説明

真空断熱パネルと保温箱

【課題】本発明は、断熱性、リサイクル性、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、サイズの変更が自在に行える真空断熱パネルと、個体差のない断熱性を備え、歪みが発生し難く、繰り返し使用でき、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、サイズの変更が自在に行える保温箱を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の真空断熱パネルと保温箱は、ダンボール素材を基材として構成された上段格子芯材21と、ダンボール素材を基材として構成された下段格子芯材22と、上段格子芯材21及び下段格子芯材22を積層してこの周囲を密封する被膜シート3とを備え、上段格子芯材21と下段格子芯材22が点接触されただけで積層され、且つ被膜シート3内が真空にされたことを主要な特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボール素材を点接触させて真空にした真空断熱パネルと、これを使った保温箱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低温物流の一部が常温輸送へ転換されようとしている。と言うのは、冷凍、冷蔵輸送に消費されるエネルギーを減らそうと言うニーズが高まっているからである。現状をいえば、フローズン,チルド,クーリングなどの各保温レベルを持つ冷凍・冷蔵トラック等が国内で26万台近く使用されているが、搭載されている冷凍機が無駄に稼動されたり、過剰な温度設定がなされたりすることもあるため、必要以上のエネルギーを消費している。また、比較的手軽な気持ちで冷凍・冷蔵トラック等が利用されがちである。地球温暖化が叫ばれている昨今、無駄な車両等の運行やこれに搭載されている冷凍機を運転することで余分なCOが排出されるなら、この排出をできるだけ抑え、これに消費されるエネルギーを節減しなければならない。
【0003】
ところで、配送システムの面から言えば、配送ターミナルの階層化が進み、拠点から拠点へと、トラック便等が定時に運行できるようになってきている。これは配達時刻の予測がつき、その予測時刻の精度も信頼性の置けるものになってきている。
【0004】
従って、配送時間内で保温対象物の温度変化を許容値内に抑える保温箱があれば、冷凍・冷蔵トラック等を使った低温物流を常温輸送へ回すことができる。このため保温箱の重要性が増している。しかし、保温箱には単に断熱効果だけでなく、通常の配送ケースに要求される耐衝撃性、耐荷重性、安価であることなどの特性をもっている必要がある。
【0005】
しかし、従来、保温箱は発泡スチロールを使ったものがほとんどであった。現在も、多くの生鮮野菜や生鮮魚等の素材が発泡スチロール製の保温箱で送られている。発泡スチロール製の保温箱は、低価格、低重量、予熱,予冷が不要であるとの利点を有するが、リサイクル性、原材料の環境適合性の点、さらには折り畳みできないなどの機能面での問題を残していた。
【0006】
そこで、断熱構造体とこれを用いた断熱容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の断熱構造体は、所定間隔を置いて対向配置された2枚の外板と、外板間に形成された内部空間を縦横に仕切るようにマトリックス配置された真空構造の断熱部材と、マトリックス配置された断熱部材の縦横における間隙空間の交点のそれぞれに配置され、断熱部材の厚みより厚く且つこの外板に接触する支持部材とから構成される。断熱容器はこの断熱構造体から構成される。断熱性能が高く且つ衝撃や耐荷重に強い構造となる。
【0007】
この断熱部材は、多孔質状のグラスウールやポリウレタンフォームなどの芯材と、それを被覆するPE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)等のシート部材から構成され、シート部材で被覆された内部を真空にしたものである。外板はPPや繊維強化プラスチック(FRP)などの剛性の高い部材で作られ、支持部材は合成の高いセラミックス材料からなり、これによって耐衝撃性や耐荷重性を付与している。
【0008】
特許文献1のほかにも、容器やケースではないが、窓ガラスなどに貼って使用する断熱材(断熱シート)も提案されている(例えば、特許文献2)。この特許文献2の断熱シートは、合成樹脂のフィルムを材料として円錐台形または角錐台形の突起を多数設けたエンボスフィルムを用意し、その台形の頂面の側に合成樹脂の平坦なライナーフィルムを貼って二層構造とするものである。各台形の間を連絡する通路を設けた上で、突起の底面の側にも合成樹脂の平坦なベースフィルムを貼って、三層構造としてもよい。これにより、プラスチックフィルム製で、気泡シート緩衝材より外観がすぐれ、それと同等以上の断熱効果をもち、減容して包装することが可能になる。
【0009】
