説明

睡眠不全、及び疾患に伴う睡眠不全の治療、予防、又は管理の方法、及びそれに用いる組成物

痛みのような慢性神経性、又は炎症性状態、及び1以上の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを単独で、若しくは既知の治療法との組み合わせで投与することを含む神経変性障害に伴う睡眠不全を含むが、それらに限定されない睡眠不全を治療、予防、及び/又は管理する方法を開示する。医薬組成物、単一ユニット剤形、及び本発明の方法での使用に適したキットもまた開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 技術分野)
本発明は、一部において、睡眠不全を治療、予防、及び/又は管理する方法に関するものであって、免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを、単独で、又は既知の治療法との組み合わせで投与することを含む。
【背景技術】
【0002】
(2. 背景技術)
4000万人のアメリカ人が、いびき、睡眠時無呼吸、不眠症、発作性睡眠、脚不穏症候群、睡眠恐怖、夢遊、及び睡眠摂食のような、様々な睡眠障害に苦しんでいることが概算されている。合衆国における約10パーセントの成人が不眠症に苦しんでいることが確立されている;その治療のための年間コストは、109億ドルと見積もられている。(JAMA 1997; 278: 2170-2177の2170)。睡眠障害は、環境によって引き起こされるストレス、及びライフスタイル要因、病気、又は肥満、及びうつ病といった精神疾患のような、身体要因を含む、様々な病因を有する。睡眠障害は、しばしば他の状態、特に炎症性、及び神経学的状態、例えば、複合性局所疼痛症候群、慢性腰痛、筋骨格系疼痛、関節炎、神経根障害、ガンに関連した痛み、繊維筋痛、内臓痛、膀胱痛、慢性膵炎、神経障害(糖尿病患者、ヘルペス後、外傷性、又は炎症性)、並びにパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、及びハンチントン病のような神経変性障害とともに見出される。
【0003】
不眠症レポートは、ストレス、不安、憂鬱、及び内科的疾患のレベルを高めた。可能な治療は、行動修正と同じほど単純であり得、又は機械的な、外科的な、若しくは薬理学的介入と同じほど関連し得る。例えば、睡眠時無呼吸は、空気圧式副子と呼ばれる機械的装置、又はアレルゲン試験枕ケーシング、鼻用ステロイド薬、又はピロカルピンによって治療され得る。『治療の薬理学的基礎』、第9版、Goodman、及びGilman、ペルガモンプレス、ニューヨーク、1996を参照されたい。発作性睡眠は、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、アンフェタミン、フォカリン、リタリン、及びプロビギルによって治療され得る。メルクマニュアル953(第17版、1999)。ベンゾジアゼピン、又はメラトニンは、不眠症を治療するために用いられてもよい。脚不穏症候群は、ベンゾジアゼピン、及び抗パーキンソン薬のような、ドーパミンを制御する薬によって治療され得る。『治療の薬理学的基礎』、第9版、Goodman、及びGilman、ペルガモンプレス、ニューヨーク、1996を参照されたい。
【0004】
不眠症を治療するための投薬の最も一般的なクラスは、ベンゾジアゼピンであるが、ベンゾジアゼピンの悪影響的側面は、日中の鎮静、運動神経の減退、及び認識機能障害を含む。さらに、1984年の睡眠薬、及び不眠症における国立衛生研究所コンセンサス協議会は、薬物乱用、依存、使用中止、不眠症のリバウンドにわたって高められた懸念のために、4〜6週を超えた催眠鎮静のようなものの使用をやめさせるガイドラインを構築した。(JAMA 1997; 278: 2170-2177の2170)。
それゆえ、必要性は、慢性神経性、又は炎症性状態に伴う睡眠不全、及び睡眠疾患に苦しむ患者のための、睡眠の開始時間、睡眠の継続、睡眠の質を改善する、及び夜間の睡眠後にさわやかな感じで起きる能力を高める新しい治療法に対して残されている。
【0005】
(2.1 免疫調節化合物)
TNF-αの異常産生に関連した疾患の治療に、安全にかつ効果的に使用することができる化合物の提供を目的として、多くの研究が行われている。例えば、Marriott, J. B.らの論文, Expert Opin. Biol. Ther. 1 (4): 1-8 (2001); G. W. Mullerらの論文, Journal of Medicinal Chemistry 39 (17): 3238-3240 (1996); 及びG. W. Mullerらの論文, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 8 : 2669-2674 (1998)を参照されたい。幾つかの研究は、LPS刺激PBMCによるTNF-α産生を強く阻害する能力に対して選択された、一群の化合物に焦点を当てている。L. G. Corralらの論文, Ann. Rheum. Dis. 58 : (Suppl I) 1107-1113 (1999)。これらの化合物は、IMiDs(商標)(セルジーン・コーポレーション)、又は免疫調節化合物と呼ばれ、TNF-αの強力阻害だけでなく、LPS誘発単球IL1β、及びIL12産生の著しい阻害をも示す。また、LPS誘発IL6は、部分的であるが、免疫調節化合物により阻害される。これらの化合物は、LPS誘発IL10の強力な刺激剤である(同上の論文)。IMiD(商標)の特定の例には、G. W. Mullerらの米国特許第6,281,230号、及び同第6,316,471号に記載されている置換2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)フタルイミド、及び置換2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドールがあるが、これらに限定されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、睡眠不全、及び疾患に伴う睡眠不全の治療、予防、又は管理の方法、及びそれに用いる組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(3. 発明の要旨)
本発明は、睡眠不全を治療、予防、又は管理する方法を含み、該方法は、そのような治療、予防、又は管理を必要とする患者に、治療上、又は予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを投与することを含む。
本発明はさらに、睡眠不全を治療、予防、及び/又は管理することに使用されるために適した医薬組成物、単一ユニット投与形態、及びキットを含み、これらは本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを含む。
本発明の特定の実施態様において、1以上の免疫調節化合物が、睡眠不全、又はそれらの症状に影響を与える、1以上の第2活性薬剤と共に使用され、投与され、又は処方される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(4. 発明の詳細な説明)
本発明は、免疫調節化合物が睡眠に影響し得るという、予期しない発見に基づいている。従って、本発明の第一の実施態様は、睡眠不全を治療、又は予防する方法を含み、そのような治療、又は予防を必要とする患者に、治療上、又は予防上有効な量の本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、又はプロドラッグを投与することを含む。睡眠不全、及び睡眠疾患は、いびき、睡眠時無呼吸、不眠症、発作性睡眠、脚不穏症候群、睡眠恐怖、夢遊、睡眠摂食、及び慢性神経性、又は炎症性状態に伴う睡眠不全を含むが、これらに限定されない。さらに、本発明は、鎮静、麻酔、痛覚欠如、記憶喪失鎮静、睡眠、又は患者において鎮静作用を含む方法を含み、それらを必要とする患者に、治療上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを投与することを含む。
慢性神経性、又は炎症性状態は、複合性局所疼痛症候群、慢性腰痛、筋骨格系疼痛、関節炎、神経根障害、ガンに関連した痛み、繊維筋痛、慢性疲労症候群、内臓痛、膀胱痛、慢性膵炎、神経障害 (糖尿病患者、ヘルペス後、外傷性、又は炎症性)、及びパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、多発性硬化症、ハンチントン病、動作緩慢のような神経変性障害;筋肉の硬直;パーキンソン振戦;パーキンソン病様歩行;動作フリーズ;うつ病;長期記憶障害;ルビンスタイン−テイビ症候群(RTS);認知症;姿勢の不安定;運動不全疾患;シヌクレイン疾患;多系統退化症;線条体黒質変性症;オリーブ橋小脳萎縮症;シャイ−ドレーガー症候群;パーキンソン病の特性を有した運動ニューロン疾患;レヴィー小体認知症;タウ病変疾患;進行性核上麻痺;大脳皮質基底核変性症;前頭側頭認知症;アミロイド病変疾患;軽度認識障害;パーキンソニズムを有したアルツハイマー病;ウィルソン病;ハレルフォルデン・スパッツ病;チェディアック−ハガシ病;SCA−3脊髄小脳失調;X関連ジストニアパーキンソニズム;プリオン病;多動性疾患;舞踏病;バリスマス;ジストニア振戦;筋萎縮性側索硬化症(ALS);CNSトラウマ;又はミオクローヌスを含むが、これらに限定されない。様々な疼痛性障害は、第WO 04/037199号に開示され、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0009】
本発明の別の実施態様は、睡眠不全を管理する方法を含み、そのような管理を必要とする患者に、予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを投与することを含む。
本発明の別の実施態様は、睡眠の開始時間、睡眠の継続、睡眠の質を改善する、又は夜間の睡眠後にさわやかな感じで起きる能力を高める方法を含み、それらを必要とする患者に、有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを投与することを含む。
【0010】
本発明の別の実施態様は、睡眠不全を治療、予防、及び/又は管理する方法を含み、そのような治療、予防、及び/又は管理を必要とする患者に、治療上、又は予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ、及び治療上、又は予防上有効な量の第2活性薬剤を投与することを含む。関連する実施態様において、本発明は、痛みや神経変性障害のような、1以上の慢性神経性、又は炎症性状態に伴う睡眠不全を治療、予防、及び/又は管理する方法を含み、そのような治療、予防、及び/又は管理を必要とする患者に、治療上、又は予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ、及び治療上、又は予防上有効な量の第2活性薬剤を投与することを含む。或る実施態様において、本発明は、「痛みの治療、緩和、及び管理のための免疫調節化合物を含む組成物、及び使用の方法」と題された、第WO04/037199号に概説されている疾患に伴う睡眠不全を治療、予防、又は管理する方法を含み、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0011】
本発明の或る実施態様において、治療、予防、又は管理の方法は、必ずしも基礎症状(複合性局所疼痛症候群のような基礎症状)に結び付けられないが、必ず基礎症状(再び、複合性局所疼痛症候群のような基礎症状)に伴う睡眠不全に結び付けられる。例えば、本発明の或る実施態様において、免疫調節化合物は、複合性局所疼痛症候群に伴う睡眠不全に苦しむ患者に投与されてもよく、免疫調節化合物の投与は、複合性局所疼痛症候群よりもむしろ、特に睡眠不全を対象としている。
【0012】
本発明の或る実施態様において、治療、予防、又は管理の方法は、基礎症状(複合性局所疼痛症候群のような基礎症状)、及び基礎症状(再び、複合性局所疼痛症候群のような基礎症状)に伴う睡眠不全の両方に同時に結び付けられる。例えば、本発明の或る実施態様において、免疫調節化合物は、複合性局所疼痛症候群に伴う睡眠不全に苦しむ患者に投与されてもよく、免疫調節化合物の投与は、睡眠不全、及び複合性局所疼痛症候群の両方を対象としている。
【0013】
第2活性薬剤は、大きな分子(例えば、タンパク質)、又は小さな分子(例えば、合成無機、有機金属、又は有機分子)とすることができる。第2活性薬剤の例を挙げると、これらに限定するものではないが、サイトカイン、造血成長因子、トポイソメラーゼ阻害剤のような抗ガン剤、血管新生阻害剤、微小管安定化剤、アポトーシス誘導剤、アルキル化剤、及び医師用卓上参考書2004に記載されている他の従来の化学療法;コリンエステラーゼ阻害剤;抗ウイルス剤;抗真菌剤;抗生物質;抗炎症剤;免疫調節剤;シクロスポリンのような免疫抑制剤;及び睡眠治療において用いられる他の既知の、又は従来型の薬剤を含む。
【0014】
潜在的に免疫調節化合物と共に投与される他の薬剤は、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、レビチラセタム、トピラメート)、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル阻害薬、選択的炎症性メディエータ阻害薬、オピオイド薬、又は薬剤の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0015】
理論に限定されることなしに、そのような薬剤の組み合わされた使用は、いくつかの免疫調節化合物に関連した有害作用を減らす、又はなくすかもしれず、それによって患者への大量の免疫調節化合物の投与を可能にし、かつ/又は患者コンプライアンスが増加すると考えられている。さらに免疫調節化合物は、いくつかの従来の睡眠補助薬、炎症性薬剤、又は神経性薬剤に関連した有害作用を減らす、又はなくすかもしれず、それによって患者への大量の免疫調節化合物の投与を可能にし、かつ/又は患者コンプライアンスが増加すると考えられている。そのような有害作用は、苦味、口渇、朝の疲れ、朝の薬酔い、頭痛、めまい、精神運動スキルの障害、及び眠気を含むが、これらに限定されない。
【0016】
さらに本発明の別の実施態様は、本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ、及び医薬として許容し得るキャリアー、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を含む。特定の組成物は、非経口、経口、又は経皮的投与に対して適合されている。
また本発明によって含まれているのは、本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ含む単一ユニット剤形である。
本発明はまた、本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ、及び第2活性成分、又は薬剤を含むキットを含む。
【0017】
(4.1 免疫調節化合物)
本発明の化合物は、商業的に購入され得るか、又は本明細書で開示される特許、又は特許公報に記載された方法に従って調製され得る。さらに、光学的に純粋な組成物は、他の標準的な合成有機化学技術と同様に、既知の分割剤、又はキラルカラムを用いることで、非対称的に合成、又は分解され得る。本発明において使用される化合物は、立体的に豊富な、又は立体的に純粋なラセミ化合物、及びその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、及びプロドラッグである免疫調節化合物を含んでもよい。
本発明において使用される好ましい化合物は、約1,000g/mol未満の分子量を有する小さな有機分子であり、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖、又は他の巨大分子ではない。
【0018】
本明細書中で使用され、別段の記載がないならば、用語「免疫調節化合物」、及び「IMiDs(商標)」(セルジーン・コーポレーション)は、TNF−α、LPS誘発単球IL1β、及びIL12を顕著に阻害し、かつIL6産生を部分的に阻害する、小さな有機分子を含む。具体的な免疫調節化合物は、以下で論ずる。
TNF−αは、マクロファージ、及び急性炎症の間の単球によって産生される炎症性サイトカインである。TNF−αは、細胞中の様々なシグナル伝達に関与する。理論に限定されることなしに、本発明の免疫調節化合物によって与えられる生物学的効果の一つは、TNF−αの合成の減少である。本発明の免疫調節化合物は、TNF−α mRNAの分解を促進する。
【0019】
さらに、理論に限定されることなしに、本明細書で使用される免疫調節化合物はまた、T細胞の強力な共刺激物質であり、かつ用量依存的な様式で劇的に細胞増殖を増加させるかもしれない。本発明の免疫調節化合物はまた、CD4+T細胞サブセットよりも、CD8+T細胞サブセットにおいて、より強力な共刺激効果を有するかもしれない。さらに、該化合物は、好ましくは抗炎症性特性を有し、効率的にT細胞を共刺激する。さらに、理論に限定されることなしに、本発明で使用される免疫調節化合物は、間接的にサイトカイン活性化を介して、及び直接的にナチュラルキラー(“NK”)細胞上の両方で作用することができ、かつ、限定されないが、IFN−γのような有益なサイトカインを産生するNK細胞の能力を増加させるかもしれない。
【0020】
免疫調節化合物の具体例は、それらに限定されるものではないが、米国特許第5,929,117号に開示されているような、置換されたスチレンのシアノ、及びカルボキシ誘導体;米国特許第5,874,448号、及び同第5,955,476号に記載されているような1−オキソ−2−(2,6−ジオキソ−3−フルオロピペリジン−3−イル)イソインドリン、及び1,3−ジオキソ−2−(2,6−ジオキソ−3−フルオロピペリジン−3−イル)イソインドリン;米国特許第5,798,368号に記載されている、四置換された2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン;米国特許第5,635,517号、同第6,476,052号、同第6,555,554号、及び同第6,403,613号に開示されるそれらを含むが、それらに限定されない、1−オキソ、及び1,3−ジオキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)イソインドリン(例えば、サリドマイドの4−メチル誘導体);米国特許第6,380,239号に記載されている、インドリン環(例えば、4−(4−アミノ−1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−4−カルバモイルブタン酸)の4−、又は5−位で置換された1−オキソ、及び1,3−ジオキソイソインドリン;米国特許第6,458,810号に記載された、2,6−ジオキソ−3−ヒドロキシピペリジン−5−イル(例えば、2−(2,6−ジオキソ−3−ヒドロキシ−5−フルオロピペリジン−5−イル)−4−アミノイソインドリン−1−オン)の2−位で置換された、イソインドリン−1−オン、及びイソインドリン−1,3−ジオン;米国特許第5,698,579号、及び同第5,877,200号に開示されている、非ポリペプチド環状アミドのクラス;米国特許第6,281,230号、及び同第6,316,471号に記載されているような、アミノサリドマイドの類似体、加水分解産物、代謝産物、誘導体、及び誘導体と同様、アミノサリドマイド、及び置換された2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)フタルイミド、及び置換された2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)オキソイソインドール;及び、2001年10月5日に出願された米国特許出願第09/972,487号、2001年12月21日に出願された米国特許出願第10/032,286号、及び国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に記載されているそれらのような、イソインドール−イミド化合物を含む。本明細書で特定されているそれぞれの特許、及び特許出願の全体は、引用により本明細書に組み込まれる。免疫調節化合物は、サリドマイドを含まない。
【0021】
本発明の他の免疫調節化合物は、引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,635,517号に記載されるような、ベンゾ環中でアミノが置換された1−オキソ−、及び1,3−ジオキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)イソインドリンを含むが、それらに限定されない。これらの化合物は、構造Iを有する:
【化1】

