説明

真空蒸着装置

【課題】 斜め蒸着により基板4上に柱状体14を形成する方法において、蒸発源3と成膜面との距離が大きければ、蒸発粒子とチャンバー1内残留ガス分子との衝突頻度が増大して入射粒子の入射方位に分布を生じるために、柱状体14が太るために柱状体間の隙間が減少する。
【解決手段】 蒸発源3と成膜面との間の、蒸発源3から放射状に引き出した線上に整流板11を配置する。整流板11を配置することで、柱状体14が太るために柱状体間の隙間が減少することを抑制できる。また、整流板11へ付着する堆積物の量を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空蒸着装置に関し、特に斜め蒸着法により作製する非水電解質二次電池用電極の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯機器の小型化や多機能化が進み、これに伴って携帯機器の電源としての電池の高容量化が切望されている。現在主に使用されている負極活物質である炭素の理論容量は372mAh/gである。炭素よりも高容量化が可能な活物質として、理論容量が4200mAh/gであるシリコンが有望視されている。したがってシリコンを含む材料およびシリコンを含む材料の構造が数多く検討されている。
【0003】
シリコンを含む材料を負極活物質として用いると、充放電によりリチウムを吸蔵及び放出することで、負極活物質が大きく膨張及び収縮する。その結果、膨張及び収縮する活物質に対し、集電体はほとんど伸縮しないため、活物質が集電体から剥離し充放電に寄与しなくなる現象や、あるいは捲回型電池の場合には負極活物質が膨張する際に集電体が弾性変形領域を超えて伸びることで挫屈する現象が見られる。
【0004】
負極活物質が大きく膨張及び収縮するという問題点を解決するために、集電体上に隙間を開けた負極活物質の形成が検討されており、斜め蒸着によって集電体上に柱状体を形成する方法が開示されている。(特許文献1を参照)この斜め蒸着の方法では、蒸発源から出た蒸発粒子が成膜面に対して垂直方向から入射しないように、蒸発源、成膜面およびマスクが配置されているものである。
【0005】
また、蒸発粒子を整流する目的で、蒸発源と成膜面との間に、整流板を平行に配置した成膜方法が開示されている。(特許文献2を参照)
【特許文献1】特開2005−196970号公報
【特許文献2】特開平4−99168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
量産性を良くするには、大量生産が有効である。大きなチャンバーを用い、成膜レートを高くした上で、膜厚の均一性を保持するためと蒸発源からの輻射熱を抑制するためとの主に2つの理由から蒸発源と成膜面との距離を大きくして、大量に成膜することが有効である。蒸発源と成膜面との距離を大きくした場合、蒸発粒子とチャンバー内残留ガス分子との衝突頻度が増大し、成膜面に対して色々な方位から蒸発粒子が入射する。したがって従来の斜め蒸着の方法では成膜面への入射粒子の入射方位に分布を生じるため、柱状体が太るために柱状体間の隙間が減少する。成膜面への入射粒子の入射方位を制限するには、入射粒子を整流することが効果的であると考えられる。
【0007】
また、整流板を平行に配置した場合、整流板の側面のどちらかに蒸発粒子が直接到達する面を有する整流板が生じる。蒸発粒子が直接到達する面には多量の成膜が行われるのでこの場合には、整流の効果により成膜面への入射粒子の入射方位を制限することは可能であるが、整流板に成膜された膜である整流板へ付着する堆積物は無駄になり、材料ロスとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、チャンバーと、真空ポンプと、蒸発源と、成膜面とを有する真空蒸着装置であって、蒸発源中心と成膜面中心とを結んだ直線と成膜面とが直交していない斜め蒸着装置であって、蒸発源と成膜面との間には、蒸発源中心と成膜面中心とを結んだ面において蒸発源中心から放射状に引き出した線上に整流板を少なくとも1枚配置した構成とする。本構成により、斜め蒸着により基板上に柱状体を形成する際に柱状体が太ることで柱状体間の隙間が減少することを抑制でき、また整流板へ付着することで無駄になる材料ロスを低減できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の真空蒸着装置によれば、柱状体が太るために柱状体間の隙間が減少することを抑制できる。すなわち、空隙率を大きくできる。また、整流板へ付着する堆積物の量を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