このほか、ダンボールを使った断熱材も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3の断熱材は、多数のセルを備えたペーパーコアが両端面で波形コアダンボールの側面で挟持されるもので、波形コアダンボールで空気層を形成し、断熱性をもたせるものである。
【0010】
【特許文献1】特開2007−56905号公報
【特許文献2】特開平10−156984号公報
【特許文献3】特開2002−316372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上説明したように、従来、保温箱として使用されるのは発泡スチロールを使ったものがほとんどであった。しかし、発泡スチロール製の保温箱は、断熱性が十分でなく、さらに、リサイクル性、原材料の環境適合性の点、さらには折り畳みできないなどの機能面で課題を残していた。しかも、容器のサイズ、形状に応じて金型が必要であり、製造が容易には行えないものであった。
【0012】
これに対し、特許文献1,2のような樹脂製の断熱構造体と、それからなる容器は発泡スチロールよりは断熱性に優れる。しかし、リサイクルのためには多様な樹脂,セラミックの分別が必要であり、こうした断熱素材からこれら材料を再利用するのは事実上難しい。また、これらの材料は環境適合性に乏しく、自然環境で自然に分解されるようなものではない。しかも、コスト的には高価な材料が必要な上に、重量的にも重くなる。また、予熱,予冷が必要であって、これを流通させるには課題が多いものであった。
【0013】
ここで、リサイクル性、環境適合性、低価格性、低重量性、折り畳み自在性などの面で優秀な素材がある。ダンボール紙である。しかし、ダンボール紙そのものが十分な断熱性を備えているとは言い難い。特許文献3の断熱材はこれを改善しているが、空気の対流が形成されて熱伝導され、常温輸送に使えるほど十分な断熱が行えるというまでには至っていない。そもそも素材としてダンボール紙そのものに空気が含まれている。
【0014】
そこで、このダンボール紙若しくはこれと同等以上の樹脂を基材として高度の断熱性を与え、ダンボール紙やこれらの樹脂が備えている本来の利点を維持できれば、従来存在しない、優れた断熱素材となる。そして、このダンボール等からなる断熱素材を使って保温箱を作れば、低温物流の一部を常温輸送へ簡単に転換することが可能になる。これにより、冷凍・冷蔵トラック等での冷凍機の運転を抑えることができ、COを抑制し、無駄に消費されるエネルギーを節減することができる。
【0015】
そこで本発明は、断熱性、リサイクル性、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、サイズの変更が自在に行える真空断熱パネルと保温箱を提供することを目的とする。
【0016】
そして、本発明は、個体差のない断熱性を備え、歪みが発生し難く、繰り返し使用でき、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、サイズの変更が自在に行える保温箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の真空断熱パネルは、リサイクル可能で低熱伝導率の素材を基材として構成された第1の格子芯材と、リサイクル可能で低熱伝導率の素材を基材として構成された第2の格子芯材と、第1及び第2の格子芯材を積層してこの周囲を密封する被膜シートとを備え、第1の格子芯材と第2の格子芯材が点接触されただけで積層され、且つ被膜シート内が真空にされたことを主要な特徴とする。
【0018】
また、本発明の保温箱は、六面体を形成する六面のすべて上記真空断熱パネルから構成され、且つ六面体が組み立てられたとき該六面体の全面を覆って内部を断熱しその形態を保持する包囲シートが貼着された保温箱であって、包囲シートが、六面体の展開面と基本形状を同じくし、重ね代を有していることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の真空断熱パネルによれば、点接触の個所で熱伝導が絞られて断熱性が向上し、リサイクル性に富み、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、サイズの変更が自在に行えるまったく新しいタイプの断熱パネルを提供することができる。そして、内部に骨格としての格子芯材を設けて被膜シート内が真空にされる構造のため、大気圧で格子の数に比例して多数の凹みが形成され、真空断熱パネルを重ねたり、載置したりしたときに、接触部分が減り全体を通しての伝熱量が低下する。
【0020】
