説明

監視装置および方法、並びにプログラム

【課題】登録すべき人物の顔画像を正確に登録できるようにする。
【解決手段】不審者判定部227は、照合部22の照合結果により、照合対象者の顔画像が生体情報DB22に登録されているか否かを判定する。照合対象者が生体情報DB22の顔画像と一致する場合、エリア移動履歴記録部228は、エリア移動履歴DB20に人物IDに対応付けて特定されたエリアを記憶させる。仮登録部242は、エリア移動履歴DB20の人物IDのエリアのパターンが、不審者の行動パターンである場合、生体情報DB22の人物IDに対応付けて不審者フラグを仮登録する。本登録部244は、照合対象者の顔画像が、不審者フラグが仮登録され、かつ、照合対象者の顔画像が景品交換カウンタで撮像されたものである場合、生体情報DB22の人物IDに対応付けて不審者フラグを本登録する。本発明は、監視システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、遊技客の来店管理や不正行為を適切に監視できるようにした監視装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技店においては、店内に遊技者の顔画像を撮像して来店管理や不正行為を監視する技術が提案されている。
【0003】
このような技術としては、遊技店において、顔画像を用いて不審者を登録するにあたり、遊技台において検出した不正行為情報に基づいて、そのときに遊技台で遊技している人物の顔画像を不審者の顔画像として登録するというものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、入口および出口に設置されたカメラにより、来店する遊技者の顔画像を撮像し、入退店履歴を管理する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−178958号公報
【特許文献2】特開2007−020653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術においては、遊技台において不正行為が検知できなかった場合、不審者として遊技者の顔画像を登録することができない恐れがあった。
【0007】
また、特許文献2の技術においては、一般的に店舗の出入口は自然光や自動車のヘッドライトなどの外乱光の影響により来店時の遊技者の顔画像をうまく撮像できない場合がある。そのような場合、来店した遊技者が存在していないと判断されるか、または退店していないと判断されることになるため、来店した遊技者の正確な管理や監視ができない恐れがあった。
【0008】
このような顔画像の撮像の失敗を防止する手段として出入口にカメラを多数設置することで一定の回避は可能であるが、出入口を撮像するカメラが増加することにより同一人物を複数回撮像してしまうため、管理が複雑になる恐れがあった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、登録すべき人物の顔画像を正確に登録すると共に、登録した顔画像を適切に管理できるようにすることで、遊技者の来店管理や、不審者の不正行為などを適切に監視できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の監視装置は、照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段と、蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段と、複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段と、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段と、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段と、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段と、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段と、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段とを含む。
【0011】
前記所定のフラグは、前記蓄積者のうち、不正行為を働いた不審者であることを示すフラグとすることができる。
【0012】
前記所定のパターンは、前記照合対象者が不正行為を働く可能性のあるエリアのパターンとすることができる。
【0013】
前記所定のエリアは、前記照合対象者が不正行為を行う際、高確率で出現するエリアとすることができる。
【0014】
前記所定のエリアは、前記照合対象者が不正行為を行う際、高確率で出現する、遊技店における景品交換カウンタ近傍のエリアとすることができる。
【0015】
前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが登録された前記蓄積者の顔画像と一致する場合、不正行為を働いた不審者であることを発報する発報手段をさらに含ませるようにすることができる。
【0016】
前記本登録手段には、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものであり、さらに、不審者のとる所定の行動パターンを取っていた場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録させるようにすることができる。
【0017】
本発明の一側面の監視方法は、照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段と、蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段と、複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段と、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段と、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段と、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段と、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段と、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段とを含む監視装置の監視方法であって、前記撮像手段における、照合対象者の顔画像を撮像する撮像ステップと、前記エリア特定手段における、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像ステップの処理により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定ステップと、前記照合手段における、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合ステップと、前記照合判定手段における、前記照合ステップの処理での照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定ステップと、前記エリア履歴記憶手段における、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定ステップの処理により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶ステップと、前記仮登録手段における、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録ステップと、前記本登録手段における、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録ステップとを含む。
【0018】
本発明の一側面のプログラムは、照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段と、蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段と、複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段と、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段と、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段と、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段と、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段と、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段とを含む監視装置を制御するコンピュータに、前記撮像手段における、照合対象者の顔画像を撮像する撮像ステップと、前記エリア特定手段における、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像ステップの処理により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定ステップと、前記照合手段における、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合ステップと、前記照合判定手段における、前記照合ステップの処理での照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定ステップと、前記エリア履歴記憶手段における、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定ステップの処理により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶ステップと、前記仮登録手段における、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録ステップと、前記本登録手段における、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録ステップとを含む処理を実行させる。
【0019】