【0022】
(式中、X、及びYの一つはC=Oであり、X,及びYの他方はC=O、又はCHであり、かつRは水素原子、又は低級アルキル、特にメチルである。)具体的な免疫調節化合物は下記のものを含むが、それらに限定されない:1−オキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−4−アミノイソインドリン;1−オキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−5−アミノイソインドリン;1−オキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−6−アミノイソインドリン;1−オキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−7−アミノイソインドリン;1,3−ジオキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−4−アミノイソインドリン;及び1,3−ジオキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−5−アミノイソインドリン。
【0023】
本発明の他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれが引用によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,281,230号;同第6,316,471号;同第6,335,349号;及び同第6,476,052号、及び国際特許出願第PCT/US97/13375号(国際公開第WO98/03502号)に開示されるそれらのような、置換された2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)フタルイミド、及び置換された2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドールのクラスに属する。代表的な化合物には下記式のものがある:
【化2】

【0024】
(式中:X、及びYの一つはC=Oであり、X、及びYの他方はC=O、又はCHであり;
(i)R、R、R、及びRのそれぞれは、その他とは独立に、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は1〜4炭素原子のアルコキシであり、又は(ii)R、R、R、及びRの一つは−NHRであり、かつR、R、R、及びRのその残りは水素原子であり;
は水素原子、又は炭素原子1〜8個のアルキルであり;
は水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンジル、又はハロであり;
X、及びYがC=Oであり、かつ(i)R、R、R、及びRがフルオロ、又は(ii)R、R、R、又はRの一つがアミノの場合、Rは、水素原子以外であることを条件とする。)。
このクラスの代表的な化合物は、下記式のものである:
【化3】

【0025】
(式中、Rは水素原子、又はメチルである。)別個の実施態様において、本発明は、これらの化合物の鏡像異性的に純粋な形態(例えば、光学的に純粋な(R)、又は(S)エナンチオマー)の使用を含む。
さらに、本発明の他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれが引用によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第US2003/0096841号、及び同第US2003/0045552号、及び国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に開示されるイソインドール−イミドのクラスに属する。代表的な化合物は、式IIの化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、及び立体異性体の混合物である:
【化4】