また、本発明の保温箱によれば、断熱性、リサイクル性、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、折り畳み自在でサイズの変更が自在に行え、低温物流の一部を常温輸送へ容易に転換することができ、冷凍機の運転の使用を抑制することができ、COを抑制し、無駄に消費されるエネルギーを節減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の第1の形態は、リサイクル可能で低熱伝導率の素材を基材として構成された第1の格子芯材と、リサイクル可能で低熱伝導率の素材を基材として構成された第2の格子芯材と、第1及び第2の格子芯材を積層してこの周囲を密封する被膜シートとを備え、第1の格子芯材と第2の格子芯材が点接触されただけで積層され、且つ被膜シート内が真空にされたことを特徴とする真空断熱パネルである。この構成によって、点接触の個所で熱伝導が絞られて断熱性が向上し、リサイクル性に富み、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、サイズの変更が自在に行える素材を提供することができる。内部に骨格としての格子芯材を設けて被膜シート内が真空にされる構造のため、大気圧で格子の数に比例して多数の凹みが形成され、真空断熱パネルを重ねたり、載置したりしたときに、接触部分が減り全体を通しての伝熱量が低下する。
【0022】
本発明の第2の形態は、第1の形態に従属する形態であって、第1の格子芯材と第2の格子芯材の両方又は一方がダンボール素材を基材として構成されたことを特徴とする請求項1記載の真空断熱パネルである。この構成によって、点接触の個所で熱伝導が絞られて断熱性が向上し、ダンボールであるためリサイクル性に富み、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、サイズの変更が自在に行える素材を提供することができる。内部に骨格としての格子芯材を設けて被膜シート内が真空にされる構造のため、大気圧で格子の数に比例して多数の凹みが形成され、真空断熱パネルを重ねたり、載置したりしたときに、接触部分が減り全体を通しての伝熱量が低下する。
【0023】
本発明の第3の形態は、第1又は2の形態に従属する形態であって、第1の格子芯材と第2の格子芯材を構成するそれぞれの各格子のセルが互いの接触面でずれて積層されたことを特徴とする真空断熱パネルである。この構成によって、リサイクル可能で低熱伝導率の素材を縦横に交差した格子芯材をずらして積層するだけで簡単に真空断熱パネルを製造することができる。
【0024】
本発明の第4の形態は、第1乃至第3の何れかの形態に従属する形態であって、被膜シートが密封用樹脂フィルムと外部から伝わる輻射熱を遮断するための金属箔を積層した積層被覆シートから構成されたことを特徴とする真空断熱パネルである。この構成によって、真空断熱パネル内を真空状態にするのが容易で、簡単に真空断熱パネルを製造することができる。
【0025】
本発明の第5の形態は、第1乃至第4の何れかの形態に従属する形態であって、第1の格子芯材と第2の格子芯材が点接触する位置に高断熱性を有する中間介在体が配置されることを特徴とする真空断熱パネルである。この構成によって、中間介在体を介することで真空断熱パネルの点接触部分の損壊防止が図れ、より効果的な熱絶縁をすることができる。
【0026】
本発明の第6の形態は、第1乃至第4の形態に従属する形態であって、第1の格子芯材と第2の格子芯材を構成する各セルが矩形の格子芯材であって、第1及び第2の格子芯材の各セルが縦横それぞれで点接触するように所定ピッチずらされて配置されたことを特徴とする真空断熱パネルある。この構成によって、ダンボール素材を縦横に交差させるだけで簡単に真空断熱パネルを製造することができる。例えば両者の格子が同サイズの正方形の場合、両格子芯材を半ピッチずらすだけで簡単に真空断熱パネルを製造することができる。
【0027】
本発明の第7の形態は、第1乃至6の何れかの形態に従属する形態であって、第1及び第2の格子芯材のほかに、更に1個又は2個以上の第3の格子芯材を積層したことを特徴とする真空断熱パネルである。この構成によって、より断熱性が高くなる。
【0028】
本発明の第8の形態は、第1乃至7の何れかの形態に従属する形態であって、格子芯材を構成する各セルが各セルの軸方向にみたとき正方形、矩形、六角形、その他の多角形、または円形の形状を備えていることを特徴とする真空断熱パネルである。この構成によって、容易に点接触させることができる。
【0029】
本発明の第9の形態は、六面体を形成する六面のすべてが第1乃至第8の何れかの真空断熱パネルから構成され、且つ六面体が組み立てられたとき該六面体の全面を覆って内部を断熱しその形態を保持する包囲シートが貼着された保温箱であって、包囲シートが、六面体の展開面と基本形状を同じくし、重ね代を有している保温箱である。この構成によって、断熱性、リサイクル性、環境適合性に優れ、低価格、低重量が実現でき、折り畳み自在でサイズの変更が自在に行え、低温物流の一部を常温輸送へ容易に転換することができ、冷凍機の運転の使用を抑制することができ、COを抑制し、無駄に消費されるエネルギーを節減することができる。内部に骨格としての格子芯材を設けて被膜シート内が真空にされる構造のため、大気圧で格子の数に比例して多数の凹みが形成され、保温箱を重ねたり、載置したりしたときに、接触部分が減り全体を通しての伝熱量が低下する。
【0030】
