説明

着座センサを用いた釦の表示方法

【課題】 運転席または、助手席からの操作を行おうとしていることを、着座センサを用い、ユーザの重心移動を検出することにより判別し、ユーザ判別の結果に応じて、ディスプレイの表示内容を切り替えることを特徴とする車載装置を提供する。
【解決手段】 映像を表示するディスプレイ100、ユーザの重心移動を検知する着座センサ110と、タッチパネル101、外部メモリ102、内部メモリ103、音声出力装置104、制御回路105、位置検出器109(ジャイロスコープ106、車速センサ107、GPS受信機108)とを備え、運転席左前側の着座センサのみがオンの場合は、運転席のユーザがタッチパネル101を操作しようとしていると判別し、助手席側右前側の着座センサのみがオンの場合は、助手席のユーザがタッチパネル101を操作しようとしていると判別することで、ディスプレイ100の表示内容を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車に搭載されるナビゲーション装置やオーディオ装置に設置されるタッチパネルに表示される釦について、運転席からの操作、助手席からの操作を判別し、タッチパネルに表示される内容を切り替える車載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車載装置として、座席に設置した着座センサによって、運転席と助手席のユーザを特定しする、釦の有効無効を切り替える車載装置が知られている(たとえば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−14871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている従来の車載装置においては、タッチパネルに対して、運転席側から操作した場合でも、助手席側から操作した場合でも、同じ釦、メニューがディスプレイに表示されてしまう。したがって、特許文献1の図7のように、運転席または、助手席のどちらかのユーザしか操作することができない釦も、ディスプレイに表示されてしまい、運転席または、助手席のユーザが、その釦やメニューを操作することができるかどうかは、押下してみないとわからないという問題があった
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、着座センサを用いて、運転席または、助手席からの操作を行おうとしていることを判別し、運転席側から操作することができる釦、助手席側から操作することができる釦をディスプレイに表示することができる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車載装置は、映像を表示するディスプレイと、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル、ユーザを判別するための着座センサを備え、着座センサを使用し、ユーザの重心移動を検出することにより前記着座センサよりユーザが安定した乗車状態にあるかを判定した後、操作しようとしているユーザを判別し、その結果を用いて、ディスプレイの表示内容を切り替える構成を有している。
【0007】
この構成により、運転席または、助手席からの操作を行おうとしていることを判別し、運転席側からの操作の場合は、運転席側から操作することができる釦、メニューのみをディスプレイに表示し、助手席側からの操作の場合は、助手席側から操作することができる釦をディスプレイに表示することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、着座センサを設け、タッチパネルに対する操作をしようとしているユーザを、運転席側のユーザなのか、助手席側のユーザなのかを判別することにより、運転席側から操作することができる釦は、運転席側のユーザが操作しようとした場合にディスプレイに表示し、助手席側から操作することができる釦は、助手席側のユーザが操作しようとした場合にディスプレイに表示することのできる効果を有する車載装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態における車載装置のブロック図
【図2】着座センサの位置説明、動作説明するための図
【図3】本発明の第1の実施の形態における車載装置の動作説明のためのフロー図
【図4】着座センサの圧力値の安定を説明するための図
【図5】着座センサの圧力値の変化を説明するための図
【図6】(a)〜(f)操作者判別の方法説明のための図
【図7】(a)は現在地表示画面の通常画面を説明するための図、(b)は現在地表示画面の助手席からの操作画面を説明するための図、(c)は現在地表示画面の運転席からの操作画面を説明するための図
【図8】本発明の第2の実施の形態における車載装置のブロック図
【図9】1つの表示領域に対して、複数の方向に異なる画面を表示するディスプレイの説明のための図
【図10】本発明の第2の実施の形態における車載装置の動作説明のためのフロー図
【図11】(a)はDVD再生画面の通常画面を説明するための図、(b)はDVD再生画面の助手席からの操作画面を説明するための図
【図12】本発明の第3の実施の形態における車載装置の着座センサの位置説明のための図