【0026】
(式中、X、及びYの一方がC=Oであり、その他方がCH、又はC=Oであり、
が、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロアリール、C(O)R、C(S)R、C(O)OR、(C〜C)アルキル−N(R、(C〜C)アルキル−OR、(C〜C)アルキル−C(O)OR、C(O)NHR、C(S)NHR、C(O)NR3’、C(S)NR3’、又は(C〜C)アルキル−O(CO)Rであり、
が、H、F、ベンジル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルであり、
、及びR3’が独立に、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル−N(R、(C〜C)アルキル−OR、(C〜C)アルキル−C(O)OR、(C〜C)アルキル−O(CO)R、又はC(O)OR、であり、
が、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)アルキル−OR、ベンジル、アリール、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロシクロアルキル、又は(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロアリールであり、
が、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C〜C)ヘテロアリールであり、
が、出現するごとに独立に、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C〜C)ヘテロアリール、又は(C〜C)アルキル−C(O)O−Rであり、あるいはR基が結合してヘテロシクロアルキル基を形成し、
nが、0、又は1であり、かつが、キラル炭素中心を表している。)。
【0027】
式IIの具体的化合物において、nが0である場合、Rは、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、(C〜C)アルキル−N(R、(C〜C)アルキル−OR、(C〜C)アルキル−C(O)OR、C(S)NHR、又は(C〜C)アルキル−O(CO)Rであり、
は、H、又は(C〜C)アルキルであり、
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル−N(R、(C〜C)アルキル−NH−C(O)O−R、(C〜C)アルキル−OR、(C〜C)アルキル−C(O)OR、(C〜C)アルキル−O(CO)R、又はC(O)ORであり、かつ他の変数は同一の定義を有する。
【0028】
他の式IIの具体的化合物において、Rは、H、又は(C〜C)アルキルである。
他の式IIの具体的化合物において、Rは、(C〜C)アルキル、又はベンジルである。
他の式IIの具体的化合物において、Rは、H、(C〜C)アルキル、ベンジル、CHOCH、CHCHOCH、又は下記式のものである。
【化5】

【0029】
式IIの化合物の別の実施態様において、Rは、下記式のものである:
【化6】

【0030】
(式中、Qは、O、又はSであり、Rは出現するごとに独立に、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ベンジル、アリール、ハロゲン、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロシクロアルキル、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル−N(R、(C〜C)アルキル−OR、(C〜C)アルキル−C(O)OR、(C〜C)アルキル−O(CO)R、又はC(O)OR、であり、あるいは隣接して現れているRは一緒になって二環状アルキル、又はアリール環を形成することができる。)。
【0031】
他の式IIの具体的化合物において、Rは、C(O)Rである。
他の式IIの具体的化合物において、Rは、(C〜C)アルキル−(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル、アリール、又は(C〜C)アルキル−ORである。
他の式IIの具体的化合物において、ヘテロアリールは、ピリジル、フリル、又はチエニルである。
他の式IIの具体的化合物において、Rは、C(O)ORである。
他の式IIの具体的化合物において、C(O)NHC(O)のHは、(C〜C)アルキル、アリール、又はベンジルで置き換えることができる。
【0032】
このクラスの化合物のさらなる例には、それらに限定されないが、次のものが含まれる:[2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イルメチル]−アミド;(2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル;4−(アミノメチル)−2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−イソインドリン−1,3−ジオン;N−(2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イルメチル)−アセトアミド;N−{(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル)−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル}シクロプロピル−カルボキサミド;2−クロロ−N−{(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル}アセトアミド;N−(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)−3−ピリジルカルボキサミド;3−{1−オキソ−4−(ベンジルアミノ)イソインドリン−2−イル}ピペリジン−2,6−ジオン;2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−4−(ベンジルアミノ)イソインドリン−1,3−ジオン;N−{(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル}プロパンアミド;N−{(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル}−3−ピリジルカルボキサミド;N−{(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル}ヘプタンアミド;N−{(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)メチル}−2−フリルカルボキサミド;{N−(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)カルバモイル}メチル酢酸;N−(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)ペンタンアミド;N−(2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)−2−チエニルカルボキサミド;N−{[2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル]メチル}(ブチルアミノ)カルボキサミド;N−{[2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル]メチル}(オクチルアミノ)カルボキサミド;及びN−{[2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル]メチル}(ベンジルアミノ)カルボキサミドである。
【0033】
本発明のさらに他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれ引用により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2002/0045643号、国際公開第WO98/54170号、及び米国特許第6,395,754号中に開示されているイソインドール−イミドの種類に属する。代表的な化合物は、式IIIの化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、及び立体異性体の混合物である:
【化7】

【0034】
(式中、X、及びYの一方がC=Oであり、その他方がCH、又はC=Oであり、
Rが、H、又はCHOCOR’であり、
(i)R、R、R、又はRのそれぞれが、他のものとは独立に、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであり、あるいは(ii)R、R、R、又はRの1つがニトロ、又は−NHRであり、かつR、R、R、又はRの残余が水素原子であり、
が水素原子、又は炭素原子1〜8個のアルキルであり、
が水素原子、炭素原子1〜8個を有するアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロであり、
R’が、R−CHR10−N(R)であり、
が、m−フェニレン、又はp−フェニレン、あるいはnが0〜4の値を有する−(C2n)−であり;それぞれのR、及びRが、他のものから独立に、水素原子、又は炭素原子1〜8個を有するアルキルであり、あるいはR、及びRは一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は−CHCHCHCH−(但し、Xは−O−、−S−、又は−NH−である)であり、
10が、水素原子、炭素原子1〜8個を有するアルキル、又はフェニルであり、
が、キラル炭素中心を表している。)。
他の代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化8】

【0035】
(式中、X、及びYの一方はC=Oであり、その他方はC=O、又はCHであり、
(i)R、R、R、又はRのそれぞれは、他のものとは独立に、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであり、あるいは(ii)R、R、R、及びRの1つは−NHRであり、かつR、R、R、及びRの残余は水素原子であり、
は、水素原子、又は炭素原子1〜8個のアルキルであり、
は、水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロであり、
は、m−フェニレン、又はp−フェニレン、あるいはnが0〜4の値を有する−(C2n)−であり;それぞれのR、及びRは、他のものから独立に、水素原子、又は炭素原子1〜8個のアルキルであり、あるいはR、及びRは一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は−CHCHCHCH−(但し、Xは−O−、−S−、又は−NH−である)であり、
10は、水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル、又はフェニルである。)。
他の代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化9】

【0036】
(式中、X、及びYの一方はC=Oであり、X、及びYの他方はC=O、又はCHであり、
、R、R、又はRのそれぞれは、他のものとは独立に、ハロ、炭素原子1から4個を有するアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであり、あるいは(ii)R、R、R、及びRの1つはニトロ、又は保護されたアミノであり、かつR、R、R、及びRの残余は水素原子であり、
は水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロである。)。
他の代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化10】

【0037】
(式中、X、及びYの一方はC=Oであり、X、及びYの他方はC=O、又はCHであり、
(i)R、R、R、及びRのそれぞれは、他のものとは独立に、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであり、あるいは(ii)R、R、R、及びRの1つは−NHRであり、かつR、R、R、及びRの残余は水素原子であり、
は水素原子、又は炭素原子1から8個を有するアルキル、又はCO−R−CH(R10)NR(但し、それぞれのR、R、R、及びR10は本明細書において定義した通りである)であり、かつRは、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロである。)。
該化合物の具体例は、下記式の化合物である:
【化11】

(式中、X、及びYの一方はC=Oであり、X、及びYの他方はC=O、又はCHであり、
は、水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンジル、クロロ、又はフルオロであり、
はm−フェニレン、p−フェニレン、又はnが0〜4の値を有する−(C2n)−であり;それぞれのR、及びRは、他のものから独立に、水素原子、又は炭素原子1〜8個のアルキルであり、あるいはR、及びRは一緒になってテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は−CHCHCHCH−(但し、Xは−O−、−S−、又は−NH−である)であり、R10は水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル、又はフェニルである。)。
【0038】
本発明の好ましい免疫調節化合物は、4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル)−イソインドリン−1,3−ジオン、及び3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンである。該化合物は、標準的合成方法を経て得ることができる(例えば、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第5,635,517号を参照されたい)。この化合物は、セルジーン・コーポレーション、ウォレン(Warren)、ニュージャージー州から入手可能である。4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル)−イソインドリン−1,3−ジオンは、下記の化学構造を有する。
【化12】

【0039】
化合物、3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンは、下記の化学構造を有する。
【化13】