本発明の一側面においては、照合対象者の顔画像が撮像され、蓄積者の顔画像が蓄積者データベースに蓄積され、複数のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアが記憶され、記憶された情報に基づいて、照合対象者の顔画像が撮像されたエリアが特定され、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度が計算されて、照合され、照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かが判定され、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、特定されたエリアがエリア履歴データベースに記憶され、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグが仮登録され、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグが本登録される。
【0020】
本発明の一側面の監視装置における、照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段とは、例えば、入口カメラ、店内カメラ、および出口カメラであり、蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段とは、例えば、生体情報データベースであり、複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段とは、例えば、エリアテーブルであり、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段とは、例えば、エリア特定部であり、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段とは、例えば、照合部であり、前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段とは、例えば、不審者判定部であり、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段とは、例えば、エリア移動履歴記録部であり、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段とは、例えば、仮登録部であり、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段とは、例えば、本登録部である。
【0021】
すなわち、照合対象者の顔画像が撮像される度に、撮像位置のエリアがエリア履歴データベースに蓄積され、顔画像が撮像されたエリアのパターンが、所定のパターン、すなわち、例えば、遊技店において不正行為が疑われる際に撮像されるであろうエリアのパターンと一致する場合、所定のフラグ、例えば、不審者を示すフラグが蓄積者データベースに仮登録される。さらに、所定のフラグ、例えば、不審者を示すフラグが仮登録された照合対象者の顔画像が、特定のエリア、例えば、不正行為が行われる際に、確実に撮像される、遊技店における景品交換カウンタ近傍のエリアにて撮像された場合、所定のフラグ、すなわち、例えば、不審者を示すフラグが蓄積者データベースに本登録される。
【0022】
このため、照合対象者うち、不正行為を行う可能性の高い人物の顔画像のみに不審者を示すフラグを仮登録させることが可能となる。また、不審者のフラグが仮登録されている人物の顔画像画が、不正行為がなされることが明らかなエリアで撮像された場合にのみ、不審者として蓄積者データベースに本登録される。
【0023】
結果として、不審者のフラグが顔画像に対応付けられて、仮登録、および本登録といったように段階的で、かつ、自動的に蓄積者としてデータベースに登録することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、遊技者の来店管理や、不審者の不正行為などを適切に監視することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用した監視システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】図1のカメラの設置例を示す図である。
【図3】図1のカメラの設置例を示す図である。
【図4】図1のカメラの設置例を示す図である。
【図5】図1のカメラの設置例を示す図である。
【図6】図1のカメラの設置例を示す図である。
【図7】図1のカメラの設置例を示す図である。
【図8】図1の入口カメラ、出口カメラ、および店内カメラの設置例を示す図である。
【図9】図1の画像処理ユニットの構成例を説明する図である。
【図10】図1の生体情報認識装置の第1の実施の形態の構成例を説明する図である。
【図11】図10の生体情報認識装置による監視処理を説明するフローチャートである。
【図12】図11の類似度計算処理を説明するフローチャートである。
【図13】エリアテーブルの構成例を説明する図である。
【図14】生体情報データベースの構成例を説明する図である。
【図15】エリア移動履歴データベースの構成例を説明する図である。
【図16】不審者の仮登録処理におけるパターンテーブルの例を説明する図である。
【図17】不審者の本登録処理におけるパターンテーブルの例を説明する図である。
【図18】顔画像管理処理を説明するフローチャートである。
【図19】顔画像管理処理を説明する図である。
【図20】図1の生体情報認識装置の第2の実施の形態の構成例を説明する図である。
【図21】図20の生体情報認識装置による監視処理を説明するフローチャートである。
【図22】図20の生体情報認識装置による監視処理における不審者登録処理を説明する図である。
【図23】パーソナルコンピュータの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0027】
すなわち、本発明の一側面の監視装置は、照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段(例えば、図1の入口カメラ40、店内カメラ41、出口カメラ42、およびカウンタカメラ43)と、蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段(例えば、図10の生体情報データベース22)と、複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段(例えば、図10のエリアテーブル229a)と、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段(例えば、図10のエリア特定部229)と、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段(例えば、図10の照合部222)と、前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段(例えば、図10の不審者判定部227)と、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベース(例えば、図10のエリア移動履歴DB20)に記憶させるエリア履歴記憶手段(例えば、図10のエリア移動履歴記録部228)と、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段(例えば、図10の仮登録部242)と、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段(例えば、図10の本登録部244)とを含む。
【0028】
前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが登録された前記蓄積者の顔画像と一致する場合、不正行為を働いた不審者であることを発報する発報手段(例えば、図10の表示部23、通信部224、および携帯端末19)をさらに含ませるようにすることができる。
【0029】
本発明の一側面の監視方法は、照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段と、蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段と、複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段と、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段と、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段と、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段と、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段と、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段とを含む監視装置の監視方法であって、前記撮像手段における、照合対象者の顔画像を撮像する撮像ステップ(例えば、図11のステップS2)と、前記エリア特定手段における、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像ステップの処理により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定ステップ(例えば、図11のステップS26)と、前記照合手段における、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合ステップ(例えば、図11のステップS24)と、前記照合判定手段における、前記照合ステップの処理での照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定ステップ(例えば、図11のステップS28)と、前記エリア履歴記憶手段における、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定ステップの処理により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶ステップ(例えば、図11のステップS27)と、前記仮登録手段における、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録ステップ(例えば、図11のステップS37)と、前記本登録手段における、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録ステップ(例えば、図11のステップS35)とを含む。
【0030】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお
、説明は以下の順序で行う。
1. 第1の実施の形態(生体情報認識装置が単独で実行する一例)
2. 第2の実施の形態(生体情報認識装置により呈示される情報に対する遊技店の係員の操作に基づいて実行する一例)
【0031】
<第1の実施の形態>
[監視システムの実施の形態の構成例]
図1は、本発明に係る遊技店の監視システムの実施の形態の構成例を示す図である。
【0032】
