータが付属している場合であっても監視者がローテータ制御装置150を操作せねばならず手間がかかる。特許文献1の方法であってもローテータの制御を行うためのコストがかかり、そもそもローテータおよび制御装置の導入費用がかかる。
【0007】
本発明の目的はローテータの付属していない監視カメラにあっても、不審者を検出し移動方向を計算し、移動方向にあって監視カメラ視野内に入ると推測されるカメラを特定、特定されたカメラの画像を表示装置に通過すると推測される順に表示画面を並べ替え表示させることのできる監視画面の表示制御装置を提供することにある。
【0008】
侵入者が監視カメラの撮影範囲に入った場合、侵入者の移動方向を計算し、移動方向にある監視カメラの撮影画像を監視モニタで移動する方向に存在・通過する確率が高い順に撮影画像を切り替える画像監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の監視画面表示制御装置は2台以上の監視カメラと、監視画像を表示する複数の表示画面を持つ表示装置と、監視カメラ画像の表示位置を決定する表示制御部と、正常時の画像が保存される正常時画像保存部と、表示制御部からの現在表示中のカメラを特定されたカメラ切換部と、正常時画像保存部の画像と比較処理を行う画像比較部と、比較後画像から不審者として認識される固体に分割する個体分割部と、移動方向を検出するための移動方向検出部と、移動方向を検出するためのt時間前の画像を保存する保存部と、移動方向検出部で求められた移動方向とあらかじめ保存されているカメラ表示装置多画面表示を行う表示装置(モニタ)と、監視カメラと表示画面を関連付ける制御装置から構成される。さらに制御装置は監視カメラが撮影している画像の正常状態を記録した画像と撮影中画像との差分を検出する装置と検出された差分が画面上で移動する方向を計算する装置から構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の監視画面表示制御方法によれば、次のような効果がある。
(1)不審者を検知しこれを表示装置上に目立たせ表示させ、監視者の注力を注ぐことができる。
(2)不審者の移動方向にあるカメラ画像を表示装置に順次表示させ監視者の注力を注ぐことができる。
(3)複数の不審者がある場合、特定の不審者に対し動きを監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、一般的な複数の監視カメラを用いた監視画像表示システムの一例を示したブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態を示すシステム構成図である。
【図3】図3は、カメラの配置を仮想的な2次元空間にマッピングした図である。
【図4】図4は、カメラの配置が保管されるカメラ配置保管部の格納形式を示した図である。
【図5】図5は、不審者を個体として求めるまでの過程を示した図である。
【図6】図6は、不審者の移動方向(移動直線)を求めるまでの過程を示した図である。
【図7】図7は、不審者の移動方向(移動直線)である。
【図8】図8は、不審者の移動先にあるカメラを抽出する処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】図9は、各カメラの撮影方向にある仮想的な直線921、931と不審者の移動方向(移動直線)901との交点を求めた後に各カメラの背面に交点がある場合に監視対象カメラから除外している理由を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した監視画像画面表示システムの一実施の形態について説明する。
図1は、一般的な複数の監視カメラを用いた監視画像表示システムの一例を示したものである。複数の監視カメラ101〜103とローテータ141〜143と表示制御部120と表示部130とローテータ制御装置150から構成されている例である。
【0013】
各カメラ101〜103はローテータ141〜143とに接続されている。カメラの画像はカメラ入力部111〜113および表示装置130を経由し表示装置の子画面131〜134に表示される。ローテータを回転させるにはローテータ制御装置150によりたとえばジョイスティックを使いカメラを旋回させたい方向に操作する。この操作によってローテータのモータが回転しこれに伴ってカメラが回転する。監視カメラの画像信号は表示装置の表示画面に表示されるが、どの画面に表示されるかは表示制御部によって決められる。監視者が表示装置の表示画面に表示されている画像を切り替えるにはカメラ切替え装置を用い必要なカメラを選択し表示画像を切り替える。