【0040】
別の実施態様において、本発明の具体的な免疫調節化合物は、共に引用により本明細書に組み込まれている2003年9月4日出願の米国仮出願第60/499723号、及び2004年9月3日出願の対応する米国本出願中に開示されている形態A、B、C、D、E、F、G、及びHなどの3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの多形相を包含する。例えば、3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Aは、非水溶媒系から得ることができる非溶媒和性の結晶性物質である。形態Aは、2θ約8、14.5、16、17.5、20.5、24、及び26度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、示差走査熱量計融点極大約270℃を有する。形態Aは、弱吸湿性、又は非吸湿性であり、これまで見出されている3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの最も熱力学的に安定な無水多形であるようである。
【0041】
3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Bは、ヘキサン、トルエン、及び水を含めた、しかしそれらに限定されない種々の溶媒系から得ることができる半水和物性の結晶性物質である。形態Bは、2θ約16、18、22、及び27度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、DSC曲線から約146、及び268℃の吸熱を有し、これはホットステージ顕微鏡試験により脱水、及び融解と識別される。相互変換性の検討により、形態Bは、水性溶媒系内で形態Eに変換され、アセトン、及び他の無水系内で他の形態に変換されることが示される。
【0042】
3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Cは、アセトンなどの、しかしそれらに限定されない溶媒から得ることができる半溶媒和した結晶性物質である。形態Cは、2θ約15.5、及び25度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、示差走査熱量計融点極大約269℃を有する。形態Cは、約85%RH未満では吸湿性ではないが、より高い相対湿度では形態Bに変換することができる。
【0043】
3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Dは、アセトニトリル、及び水の混合物から調製される結晶性の、溶媒和した多形である。形態Dは、2θ約27、及び28度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、示差走査熱量計融点極大約270℃を有する。形態Dは、弱吸湿性、又は非吸湿性のいずれかであるが、より高い相対湿度で応力を加えると通常は形態Bに変換される。
【0044】
3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Eは、水中で3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンをスラリーにすることにより、約9:1の比率のアセトン:水を有する溶媒系内で3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンをゆっくり蒸発させることにより、得ることができる二水和物性の結晶性物質である。形態Eは、2θ約20、24.5、及び29度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、示差走査熱量計融点極大約269℃を有する。形態Eは、アセトン溶媒系内で形態Cに、THF溶媒系内で形態Gに変換することができる。水性溶媒系内で形態Eは最も安定な形態であるようである。形態Eについて行った脱溶媒和試験では、約125℃に約5分間加熱すると、形態Eを形態Bに変換することができる。約175℃に約5分間加熱すると、形態Bを形態Fに変換することができる。
【0045】
3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Fは、形態Eの脱水から得ることができる非溶媒和性の結晶性物質である。形態Fは、2θ約19、19.5、及び25度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、示差走査熱量計融点極大約269℃を有する。3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Gは、テトラヒドロフラン(THF)などの、しかしそれらに限定されない溶媒中で形態B、及びEをスラリ化することからから得ることができる非溶媒和性の結晶性物質である。形態Gは、2θ約21、23、及び24.5度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、示差走査熱量計融点極大約267℃を有する。
【0046】
3−(4−アミノ−1−オキソ−1、3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの形態Hは、形態Eを相対湿度0%に曝露することにより得ることができる部分水和(約0.25モル)性の結晶性物質である。形態Hは、2θ約15、26、及び31度に有意なピークを含む粉末X線回折パターンを有し、示差走査熱量計融点極大約269℃を有する。
【0047】
本発明の他の具体的な免疫調節化合物には、それぞれ引用により本明細書に組み込まれている米国特許第5,874,448号、及び同第5,955,476号に記載されている1−オキソ−2−(2,6−ジオキソ−3−フルオロピペリジン−3−イル)イソインドリン、及び1,3−ジオキソ−2−(2,6−ジオキソ−3−フルオロピペリジン−3−イル)イソインドリンが含まれるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化14】

【0048】
(式中、Yは酸素、又はHであり、
、R、R、及びRのそれぞれは、他のものとは独立に、水素原子、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、又はアミノである。)。
本発明の他の具体的な免疫調節化合物には、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第5,798,368号中に記載されている四置換した2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリンが含まれるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化15】

【0049】
(式中、R、R、R、及びRのそれぞれは、他のものとは独立に、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシである。)。
本発明の他の具体的な免疫調節化合物には、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第6,403,613号中に開示されている1−オキソ、及び1,3−ジオキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)イソインドリンが含まれるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化16】

【0050】
(式中、Yは、酸素原子、又はHであり、
第1のR、及びRは、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり、第2のR、及びRは、第1のものから独立に、水素原子、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり、
は水素原子、アルキル、又はベンジルである。)。
該化合物の具体例は、下記式の化合物である:
【化17】

【0051】
(式中、第1のR、及びRは、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、ジアルキルアミノ(但し、それぞれのアルキルは炭素原子1〜4個のものである)、シアノ、又はカルバモイルであり、
第2のR、及びRは、第1のものから独立に、水素原子、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、アルキルアミノ(但し、アルキルは炭素原子1〜4個のものである)、ジアルキルアミノ(但し、それぞれのアルキルは炭素原子1〜4個のものである)、シアノ、又はカルバモイルであり、
は水素原子、炭素原子1〜4個のアルキル、又はベンジルである。)。特定の例には1−オキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−4−メチルイソインドリンが含まれるが、それらに限定されない。他の代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化18】

【0052】
(式中、第1のR、及びRは、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、ジアルキルアミノ(但し、それぞれのアルキルは炭素原子1〜4個のものである)、シアノ、又はカルバモイルであり、
第2のR、及びRは、第1のものから独立に、水素原子、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、アルキルアミノ(但し、アルキルは炭素原子1〜4個のものである)、ジアルキルアミノ(但し、それぞれのアルキルは炭素原子1〜4個のものである)、シアノ、又はカルバモイルであり、
は水素原子、炭素原子1から4個を有するアルキル、又はベンジルである。)。特定の例には1−オキソ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−4−メチルイソインドリンが含まれるが、それらに限定されない。
【0053】
本発明の他の具体的な免疫調節化合物には、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第6,380,239号、及び同時係属の2004年7月28日出願の米国出願第10/900,270号中に記載されている、インドリン環の4−、又は5−位で置換された1−オキソ、及び1,3−ジオキソインドリンが含まれるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化19】

【0054】
(式中、Cと表示した炭素原子はキラル中心を構成し(nが0ではなく、かつRがRと同一ではない場合)、X、及びXの一方はアミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH−Zであり、他方のX、又はXは水素原子であり、R、及びRはそれぞれ他方から独立に、ヒドロキシ、又はNH−Zであり、Rは水素原子、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、Zは水素原子、アリール、炭素1〜6個のアルキル、ホルミル、又は炭素1〜6個のアシルであり、nは値0、1、又は2を有し、但し、Xがアミノでありかつnが1、又は2である場合、R、及びRは共にヒドロキシではない。)。
さらなる代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化20】

【0055】
(式中、Cと表示した炭素原子は、nが0ではなく、かつRがRではない場合、キラリティの中心を構成し、X、及びXの一方はアミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH−Zであり、他方のX、又はXは水素原子であり、R、及びRは、それぞれ他方から独立に、ヒドロキシ、又はNH−Zであり、Rは炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素原子であり、Zは水素原子、アリール、炭素1〜6個のアルキル、又はアシルであり、nは値0、1、又は2を有する。)。
【0056】
特定の例には、それぞれ下記の構造を有する2−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−4−カルバモイル−酪酸、及び4−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−4−カルバモイル−酪酸、ならびに医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体が含まれるがそれらに限定されない。
【化21】

【0057】
他の代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化22】

【0058】
(式中、Cと表示した炭素原子はキラル中心を構成し(nが0ではなく、かつRがRではない場合)、X、及びXの一方はアミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH−Zであり、他方のX、又はXは水素原子であり、R、及びRは、それぞれ他方から独立に、ヒドロキシ、又はNH−Zであり、Rは炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素原子であり、Zは水素原子、アリール、又は炭素1〜6個のアルキルもしくはアシルであり、nは値0、1、又は2を有する。)。
【0059】
特定の例には、それらに限定されるものではないが、それぞれ下記の構造を有する4−カルバモイル−4−{4−[(フラン−2−イル−メチル)−アミノ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル}−酪酸、4−カルバモイル−2−{4−[(フラン−2−イル−メチル)−アミノ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル}−酪酸、2−{4−[(フラン−2−イル−メチル)−アミノ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル}−4−フェニルカルバモイル−酪酸、及び2−{4−[(フラン−2−イル−メチル)−アミノ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル}−ペンタンジオ酸、ならびに医薬として許容し得るこれらの塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体が含まれる:
【化23】

【0060】
該化合物の他の具体例は、下記式の化合物である:
【化24】

【0061】
(式中、X、及びXの一方はニトロ、又はNH−Zであり、他方のX、又はXは水素原子であり、
それぞれのR、及びRは、他方から独立に、ヒドロキシ、又はNH−Zであり、
は、炭素1〜6個を有するアルキル、ハロ、又は水素原子であり、
Zは水素原子、フェニル、炭素1〜6個のアシル、又は炭素1〜6個のアルキルであり、
nは0、1、又は2の値を有し、
但し、X、及びXの一方がアミノであり、かつnが1、又は2である場合、R、及びRはヒドロキシ以外のものであり、
−COR、及び−(CHCORが異なる場合、Cと表示した炭素原子はキラリティの中心を構成する。)。
他の代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化25】

【0062】
(式中、X、及びXの一方は炭素1〜6個のアルキルであり、
それぞれのR、及びRは、他方から独立に、ヒドロキシ、又はNH−Zであり、
は、炭素1〜6個を有するアルキル、ハロ、又は水素原子であり、
Zは水素原子、フェニル、炭素1〜6個のアシル、又は炭素1〜6個のアルキルであり、
nは0、1、又は2の値を有し、
−COR、及び−(CHCORが異なる場合、Cと表示した炭素原子はキラリティの中心を構成する。)。
【0063】
さらに他の本発明の具体的な免疫調節化合物には、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第6,458,810号中に記載されている、2,6−ジオキソ−3−ヒドロキシピペリジン−5−イルにより2−位で置換されたイソインドリン−1−オン、及びイソインドリン−1,3−ジオンが含まれるが、それらに限定されない。代表的な化合物は、下記式の化合物である:
【化26】