遊技店1−1乃至1−nは、いわゆるパチンコ店、パチスロ店、または、カジノ店である。また、これらの遊技店1−1乃至1−nは、系列店舗または生体情報管理センタや第3者遊技店管理センタの加盟店であって、複数の店舗を統括的に管理する必要のある店舗である。各遊技店1−1乃至1−nは、生体情報管理バス6および第3者遊技店管理バス7により接続されており、それらのバスおよびインターネット等に代表される公衆通信回線網8,9を介して、相互にそれぞれ生体情報、および第3者遊技店管理情報を授受している。尚、以降において、遊技店1−1乃至1−nのそれぞれについて、特に区別する必要がない場合、単に、遊技店1と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
【0033】
生体情報管理バス6は、主に各遊技店1の生体情報認識装置21により管理される生体情報を流通させるための伝送路として機能する。また、第3者遊技店管理バス7は、主に各遊技店1の媒体貸出管理装置27により管理される媒体貸出管理情報を流通させるための伝送路として機能する。
【0034】
生体情報管理センタ2は、生体情報管理センタを管理運営する事業者により使用されるサーバであり、生体情報管理データベース(以降、DBとも称するものとする)3で管理されている登録遊技者DBを各遊技店1により生成される未登録遊技者DBに基づいて更新すると供に、更新した最新の登録遊技者DBを各遊技店1の生体情報認識装置21に対して配信する。
【0035】
第3者遊技店管理センタ4は、第3者遊技店管理センタを管理運営する事業者により使用されるサーバであり、第3者遊技店管理データベース(DB)5で管理されている媒体貸出管理情報からなるDBを各遊技店1より供給されてくる情報に基づいて更新すると供に、更新した最新の媒体貸出管理情報を各遊技店1の媒体貸出管理装置27に対して配信する。
【0036】
生体情報認識装置21は、カメラ38−1乃至38−m、入口カメラ40−1乃至40−p、店内カメラ41−1乃至41−q、出口カメラ42−1乃至42−r、およびカウンタカメラ43により撮像された画像より画像処理ユニット39−1乃至39−(m+p+q+r+1)により抽出されて、生体情報バス31を介して供給されてくる顔画像の情報に基づいて、生体情報データベース22に予め登録されている顔画像と照合し、一致する場合、一致した顔画像、または、顔画像を識別する人物IDに対応付けて、撮像されたエリアを特定する情報と共に、エリア移動履歴データベース20に登録する。そして、生体情報認識装置21は、エリア移動履歴データベース20に人物IDに対応付けて登録されているエリアの情報に基づいて、不正な行動を取る際に頻繁に現れるエリアのパターンが検出されると、生体情報データベース22の顔画像に対応付けて、不審者であることを示す不審者フラグを仮登録し、さらに、不審者フラグが仮登録されている状態で、不審者が必ず利用する景品交換カウンタで撮像され、エリア移動履歴データベース20に不正な行動を取る際の行動パターンが登録されているとき、不審者フラグを本登録する。さらに、生体情報認識装置21は、不審者フラグが付された顔画像と一致した場合、不審者、すなわち、不正登録遊技者の来店を携帯端末19に通知したり、有機EL(Electronic Luminescent)またはLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部23に表示して発報する。また、生体情報認識装置21は、生体情報データベース22に予め登録されている顔画像と照合し、一致しない場合、生体情報認識装置21は、生体情報管理データベース3にアクセスし、未登録者として図示せぬ未登録遊技者DBに登録する。さらに、生体情報認識装置21は、入口カメラ40により撮像された顔画像のうち、逆光や夜間の車両の前照灯の明かりなどによる白飛びにより鮮明に撮像することができなかった顔画像を、店内カメラ41、または出口カメラ42により撮像されている顔画像と照合し、一致するものがあれば置き換える。
【0037】
遊技店管理装置24は、いわゆるホールコンピュータと呼ばれるものであり、遊技店管理情報バス30を介して遊技台36−1乃至36−mの動作を監視している。遊技店管理装置24は、遊技台36の出玉もしくはメダルの払い出しの情報、各遊技台36−1乃至36−mの遊技者の呼び出し情報、またはエラーの発生などの監視状況に応じて、所定の処理を実行し、実行結果を有機ELやLCDなどからなる表示部23に表示する。遊技店管理装置24は、計数機35、遊技台36−1乃至36−m、および遊技台周辺端末37−1乃至37−mのそれぞれより供給されてくる情報を、それぞれを識別する識別情報(例えば、遊技台番号)とを対応付けて遊技台管理データベース26により管理する。
【0038】
媒体貸出管理装置27は、精算販売機33、および貸出機34からの情報に基づいて、貸し出される遊技媒体の媒体貸出管理情報を媒体貸出管理データベース29を用いて管理すると供に、媒体貸出管理データベース29に登録されている媒体貸出管理情報を更新する際、その更新情報を、第3者遊技店管理バス7および公衆通信回線網9を介して第3者遊技店管理センタ4に送る。さらに、媒体貸出管理装置27は、第3者遊技店管理バス7および公衆通信回線網9を介して第3者遊技店管理センタ4により供給されてくる媒体貸出管理情報を取得し、媒体貸出管理データベース29に蓄積させる。
【0039】
貸出機34は、遊技者が遊技台36で遊技する際、現金やプリペイドカードなどにより所定の金額を受け付けると、金額に応じた個数の遊技媒体を貸し出す。この際、貸出機34は、受け付けた現金やプリペイドカードの残数などの情報と供に、貸し出した遊技媒体の個数の情報を媒体貸出管理装置27に供給する。これにより、媒体貸出管理装置27は、受け付けた現金やプリペイドカードの残数などの情報と供に、貸し出した遊技媒体の個数の情報を媒体貸出管理情報データベース29に登録する。
【0040】
精算販売機33は、貸球を借りるための度数をつけてプリペイドカードを販売する。このとき、精算販売機33は、販売したプリペイドカードの度数と払いうけた金額とを媒体貸出管理装置27に供給する。また、精算販売機33は、プリペイドカードなどの度数として貸し出した遊技媒体の残数に基づいて現金を精算して払い出す。このとき、精算販売機33は、プリペイドカードの残数と払い戻した現金の金額を媒体貸出管理装置27に供給する。
【0041】
計数機35は、遊技者が遊技台36により遊技することにより獲得した遊技媒体の数を、計数し、計数結果を磁気カードやレシートなどとして出力する。尚、計数機35は、後述する図8でも示されるように、遊技媒体が遊技球である場合、その単価、例えば、1円/球用の計数機35−1、および4円/球用の計数機35−2を含むものである。
【0042】
遊技台36−1乃至36−mは、遊技者により所定の操作がなされることにより、遊技を実行し、いわゆる小当たりや大当たりに応じて、遊技球、または、メダルを払い出す。
【0043】
遊技台周辺端末37−1乃至37−mは、各遊技台36−1乃至36−mに対応して設けられている、いわゆる台間機であり、台間球貸機(原理的には、貸出機34と同様のもの)などが設けられている。また、遊技台周辺端末37は、遊技台36を遊技する遊技者の顔画像などの生体情報を取得し、遊技台識別情報(遊技台番号)と共に生体情報認識装置21に送信する。尚、図1においては、生体情報を取得する機能として、遊技者の顔画像を取得するカメラ38−1乃至38−mが設けられている例が示されている。
【0044】
カメラ38−1乃至38−mは、例えば、図2で示されるように、各遊技台36−1乃至36−4のそれぞれの上部に設けられた台表示ランプ61−1乃至61−4の下部に図3で示されるように、読取範囲δ内に遊技者が撮像できるように設け、顔画像を撮像するようにしてもよく、このようにすることにより、各カメラIDは、同時に遊技台IDとして使用することが可能となる。
【0045】
また、カメラ38−1乃至38−mは、例えば、図4で示されるように、遊技台周辺端末37−1乃至37−4に凸部71−1乃至71−4を設け、図5で示されるように読取範囲θ内に遊技者の顔画像が撮像できるように設けるようにしてもよい。
【0046】
さらに、カメラ38−1乃至38−mは、例えば、図6で示されるように、遊技台36の中央部(遊技台36の盤面上)に設けるようにして、撮像するようにしてもよい。すなわち、図6の設置部81にカメラ38が設置されることにより、図7で示されるように、読取範囲φ内に遊技者を撮像する。
【0047】
入口カメラ40−1乃至40−p、店内カメラ41−1乃至41−q、出口カメラ42−1乃至42−r、およびカウンタカメラ43は、遊技店1の店内における出入口および所定の場所に設置され、撮像した画像をそれぞれ画像処理ユニット39−(m+1)乃至39−(m+p+q+r+1)に供給する。
【0048】
入口カメラ40−1乃至40−p、店内カメラ41−1乃至41−q、出口カメラ42−1乃至42−r、およびカウンタカメラ43は、例えば、図8で示されるように設定される。図8は、遊技店1内の入口カメラ40−1乃至40−p、店内カメラ41−1乃至41−q、出口カメラ42−1乃至42−r、およびカウンタカメラ43の設置例を示している。
【0049】
すなわち、図8においては、出入口112−1乃至112−3が設けられており、入口カメラ40−1乃至40−3は、それぞれの出入口112より入店してくる遊技者を撮像し、出口カメラ42−1乃至42−3は、それぞれの出入口112より退店する遊技者を撮像する。また、店内カメラ41−1乃至41−10は、島設備111−1乃至111−5のそれぞれ両面をそれぞれ一列に渡って撮像できる位置に設定されている。島設備111は、両面に遊技台36が設置されており、すなわち、図中の島設備111を上下方向に挟むように設置されている。カウンタカメラ43は、景品交換カウンタ113で遊技により獲得した遊技球、またはメダルを計数機35により計数することで得られるレシートなどを、獲得した数量に応じた景品に交換する遊技者を撮像する。カメラ38、入口カメラ40、店内カメラ41、出口カメラ42、およびカウンタカメラ43は、いずれにおいてもパンチルトズーム機能を備えているため、図8で示されるように、店内カメラ41−1乃至41−10が配置されることにより、遊技台36で遊技する全遊技者が、店内カメラ41−1乃至41−10のいずれかで撮像できる。
【0050】
さらに、店内カメラ41−aは、貸出機34の前に設けられており、店内カメラ41−bは、精算販売機33の前に設けられており、店内カメラ41−cは、1円/球用である計数機35−1の前に設けられており、店内カメラ41−dは、4円/球用である計数機35−2の前に設けられており、それぞれ、貸出機34、精算販売機33、および計数機35−1,35−2を利用する遊技者を撮像することができる。
【0051】