【図13】本発明の第4の実施の形態における車載装置の着座センサの位置説明のための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第一の実施の形態)
以下、本発明の第一の実施の形態の車載装置について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態における車載装置のブロック図である。
【0011】
図1において、車載装置は、映像を表示するディスプレイ100と、ユーザの重心移動を検知するための着座センサ110と、タッチパネル101、外部メモリ102、内部メモリ103、音声出力装置104、制御回路105、位置検出器109(ジャイロスコープ106、車速センサ107、GPS受信機108)とを有する構成である。
【0012】
ディスプレイ100は、映像を表示するためのディスプレイであり、ナビゲーション装置の場合、例えば、目的地を設定したり、案内中は地図画面を表示する。また、自動車を停止し、DVD、TVなどを鑑賞する際には、DVD、TVを表示する用途としても使用される。
【0013】
着座センサ110は、感圧センサで構成し、運転席や助手席に設置され、運転席、助手席に着座しているユーザの重心がどこにかかっているかを検出するために使用される。
タッチパネル101は、ユーザからの入力を受ける部分であり、押下された位置に応じた位置信号を受信し、制御回路105にデータを送信する。
外部メモリ102は、ハードディスクや、SDカードなどであり、地図情報、リッピングされた音楽データ等を保存する。
内部メモリ103は、プログラムの一時作業領域として使用される。また、ディスプレイ100に表示するためのデータを保持するのにも使用される。
音声出力装置104は、ユーザ操作に対する操作音や、道案内などの音声、音楽データの再生音などの出力を行う。
【0014】
位置検出器109は、ジャイロスコープ106、車速センサ107、GPS受信機108などからなり、GPS受信機108の情報を元に現在の位置を検出し、ジャイロスコー
プ106、車速センサ107を用いて補正処理を行い、結果を制御回路105に送信する。
【0015】
制御回路105は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、制御プログラムを実行して、各演算処理を行う。制御回路105は、必要に応じて、外部メモリ102または、内部メモリ103、位置検出器109などから、データを取得し、ディスプレイ100に表示を行う。
【0016】
着座サンサ110の設置位置の詳細を、図2を用いて説明する。図2は運転席200、また助手席201、ディスプレイ100とし、それぞれ、運手席200、助手席201のシートを真上からみた図である。また、図2の矢印は自動車の進行方向である。
【0017】
図2の場合、着座センサは、運転席側の着座センサ200a〜200c、助手席側の着座センサ201a〜201cからなる。着座センサ200aは運転席側のシートの左前側、着座センサ200bは運転席側のシートの右前側、着座センサ200cは運転席側のシートの左後側に位置する。着座センサ201aは助手席側のシートの右前側、着座センサ201bは助手席側のシートの左前側、着座センサ201cは助手席側のシートの右後側に位置する。
【0018】
上記6つの着座センサで検出された圧力値によって、タッチパネルに対して、運転席側と助手席側のどちらのユーザが、操作しようとしたかを判別するために使用される。
以上のように構成された車載装置について、図3を用いてその動作を説明する。
ステップS300では、着座センサ200a〜200c、201a〜201cを用いて、各ポイントでの圧力を検出し、ステップS310に進む。
【0019】
ステップS310では、ユーザが安定した乗車状態にあるかを判定する。ユーザが安定した乗車状態にあるとは、例えば、基準内の圧力変化が一定値以内であるかで判定する。
【0020】
乗車直後は、まだ運転姿勢が定まっていないため、着座センサが検出する圧力値にも変化が大きく単に圧力値だけで判定した場合、運転者等が釦を押そうという意図で圧力が変化したか否かが判別できなないため、安定した乗車状態になるまでは、その後の処理を行わない。安定した乗車状態になったと判断されてからステップS320を実施する。
【0021】
ステップS310の動作の詳細を図4を用いて説明する。図4は、ある1つの着座センサにおける、時間経過と圧力値を表す図であり、縦軸は圧力値、横軸は時間を表している。ステップS310では、ステップS300で検出した圧力値を、あらかじめ決められた時間Ta(T1〜T3)の間監視する。この区間に観測された圧力値の最大値をP1(T1時)、最小値をP2(T2時)とする。また、通常運転中は、着座センサの値は振動などである程度上下するため、その振動で操作者判別をしてしまわないために、圧力値の変化許容値としてPaを使用する。Paは、あらかじめ静的に決定しておく値である。ここで、P1−P2<Paの場合、ユーザが、安定した乗車状態になったと判断する。また、P1−P2>=Paの場合は、ユーザがまだ安定した乗車状態になっていないと判断するため、P1−P2<Paを満たすまで、ステップS300、ステップ310を繰り返す。全ての着座センサについて、安定状態になったと判断された場合、ステップ320に進む。
