説明

着信情報通知システム及び着信情報通知方法

【課題】接続状態の確認を行うことなく、圏外のエリアにいるユーザに対して、携帯電話端末への着信情報を迅速に伝送する。
【解決手段】使用者の情報が記憶されており、近距離無線通信の制御を行う近距離無線通信インタフェース部を有する携帯電話端末40と、携帯電話端末40宛の呼のうち、携帯電話端末40によって受信されていない呼の情報を、着信情報として出力する着信情報管理サーバ10とを備えた。また、圏外のエリアに配置され、携帯電話端末40の使用者の情報を近距離無線通信を通して取得するリーダ・ライタ30と、着信情報管理サーバ10から出力された着信情報と、リーダ・ライタ30により取得された使用者の情報とに基づいて着信通知情報を生成する着信通知サーバ20とを備えた。そして、着信通知サーバ20で生成された着信通知情報を、携帯電話端末40の使用者に通知する通知部70とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信情報通知システム及び着信情報通知方法に関し、特に、電波を受信できない環境下にいるユーザに対して、そのユーザが有する携帯電話端末宛の着信情報を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末の電源がオフにされていたり圏外のエリアにいる場合など、電波を受信できない状況においては、通話の呼び出しがあった場合に、携帯電話端末でそれを検知することができなかった。この問題を解決するため、近年では、電波を受信できなかった期間にあった着信の情報を、SNS(Short Message Service)等の手段でユーザに通知することが行われている。このサービスによれば、ユーザは電波を再び受信可能になった時点で、着信通知を受信することができる。
【0003】
ところが、このサービスにも問題がある。このサービスでは、ユーザは電波を再び受信可能となった時点で着信情報を取得できるが、言い換えれば、ユーザが電波を受信できない状況下にある間は、着信情報を知ることができないということになる。
【0004】
例えば、ある人が圏外のエリアにあるレストランで開催中のパーティに参加しており、その人に緊急で連絡を取りたい人が存在するとする。このように、携帯電話が通じない状況では、連絡を取りたい側の人間がパーティ会場のレストランの場所を知っていれば、その会場に直接足を運んでユーザとコンタクトをとることも可能となる。しかし、場所を知らない場合にはコンタクトをとる術がなくなってしまう。仮に、パーティに参加している他の参加者の連絡先を知っていたとしても、その参加者も同様に電波を受信不可能であるため、連絡をとることはできない。
【0005】
このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、着信する端末装置が圏外に位置するときには、通常着信に使用する通信網とは異なる通信網を介して、着信情報を通知する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2006−324790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の手法においては、携帯電話端末と、携帯電話端末が通常着信に使用する通信網との接続状態を常に確認することにより、携帯電話端末が圏外に位置するか否かを判断している。具体的な手法としては、着信情報の通知を行うサーバが、複数の端末装置と通信網との接続状態をポーリングにより順番に確認する手法や、接続状態の変化を端末自身が検知し、その情報を通常とは異なる通信網を通してサーバへ通知する手法等が記載されている。
【0007】
ところが、これらの手法では、もともと圏外であることが自明である場所においても、接続状態を確認するための通信が行われてしまう。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、接続状態の確認を行うことなく、圏外のエリアにいるユーザに対して、携帯電話端末への着信情報を迅速に伝送することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の着信情報通知システムは、使用者の情報が記憶されており、近距離無線通信の制御を行う近距離無線通信インタフェース部を有する携帯電話端末と、携帯電話端末宛の呼のうち、携帯電話端末によって受信されていない呼の情報を、着信情報として出力する着信情報管理サーバとを備えた。また、携帯電話端末の呼の伝送に用いられる電波が到達しない圏外のエリアに配置され、携帯電話端末の使用者の情報を、近距離無線通信を通して取得するリーダ・ライタを備えた。さらに、着信情報管理サーバから出力された着信情報と、リーダ・ライタにより取得された使用者の情報とに基づいて着信通知情報を生成する着信通知サーバと、着信通知情報を携帯電話端末の使用者に通知する通知部とを備えたものである。