本発明の第10の形態は、六面体を形成する六面のすべてが第1乃至第8の何れかの真空断熱パネルから構成され、且つ前記六面体が組み立てられたとき蓋部分となる開閉可能な一面を残して該六面体の形態を保持するための組み立て代が設けられたことを特徴とする保温箱である。この構成によって、第8の形態の作用効果のほかに、構造が簡単で、取り扱いが容易になる。
【0031】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における真空断熱パネルと保温箱について説明をする。実施の形態1の保温箱は保冷のためのダンボール製梱包箱である。図1(a)は本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの断面図、図1(b)は本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの中間介在体が設けられた場合の断面図、図2は本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの斜視図、図3は本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの中間介在体が設けられた場合の斜視図、図4(a)は本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの全体を示す正面図、図4(b)は(a)の真空断熱パネルの断面図、図5は本発明の実施の形態1における保温箱を組み立てる前の展開図、図6は本発明の実施の形態1における保温箱を組み立てたときの斜視図、図7は本発明の実施の形態1における真空断熱パネルを3層以上の格子芯材を積層して構成したときの断面図である。また、図8は保温箱を外気中で温度差55℃で物体を保温したときの温度差変化の比較図、図9は本発明の実施の形態2における真空断熱パネルの断面図である。
【0032】
図1(a)は格子芯材を2個直接接触面で接触させた場合を示し、図1(b)は格子芯材を接触面の点接触させる位置で中間介在体を介在させて2個接触させた場合を示す。なお、以下、格子芯材を1個、2個で個数を数えるが、平板状であれば1枚、2枚というのが相応しい場合もある。図1(a)(b)の何れも図2に示すようなx−x断面であるが、図1(b)は図3で示した中間介在部材4(Cの個所)を介在させるような場合のx−x断面である。図1(a)(b)において、1はダンボール紙(本発明のダンボール素材)の格子芯材を2層積層して骨格(本発明の基材)とすると共に密閉シールで覆って内部を真空にした真空断熱パネルである。ダンボール紙は言うまでもなく表ライナ紙と、波状の中芯紙、裏ライナ紙から構成され、表ライナ紙と中芯紙、中芯紙と裏ライナ紙とが互いに糊付けされた紙製の材料である。ここで、ダンボール紙自体、繊維質の紙と空気を含むため十分な断熱性があるとまでは言えないが、熱伝導はそれほど高い物質ではなく、環境適合性に優れ、低価格、低重量な材料である。なお、ダンボール紙以外であっても、ダンボール紙と同等に、リサイクル可能で低熱伝導率の素材であって、低重量な材料であれば(例えば発泡スチロール等の樹脂がある)、本発明の格子芯材の素材として採用することができる、のは言うまでもない。しかし、以下、ダンボール紙を実施の形態1として説明する。
【0033】
次に、図1(a)(b)の2は、単位となる格子の形状(本発明のセル)が図4(a)に示すように正方形の格子芯材である。21は上段格子芯材(本発明の第1の格子芯材)であり、22は第1の格子芯材と積層されると共にダンボール紙からなる下段格子芯材(本発明の第2の格子芯材)である。図1(a)(b)、図2、図3、図4(a)に示したAは上段格子芯材21の縦横の平板同士がクロスする交差点(各セルの角あるいは頂点となる位置)であり、Bは下段格子芯材22の縦横の各平板同士がクロスする交差点である。そして、実施の形態1においては、上段格子芯材21と下段格子芯材22とはC点にてクロスし、この両芯材がCで点接触することになる。
【0034】
本発明の実施の形態1においては、上段格子芯材21と下段格子芯材22の縦横の各平板がそれぞれの方向で同一のピッチで構成される多数の正方形のセルを形成しているが、矩形のセルで縦横において異なるピッチのセルであってもよい。このほか六角形等、多角形、円形でもよいのは勿論のことである。なお、この円形セルの場合は、上段格子芯材21と下段格子芯材22が、多数の円形パイプを平面上で立てて並べ、その側面が各パイプのパイプ軸方向に沿って線接触している形状の格子芯材となる。しかし、上下の芯材間の接触という観点では、上下パイプのセル同士は互いに点接触となる。多角形の場合は各辺が隣接するセル間で共有される。
【0035】
要するに、実施の形態1では、上段格子芯材21と下段格子芯材22が対向する面において、上下で対面する各芯材のそれぞれの各セル同士が互いに点接触して積層されればよい(図2,図3、図7のC点参照)。各セルのピッチを縦横で共通(正方形、矩形)にするのであれば、上段格子芯材21と下段格子芯材22を構成するダンボール紙の平板にそれぞれ一定ピッチで切り目を入れ、これを互い嵌め合うことにより、多数の正方形,矩形のセルをもった上段格子芯材21、下段格子芯材22を簡単に製造することができる。
