直流電源装置、発光ダイオード用電源、及び照明装置
【課題】複数のLED負荷を駆動する場合においても、LEDを電圧変換効率良く駆動する電源を提供する。
【解決手段】直流電源1の電圧を変換する複数の降圧チョッパ型の電圧変換回路10,20を直列接続し、各電圧変換回路10,20の出力に、それぞれ最大電圧が高い第1のLED負荷15と、最大電圧が低い第2のLED負荷25を接続する。各LED負荷に流れる電流を検出器16,26で検出し、電流指令値Vref1,Vref2との偏差が小さくなるように、各電圧変換回路のスイッチング素子11,21を駆動制御する。特に、第2の電圧変換回路20は、一段目の電圧変換回路10で降圧された電圧を再降圧するため、その降圧率が比較的小さくて済み、変換効率を向上できる。
昇圧の場合には、昇圧チョッパ等の電圧変換回路を採用する。
【解決手段】直流電源1の電圧を変換する複数の降圧チョッパ型の電圧変換回路10,20を直列接続し、各電圧変換回路10,20の出力に、それぞれ最大電圧が高い第1のLED負荷15と、最大電圧が低い第2のLED負荷25を接続する。各LED負荷に流れる電流を検出器16,26で検出し、電流指令値Vref1,Vref2との偏差が小さくなるように、各電圧変換回路のスイッチング素子11,21を駆動制御する。特に、第2の電圧変換回路20は、一段目の電圧変換回路10で降圧された電圧を再降圧するため、その降圧率が比較的小さくて済み、変換効率を向上できる。
昇圧の場合には、昇圧チョッパ等の電圧変換回路を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の負荷に給電する直流電源と、複数の発光ダイオードを駆動する発光ダイオード用電源、及び発光ダイオードを光源とした照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(以下、LEDと称す)の発光効率が向上し一般照明用の光源として注目されてきている。LEDを駆動する場合、抵抗器などの電流制限要素をLEDと直列に接続するのが一般的である。しかしながら、抵抗器を使用した場合は、抵抗器での電力損失が大きくなる為、駆動回路の変換効率が低下する。
【0003】
このような問題を解決する従来例として、特許文献1に開示されるようなLED点灯装置がある。この装置は、交流電源を受けて直流電圧を出力する電源装置と、この直流電圧により点灯されるLED素子を実装したLEDモジュール部とで構成され、直流電源装置に定電流機能を持たせている。直流電源装置は出力電流を定電流化するためのフィードバック制御機能を有するスイッチング電源回路で構成されているため、駆動回路としての変換効率は高くなる。複数のLED負荷の電流を各々制御する場合は、定電流電源回路を個別に設け、交流電源を整流平滑する回路部の共通化を図っている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−142137号公報(特に、図15など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された従来技術において、各々のLEDモジュール部間の順方向電圧が大きく異なる場合、定電流電源回路の電圧変換比が異なり、変換比の大きい電源回路の方は効率が低下する。
【0006】
本発明の目的は、複数の負荷に給電する直流電源装置において、各電源回路から各負荷に効率良く給電できる直流電源装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、複数のLED負荷を駆動する場合において、各LEDを効率良く駆動する発光ダイオード用電源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の望ましい実施態様においては、直流電圧を変換する複数のDC/DC電圧変換回路を直列接続し、これら複数のDC/DC電圧変換回路の出力側にそれぞれ負荷を接続したことを特徴とする。
【0009】
本発明の望ましい他の実施態様においては、直流電圧を変換する複数のDC/DC電圧変換回路を直列接続し、これら複数のDC/DC電圧変換回路の出力側にそれぞれLED負荷を接続したことを特徴とする。
【0010】
本発明の具体的な実施態様においては、発光ダイオード(LED)を含むLED負荷に電力を供給する発光ダイオード用電源において、直流電源に接続され、第1のLED負荷に電力を供給する第1の電圧変換回路と、この第1の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とするとともに、前記第1のLED負荷とはその最大電圧の異なる第2のLED負荷に電力を供給する第2の電圧変換回路と、これら第1及び第2の電圧変換回路により個別にLED負荷電流を制御する複数の個別電流制御手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の望ましい実施態様によれば、複数の負荷を駆動する場合において、電圧変換回路の電圧変換比の小さい、高効率な直流電源装置を提供することができる。
【0012】
また、本発明の望ましい他の実施態様によれば、順方向電圧が大きく異なる複数のLED負荷を駆動する場合において、電圧変換回路の電圧変換比を小さくすることができ、高効率な発光ダイオード用電源を提供することができる。
【0013】
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施例の説明の中で明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の望ましい実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1による発光ダイオード用電源の回路構成図である。図1において、直流電源1の両端には、スイッチング素子11、ダイオード12、インダクタ13、及びキャパシタ14から構成された降圧チョッパ型の第1のDC/DC電圧変換回路10が接続されている。この電圧変換回路10の出力となるキャパシタ14の両端には、第1のLED負荷15と電流検出器16の直列回路が接続されている。スイッチング素子11は、NチャネルのMOS−FETを用いているが、PチャネルのMOS−FET、又はバイポーラトランジスタを用いても構わない。電圧変換回路10は、制御回路30により、ドライブ回路34を介してスイッチング素子11のオン時間Dutyを制御することで、その出力電圧を変化させることができる。制御回路30は、誤差増幅器31、比較器32、及び発振器33から構成されている。このように、電圧変換回路10の出力電圧の調整によって、LED負荷15の電力制御を行うことができる。LED負荷15に流れる電流は、電流検出器16によって電圧に変換され、誤差増幅器31のマイナス端子に入力される。誤差増幅器31のプラス端子には、LED負荷15の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref1が入力され、電流指令値とLED負荷15の電流との誤差を増幅して出力する。比較器32は、プラス端子に誤差増幅器31の出力信号を入力し、一方、マイナス端子に発振器33の出力信号を入力することによって、それぞれの入力信号を比較し、誤差増幅器31の出力の方が大きい場合にドライブ回路34に信号を送る。すなわち、PWM変調器を形成している。ドライブ回路34は、比較器32の出力信号であるPWM信号に基づいて、スイッチング素子11のゲートにドライブ信号を印加し、この素子11をオンオフ駆動する。
【0016】
第1の電圧変換回路10の出力となるキャパシタ14の両端には、前述の第1のLED負荷15の他に、降圧チョッパ型の第2のDC/DC電圧変換回路20が接続されている。この第2の電圧変換回路20もまた、スイッチング素子21、ダイオード22、インダクタ23、及びキャパシタ24から構成されている。さらに、第2の電圧変換回路20の出力となるキャパシタ24の両端にも、第2のLED負荷25と電流検出器26の直列回路が接続されている。第2の電圧変換回路20は、第1の電圧変換回路10と同様に、誤差増幅器41、比較器42、及び発振器43から構成された制御回路40により、スイッチング素子21のオン時間Dutyを制御することで出力電圧を変化させることができる。このように、電圧変換回路20の出力電圧の調整によって、LED負荷25の電力制御を行うことができる。LED負荷25に流れる電流は、電流検出器26によって電圧に変換され、誤差増幅器41のマイナス端子に入力される。誤差増幅器41のプラス端子には、LED負荷25の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref2が入力され、電流指令値とLED負荷25の電流との誤差を増幅して出力する。比較器42は、プラス端子に誤差増幅器41の出力信号を入力し、一方、マイナス端子に発振器43の出力信号を入力することによって、それぞれの入力信号を比較し、誤差増幅器41の出力の方が大きい場合にドライブ回路44に信号を送る。すなわち、PWM変調器を形成している。ドライブ回路44は、比較器42の出力信号であるPWM信号に基づいて、スイッチング素子21のゲートにドライブ信号を印加しオンオフ駆動する。
【0017】
第2の電圧変換回路20は、第1の電圧変換回路10の出力電圧を電源として利用することにより、降圧比を小さくすることができ、スイッチング素子21のオン時間Dutyの減少を抑えることができる。
【0018】
図2は、本発明の実施例1における第1及び第2の電圧変換回路10,20のスイッチング素子のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフである。ここで、直流電源1の電圧をVc、第1,第2の電圧変換回路10及び20の出力電圧をそれぞれV1、V2とする。例えば、第1の電圧変換回路10を50%のDutyで駆動した場合、その出力電圧V1は、Vc/2となる。一方、第2の電圧変換回路20は、Vc/2を電源として駆動するため、出力電圧V2をVc/4にするには、やはり、50%のDutyで駆動すれば良い。
【0019】
これに対し、従来のように、第2の電圧変換回路20の電源も、直流電源1から直接得るようにした場合、出力電圧V2の特性はV1と同じになるため、Vc/4の出力電圧を取り出すには、25%のDutyで駆動しなければならない。一般に、変換効率は電圧変換比が小さいほど高くなるため、第2の電圧変換回路20の電源は、第1の電圧変換回路10の出力電圧V1から得た方が変換効率は高くなる。本実施例は、第2のLED負荷25の順方向電圧が、第1のLED負荷15の順方向電圧よりも低い場合に有効な回路構成となる。
【0020】
図3は、図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第1の説明図であり、色を2つの数値を使ってXY座標空間で表わした色度図である。領域801〜805は、それぞれ昼光色、昼白色、白色、温白色、及び電球色を表わしている。本実施例において、領域801〜805の範囲で可変色制御を行いながら、白熱電球40W相当の明るさを得る場合を考える。これを、例えば、1WクラスのパワーLEDを用い、LED負荷15に昼光色LEDを14個、他方、LED負荷25に橙色LEDを6個使用し、それぞれの電流を制御することで実現できる。昼光色LEDの順方向電圧は約3.5Vであり、LED負荷15全体の順方向電圧は49Vとなる。一方、橙色LEDの順方向電圧は約2.5Vであり、LED負荷25全体の順方向電圧は約15Vとなる。したがって、次のように制御することによって、前述の順方向電圧の関係を満足させることができる。すなわち、図1において、LED負荷15及び25に流れる電流をIL1、IL2とすると、昼光色から電球色に可変色制御を行うには、図3に示すように、IL1を100%から50%に制御し、IL2を0%から100%に制御することで実現できる。