【0064】
(式中、と表示した炭素原子はキラル中心を構成し、
Xは−C(O)−、又は−CH−であり、
は、炭素原子1〜8個のアルキル、又は−NHRであり、
は、水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル、又はハロゲンであり、
また、Rは水素原子であり;
炭素原子1〜8個の非置換アルキル、又は炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、もしくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノで置換された、炭素原子1〜8個のアルキル;
炭素原子3〜18個のシクロアルキル;
非置換フェニル、又は炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、もしくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノで置換されたフェニル;
非置換ベンジル、あるいは炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、もしくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノ、又は−COR(但し、Rは水素原子)で置換されたベンジル;
炭素原子1〜8個の非置換アルキル、又は炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、もしくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノで置換された、炭素原子1〜8個のアルキル;
炭素原子3〜18個を有するシクロアルキル;
非置換フェニル、又は炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、もしくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノで置換されたフェニル;あるいは
非置換ベンジル、あるいは炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、もしくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノで置換されたベンジルである。)。
【0065】
本発明の化合物は、市販されているか、本明細書で開示した特許、又は特許公報に記載の方法にしたがって調製できる。さらに、光学的に純粋な化合物は、既知の分割剤、又はキラルカラムならびにその他の標準的な合成有機化学技術を使用して、不斉合成、又は分割することができる。
本明細書で使用され、かつ別段の記載がない限り、用語「医薬として許容し得る塩」は、その用語が言及する化合物の非毒性の酸、及び塩基付加塩を包含する。許容される非毒性の酸付加塩としては、当技術分野で知られた有機、及び無機の酸、又は塩基から誘導されたものがあり、これらには、例えば、塩酸、臭化水素原子酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、エンボン酸、及びエナント酸などがある。
【0066】
性質が酸性の化合物は、種々の医薬として許容し得る塩基を有する塩を形成することが可能である。そのような酸性化合物の医薬として許容し得る塩基付加塩を調製するのに使用できる塩基は、非毒性の塩基付加塩、すなわち、薬理学的に許容し得るカチオンを含有する塩、例えば、これらだけに限定するものではないが、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属塩、カルシウム、マグネシウム、特にナトリウム、又はカリウム塩を形成するものである。適切な有機塩基としては、これらだけに限定するものではないが、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N−メチルグルカミン)、リジン、及びプロカインがある。
【0067】
本明細書において使用する、かつ別段の指示がない限りにおける、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物、又はその塩であって、非共有結合的分子間力によって結合している化学量論的もしくは非化学量論的量の溶媒がさらに含まれる化合物、又はその塩を意味する。この溶媒が水である場合、この溶媒和物は水和物である。
【0068】
本発明で使用され、かつ別段の記載がない限り、用語「プロドラッグ」は、加水分解、酸化、又は別の方法で生物学的条件(インビトロ、又はインビボ)下で反応して化合物を提供することができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、これらだけに限定するものではないが、生加水分解可能な部分、例えば、生加水分解可能なアミド、生加水分解可能なエステル、生加水分解可能なカルバメート、生加水分解可能なカルボネート、生加水分解可能なウレイド、及び生加水分解可能なホスフェート類似体を含む本発明の免疫調節化合物の誘導体がある。プロドラッグのその他の例としては、−NO、−NO、−ONO、又は−ONO部分を含む本発明の免疫調節化合物の誘導体がある。プロドラッグは、よく知られた方法、例えば、1『バーガーの医薬品化学、及び創薬』, 172-178, 949-982 (Manfred E. Wolff編、第5版、1995)、及び『プロドラッグのデザイン』(H. Bundgaard編, Elselvier, New York 1985)に記載のものを使用して典型的には調製できる。
【0069】
本明細書で使用され、かつ別段の記載がない限り、用語「生加水分解可能なアミド」、「生加水分解可能なエステル」、「生加水分解可能なカルバメート」、「生加水分解可能なカルボネート」、「生加水分解可能なウレイド」、及び「生加水分解可能なホスフェート」は、1)化合物の生物学的活性は妨げないが、その化合物にインビボで有利な性質、例えば、取込み、作用の持続時間もしくは作用の発現などを与えることができるか、又は2)生物学的に不活性であるが、インビボで生物学的に活性な化合物に変換されるかのいずれかである化合物の、それぞれアミド、エステル、カルバメート、カルボネート、ウレイド、又はホスフェートを意味する。生加水分解可能なエステルの例としては、これらだけに限定するものではないが、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(例えば、アセトキシルメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、及びピバロイルオキシエチルエステル)、ラクトニルエステル(例えば、フタリジル、及びチオフタリジルエステル)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(例えば、メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル、及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステル)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、及びアシルアミノアルキルエステル(例えば、アセトアミドメチルエステル)がある。生加水分解可能なアミドの例としては、これらだけに限定するものではないが、低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドがある。生加水分解可能なカルバメートの例としては、これらだけに限定するものではないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環アミン、及び複素芳香族アミン、及びポリエーテルアミンがある。
【0070】
本明細書において使用する、かつ別段の指示がない限りにおける、用語「立体異性体」は、本発明のすべてのエナンチオマー的に/立体異性的に純粋、かつエナンチオマー的に/立体異性的に富化した化合物を包含する。
本明細書において使用する、かつ別段の指示がない限りにおける、用語「立体異性的に純粋な」、又は「エナンチオマー的に純粋な」は、化合物が一方の立体異性体を含み、かつその対になる立体異性体、又は鏡像異性体が実質的に除かれていることを意味する。例えば、化合物が80%、90%、又は95%以上の一方の立体異性体を含有し、かつ20%、10%、又は5%以下の対になる立体異性体を含有する場合、その化合物は立体異性的に、又はエナンチオマー的に純粋である。ある場合に、本発明の化合物が、特定のキラル中心に関して約80%ee(鏡像異性体が余分にある)以上、好ましくは特定のキラル中心に関して90%ee以上、より好ましくは特定のキラル中心に関して95%eeである場合は、その化合物はキラル中心に関して光学的に活性である、又は立体異性的に/エナンチオマー的に純粋である(すなわち、実質的にR形、又は実質的にS形)とみなされる。
【0071】
本明細書において使用する、かつ別段の指示がない限りにおける、用語「立体異性的に富化した」、又は「エナンチオマー的に富化した」は、ラセミ混合物、ならびに本発明の化合物の立体異性体の他の混合物を包含する(例えばR/S=30/70、35/65、40/60、45/55、55/45、60/40、65/35、及び70/30)。本発明の種々の免疫調節化合物は、1以上のキラル中心を含有し、かつ鏡像異性体のラセミ混合物、又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。本発明は、立体異性的に純粋な形態のこのような化合物の使用、ならびにこれらの形態を混合したものの使用を包含する。例えば、本発明の方法、及び組成物において、本発明の具体的な免疫調節化合物の、鏡像異性体の等量、又は等量でない量を含む混合物を使用できる。これらの異性体は、キラルカラム、又はキラル分割剤などの標準的技術を使用して不斉合成、又は分割できる。例えばJacques, J.らの論文、エナンチオマー,ラセミ体,及び分解能(Wiley-Interscience, New York, 1981)、Wilen, S. H.らの論文、Tetrahedron 33: 2725 (1977)、Eliel, E. L.の論文、『炭素化合物の立体化学』 (McGraw-Hill, NY, 1962)、及びWilen, S. H.の論文、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E. L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972)を参照されたい。
【0072】
示した構造とその構造に与えられた名称との間に矛盾がある場合、示した構造がより重要であることに留意されたい。さらに、構造の立体化学8、又は構造の一部が、例えば太い線、又は破線で示されていない場合、その構造、又はその構造の一部は、その立体異性体をすべて包含するものと解釈される。
【0073】
(4.2 第2活性薬剤)
先に議論したように、第2活性成分、又は薬剤は、免疫調節化合物と共に、本発明の方法、及び組成物で用いられ得る。例は、睡眠不全を治療、又は管理するために用いられる従来の薬剤を含む。特定の第2活性薬剤はまた、インビトロ、又はインビボの細胞において、赤芽球前駆細胞の分裂、及び分化を刺激する。或る実施態様において、第2活性成分、又は薬剤は、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オクスカルバマゼピン、レビチラセタム、トピラメート)、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル阻害薬、選択的炎症性メディエータ阻害薬、オピオイド薬、第2免疫調節化合物、又は組み合わせの薬剤である。
【0074】
好ましい実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、ニューロンチン、オキシコンチン、モルヒネ、又はトピラメートである。
別の好ましい実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、アミトリプチリン、又はノートリプチリン、又はカルバマゼピンのような、三環系抗うつ薬である。
別の実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、レボドーパ、L−DOPA、コカイン、α−メチル−チロシン、レセルピン、テトラベナジン、ベンゾトロピン、パーギリン、フェノドルパムメシラート、カベルゴリン、プラミペキソール二塩酸塩、ロピノロール、塩酸アマンダジン、塩酸セレギリン、カルビドパ、メシル酸ペルゴリド、シネメットCR、又はシンメトレルのようなものを含むが、それらに限定されない、ドーパミンアゴニスト、又はアンタゴニストである。
【0075】
別の実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、例えば、イプロニアジド、クロルギリン、フェネルジン、及びイソカルボキサジドに限定されない、MAO阻害剤である。
別の実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、例えば、トルカポン、及びエンタカポンに限定されない、COMT阻害剤である。