【0022】
ステップS320では、操作者を判別する際の基準となる圧力値P3を算出し、内部メモリ102に保存する。圧力値P3は、例えば、各着座センサ毎に、時間Ta間の圧力変化の(最大値P1+最小値P2)/2で算出する。ここで保存された圧力値P3は、車のエンジンを切るまで保存され、変更されない。
【0023】
ステップS330を、図5を用いて説明する。図5は、ある1つの着座センサにおける、時間経過と圧力値の変化を表す図であり、縦軸は圧力値、横軸は時間を表している。
ここで、P4は、ステップS320で求めた基準となる圧力値P3に、圧力値の変化許容値として使用するPaを足した値である。
【0024】
ステップS330では、各着座センサの圧力値を検出し、連続して圧力値がP4以上になっている時間が、あらかじめ決められた時間T2以上あった場合に、着座センサ判定オンと判定し、ステップ340に進む。
【0025】
ステップS340では、運転席、助手席どちら側の人間が、タッチパネルを操作しようとしているかを判別する操作者判別を行う。その結果、助手席側と判別された場合は、ステップS350に、運転席側と判別された場合は、ステップS360に進む。どちらとも判別されなかった場合は、S330、S340を繰り返す。
【0026】
次に、操作者判別方法を図6を用いて説明する。図6(a)〜(f)は、図2で示した着座センサのオンオフのパターンを示した図である。着座センサのうち着座センサ判定がオンになっているものに◎印としている。
【0027】
着座センサ200a〜200c、201a〜201cのうち、200aの着座センサ判定がオンになった場合の他の着座センサの状態は、(1)図6(a)のパターン、つまり、200aの着座センサのみがオンになっている場合、(2)図6(b)のパターン、つまり、200aはオンになっているが、同時に、200bまたは201aまたは201bがオンになっている場合、(3)図6(c)のパターン、つまり、200aはオンになっているが、同時に、200cまたは201bがオンになっている場合に分けることができる。
【0028】
上記のうち(1)のパターンは、1箇所の着座センサのみがオンとなっている状態であり、運転席側のユーザがタッチパネルを操作しようとしていると判断する。(2)のパターンは、200aの着座センサ以外に、別の前側の着座センサも同時にオンになっているため、例えば、ブレーキを踏んだことにより、重心が前にかかったと判断し、ユーザがタッチパネルを操作しようとしたとは判断しない。(3)のパターンは、200aの着座センサ以外に、別の左側の着座センサも同時にオンになっているため、例えば、車が右カーブに差し掛かり、重心が左にかかったと判断し、ユーザがタッチパネルを操作しようとしたとは判断しない。
【0029】
次に、着座センサ200a〜200c、201a〜201cのうち、201aの着座センサ判定がオンになった場合の他の着座センサの状態は、(1)図6(d)のパターン、つまり、201aの着座センサのみがオンになっている場合、(2)図6(e)のパターン、つまり、201aはオンになっているが、同時に、201bまたは200aまたは200bがオンになっている場合、(3)図6(f)のパターン、つまり、201aはオンになっているが、同時に、201cまたは200bがオンになっている場合に分けることができる。
【0030】
上記のうち(1)のパターンは、1箇所の着座センサのみがオンとなっている状態であり、助手席側のユーザがタッチパネルを操作しようとしていると判断する。(2)のパターンは、201aの着座センサ以外に、別の前側の着座センサも同時にオンになっているため、例えば、ブレーキを踏んだことにより、重心が前にかかったと判断し、ユーザがタッチパネルを操作しようとしたとは判断しない。(3)のパターンは、201aの着座センサ以外に、別の右側の着座センサも同時にオンになっているため、例えば、車が左カーブに差し掛かり、重心が右にかかったと判断し、ユーザがタッチパネルを操作しようとし
たとは判断しない。
ステップ350を図7を用いて説明する。
画面700は、通常走行中のナビゲーション装置の地図画面がディスプレイに表示されている状態の図である。
画面701は、画面700の画面に加え、助手席側から操作できる釦(700a、700b、700c)が表示されている状態の図である。
【0031】
画面702は、画面700の画面に加え、運転席側から操作できる釦(700c)が表示されている状態の図である。ここで、釦700a、700b、700cは地図画面が表示されている状態では、常に表示されている釦であり、釦701a、701b、701cは、操作しようとした時のみ表示する釦である。そのうち、釦701a、701bは、走行中に、運転席側から操作することができない釦であり、助手席側からのみ操作することができる釦とする。
【0032】
ステップ350では、助手席側からの操作と判別されているため、助手席側から操作することができる釦701a、701b、701cをディスプレイ100に新たに表示し、画面701の表示となる。
【0033】