【0010】
このようにしたことで、圏外のエリアにあるリーダ・ライタによって取得された携帯電話端末の使用者の情報と、その携帯電話宛の着信情報に基づいて着信通知情報が生成され、生成された着信通知情報が、携帯電話端末のユーザに通知される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、着信情報管理サーバから着信情報を受信すると、その情報が着信通知情報として通知部を介して携帯電話端末のユーザに通知されるため、ユーザは着信情報を即時に知ることができるようになる。
【0012】
またこの場合、圏外のエリアにあるリーダ・ライタによって、携帯電話端末の使用者の情報が取得され、その情報に基づいて着信通知情報が生成されるため、携帯電話端末の電波受信状況を確認するための通信を行わなくてもよくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1に示したシステムは、携帯電話のサービスを提供するキャリアL1内のシステムと、圏外のエリアに位置するレストランL2の敷地内にあるシステムとにより構成される。そして、キャリアL1の敷地内にある着信情報管理サーバ10と、レストランL2の敷地内にある着信通知サーバ20とは、ネットワーク網1で接続されている。ネットワーク網1は、例えばインターネットにより構成される。レストランL2の敷地内には、さらにリーダ・ライタ30と、アクセスポイント60と、スクリーン70とが配置されている。
【0014】
まず、キャリアL1の敷地内に位置する着信情報管理サーバ10の内部構成の例について、図2のブロック図を参照して説明する。着信情報管理サーバ10は、入出力インタフェース部11(以下、入出力I/F部11と称する)と、通信制御部12と、記憶部13と、制御部14と、メモリ15とで構成される。
【0015】
入出力部I/F部11には、ネットワーク網1や、図示しない構内のLAN(Local Area Network)を介してやりとりされるデータが、入力または出力される。入出力I/F部11には、図示せぬ交換機から、交換機で着信した呼のうち携帯電話端末によって受信されていない呼の情報(不完了着信呼情報)が入力される。不完了着信呼情報には、呼の宛先としての携帯電話端末の電話番号が含まれている。
【0016】
通信制御部12は、入出力I/F部11を通して行う通信を制御する。記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され、着信通知サーバ20から送信される顧客情報D2等が格納される。顧客情報D2の詳細については後述する。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)等で構成され、着信情報管理サーバ10を構成する各部の制御を行う。
【0017】
具体的には、入出力I/F部11を介して入力された顧客情報D2を記憶部13に保存する処理等を行う。また、交換機から不完了着信呼情報を受信した場合には、不完了着信呼情報中に記載された電話番号と、顧客情報D2中の電話番号とでマッチングをかけ、一致した場合は、その電話番号の情報を含む着信情報を生成する。制御部14で生成された着信情報は、通信制御部12の制御に基づき、入出力I/F部11を通してネットワーク網1に出力される。そしてネットワーク網1を介して、レストランL2内の着信通知サーバ20に伝送される。
【0018】
メモリ15は、半導体メモリ等よりなり、制御部14が制御を行う上で必要となるプログラム等が記憶されているとともに、制御部14での制御処理時に一時的に発生するデータ等が格納される。
【0019】
次に、レストランL2内のシステムの詳細について、再び図1を参照して説明する。着信通知サーバ20は、レストランL2内にいる顧客の携帯電話端末40に関する情報を管理するとともに、キャリアL1の着信情報管理サーバ10から着信情報が入力された場合には、その情報を基に着信通知情報を生成し、アクセスポイント60に出力する。携帯電話端末40に関する情報には、携帯電話端末40の電話番号や携帯電話端末40の使用者の氏名(ユーザ名)等が含まれているものであり、以降の説明ではこの情報を「使用者情報」と称する。着信通知サーバ20の内部構成の詳細については、次の図3を参照して後述する。