<真空蒸着装置100の構成>
図1に、本発明の実施の形態1における真空蒸着装置100の概略構造図を示す。図1に示すように、本発明の実施の形態1における真空蒸着装置100は、チャンバー1と、真空ポンプ2と、蒸発源3と、基板4と、巻き出しロール5と、搬送ロール6aと、第1キャンロール7と、第2キャンロール8と、搬送ロール6bと、巻き取りロール9と、成膜範囲を規制するマスク10aおよび10bと、整流板11a、11bおよび11cとで構成される。
【0012】
この時、蒸発源と成膜面との距離が300mm以上2000mm以下の範囲となるように構成する。距離を300mm以上とすることにより、成膜レートを上げるため高温にする蒸発源からの輻射熱により、成膜面である基板がうける熱ダメージを低減できる。距離を2000mm以下とすることにより、超高真空(1×10−6Pa以下)より真空度の低い1×10−4〜1×10−2Paにおいても蒸発粒子とチャンバー内残留ガス分子との衝突頻度が大きく増大することはなく、柱状体が太ることによる柱状体間の隙間が減少することを抑制できる。
【0013】
第1キャンロール7と第2キャンロール8との間に張られた基板4において、マスク10aおよび10bによって蒸発源3との間を遮蔽されていない範囲が成膜面である。基板4は蒸発源3に対して斜めに配置されることで斜め蒸着が行える。蒸発源3と成膜面とを結んだ直線と、成膜面の垂線との成す角度を入射角とする。
【0014】
使用する基板4には、凹凸形状が形成されたフィルム状の金属箔を用いる。例えばその金属素材としては電極の集電体に適用可能な銅、アルミニウム等が挙げられる。凹凸形状としては、例えば平均表面粗さRa=2.0μmの粗化箔である。なお、Raは日本工業規格JIS B 0601(1994)に規定されている平均表面粗さRaを用いた。
【0015】
あらかじめ基板に凹凸を設けておいて斜め蒸着を行うと、入射蒸気に対して凸部が陰影を形成する。これにより基板上には隙間を設けた柱状体が形成できる。隙間があることにより、例えばシリコン系負極のような充放電時に大きな膨張収縮を生じる電極の形成に適している。斜め蒸着を行うときの入射角は45度以上が望ましく、さらに望ましくは、60度以上である。なお、本明細書では、基板の法線からの傾斜角で入射角を定義する。入射角が大きいほど、蒸発粒子の衝突による入射角の分散が柱状体の成長に影響を生じやす
く、したがって整流板の有効性は高くなる。しかし、従来の平行整流板のように蒸発源中心と成膜面とを結ぶ直線と平行でない整流板を有する場合は、基板に向かう蒸発粒子の多くが整流板によって遮蔽されてしまう。本発明の放射状に配置した整流板は、60度以上の入射角で特に大きな効果を発現する。
【0016】
整流板11は、熱分解や熱変形などをしないよう耐熱性があり、成膜面へ成膜される物質と反応しないことが必要であり、板状に加工できることが必要である。
【0017】
整流板11は蒸発源3から放射状に引き出した線上に配置し、蒸発源3と成膜面との間に少なくとも1枚の整流板11を配置する。整流板11は、厚ければ蒸発源3に向いた側の整流板端面に成膜される堆積物の量が増大するので薄い方が好ましい。一方、整流板11は高温の蒸発源3からの輻射熱を受けるので、熱で変形しないことが必要であり、厚み0.3mm以上1.0mm以下のSUS304等の金属板や、同様の厚みの熱膨張の小さい特殊ガラスなどのセラミクス板が適している。
【0018】