【0021】
図4は、図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第2の説明図であり、LED負荷15に電球色LEDを14個、LED負荷25に青緑色LEDを6個使用した場合の、色と各々の電流の関係を示している。電球色LEDの順方向電圧は約3.5Vであり、LED負荷15の順方向電圧は49Vとなる。一方、青緑色LEDの順方向電圧も約3.5Vであり、LED負荷25の順方向電圧は21Vとなる。したがって、第2のLED負荷25の順方向電圧が、第1のLED負荷15の順方向電圧よりも低いという、前述した図1の回路で、高い電圧変換効率が得られる有効な構成となる。昼光色から電球色に可変色制御を行うには、IL1を50%から100%に制御し、IL2を100%から0%に制御することで実現できる。
【0022】
LED負荷15に白色LEDを用いた場合は、LED負荷25の青緑色LEDの数を減らし、電圧変換回路20の後段に、更に、電圧変換回路を追加し、LED負荷として橙色LEDを用いても構わない。この場合は3色のLED負荷の電流を制御し可変色制御を行うことになる。
【0023】
図1において、LED負荷15及び25の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref1、Vref2は、その電圧制御として、アナログ制御とPWM制御がある。すなわち、電圧レベルを可変するアナログ制御と、電圧レベルを固定してそのオン/オフのDutyを可変するパルス幅制御がある。パルス幅制御の周波数は、光のちらつきが目立たない程度に、例えば、数百Hzから数KHzの周波数にすれば良い。アナログ制御では、LED電流の下限値付近において、LEDのばらつきによる輝度ばらつきが顕著に現れる問題がある。従って、アナログ制御を用いた場合は、下限値付近をパルス幅制御に切り替えるマルチ制御が望ましい。
【0024】
図5は、本発明の実施例1に採用できるアナログ制御とパルス幅変調制御を組み合わせたマルチ制御におけるVref電圧波形図である。電圧レベルが、VaからVbまでの間はアナログ制御を行い、Vb以下では、Dutyを可変するパルス幅制御となる。
【0025】
図6は、本発明の実施例1にマルチ制御を採用した場合におけるLED電流ILとVrefの電圧レベル及びDutyの関係図である。LED電流が、IaからIbまでは、VrefのDutyを100%とし、電圧レベルをVaからVbまで可変して電流を制御する。一方、LED電流ILが、Ibから0までの区間では、Vrefの電圧レベルをVbに固定し、Dutyを100%から0%まで可変して電流を制御する。
【0026】
図1において、電流検出器16及び26は抵抗を用いているため、LED負荷15、25にパワーLEDを用いた場合は電流が大きく、抵抗での損失が大きくなる。従って、損失を小さくするために抵抗値を小さくし、検出電圧を増幅して誤差増幅器に入力することが望ましい。
【実施例2】
【0027】
図7は、本発明の実施例2による発光ダイオード用電源の回路構成図であり、図7が、図1と異なる点は、DC/DC電圧変換回路として、降圧チョッパ型ではなく、昇圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路を用いたことである。図7において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。直流電源1の両端には、スイッチング素子51、ダイオード52、インダクタ53、及びキャパシタ54から構成された昇圧チョッパ型の第1の電圧変換回路50が接続されている。この電圧変換回路50の出力となるキャパシタ54の両端には、LED負荷15と電流検出器16の直列回路が接続されている。電圧変換回路50は、前述の電圧変換回路10と同様に、スイッチング素子51のオン時間Dutyを制御することで出力電圧を変化させることができ、この電圧変化によってLED負荷15の電力制御を行うことができる。
【0028】
第1の電圧変換回路50の出力となるキャパシタ54の両端には、前述のLED負荷15の他に、スイッチング素子61、ダイオード62、インダクタ63、及びキャパシタ64から構成された昇圧チョッパ型の第2の電圧変換回路60が接続されている。この電圧変換回路60の出力となるキャパシタ64の両端には、第2のLED負荷25と電流検出器26の直列回路が接続されている。第2の電圧変換回路60は、第1の電圧変換回路50と同様に、スイッチング素子61のオン時間Dutyを制御することで出力電圧を変化させることができ、この電圧変化によってLED負荷25の電力制御を行うことができる。
【0029】
第2の電圧変換回路60は、第1の電圧変換回路50の出力電圧を電源として利用することにより昇圧比を小さくすることができ、スイッチング素子61のオン時間Dutyの増加を抑えることができる。
【0030】
図8は、本発明の実施例2における第1の電圧変換回路50及び第2の電圧変換回路60のスイッチング素子のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフである。ここで、直流電源1の電圧をVc、第1,第2の電圧変換回路50及び60の出力電圧をそれぞれV5、V6とする。例えば、第1の電圧変換回路50を50%のDutyで駆動した場合、その出力電圧V1は、2Vcとなる。一方、第2の電圧変換回路60は、2Vcを電源として駆動するため、出力電圧V2を4Vcにするには、やはり、50%のDutyで駆動すれば良い。
【0031】
これに対し、従来のように、第2の電圧変換回路60の電源も、直流電源1から直接得るようにしたとすると、出力電圧V6の特性はV5と同じになるため、4Vcの出力電圧を取り出すには、75%のDutyで駆動しなければならない。一般に、電圧変換比が小さいほど変換効率は高くなるため、第2の電圧変換回路60の電源は、第1の電圧変換回路50の出力電圧V5から得た方が変換効率は高くなる。本実施例2は、LED負荷25の順方向電圧がLED負荷15の順方向電圧よりも高い場合に有効な回路構成となる。
【実施例3】
【0032】
図9は、本発明の実施例3による発光ダイオード用電源の回路構成図である。図1と同一機能部については同一符号を付して説明は省略する。本実施例は、商用交流電源2を受けてLED負荷を駆動すると共に、電球用の調光器として用いられるACパワー・コントローラ6を用いて商用電源電圧の導通位相角を制御して発光色をも可変する回路構成を示している。ACパワー・コントローラ6としては、よく知られているように、トライアックやサイリスタを用いることができる。
【0033】
図10は、本実施例3において、商用電源電圧の導通位相角を制御し、可変色制御を行うACパワー・コントローラ6の動作電圧波形図である。
【0034】
本実施例3では、ACパワー・コントローラ6の出力電圧を、キャパシタ3及びインダクタ4で構成されたフィルタを介して整流回路5に印加する。整流回路5の出力端には、昇降圧動作が可能なSEPIC(Single Ended Primary Inductance Converter)型の第1の電圧変換回路80が接続されている。SEPIC型の電圧変換回路80は、スイッチング素子81とダイオード82、磁気結合したインダクタ83、86及びキャパシタ84、85から構成され、昇降圧動作が可能な電圧変換回路である。インダクタ83と86は磁気的に結合していなくても構わない。第1の電圧変換回路80の出力となるキャパシタ84の両端には、LED負荷15と電流検出器16の直列回路と、第2の電圧変換回路90が接続されている。第2の電圧変換回路90の出力には、LED負荷25と電流検出器26の直列回路が接続されている。第2の電圧変換回路90は、前述の降圧チョッパ型や昇圧チョッパ型、SEPIC型等、LED負荷25の順方向電圧に応じて、その種別を選択することができる。
【0035】
第1の電圧変換回路80は、スイッチング素子81のオン時間Dutyを制御することで、入力電圧が低い時は昇圧、高い時は降圧動作を行い出力電圧を変化させ、LED負荷15の電力制御を行うことができる。良く知られているように、スイッチング素子81がオン状態にある期間に、商用交流電源2に対しインダクタ83が直接接続された状態となり、電源から電流が流れ込み、インダクタ83にエネルギーを蓄える。このため、商用交流電源の周波数に対し高い周波数でスイッチング素子81をオンオフすることにより、商用交流電源の全周期において電流が流れ、入力電流の力率を改善することができる。従って、ACパワー・コントローラ6の出力電圧は、図10に示すように、導通位相角が制御されたきれいな波形となる。電圧変換回路80としては、昇圧チョッパ型であっても入力電流の力率を改善することができる。
【0036】
さて、図9において、整流回路5の出力端には、抵抗71、72の直列回路からなる電圧検出器が接続されており、整流電圧を検出する。電流指令回路70は、基準電圧源73、比較器74、反転器77、抵抗75とキャパシタ76、及び、抵抗78とキャパシタ79で構成されている。この実施例3では、前述したように、ACパワー・コントローラ6の出力電圧である抵抗72の電圧が、出したい発光色を表わしており、この電圧に基いて、各LED負荷の電流指令値であるリファレンス電圧Vref1,Vref2を出力する。すなわち、第1の発光ダイオードの電流指令電圧Vref1と、第2の発光ダイオードの電流指令電圧Vref2が、導通制御角に対して、図3や図4の関係を持って関連付けられて制御されれば、所望の発光色を得ることができる。
【0037】
本実施例では、入力変動に対する出力の安定性を上げるために、抵抗72の電圧を発振器33にも入力し、入力電圧に応じて、発振器33の鋸波の傾きを可変している。すなわち、ACパワー・コントローラ6による位相制御によって、その出力電圧が、半サイクル毎に0Vから急峻に立ち上がり、安定性を阻害する要因となる。このため、電圧変換回路80の入力電圧変動に対し、出力の安定性を上げるには、このような、ボルテージフィードフォワード制御が有効である。
【0038】
図11は、図9の実施例3における制御回路30の各部の波形図であり、上記したボルテージフィードフォワード制御の説明図である。V(72)、V(31)、V(32)、V(33)は、それぞれ抵抗72、誤差増幅器31、比較器32、発振器33の電圧波形である。V(72)が高くなるとV(33)の傾きは大きくなり、V(31)と比較して出力されるV(32)のパルス幅は狭くなる。従って、電圧変換回路80の入力電圧が急峻に立ち上がり、インダクタ83の電流が急激に増加することを防止し、出力電圧の安定性を向上することができる。
【0039】
図12は、図9の実施例3における電流指令回路70の各部の波形図であり、図3や図4のように、第1,第2の発光ダイオードに、互いに反比例した電流指令を与えて電流制御を行うための構成を示している。V(72)、V(73)、V(74)、V(77)、Vref1、及びVref2は、それぞれ抵抗72、基準電圧源73、比較器74、反転器77、及びリファレンス電圧波形を示す。比較器74は、抵抗72の電圧V(72)がマイナス端子に入力され、基準電圧源73の電圧V(73)がプラス端子に入力され、それぞれの信号を比較しV(73)の方が大きい場合に電圧を出力する。比較器74は、基準電圧源73にヒステリシスを設けることにより、V(72)に重畳するノイズの影響を抑えることができる。比較器74の出力電圧V(74)は、抵抗75とキャパシタ76によって平滑され、LED負荷15の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref1として誤差増幅器31のプラス端子に入力される。
【0040】