【0020】
着信通知サーバ20には、リーダ・ライタ30を接続してある。リーダ・ライタ30は、ICカードを搭載した携帯電話端末40との間で無線での通信を行い、携帯電話端末40内に記憶されている使用者情報を読み出して着信通知サーバ20に出力する。リーダ・ライタ30は、例えばNFC(Near Field Communication)の規格に基づいて通信を行う。リーダ・ライタ30は、レストランL2の入り口付近等に設置しておき、レストランへの入店時と出店時の両方のタイミングで、顧客に携帯電話端末40をリーダ・ライタ30にかざす操作をさせるようにする。
【0021】
アクセスポイント60は、着信通知サーバ20とスクリーン70との間を無線で接続する中継機であり、着信通知サーバ20から出力された着信情報を受信した場合には、その着信情報をスクリーン70に伝送する。スクリーン70は、アクセスポイント60を介して伝送された着信通知情報を文字として表示する。着信通知情報は、スクリーン70上に、例えば「田中花子様、携帯電話への着信がございます」のように表示される。
【0022】
次に、図3を参照して、着信通知サーバ20の内部構成例について説明する。着信通知サーバ20は、入出力部I/F部21と、通信制御部22と、記憶部23と、制御部24と、メモリ25とで構成される。
【0023】
入出力部I/F部21には、着信情報管理サーバ10からネットワーク網1を伝送される着信情報や、リーダ・ライタ30によって読み取られた携帯電話端末40の使用者情報が入力される。また、入出力I/F部21からは、これらの情報に基づいて制御部25で生成された着信通知情報が出力される。
【0024】
通信制御部22は、入出力I/F部21を通して行う通信を制御する。記憶部23は、HDD等で構成され、リーダ・ライタ30により取得された使用者情報をデータベース化した、使用者情報管理データベースとしての顧客情報データベースD1(以下、顧客情報DBD1と称する)が格納される。
【0025】
図4に、顧客情報DBD1の構成例を示してある。顧客情報DBD1には、使用者情報に含まれる電話番号とユーザ名とが対応付けて記録される。図4には、電話番号が「090-1000-1000」である携帯電話端末40のユーザ名は「佐藤太郎」であり、電話番号が「090-2000-1010」である携帯電話端末40のユーザ名は「山田二郎」であることが記載されている。電話番号とユーザ名の情報は、一度リーダ・ライタ30を通して取得された後は永続的に記録される。
【0026】
電話番号とユーザ名との組には、それぞれフラグを設けてある。フラグの値は、制御部25の制御に基づいてオン(1)又はオフ(0)される。具体的には、リーダ・ライタ30を通して携帯電話端末40からデータが入力されたタイミングでオンにされる。そして、フラグがオンにされている状態で、リーダ・ライタ30を通して携帯電話端末40からデータが入力されると、フラグの値はオフにされる。つまり、顧客がレストランL2に入店したタイミングでフラグはオンにされ、店を出るときにオフされるようになる。
【0027】
再び図3に戻って説明を続けると、制御部24は、CPU等で構成され、着信通知サーバ20を構成する各部の制御を行う。制御部24は、着信通知サーバ20の起動時等に、着信情報管理サーバ10に対する接続要求を送信するよう、通信制御部22に指令を出す。また、顧客情報DBD1へのデータの読み書きを制御するとともに、フラグがオンにされている電話番号とユーザ名との組の情報を、定期的に着信情報管理サーバ10に送信する。
【0028】
着信情報管理サーバ10に送信する情報の例を、図5に示してある。図5に示した顧客情報D2には、電話番号が「070-0001-0001」でユーザ名が「田中花子」の情報と、電話番号が「080-0500-7000」でユーザ名が「鈴木幸子」の情報とが記載されている。これらは、図4に示した顧客情報DBD1において、フラグがオン(1)に設定されている情報である。
【0029】
さらに制御部24では、着信情報管理サーバ10から着信情報が伝送された場合には、顧客情報DBD1の情報を参照して着信通知情報を生成し、アクセスポイント60に出力する。メモリ25は、着信情報管理サーバ10のメモリ15と同一の構成であるため、説明を省略する。
【0030】
次に、図6を参照して、携帯電話端末40の内部構成の例について説明する。携帯電話端末40は、近距離無線通信I/F部41、近距離無線通信用のアンテナ42、記憶部43、音声処理部44、マイクロフォン45、スピーカ46、制御部47、通信処理部48、アンテナ49、表示部50、操作入力部51とにより構成される。