整流板11へ付着する堆積物の量を低減することには限界があり、付着物を除去していくことが必要な場合がある。付着物を除去する方法は、2通りある。第1の方法は、整流板の温度を、付着物の蒸気圧を1Paとする温度以上にする方法である。整流板11へ付着する速度以上に蒸発させればよく、付着物の蒸気圧を1Paとする温度以上にしてやれば充分に付着物を蒸発によって除去できる。付着物がシリコンの場合、1610℃以上であれば充分に付着物を蒸発によって除去できる。第2の方法は、整流板11を付着物の融点以上に保持する方法である。この方法は、融液は重力に従い整流板11の下端から滴り落ちることで除去できる。ただし、この場合には蒸発源3へ融液が落下すると蒸発源3から突沸を生じる原因となり好ましくない。突沸した粒子は基板4に到達すれば高温のために穴を開けたり、突起物を形成したりしてしまうので問題である。したがって、整流板11の下端には傾斜があり最下端部は蒸発源3上でない場所に配置して、落下する融液が蒸発源3内に入らないようすることが好ましい。
【0019】
以上のことから、整流板の付着物を除去する方法は、第1の方法の方がよい。すなわち、整流板は、付着物の蒸気圧を1Paとする温度以上であって、付着物の融点より低い温度に保持するのが望ましい。
【0020】
整流板11を加熱するには、整流板11をカーボン板で形成し、電流を流して加熱する方法が好ましい。用いるカーボン板としては、C/Cコンポジットと呼ばれる炭素繊維で補強したカーボン板が、強度が高く、好ましい。厚みは1mm〜5mmのものを用いればよい。
【0021】
なお、整流板11への加熱を蒸着中に常時行うことは必須ではなく、整流板11への付着物の付着速度を上回るように、除去速度を制御できれば、間欠的に行っても構わない。
【0022】
<真空蒸着装置100の動作>
次に、本発明の実施の形態1における真空蒸着装置100の動作について説明する。
【0023】
まず、基板4を走行させる。巻き出しロール5から巻き出された長尺の基板4を、搬送ローラ6a、第1キャンロール7、第2キャンロール8、搬送ロール6bの順に導き、最終的に巻き取りロール9で巻き取る。
【0024】
蒸発源3にはカーボン製の坩堝などを用い、抵抗加熱装置、誘導加熱装置、電子ビーム加熱装置などの加熱装置(図示せず)で加熱し、例えば、材料としてシリコンを蒸発させる。
【0025】
走行させた基板4において、第1キャンロール7と第2キャンロール8との間でマスク10aおよびマスク10bによって蒸発源3との間を遮蔽されていない範囲で、蒸着を行い基板4上に蒸着膜を得る。
【0026】
(実施の形態2)
<真空蒸着装置200の構成>
次に、本発明の実施の形態2の真空蒸着装置200の構成を説明する。図2に本発明の実施の形態2における真空蒸着装置200の概略構造図を示す。本発明の実施の形態2における真空蒸着装置200はチャンバー1と、真空ポンプ2と、蒸発源3と、基板4と、巻き出しロール5と、搬送ロール6aと、第1キャンロール7と第2キャンロール8と、搬送ロール6bと、搬送ロール6cと、搬送ロール6dと、第3キャンロール12と、第4キャンロール13と、搬送ロール6eと、巻き取りロール9と、成膜範囲を規制するマスク10aおよび10bと、整流板11a、11b、11c、11dおよび11eとで構成される。
【0027】
第1キャンロール7と第2キャンロール8との間に張られた基板4および、第3キャンロール12と第4キャンロール13との間に張られた基板4においてマスク10aおよび10bによって蒸発源3との間を遮蔽されていない範囲が成膜面である。基板4は蒸発源3に対して斜めに配置されることで斜め蒸着が行える。
【0028】
<真空蒸着装置200の動作>
次に、本発明の実施の形態2における真空蒸着装置200の動作について説明する。
【0029】
まず、基板4を走行させる。巻き出しロール5から巻き出された長尺の基板4を、搬送ロール6a、第1キャンロール7、第2キャンロール8、搬送ロール6b、6c、6d、第3キャンロール12、第4キャンロール13、搬送ロール6eの順に導き、最終的に巻き取りロール9で巻き取る。
【0030】
蒸発源3にはカーボン製の坩堝などを用い、抵抗加熱装置、誘導加熱装置、電子ビーム加熱装置などの加熱装置(図示せず)で加熱し、例えば、材料としてシリコンを蒸発させる。
【0031】