一方、比較器74の出力電圧V(74)は、反転器77によってV(77)となり、抵抗78とキャパシタ79によって平滑され、LED負荷25の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref2として、誤差増幅器41のプラス端子に入力される。
【0041】
すなわち、反転器77を用いて、逆比例した電流指令Vref1とVref2を作成することにより、図3や図4のように、第1,第2の発光ダイオードに、互いに反比例した電流制御をかけるための電流指令回路70を構成している。
【0042】
図13は、図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係を示す説明図である。図12に示す基準電圧源73の電圧V(73)を調整することにより、図13に示すように、導通位相角に対し、各リファレンス電圧Vref1,Vref2を調整することができる。図13において、導通位相角が0度からφaまでの間、Vref1はVa一定、Vref2は0V一定となり、φaからφbまで増加すると、Vref1はVaからVa/2まで減少し、Vref2は0VからVa/2まで増加する。φbから180度までの間は、Vref1、Vref2ともに、Va/2一定となる。Vref1の最大値はVaで、Vref2の最大値はVa/2となり、この条件でそれぞれLED負荷15、25の電流が最大になるように電流検出器16、26の抵抗値を調整することになる。
【0043】
本実施例3において、前述のように、LED負荷15に昼光色LED用い、LED負荷25に橙色LEDを用いた場合、導通位相角が小さいと昼光色となり、導通位相角が大きいと電球色となる。このように、ACパワー・コントローラ6によって導通位相角制御された電圧を可変色信号として用いることにより可変色制御が可能となる。
【0044】
図12及び図13において、φaは0度に近く、φbは180度に近い方が、導通位相角に対する色の変化の感度が小さくなり、操作性が向上する。但し、φaが小さいと電源が供給される期間が短くなり、LED負荷に十分な電力を供給することが出来なくなるため、電力に応じて下限値を設定することが望ましい。ここで、φaを0度に、φbを180度に近づけるには、基準電圧源73の電圧V(73)を下げることにより可能であり、この場合の導通位相角とVref1とVref2の関係は図14のようになる。
【0045】
図14は、図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係を示す第2の説明図である。導通位相角が0度からφaまでの間、Vref1はVa一定、Vref2は0V一定となり、φaからφbまで増加するとVref1はVaからほぼ0Vまで減少し、Vref2は0VからほぼVaまで増加する。φbから180度までの間は、Vref1はほぼ0V一定、Vref2はほぼVa一定となる。図3での説明のように、LED負荷15に昼光色LED用い、LED負荷25に橙色LEDを用いた場合、Vref1にVa分のバイアスを加えてVref1´とし、LED負荷15の電流指令値とすれば、前述と同様の可変色制御が可能となる。この場合は、Vref1の最大値は2Va、Vref2はVaとなり、この条件でそれぞれLED負荷15、25の電流が最大になるように電流検出器16、26の抵抗値を調整することになる。
【0046】
図15は、本発明の実施例に適用できる、リモコンからの調光信号及び可変色信号を受けて各LED負荷の電流指令値を調整する回路構成図である。図15において、受光素子201にて受信した調光及び可変色信号は、信号増幅器202を介して増幅し、マイコン203に入力する。マイコン203は、各信号に基づいてプログラムに従ってLED負荷の電流指令値を計算し、リファレンス電圧Vref1、Vref2を出力する。
【実施例4】
【0047】
図16は、本発明の実施例4による発光ダイオード用電源の回路構成図である。図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。図1の実施例1と異なる点は、電圧変換回路10のインダクタ13に流れる電流を電流検出器17で検出し、比較器32のマイナス端子35に入力している点である。電圧変換回路20も同様に、インダクタ23に流れる電流を電流検出器27で検出し、比較器42のマイナス端子45に入力する。
【0048】
これまでの実施例においては、電流制御にパルス幅制御を適用すると、例えば、電流指令値が低い値から高い値に急激に変化した際、誤差増幅器の出力電圧が高くなり、スイッチング素子のオン時間が長くなる。これにより、インダクタの電流が急激に増える。
【0049】
これに対し、図16に示すように、脈動する検出電流を比較器32,42のマイナス端子にフィードバックすることにより、オン時間の増加を抑えることができる。このように、電流をフィードバックすることにより、応答性を向上させ、動作の安定性を確保することができる。本実施例4では、インダクタ13,23の電流を検出し、比較器に入力しているが、スイッチング素子11,21の電流を検出しても構わない。
【実施例5】
【0050】
図17は、本発明の実施例5による発光ダイオード用電源の電圧変換回路の構成図である。図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。図1の実施例1と異なる点は、電圧変換回路10のダイオード12を、スイッチング素子18に置き換えている点であり、ダイオードよりオン抵抗の低いMOS−FETを用いて同期整流を行うことにより、損失を小さくすることができる。電圧変換回路20も、同様にダイオードをスイッチング素子に置き換えて同期整流を行うことができる。
【実施例6】
【0051】
図18は、本発明の実施例6による発行ダイオード用電源の電圧変換回路の構成図である。図7と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。図7の実施例2と異なる点は、電圧変換回路50のダイオード52をスイッチング素子58に置き換えている点であり、ダイオードよりオン抵抗の低いMOS−FETを用いて同期整流を行うことにより、損失を小さくすることができる。電圧変換回路60も同様にダイオードをスイッチング素子に置き換えて同期整流を行うことができる。
【実施例7】
【0052】
図19は、本発明の実施例7による発行ダイオード用電源の回路構成図である。図19において、直流電源1の両端には、第1の電圧変換回路110が接続されている。第1の電圧変換回路110の出力側には、第1のLED負荷(第1組)101とスイッチング素子38、及び電流検出器104の直列回路と、第1のLED負荷(第2組)102とスイッチング素子39、及び電流検出器105の直列回路が接続されている。更に、第1の電圧変換回路110の出力側後段には、第2の電圧変換回路120が接続されており、同様に、第2のLED負荷103とスイッチング素子48、及び電流検出器106の直列回路が接続されている。スイッチング素子38、39、及び48は、MOS−FETを用いているが、バイポーラトランジスタを用いても構わない。第1の電圧変換回路110の出力両端には、抵抗36、37の直列回路からなる電圧検出器が接続されており、抵抗37によって電圧を検出し、前述のように、誤差増幅器、比較器、及び発振器から構成された制御回路30によって出力電圧が制御される。第2の電圧変換回路120の出力両端にも同様に、抵抗46、47の直列回路からなる電圧検出器が接続されており、抵抗47によって電圧を検出し、誤差増幅器、比較器、及び発振器から構成された制御回路40によって出力電圧が制御される。第1のLED負荷(第1組)101に流れる電流は、電流検出器104によって電圧に変換され、誤差増幅器311のマイナス端子に入力される。誤差増幅器311のプラス端子には、LED負荷101の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref101が入力され、電流指令値とLED負荷101の電流との誤差を増幅し、スイッチング素子38のゲート電圧を制御する。第1のLED負荷(第2組)102及び第2のLED負荷103に流れる電流の制御も同様であり、説明を省略する。両電圧変換回路110,120は、LED負荷の順方向電圧とほぼ同じ値になるように出力電圧を制御する。これにより、LED負荷と直列接続されたスイッチング素子に印加される電圧を低減することができ、損失を抑えることができる。電流制御は、前述と同様にアナログ制御やパルス幅制御を適用することができ、パルス幅制御の周波数は光のちらつきが目立たない程度に、例えば数百Hzから数KHzの周波数にすれば良い。本実施例7では、電圧変換回路の出力電圧と、LED負荷の電流とを、別々に制御するため、電圧変換回路の出力に複数組並列にLED負荷を接続し、各々の電流を制御することが可能となる。
【実施例8】
【0053】
図20は、本発明の実施例8による発行ダイオード用電源のLED負荷回路の構成図である。電圧変換回路(図示しない)の出力両端には、LED負荷101とスイッチング素子115の直列回路と、スイッチング素子116、抵抗113、及びスイッチング素子114の直列回路とが、並列に接続されている。スイッチング素子114、115は、NPNトランジスタであり、スイッチング素子116には、PNPトランジスタを用いている。スイッチング素子114のコレクタ及びベース端子と、スイッチング素子115のベース端子は、互いに接続されており、カレントミラー回路を構成している。LED負荷101に流れる電流ピーク値は、電圧変換回路の電圧と抵抗113によって決まり、スイッチング素子116のオン時間Dutyを可変することにより電流を制御することができる。
【0054】
図21は、本発明の実施例8の変形例による発行ダイオード用電源のLED負荷回路の構成図である。この変形例では、図20のスイッチング素子114、115をPNPトランジスタ118、119に置き換え、スイッチング素子116をNPNトランジスタ121に置き換えている。この実施例8の変形例においても、図20と同様に制御することにより、LED負荷101の電流を制御することができる。
【実施例9】
【0055】
図22は、本発明の実施例1〜8のいずれかの発光ダイオード用電源を内蔵搭載した照明装置筐体210の外観図である。
【0056】
図23は、図22のXY断面図を示す。図23から、筐体210内には、回路部品217を搭載した電源基板214が内蔵され、LED負荷211は、放熱フィン213を有する基板212上に実装されている。これにより、LED負荷211で発生した熱は、基板212を介して放熱フィン213により放熱される。LED負荷211からの光は、拡散板215を介して出力され、筐体210の内面に設けられた反射板216によって前方の光出力を向上している。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、LED負荷を複数個並べて用いる照明器具、スタンド照明、スポット照明、信号機、及び自動車の各種ライトや液晶バックライト等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図2】図1の実施例1における電圧変換回路のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフ。
【図3】図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第1の説明図。
【図4】図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第2の説明図。
【図5】図1の実施例1におけるアナログ制御とパルス幅制御を組み合わせたマルチ制御のリファレンス電圧の動作波形図。
【図6】図1の実施例1にマルチ制御を適用した場合のLED電流とリファレンス電圧の電圧レベル及びDutyの関係図。