すなわち、図8で示されるように、遊技店1においては、来店、および退店する遊技者、遊技台36で遊技する遊技者、並びに、貸出機34、精算販売機33、および計数機35−1,35−2を利用する遊技者といった、遊技店1において遊技者が取るであろうことが想定される行動のほぼ全てを監視できるように、カメラ38、入口カメラ40、店内カメラ41、出口カメラ42、およびカウンタカメラ43が設置されている。また、店内カメラ41は、図示しないが、例えば、トイレの出入口や、遊技台36が配置されていないが不正行為が行われ易い遊技店内の各所に設けられるようにしてもよい。
【0052】
[画像処理ユニットの構成例]
次に、図9を参照して、画像処理ユニット39の構成例について説明する。
【0053】
画像取得部201は、カメラ38(または、入口カメラ40もしくは店内カメラ41)により撮像された画像を取得し、顔画像抽出部202に供給する。顔画像抽出部202は、画像取得部201より供給されてきた画像内に、顔を構成する部位の配置などのパターンにより顔画像からなる矩形画像を抽出して送信部203に供給する。送信部203は、顔画像を生体情報認識装置21に送信する。
【0054】
[生体情報認識装置の構成例]
次に、図10を参照して、生体情報認識装置21の構成例について説明する。
【0055】
顔画像取得部221は、画像処理ユニット39より供給される顔画像を取得し、照合部222、およびエリア特定部229に供給する。照合部222は、顔画像取得部221により取得された顔画像と、生体情報DB22に予め登録されている登録遊技者の顔画像とを照合し、その顔画像と共に類似度を含む照合結果を不審者判定部227に供給する。不審者判定部227は、類似度に基づいて、生体情報DB22に登録された人物の顔画像であるか否かの判定結果を取得する。また、不審者判定部227は、登録された人物である場合、その顔画像に対応付けて、不審者フラグが本登録、または仮登録されているか基づいて、不審者であるか否かを判定し不審者登録部223に供給する。
【0056】
より詳細には、照合部222の特徴量抽出部231は、顔画像を識別するための特徴量を抽出して、顔画像と共に類似度計算部232に供給する。類似度計算部232は、生体情報DB22に登録されている登録遊技者の顔画像の特徴量を抽出すると供に、特徴量抽出部231より供給されてくる特徴量とを用いて、生体情報DB22に登録されている全ての登録遊技者の顔画像との類似度を求め、顔画像取得部221より供給されてきた顔画像、および、類似度が1位の顔画像を類似度判定部233に供給する。より具体的には、類似度計算部232は、例えば、目と目の間隔、あごから額までの長さと、あごから鼻までの長さの比率などの各種の顔の特徴量に基づいて、それぞれの差分和、平均比率、または比率和などを類似度として求める。
【0057】
類似度判定部233は、類似度計算部232より供給されてくる類似度を順次バッファ233aに蓄積し、顔画像の類似度のうち、1位となる顔画像との類似度と、所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、1位となる登録顔画像が、顔画像取得部221より供給されてきた顔画像に対して類似している場合(類似度が高い程類似していることを示す類似度の場合、所定の閾値よりも高いとき、また、類似度が低い程類似していることを示す類似度の場合、所定の閾値よりも低いとき)、1位となる顔画像と類似度の情報を不審者判定部227に供給する。また、類似度判定部233は、1位となる顔画像との類似度と、所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、1位となる登録顔画像が、顔画像取得部221より供給されてきた顔画像に対して類似していない場合、図示せぬ未登録遊技者データベースに登録する。
【0058】
不審者判定部227は、照合部222からの照合結果に基づいて、不審者フラグが本登録されている遊技者の顔画像である場合、表示部23に不正遊技者、すなわち、不審者の来店を通知すると共に、通信部224を制御して、遊技店1の係員により所持される携帯端末19に不正遊技者の来店を通知する。さらに、不審者判定部227は、照合部222からの照合結果が不審者フラグが本登録されている人物の顔画像ではない場合、その顔画像の情報を不審者登録部223に供給する。
【0059】
不審者登録部223は、不審者判定部227より不審者フラグが本登録されていないが、生体情報DB22に登録されている顔画像であるとみなされた顔画像が供給され、不審者フラグが仮登録されているときには、本登録すべきか否かを判定し、不審者フラグが仮登録されていない場合は、不審者フラグを仮登録するか否かを判定する。より詳細には、不審者登録部223は、仮登録判定部241、仮登録部242、本登録判定部243、および本登録部244を備えている。仮登録判定部241は、照合結果となる顔画像が通知されると、エリア移動履歴DB20にアクセスし、その顔画像を識別する人物IDに対応付けて登録されている、顔画像が撮像されたエリアの履歴を読み出し、パターンテーブル241aに記憶されている、不審者が不正行為をする際に撮像されるエリアのパターンと一致するか否かにより不審者フラグを仮登録するか否かを判定し、判定結果を仮登録部242に通知する。仮登録部242は、仮登録判定部241より仮登録の指示があるとき、生体情報DB22にアクセスし、対応する顔画像について、不審者フラグを仮登録する。本登録判定部243は、照合結果において、不審者フラグが仮登録されている顔画像が通知されると、その顔画像を識別する人物IDに対応付けて登録されている顔画像の人物の遊技履歴を遊技店管理装置24より取得し、パターンテーブル243aに記憶されている、不審者が不正行為をする際になされる行動パターンと一致するか否かにより不審者フラグを本登録するか否かを判定し、判定結果を本登録部244に通知する。本登録部244は、本登録判定部243より本登録の指示があるとき、生体情報DB22にアクセスし、対応する顔画像について、不審者フラグを本登録する。
【0060】
操作部225は、ボタン、マウス、または、キーボードなどから構成され、所定の動作がなされるとき、対応する操作信号を発生する。
【0061】
尚、ここでは、類似度は、例えば、比率和で示されるような登録遊技者として登録されている顔画像に近いほど高い値を示すものであるとし、類似度が所定の閾値よりも高い値であるとき、その類似度に対応する登録遊技者の顔画像であるものとして判定する例について説明する。しかしながら、例えば、類似度が撮像された顔画像と登録遊技者として登録されている顔画像とのそれぞれの特徴量における差分和として表現されている場合、類似度判定部233は、類似度が閾値よりも小さければ、撮像された顔画像が登録遊技者の顔画像であるとみなすことになり、または、平均比率などの場合、0乃至1の範囲で所定の値以上であって、1に近い値であれば、同一の人物であるとみなすことができる。
【0062】
データベース管理部226は、生体情報管理センタ2より新たな登録遊技者データベースが配信されてくると、新たな登録遊技者データベースに基づいて、生体情報DB22を更新する。また、データベース管理部226は、生体情報DB22において、例えば、入口カメラ40などにより来店時に逆光であったり、夜間などで来店時に背後の車両の前照灯により白飛びするなどして顔画像が鮮明に撮像できなかった場合、店内カメラ41、または出口カメラ42などにより鮮明に撮像された顔画像に置換する。このようにすることで、例えば、入口カメラ40により撮像された顔画像を基準にして遊技者毎のエリア移動履歴をまとめると言った処理を可能にする。
【0063】
より詳細には、データベース管理部226は、入口出口照合部261、入口店内照合部262、出口店内照合部263、および入口情報登録部264を備えている。入口出口照合部261は、エリア履歴情報DB20の情報に基づいて、顔画像の照合により、出口付近のエリアで撮像された顔画像のうち、入口付近のエリアで撮像された顔画像と一致しない顔画像を第1の不一致顔画像として検索する。入口店内照合部262は、エリア履歴情報DB20の情報に基づいて、顔画像の照合により、店内のエリアで撮像された顔画像のうち、入口付近のエリアで撮像された顔画像と一致しない顔画像を第2の不一致顔画像として検索する。出口店内照合部263は、入口出口照合部261、および入口店内照合部262の第1、および第2の不一致顔画像に一致するものがあるか否かを判定し、一致する顔画像を特定する。入口情報登録部264は、出口店内照合部263により特定された、2つの不一致顔画像に共通する顔画像のうち、最初に撮像された時刻に最も近い時刻に入口カメラ40により撮像された顔画像を、店内カメラ41で撮像された顔画像、または出口カメラ42により撮像された顔画像で入口エリアで撮像された顔画像に代えて登録する。
【0064】
エリア特定部229は、画像処理ユニット39より供給されてくる画像を撮像したカメラを識別するカメラIDから、取得した画像が撮像されたエリアを特定する。より詳細には、エリア特定部229は、エリアテーブル229aを備えており、エリアテーブル229aに登録されているカメラIDと対応付けて登録されているカメラの設置エリアの情報に基づいて、供給されてきた画像が撮像されたエリアを特定する。
【0065】
エリア移動履歴記録部228は、照合部222の照合結果が生体情報DB22に登録されている顔画像と一致するとき、対応するエリア特定部229からの情報と対応付けて、エリア移動履歴DB20を更新する。
【0066】
[図10の生体情報認識装置21による監視処理]
次に、図11のフローチャートを参照して、図10の生体情報認識装置21による監視処理について説明する。
【0067】
ステップS1において、入口カメラ40、店内カメラ41、出口カメラ42、またはカウンタカメラ43は、所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過するまで、その処理を繰り返す。
【0068】
ステップS1において、所定の時間が経過したと判定された場合、ステップS2において、入口カメラ40、店内カメラ41、出口カメラ42、またはカウンタカメラ43は、設置されている範囲の画像を撮像し、撮像した画像を画像処理ユニット39に供給する。画像処理ユニット39の画像取得部201は、供給された画像を取得し、顔画像抽出部202に供給する。
【0069】
ステップS3において、顔画像抽出部202は、供給された画像より遊技者の顔画像を抽出し、送信部203に供給する。より具体的には、顔画像抽出部202は、例えば、撮像された画像の色などから肌が露出した部分であって、目や鼻といった特徴的な部位の配置などから顔画像を抽出して、送信部203に供給する。
【0070】
ステップS4において、送信部203は、顔画像抽出部202より供給されてきた顔画像を生体情報認識装置21に送信する。この際、送信部203は、カメラ38、入口カメラ40、または店内カメラ41のそれぞれを識別するカメラIDや、撮像時刻の情報などの情報を顔画像に付加して生体情報認識装置21に送信する。
【0071】
ステップS21において、生体情報認識装置21の顔画像取得部221は、顔画像を取得する。ステップS22において、顔画像取得部221は、供給された顔画像のうち、いずれか未処理の1つを抽出し、特徴量抽出部231に供給する。