【0031】
近距離無線通信I/F部41は、ICカード等で構成され、コイル等よりなる近距離無線通信用のアンテナ42を介して、リーダ・ライタ30とのデータの送受信を行う。記憶部43は半導体メモリ等で構成されるものであり、携帯電話端末40の使用者情報D3が蓄積される。
【0032】
音声処理部44は、マイクロフォン45から入力される音声信号を通信処理部48に出力したり、アンテナ49が受信し、通信処理部48の制御に基づいて伝送された音声信号をスピーカ46から出力する処理を行う。制御部47はCPU等よりなり、携帯電話端末40を構成する各部の制御を行う。通信処理部48は、基地局との間で、音声データなどを双方向に無線伝送するための送信処理及び受信処理を行う。アンテナ49は、基地局との間で無線通信を行う。
【0033】
表示部50は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。操作入力部51は、キーやジョグダイヤル等で構成され、それらを通してユーザより入力された内容を、制御部47に伝送する。
【0034】
次に、図7のフローチャートを参照して、レストランL2内のシステムにおける処理の例を説明する。まず、リーダ・ライタ30によって携帯電話端末40の接触が検知されると(ステップS1)、携帯電話端末40内に記憶された使用者情報D3が読み込まれる(ステップS2)。そして、使用者情報D3に記載のユーザの情報が、顧客情報DBD1に登録されているか否かの判断が行われる(ステップS3)。
【0035】
顧客情報DBD1に、リーダ・ライタ30によって読み出されたユーザの情報が記録されていない場合には、ユーザの情報が顧客情報DBD1に登録された後に(ステップS4)、フラグがオンにされる(ステップS6)。ユーザの情報が顧客情報DBD1に既に登録されていた場合には、フラグがオンにされているか否かの判断が行われる(ステップS5)。フラグがオフになっていた場合には、フラグをオンにする処理が行われた後に(ステップS6)、処理が終了となる。フラグがすでにオンにされていた場合にはフラグの値がオフにされ(ステップS7)、処理が終了される。
【0036】
顧客がレストランL2に初めて来店した場合には、顧客情報DBD1にその顧客の情報は登録されていないため、ステップS3では“NO”が選択されて、顧客情報DBD1にユーザの情報が登録される。それと同時に、フラグの値がオンにされる。
【0037】
顧客が過去にレストランL2に来店したことがある場合には、顧客情報DBD1にその顧客の情報が登録されているため、ステップ3では“YES”が選択され、ステップS5に進んで顧客情報DBD1のフラグがオンにされているかの判断が行われる。フラグは、前回レストランから出るときにオフにされているため、ステップS5では“NO”が選択され、ステップS6に進んでフラグがオンにされる。
【0038】
顧客がレストランL2から出る際には、入店時にステップS6の処理によりオンにされたフラグが、ステップS7でオフにされる。すなわち、顧客がレストランL2内にいる間は、フラグの値はオンであることになる。
【0039】
次に、図8のフローチャートを参照して、キャリアL1の着信情報管理サーバ10とレストランL2の着信通知サーバ20とにおける処理の例について説明する。まず、着信通知サーバ20の起動時等に、制御部24(図3参照)の制御に基づいて着信情報管理サーバ10に接続要求が送信される(ステップS11)。着信情報管理サーバ10では、接続要求が受信される(ステップS12)と、それに対する応答が着信通知サーバ20に返送される(ステップS13)。
【0040】
着信通知サーバ20では、着信情報管理サーバ10から送信された応答を受信すると(ステップS14)、顧客情報DBD1の情報のうち、フラグがオンになっているユーザの情報が抽出され、顧客情報として着信情報管理サーバ10に送信される(ステップS15)。着信情報管理サーバ10では、顧客情報を受信すると、受信した顧客情報中に含まれるユーザ宛の着信情報を、受信したか否かの判断がされる(ステップS16)。着信情報を受信していない間は、ステップS16の判断が繰り返し行われる。
【0041】
顧客情報中に含まれるユーザ宛の着信情報を受信した場合には、その着信情報が着信通知サーバ10に送信される(ステップS17)。着信通知サーバ20では、着信情報が受信されると(ステップS18)、受信した着信情報がアクセスポイント60を経由してスクリーン70に伝送され、着信情報がスクリーン70を通して顧客に通知される(ステップS19)。