【図7】本発明の実施例2による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図8】図7の実施例2における電圧変換回路のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例3による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図10】図9の実施例3における商用交流電源の電圧波形とACパワー・コントローラの出力電圧波形。
【図11】図9の実施例3におけるACパワー・コントローラに容量性負荷が接続された時のACパワー・コントローラ出力電圧、入力電流及び平滑後の直流電圧波形図。
【図12】図9の実施例3における制御指令回路の各部の動作波形図。
【図13】図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係説明図。
【図14】図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係を示す第2の説明図。
【図15】本発明の実施例に適用名可能な、リモコンからの調光信号及び可変色信号を受けて各LED負荷の電流指令値を調整する回路構成図。
【図16】本発明の実施例4による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図17】本発明の実施例5による発光ダイオード用電源の電圧変換回路構成図。
【図18】本発明の実施例6による発行ダイオード用電源の電圧変換回路構成図。
【図19】本発明の実施例7による発光ダイオード用電源の電圧変換回路構成図。
【図20】本発明の実施例8による発光ダイオード用電源のLED負荷回路の回路構成図。
【図21】本発明の実施例8の変形例による発光ダイオード用電源のLED負荷回路の回路構成図。
【図22】本発明の実施例1〜8のいずれかの発光ダイオード用電源を内蔵搭載した照明装置の外観図。
【図23】図22の照明装置のX−Y断面図。
【符号の説明】
【0059】
1…直流電源、2…商用交流電源、4,13,23,53,63,83,86…インダクタ、3,14,24,54,64,76,79,84,85…キャパシタ、5…整流回路、6…ACパワー・コントローラ(調光器)、10,20,50,60,80,110,120…電圧変換回路、11,18,21,38,39,48,51,58,61,81,114〜116,118〜119,121…スイッチング素子、12,22,52,62,82…ダイオード、15,25,101〜103,211…LED負荷、16,17,26,27,104〜106…電流検出器、30,40…制御回路、31,311,312,41…誤差増幅器、32,42,74…比較器、33,43…発振器、34,44…ドライブ回路、70…電流指令回路、73…基準電圧源、77…反転器、36,37,46,47,71,72,75,78,113…抵抗、201…受光素子、202…信号増幅器、203…マイコン、210…筐体、212,214…基板、213…放熱フィン、215…拡散板、216…反射板、217…回路部品。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の負荷に給電する直流電源と、複数の発光ダイオードを駆動する発光ダイオード用電源、及び発光ダイオードを光源とした照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(以下、LEDと称す)の発光効率が向上し一般照明用の光源として注目されてきている。LEDを駆動する場合、抵抗器などの電流制限要素をLEDと直列に接続するのが一般的である。しかしながら、抵抗器を使用した場合は、抵抗器での電力損失が大きくなる為、駆動回路の変換効率が低下する。
【0003】
このような問題を解決する従来例として、特許文献1に開示されるようなLED点灯装置がある。この装置は、交流電源を受けて直流電圧を出力する電源装置と、この直流電圧により点灯されるLED素子を実装したLEDモジュール部とで構成され、直流電源装置に定電流機能を持たせている。直流電源装置は出力電流を定電流化するためのフィードバック制御機能を有するスイッチング電源回路で構成されているため、駆動回路としての変換効率は高くなる。複数のLED負荷の電流を各々制御する場合は、定電流電源回路を個別に設け、交流電源を整流平滑する回路部の共通化を図っている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−142137号公報(特に、図15など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された従来技術において、各々のLEDモジュール部間の順方向電圧が大きく異なる場合、定電流電源回路の電圧変換比が異なり、変換比の大きい電源回路の方は効率が低下する。
【0006】
本発明の目的は、複数の負荷に給電する直流電源装置において、各電源回路から各負荷に効率良く給電できる直流電源装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、複数のLED負荷を駆動する場合において、各LEDを効率良く駆動する発光ダイオード用電源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の望ましい実施態様においては、直流電圧を変換する複数のDC/DC電圧変換回路を直列接続し、これら複数のDC/DC電圧変換回路の出力側にそれぞれ負荷を接続したことを特徴とする。
【0009】
本発明の望ましい他の実施態様においては、直流電圧を変換する複数のDC/DC電圧変換回路を直列接続し、これら複数のDC/DC電圧変換回路の出力側にそれぞれLED負荷を接続したことを特徴とする。
【0010】
本発明の具体的な実施態様においては、発光ダイオード(LED)を含むLED負荷に電力を供給する発光ダイオード用電源において、直流電源に接続され、第1のLED負荷に電力を供給する第1の電圧変換回路と、この第1の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とするとともに、前記第1のLED負荷とはその最大電圧の異なる第2のLED負荷に電力を供給する第2の電圧変換回路と、これら第1及び第2の電圧変換回路により個別にLED負荷電流を制御する複数の個別電流制御手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の望ましい実施態様によれば、複数の負荷を駆動する場合において、電圧変換回路の電圧変換比の小さい、高効率な直流電源装置を提供することができる。
【0012】
また、本発明の望ましい他の実施態様によれば、順方向電圧が大きく異なる複数のLED負荷を駆動する場合において、電圧変換回路の電圧変換比を小さくすることができ、高効率な発光ダイオード用電源を提供することができる。
【0013】
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施例の説明の中で明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の望ましい実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1による発光ダイオード用電源の回路構成図である。図1において、直流電源1の両端には、スイッチング素子11、ダイオード12、インダクタ13、及びキャパシタ14から構成された降圧チョッパ型の第1のDC/DC電圧変換回路10が接続されている。この電圧変換回路10の出力となるキャパシタ14の両端には、第1のLED負荷15と電流検出器16の直列回路が接続されている。スイッチング素子11は、NチャネルのMOS−FETを用いているが、PチャネルのMOS−FET、又はバイポーラトランジスタを用いても構わない。電圧変換回路10は、制御回路30により、ドライブ回路34を介してスイッチング素子11のオン時間Dutyを制御することで、その出力電圧を変化させることができる。制御回路30は、誤差増幅器31、比較器32、及び発振器33から構成されている。このように、電圧変換回路10の出力電圧の調整によって、LED負荷15の電力制御を行うことができる。LED負荷15に流れる電流は、電流検出器16によって電圧に変換され、誤差増幅器31のマイナス端子に入力される。誤差増幅器31のプラス端子には、LED負荷15の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref1が入力され、電流指令値とLED負荷15の電流との誤差を増幅して出力する。比較器32は、プラス端子に誤差増幅器31の出力信号を入力し、一方、マイナス端子に発振器33の出力信号を入力することによって、それぞれの入力信号を比較し、誤差増幅器31の出力の方が大きい場合にドライブ回路34に信号を送る。すなわち、PWM変調器を形成している。ドライブ回路34は、比較器32の出力信号であるPWM信号に基づいて、スイッチング素子11のゲートにドライブ信号を印加し、この素子11をオンオフ駆動する。
【0016】
第1の電圧変換回路10の出力となるキャパシタ14の両端には、前述の第1のLED負荷15の他に、降圧チョッパ型の第2のDC/DC電圧変換回路20が接続されている。この第2の電圧変換回路20もまた、スイッチング素子21、ダイオード22、インダクタ23、及びキャパシタ24から構成されている。さらに、第2の電圧変換回路20の出力となるキャパシタ24の両端にも、第2のLED負荷25と電流検出器26の直列回路が接続されている。第2の電圧変換回路20は、第1の電圧変換回路10と同様に、誤差増幅器41、比較器42、及び発振器43から構成された制御回路40により、スイッチング素子21のオン時間Dutyを制御することで出力電圧を変化させることができる。このように、電圧変換回路20の出力電圧の調整によって、LED負荷25の電力制御を行うことができる。LED負荷25に流れる電流は、電流検出器26によって電圧に変換され、誤差増幅器41のマイナス端子に入力される。誤差増幅器41のプラス端子には、LED負荷25の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref2が入力され、電流指令値とLED負荷25の電流との誤差を増幅して出力する。比較器42は、プラス端子に誤差増幅器41の出力信号を入力し、一方、マイナス端子に発振器43の出力信号を入力することによって、それぞれの入力信号を比較し、誤差増幅器41の出力の方が大きい場合にドライブ回路44に信号を送る。すなわち、PWM変調器を形成している。ドライブ回路44は、比較器42の出力信号であるPWM信号に基づいて、スイッチング素子21のゲートにドライブ信号を印加しオンオフ駆動する。
【0017】
第2の電圧変換回路20は、第1の電圧変換回路10の出力電圧を電源として利用することにより、降圧比を小さくすることができ、スイッチング素子21のオン時間Dutyの減少を抑えることができる。
【0018】
図2は、本発明の実施例1における第1及び第2の電圧変換回路10,20のスイッチング素子のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフである。ここで、直流電源1の電圧をVc、第1,第2の電圧変換回路10及び20の出力電圧をそれぞれV1、V2とする。例えば、第1の電圧変換回路10を50%のDutyで駆動した場合、その出力電圧V1は、Vc/2となる。一方、第2の電圧変換回路20は、Vc/2を電源として駆動するため、出力電圧V2をVc/4にするには、やはり、50%のDutyで駆動すれば良い。
【0019】