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態の一例を示すシステム構成図であり、本監視画像表示システムは、監視を行う監視カメラ201〜2nn、正常時画像保存部204、カメラで撮影した画像から不審者を抽出するための画像比較部205と、移動方向を求める移動方向検出部207と、カメラ配置保管部208と、移動方向検出部207により求まる移動方向にある移動方向カメラ検出部209、表示装置220は監視中カメラ画像を表示する子画面221と、移動方向のカメラ画像を表示する子画面222〜227と、子画面221に表示させる監視対象カメラを切り替える監視カメラ切り替え器230と後述の個体分割部により認識される個体を切り替える個体切り替え器240を含み、移動方向カメラ検出部209で求まった移動方向にあるカメラ画像を表示順に並び変える表示制御部210から構成される。
【0015】
正常時画像保存部204はあらかじめ撮影された各カメラの撮影範囲の正常時の画像が記録されている。画像比較部は正常時画像保存部204にある正常時画像と監視中のカメラ画像との差分を抽出する機能を備えている。この抽出された差分画像が不審者としてみなされる。移動方向検出部207は画像比較部205で抽出した差分画像を同じ手法で取得したt時間前に取得した差分画像から移動方向を求める機能が備わっている。カメラ配置保管部208は本監視画像表示システムで用いられるカメラの配置図を記録したカメラ地図である。
【0016】
図3はカメラの配置を仮想的な2次元空間にマッピングした図である。カメラC1(301)を例にとると、カメラC1の撮影方向に仮想的な直線311を設定する。カメラC1の仮想空間上の位置は(X1,Y1)、傾きはtan(θ1)であり直線式は次式となる。
y=tan(θ1)x+m1
【0017】
図4はこの配置が保管されるカメラ配置保管部の格納形式を示した図である。配置情報である位置x、位置y、傾きおよび直線式をすべての監視カメラについて設定し、それぞれ位置X402、位置Y403、傾きθ404および直線式405に格納される。カメラNo.401はカメラを一意に識別する固体番号である。
【0018】
図5は個体分割部の動作を示したものである。あらかじめ正常時の画像を撮影し正常時画像保存部に正常時画像501として格納させる。正常時画像501と撮影中の画像である撮影画像502との差分を差分画像503として取得する。さらに差分画像503は複数の個体を外接矩形(図中では511、512)として分割される。分割にあっては差分画像503に対し2値化を行い、差分画像を黒とした場合、周囲に一定以上の連続した白画素があるものを個体として分割認識させる。
【0019】
図6不審者の移動方向(移動直線)を求めるまでの過程を示したものである。移動方向の検出はt時間間隔で行われ、t時間前の個体の前述の個体分割部で求めた外接矩形の重心を(xd1, yd1)とし、現在撮影中の個体の外接矩形の重心を(xd2, yd2)としたとき移動直線はこの2点間を通る直線631として求まる。(図7)
【0020】
【数1】
【0021】
不審者の移動方向(移動直線)検出は前述の個体分割部で求められた個々の個体に対して求める。
【0022】
図8は不審者の移動先にあるカメラを抽出する処理の概要を示すフローチャートである。現在不審者を監視しているカメラを除いたすべてのカメラについて各カメラの直線式と不審者の移動直線との交点を求め(803)、交点が求まる場合、各カメラの背面に交点ができるカメラを除いたカメラを監視対象カメラの候補とする(806)。候補にあがった交点と現在不審者を監視しているカメラとの距離を求め(807)これを昇順にソートする(809)。
【0023】
図9は前述の各カメラの撮影方向にある仮想的な直線921、931と不審者の移動方向(移動直線)901との交点を求めた後に各カメラの背面に交点がある場合に監視対象カメラから除外している理由を示したものである。不審者の移動方向(移動直線)との交点は複数計算されるがカメラの背後に交点がある場合(932)、すなわちカメラの背後を不審者が通過する場合、そのカメラを監視対象とすることに意味をなさないからである。
【0024】
監視者は表示装置220にあるカメラ切り替え器230にて監視の対象とするカメラを選択し子画面221にその監視画像を表示させる。このとき複数の不審者があれば個体分割部によって個々の個体に分割され、個体切り替え器240のリストが分割された個体リストに書き換えられる。監視者はさらに個体切り替え器240を操作することで気になる不審者を特定する。不審者の動きは移動方向検出部207で計算され、移動方向にある監視カメラが移動方向検出部209で求められる。求められた監視画像は子画面222から現在監視中のカメラから近い順に表示される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
