説明

目標時間内に到達可能な施設を検索する装置及び方法

【課題】出発地点と目標時間を特定するだけで、目的地点を特定しなくても、出発地点から目標時間内に到着できる施設を検索する。
【解決手段】複数メッシュ間のおよその移動時間を示すメッシュ間所要時間を記憶したメッシュ間所要時間記憶部25と、施設データ記憶部23とを備える。リクエスト処理部11は、複数のメッシュのうちのいずれかのメッシュ内の出発地点及び目標時間の入力を受け付ける。メッシュ検索部13は、メッシュ間所要時間記憶部25を参照して、出発地点の属するメッシュからのメッシュ間所要時間が目標時間以内の複数の目標メッシュを抽出する。リクエスト処理部11は、施設データ記憶部23を参照して、複数の目標メッシュ内の施設を抽出し、抽出された施設を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設検索技術に関し、特に目標とする時間以内に到着可能な施設を検索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地及び目的地を指定すると、出発地から目的地までのルート及び所要時間を提供するルート検索システムが実用化されている。このルート検索システムは、様々なナビゲーションシステムで広く利用されている。
【0003】
ここで、特許文献1には、一つの出発地エリアから複数の目的地エリアまでの経路を予めエリアルートネットワークとして計算しておき、運転時に車両の出発地に対応した出発地エリアルートネットワークを用いて経路検索を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−218047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術は、いずれも、出発地点と目的地点とを指定して、その2点間のルート検索を行って、所要時間を算出するものである。つまり、必ず出発地点及び目的地点を指定しなければ、所要時間を算出することができない。
【0006】
一方で、例えば、ゴルフをしたい人が、特定のゴルフ場ではなく、自宅から2時間以内で到着できるゴルフ場を探すような場合、従来のナビゲーションシステムではこれを行うことができない。なぜならば、目的地点が具体的に定められてないので、そのままでは所要時間を算出できない。仮に、候補となり得るすべてのゴルフ場についてルート検索を行うとすれば、膨大な時間を必要とし、実用的な時間内で行うことはできない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、出発地点と目標時間を特定するだけで、目的地点を特定しなくても、出発地点から目標時間内に到着できる施設を検索するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの実施態様に従う目標時間内に到達可能な施設を検索する装置は、地図を複数のメッシュに区切ったときの前記複数メッシュ間のおよその移動時間を示すメッシュ間所要時間を記憶したメッシュ間所要時間記憶手段と、前記複数のメッシュのうちのいずれかのメッシュ内の出発地点及び目標時間の入力を受け付ける入力手段と、前記メッシュ間所要時間記憶手段を参照して、前記出発地点の属するメッシュからのメッシュ間所要時間が前記目標時間以内の複数の目標メッシュを抽出するメッシュ抽出手段と、施設の所在地データを記憶する施設データ記憶手段と、前記施設データ記憶手段を参照して、前記複数の目標メッシュ内の施設を抽出する施設抽出手段と、前記抽出された施設を出力する出力手段と、を備える。
【0009】
好適な実施形態では、道路交通情報を参照して、前記出発地点が属するメッシュ内の仮出発地点から、前記出発地点が属するメッシュから互いに異なる方角に存在する複数のサンプリング地点までのルート検索を行って、前記ルート検索実行時における前記仮出発地点から前記複数のサンプリング地点までの所要時間を算出するルート検索エンジンと、前記仮出発地点から前記複数のサンプリング地点までの所要時間に基づいて、前記出発地点が属するメッシュからの方角別の補正係数を算出する補正手段と、をさらに備え、前記メッシュ抽出手段は、前記方角別の補正係数を用いて前記出発地点が属するメッシュからのメッシュ間所要時間を補正して、補正後のメッシュ間所要時間に基づいて前記目標メッシュを抽出するようにしてもよい。