別の実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、例えば、サリチル酸フィゾスチグミン、硫酸フィゾスチグミン、臭化フィゾスチグミン、臭化ネオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、塩化アンベノニム、塩化エドロフォニウム、タクリン、塩化プラリドキシム、塩化オビドキシム、臭化トリメドキシム、ジアセチルモノキシム、エンドロフォニウム、ピリドスチグミン、及びデメカリウムに限定されない、コリンエステラーゼ阻害剤である。
【0076】
さらに別の実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、それらに限定されるものではないが、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコクシブ、スリンダク、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、RHo−D免疫グロブリン、ミコフェニレートモフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク、メフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジレウトン、アウロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、メトトレキサート、コルヒチン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン、及びベンズブロマロン、又はベータメタゾン、及び他のグルココルチコイドを含む、抗炎症薬である。
【0077】
さらに別の実施態様において、該第2活性成分、又は薬剤は、例えば、それらに限定されないが、メトクロプロミド(metoclopromide)、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタール(methallatal)、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル(oxyperndyl)、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン、及びこれらの混合物である、制吐薬である。
【0078】
(4.3 治療、及び管理の方法)
本発明の方法は、睡眠不全を治療、予防、又は管理する方法を含む。本発明の方法はまた、それらに限定されるものではないが、慢性神経性、又は炎症性状態に関連する睡眠不全を治療、予防、又は管理する方法を含む。睡眠不全、及び睡眠疾患は、いびき、睡眠時無呼吸、不眠症、発作性睡眠、脚不穏症候群、睡眠恐怖、無遊、及び睡眠摂食を含むが、これらに限定されない。慢性神経性、又は炎症性状態は、複合性局所疼痛症候群、慢性腰痛、筋骨格系疼痛、関節炎、神経根障害、ガンに関連した痛み、線維筋痛、慢性疲労症候群、内臓痛、膀胱痛、慢性膵炎、神経障害(糖尿病患者、ヘルペス後、外傷性、又は炎症性)、及びパーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、ハンチントン病、動作緩慢のような神経変性障害;筋肉の硬直;パーキンソン振戦;パーキンソン病様歩行;動作フリーズ;うつ病;長期記憶障害;ルビンスタイン−テイビ症候群(RTS);認知症;姿勢の不安定;運動不全疾患;シヌクレイン疾患;多系統退化症;線条体黒質変性症;オリーブ橋小脳萎縮症;シャイ−ドレーガー症候群;パーキンソン病の特性を有した運動ニューロン疾患;レヴィー小体認知症;タウ病変疾患;進行性核上麻痺;大脳皮質基底核変性症;前頭側頭認知症;アミロイド病変疾患;軽度認識障害;パーキンソニズムを有したアルツハイマー病;ウィルソン病;ハレルフォルデン・スパッツ病;チェディアック−ハガシ病;SCA−3脊髄小脳失調;X関連ジストニアパーキンソニズム;プリオン病;多動性疾患;舞踏病;バリスマス;ジストニア振戦;筋萎縮性側索硬化症(ALS);CNSトラウマ;及びミオクローヌスを含む。
【0079】
本明細書に使用されるように、別段の記載がないならば、用語「と関連した」は、特定の疾患、状態、障害、不全、又は生物学的現象が、(a)に起因する、(b)から起こる、(c)の原因、(d)の症状、(e)で示される、又は(f)特定の他の疾患、状態、障害、不全、又は生物学的現象に関連した任意の他の方法において、であることを意味する。
本明細書に使用されるように、別段の記載がないならば、用語「睡眠不全」は、いびき、睡眠時無呼吸、不眠症、発作性睡眠、脚不穏症候群、睡眠恐怖、夢遊、又は睡眠摂食のような、任意の睡眠疾患に適用される。
【0080】
本明細書に使用されるように、別段の指定がないならば、用語「治療」は、好ましくは1以上の慢性神経性、又は炎症性状態、又は疾患に伴う睡眠不全の症状の開始後における組成物の投与に適用される。
本明細書に使用されるように、別段の指定がないならば、用語「予防」は、好ましくは1以上の慢性神経性、又は炎症性状態に関連した、特に睡眠不全の危険性がある患者に対する症状の開始に先立つ投与に適用される。
本明細書に使用されるように、別段の記載がないならば、用語「管理」は、睡眠の開始時間、睡眠の継続、睡眠の質を改善する、又は夜間の睡眠後にさわやかな感じで起きる能力を高めることのみならず、患者において睡眠不全の症状の再発を防ぐことを含む。
【0081】
本発明によって包含される方法は、本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを、睡眠不全で苦しむ、又は苦しむ恐れがある患者(例えば、ヒト)に対して投与することを含む。
別の方法は、1)本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ、及び2)第2活性薬剤、又は活性成分を投与することを含む。第2活性薬剤の例もまた、本明細書に開示される(例えば、セクション4.2を参照されたい)。
【0082】
患者に対する免疫調節化合物、及び第2活性薬剤の投与は、同時に、又は逐次的に、同じ、又は異なる投与経路によって行うことができる。特定の活性化合物を用いた投与の特定の経路の適合性は、該活性化合物それ自体(例えば、それが血流に入る前に分解されることなしに、経口的に投与され得るかどうか)、及び治療されている疾患に依存するであろう。該免疫調節化合物の好ましい投与経路は、経口である。本発明の第2活性薬剤、又は成分の好ましい投与経路は、当業者に周知である。例えば、米医薬品便覧,1775−1760(第57版、2003)を参照されたい。
【0083】
本発明の或る実施態様において、免疫調節化合物は、約0.10〜約150mg/日の量で、一日につき1回、又は分割されて経口的に投与される。或る実施態様において、3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンは、一日につき約5〜25mg、又は選択的に一日おきに約10〜50mgの量で投与される。別の実施態様において、4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ−(3−ピペリジル))−イソインドリン−1,3−ジオンは、一日につき約0.10〜約1mg、又は選択的に一日おきに約0.10〜約5mgの量で投与される。本発明の或る実施態様において、3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンは、約0.10〜約150mg/日の量で、一日につき一回、又は分割されて経口的に投与される。特定の実施態様において、3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1〜10、3〜7、又は4〜6mg/日の量で投与される。
【0084】
別の実施態様において、免疫調節化合物は、第2活性薬剤と共に投与される。該第2活性薬剤は、約1〜約1000mg、約5〜500mg、約10〜350mg、又は約50〜200mgの量で、一日につき1回、又は2回で、経口的に、経静脈的に、又は皮下的に投与される。該第2活性薬剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、治療、又は管理されている疾患、睡眠不全の重症度、及びステージ、及び免疫調節化合物の量、及び同時に該患者に対して投与される任意の選択的なさらなる活性剤に依存するであろう。
【0085】
特定の実施態様において、本発明の予防、又は治療薬剤は、循環的に患者に投与される。サイクリング療法は、一時期の第1薬剤の投与、続いて、一時期の該薬剤、及び/又は該第2薬剤の投与、及びこの逐次的投与を繰り返すことを含む。サイクリング療法は、1以上の治療薬に対する抵抗性の進行を減らし、1つの該治療薬の副作用を回避し、又は減らし、かつ/又は該治療の効果を改良することができる。
【0086】
好ましい実施態様において、治療、又は予防薬剤は、約24週間、毎日約1回、又は2回のサイクルで投与される。1回のサイクルは、治療、又は予防薬剤の投与、及び少なくとも1(1)、又は3(3)週間の休止を含み得る。投与されるサイクルの回数は、約1〜約12サイクルであり、典型的には約2〜約10サイクル、さらに典型的には約2〜約8サイクルである。
【0087】
(4.4医薬組成物、及び単一ユニット剤形)
医薬組成物は、個々の単一ユニット剤形の調製において用いられ得る。本発明の医薬組成物、及び剤形は、本発明の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを含む。本発明の医薬組成物、及び剤形はさらに、1以上の賦形剤を含み得る。
本発明の医薬組成物、及び剤形はまた、1以上のさらなる活性成分を含み得る。その結果として、本発明の医薬組成物、及び剤形は、本明細書で開示される活性成分(例えば、免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグ、及び第2活性成分、又は薬剤)を含む。任意の付加的な活性成分の例は、本明細書で開示されている(例えば、セクション4.2を参照されたい)。
【0088】
本発明の単一ユニット剤形は、患者に対して、経口的、粘膜的(例えば、鼻、舌下、膣、口、又は直腸)、又は非経口的(例えば、皮下、静脈、急速静注、筋肉内、又は動脈内)、経皮的、又は経皮性投与に適している。剤形の例は、錠剤;カプレット;やわらかく弾力性のあるゼラチンカプセルのようなカプセル(capsules);カシェ(cachets);トローチ;ロゼンジ(lozenges);分散液(dispersions);坐薬;粉末剤;エアロゾル(例えば、鼻用スプレー、又は吸入器);ゲル;懸濁液(例えば、水性、又は非水性液体懸濁液、水中油型エマルジョン、又は油中水型液体エマルジョン)、溶液、及びエリキシル剤を含む、患者に対する経口的、又は粘膜投与に適した液体剤形;患者に対する非経口投与に適した液体剤形;及び患者に対する非経口投与に適した液体剤形を提供するために再構成され得る無菌固体(例えば、結晶質の、又は非結晶質の固体)を含むが、これらに限定されない。
【0089】
本発明の剤形の組成物、形状、及びタイプは、それらの用途に応じて通常変化するであろう。例えば、睡眠不全の急性期治療に使用される剤形は、同一疾患の慢性期治療に使用される剤形よりも、多量のそれが含む1以上の活性成分を含有してもよい。同様に、非経口用剤形は、同一疾患の治療に使用される経口用剤形よりも、少量のそれが含む1以上の活性成分を含有してもよい。本発明によって包含される特定の剤形のこれら、及び他の方法は、当業者にとって容易に明らかになるものであろう。例えば、『レミングトンの薬学』,第18版, Mack Publishing, Easton PA (1990)を参照されたい。
【0090】
典型的な医薬組成物、及び剤形は、1以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、薬剤学の当業者によく知られており、適切な賦形剤の非限定的な例は本明細書において提供されている。特定の賦形剤が、医薬組成物、又は剤形中への組み込みに適しているかどうかは、該剤形が患者に投与されるであろう方法を含むが、それに限定されない、当業者によく知られている様々な因子によって決まる。例えば、錠剤などの経口用剤形は、非経口用剤形における使用には適合しない賦形剤を含むかもしれない。特定の賦形剤の適合性は、該剤形中の特定の活性成分によっても決まるかもしれない。例えば、いくつかの活性成分の分解が、ラクトースのようないくつかの賦形剤によって、又は水にさらされた場合、促進されるかもしれない。第一級もしくは第二級アミンを含む活性成分は、特にこのような分解促進を受けやすい。従って、本発明は、ラクトース、他の単糖、又は二糖を含んでいてもほとんど含有しない、医薬組成物、及び剤形を含む。本明細書に使用されるように、用語「ラクトースのない」は、ラクトースの存在が、有ったとしても、活性成分の分解速度を実質的に増加させるには不十分であることを意味する。
【0091】