不審者の監視のみならず、迷子の監視システムにも利用できる。
【符号の説明】
【0026】
201,2nn 監視カメラ
203 カメラ入力切換部
204 正常時画像保存部
205 画像比較部
206 移動方向検出用画像保存部
207 移動方向検出部
208 カメラ配置保管部
209 移動方向カメラ検出部
210 表示制御部
220 表示装置
221,222〜227 子画面
230 カメラ切り替え器
240 個体切り替え器
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ監視における監視画面表示制御に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫等の監視では多方向に向いた複数のカメラを配置し、監視者は一般にこれらをひとつの表示画面に対し対象となるカメラ旋廻装置がない場合切り替え表示させる、あるいは複数の表示装置を並べ複数のカメラ画像を同時に表示させる、あるいはひとつの表示画面を複数の子画面に分割し複数のカメラ画像を同時に表示させ監視を行う。しかし複数の表示装置を並べる方法やひとつの画面を複数の子画面に分割する方法では、複数の画面を同時に注視しなければならず、必ずしも不審者の接近など監視画面の異常に直ちに気づくことはできない。また監視カメラの視野外に不審者が移動する場合に、不審者が次に映るだろうカメラ画像を探すことは困難である。
【0003】
図1は複数の監視カメラと接続された監視システムの概要を示すブロック構成図である。撮影を行うカメラ部101〜103とカメラの撮影画像を処理するカメラ入力部111〜113、表示装置130は複数の表示画面131〜134から構成され、表示制御部120によって個々の表示画面とカメラ部のいずれかの画像の対応付けを行う。またカメラ部各カメラはローテータ制御装置150からの制御信号によりローテータ141〜143を制御しカメラ部各カメラを回転させる。
【0004】
いったん表示制御部120によってカメラと子画面との対応付けを行った後に不審者が一つのカメラの視野から外れる場合、監視者は人為的に、たとえば表示カメラ切り替え装置135〜138を操作し切り替え、あるいはローテータを回転させ不審者を追尾する。特許文献1ではカメラの視野に入った不審者の位置を三角測量の手法を用い求め、一定時間後の位置との差分から不審者の移動を算出、当該カメラの視野から外れた場合に他の監視カメラに不審者の監視を引き継ぐ監視システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−092751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで監視カメラには必ずしもローテータが付属しているものではない。ローテータが付属していない監視カメラで不審者の追尾を行う場合、監視者は監視画像を見ながら移動方向を地図上で確認、次に移動するであろうカメラを特定しそのカメラを画面上に表示させる手順をとる。ローテータが付属している場合であっても監視者がローテータ制御装置150を操作せねばならず手間がかかる。特許文献1の方法であってもローテータの制御を行うためのコストがかかり、そもそもローテータおよび制御装置の導入費用がかかる。
【0007】
本発明の目的はローテータの付属していない監視カメラにあっても、不審者を検出し移動方向を計算し、移動方向にあって監視カメラ視野内に入ると推測されるカメラを特定、特定されたカメラの画像を表示装置に通過すると推測される順に表示画面を並べ替え表示させることのできる監視画面の表示制御装置を提供することにある。
【0008】
侵入者が監視カメラの撮影範囲に入った場合、侵入者の移動方向を計算し、移動方向にある監視カメラの撮影画像を監視モニタで移動する方向に存在・通過する確率が高い順に撮影画像を切り替える画像監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の監視画面表示制御装置は2台以上の監視カメラと、監視画像を表示する複数の表示画面を持つ表示装置と、監視カメラ画像の表示位置を決定する表示制御部と、正常時の画像が保存される正常時画像保存部と、表示制御部からの現在表示中のカメラを特定されたカメラ切換部と、正常時画像保存部の画像と比較処理を行う画像比較部と、比較後画像から不審者として認識される固体に分割する個体分割部と、移動方向を検出するための移動方向検出部と、移動方向を検出するためのt時間前の画像を保存する保存部と、移動方向検出部で求められた移動方向とあらかじめ保存されているカメラ表示装置多画面表示を行う表示装置(モニタ)と、監視カメラと表示画面を関連付ける制御装置から構成される。さらに制御装置は監視カメラが撮影している画像の正常状態を記録した画像と撮影中画像との差分を検出する装置と検出された差分が画面上で移動する方向を計算する装置から構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の監視画面表示制御方法によれば、次のような効果がある。