ステップ360を図7を用いて説明する。ステップ360では、運転席からの操作と判別されているため、運転席側から操作することができる釦701cのみをディスプレイ100に新たに表示し、画面702の表示となる。この場合、画面701で表示された釦701a、701bは、走行中に、運転席側からは操作することができない釦のため、表示されず、仮に、助手席からの操作の際に釦が表示される位置を運転席から押下したとしても、処理は行われない。
ステップ370では、押下された釦やメニューに応じた処理を行う。
【0034】
以上のように本発明の第1の実施の形態の車載装置によれば、操作者を判別するために、着座センサを設けることにより、タッチパネルに対して、運転席または、助手席のどちら側のユーザが操作を行おうとしていることを判別し、運転席側からの操作の場合は、運転席側から操作することができる釦、メニューのみをディスプレイ800に表示し、助手席側からの操作の場合は、助手席側から操作することができる釦をディスプレイ800に表示することができる車載装置を提供することができる。
(第二の実施の形態)
次に、本発明の第二の実施の形態の車載装置を図8に示す。
第二の実施の形態において、第一の実施の形態と同一のものは同一符号を付し、第1の実施の形態と相違する部分を説明する。
【0035】
図8においてディスプレイ800は、1つの表示領域に対して、複数の方向に異なる画面を表示するディスプレイである。図9にディスプレイ800の、使用例を示す。図9において、画面900は運手席側から見たディスプレイ800の表示内容、画面901は助手席側からみたディスプレイ800の表示内容である。ディスプレイ800は、例えば、運転席側から見た画面には画面900のように 例えば、ナビゲーション装置の画面として現在地付近の地図を表示し、道案内を行う。助手席側から見た画面には画面901のようにDVDの再生画面を表示しDVDを鑑賞するなど、運転席側と助手席側とで、1つのディスプレイを2種類の用途で使用することができるものである。
以上のように構成された車載装置について、図10を用いてその動作を説明する。
【0036】
第1の実施形態と重複する部分の説明は省略する。異なる部分は、ステップS1000、S1010における表示の方法であるため、ステップS1000、S1010について説明する。
【0037】
ステップS1000を図7、図9、図11を用いて説明する。まず、運転席側のユーザは図9に示したように、車載装置をナビゲーション装置として使用しており、ディスプレイ800は、運転席側から見た場合、画面700のように現在地付近の地図が表示されているとする。また、助手席側のユーザは図9に示したように、車載装置をDVDの再生に使用しており、ディスプレイ800は、助手席側から見た場合、画面1100のように、DVDの再生画面が表示されているとする。ここで、ステップS1000では、操作しようとしているユーザが、助手席側と判別されているため、助手席側の画面のみに、助手席側から操作することができる釦を表示する。現在、助手席側には画面1100のDVD再生画面が表示されているため、画面1101に示すように、DVD操作釦1101a、1101b、1101c(例えば、再生、停止、早送り、巻き戻し、スキップ、音声を切替、字幕を切替など)を表示する。このとき、運転席側の画面700には、変化はなく、DVD操作釦1101a、釦1101b、1101cや、ナビ操作釦701cなど必要ない釦は表示されない。
ステップS1010を図7、図9、図11を用いて説明する。
【0038】
S1010では、操作しようとしているユーザが、運転席側と判別されているため、運転席側の画面のみに、運転席側から操作することができる釦を表示する。現在、運転席側には、画面700のように現在地付近の地図が表示されているため、画面702に示すように、運転席側から操作可能な釦701cのみをディスプレイ800に新たに表示する。このとき、助手席側の画面900には、変化はなく、ナビ操作釦701cや、DVD操作釦1101a、1101b、1101cなど必要ない釦は表示されない。
【0039】
以上のように本発明の第2の実施の形態の車載装置によれば、操作者を判別するために、着座センサを設けることにより、タッチパネルに対して、運転席または、助手席のどちら側のユーザが操作を行おうとしていることを判別し、運転席側からの操作の場合は、運転席側の画面のみに、釦、メニューを表示し、助手席側からの操作の場合は、助手席側の画面のみに、釦、メニューを表示することができる車載装置を提供することができる。
(第三の実施の形態)
次に、本発明の第三の実施の形態の車載装置を図12に示す。
第三の実施の形態において、第一の実施の形態と同一のものは同一符号を付し、第1の実施の形態と相違する部分を説明する。
【0040】
1200、1201は、それぞれ、運手席、助手席のシートを真上からみた図であり、図12のディスプレイ100にある側が自動車の進行方向である。着座センサは、運転席側の着座センサ1200a、助手席側の着座センサ1201aからなる。着座センサ1200aは運転席側のシートの左前側に位置し、着座センサ1201aは助手席側のシートの右前側に位置する。上記2つの着座センサで検出された圧力値は、タッチパネルに対して、運転席側と助手席側のどちらのユーザが、操作しようとしたかを判別するために使用される。
【0041】