これに対し、従来のように、第2の電圧変換回路20の電源も、直流電源1から直接得るようにした場合、出力電圧V2の特性はV1と同じになるため、Vc/4の出力電圧を取り出すには、25%のDutyで駆動しなければならない。一般に、変換効率は電圧変換比が小さいほど高くなるため、第2の電圧変換回路20の電源は、第1の電圧変換回路10の出力電圧V1から得た方が変換効率は高くなる。本実施例は、第2のLED負荷25の順方向電圧が、第1のLED負荷15の順方向電圧よりも低い場合に有効な回路構成となる。
【0020】
図3は、図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第1の説明図であり、色を2つの数値を使ってXY座標空間で表わした色度図である。領域801〜805は、それぞれ昼光色、昼白色、白色、温白色、及び電球色を表わしている。本実施例において、領域801〜805の範囲で可変色制御を行いながら、白熱電球40W相当の明るさを得る場合を考える。これを、例えば、1WクラスのパワーLEDを用い、LED負荷15に昼光色LEDを14個、他方、LED負荷25に橙色LEDを6個使用し、それぞれの電流を制御することで実現できる。昼光色LEDの順方向電圧は約3.5Vであり、LED負荷15全体の順方向電圧は49Vとなる。一方、橙色LEDの順方向電圧は約2.5Vであり、LED負荷25全体の順方向電圧は約15Vとなる。したがって、次のように制御することによって、前述の順方向電圧の関係を満足させることができる。すなわち、図1において、LED負荷15及び25に流れる電流をIL1、IL2とすると、昼光色から電球色に可変色制御を行うには、図3に示すように、IL1を100%から50%に制御し、IL2を0%から100%に制御することで実現できる。
【0021】
図4は、図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第2の説明図であり、LED負荷15に電球色LEDを14個、LED負荷25に青緑色LEDを6個使用した場合の、色と各々の電流の関係を示している。電球色LEDの順方向電圧は約3.5Vであり、LED負荷15の順方向電圧は49Vとなる。一方、青緑色LEDの順方向電圧も約3.5Vであり、LED負荷25の順方向電圧は21Vとなる。したがって、第2のLED負荷25の順方向電圧が、第1のLED負荷15の順方向電圧よりも低いという、前述した図1の回路で、高い電圧変換効率が得られる有効な構成となる。昼光色から電球色に可変色制御を行うには、IL1を50%から100%に制御し、IL2を100%から0%に制御することで実現できる。
【0022】
LED負荷15に白色LEDを用いた場合は、LED負荷25の青緑色LEDの数を減らし、電圧変換回路20の後段に、更に、電圧変換回路を追加し、LED負荷として橙色LEDを用いても構わない。この場合は3色のLED負荷の電流を制御し可変色制御を行うことになる。
【0023】
図1において、LED負荷15及び25の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref1、Vref2は、その電圧制御として、アナログ制御とPWM制御がある。すなわち、電圧レベルを可変するアナログ制御と、電圧レベルを固定してそのオン/オフのDutyを可変するパルス幅制御がある。パルス幅制御の周波数は、光のちらつきが目立たない程度に、例えば、数百Hzから数KHzの周波数にすれば良い。アナログ制御では、LED電流の下限値付近において、LEDのばらつきによる輝度ばらつきが顕著に現れる問題がある。従って、アナログ制御を用いた場合は、下限値付近をパルス幅制御に切り替えるマルチ制御が望ましい。
【0024】
図5は、本発明の実施例1に採用できるアナログ制御とパルス幅変調制御を組み合わせたマルチ制御におけるVref電圧波形図である。電圧レベルが、VaからVbまでの間はアナログ制御を行い、Vb以下では、Dutyを可変するパルス幅制御となる。
【0025】
図6は、本発明の実施例1にマルチ制御を採用した場合におけるLED電流ILとVrefの電圧レベル及びDutyの関係図である。LED電流が、IaからIbまでは、VrefのDutyを100%とし、電圧レベルをVaからVbまで可変して電流を制御する。一方、LED電流ILが、Ibから0までの区間では、Vrefの電圧レベルをVbに固定し、Dutyを100%から0%まで可変して電流を制御する。
【0026】
図1において、電流検出器16及び26は抵抗を用いているため、LED負荷15、25にパワーLEDを用いた場合は電流が大きく、抵抗での損失が大きくなる。従って、損失を小さくするために抵抗値を小さくし、検出電圧を増幅して誤差増幅器に入力することが望ましい。
【実施例2】
【0027】
図7は、本発明の実施例2による発光ダイオード用電源の回路構成図であり、図7が、図1と異なる点は、DC/DC電圧変換回路として、降圧チョッパ型ではなく、昇圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路を用いたことである。図7において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。直流電源1の両端には、スイッチング素子51、ダイオード52、インダクタ53、及びキャパシタ54から構成された昇圧チョッパ型の第1の電圧変換回路50が接続されている。この電圧変換回路50の出力となるキャパシタ54の両端には、LED負荷15と電流検出器16の直列回路が接続されている。電圧変換回路50は、前述の電圧変換回路10と同様に、スイッチング素子51のオン時間Dutyを制御することで出力電圧を変化させることができ、この電圧変化によってLED負荷15の電力制御を行うことができる。
【0028】
第1の電圧変換回路50の出力となるキャパシタ54の両端には、前述のLED負荷15の他に、スイッチング素子61、ダイオード62、インダクタ63、及びキャパシタ64から構成された昇圧チョッパ型の第2の電圧変換回路60が接続されている。この電圧変換回路60の出力となるキャパシタ64の両端には、第2のLED負荷25と電流検出器26の直列回路が接続されている。第2の電圧変換回路60は、第1の電圧変換回路50と同様に、スイッチング素子61のオン時間Dutyを制御することで出力電圧を変化させることができ、この電圧変化によってLED負荷25の電力制御を行うことができる。
【0029】
第2の電圧変換回路60は、第1の電圧変換回路50の出力電圧を電源として利用することにより昇圧比を小さくすることができ、スイッチング素子61のオン時間Dutyの増加を抑えることができる。
【0030】
図8は、本発明の実施例2における第1の電圧変換回路50及び第2の電圧変換回路60のスイッチング素子のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフである。ここで、直流電源1の電圧をVc、第1,第2の電圧変換回路50及び60の出力電圧をそれぞれV5、V6とする。例えば、第1の電圧変換回路50を50%のDutyで駆動した場合、その出力電圧V1は、2Vcとなる。一方、第2の電圧変換回路60は、2Vcを電源として駆動するため、出力電圧V2を4Vcにするには、やはり、50%のDutyで駆動すれば良い。
【0031】
これに対し、従来のように、第2の電圧変換回路60の電源も、直流電源1から直接得るようにしたとすると、出力電圧V6の特性はV5と同じになるため、4Vcの出力電圧を取り出すには、75%のDutyで駆動しなければならない。一般に、電圧変換比が小さいほど変換効率は高くなるため、第2の電圧変換回路60の電源は、第1の電圧変換回路50の出力電圧V5から得た方が変換効率は高くなる。本実施例2は、LED負荷25の順方向電圧がLED負荷15の順方向電圧よりも高い場合に有効な回路構成となる。
【実施例3】
【0032】
図9は、本発明の実施例3による発光ダイオード用電源の回路構成図である。図1と同一機能部については同一符号を付して説明は省略する。本実施例は、商用交流電源2を受けてLED負荷を駆動すると共に、電球用の調光器として用いられるACパワー・コントローラ6を用いて商用電源電圧の導通位相角を制御して発光色をも可変する回路構成を示している。ACパワー・コントローラ6としては、よく知られているように、トライアックやサイリスタを用いることができる。
【0033】
図10は、本実施例3において、商用電源電圧の導通位相角を制御し、可変色制御を行うACパワー・コントローラ6の動作電圧波形図である。
【0034】
本実施例3では、ACパワー・コントローラ6の出力電圧を、キャパシタ3及びインダクタ4で構成されたフィルタを介して整流回路5に印加する。整流回路5の出力端には、昇降圧動作が可能なSEPIC(Single Ended Primary Inductance Converter)型の第1の電圧変換回路80が接続されている。SEPIC型の電圧変換回路80は、スイッチング素子81とダイオード82、磁気結合したインダクタ83、86及びキャパシタ84、85から構成され、昇降圧動作が可能な電圧変換回路である。インダクタ83と86は磁気的に結合していなくても構わない。第1の電圧変換回路80の出力となるキャパシタ84の両端には、LED負荷15と電流検出器16の直列回路と、第2の電圧変換回路90が接続されている。第2の電圧変換回路90の出力には、LED負荷25と電流検出器26の直列回路が接続されている。第2の電圧変換回路90は、前述の降圧チョッパ型や昇圧チョッパ型、SEPIC型等、LED負荷25の順方向電圧に応じて、その種別を選択することができる。
【0035】
第1の電圧変換回路80は、スイッチング素子81のオン時間Dutyを制御することで、入力電圧が低い時は昇圧、高い時は降圧動作を行い出力電圧を変化させ、LED負荷15の電力制御を行うことができる。良く知られているように、スイッチング素子81がオン状態にある期間に、商用交流電源2に対しインダクタ83が直接接続された状態となり、電源から電流が流れ込み、インダクタ83にエネルギーを蓄える。このため、商用交流電源の周波数に対し高い周波数でスイッチング素子81をオンオフすることにより、商用交流電源の全周期において電流が流れ、入力電流の力率を改善することができる。従って、ACパワー・コントローラ6の出力電圧は、図10に示すように、導通位相角が制御されたきれいな波形となる。電圧変換回路80としては、昇圧チョッパ型であっても入力電流の力率を改善することができる。
【0036】
さて、図9において、整流回路5の出力端には、抵抗71、72の直列回路からなる電圧検出器が接続されており、整流電圧を検出する。電流指令回路70は、基準電圧源73、比較器74、反転器77、抵抗75とキャパシタ76、及び、抵抗78とキャパシタ79で構成されている。この実施例3では、前述したように、ACパワー・コントローラ6の出力電圧である抵抗72の電圧が、出したい発光色を表わしており、この電圧に基いて、各LED負荷の電流指令値であるリファレンス電圧Vref1,Vref2を出力する。すなわち、第1の発光ダイオードの電流指令電圧Vref1と、第2の発光ダイオードの電流指令電圧Vref2が、導通制御角に対して、図3や図4の関係を持って関連付けられて制御されれば、所望の発光色を得ることができる。
【0037】
本実施例では、入力変動に対する出力の安定性を上げるために、抵抗72の電圧を発振器33にも入力し、入力電圧に応じて、発振器33の鋸波の傾きを可変している。すなわち、ACパワー・コントローラ6による位相制御によって、その出力電圧が、半サイクル毎に0Vから急峻に立ち上がり、安定性を阻害する要因となる。このため、電圧変換回路80の入力電圧変動に対し、出力の安定性を上げるには、このような、ボルテージフィードフォワード制御が有効である。
【0038】