(1)不審者を検知しこれを表示装置上に目立たせ表示させ、監視者の注力を注ぐことができる。
(2)不審者の移動方向にあるカメラ画像を表示装置に順次表示させ監視者の注力を注ぐことができる。
(3)複数の不審者がある場合、特定の不審者に対し動きを監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、一般的な複数の監視カメラを用いた監視画像表示システムの一例を示したブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態を示すシステム構成図である。
【図3】図3は、カメラの配置を仮想的な2次元空間にマッピングした図である。
【図4】図4は、カメラの配置が保管されるカメラ配置保管部の格納形式を示した図である。
【図5】図5は、不審者を個体として求めるまでの過程を示した図である。
【図6】図6は、不審者の移動方向(移動直線)を求めるまでの過程を示した図である。
【図7】図7は、不審者の移動方向(移動直線)である。
【図8】図8は、不審者の移動先にあるカメラを抽出する処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】図9は、各カメラの撮影方向にある仮想的な直線921、931と不審者の移動方向(移動直線)901との交点を求めた後に各カメラの背面に交点がある場合に監視対象カメラから除外している理由を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した監視画像画面表示システムの一実施の形態について説明する。
図1は、一般的な複数の監視カメラを用いた監視画像表示システムの一例を示したものである。複数の監視カメラ101〜103とローテータ141〜143と表示制御部120と表示部130とローテータ制御装置150から構成されている例である。
【0013】
各カメラ101〜103はローテータ141〜143とに接続されている。カメラの画像はカメラ入力部111〜113および表示装置130を経由し表示装置の子画面131〜134に表示される。ローテータを回転させるにはローテータ制御装置150によりたとえばジョイスティックを使いカメラを旋回させたい方向に操作する。この操作によってローテータのモータが回転しこれに伴ってカメラが回転する。監視カメラの画像信号は表示装置の表示画面に表示されるが、どの画面に表示されるかは表示制御部によって決められる。監視者が表示装置の表示画面に表示されている画像を切り替えるにはカメラ切替え装置を用い必要なカメラを選択し表示画像を切り替える。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態の一例を示すシステム構成図であり、本監視画像表示システムは、監視を行う監視カメラ201〜2nn、正常時画像保存部204、カメラで撮影した画像から不審者を抽出するための画像比較部205と、移動方向を求める移動方向検出部207と、カメラ配置保管部208と、移動方向検出部207により求まる移動方向にある移動方向カメラ検出部209、表示装置220は監視中カメラ画像を表示する子画面221と、移動方向のカメラ画像を表示する子画面222〜227と、子画面221に表示させる監視対象カメラを切り替える監視カメラ切り替え器230と後述の個体分割部により認識される個体を切り替える個体切り替え器240を含み、移動方向カメラ検出部209で求まった移動方向にあるカメラ画像を表示順に並び変える表示制御部210から構成される。
【0015】
正常時画像保存部204はあらかじめ撮影された各カメラの撮影範囲の正常時の画像が記録されている。画像比較部は正常時画像保存部204にある正常時画像と監視中のカメラ画像との差分を抽出する機能を備えている。この抽出された差分画像が不審者としてみなされる。移動方向検出部207は画像比較部205で抽出した差分画像を同じ手法で取得したt時間前に取得した差分画像から移動方向を求める機能が備わっている。カメラ配置保管部208は本監視画像表示システムで用いられるカメラの配置図を記録したカメラ地図である。
【0016】