走行させた基板4において、第1キャンロール7と第2キャンロール8との間、および第3キャンロールと第4キャンロールとの間でマスク10aおよび10bによって蒸発源3との間を遮蔽されていない範囲で、蒸着を行い基板4上に、図3に示すような蒸着膜を得る。第1キャンロール7から第2キャンロール8への間では、蒸着物はG1の方向に成長し粒子p1を形成する。また、第3キャンロール12から第4キャンロール13への間では、蒸発粒子の入射方位が異なるので、蒸着物はG2の方向に成長し、蒸着物p2Lが形成される。次に、基板4の送り方向を逆転し、ロール9から巻きだし、ロール5に巻き取るように、基板4を走行させる。それによって、基板4には、蒸着物p2Lに蒸着物p2Uが積層し、蒸着粒子p2が形成され、さらに、蒸着物p3Lが積層される。これを繰り返し、次のロール5からロール9への基板走行では、蒸着物p3Uおよびp4Lが形成され、次のロール9からロール5への走行では、蒸着物p4Uとp5と、順次積層していけば、図3に示すジグザグ形状の柱状体14が形成できる。
【0032】
(実施例)
図4は実施例に用いた真空蒸着装置300の概略構造図である。真空蒸着装置300は、チャンバー1と、真空ポンプ2と、蒸発源3と、基板4と、マスク10aおよび10bと、整流板11a、11bおよび11cと、基板ホルダー15とで構成される。
【0033】
基板ホルダー15に固定された基板4において、マスク10aおよび10bによって蒸発源3との間を遮蔽されていない範囲が成膜面であり、成膜面中心での入射角を70度とした。成膜面中心と蒸発源3との距離を950mmとした。整流板11は厚み0.3mmのSUS304板であり、蒸発源3と成膜面とを結ぶ線上に配置した。
【0034】
基板4は、平均表面粗さRa=2.0μmの突起形状を形成した銅箔を用いた。
【0035】
チャンバー1内は、真空ポンプ2によって排気した。
【0036】
蒸発源3には、水冷した銅ハース内に配置したカーボン製の坩堝を用い、高純度化学製の単結晶シリコンインゴットを1cm程度の大きさに砕き塊状としたものを入れて、加速電圧−10kV、エミッション電流1200mAの条件にして電子ビーム加熱装置(図示せず)で加熱した。加熱によりいったんは真空度が悪くなるが、5×10−3Paになるまで待ってから蒸着は開始した。
【0037】
以上の条件で基板4上に蒸着膜を形成した。得られた蒸着膜をSEMで観察した結果を図5に示す。
【0038】
また、60分間蒸着を行い、整流板11へ付着した堆積物がほとんど無いことを確認した。
【0039】
得られた試料(蒸着膜付き基板4)をφ12.5mmの円形に打ち抜き、電極31として、旭化成製の厚み20μmのポリエチレン微多孔膜のセパレータ32を介して、本荘ケミカル製の厚み300μmのリチウム金属箔33を対極として、R2016のコイン電池(直径20mm、厚み1.6mm)を作製した。コイン電池の断面の概要を図6に示す。電極31から集電するための金属円板34、電極を加圧するための皿ばね35、封止および外部での正負の端子の役割を果たすためのケース36、封口板37およびガスケット38を用い、電解液には炭酸エチレン、炭酸ジエチルを体積比1:1で混合し、これに6フッ化リン酸リチウムを1mol/L溶解して調製した溶液を用いた。電解液の含浸は、セパレータ32および電極31を電解液中に10秒間浸漬することで行った。
【0040】
作製したコイン電池を、20℃の恒温槽に収納し、電池電圧が1.5Vになるまで0.2Cレートの定電流で充電し、次いで、0.0Vになるまで0.2Cレートの定電流で放電した。その後コイン電池を分解し電極31の形状を確認した結果、電極31にしわは生じていなかった。
【0041】
電極のしわ発生メカニズムは以下のように考えられる。基板4上に隙間のある状態で形成した蒸着膜(活物質)を用い、電池を構成して充電を行えば、充電されたリチウム量に応じて活物質は膨張する。充電を続ければある時に隙間がなくなり、さらに充電すれば集電体にかかっている活物質の膨張による引張応力は、集電体の弾性変形領域を超え塑性変形を起こす。電池を放電し活物質が収縮する際に、塑性変形した集電体はしわとなる。
【0042】
したがって、しわ発生の有無は電極31の隙間、蒸着膜(活物質)の単位面積当たりの量および充電深度によって決定される。
【0043】
(比較例)
図4に示す真空蒸着装置300において、整流板11のみを除いた装置で、後は実施例と同様にして基板4上に蒸着膜を形成した。
【0044】
実施例と同様に得られた試料からコイン電池を作製した。作製したコイン電池を実施例と同様に充放電を行い、その後コイン電池を分解し電極31の形状を確認した結果、電極31にしわを生じていた。
【0045】