【0010】
好適な実施形態では、前記メッシュ間所要時間記憶手段には、平日・土曜日・日曜日・祝日の日種別及び時間帯別のメッシュ間所要時間が記憶されていて、前記メッシュ抽出手段は、前記入力手段が入力を受け付けたときと対応するメッシュ間所要時間を用いて、前記目標メッシュを抽出するようにしてもよい。
【0011】
好適な実施形態では、前記複数のメッシュでは、予め一つの代表地点が定められていて、各代表地点間のルート検索を行って、代表地点間の所要時間を算出するルート検索エンジンをさらに備え、前記代表地点間の所要時間を前記メッシュ間所要時間として前記メッシュ間所要時間記憶手段に記憶するようにしてもよい。
【0012】
好適な実施形態では、前記複数のメッシュ内の各代表地点は、それぞれのメッシュの中心点であってもよい。
【0013】
好適な実施形態では、前記複数のメッシュは、それぞれの範囲が緯度及び経度に基づいて定められていて、前記施設の所在地データは緯度及び経度で定められていて、前記施設抽出手段は、前記メッシュ及び前記施設の所在地データの緯度及び経度を用いて抽出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る検索システムの構成図である。
【図2】施設データ230の一例を示す図である。
【図3】メッシュ間の所要時間の説明図である。
【図4】メッシュ間所要時間データ250の一例を示す図である。
【図5】補正係数算出の説明図である。
【図6】ユーザ端末装置5の一例を示す。
【図7】検索装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る目標時間内に到達可能な施設を検索する検索システムについて、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る検索システムの構成図である。
【0017】
本システムは、目標時間内に到達可能な施設を検索する検索装置10と、一以上のユーザ端末装置5とを備え、両者はネットワーク9を介して通信が可能となっている。本システムは、検索装置10がユーザ端末装置5から出発地点と目標時間とを含むリクエストを受け付けると、その出発地点から目標時間内に到達可能な範囲にある施設の検索を行う。
【0018】
ユーザ端末装置5は、通信機能を有する端末装置であればよく、例えば、携帯電話機、携帯情報端末、あるいは汎用的なパーソナルコンピュータなどでもよい。ユーザ端末装置5は、液晶パネルなどの表示装置、及びプッシュボタンあるいはポインティングデバイスなどの入力装置を有する。ユーザ端末装置5が携帯電話機などの場合は、無線基地局7との間で無線通信を行う。
【0019】
検索装置10は、例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する検索装置10内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納可能である。
【0020】
検索装置10は、リクエスト処理部11と、メッシュ検索部13と、所要時間補正部15と、ルート検索エンジン17と、メッシュ間所要時間データ生成部19と、地図メッシュデータ記憶部21と、施設データ記憶部23と、メッシュ間所要時間記憶部25と、道路交通情報記憶部27とを備える。
【0021】
地図メッシュデータ記憶部21は、地図を複数のメッシュに区切った地図メッシュデータを記憶する。例えば、地図メッシュデータは、メッシュの識別情報と、各メッシュの範囲を示すデータを含む。メッシュの範囲は、例えば、メッシュの左上の点及び右下の点の緯度及び経度で定義される。
【0022】
施設データ記憶部23は、検索対象となる施設の所在地を示す施設データを記憶する。施設データは、例えば、各施設の所在地の緯度及び経度で定義される。施設は、例えば、ゴルフ場、スキー場、テーマパーク、アミューズメント施設、入浴施設(温泉)などがある。施設データ記憶部23には、複数種類の施設の施設データが記憶されていても良い。