図3はカメラの配置を仮想的な2次元空間にマッピングした図である。カメラC1(301)を例にとると、カメラC1の撮影方向に仮想的な直線311を設定する。カメラC1の仮想空間上の位置は(X1,Y1)、傾きはtan(θ1)であり直線式は次式となる。
y=tan(θ1)x+m1
【0017】
図4はこの配置が保管されるカメラ配置保管部の格納形式を示した図である。配置情報である位置x、位置y、傾きおよび直線式をすべての監視カメラについて設定し、それぞれ位置X402、位置Y403、傾きθ404および直線式405に格納される。カメラNo.401はカメラを一意に識別する固体番号である。
【0018】
図5は個体分割部の動作を示したものである。あらかじめ正常時の画像を撮影し正常時画像保存部に正常時画像501として格納させる。正常時画像501と撮影中の画像である撮影画像502との差分を差分画像503として取得する。さらに差分画像503は複数の個体を外接矩形(図中では511、512)として分割される。分割にあっては差分画像503に対し2値化を行い、差分画像を黒とした場合、周囲に一定以上の連続した白画素があるものを個体として分割認識させる。
【0019】
図6不審者の移動方向(移動直線)を求めるまでの過程を示したものである。移動方向の検出はt時間間隔で行われ、t時間前の個体の前述の個体分割部で求めた外接矩形の重心を(xd1, yd1)とし、現在撮影中の個体の外接矩形の重心を(xd2, yd2)としたとき移動直線はこの2点間を通る直線631として求まる。(図7)
【0020】
【数1】
【0021】
不審者の移動方向(移動直線)検出は前述の個体分割部で求められた個々の個体に対して求める。
【0022】
図8は不審者の移動先にあるカメラを抽出する処理の概要を示すフローチャートである。現在不審者を監視しているカメラを除いたすべてのカメラについて各カメラの直線式と不審者の移動直線との交点を求め(803)、交点が求まる場合、各カメラの背面に交点ができるカメラを除いたカメラを監視対象カメラの候補とする(806)。候補にあがった交点と現在不審者を監視しているカメラとの距離を求め(807)これを昇順にソートする(809)。
【0023】
図9は前述の各カメラの撮影方向にある仮想的な直線921、931と不審者の移動方向(移動直線)901との交点を求めた後に各カメラの背面に交点がある場合に監視対象カメラから除外している理由を示したものである。不審者の移動方向(移動直線)との交点は複数計算されるがカメラの背後に交点がある場合(932)、すなわちカメラの背後を不審者が通過する場合、そのカメラを監視対象とすることに意味をなさないからである。
【0024】
監視者は表示装置220にあるカメラ切り替え器230にて監視の対象とするカメラを選択し子画面221にその監視画像を表示させる。このとき複数の不審者があれば個体分割部によって個々の個体に分割され、個体切り替え器240のリストが分割された個体リストに書き換えられる。監視者はさらに個体切り替え器240を操作することで気になる不審者を特定する。不審者の動きは移動方向検出部207で計算され、移動方向にある監視カメラが移動方向検出部209で求められる。求められた監視画像は子画面222から現在監視中のカメラから近い順に表示される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
不審者の監視のみならず、迷子の監視システムにも利用できる。
【符号の説明】
【0026】
201,2nn 監視カメラ
203 カメラ入力切換部
204 正常時画像保存部
205 画像比較部
206 移動方向検出用画像保存部
207 移動方向検出部
208 カメラ配置保管部
209 移動方向カメラ検出部
210 表示制御部
220 表示装置
221,222〜227 子画面
230 カメラ切り替え器
240 個体切り替え器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視カメラで撮影された画像を表示装置に表示する際に、その監視画面表示を制御し前記監視カメラと表示画面とを関連付ける監視画面表示制御装置であって、
前記表示装置に表示する画面を複数の子画面に分割し、該子画面の表示位置と大きさとを監視者が認識しやすい位置・大きさに並べ、前記監視カメラの撮影画像を前記表示装置上の子画面に割り当て、表示位置を決定する表示制御部と、
前記監視カメラによる正常時の画像を保存する正常時画像保存部と、
該正常時画像保存部によりあらかじめ保存された正常時画像と現在撮影中の画像との比較を行う画像比較部と、
該画像比較部により比較した差分画像を保存する移動方向検出用画像保存部と、
該移動方向検出用画像保存部により保存された差分画像をさらに所定時間経過後とのそれと比較し、該差分画像が画面上で移動する移動方向を検出する移動方向検出部と、