図11は、図9の実施例3における制御回路30の各部の波形図であり、上記したボルテージフィードフォワード制御の説明図である。V(72)、V(31)、V(32)、V(33)は、それぞれ抵抗72、誤差増幅器31、比較器32、発振器33の電圧波形である。V(72)が高くなるとV(33)の傾きは大きくなり、V(31)と比較して出力されるV(32)のパルス幅は狭くなる。従って、電圧変換回路80の入力電圧が急峻に立ち上がり、インダクタ83の電流が急激に増加することを防止し、出力電圧の安定性を向上することができる。
【0039】
図12は、図9の実施例3における電流指令回路70の各部の波形図であり、図3や図4のように、第1,第2の発光ダイオードに、互いに反比例した電流指令を与えて電流制御を行うための構成を示している。V(72)、V(73)、V(74)、V(77)、Vref1、及びVref2は、それぞれ抵抗72、基準電圧源73、比較器74、反転器77、及びリファレンス電圧波形を示す。比較器74は、抵抗72の電圧V(72)がマイナス端子に入力され、基準電圧源73の電圧V(73)がプラス端子に入力され、それぞれの信号を比較しV(73)の方が大きい場合に電圧を出力する。比較器74は、基準電圧源73にヒステリシスを設けることにより、V(72)に重畳するノイズの影響を抑えることができる。比較器74の出力電圧V(74)は、抵抗75とキャパシタ76によって平滑され、LED負荷15の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref1として誤差増幅器31のプラス端子に入力される。
【0040】
一方、比較器74の出力電圧V(74)は、反転器77によってV(77)となり、抵抗78とキャパシタ79によって平滑され、LED負荷25の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref2として、誤差増幅器41のプラス端子に入力される。
【0041】
すなわち、反転器77を用いて、逆比例した電流指令Vref1とVref2を作成することにより、図3や図4のように、第1,第2の発光ダイオードに、互いに反比例した電流制御をかけるための電流指令回路70を構成している。
【0042】
図13は、図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係を示す説明図である。図12に示す基準電圧源73の電圧V(73)を調整することにより、図13に示すように、導通位相角に対し、各リファレンス電圧Vref1,Vref2を調整することができる。図13において、導通位相角が0度からφaまでの間、Vref1はVa一定、Vref2は0V一定となり、φaからφbまで増加すると、Vref1はVaからVa/2まで減少し、Vref2は0VからVa/2まで増加する。φbから180度までの間は、Vref1、Vref2ともに、Va/2一定となる。Vref1の最大値はVaで、Vref2の最大値はVa/2となり、この条件でそれぞれLED負荷15、25の電流が最大になるように電流検出器16、26の抵抗値を調整することになる。
【0043】
本実施例3において、前述のように、LED負荷15に昼光色LED用い、LED負荷25に橙色LEDを用いた場合、導通位相角が小さいと昼光色となり、導通位相角が大きいと電球色となる。このように、ACパワー・コントローラ6によって導通位相角制御された電圧を可変色信号として用いることにより可変色制御が可能となる。
【0044】
図12及び図13において、φaは0度に近く、φbは180度に近い方が、導通位相角に対する色の変化の感度が小さくなり、操作性が向上する。但し、φaが小さいと電源が供給される期間が短くなり、LED負荷に十分な電力を供給することが出来なくなるため、電力に応じて下限値を設定することが望ましい。ここで、φaを0度に、φbを180度に近づけるには、基準電圧源73の電圧V(73)を下げることにより可能であり、この場合の導通位相角とVref1とVref2の関係は図14のようになる。
【0045】
図14は、図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係を示す第2の説明図である。導通位相角が0度からφaまでの間、Vref1はVa一定、Vref2は0V一定となり、φaからφbまで増加するとVref1はVaからほぼ0Vまで減少し、Vref2は0VからほぼVaまで増加する。φbから180度までの間は、Vref1はほぼ0V一定、Vref2はほぼVa一定となる。図3での説明のように、LED負荷15に昼光色LED用い、LED負荷25に橙色LEDを用いた場合、Vref1にVa分のバイアスを加えてVref1´とし、LED負荷15の電流指令値とすれば、前述と同様の可変色制御が可能となる。この場合は、Vref1の最大値は2Va、Vref2はVaとなり、この条件でそれぞれLED負荷15、25の電流が最大になるように電流検出器16、26の抵抗値を調整することになる。
【0046】
図15は、本発明の実施例に適用できる、リモコンからの調光信号及び可変色信号を受けて各LED負荷の電流指令値を調整する回路構成図である。図15において、受光素子201にて受信した調光及び可変色信号は、信号増幅器202を介して増幅し、マイコン203に入力する。マイコン203は、各信号に基づいてプログラムに従ってLED負荷の電流指令値を計算し、リファレンス電圧Vref1、Vref2を出力する。
【実施例4】
【0047】
図16は、本発明の実施例4による発光ダイオード用電源の回路構成図である。図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。図1の実施例1と異なる点は、電圧変換回路10のインダクタ13に流れる電流を電流検出器17で検出し、比較器32のマイナス端子35に入力している点である。電圧変換回路20も同様に、インダクタ23に流れる電流を電流検出器27で検出し、比較器42のマイナス端子45に入力する。
【0048】
これまでの実施例においては、電流制御にパルス幅制御を適用すると、例えば、電流指令値が低い値から高い値に急激に変化した際、誤差増幅器の出力電圧が高くなり、スイッチング素子のオン時間が長くなる。これにより、インダクタの電流が急激に増える。
【0049】
これに対し、図16に示すように、脈動する検出電流を比較器32,42のマイナス端子にフィードバックすることにより、オン時間の増加を抑えることができる。このように、電流をフィードバックすることにより、応答性を向上させ、動作の安定性を確保することができる。本実施例4では、インダクタ13,23の電流を検出し、比較器に入力しているが、スイッチング素子11,21の電流を検出しても構わない。
【実施例5】
【0050】
図17は、本発明の実施例5による発光ダイオード用電源の電圧変換回路の構成図である。図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。図1の実施例1と異なる点は、電圧変換回路10のダイオード12を、スイッチング素子18に置き換えている点であり、ダイオードよりオン抵抗の低いMOS−FETを用いて同期整流を行うことにより、損失を小さくすることができる。電圧変換回路20も、同様にダイオードをスイッチング素子に置き換えて同期整流を行うことができる。
【実施例6】
【0051】
図18は、本発明の実施例6による発行ダイオード用電源の電圧変換回路の構成図である。図7と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。図7の実施例2と異なる点は、電圧変換回路50のダイオード52をスイッチング素子58に置き換えている点であり、ダイオードよりオン抵抗の低いMOS−FETを用いて同期整流を行うことにより、損失を小さくすることができる。電圧変換回路60も同様にダイオードをスイッチング素子に置き換えて同期整流を行うことができる。
【実施例7】
【0052】
図19は、本発明の実施例7による発行ダイオード用電源の回路構成図である。図19において、直流電源1の両端には、第1の電圧変換回路110が接続されている。第1の電圧変換回路110の出力側には、第1のLED負荷(第1組)101とスイッチング素子38、及び電流検出器104の直列回路と、第1のLED負荷(第2組)102とスイッチング素子39、及び電流検出器105の直列回路が接続されている。更に、第1の電圧変換回路110の出力側後段には、第2の電圧変換回路120が接続されており、同様に、第2のLED負荷103とスイッチング素子48、及び電流検出器106の直列回路が接続されている。スイッチング素子38、39、及び48は、MOS−FETを用いているが、バイポーラトランジスタを用いても構わない。第1の電圧変換回路110の出力両端には、抵抗36、37の直列回路からなる電圧検出器が接続されており、抵抗37によって電圧を検出し、前述のように、誤差増幅器、比較器、及び発振器から構成された制御回路30によって出力電圧が制御される。第2の電圧変換回路120の出力両端にも同様に、抵抗46、47の直列回路からなる電圧検出器が接続されており、抵抗47によって電圧を検出し、誤差増幅器、比較器、及び発振器から構成された制御回路40によって出力電圧が制御される。第1のLED負荷(第1組)101に流れる電流は、電流検出器104によって電圧に変換され、誤差増幅器311のマイナス端子に入力される。誤差増幅器311のプラス端子には、LED負荷101の電流指令値に相当するリファレンス電圧Vref101が入力され、電流指令値とLED負荷101の電流との誤差を増幅し、スイッチング素子38のゲート電圧を制御する。第1のLED負荷(第2組)102及び第2のLED負荷103に流れる電流の制御も同様であり、説明を省略する。両電圧変換回路110,120は、LED負荷の順方向電圧とほぼ同じ値になるように出力電圧を制御する。これにより、LED負荷と直列接続されたスイッチング素子に印加される電圧を低減することができ、損失を抑えることができる。電流制御は、前述と同様にアナログ制御やパルス幅制御を適用することができ、パルス幅制御の周波数は光のちらつきが目立たない程度に、例えば数百Hzから数KHzの周波数にすれば良い。本実施例7では、電圧変換回路の出力電圧と、LED負荷の電流とを、別々に制御するため、電圧変換回路の出力に複数組並列にLED負荷を接続し、各々の電流を制御することが可能となる。
【実施例8】
【0053】
図20は、本発明の実施例8による発行ダイオード用電源のLED負荷回路の構成図である。電圧変換回路(図示しない)の出力両端には、LED負荷101とスイッチング素子115の直列回路と、スイッチング素子116、抵抗113、及びスイッチング素子114の直列回路とが、並列に接続されている。スイッチング素子114、115は、NPNトランジスタであり、スイッチング素子116には、PNPトランジスタを用いている。スイッチング素子114のコレクタ及びベース端子と、スイッチング素子115のベース端子は、互いに接続されており、カレントミラー回路を構成している。LED負荷101に流れる電流ピーク値は、電圧変換回路の電圧と抵抗113によって決まり、スイッチング素子116のオン時間Dutyを可変することにより電流を制御することができる。
【0054】
図21は、本発明の実施例8の変形例による発行ダイオード用電源のLED負荷回路の構成図である。この変形例では、図20のスイッチング素子114、115をPNPトランジスタ118、119に置き換え、スイッチング素子116をNPNトランジスタ121に置き換えている。この実施例8の変形例においても、図20と同様に制御することにより、LED負荷101の電流を制御することができる。
【実施例9】
【0055】
図22は、本発明の実施例1〜8のいずれかの発光ダイオード用電源を内蔵搭載した照明装置筐体210の外観図である。
【0056】