<柱状体の比較>
実施例および比較例の蒸着膜を、柱状体間の隙間について比較した結果を表1に示す。
【0046】
今回用いている隙間は、集電体表面と平行な面で研磨断面を作製し、その断面の写真において、蒸着膜の面積と隙間の面積を測定し、空隙率=隙間の面積/(隙間の面積+蒸着膜の面積)として定義した。蒸着膜の厚み方向で隙間の値は変わるので、最小となる値を用いた。
【0047】
本発明である整流板を配置した実施例の蒸着膜における柱状体の方が、空隙率が大きいことが分かった。
【0048】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の真空蒸着装置は蒸着膜を利用した、電池などの電気化学デバイス、フォトニック素子や光回路部品などの光学デバイス、およびセンサーなどの各種デバイス素子への応用が可能である。特に充放電に伴い活物質が大きく膨張・収縮する電池用電極を製造するために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1における真空蒸着装置の概略構造図
【図2】本発明の実施の形態2における真空蒸着装置の概略構造図
【図3】本発明の実施の形態2における真空蒸着装置により作製可能な柱状体の概要図
【図4】本発明の実施例における真空蒸着装置の概略構造図
【図5】本発明の実施例において形成した柱状体の断面SEM写真
【図6】本発明の実施例におけるR2016コイン電池の断面概要図
【符号の説明】
【0051】
1 チャンバー
2 真空ポンプ
3 蒸発源
4 基板
5 巻き出しロール
6a、6b、6c、6d、6e 搬送ロール
7 第1キャンロール
8 第2キャンロール
9 巻き取りロール
10a、10b マスク
11a、11b、11c、11d、11e 整流板
12 第3キャンロール
13 第4キャンロール
14 柱状体
15 基板ホルダー
31 電極
32 セパレータ
33 リチウム金属箔
34 金属円板
35 皿ばね
36 ケース
37 封口板
38 ガスケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと、真空ポンプと、蒸発源と、成膜面とを有する真空蒸着装置において、
前記蒸発源中心と前記成膜面とを結んだ直線と前記成膜面とが直交していない斜め蒸着装置であって、
前記蒸発源と前記成膜面との間には、前記蒸発源中心と前記成膜面中心とを結んだ面において前記蒸発源中心から放射状に引き出した線上に整流板を少なくとも1枚配置したことを特徴とする真空蒸着装置。
【請求項2】
前記蒸発源と前記成膜面との距離が300mm以上2000mm以下であることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置。
【請求項3】
前記蒸発源と前記成膜面とを結んだ直線と、前記成膜面の垂線との成す角度が、45度以上であることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置。
【請求項4】
前記成膜面が複数あることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置。
【請求項5】
整流板の温度が、前記成膜面へ成膜された物質の蒸気圧を1Paとする温度以上であることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置。
【請求項6】
前記整流板の温度が、前記成膜面へ成膜された物質の融点以上であり、前記整流板の下端には傾斜がついており最下端部は前記蒸発源上にないことを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置。
【請求項7】
前記整流板はカーボンでできていることを特徴とする請求項7あるいは8記載の真空蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−102702(P2009−102702A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276208(P2007−276208)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】