【0072】
ステップS23において、照合部222の特徴量抽出部231は、供給されてきた顔画像より特徴量を抽出して、顔画像と供に類似度計算部232に供給する。
【0073】
ステップS24において、類似度計算部232は、類似度計算処理を実行する。
【0074】
[類似度計算処理]
ここで、図12のフローチャートを参照して、類似度計算処理について説明する。
【0075】
ステップS51において、類似度計算部232は、生体情報DB22に登録されている顔画像のうち、未処理の1つの登録遊技者の顔画像を抽出し、処理対象に設定する。
【0076】
ステップS52において、類似度計算部232は、処理対象として設定した生体情報DB22に登録されている顔画像より、特徴量抽出部231より供給されてきた特徴量と同様の特徴量を抽出する。
【0077】
ステップS53において、類似度計算部232は、特徴量抽出部231より供給された顔画像についての、目と目の間隔、あごから額までの長さと、あごから鼻のまでの長さの比率などの各種の顔の特徴量と、生体情報DB22に登録されている顔画像における同様の特徴量とを用いて、それぞれの差分和、平均比率、または比率和などを類似度として計算し、ステップS54において、計算結果である生体情報DB22に登録されている顔画像との類似度を類似度判定部233に供給し、バッファ233aに登録させる。
【0078】
ステップS55において、類似度計算部232は、生体情報DB22に未処理の登録遊技者の顔画像が存在するか否かを判定し、未処理の登録遊技者の顔画像が存在する場合、処理は、ステップS51に戻る。すなわち、生体情報DB22の全ての登録遊技者の顔画像との類似度が計算されるまで、ステップS51乃至S55の処理が繰り返される。そして、ステップS55において、生体情報DB22に未処理の登録遊技者の顔画像が存在しないと判定された場合、類似度計算処理は終了する。
【0079】
ここで、図11のフローチャートの説明に戻る。
【0080】
ステップS25において、類似度判定部233は、バッファ233aに登録されている類似度の計算結果に基づいて順位を求め、生体情報DB22に登録されている顔画像のうちの1位の顔画像の類似度と所定の閾値とを比較して、所定の閾値よりも高く、生体情報DB22に登録されている顔画像であるとみなした場合、その顔画像の類似度の情報と、対応する顔画像を識別する情報である人物IDとを不審者判定部227に供給する。不審者判定部227は、撮像された顔画像に対応する人物IDと類似度の情報とを取得する。尚、類似度が所定の閾値よりも低い場合、類似度判定部233は、同一人物の顔画像ではないものとして、図示せぬ未登録遊技者データベースに登録する。したがって、以降においては、生体情報DB22に類似する顔画像が存在する場合について説明を進めるものとする。
【0081】
また、類似度の定義により、撮像された顔画像と最も類似している登録遊技者の顔画像との類似度は、その値そのものが最も高いとは限らないため、類似度と閾値との大小関係はこの例の場合とは異なることがある。
【0082】
ステップS26において、エリア特定部229は、供給されてきた画像に含まれるカメラIDに基づいて、エリアテーブル229aに登録されているエリアを特定し、特定したエリアの情報と共に、撮像時刻を示す情報をエリア移動履歴記録部228に供給する。すなわち、エリアテーブルとは、例えば、図13で示されるように、図中左からカメラIDに対応付けて、そのカメラIDのカメラが撮像しているエリアと、入口、または出口であることが登録されている。したがって、図13の場合、カメラIDが1乃至3であるとき、そのカメラは、店舗における入口カメラ40であることが示されている。また、カメラIDが4乃至6であるとき、そのカメラは、店舗における出口カメラ42であることが示されている。さらに、カメラIDが7,8であるとき、そのカメラは、店舗における1円/球の遊技台36が設置されたコーナの出入口にそれぞれ設けられた店内カメラ41であることが示されている。また、カメラIDが9,10であるとき、そのカメラは、店舗における4円/球の遊技台36が設置されたコーナの出入口にそれぞれ設けられた店内カメラ41であることが示されている。さらに、カメラIDが11であるとき、そのカメラは、店舗におけるトイレの入口に設けられた店内カメラ41であることが示されている。さらに、カメラIDが12乃至15であるとき、そのカメラは、遊技台番号001乃至004の遊技台36のそれぞれ設けられたカメラ38であることが示されている。
【0083】
ステップS27において、不審者判定部227は、取得した人物IDの情報をエリア移動履歴記録部228に供給する。エリア移動履歴記録部228は、エリア特定部229により特定されたエリアの情報を、不審者判定部227より供給されてきた人物IDに対応付けて、エリア移動履歴DB20に追加して登録する。エリア移動履歴DB20は、例えば、図14で示されるようなものであり、登録される顔画像の人物を識別する人物IDに対応付けて、撮像時刻を示す日時情報、および、上述したカメラIDにより特定されるエリアの情報が登録される。すなわち、例えば、図14の最上段においては、人物IDで識別される人物の顔画像が、2010年10月1日の10:00に、店舗の入口カメラ40により撮像されており、その後、2010年10月5日の10:01に、遊技台36の台番号001において遊技を開始し、同日の10:06に終了していることが示されている。
【0084】
ステップS28において、不審者判定部227は、人物IDに基づいて、生体情報DB22に不審者として登録されているか否かを判定する。すなわち、生体情報DB22には、例えば、図15で示されるように、人物IDに対応付けて、顔画像、および不審者フラグが未登録(図中は空白)、仮登録、または本登録であるかが登録されている。不審者フラグが本登録であるとは、人物IDで特定される顔画像の人物が不審者であることを特定する情報であり、不審者フラグが仮登録であるとは、不審者ではないが、その候補とされている状態であることを示している。したがって、図15の人物IDが、1,3のとき、不審者であるものとみなされ、処理は、ステップS29に進む。
【0085】
ステップS29において、不審者判定部227は、不審者が検出されたことを表示部23に表示して発報すると共に、通信部224を制御して、係員が所持する携帯端末19に送信する。
【0086】
ステップS30において、顔画像取得部221は、供給された顔画像の全てについて処理を行なったか否かを判定し、未処理の顔画像がある場合、処理は、ステップS22に戻る。すなわち、全ての顔画像について処理が行なわれるまで、ステップS22乃至S30の処理が繰り返される。そして、全ての顔画像について処理が終了したと判定された場合、処理は、ステップS21に戻る。
【0087】
一方、ステップS28において、例えば、不審者フラグが本登録されていない場合、処理は、ステップS31に進む。
【0088】
ステップS31において、不審者判定部227は、エリア移動履歴DB20にアクセスし、今撮像された顔画像が景品交換カウンタ113の前付近を撮像しているカウンタカメラ43により撮像されたものであるか否かを判定する。すなわち、不審者が、不正行為をしても不正行為により獲得されるのは遊技球、またはメダルであり、これを現物化、または現金化するためには、計数した後、景品と交換する必要があるため、必ず景品交換カウンタ113には現れることになる。そこで、不審者として疑わしい人物であるか否かについては、景品交換カウンタ113に現れるか否かが1つの判断基準となる。ここで、例えば、カウンタカメラ43ではないカメラによるものである場合、不審者が映し出されている可能性が判断できないので、処理は、ステップS36に進む。
【0089】
ステップS36において、不審者判定部227は、供給されてきた人物IDの情報を不審者登録部223に供給する。不審者登録部223は、仮登録判定部241を制御して、供給されてきた人物IDの人物が不審者であるか否かを判定する。より具体的には、仮登録判定部241は、人物IDに基づいて、エリア移動履歴DB20より移動履歴となるエリアの情報を取得し、そのエリアのパターンと、不審者の行動パターン(不審者の行動により得られるエリアを移動するパターン)が記憶されているパターンテーブル241aのパターンとが一致するか否かにより不審者フラグを仮登録するか否かを判定する。ここで、パターンテーブル241aとは、例えば、図16で示されるようなものである。図16においては、左からパターンIDに対応付けて、パターン、および閾値や回数の情報がテーブルとして登録されいる。具体的には、例えば、パターンIDが1である場合、店舗の出入りを1時間あたり3回以上繰り返していれば、不審者フラグを仮登録するものと判断される。また、同様にして、パターンIDが2である場合、店舗の出入りを1日で10回以上繰り返しているとき、同様に、パターンIDが3である場合、トイレの出入りを時間あたり5回以上繰り返したとき、不審者フラグが仮登録されるものと判定される。
【0090】
ステップS36において、例えば、図14のエリア移動履歴DB20における、図中のA乃至Cで示されるように、人物IDが1の人物については、遊技店の店舗を3回出入りしている記録があるので、パターンIDが1のパターンと一致するため、不審者フラグが仮登録されるものとみなされ、処理は、ステップS37に進む。
【0091】
ステップS37において、仮登録判定部241は、仮登録すべきものであるとの判定結果を仮登録部242に供給し、仮登録を指示する。仮登録部242は、生体情報DB22にアクセスし、例えば、図15の人物ID2または5で示されるように、人物IDに対応付けて不審者フラグを登録する。
【0092】
また、ステップS36において、例えば、不審者フラグが仮登録されるものとみなされない場合、処理は、ステップS30に進む。
【0093】
また、ステップS31において、景品交換カウンタ113におけるカウンタカメラ43により撮像されたものであると判定された場合、処理は、ステップS32に進む。
【0094】
ステップS32において、不審者判定部227は、供給されてきた人物IDの情報を不審者登録部223に供給する。不審者登録部223は、本登録判定部243を制御して、供給されてきた人物IDの人物が不審者フラグが仮登録されているか否かを判定する。より具体的には、本登録判定部243は、人物IDに基づいて、生体情報DB22にアクセスし、不審者フラグが仮登録されているか否かを判定する。ステップS32において、例えば、仮登録されている場合、処理は、ステップS33に進む。
【0095】