【0042】
次に、顧客情報DBD1中のフラグの値に変化があったか否かの判断が行われ(ステップS20)、変化があった場合には、ステップS15に戻って処理が続けられる。顧客が来店したり、店から出るなどした場合にはフラグの値が変更されるため、その時点での最新の顧客情報が、着信情報管理サーバ10に送信されるようになる。
【0043】
顧客情報DBD1中のフラグの値に変化がない場合は、着信通知のサービスを終了するか否かの判断がされ(ステップS21)、サービスの提供が継続される場合には、ステップS18に戻って処理が続けられる。サービスが終了される場合には、そこで処理も終了される。
【0044】
上述した実施の形態によれば、圏外のエリアにいる場合にも、店内のスクリーン70を通して着信情報が通知されるため、ユーザは圏外のエリアに居ながらも着信情報を取得できるようになる。そしてユーザは、着信情報を取得後に電波を受信可能な場所に移動する等の手段によって、着信元の相手とコンタクトをとることができるようになる。
【0045】
また、上述した実施の形態によれば、キャリアL1内で、不完了着信呼情報が検知された時点で、その情報が着信情報としてすぐに着信通知サーバ20に伝送される。そして、着信情報に基づいて生成された着信通知情報が、スクリーン50を通してユーザに通知される。従って、ユーザは着信の情報をほぼリアルタイムで得ることができるようになる。
【0046】
また、上述した実施の形態によれば、レストランL2内に設けられたリーダ・ライタ30を通して得られる情報に基づいて、顧客の在席状態を示すフラグがオン又はオフされる。そして、フラグがオンにされているユーザに対する着信の情報が、通知されるようになる。このため、ユーザの携帯電話端末40や着信通知サーバ20によって、通信状態の変化を検知するための定期的な通信を行う必要がなくなる。
【0047】
なお、上述した実施の形態では、着信情報をレストランL2に配置したスクリーン70を通して通知するようにしているが、通知の手段はこれに限定されるものではない。例えば、レストランL2の構内の無線LANを使用して携帯電話端末40に信号を伝送し、携帯電話端末40の表示部50への文字による表示や着信音、バイブレータによる振動等によって通知するようにしてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、電波が受信できない状態における着信の情報を通知する場合を例に挙げたが、メールの受信情報等を通知するようにしてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態では、携帯電話端末40のユーザに対して、着信の有無のみを着信情報として通知する例を挙げているが、発信元の電話番号の情報や、着信の時刻等も一緒に通知するようにしてもよい。この場合は、着信情報管理サーバ10から送信させる着信情報に、これらの情報を含ませるようにする。
【0050】
また、上述した実施の形態では、着信通知サーバ20をレストランL2の構内に設置しているが、例えばレストランL2の本社など、他の場所に設置するようにしてもよい。
【0051】
また、上述した実施の形態では、着信通知サーバ20とスクリーン70との間の通信を無線で行う形態をとっているが、有線で通信させるようにしてもよい。
【0052】
また、上述した実施の形態では、リーダ・ライタ30と携帯電話端末40間での通信をNFCの規格に基づいて行う場合を例に挙げたが、ISO14443等、他の規格に準拠した機器を用いて通信を行うようにしてもよい。または、非接触ではなく、接触式のICカードを搭載した機器を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態によるシステムの構成例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態による着信情報管理サーバの内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態による着信通知サーバの内部構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態による顧客情報データベースの構築例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態による着信情報管理サーバに伝送される顧客情報の構成例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の内部構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるレストラン内のシステムにおける処理の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態による着信情報管理サーバと着信通知サーバとによる処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