【0023】
図2は、施設データ230の一例を示す図である。同図に示すように、施設データ230は、施設名称231と、緯度232と、経度233とを含む。
【0024】
メッシュ間所要時間記憶部25は、複数のメッシュ間のおよその移動時間を示すメッシュ間所要時間データを記憶する。
【0025】
図3は、メッシュ間の所要時間の説明図である。同図は、複数のメッシュに区切られた地図を示す。同図において、各メッシュにはそれぞれのメッシュ番号が記載されている。そして、同図において矢印で示す方向へ移動、つまり、中心のメッシュ(533945)からそれ以外の各メッシュへ移動したとすると、このときに要するおよその移動時間がメッシュ間の所要時間である。
【0026】
図4は、メッシュ間所要時間データ250の一例を示す図である。同図に示すように、メッシュ間所要時間データ250は、出発地のメッシュ番号を縦、目的地のメッシュ番号を横にとったメッシュ番号同士のマトリックスとなっていて、出発地のメッシュから目的地のメッシュまでのメッシュ間の所要時間が記憶されている。
【0027】
ここで、各メッシュでは、予め一つの代表地点が定められていて、その代表地点間の所要時間をメッシュ間所要時間としてもよい。この代表地点間の所要時間は、後述するように、メッシュ間所要時間データ生成部19によって算出される。また、メッシュ間所要時間記憶部25は、平日・土曜日・日曜日・祝日の日種別及び時間帯別のメッシュ間所要時間が記憶されていてもよい。例えば、メッシュ間所要時間記憶部25には、平日・土曜日・日曜日・祝日の日種別及び時間帯別に図4に示すマトリックスが記憶されていても良い。
【0028】
図1へ戻ると、道路交通情報記憶部27は、最新の道路交通情報を記憶する。例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)によって提供される情報を図示しない通信手段で取得して、道路交通情報記憶部27に記憶しておいても良い。
【0029】
リクエスト処理部11は、ユーザ端末装置5から、複数のメッシュのうちのいずれかのメッシュ内の出発地点(例えば緯度及び経度で特定される)と目標時間とを含むリクエストを受け付ける。リクエスト処理部11は、リクエストを受け付けると、受け付けたリクエストに含まれている出発地点(緯度及び経度)と目標時間をメッシュ検索部13へ通知して、メッシュ検索を依頼する。
【0030】
また、リクエスト処理部11は、施設データ記憶部23を参照して、メッシュ検索部13によって抽出された複数の目標メッシュ内に存在する施設を抽出する。例えば、リクエスト処理部11は、地図メッシュデータ記憶部21を参照して、各目標メッシュの範囲(緯度及び経度)を取得し、施設データ230の緯度232及び経度233に基づいて、目標メッシュ内の施設を抽出する。リクエスト処理部11は、ここで抽出された施設を含む、リクエストに対するレスポンスを生成して、ユーザ端末装置5に対して出力する。
【0031】
メッシュ検索部13は、メッシュ間所要時間記憶部25を参照して、出発地点の属するメッシュからのメッシュ間所要時間が目標時間以内の複数の目標メッシュを抽出する。例えば、リクエスト処理部11から出発地点の緯度及び経度と、目標時間が通知されると、メッシュ検索部13は、地図メッシュデータ記憶部21を参照して出発地点の属するメッシュを特定する。そして、そのメッシュを出発地メッシュとして、出発地メッシュからのメッシュ間所要時間が目標時間内の目標メッシュを特定する。メッシュ検索部13は、目標時間以内の複数の時間単位に区切って、目標メッシュを抽出しても良い。例えば、目標時間が2時間であれば、30分以下、30分から1時間以下、1時間から1時間半以下及び1時間半から2時間以下に分けて目標メッシュを抽出しても良い。さらに、後述のように、再度ルート検索をして正確な時間を得る場合には、2時間から2時間半以下の目標メッシュを抽出しても良い。
【0032】
また、メッシュ検索部13は、所要時間補正部15によって算出された方角別の補正係数を用いて出発地点が属するメッシュからのメッシュ間所要時間を補正して、補正後のメッシュ間所要時間に基づいて目標メッシュを抽出してもよい。メッシュ間所要時間の補正については後述する。