ステップS33において、本登録判定部243は、人物IDに基づいて、エリア移動履歴DB20にアクセスし、いずれの遊技台で遊技したかを特定すると共に、特定した遊技台について、遊技店管理装置24に問い合わせて、対応する遊技台の交換レートの情報、および人物IDで特定される遊技者の遊技による獲得遊技球数などの遊技情報を取得する。ここで、遊技台の交換レートの情報とは、例えば、1円/球の1円コーナの遊技台であるか、4円/球の4円コーナの遊技台であるかの情報であり、獲得遊技球数などの遊技情報は、人物IDが遊技した遊技台36により払い出された遊技球数の情報である。いずれの情報についても、エリア移動履歴DB20にアクセスし、人物IDで特定される人物が撮像された遊技台36に設置されたカメラ38により、エリアと撮像時刻の情報に基づいて遊技台36と遊技時間を特定することができるので、特定された遊技台36と遊技時間について、遊技店管理情報24に問い合わせることで取得することができる。
【0096】
ステップS34において、本登録判定部243は、遊技店管理装置24からの遊技情報、および行動パターンが、パターンテーブル243aに記録されたものと一致するか否かにより、不審者フラグを本登録すべきか否かを判定する。ここで、パターンテーブル243aとは、例えば、図17で示されるようなテーブルであり、例えば、パターンIDが1の場合、4円コーナでの滞在時間が無く、交換レート情報が4円であるとき、不審者フラグが本登録される。また、パターンIDが2の場合、4円コーナでの滞在時間が10分未満で、交換レート情報が4円で、かつ、獲得球数が10000発以上であるとき、不審者フラグが本登録される。尚、交換レートについては、1円/球用の計数器35における店内カメラ41−dで撮像されたか、4円/球用の計数器35における店内カメラ41−cで撮像されたかの記録により識別することが可能である。
【0097】
ステップS34において、不審者フラグが本登録されるべきであると判定された場合、ステップS35において、本登録判定部243は、本登録すべきであることを本登録部244に通知し、本登録を指示する。本登録部244は、生体情報DB22にアクセスし、対応する人物IDの不審者フラグを本登録にする。
【0098】
尚、ステップS32において、仮登録されていないと判定された場合、または、ステップS34において、不審者フラグを本登録すべきパターンではないとみなされた場合、いずれの場合も、処理は、ステップS30に進む。
【0099】
以上の処理により、エリア移動履歴DB20のエリア移動履歴に基づいて、不正行為を行ったものとみなされる遊技者に対して段階的に不審者フラグを付すことが可能となる。特に、不審者フラグの本登録に際しては、景品交換カウンタ113において景品に交換されることにより不正行為が完結されて、遊技店側の損害が発生することになるため、この不正行為が完結されることを以って本登録とするようにしている。このため、不正行為とみなされる行為が確認されても、景品に交換するという行為がなされ、さらに、不審者としての行動パターンが一致しない限り、不審者フラグは仮登録のままで、直ちに本登録にはならないので、例えば、偶発的に不正行為とみなされるようなエリアパターンが検出されて、不審者フラグが仮登録にされたとしても、不正に遊技球を獲得し、景品交換カウンタで顔画像が撮像されない限り、本登録にされることはないので、不正行為を実際にしていない人物に不審者フラグを本登録してしまうリスクを低減することが可能となる。
【0100】
尚、不審者フラグが仮登録であるということは、不正行為を働いていないので、所定期間仮登録のままであれば、不審者ではないとも考えることができる。そこで、不審者フラグが仮登録のままで、所定期間が経過した場合は、不審者フラグの仮登録を解除するようにしてもよく、例えば、営業終了時刻になった時点で仮登録されている情報については解除するようにしてもよい。また、以上においては、景品交換カウンタ113において撮像され、かつ、不審者の行動パターンが成された場合に不審者フラグを本登録とするようにしているが、処理をより簡略化して、不審者フラグを本登録にし易くするためには、敢えて行動パターンによる判断をせず、仮登録された人物が、景品交換カウンタ113において撮像されただけで不審者フラグを本登録とするようにしてもよい。ただし、この場合、本来不審者として登録されるべきではない遊技者が含まれるリスクがあるため、不審者を検出した場合の対応について注意が必要となる。
【0101】
また、不審者として本登録された後は、顔画像によりその人物が検出されると、速やかに不審者の来店が発報される。このため、不審者の登録、および来店の発報を容易で、かつ、適切に管理することが可能となる。
【0102】
[顔画像管理処理]
次に、図18のフローチャートを参照して、顔画像管理処理について説明する。尚、この処理については、営業時間終了後になされることを前提に説明するものとするが、営業時間内に行うようにしてもよいものである。
【0103】
ステップS101において、入口出口照合部261は、エリア移動履歴DB20にアクセスし、入口カメラ40で撮像されている顔画像の人物IDを検索する。すなわち、図14におけるエリア移動履歴DB20においては、例えば、エリアとして「店舗入」と区分されている人物IDを検索する。
【0104】
ステップS102において、入口出口照合部261は、エリア移動履歴DB20にアクセスし、出口カメラ42で撮像されている顔画像の人物IDを検索する。すなわち、図14におけるエリア移動履歴DB20においては、例えば、エリアとして「店舗出」と区分されている人物IDを検索する。
【0105】
ステップS103において、入口出口照合部261は、出口カメラ42で撮像された顔画像のうち、検索された人物IDの顔画像と、入口カメラ40で撮像された顔画像のうち、検索された人物IDの顔画像とを照合し、一致しないものを検索する。尚、顔画像の照合については、照合部222における場合と同様の処理によるものとし、その処理の説明は省略するものとする。
【0106】
ステップS104において、入口出口照合部261は、検索の結果、一致しないものがあったか否かを判定し、一致しないものがある場合、ステップS105において、一致しない出口カメラ42で撮像された顔画像の人物IDを不一致出口照合結果として記憶する。一方、一致しないものがないと判定された場合、ステップS105の処理は、スキップされる。
【0107】
ステップS106において、入口店内照合部262は、エリア移動履歴DB20にアクセスし、入口カメラ40で撮像されている顔画像の人物IDを検索する。すなわち、図14におけるエリア移動履歴DB20においては、例えば、エリアとして「店舗入」と区分されている人物IDを検索する。
【0108】
ステップS107において、入口店内照合部262は、エリア移動履歴DB20にアクセスし、店内カメラ41で撮像されている顔画像の人物IDを検索する。すなわち、図14におけるエリア移動履歴DB20においては、例えば、エリアとして「1円コーナ入」、「001番台遊技開始」、および「001番台遊技終了」と区分されている人物IDを検索する。
【0109】
ステップS108において、入口店内照合部262は、店内カメラ41で撮像された顔画像のうち、検索された人物IDの顔画像と、入口カメラ40で撮像された顔画像のうち、検索された人物IDの顔画像とを照合し、一致しないものを検索する。尚、顔画像の照合については、照合部222における場合と同様の処理によるものとし、その処理の説明は省略するものとする。
【0110】
ステップS109において、入口店内照合部262は、検索の結果、一致しないものがあったか否かを判定し、一致しないものがある場合、ステップS110において、一致しない店内カメラ41で撮像された顔画像の人物IDを不一致店内照合結果として記憶する。一方、一致しないものがないと判定された場合、ステップS110の処理は、スキップされる。
【0111】
ステップS111において、出口店内照合部263は、不一致出口照合結果となる人物IDの顔画像うち、不一致店内照合結果の人物IDの顔画像と一致するものがあるか否かを照合により検索し、ステップS112において、一致するものがあるか否かを判定する。ステップS112において、不一致出口照合結果となる人物IDの顔画像と、不一致店内照合結果の人物IDの顔画像とを照合し、一致するものがある場合、処理は、ステップS113に進む。尚、ステップS112において、一致するものがない場合、処理は、終了する。
【0112】
ステップS113において、出口店内照合部263は、不一致店内照合結果となる人物IDの顔画像のうち、不一致出口照合結果の人物IDの顔画像と一致するものがあるか否かを照合により検索し、ステップS114において、一致するものがあるか否かを判定する。ステップS114において、不一致店内照合結果となる人物IDの顔画像うち、不一致出口照合結果の人物IDの顔画像と一致するものがある場合、処理は、ステップS115に進む。尚、ステップS114において、一致するものがない場合、処理は、終了する。また、ステップS111,S113の顔画像の照合についても、照合部222における場合と同様の処理であるので、その説明は省略するものとする。
【0113】
ステップS115において、入口情報登録部264は、不一致店内照合結果、および不一致出口照合結果をマージ(合体)する。
【0114】
ステップS116において、入口情報登録部264は、エリア移動履歴DB20にアクセスし、不一致店内照合結果、および不一致出口照合結果をマージした顔画像の情報のうち、撮像時刻が最も早い顔画像と、入口カメラ40により撮像された時刻とが最も近い顔画像の人物IDを検索する。そして、入口情報登録部264は、生体情報DB22にアクセスし、検索された人物IDに対応付けて登録されている顔画像の情報を、不一致店内照合結果、および不一致出口照合結果をマージした顔画像のいずれかに置換して登録させる。
【0115】
ステップS117において、入口情報登録部264は、不一致店内照合結果、および不一致出口照合結果をマージした顔画像の人物IDを、不一致店内照合結果、および不一致出口照合結果をマージした顔画像のうち、撮像時刻が最も早い顔画像と、撮像時刻が最も近い入口カメラ40により撮像された顔画像として検索された顔画像の人物IDで置換する。
【0116】
以上の処理を説明すると、以下のようになる。
【0117】
すなわち、図19の左上部の「入口出口照合」で示されるように、「入口検出情報」で示される入口カメラ40により顔画像のうち、正確に認識できる顔画像が人物ID=1乃至5である。このような場合、出口カメラ42により撮像された人物ID=10乃至15の顔画像のそれぞれについて、入口カメラ40、および店内カメラ41により撮像された人物に対応する顔画像との類似度を求め、その最上位となる人物IDを、図中の「出口照合結果」として、その類似度と共に表している。ここで、「出口照合結果」は、左から出口カメラ42により撮像された顔画像の人物IDに対応付けて、それぞれ入口カメラ40により撮像された全ての顔画像との類似度が最上位となる顔画像の人物IDが類似度と共に、「入口照合結果」として登録されている。さらに、その右側に出口カメラ42により撮像された顔画像の人物IDに対応付けて、それぞれ店内カメラ41により撮像された全ての顔画像との類似度が最上位となる顔画像の人物IDが類似度と共に、「店内照合結果」として登録されている。例えば、出口カメラ41により撮像された顔画像の人物IDが10の場合、その顔画像は、入口カメラ40により撮像された顔画像のうち、人物IDが1となる顔画像との類似度が最も高く、その類似度が800であることが示されている。出口カメラ41により撮像された顔画像の人物IDが10の場合、その顔画像は、店内カメラ41により撮像された顔画像のうち、人物IDが20となる顔画像との類似度が最も高く、その類似度が800であることが示されている。尚、ここでは、類似度が0乃至1000で表現されるものとし、高いものほど類似度が高いことを示している。