該移動方向検出部により検出した移動方向にあるカメラを選択するカメラ切り替え部と、
とを有する監視画面表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載した監視画面表示制御装置であって、
前記カメラ切り替え部は、仮想的な2次元の座標にカメラの撮影方向をベクトルとして表し、前記移動方向検出部が検出した画面の移動方向をこの座標に当てはめ、移動方向を延長した方向と交差するカメラを順次ピックアップし交差した順に移動方向にあるカメラであると決定してカメラを切り替えることを特徴とする監視画面表示制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載した監視画面表示制御装置であって、
前記カメラ切り替え部は、現在監視中のカメラから近い順に移動方向にあるカメラ画像を表示させることを特徴とする監視画面表示制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載した監視画面表示制御装置であって、
前記画像比較部により比較した比較後画像から不審者として認識される固体に分割する個体分割部と、
該個体分割部により個体に分割された不審者が複数ある場合、該個体分割部は該複数の不審者を個々の個体に分割し、前記移動方向検出部はそれらの個々の個体の移動方向を求め、前記カメラ切り替え部はそれらの個々の個体について移動方向にあるカメラを選択し、前記表示制御部はそれらの個々の個体について移動方向にあるカメラの画像を子画面に割り当てて表示することを特徴とする監視画面表示制御装置。
【請求項1】
複数の監視カメラで撮影された画像を表示装置に表示する際に、その監視画面表示を制御し前記監視カメラと表示画面とを関連付ける監視画面表示制御装置であって、
前記表示装置に表示する画面を複数の子画面に分割し、該子画面の表示位置と大きさとを監視者が認識しやすい位置・大きさに並べ、前記監視カメラの撮影画像を前記表示装置上の子画面に割り当て、表示位置を決定する表示制御部と、
前記監視カメラによる正常時の画像を保存する正常時画像保存部と、
該正常時画像保存部によりあらかじめ保存された正常時画像と現在撮影中の画像との比較を行う画像比較部と、
該画像比較部により比較した差分画像を保存する移動方向検出用画像保存部と、
該移動方向検出用画像保存部により保存された差分画像をさらに所定時間経過後とのそれと比較し、該差分画像が画面上で移動する移動方向を検出する移動方向検出部と、
該移動方向検出部により検出した移動方向にあるカメラを選択するカメラ切り替え部と、
とを有する監視画面表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載した監視画面表示制御装置であって、
前記カメラ切り替え部は、仮想的な2次元の座標にカメラの撮影方向をベクトルとして表し、前記移動方向検出部が検出した画面の移動方向をこの座標に当てはめ、移動方向を延長した方向と交差するカメラを順次ピックアップし交差した順に移動方向にあるカメラであると決定してカメラを切り替えることを特徴とする監視画面表示制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載した監視画面表示制御装置であって、
前記カメラ切り替え部は、現在監視中のカメラから近い順に移動方向にあるカメラ画像を表示させることを特徴とする監視画面表示制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載した監視画面表示制御装置であって、
前記画像比較部により比較した比較後画像から不審者として認識される固体に分割する個体分割部と、
該個体分割部により個体に分割された不審者が複数ある場合、該個体分割部は該複数の不審者を個々の個体に分割し、前記移動方向検出部はそれらの個々の個体の移動方向を求め、前記カメラ切り替え部はそれらの個々の個体について移動方向にあるカメラを選択し、前記表示制御部はそれらの個々の個体について移動方向にあるカメラの画像を子画面に割り当てて表示することを特徴とする監視画面表示制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−145730(P2011−145730A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3655(P2010−3655)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
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