本発明のラクトースのない組成物は、当業者によく知られており、例えば、アメリカ薬局方(USP) 25−NF20(2002)中に記載されている賦形剤を含むことができる。一般に、ラクトースのない組成物は、薬学上相容性のある、かつ医薬として許容し得る量で活性成分、結合剤/充填剤、及び滑剤を含む。好ましいラクトースのない剤形は、活性成分、微結晶セルロース、アルファ化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0092】
水がいくつかの化合物の分解を促進する恐れがあるので、本発明はさらに活性成分を含む、無水の医薬組成物、及び剤形を包含する。例えば、時間経過における製剤の貯蔵期限、又は安定性などの特性を測定するために、水の添加(例えば、5%)が、長期貯蔵をシミュレートする手段として薬学分野で広く許容されている。例えばJens T. Carstensenの『薬物安定性:原理と実践』,第2版, Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp.379-80を参照されたい。実際に、水、及び熱がいくつかの化合物の分解を促進する。それゆえ、湿気、及び/又は湿度は、製剤の製造、取扱い、包装、貯蔵、出荷、及び使用の間ごく普通に見られるものなので、製剤への水の影響は極めて重要である可能性がある。
【0093】
本発明の無水医薬組成物、及び剤形は、無水の、又は水分含有の低い成分、及び低湿気、又は低湿度条件を用いて調製することができる。製造、包装、及び/又は貯蔵の間、湿気、及び/又は湿度と実質的に接触することが予想される場合、ラクトース、及び第一級、若しくは第二級アミンを含む、少なくとも1種の活性成分とを含む医薬組成物、及び剤形は、無水であることが好ましい。
無水医薬組成物は、その無水特性が維持されるように調製され、かつ貯蔵されるべきである。従って、無水組成物は、好ましくは、適切な製剤用キット内に包み込まれることができるような、水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して包装される。適切な包装の例には、気密シール箔、プラスチック、単位投与量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが含まれるが、それらに限定されない。
本発明はさらに、活性成分が分解する速度を低下させる1以上の化合物を含む医薬組成物、及び剤形を包含する。そのような化合物は、本明細書において「安定剤」と呼ばれ、アスコルビン酸のような酸化防止剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤を含むが、それらに限定されない。
【0094】
賦形剤の量、及びタイプと同様に、剤形中の活性成分の量、及び特定のタイプは、患者に投与される経路などの、しかしそれらに限定されない因子に応じて異なっていてよい。しかし、本発明の典型的な剤形は、約0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150、又は200mgの量で、3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン、又は4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ−(3−ピペリジル))−イソインドリン−1,3−ジオン、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、又はプロドラッグを含む。特定の実施態様において、好ましい剤形は、1、2、5、10、25、又は50mgの量で、3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを含む。別の特定の実施態様において、好ましい剤形は、約1、2、5、10、25、又は50mgの量で、4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ−(3−ピペリジル))−イソインドリン−1,3−ジオンを含む。典型的な剤形は、1〜約1000mg、約5〜約500mg、約10〜約350mg、又は約50〜約200mgの量で、第2活性成分を含む。当然、該第2活性成分の特定の量は、使用される特定の薬剤、疾患のタイプ、又は治療される、若しくは管理される状態、及び3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン、4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ−(3−ピペリジル))−イソインドリン−1,3−ジオン、及び該患者に対して同時に投与される任意の選択的なさらなる活性剤に依存するであろう。
【0095】
(4.4.1 経口用剤形)
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、錠剤(例えば、咀嚼錠)、カプレット、カプセル、及び液体(例えば、香味シロップ)のような、しかしそれらに限定されない個別的剤形として提供され得る。このような剤形は、所定量の活性成分を含有し、かつ問う業者によく知られている薬剤学の方法によって調製されるかもしれない。一般に、『レミングトンの薬学』,第18版,Mack Publishing, Easton PA (1990)を参照されたい。
【0096】
本発明の典型的な経口用剤形は、従来の薬剤学的配合技術に従って、該活性成分を少なくとも1種の賦形剤と緊密に混和して混ぜ合わせることにより調製される。賦形剤は、投与のために所望される製剤の形態に応じて広く様々な形態を取ることができる。例えば、経口液体、又はエアロゾル剤形での使用に適した賦形剤は、水、グリコール、油、アルコール、芳香剤、保存剤、及び着色剤を含むが、それらに限定されない。固体経口用剤形(例えば、粉末、錠剤、カプセル、及びカプレット)での使用に適した賦形剤は、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、及び崩壊剤を含むが、それらに限定されない。
【0097】
それらが投与のし易さのため、錠剤、及びカプセルは、最も有利な経口用剤形を代表し、その場合固体賦形剤が使用される。所望される場合、錠剤は標準的水性、又は非水系技術により被覆されることができる。このような剤形は、任意の薬剤学の方法により調製されることができる。一般に、医薬組成物、及び剤形は、活性成分を液体担体、微粉砕固体担体、又はその両方と均質かつ緊密に調製され、次いで必要な場合、該生成物を所望の提供物に成形することによって調製される。
例えば、錠剤は、圧縮、又は成形により調製され得る。圧縮錠剤は、場合によって賦形剤と混合された、粉末、又は顆粒のような、易流動性形態の活性成分を、適切な機械内で圧縮することにより調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を、適切な機械内で成形することにより製造され得る。
【0098】
本発明の経口用剤形において使用されることができる賦形剤の例は、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑剤を含むが、それらに限定されない。医薬組成物、及び剤形における使用に適した結合剤には、コーンスターチ、バレイショデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アラビアゴムなどの天然、及び合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアールガム、セルロース、及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、2208、2906、2910番)、微結晶セルロース、ならびにそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0099】
適切な形態の微結晶セルロースは、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105として販売されている物質(FMC Corporation、American Viscose Division, Avicel Sales、マーカスフック(Marcus Hook)、ペンシルバニア州、から入手できる)、及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。特定の結合剤は、AVICEL RC−581として販売される微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物である。適切な無水、又は低水分賦形剤もしくは添加剤は、AVICEL−PH−103(商標)、及びStarch 1500 LMを含む。
【0100】
本明細書において開示される医薬組成物、及び剤形において使用するのに適した充填剤の例は、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒、及び粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。本発明の医薬組成物における該結合剤、又は充填剤は、該医薬組成物、又は剤形の約50〜約99重量パーセントで典型的に存在する。
【0101】
崩壊剤は、水性環境に曝露されると崩壊する錠剤をもたらすため、本発明の該組成物において使用される。多すぎる崩壊剤を含有する錠剤は貯蔵中に崩壊する恐れがあるが、一方少なすぎる崩壊剤を含有するものは所望の速度で、又は所望の条件下で崩壊しない恐れがある。それゆえ、多すぎも少なすぎもせず,活性成分の放出を不都合に変更することのない十分な量の崩壊剤が、本発明の固体経口用剤形を形成するために用いられるべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプに基づいて変動し、当業者には容易に識別できる。典型的な医薬組成物は、約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤、好ましくは約1〜約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0102】
本発明の医薬組成物、及び剤形において使用することができる崩壊剤は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、バレイショ、又はタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0103】
本発明の医薬組成物、及び剤形において使用することができる滑剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽質鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素原子化植物油(例えば、ラッカセイ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、並びにそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。追加的な滑剤は、例えば、サイロイドシリカゲル(メリーランド州、ボルチモア(Baltimore)のW.R.Grace Co.により製造されるAEROSIL200)、合成シリカ凝固エーロゾル(テキサス州、プラノ(Plano)のDegussa Co.により販売)、CAB−O−SIL(マサチューセッツ州、ボストン(Boston)のCabot Co.により販売される熱分解法二酸化ケイ素)、及びそれらの混合物を含む。使用するとしても、滑剤は、それらが組み込まれる医薬組成物、又は剤形の約1重量パーセント未満の量で通常使用される。
本発明の好ましい固体経口用剤形は、免疫調節化合物、無水ラクトース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンを含む。
【0104】
(4.4.2遅延放出剤形)
本発明の活性成分は、当業者によく知られている制御された放出手段によって、又は送達デバイスによって、投与されることができる。例は、それぞれ引用により本明細書に組み込まれている米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第3,536,809号、同第3,598,123号、及び同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、ならびに同第5,733,566号中に記載されているものを含むが、それらに限定されない。そのような剤形は、種々の割合で所望の放出プロファイルを提供するために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、透過膜、浸透系、多層コーティング、マイクロ粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組合せを使用する、1以上の活性成分の遅い、又は制御された放出をもたらすために使用され得る。本明細書に記載されているものを含む、当業者に周知の適切な制御された放出製剤は、本発明の活性成分の使用のために容易に選択され得る。それゆえ、本発明は、制御された放出に適応された錠剤、カプセル、ジェルキャップ(gelcap)、及びキャプレットのような、しかしそれらに限定されない、経口投与に適した単一ユニット剤形を包含する。
【0105】