図23は、図22のXY断面図を示す。図23から、筐体210内には、回路部品217を搭載した電源基板214が内蔵され、LED負荷211は、放熱フィン213を有する基板212上に実装されている。これにより、LED負荷211で発生した熱は、基板212を介して放熱フィン213により放熱される。LED負荷211からの光は、拡散板215を介して出力され、筐体210の内面に設けられた反射板216によって前方の光出力を向上している。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、LED負荷を複数個並べて用いる照明器具、スタンド照明、スポット照明、信号機、及び自動車の各種ライトや液晶バックライト等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図2】図1の実施例1における電圧変換回路のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフ。
【図3】図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第1の説明図。
【図4】図1の実施例1における色とLED電流の関係を示す第2の説明図。
【図5】図1の実施例1におけるアナログ制御とパルス幅制御を組み合わせたマルチ制御のリファレンス電圧の動作波形図。
【図6】図1の実施例1にマルチ制御を適用した場合のLED電流とリファレンス電圧の電圧レベル及びDutyの関係図。
【図7】本発明の実施例2による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図8】図7の実施例2における電圧変換回路のオン時間Dutyと出力電圧の関係を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例3による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図10】図9の実施例3における商用交流電源の電圧波形とACパワー・コントローラの出力電圧波形。
【図11】図9の実施例3におけるACパワー・コントローラに容量性負荷が接続された時のACパワー・コントローラ出力電圧、入力電流及び平滑後の直流電圧波形図。
【図12】図9の実施例3における制御指令回路の各部の動作波形図。
【図13】図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係説明図。
【図14】図9の実施例3における導通位相角とリファレンス電圧の関係を示す第2の説明図。
【図15】本発明の実施例に適用名可能な、リモコンからの調光信号及び可変色信号を受けて各LED負荷の電流指令値を調整する回路構成図。
【図16】本発明の実施例4による発光ダイオード用電源の回路構成図。
【図17】本発明の実施例5による発光ダイオード用電源の電圧変換回路構成図。
【図18】本発明の実施例6による発行ダイオード用電源の電圧変換回路構成図。
【図19】本発明の実施例7による発光ダイオード用電源の電圧変換回路構成図。
【図20】本発明の実施例8による発光ダイオード用電源のLED負荷回路の回路構成図。
【図21】本発明の実施例8の変形例による発光ダイオード用電源のLED負荷回路の回路構成図。
【図22】本発明の実施例1〜8のいずれかの発光ダイオード用電源を内蔵搭載した照明装置の外観図。
【図23】図22の照明装置のX−Y断面図。
【符号の説明】
【0059】
1…直流電源、2…商用交流電源、4,13,23,53,63,83,86…インダクタ、3,14,24,54,64,76,79,84,85…キャパシタ、5…整流回路、6…ACパワー・コントローラ(調光器)、10,20,50,60,80,110,120…電圧変換回路、11,18,21,38,39,48,51,58,61,81,114〜116,118〜119,121…スイッチング素子、12,22,52,62,82…ダイオード、15,25,101〜103,211…LED負荷、16,17,26,27,104〜106…電流検出器、30,40…制御回路、31,311,312,41…誤差増幅器、32,42,74…比較器、33,43…発振器、34,44…ドライブ回路、70…電流指令回路、73…基準電圧源、77…反転器、36,37,46,47,71,72,75,78,113…抵抗、201…受光素子、202…信号増幅器、203…マイコン、210…筐体、212,214…基板、213…放熱フィン、215…拡散板、216…反射板、217…回路部品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の負荷へ給電する直流電源装置において、直流電圧を変換する2以上のDC/DC電圧変換回路を直列に接続し、これら各DC/DC電圧変換回路の出力にそれぞれ最大電圧の異なる前記負荷を接続したことを特徴とする直流電源装置。
【請求項2】
請求項1において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路を、それぞれが所定の関係を持って変化する電流指令に基づいて制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする直流電源装置。
【請求項3】
請求項1において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが降圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする直流電源装置。
【請求項4】
請求項1において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが昇圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする直流電源装置。
【請求項5】
発光ダイオード(LED)を含むLED負荷に電力を供給する発光ダイオード用電源において、直流電圧を変換する2以上のDC/DC電圧変換回路を直列に接続し、これら各DC/DC電圧変換回路の出力側にそれぞれLED負荷を接続したことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項6】
請求項5において、前記各DC/DC電圧変換回路にそれぞれ接続された各LED負荷は、それらの最大電圧が互いに異なることを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項7】
請求項5において、前記LED負荷に流れる電流を検出する電流検出器と、この電流検出器の出力を電流指令値に近づけるように前記DC/DC電圧変換回路を制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項8】
請求項7において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路を、それぞれが所定の関係を持って変化する電流指令に基づいて制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項9】
請求項5において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが、スイッチング素子、インダクタ、ダイオード及びキャパシタを備えた降圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項10】
請求項5において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが、スイッチング素子、インダクタ、ダイオード及びキャパシタを備えた昇圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項11】
請求項5において、前記DC/DC電圧変換回路は、スイッチング素子、インダクタ、ダイオード及びキャパシタを備え、前記DC/DC電圧変換回路の出力電流又は電圧を検出する電流又は電圧検出器と、この電流又は電圧検出器の出力を電流又は電圧指令値に近づけるように前記スイッチング素子をPWM制御するPWM制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項12】
請求項11において、前記DC/DC電圧変換回路の前記インダクタ又は前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出器と、この電流検出器の出力を所定の電流増加率に抑制するように前記スイッチング素子を駆動制御する電流急増抑制手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項13】
請求項7において、前記電流制御手段は、アナログのレベルを調整するアナログ制御、パルス幅変調制御、又はアナログ制御とパルス幅変調制御を組み合わせたマルチ制御のいずれかに基づくことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項14】
請求項5において、それぞれの前記LED負荷に直列接続したスイッチング素子と、それぞれの前記LED負荷に流れる電流を検出する複数の電流検出器と、これらの電流検出器の出力をそれぞれの電流指令値に近づけるようにそれぞれの前記スイッチング素子を制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項15】
請求項14において、それぞれの前記DC/DC電圧変換回路の出力電圧を検出する電圧検出器と、これらの電圧検出器の出力をそれぞれの電圧指令値に近づけるようにそれぞれの前記DC/DC電圧変換回路を制御する複数の電圧制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項16】
請求項14において、前記電流制御手段は、それぞれの前記スイッチング素子とカレントミラー回路を構成する複数の第2のスイッチング素子と、これら第2のスイッチング素子と直列接続した複数の第3のスイッチング素子と、これら第3のスイッチング素子と直列接続され、それぞれの前記LED負荷の電流ピーク値を設定する複数の抵抗器と、それぞれの前記第3のスイッチング素子のパルス幅変調率を調整する手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項17】
請求項7において、商用交流電源と整流回路との間に挿入され、前記交流電源電圧の導通位相角を制御して前記直流電圧を得るスイッチング素子と、この直流電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力に応じて、前記電流制御手段の前記電流指令値を出力する電流指令回路を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項18】
請求項17において、前記電圧検出器の出力の増大に応じて、前記電流制御手段の出力を絞り込む電流急増抑制手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項19】
発光ダイオード(LED)を含むLED負荷に電力を供給する発光ダイオード用電源において、直流電源に接続され、第1のLED負荷に電力を供給する第1の電圧変換回路と、この第1の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とするとともに、前記第1のLED負荷とはその最大電圧の異なる第2のLED負荷に電力を供給する第2の電圧変換回路と、これら第1及び第2の電圧変換回路を個別に制御する複数の個別制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項20】