【0118】
ここで、例えば、出口カメラ42により撮像された人物ID=13の顔画像の人物については、入口カメラ40により顔画像が撮像された際、逆光や白飛びなどにより不鮮明に撮像されていたものとする。このような場合、出口カメラ42により撮像された人物IDが13となる顔画像は、入口カメラ40により撮像された人物IDが3の顔画像との類似度が最も高いが、その類似度は100程度であり類似しているものと認識することができない程度の値となる。このため、ステップS101乃至S105の処理により、出口カメラ42により撮像された人物IDが13となる顔画像は、入口カメラ40において不鮮明に撮像された顔画像であることから、入口カメラ40のいずれにより撮像された顔画像とも一致しないものと扱われるので、太枠の線で囲まれているように、不一致出口照合結果として抽出されることになる。
【0119】
同様に、図19の右上部の「入口店内照合」で示されるように、例えば、店内カメラ41により撮像された人物ID=23の顔画像の人物については、入口カメラ40により顔画像が撮像された際、逆光や白飛びなどにより不鮮明に撮像されていたものとする。このような場合、店内カメラ41により撮像された人物IDが23となる顔画像は、入口カメラ40により撮像された人物IDが2の顔画像との類似度が最も高いが、その類似度は90程度であり類似しているものと認識することができない程度の値となる。このため、店内カメラ41により撮像された人物IDが23となる顔画像は、入口カメラ40において不鮮明な顔画像であることから、ステップS106乃至S110の処理により、入口カメラ40のいずれにより撮像された顔画像とも一致しないので、太枠の線で囲まれているように、不一致店内照合結果として抽出されることになる。
【0120】
このようにして抽出されてきた不一致出口照合結果と不一致店内照合結果とを用いて、図19の上から2段目の「出口店内照合」と示されるように、それぞれ「店内検出情報」および「出口検出情報」と示される店内カメラ41、および出口カメラ42により撮像されたときの人物IDとして、それぞれID=13,23が抽出される。
【0121】
そして、ステップS111乃至S114の処理により、不一致店内照合結果となる顔画像と、不一致出口照合結果となる顔画像とが照合されて、一致するものがあるとき、ステップS115の処理により、図19の「出口店内照合」の枠の下で示されるように人物IDが13,23で管理される顔画像がマージされ、新たな入口カメラ40により撮像された、人物ID=100の顔画像が生成される。すなわち、ここでは、不一致出口照合結果に基づいて、出口カメラ42により撮像された人物IDが13の顔画像と、店内カメラ41により撮像された人物IDが23の顔画像とは、その類似度が960となり、一致しているとみなすことができる。逆に、不一致店内照合結果に基づいて、店内カメラ41により撮像された人物IDが23の顔画像と、出口カメラ42により撮像された人物IDが13の顔画像とは、その類似度が820となり、一致しているとみなすことができる。尚、ステップS111,S112の処理と、ステップS113,S114の処理は、いずれも不一致店内照合結果となる顔画像と、不一致出口照合結果となる顔画像との照合が目的であるため、いずれか一方の処理でも問題ないが、ここでは、信頼性を高めるため、それぞれを基準とした処理が2回実施されている。
【0122】
ここまでの処理により求められた人物ID=13,23により管理される顔画像は、入口カメラ40で撮像された顔画像が不鮮明であるために、店内カメラ41、および出口カメラ42では撮像されたものであるが、対応する入口カメラ40で撮像された顔画像が存在しないものとなっている。
【0123】
そこで、人物ID=13,23で管理される顔画像のうち、最初に撮像された時刻に最も近い時刻に、入口カメラ40により撮像された顔画像は、不鮮明な顔画像であるが故に、店内カメラ41や出口カメラ42では撮像されたいない可能性が高いので、ステップS116の処理により、人物ID=13,23で管理される顔画像のうち、最初に撮像された時刻に最も近い時刻に、入口カメラ40により撮像された顔画像である人物IDが、例えば、ID=100の顔画像として、生体情報DB22に人物ID=13,23で管理される顔画像のいずれかを登録させる。
【0124】
この処理により、図19の最下部で示されるように、当初、入口カメラ40により鮮明に撮像できなかった顔画像を、店内カメラ41、または出口カメラ42により撮像した
鮮明な顔画像に置換して管理することが可能となる。すなわち、この場合、例えば、図19の右下部で示されるように、入口カメラ40により撮像された人物ID=100で管理される顔画像は、人物ID=13,23が撮像された時刻に近い時刻で、入口カメラ40で撮像された人物ID=3または4の顔画像として登録される。そして、人物ID=100で管理される顔画像は、店内カメラ41により撮像された人物ID=23の顔画像との類似度が1000、すなわち、完全一致するものとして登録され、同様に、出口カメラ42により撮像された人物ID=13の顔画像との類似度も1000とされ、完全一致するものとして登録される。
【0125】
また、ステップS117の処理により、鮮明な顔画像に置換された生体情報DB22の人物IDに対応付けて、店内カメラ41および出口カメラ42により撮像された顔画像を管理するように人物IDが置換されることになるため、店内において顔画像で管理する情報を入口カメラ40により撮像された顔画像、およびその人物IDにより共通管理することが可能となる。結果として、例えば、店内における遊技者毎の管理情報を、入口カメラ40で撮像された際に付される人物IDで共通して管理することが可能となる。
【0126】
<第2の実施の形態>
[監視システムの実施の形態の構成例]
以上においては、景品交換カウンタ113におけるカウンタカメラ43で不審者フラグが仮登録されている人物が撮像され、かつ、所定の行動パターンを取っている場合、不審者フラグが本登録される例について説明してきたが、不審者フラグの登録に際しては、パターン化された行動パターン以外でも不審者フラグを本登録する必要がある場合などもあるため、係員にその旨を通知して、係員の判断を仰ぎ、係員の判断で本登録できるようにしてもよい。
【0127】
図20は、景品交換カウンタ113におけるカウンタカメラ43で撮像された不審者フラグが仮登録されている人物が、所定の行動パターンである場合、係員にその旨を通知して、係員の判断を仰ぎ、係員の判断により本登録できるようにした生体情報認識装置21の構成例を示している。尚、図20の生体情報認識装置21において、図10の生体情報認識装置21と同一の機能を備えた構成については、同一の名称および符号を付しており、その説明は、適宜省略するものとする。
【0128】
図20の生体情報認識装置21において、図10の生体情報認識装置21と異なるのは、本登録判定部243に代えて、本登録処理部291を設けた点である。本登録処理部291は、カウンタカメラ43で撮像され、かつ不審者フラグが仮登録の顔画像が通知されると、エリア移動履歴DB20、および生体情報DB22にアクセスし、その顔画像を識別する人物IDに対応付けて登録されている、顔画像が撮像されたエリアの移動履歴を読み出し、不審者フラグを本登録するか否かの判断を係員に仰ぐ情報を含む表示画像を生成して表示部23に表示する。そして、本登録処理部291は、係員の操作に応じて操作部225により発生される操作信号に基づいて、生体情報DB22に不審者フラグを本登録する。
【0129】
[図20の生体情報認識装置21による監視処理]
次に、図21のフローチャートを参照して、図20の生体情報認識装置21による監視処理について説明する。尚、図21におけるステップS201乃至S204、およびステップS221乃至S232,S236,S237の処理は、図11を参照して説明したステップS1乃至S4、およびステップS21乃至S32,S36,S37の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0130】
すなわち、ステップS232において、仮登録である場合、ステップS233において、本登録処理部291は、照合結果となる顔画像が通知されると、エリア移動履歴DB20にアクセスし、その顔画像を識別する人物IDに対応付けて登録されている、顔画像が撮像されたエリアの移動履歴を読み出し、不審者フラグを本登録するか否かの判断を係員に仰ぐ、例えば、図22で示されるような表示画像301を生成して表示部23に表示する。図22においては、表示画像301の表示例が示されており、左部には、顔画像表示欄311が設けられており、不審者フラグが仮登録となっている人物IDに対応付けて生体情報DB22に登録されている顔画像が表示される。顔画像表示欄311の右側には、エリア移動履歴欄312が設けられており、エリア移動履歴DB20に、不審者フラグが仮登録となっている人物IDに対応付けて登録されているエリア移動履歴が表示される。その下には、「不審者として登録する」と表記されたボタン313、および「登録しない」と表記されたボタン314が設けられている。ボタン313は、係員が表示画像301に表示されている人物の不審者フラグを仮登録から本登録に操作する際に押下されるボタンであり、ボタン314は、不審者フラグを本登録にしない際に押下されるボタンである。
【0131】
ステップS234において、本登録処理部291は、操作部225が操作されて、不審者フラグの本登録が指示されたか否かを判定する。ステップS234において、例えば、図22のボタン313が押下されて本登録が指示された場合、ステップS235において、本登録処理部291は、本登録部244に対して不審者フラグを本登録にするように指示があったことを通知する。これを受けて、本登録部244は、生体情報DB22にアクセスして、不審者フラグを本登録に設定する。
【0132】
一方、ステップS234において、例えば、ボタン314が押下されて、不審者フラグが本登録にならないと判断された場合、ステップS235の処理がスキップされる。
【0133】
以上の処理により、不審者フラグが仮登録になっている人物の顔画像が、景品交換カウンタ113付近のカウンタカメラ43により撮像されると、その人物のエリア移動履歴と共に、不審者フラグを本登録とするか否かを係員に問い合わせる画像が表示され、係員により問い合わせに応じた本登録を指示する操作がなされるとき、不審者フラグを本登録することが可能となる。結果として、係員がエリア移動履歴を見ながら適切に判断した上で、不審者フラグを本登録にすることが可能となる。
【0134】