【0036】
実施の形態1の上段格子芯材21と下段格子芯材22は、図1(a)(b)、図2、図3、図4(a)に示すとおり、実施の形態1ではそれぞれ正方形を有する単位の格子(セル)をもち、縦横のそれぞれの方向で半ピッチずつ、ずらされて積層されている。この場合が最も両芯材、すなわち上段格子芯材21、下段格子芯材22を簡単に製造することができ、強度も縦横で変わらず強固になる。図2、図3はこれを積層したときの状態を示している。また、ダンボール紙であるから、サイズの変更も簡単且つ自在に変更することができる。
【0037】
次に、図1(a)(b)において、3は密封用樹脂フィルム31と表面側に金属箔32を積層した積層被覆シート(本発明の被膜シート)である。密封用樹脂フィルム31としては非伸縮性の性格をもちガス遮断性が高い、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系(PVDC)樹脂、中でもポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の非晶性ポリマーフィルム、その他の合成樹脂フィルムが適当である。金属箔32としては輻射熱交換量を低減する反射率が高いアルミ箔、アルミの蒸着膜が好ましい。真空度維持のために合成樹脂フィルムとアルミ箔などの金属箔を複合したフィルムを用いると、より効果的である。この密封用樹脂フィルム31と金属箔32は、両者を重ねてシートの縁を挟持して積層被覆シート3にする(密封用樹脂フィルム31と金属箔32の間は接着されていなくてもよい)のでも、あるいは積層して接着剤で貼り付けることにより1枚の接着した積層被覆シート3を構成するのでもよい。なお、以上の説明は密封用樹脂フィルム31に金属箔32が積層あるいは複合化したフィルムを使用する場合の説明を中心に行ったが、真空断熱パネル1において金属箔32が伝熱量の低減に果たす役割(寄与度)は大きく、被覆シートとしては輻射熱交換低減のために金属箔32を使用することがきわめて重要である。金属箔32だけで被覆シートを構成することも可能である。
【0038】
実施の形態1における真空断熱パネル1は上段格子芯材21と下段格子芯材22を積層し、これを積層被覆シート3で覆って積層被覆シート3の縁部分同士を接合して袋詰にする。この際真空ポンプ(図示しない)で吸引し、所定の真空度(例えば0.1kPa程度)にまで圧力を降下させる。この真空状態でパックして、1枚の真空パネルとする。
【0039】
ところで、従来、保温箱として真空パネルを使ったものも提案されているが(例えば特許文献1参照)、安価で、且つ十分な保温能力を持ち合わせたものはない。と言うのは、汎用される保温箱の場合、真空パネルの内部に存在する基材を熱が伝わることで外部の熱が内部へ、あるいは内部の熱が外部へ熱伝導されてしまうからである。しかし、真空パネルの内部に強度のある基材を配設しなければ、梱包箱等のパネルには使えない。
【0040】
そこで、本発明は、内部の基材に基づく熱伝導を最小限に抑えるとともに、あわせてダンボール素材の組み立て構造が有している、優れた性質を活かすものである。すなわち、上段格子芯材21と下段格子芯材22の間の熱通過量を最小にするため、図2,図3、図7で示すように上段格子芯材21と下段格子芯材22の各板材をクロスさせてCの部分のみで点接触させる。勿論、真空断熱パネル1の内部が真空にされていることが前提である。
【0041】
ここで、図1(a)の場合を例にとって、点接触が熱伝導を最も低下させるという理由を説明する。真空断熱パネル1の下段格子芯材22と上段格子芯材21の間の熱通過量Q(W)は、両者が接触していない反対側の二面の間の温度勾配ΔT/Δx(温度差をΔT(K),厚さをΔx(m)とする)に比例すると共に、ダンボール紙自身の熱伝導率をλ(W/mK)、熱の通過する面積をA(m)とすると、Q=λ・(ΔT/Δx)・Aで表すことができる。すると、格子芯材1個の芯材断面の総和をAs、点接触したCの総面積をAcとすると、Acは点接触した点C(図1、図7参照)の数m個とダンボール紙の厚さδ(m)の二乗を掛けた値m・δ(m)になる。使用するダンボール紙の板材の枚数にもよるが、通常Ac/Asは数%、あるいは大きく見積もっても15%程度で、下段格子芯材22,上段格子芯材21間の熱通過量Qは、点接触させずに一体型の格子構造にした場合と比較して数%〜15%程度、通常は10%以下になる。これが断熱性を飛躍的に向上させる原動力である。しかも、内部に骨格としての格子芯材が存在して被膜シート内が真空にされる構造のため、大気圧で格子の数に比例して被膜シート上に多数の凹みが形成され、パネルとしてみたとき、真空断熱パネルを重ねたり、載置したりするときに、外部との接触部分が減り(外部とはいわば線接触となる)、パネル全体を通しての伝熱量が低下する。
【0042】
