説明

監視装置

【課題】防犯設備と連動して適切なモニタリングを可能にする監視システムを提供する。
【解決手段】外部の複数のカメラ機器14から画像信号を受けて、この画像信号を外部の複数のモニタ機器16へ供給する監視装置1であって、外部の防災設備12からの信号を受け、この信号の変化に基づいて画像信号の供給先を複数のモニタ機器の内の第1のモニタ機器からこれとは異なる第2のモニタ機器に変更する監視装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明に係る実施形態は、監視カメラが接続される監視装置であって、防犯設備から供給される検出信号に応じて画像信号を出力する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の監視カメラから画像信号を受け、これを受けてモニタ機器に供給する監視装置が知られている。このような監視装置は、例えば、旋回式の監視カメラと防犯設備との組合せで、信号条件により所定のカメラ映像を自動で表示させ、旋回カメラを自動で動作させてそのポイントを監視するという方法がとられることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−124064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、監視装置が防犯設備と交わす連動信号は、オンとオフである信号条件であることが一般的であるが、防災設備側としてはオンとオフ以外にも状態を何段階かに分けて機能している設備も少なくない。例えば、火災報知機などは発報条件として、注意・警戒・火災と言ったように現場の状況によりその重要度毎に信号を検知している。また、通常の監視カメラでは仮に建物内が煙で充満されてしまった場合などは取り残された人物などを捕らえることができない。さらに、非常時はその混乱から人の動線が一箇所に集中してしまい、結果危険な状況になる可能性もある。
【0005】
本発明は、防犯設備と連動して適切なモニタリングを可能にする監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための実施形態は、
外部の複数のカメラ機器(14)から画像信号を受けて、この画像信号を外部の複数のモニタ機器(16)へ供給する監視装置(1)であって、
外部の防災設備(12)からの信号を受け、この信号の変化に基づいて、前記画像信号の供給先を、前記複数のモニタ機器の内の第1のモニタ機器からこれとは異なる第2のモニタ機器に変更することを特徴とする監視装置である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、外部の防災設備からの情報を参照し、これを監視装置の動作に反映させるものであり、一例として、防災設備からの防災情報に応じて、防災状況に応じて必要なカメラの画像が必要なモニタ機器に供給され、効率的な監視処理を実現して、監視員の負荷を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態である監視システムの構成の一例を示すブロック図。
【図2】同じく監視システムが行う通報処理の一例を示すフローチャート。
【図3】同じく監視システムが行うモニタ処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
本発明の一実施形態である監視システムの構成の一例を図1を用いて以下に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である監視システムの構成の一例を示すブロック図である。すなわち、監視システム1は、図1に示すように、主に監視カメラ制御装置11と、防犯設備12からなるものであり、防犯設備12は、この防犯設備12に接続されており温度の上昇等から火災を検出して防犯設備12に通告する火災報知器13と、警報ボタン等が押下されることで犯罪等を防犯設備12に通告する防犯センサ13’と、施設の音響システム等を通じて音声等により災害等を知らせて避難等を促す放送設備18と、避難者が避難する方向等を誘導する誘導灯19と、同じく避難者が避難する経路等を案内する案内板20を有している。
【0010】
さらに、監視システム1は、図1に示すように、監視カメラ制御装置11と、これに接続されており、回旋が可能な機構をもっており監視のための複数のカメラ14と、同じく回旋が可能な機構をもっており遠赤外線により夜間や火災時の煙が充満した場合等も撮影が可能な複数の遠赤外線カメラ15と、カメラ14および遠赤外線カメラ15からの画像を受けるとこれを出力して表示するための複数のモニタ機器16と、この監視システム1等を遠隔操作するための操作端末17を有している。
【0011】