第3の実施の形態の形態では、着座センサ1200aがオンになった場合は、運転席側のユーザがタッチパネルを操作しようとしたと判断し、着座センサ1201aがオンになった場合は、助手席側のユーザがタッチパネルを操作しようとしたと判断する。着座センサ1200a、着座センサ1201aが両方オンになった場合は、ブレーキを踏んだことにより、重心が前にかかったと判断し、ユーザがタッチパネルを操作しようとしたとは判断しない。
【0042】
以上のように本発明の第3の実施の形態の車載装置によれば、操作者を判別するために、運手席側、助手席側のそれぞれに1つづつの着座センサを設けることにより、実施例1
、実施例2と比べ、着座センサの数を減らし、車体の重量を軽くすることができる。
また、ユーザ判別アルゴリズムを簡略化できるため、処理速度が速くなり、表示内容を切り替えるまでの時間を早くした車載装置を提供することができる。
(第四の実施の形態)
次に、本発明の第四の実施の形態の車載装置を図13に示す。
第四の実施の形態において、第一の実施の形態と同一のものは同一符号を付し、第1の実施の形態と相違する部分を説明する。
【0043】
1300、1301は、それぞれ、運手席、助手席のシートを真上からみた図であり、図13の上側が自動車の進行方向である。着座センサは、運転席側の着座センサ1300a〜1300d、助手席側の着座センサ1301a〜1301dからなる。着座センサ1300aは運転席側のシートの左前側、着座センサ1300bは運転席側のシートの右前側、着座センサ1300cは運転席側のシートの左後側、着座センサ1300dは運転席側のシートの右後側に位置し、着座センサ1301aは助手席側のシートの右前側、着座センサ1301bは助手席側のシートの左前側、着座センサ1301cは助手席側のシートの右後側、着座センサ1301dは助手席側のシートの左後側に位置する。上記8つの着座センサで検出された圧力値は、タッチパネルに対して、運転席側と助手席側のどちらのユーザが、操作しようとしたかを判別するために使用される。
【0044】
実施例4の形態では、基本的なユーザ判別のアルゴリズムは、実施例1と同じであり、運転席側の左前の着座センサ1300aのみがオンの場合に、運手席側のユーザがタッチパネルを操作しようとしたと判断し、助手席側の右前の着座センサ1301aのみがオンの場合に、助手席側のユーザがタッチパネルを操作しようとしたと判断する。
【0045】
実施例4の形態では、実施例1の形態に加え、運転席側の右後の着座センサ1300d、助手席側の左後の着座センサ1301dが追加されているが、運転席側の左前の着座センサ1300aがオンになった場合でも、1300dがオンの場合は、例えば、クラッチを踏んだと判断してユーザがタッチパネルを操作しようとしたと判断しない。
助手席側の着座センサ1301aと1301bがオンになった場合は、カーブで重心が移動していると判断するため、測定精度が高くなる。
【0046】
以上のように本発明の第4の実施の形態の車載装置によれば、操作者を判別するために、運手席側、助手席側のそれぞれに各4つの着座センサを設けることにより、実施例1、実施例2と比べ、より正確なユーザ判別が可能となり、操作しようとした場合以外に、表示内容を切り替えてしまうといった現象を起こりにくくした車載装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかる車載装置は、着座センサを設けることにより、必要な画面のみに、必要な釦、メニューを表示することのできるという効果を有し、車載ナビ、オーディオのタッチパネルに対し、運転席からの操作、助手席からの操作を判別し、表示を切り替える車載装置等として有用である。
【符号の説明】
【0048】
100 ディスプレイ
101 タッチパネル
105 制御回路
109 位置検出手段
110 着座センサ
200a〜200c 運転席側各着座センサ
201a〜201c 助手席側各着座センサ
700 走行中のナビ画面
701 助手席側で操作できる釦を表示したナビ画面
702 運転席側で操作できる釦を表示したナビ画面
800 複数方向表示ディスプレイ
801 運転席側からみた複数方向表示ディスプレイ画面
802 助手席側からみた複数方向表示ディスプレイ画面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示するディスプレイと、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル、ユーザを判別するための着座センサを備え、前記着座センサよりユーザが安定した乗車状態にあるかを判定した後ユーザの重心移動を検出し、操作しようとしているユーザを判別し、前記ディスプレイの表示されている内容を切り替えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
1つの表示領域に対して、複数の方向に異なる画面を表示するディスプレイを備えた請求項1記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−5931(P2011−5931A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150639(P2009−150639)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】