そこで、このような特性をもつ真空断熱パネル1を使ったダンボール製の保温箱について説明する。図5は組み立てる前の六面体の保温箱の展開図を示す。6枚の真空断熱パネル1を箱の底辺となる1枚を中心に四方に連設して展開した展開面となっている。四方の内の一方が2枚伸びた展開面となっている。図5、図6において、5は6枚の真空断熱パネル1を使って組み立てたとき六面体となる保温箱であり、6はこの六面体の展開面と基本形状を同じくし、この展開面を基にして真空断熱パネル1のすべてが一方の面に接着される包囲シートである。包囲シート6には必要個所に接着剤が塗布されており、6枚の真空断熱パネル1を展開面に従って、少なくとも開閉用の蓋となる部分以外の部分を貼り付けることができる。図5のように全面貼り付ける構造を採用するのが密封度を高め好適ではある。しかし、蓋を別部材としたときは、最終的に六面体となるように上面を覆って蓋をすることになる。また、蓋が一辺を残して開閉自在な場合は開閉して閉じて密封する。なお、包囲シート6は密封用樹脂フィルム31と同様のフィルムを使用すればよい。
【0043】
包囲シート6は1枚で作られるのが望ましい。包囲シート6には保温箱5を展開した状態から組み立てたとき、隣り合う真空断熱パネル1の辺同士を接合して六面体の形態を保持するための重ね代61が必要数だけ展開面から所定幅延長して設けられている。組み立てたときこの重ね代61を容易且つ綺麗に貼り付けられ、皺ができないように、重ね代には切り込み62が入れられている。組み立てた状態で重ね代61の側縁63同士が互いに接触し合うことで図6の六面体が形成される。このようにして組み立てられた保温箱は、各真空パネルの内部に骨格としての格子芯材が存在し、被膜シート内部が真空にされた構造を有しているため、各箱測面が、大気圧の作用により格子芯材の格子の数に比例して多数の凹みが形成され、保温箱同士を重ねたり、台上に載置したりしたときに、直接接触する部分が減り(いわばパネルが線接触となる)、載置された面を通しての伝熱量が低下する。
【0044】
なお、以上の説明は、包囲シート6を使って六面体を組み立てる場合の説明であったが、この包囲シート6と重ね代61だけに組み立て方法が限られるというものではない。真空断熱パネル1に延長分の重ね代を設けて、これらを組み合わせることによって接着あるいは物理的結合、組み立てなどで組み立てたり、別部品として接着テープのようなテープを貼ったり、することで、六面体を組み立てることができる。本発明の形態保持部材はこの重ね代やテープなどに相当する。
【0045】
さて、この実施の形態1の真空断熱パネル1を使った六面体の保温箱の保温特性を測定した。図8はこの実験結果である。比較例1は真空断熱パネルとしてダンボール素材からなる1段の格子芯材(例えば上段格子芯材)を密封用樹脂フィルム内に収めて密封し真空にしたものであり、真空度が低い場合(1kPa程度)である。同じく比較例2は真空断熱パネルとしてダンボール素材からなる1段の格子芯材(例えば上段格子芯材)を密封用樹脂フィルムとアルミ箔からなる積層被覆シートで密封し真空にしたものである。なお、セル形状は上述したように正方形の場合である。
【0046】
これに対し、実施例1は上段格子芯材と下段格子芯材のピッチを部分的にずらせて(一致するピッチの部分もあるが一致しないピッチの部分もある状態で)積層し、アルミ箔からなる被覆シートで密封して真空にしたものであり、実施例2は真空断熱パネルとして上段格子芯材と下段格子芯材のピッチを完全にずらせて積層被覆シートで密封し真空にしたものである。実施例1,2ともセル形状は正方形である。また、比較のために、発泡スチロール製の保温箱とダンボール箱だけで保温した場合を測定した。なお、収容した物体は温水を治めた80℃の容器であり、このときの外気の温度は25℃であり、当初の温度差は55℃である。
【0047】
図8によれば、ダンボール箱のみの場合は、55℃あった保温箱の内外の温度差が6時間で21℃、12時間で10℃にまで低下している。比較例1のように1段のみで格子芯材を真空度が不完全な場合では、6時間で32℃の温度差、12時間で20℃の温度差になるだけであるが、比較例2のように1段の格子芯材を積層被覆シートで密封して真空にすると、6時間で37℃、12時間で23℃の温度差に保てる。
【0048】
これに対し、発泡スチロール製の保温箱は6時間で36℃、12時間で22℃の温度差になる。そして、実施例1の場合は、発泡スチロール製の保温箱より6時間で38℃、12時間で25℃になり、上段格子芯材と下段格子芯材とを密封用樹脂フィルムとアルミ箔からなる積層被覆シートで密封して真空にした実施例2の場合は、6時間で39℃、12時間で28℃の温度差を保つことができる。
【0049】
このような保温箱と外気との間の熱伝導による温度降下(あるいは場合により温度上昇)を理論的に考察すると、保温箱を載置した下面側(保温箱を載置するテーブルなど)と、大気側となる上面側と、側面側(上下面を除く面)とのエネルギーバランスを考えると、(数1)となる。ここで、ρは密度(kg/m)、Vは体積(m)、cは比熱(J/kgK)、τは時間(s)、Tは保温箱内の温度(K)、Tは外気の温度(K)であり、U(W/mK)は熱通過係数である。このときの面全体の伝熱量Q’はQ’=U・ΔT・Aとなる。