このような構成をもっている監視システム1は、以下に図2のフローチャートが示すように、避難者等のための通報処理を行う。一般に、防災設備は、複数段階の状況認識を行う場合が多く、例えば火災報知機などは発報条件として、注意・警戒・火災と言ったように現場の状況によりその重要度毎に信号を検知している。従って、防災設備からの段階的な状況通告(一例として、注意の場合の通常監視モード、警戒の場合の厳重監視モード、火災の場合の緊急監視モード)に応じて、監視カメラ制御装置11での対応方法を異ならせることが有効となる。
【0012】
すなわち、監視カメラ制御装置11は、一例として、防犯設備12から緊急監視モード(火災発生時)の通知を受けたかどうかを判断する(ステップS1)。そして、監視カメラ制御装置11は、防犯設備12から緊急監視モード(火災発生時)の通知を受けた際に、図示しない監視カメラ制御装置11の画像解析部により、カメラ14または遠赤外線カメラ15から供給された画像信号を解析して、画像の移動ベクトルを検出する。移動ベクトルが検出できたら、移動ベクトルに対応した画像に人物が含まれているかどうかを予め記憶している画像等と比較することで判断する(ステップS2)。監視カメラ制御装置11は、移動ベクトルに対応した画像に人物が含まれていると判断すると、画像に人物等が含んでいたことをカメラ14の位置情報と共に例えば防犯設備12に通知する(ステップS3)。防犯設備12においては、監視カメラ制御装置11からこの画像に人物等が含んでいたことを示す通知を受けると、この通知をトリガーとして、一例として、カメラ14の位置情報に対応した適切な位置の誘導灯19または案内板20を駆動することで、一例として、避難者等に避難を誘導したり案内したりする(ステップS4)。また、同様に、防犯設備12においては、監視カメラ制御装置11からこの画像に人物等が含んでいたことを示す通知を受けると、この通知をトリガーとして、放送設備18を用いて、避難者等を相手に避難を誘導することができる(ステップS5)。これにより、監視システム1の防災設備12は、避難者の存在する場所に直接、避難の誘導を行うことができる。
【0013】
また、通常の監視カメラでは仮に建物内が煙で充満されてしまった場合などは取り残された人物などを捕らえることができない。さらに、非常時はその混乱から人の動線が一箇所に集中してしまい、結果的に危険な状況になる可能性もある。
【0014】
このような状況を考慮すると、監視カメラ制御装置11において、防犯設備12からの段階的な通知を考慮して、この通知に基いて処理を異ならせることが有効となる。すなわち、一例として、図3のフローチャートが示すように、監視カメラ制御装置11は、防犯設備12から通常の状態である「通常監視モード」の通知を受けている場合は(ステップS11)、監視の対象エリアの近傍のカメラからの画像を、予め指定されたモニタ機器へ表示する(ステップS12)。しかし、監視カメラ制御装置11は、防犯設備12から警報を受けた注意の状態である「厳重監視モード」の通知を受けた場合は(ステップS11)、複数のカメラ14の画像から、特に、避難者の動線(予測された人が集中するエリアの動線、または、動きベクトルが検出されたカメラ14で推定される動線)に対応するカメラの画像とモニタ機器を選択する(ステップS13)。そして、選択したカメラの画像を選択したモニタ機器に供給して表示させる(ステップS14)。以上のように、「通常監視モード」、「厳重監視モード」のごく一例を説明したが、防犯設備12からの通知について、さらに、火災を認識した状態である「緊急監視モード」や他のモードを認識し、それぞれのモードに固有の処理を選択的に行うことが好適である。
【0015】
その他の場合についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0016】
1‥監視システム、11‥監視カメラ制御装置、12‥防犯設備、13‥火災報知器、13’‥防犯センサ、14‥カメラ、15‥遠赤外線カメラ、16‥モニタ、17‥操作端末、18‥放送設備、19‥誘導灯、20‥案内板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の複数のカメラ機器から画像信号を受けて、この画像信号を外部の複数のモニタ機器へ供給する監視装置であって、
外部の防災設備からの信号を受け、この信号の変化に基づいて、前記画像信号の供給先を、前記複数のモニタ機器の内の第1のモニタ機器からこれとは異なる第2のモニタ機器に変更することを特徴とする監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−53759(P2012−53759A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196913(P2010−196913)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】