10…着信情報管理サーバ、11…入出力I/F部、12…通信制御部、13…記憶部、14…制御部、15…メモリ、20…着信通知サーバ、21…入出力I/F部、22…通信制御部、23…記憶部、24…制御部、25…メモリ、40…携帯電話端末、41…近距離無線通信I/F部、42…アンテナ、43…記憶部、44…音声処理部、45…マイクロフォン、46…スピーカ、47…制御部、48…通信処理部、49…アンテナ、50…表示部、51…操作入力部、D1…顧客情報データベース、D2…顧客情報、D3…使用者情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話端末宛の呼のうち、前記携帯電話端末によって受信されていない呼の情報を、着信情報として出力する着信情報管理サーバと、
前記携帯電話端末の呼の伝送に用いられる電波が到達しない圏外のエリアに配置され、前記携帯電話端末の使用者の情報を、前記近距離無線通信を通して取得するリーダ・ライタと、
前記着信情報管理サーバから出力された着信情報と、前記リーダ・ライタにより取得された使用者の情報とに基づいて着信通知情報を生成し、生成した前記着信通知情報を出力する着信通知サーバと、
前記着信通知サーバから出力された着信通知情報を、前記携帯電話端末の使用者に通知する通知部とを備えた
着信情報通知システム。
【請求項2】
前記着信通知サーバは、前記携帯電話端末の使用者の情報を管理する使用者情報管理データベースを備え、前記使用者情報管理データベースは、前記リーダ・ライタにより前記使用者の情報が取得されるタイミングで、オン又はオフされるフラグを有する
請求項1記載の着信情報通知システム。
【請求項3】
前記着信通知サーバは、前記使用者情報管理データベースのフラグの値を書き換える制御部を備え、前記制御部は、前記リーダ・ライタにより取得された前記使用者の情報が初めて取得された情報であった場合は、前記フラグをオンにし、前記フラグがオンにされた状態で前記リーダ・ライタにより前記使用者の情報が取得された場合には、前記フラグの値をオフにする
請求項2記載の着信情報通知システム。
【請求項4】
前記着信通知サーバの制御部は、前記使用者情報管理データベースに記載の情報のうち、前記フラグがオンにされている使用者の情報を抽出して前記着信情報通知システムに出力し、
前記着信情報管理サーバは、前記着信通知サーバから入力された前記使用者の情報に含まれている使用者への着信を受け付けた場合に、前記着信情報を前記着信通知サーバに出力する制御を行う制御部を備える
請求項3記載の着信情報通知システム。
【請求項5】
前記通知部は、前記着信通知情報を文字で表示する表示部である
請求項4記載の着信情報通知システム。
【請求項6】
前記着信通知サーバは、前記着信通知情報を無線により伝送し、
前記無線で伝送された着信通知情報を、前記通知部に中継するアクセスポイントを備える
請求項5記載の着信情報通知システム。
【請求項7】
前記リーダ・ライタにより取得される使用者の情報と、前記着信情報管理サーバから出力される着信情報には、前記携帯電話端末の電話番号の情報が含まれる
請求項5記載の着信情報通知システム。
【請求項8】
携帯電話端末の使用者の情報を、前記近距離無線通信を通して取得するステップと、
前記携帯電話端末宛の呼のうち、前記携帯電話端末によって受信されていない呼の情報を、着信情報として受信するステップと、
前記取得された使用者の情報と、前記出力された着信情報とに基づいて着信通知情報を生成し、生成した前記着信通知情報を出力するステップと、
出力された着信通知情報を、前記携帯電話端末の使用者に通知するステップとを含む
着信情報通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−296054(P2009−296054A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144888(P2008−144888)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】