【0050】
【数1】

【0051】
さらに、下面側、上面側、側面側の各表面積(順にA(m)、A(m)、A(m)、総表面積A=A+A+Aである)を通して、それぞれの熱通過係数がU(W/mK)、U(W/mK)、U(W/mK)としている。このとき、平均熱通過係数U(W/mK)はU,U,Uが各面積で重み付けされた(数2)のようなものになる。
【0052】
【数2】

【0053】
この条件で(数1)(数2)を解くと、保温箱内の温度Tは(数3)で表され、平均熱通過係数U(W/mK)は(数4)で表される。ここで、Tの添え字“i”は初期状態を示し、添え字“1”は経過時間τ(s)における値を示す。
【0054】
【数3】

【0055】
【数4】

【0056】
(数3)は図8に示した温度差変化の実験結果とよく一致することが確認できる。また、(数4)で表された平均熱通過係数U(W/mK)の計算値は(表1)のとおりとなる。(表1)によれば、比較例1が2.53、比較例2が1.96、ダンボール箱が4.38、発泡スチロール製の保温箱が2.00であるのに対して、実施例1が1.88、実施例2が1.65となり、数値が低いほど保温特性に優れており、図8の保温状態を数字で明確に表している。
【0057】
【表1】

【0058】
さて、以上は直接2個の格子芯材2を接触させた場合の説明であったが、図1(b)、図3は2個以上の格子芯材2を接触面で中間介在体を介在させて接触させた場合を示す。図1(b),図3において、4は上段格子芯材21と下段格子芯材22が点接触する位置に介在、配設されられる点接触となる中間介在部材(本発明の中間介在体)であり、この点接触の中間介在部材4は高断熱性を有し、ダンボール紙の交差(直交)する位置のエッジ同士が互いに荷重で角が毀損し合うようなことがないようにゴム等の弾力性、クッション性があるものが好適である。これにより真空度を強化したときに真空断熱パネルが潰れないようにすることができ、クッション性のある素材を用いるため真空断熱パネル自体に緩衝体としての機能を持たせることができる。緩衝性を考慮しないでよい場合は、弾力性に代わってある程度強度のある材料でもよい。このように点接触の中間介在部材4を介在させることにより、真空断熱パネル1の点接触部分の損壊防止が図れる。なお、中間介在部材4として、一枚板のダンボール板を用いた場合、上段格子芯材21と下段格子芯材22がこの中間介在部材4に線接触することになり、熱絶縁の作用は点接触に比べて低下する。しかし、この場合の線接触は、ある意味、点接触を含むものである。
【0059】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における真空断熱パネルと保温箱について説明をする。実施の形態2における真空断熱パネルは実施の形態1より格子芯材の数を増加させたものである。図9は実施の形態2の真空断熱パネルの断面図を示している。実施の形態1と同一符号は同様の構成を有しているので、詳細な説明は実施の形態1に譲る。
【0060】
この図9が示すように、実施の形態2は、実施の形態1で説明した上段格子芯材21と下段格子芯材22からなる格子芯材2がもう1組、すなわち2組積層されているものである。これによって、熱通過量Qが合計3回絞られ、いわば三乗の形で断熱性に寄与することができる。なお、2組積層するだけでなく、格子芯材2をもう1個、すなわち3個(1組半)、あるいはそれ以上積層して真空断熱パネル1とすることもできる。積層数を増すごとにさらに断熱性が高まる。真空断熱パネル1がダンボール紙を基材とする上に、保温箱も真空断熱パネル1を6枚並べて包囲シート6で包んだものであるから、使用した後の箱の折り畳みも自在であり、箱の再利用、真空断熱パネル1のリサイクルも容易であり、真空断熱パネル1と箱のサイズも容易且つ自在に変更できる。
【0061】
このように本発明の実施の形態1,2の真空断熱パネルと保温箱によれば、断熱性、リサイクル性、環境適合性に優れ、低価格、低重量であり、折り畳み自在でサイズの変更が自在に行え、保温箱(保冷ケース)として低温物流の一部を常温輸送へ容易に転換することができ、冷凍機の運転の使用を抑制することが可能になり、COを抑制し、無駄に消費されるエネルギーを節減することができる。内部に骨格としての格子芯材を設けて被膜シート内が真空にされる構造のため、大気圧で格子の数に比例して多数の凹みが形成され、保温箱を重ねたり、載置したりしたときに、接触部分が減り全体を通しての伝熱量が低下する。
【0062】