【0033】
所要時間補正部15は、出発地点が属するメッシュ内の仮出発地点から、出発地点が属するメッシュから互いに異なる方向に存在する複数のサンプリング地点までの所要時間に基づいて、出発地点が属するメッシュからの方向別の補正係数を算出する。
【0034】
図5は補正係数算出の説明図である。例えば、同図では、出発地点が中心のメッシュ(533945)内であるとする。このとき、中心メッシュ内の仮出発地点sと、4つのサンプリング地点a〜dとを定める。仮出発地点sは、例えば中心メッシュの代表地点でもよいし、その他任意の地点でよい。そして、所要時間補正部15は、仮出発地点sから4つのサンプリング地点a〜dまでのそれぞれのルート検索及び所要時間の算出をルート検索エンジン17に指示する。各サンプリング地点a〜dは、出発地点が属するメッシュから互いに異なる方向に存在する。たとえば、仮出発地点sから縦に±nメッシュ、横に±mメッシュだけずれたメッシュの代表地点としても良い(図5ではn=m=2)。所要時間補正部15は、仮出発地点sから各サンプリング地点a〜dまでの所要時間に基づいて、A〜Dの4方角への補正係数を決定する。方角A〜Dは、それぞれ、仮出発地点sから各サンプリング地点a〜dへ向かう方角である。補正係数は、例えば、サンプリング地点ごとに予め定められている平均所要時間に対して、ここで算出された所用時間が何倍であるかを示す係数でも良い。
【0035】
メッシュ検索部13は、上記の方角別の補正係数を用いて、メッシュ間所要時間を補正する。例えば、図5の例ではA〜Dの4方角に分かれているので、全メッシュを出発地点が属するメッシュとの相対的な位置関係に応じて、各方角に対応するように4分割する。そして、各メッシュの出発地点が属するメッシュからの所要時間を、対応する方角の補正係数を用いて補正する。
【0036】
ルート検索エンジン17は、道路交通情報に基づいて、指定された出発地から指定された目的地までのルート検索を行い、所要時間を算出する。例えば、ルート検索エンジン17は、メッシュ間所要時間データ生成部19からの指示に従って、各メッシュの代表地点間のルート検索を行って、代表地点間の所要時間を算出する。また、ルート検索エンジン17は、上述した所要時間補正部15からの指示に従って、道路交通情報記憶部27を参照して、出発地点が属するメッシュ内の仮出発地点から、出発地点が属するメッシュから互いに異なる方向に存在する複数のサンプリング地点までのルート検索を行って、ルート検索実行時における仮出発地点から複数のサンプリング地点までの所要時間を算出する。
【0037】
メッシュ間所要時間データ生成部19は、メッシュ間所要時間データ250を生成する。メッシュ間所要時間データ生成部19は、まず、ルート検索エンジン17に代表地点間のルート検索を依頼して、代表地点間の所要時間を取得する。例えば、メッシュ間所要時間データ生成部19は、一つのメッシュの代表地点を出発地、他の全メッシュの代表地点を目的地とするルート検索の依頼を、全メッシュについて行う。また、メッシュ間所要時間データ生成部19は、代表地点間の所要時間をメッシュ間所要時間としてメッシュ間所要時間データ250を生成し、メッシュ間所要時間記憶部25に記憶する。つまり、上記のようにして、全メッシュについて、それぞれの代表地点を出発地としたときの他のメッシュの代表地点までの所要時間を、各メッシュ間のおよその移動時間をする。
【0038】
メッシュ間所要時間データ生成部19は、ユーザ端末装置5からのリクエストを受け付ける前に、予めメッシュ間所要時間データ250を生成しておく。メッシュ間所要時間データ生成部19は、メッシュ間所要時間データ250を、定期または不定期に更新する。メッシュ間所要時間データ生成部19は、平日・土曜日・日曜日・祝日の日種別及び時間帯別のメッシュ間所要時間データ250を生成するために、それぞれ対応する日及び時間帯に、道路交通情報記憶部27を参照して、メッシュ間所要時間データ250を生成してもよい。
【0039】
次に、上述のような構成を備えたシステムにおける処理手順について説明する。
【0040】