尚、以上においては、入口カメラ40で不鮮明な顔画像を、店内カメラ41、および出口カメラ42により撮像された顔画像で登録し直す例について説明してきたが、これ以外のカメラ画像を用いるようにしてもよく、例えば、遊技台36に設置されているカメラ38の画像を利用するようにしてもよい。また、入口カメラ40以外で撮像された、不鮮明な顔画像を、それ以外のカメラで、鮮明に撮像されている顔画像を利用して、登録し直す様にしてもよい。
【0135】
以上によれば、登録すべき人物の顔画像を正確に登録すると共に、登録した顔画像を適切に管理できるようにすることで、遊技者の来店管理や、不審者の不正行為などを適切に監視することが可能となる。
【0136】
ところで、上述した一連の監視処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0137】
図23は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0138】
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0139】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0140】
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【0141】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【符号の説明】
【0142】
1,1−1乃至1−n 遊技店
2 生体情報管理センタ
3 生体情報管理データベース
4 第3者遊技店管理センタ
5 第3者遊技店管理データベース
6 生体情報管理バス
7 第3者遊技店管理バス
8,9 公衆通信回線網
21 生体情報認識装置
22 生体情報データベース
24 遊技店管理装置
26 遊技台管理データベース
27 媒体貸出管理装置
29 媒体貸出管理データベース
30 遊技店管理情報バス
31 生体情報バス
33 精算販売機
34 貸出機
35,35−1,35−2 計数機
36,36−1乃至36−m 遊技台
37,37−1乃至37−m 遊技台周辺端末
38,38−1乃至38−m カメラ
39,39−1乃至39−(m+p+q+r+1) 画像処理ユニット
40,40−1乃至40−p 入口カメラ
41,41−1乃至41−q 店内カメラ
42,42−1乃至42−r 出口カメラ
43 カウンタカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段と、
蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段と、
複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段と、
前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段と、
前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段と、
前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段と、
前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段と、
前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段と
を含む監視装置。
【請求項2】
前記所定のフラグは、前記蓄積者のうち、不正行為を働いた不審者であることを示すフラグである
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記所定のパターンは、前記照合対象者が不正行為を働く可能性のあるエリアのパターンである
請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記所定のエリアは、前記照合対象者が不正行為を行う際、高確率で出現するエリアである
請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
前記所定のエリアは、前記照合対象者が不正行為を行う際、高確率で出現する、遊技店における景品交換カウンタ近傍のエリアである
請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが登録された前記蓄積者の顔画像と一致する場合、不正行為を働いた不審者であることを発報する発報手段をさらに含む
請求項1に記載の監視装置。
【請求項7】
前記本登録手段は、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものであり、さらに、不審者のとる所定の行動パターンを取っていた場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する
請求項1に記載の監視装置。
【請求項8】
照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段と、
蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段と、
複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段と、
前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段と、
前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段と、
前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段と、
前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段と、
前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段と
を含む監視装置の監視方法であって、
前記撮像手段における、照合対象者の顔画像を撮像する撮像ステップと、
前記エリア特定手段における、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像ステップの処理により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定ステップと、
前記照合手段における、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合ステップと、
前記照合判定手段における、前記照合ステップの処理での照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定ステップと、
前記エリア履歴記憶手段における、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定ステップの処理により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶ステップと、
前記仮登録手段における、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録ステップと、
前記本登録手段における、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録ステップと
を含む監視方法。
【請求項9】
照合対象者の顔画像を撮像する撮像手段と、
蓄積者の顔画像を蓄積者データベースに蓄積する蓄積手段と、
複数の前記撮像手段のそれぞれについて前記顔画像が撮像されるエリアを記憶するエリア記憶手段と、
前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像手段により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定手段と、
前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定手段と、
前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定手段により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶手段と、
前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録手段と、
前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録手段と
を含む監視装置を制御するコンピュータに、
前記撮像手段における、照合対象者の顔画像を撮像する撮像ステップと、
前記エリア特定手段における、前記エリア記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記撮像ステップの処理により照合対象者の顔画像が撮像されたエリアを特定するエリア特定ステップと、
前記照合手段における、前記照合対象者の顔画像と、前記蓄積者データベースに蓄積された蓄積者の顔画像との類似度を計算し、照合する照合ステップと、
前記照合判定手段における、前記照合ステップの処理での照合結果である類似度と所定の閾値との比較により、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに登録されている顔画像と一致するか否かを判定する照合判定ステップと、
前記エリア履歴記憶手段における、前記照合対象者の顔画像が前記蓄積者データベースに蓄積されている顔画像と一致する場合、前記蓄積者の顔画像を識別する識別情報に対応付けて、前記エリア特定ステップの処理により特定されたエリアをエリア履歴データベースに記憶させるエリア履歴記憶ステップと、
前記仮登録手段における、前記エリア履歴データベースに記憶されている、前記顔画像の識別情報に対応付けて記憶されているエリアのパターンが、所定のエリアパターンである場合、前記蓄積者データベースにおける、前記識別情報に対応する顔画像に対応付けて、所定のフラグを仮登録する仮登録ステップと、
前記本登録手段における、前記照合対象者の顔画像が、前記蓄積者データベースにおける、前記所定のフラグが仮登録された前記蓄積者の顔画像と一致し、かつ、前記照合対象者の顔画像が所定のエリアで撮像されたものである場合、前記蓄積者データベースにおいて前記照合対象者の顔画像に対応付けて所定のフラグを本登録する本登録ステップと
を含む処理を実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2012−141773(P2012−141773A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293785(P2010−293785)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】