とくに、実施の形態1,2の真空断熱パネルの保温箱を使うことによって、冷凍・冷蔵トラック等を使わずに一部を常温輸送のトラックへ切り換えることができ、この場合、保温箱が5%の普及をしたと仮定すると、2010年に原油換算で年間2.3万kl/年の削減が行え、2015年には普及率20%として年間9.2万kl/年の削減となり、2020年には普及率20%として年間23万kl/年の削減が見込まれる。このように本発明は、ダンボール素材の真空断熱パネルと保温箱を使うだけで省エネルギーに大きく貢献する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、ダンボール等のリサイクル可能で低熱伝導率の素材を使った真空断熱パネルと、これを使った保温箱に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの断面図、(b)本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの中間介在体が設けられた場合の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの中間介在体が設けられた場合の斜視図
【図4】(a)本発明の実施の形態1における真空断熱パネルの全体を示す正面図、(b)(a)の真空断熱パネルの断面図
【図5】本発明の実施の形態1における保温箱を組み立てる前の展開図
【図6】本発明の実施の形態1における保温箱を組み立てたときの斜視図
【図7】本発明の実施の形態1における真空断熱パネルを3層以上の格子芯材を積層して構成したときの断面図
【図8】保温箱を外気中で温度差55℃で物体を保温したときの温度差変化の比較図
【図9】本発明の実施の形態2における真空断熱パネルの断面図
【符号の説明】
【0065】
1 真空断熱パネル
2 格子芯材
3 積層被覆シート
4 中間介在部材
5 保温箱
6 包囲シート
21 上段格子芯材
22 下段格子芯材
31 密封用樹脂フィルム
32 金属箔
61 重ね代
62 切り込み
63 側縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル可能で低熱伝導率の素材を基材として構成された第1の格子芯材と、リサイクル可能で低熱伝導率の素材を基材として構成された第2の格子芯材と、前記第1及び第2の格子芯材を積層してこの周囲を密封する被膜シートとを備え、前記第1の格子芯材と第2の格子芯材が点接触されただけで積層され、且つ前記被膜シート内が真空にされたことを特徴とする真空断熱パネル。
【請求項2】
前記第1の格子芯材と第2の格子芯材の両方又は一方がダンボール素材を基材として構成されたことを特徴とする請求項1記載の真空断熱パネル。
【請求項3】
前記第1の格子芯材と第2の格子芯材を構成するそれぞれの格子のセルが互いの接触面でずれて積層されたことを特徴とする請求項1又は2記載の真空断熱パネル。
【請求項4】
前記被膜シートが密封用樹脂フィルムと外部から伝わる輻射熱を遮断するための金属箔を積層した積層被覆シートから構成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の真空断熱パネル。
【請求項5】
前記第1の格子芯材と第2の格子芯材が点接触する位置に高断熱性を有する中間介在体が配置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の真空断熱パネル。
【請求項6】
前記第1の格子芯材と第2の格子芯材を構成する各セルが矩形の格子芯材であって、前記第1及び第2の格子芯材の各セルが縦横それぞれで点接触するように所定ピッチずらされて配置されたことを特徴とする請求項1乃至4記載の真空断熱パネル。
【請求項7】
前記第1及び第2の格子芯材のほかに、更に1個又は2個以上の第3の格子芯材を積層したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の真空断熱パネル。
【請求項8】
前記格子芯材を構成する各セルが、各セルの軸方向にみたとき正方形、矩形、六角形、その他の多角形、または円形の形状を備えていることを特徴とする請求項1乃至7記載の真空断熱パネル。
【請求項9】
六面体を形成する六面のすべてが請求項1乃至8記載の何れかの真空断熱パネルから構成され、且つ前記六面体が組み立てられたとき該六面体の全面を覆って内部を断熱しその形態を保持する包囲シートが貼着された保温箱であって、前記包囲シートが、前記六面体の展開面と基本形状を同じくし、重ね代を有していることを特徴とする保温箱。
【請求項10】
六面体を形成する六面のすべてが請求項1乃至8記載の何れかの真空断熱パネルから構成され、且つ前記六面体が組み立てられたとき蓋部分となる開閉可能な一面を残して該六面体の形態を保持するための形態保持部材が設けられたことを特徴とする保温箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−92222(P2009−92222A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266228(P2007−266228)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【出願人】(507338633)株式会社伊万里大国段ボール (1)
【Fターム(参考)】