請求項19において、前記第1のLED負荷は昼光色又は電球色LEDであって、前記第2のLED負荷は橙色又は青緑色LEDであって、複数の前記個別制御手段は、各LED負荷に流れる電流を制御する可変色制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項21】
請求項19において、前記第2の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とするとともに、前記第1及び第2のLED負荷とはその最大電圧が異なる第3のLED負荷に電力を供給する第3の電圧変換回路と、これら第1〜第3の電圧変換回路を個別に制御する3つの個別制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項22】
請求項21において、前記第1のLED負荷は白色LEDであって、前記第2のLED負荷は青緑色LEDであって、前記第3のLED負荷は橙色LEDであって、3つの前記個別制御手段は、各LED負荷に流れる電流を制御する可変色制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項23】
請求項19において、直流電源に接続された第1の降圧チョッパ型の電圧変換回路と、この第1の電圧変換回路の出力側に接続された第1のLED負荷と、前記第1の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とする第2の降圧チョッパ型の電圧変換回路と、この第2の電圧変換回路の出力側に接続され前記第1のLED負荷よりも最大電圧が低い第2のLED負荷と、それぞれが異なる変化をもつ電流指令を発生する第1及び第2の電流指令手段と、前記第1及び第2のLED負荷にそれぞれ流れる電流を検出する電流検出器と、これら2つの電流検出器の出力をそれぞれ前記第1及び第2の電流指令に近づけるように前記第1及び第2の電圧変換回路を制御する個別の電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項24】
請求項5〜23のいずれかの発光ダイオード用電源を備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項1】
複数の負荷へ給電する直流電源装置において、直流電圧を変換する2以上のDC/DC電圧変換回路を直列に接続し、これら各DC/DC電圧変換回路の出力にそれぞれ最大電圧の異なる前記負荷を接続したことを特徴とする直流電源装置。
【請求項2】
請求項1において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路を、それぞれが所定の関係を持って変化する電流指令に基づいて制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする直流電源装置。
【請求項3】
請求項1において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが降圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする直流電源装置。
【請求項4】
請求項1において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが昇圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする直流電源装置。
【請求項5】
発光ダイオード(LED)を含むLED負荷に電力を供給する発光ダイオード用電源において、直流電圧を変換する2以上のDC/DC電圧変換回路を直列に接続し、これら各DC/DC電圧変換回路の出力側にそれぞれLED負荷を接続したことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項6】
請求項5において、前記各DC/DC電圧変換回路にそれぞれ接続された各LED負荷は、それらの最大電圧が互いに異なることを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項7】
請求項5において、前記LED負荷に流れる電流を検出する電流検出器と、この電流検出器の出力を電流指令値に近づけるように前記DC/DC電圧変換回路を制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項8】
請求項7において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路を、それぞれが所定の関係を持って変化する電流指令に基づいて制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項9】
請求項5において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが、スイッチング素子、インダクタ、ダイオード及びキャパシタを備えた降圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項10】
請求項5において、2以上の前記DC/DC電圧変換回路は、それぞれが、スイッチング素子、インダクタ、ダイオード及びキャパシタを備えた昇圧チョッパ型のDC/DC電圧変換回路であることを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項11】
請求項5において、前記DC/DC電圧変換回路は、スイッチング素子、インダクタ、ダイオード及びキャパシタを備え、前記DC/DC電圧変換回路の出力電流又は電圧を検出する電流又は電圧検出器と、この電流又は電圧検出器の出力を電流又は電圧指令値に近づけるように前記スイッチング素子をPWM制御するPWM制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項12】
請求項11において、前記DC/DC電圧変換回路の前記インダクタ又は前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出器と、この電流検出器の出力を所定の電流増加率に抑制するように前記スイッチング素子を駆動制御する電流急増抑制手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項13】
請求項7において、前記電流制御手段は、アナログのレベルを調整するアナログ制御、パルス幅変調制御、又はアナログ制御とパルス幅変調制御を組み合わせたマルチ制御のいずれかに基づくことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項14】
請求項5において、それぞれの前記LED負荷に直列接続したスイッチング素子と、それぞれの前記LED負荷に流れる電流を検出する複数の電流検出器と、これらの電流検出器の出力をそれぞれの電流指令値に近づけるようにそれぞれの前記スイッチング素子を制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項15】
請求項14において、それぞれの前記DC/DC電圧変換回路の出力電圧を検出する電圧検出器と、これらの電圧検出器の出力をそれぞれの電圧指令値に近づけるようにそれぞれの前記DC/DC電圧変換回路を制御する複数の電圧制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項16】
請求項14において、前記電流制御手段は、それぞれの前記スイッチング素子とカレントミラー回路を構成する複数の第2のスイッチング素子と、これら第2のスイッチング素子と直列接続した複数の第3のスイッチング素子と、これら第3のスイッチング素子と直列接続され、それぞれの前記LED負荷の電流ピーク値を設定する複数の抵抗器と、それぞれの前記第3のスイッチング素子のパルス幅変調率を調整する手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項17】
請求項7において、商用交流電源と整流回路との間に挿入され、前記交流電源電圧の導通位相角を制御して前記直流電圧を得るスイッチング素子と、この直流電圧を検出する電圧検出器と、この電圧検出器の出力に応じて、前記電流制御手段の前記電流指令値を出力する電流指令回路を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項18】
請求項17において、前記電圧検出器の出力の増大に応じて、前記電流制御手段の出力を絞り込む電流急増抑制手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項19】
発光ダイオード(LED)を含むLED負荷に電力を供給する発光ダイオード用電源において、直流電源に接続され、第1のLED負荷に電力を供給する第1の電圧変換回路と、この第1の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とするとともに、前記第1のLED負荷とはその最大電圧の異なる第2のLED負荷に電力を供給する第2の電圧変換回路と、これら第1及び第2の電圧変換回路を個別に制御する複数の個別制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項20】
請求項19において、前記第1のLED負荷は昼光色又は電球色LEDであって、前記第2のLED負荷は橙色又は青緑色LEDであって、複数の前記個別制御手段は、各LED負荷に流れる電流を制御する可変色制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項21】
請求項19において、前記第2の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とするとともに、前記第1及び第2のLED負荷とはその最大電圧が異なる第3のLED負荷に電力を供給する第3の電圧変換回路と、これら第1〜第3の電圧変換回路を個別に制御する3つの個別制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項22】
請求項21において、前記第1のLED負荷は白色LEDであって、前記第2のLED負荷は青緑色LEDであって、前記第3のLED負荷は橙色LEDであって、3つの前記個別制御手段は、各LED負荷に流れる電流を制御する可変色制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項23】
請求項19において、直流電源に接続された第1の降圧チョッパ型の電圧変換回路と、この第1の電圧変換回路の出力側に接続された第1のLED負荷と、前記第1の電圧変換回路の出力電圧を入力電圧とする第2の降圧チョッパ型の電圧変換回路と、この第2の電圧変換回路の出力側に接続され前記第1のLED負荷よりも最大電圧が低い第2のLED負荷と、それぞれが異なる変化をもつ電流指令を発生する第1及び第2の電流指令手段と、前記第1及び第2のLED負荷にそれぞれ流れる電流を検出する電流検出器と、これら2つの電流検出器の出力をそれぞれ前記第1及び第2の電流指令に近づけるように前記第1及び第2の電圧変換回路を制御する個別の電流制御手段を備えたことを特徴とする発光ダイオード用電源。
【請求項24】
請求項5〜23のいずれかの発光ダイオード用電源を備えたことを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−189004(P2007−189004A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4750(P2006−4750)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】
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