図6は、ユーザ端末装置5の一例を示す。ユーザ端末装置5の表示部51には、検索条件入力画面が表示されている。ここで、目標時間52が設定されている。ユーザ端末装置5がGPS機能を内蔵するなど、現在位置を特定できるときは、自動的に検出された現在位置を出発地点とすることにより、出発地点の入力を省略できる。ユーザ端末装置5は、現在位置の緯度、経度及び目標時間を含む、この検索条件に従うリクエストを検索装置10へ送信する。
【0041】
図7は、検索装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
このフローチャートによる処理を行う前提として、予めメッシュ間所要時間データ250が生成されている。
【0043】
まず検索装置10では、リクエスト処理部11がユーザ端末装置5から送られてきたリクエストを受け付ける(S11)。
【0044】
リクエスト処理部11がリクエストを受け付けると、所要時間補正部15に対して補正係数の算出を指示する。これにより、所要時間補正部15からの指示に従って、ルート検索エンジン17が上述の仮出発地点からサンプリング地点までのルート検索を行って、補正係数算出のための方角別の所要時間を算出する(S13)。
【0045】
所要時間補正部15は、ステップS13で算出された方角別の所要時間から、上述したように方角別の補正係数を算出する(S15)。
【0046】
メッシュ検索部13が、ステップS15で算出した補正係数を用いてメッシュ検索を行って、出発地点の属するメッシュから目標時間以内の目標メッシュを抽出する(S17)。
【0047】
リクエスト処理部11が、地図メッシュデータ及び施設データ230に基づいて、ステップS17で検索された目標メッシュ内の施設を検索する(S19)。そして、ここで検索された施設を含むレスポンスを生成して、ユーザ端末装置5に対して出力する(S21)。なお、ステップS19の後に、GPS機能などによって自動的に検出された現在位置、または、ユーザによって入力された地点である出発地点から、ステップS19で検索された各施設を到着地点とするルート検索を行い、施設別にその時点における正確な所要時間を得ても良い(S20)。この場合は、ステップS20で得た正確な所要時間が目標時間内となる施設のみを含むレスポンスを生成して、ユーザ端末装置5に対して出力する(S21)。
【0048】
これにより、ユーザ端末装置5を利用するユーザは、出発地点から目標時間内に到着できる施設一覧を得ることができる。その結果、例えば、出発地点及び目標時間を決めれば、その範囲で行ける複数の候補施設を知ることができるので、その候補施設の中から好みの施設を見つけだすことができる。
【0049】
なお、ステップS13及びステップS15は省略可能である。つまり、メッシュ間所要時間データ250の補正を行うことは必ずしも必須ではない。また、検索装置10が複数種類の施設検索に対応しているときは、ユーザ端末装置5が施設種類の指定を受け付けて、指定された施設種類の検索を行うようにすることでもできる。
【0050】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
5 ユーザ端末装置
10 検索装置
11 リクエスト処理部
13 メッシュ検索部
15 所要時間補正部
17 ルート検索エンジン
19 メッシュ間所要時間データ生成部
21 地図メッシュデータ記憶部
23 施設データ記憶部
25 メッシュ間所要時間記憶部
27 道路交通情報記憶部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を複数のメッシュに区切ったときの前記複数メッシュ間のおよその移動時間を示すメッシュ間所要時間を記憶したメッシュ間所要時間記憶手段と、
前記複数のメッシュのうちのいずれかのメッシュ内の出発地点及び目標時間の入力を受け付ける入力手段と、
前記メッシュ間所要時間記憶手段を参照して、前記出発地点の属するメッシュからのメッシュ間所要時間が前記目標時間以内の複数の目標メッシュを抽出するメッシュ抽出手段と、
施設の所在地データを記憶する施設データ記憶手段と、
前記施設データ記憶手段を参照して、前記複数の目標メッシュ内の施設を抽出する施設抽出手段と、
前記抽出された施設を出力する出力手段と、を備える目標時間内に到達可能な施設を検索する装置。
【請求項2】
道路交通情報を参照して、前記出発地点が属するメッシュ内の仮出発地点から、前記出発地点が属するメッシュから互いに異なる方角に存在する複数のサンプリング地点までのルート検索を行って、前記ルート検索実行時における前記仮出発地点から前記複数のサンプリング地点までの所要時間を算出するルート検索エンジンと、
前記仮出発地点から前記複数のサンプリング地点までの所要時間に基づいて、前記出発地点が属するメッシュからの方角別の補正係数を算出する補正手段と、をさらに備え、
前記メッシュ抽出手段は、前記方角別の補正係数を用いて前記出発地点が属するメッシュからのメッシュ間所要時間を補正して、補正後のメッシュ間所要時間に基づいて前記目標メッシュを抽出する、請求項1記載の目標時間内に到達可能な施設を検索する装置。
【請求項3】
前記メッシュ間所要時間記憶手段には、平日・土曜日・日曜日・祝日の日種別及び時間帯別のメッシュ間所要時間が記憶されていて、
前記メッシュ抽出手段は、前記入力手段が入力を受け付けたときと対応するメッシュ間所要時間を用いて、前記目標メッシュを抽出する、請求項1記載の目標時間内に到達可能な施設を検索する装置。
【請求項4】
前記複数のメッシュでは、予め一つの代表地点が定められていて、
各代表地点間のルート検索を行って、代表地点間の所要時間を算出するルート検索エンジンをさらに備え、
前記代表地点間の所要時間を前記メッシュ間所要時間として前記メッシュ間所要時間記憶手段に記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載の目標時間内に到達可能な施設を検索する装置。
【請求項5】
前記複数のメッシュ内の各代表地点は、それぞれのメッシュの中心点である、請求項4記載の目標時間内に到達可能な施設を検索する装置。
【請求項6】
前記複数のメッシュは、それぞれの範囲が緯度及び経度に基づいて定められていて、
前記施設の所在地データは緯度及び経度で定められていて、
前記施設抽出手段は、前記メッシュ及び前記施設の所在地データの緯度及び経度を用いて抽出する、請求項1〜5のいずれかに記載の目標時間内に到達可能な施設を検索する装置。
【請求項7】
地図を複数のメッシュに区切ったときの前記複数メッシュ間のおよその移動時間を示すメッシュ間所要時間をメッシュ間所要時間記憶手段に記憶するステップと、
したメッシュ間所要時間記憶手段と、
前記複数のメッシュのうちのいずれかのメッシュ内の出発地点及び目標時間の入力を受け付けるステップと、
前記メッシュ間所要時間記憶手段を参照して、前記出発地点の属するメッシュからのメッシュ間所要時間が前記目標時間以内の複数の目標メッシュを抽出するステップと、
施設の所在地データを記憶する施設データ記憶手段を参照して、前記複数の目標メッシュ内の施設を抽出するステップと、
前記抽出された施設を出力するステップと、を行う目標時間内に到達可能な施設を検索する方法。
【請求項8】
目標時間内に到達可能な施設を検索するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
地図を複数のメッシュに区切ったときの前記複数メッシュ間のおよその移動時間を示すメッシュ間所要時間をメッシュ間所要時間記憶手段に記憶するステップと、
前記複数のメッシュのうちのいずれかのメッシュ内の出発地点及び目標時間の入力を受け付けるステップと、
前記メッシュ間所要時間記憶手段を参照して、前記出発地点の属するメッシュからのメッシュ間所要時間が前記目標時間以内の複数の目標メッシュを抽出するステップと、
施設の所在地データを記憶する施設データ記憶手段を参照して、前記複数の目標メッシュ内の施設を抽出するステップと、
前記抽出された施設を出力するステップと、を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−236869(P2010−236869A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81894(P2009−81894)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】