すべての制御放出医薬品は、非制御放出医薬品により達成されるものと比べて、薬物療法を改良するという共通の目標を有する。理想的には、医学治療において最適に設計された制御放出製剤の使用は、最小の時間量で、病態を治療、又は管理するために用いられる最少の薬物によって特徴付けられる。制御放出製剤の利点は、該薬物活性の延長、投与頻度の減少、及び患者コンプライアンスの向上を含む。さらに、制御放出製剤は、作用の開始時間、又は薬物の血中濃度のような他の特性に影響を及ぼすために使用されることができ、それゆえ副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
【0106】
大部分の制御放出製剤は、最初に、所望の治療効果を速やかに生じる量の薬物(活性成分)を放出し、このレベルの治療、又は予防効果を、延長された期間にわたって維持するための、他の量の薬物を漸次かつ連続して放出するように設計されている。体内においてこの一定の薬物濃度を維持するためには、代謝され、体から排泄された薬物量を補充する速度で、該剤形から薬物が放出されなければならない。活性成分の制御された放出は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理学的状態、若しくは化合物を含むが、それらに限定されない、種々の条件によって誘発され得る。
【0107】
(4.4.3 非経口用剤形)
非経口用剤形は、皮下、静脈内(急速静注を含む)、筋肉内、及び動脈内を含むが、それらに限定されない種々の経路により、患者に投与されることができる。非経口用剤形の投与は、典型的に、汚染物質に対する患者の自然的な防御をバイパスしているので、それらの投与は無菌であること、又は患者に投与する前に無菌化されることが可能であるのが好ましい。非経口用剤形の例は、すぐに注射できる溶液、注射のため医薬として許容し得るビヒクル中にすぐに溶解、又は懸濁できる乾燥製品、すぐに注射できる懸濁液、及びエマルジョンを含むが、それらに限定されない。
【0108】
本発明の非経口用剤形を提供するために使用されることができる適切なビヒクルは、当業者によく知られている。例は、USP注射用水;塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖、及び塩化ナトリウム注射液、ならびに乳糖加リンゲル液のよな、しかしそれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールのような、しかしそれらに限定されない水混和性ビヒクル;並びにトウモロコシ油、綿実油、ラッカセイ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルのような、しかしそれらに限定されない非水系ビヒクルを含むが、それらに限定されない。
【0109】
本明細書において開示されている1以上の活性成分の溶解性を増加させる化合物もまた、本発明の非経口用剤形中に組み込まれ得る。例えば、免疫調節化合物の溶解性を増加させるために、シクロデキストリン、及びその誘導体を使用してもよい。
【0110】
(4.4.4 局所、及び粘膜用剤形)
本発明の局所、及び粘膜用剤形は、スプレー、エーロゾル、溶液、エマルジョン、懸濁液、又は当業者に知られている他の形態を含むが、それらに限定されない。例えば、『レミングストンの薬学』,第16版,及び第18版,Mack Publishing, Easton PA (1980、及び1990)、及び『医薬剤形概論』,第4版,Lea,及びFebiger,Philadelphia (1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織を治療するのに適した剤形は、含嗽剤、又は口腔ゲルとして製剤することができる。
【0111】
本発明によって包含される局所、及び粘膜用剤形を提供するために使用され得る適切な賦形剤(例えば担体、及び希釈剤)、及び使用することができる他の物質は、薬学分野における当業者によく知られており、所与の医薬組成物、又は剤形を適用する特定の組織によって決まる。その事実に留意して、典型的な賦形剤は、無毒性でありかつ医薬として許容し得る、溶液、エマルション、又はゲルを形成する水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。所望される場合、保湿剤、又は湿潤剤も医薬組成物、及び剤形に添加されることができる。このような追加的成分の例は、当業者においてよく知られている。例えば、『レミングストンの薬学』,第16版,及び第18版,Mack Publishing, Easton PA (1980、及び1990)を参照されたい。
【0112】
医薬組成物、又は剤形のpHもまた、1以上の有効成分の送達を向上させるために調節されてもよい。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張度は、送達性を向上させるために調節され得る。ステアリン酸塩などの化合物は、1以上の活性成分の親水性、又は親油性を有利に変え、送達性を向上させるために、医薬組成物、又は剤形に添加され得る。この点に関して、ステアリン酸塩は、該製剤に対する脂質ビヒクルとして、乳化剤、又は界面活性剤として、及び送達促進剤、又は浸透促進剤として役割を果すことができる。該活性成分の種々の塩、水和物、又は溶媒和物はさらに、得られた組成物の性状をさらに調節するために使用され得る。
【0113】
(4.4.5キット)
典型的には、本発明の活性成分は、同時に、又は同一の投与経路により、患者に投与されないことが好ましい。従って、本発明は、医療従事者によって使用される場合、患者への適正な量の活性成分の投与を簡単化することができるキットを包含する。
【0114】
本発明の典型的なキットは、本発明の免疫調節化合物の剤形、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物、又はプロドラッグを含む。本発明によって包含されるキットは、追加的な活性成分をさらに含むことができる。該追加的な活性成分の例は、本明細書において開示しているものを含むが、これらに限定されない(例えば、セクション4.2を参照されたい)。
本発明のキットは、該活性成分を投与するために使用されるデバイスをさらに含むことができる。このようなデバイスの例は、注射器、点滴バッグ、貼剤、及び吸入器を含むが、それらに限定されない。
【0115】
本発明のキットは、1以上の活性成分を投与するのに使用されることができる、医薬として許容し得るビヒクルをさらに含むことができる。例えば、活性成分を非経口投与向けに再構成しなければならない固体形態で提供される場合、該キットは、該活性成分が非経口投与に適した、微粒子のない無菌溶液を生成するために溶解され得る適切なビヒクルのシールされた容器を含むことができる。医薬として許容し得るビヒクルの例は、USP注射用水;塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖、及び塩化ナトリウム注射液、及び乳糖加リンゲル液などの、しかしそれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの、しかしそれらに限定されない水混和性ビヒクル;並びにトウモロコシ油、綿実油、ラッカセイ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどの、しかしそれらに限定されない非水系ビヒクルを含むが、それらに限定されない。
【実施例】
【0116】
(5. 実施例)
下記研究は、本発明をさらに説明することを意図しており、その範囲を限定するものではない。
(5.1実施例1)ラットの睡眠脳波への影響
この例は、ラットの睡眠脳波への、3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの影響を示すために計画する。該動物は、250−275グラムのオスのスプラーグ−ダウリー(Sprague-Dawley)ラットであり、ステンレス鋼らせん皮質脳波電極、及びステンレス鋼項面筋電図電極を、少なくとも記録の一週間前に外科的に埋め込む。1時間の継続時間の記録を、明かりをつけた状態で、50μ.V/10mm、及び10mm/秒に調製したポリグラフを用いて、午後8時に行う。睡眠段階は通常の基準:覚醒=小さな振幅、混合した脳波周波数、及び高い筋電図;ノンレム睡眠=大きな振幅、低い脳波周波数、及び小さな振幅の筋電図、に従って30秒間で決定する。W. B. Mendelsonらの論文、Pharmacology Biochemistry and Behavior 2: 553-56, 1974。一覧化された2つのパラメータは、睡眠待ち時間(少なくとも1分の睡眠として定義された睡眠開始の記録の開始からの時間)、及び合計睡眠(ノンレム、及びレム睡眠の合計時間)である。統計的有意性は、一元配置分散分析によって判断する。4つの独立処理群には、腹腔内に、1)生理食塩水偽薬;又は2)36mg/kgの3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを与える。
【0117】
(5.2実施例2):ヒトの睡眠脳波への影響
程度が異なる睡眠時無呼吸の者6人に、少なくとも5日離して、異なる2晩、実験を行う。これらのボランティア被験者には、或る夜に生理食塩水(コントロール)を、及び他方の夜に3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを与える。いったん、該被験者がそれからそれらの脳波によって示されるように眠りに落ちると、彼らを干渉なしで60分間測定する。1ml量の生理食塩水、又は3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンのどちらかを、該被験者が電子脳(脳波)モニタリングによって確認されたように眠りに落ちた後に、小さなカテーテル(2.5mmの外径、及び経鼻的に設置された)を介して後咽頭へと与える。生理食塩水、又は3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの点滴前の60分間、及び点滴後の次の60分は、睡眠段階(I、II、III、IV、又はレム)を脳波を介して測定し、吸入、及び呼気流量をぴったりと合った鼻マスクに取り付けられた呼吸速度計を介してモニターし、吸入筋活性を前腋窩線の右肋骨縁上2〜4cmに設置された、2つの表面電極を用いた筋電図検査を介してモニターし、動脈内の オキシヘモグロビン飽和度を耳の酸素濃度計を介して継続的に測定し、並びに呼気終末のCOを呼吸から呼吸へ測定した。
【0118】
呼吸低下は、先立つ呼吸、5秒間より多い流入の停止としての無呼吸、及び基準からの酸素飽和における2%より多い減少としての脱飽和に比較した3以上の連続的な呼吸における1回換気量において20%の減少として定義する。呼吸障害指数(RDI)は、睡眠1時間当たり、呼吸低下、無呼吸、及び脱飽和の数として定義する。それぞれの事象(ΔSpO%)に対する脱飽和の程度もまた計算する。睡眠採点記述の詳細な議論については、Mitlerら,『睡眠採点技術』, in Sleep Disturbances, Yancy Press, NY: 1991を参照された。
【0119】
(5.3実施例3):ピッツバーグ睡眠の質指数
12人の被験者に、10mg/日の3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを12週間処理した。被験者を、調査完了まで2週間毎に調べた。被験者には、どれくらいの睡眠障害(0〜10等級)を経験したかを尋ねる日々の睡眠日記をつけることを依頼した。患者にはまた、該処理の開始、及びその後4週における、Buysse, DJら,Journal of Psychiatric Research, 28 (2), 193- 213, 1989の、ピッツバーグ睡眠の質一覧表(PSQI)を完成することを依頼した。該調査の結果は、全般的な睡眠の質、睡眠薬の必要性、及び日中の眠気の存在が全て、10mgの3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを用いた12週の調査で、明らかに改善していることを示した。
【0120】
(5.4 実施例4):サイクリング治療
特定の実施態様において、免疫調節化合物を睡眠不全を有する患者に周期的に投与する。サイクリング治療は、期間中の第1薬剤の投与を含み、続いて期間中の該薬剤、及び/又は第2薬剤の投与、並びにこの順次的な投与を繰り返すことを含む。サイクリング治療は、1以上の該治療への抵抗性の発達を減らし、該治療の一つの副作用を回避、又は減らし、並びに/若しくは該治療の有効性を改善することができる。
【0121】
特定の実施態様において、約0.1〜約25mg/dの量の3−(4−アミノ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン、又は4−(アミノ)−2−(2,6−ジオキソ−(3−ピペリジル))−イソインドリン−1,3−ジオンを、毎日約1回、又は2回、約24週のサイクルで投与する。1サイクルは、予防剤の治療の投与を含み、かつ少なくとも休息の1(1)、2(2)、又は3(3)週での投与を含み得る。投与したサイクルの回数は約1〜約12サイクルであり、より典型的には約2〜10サイクルであり、及びより典型的には約2〜約8サイクルである。
本明細書に記述している本発明の実施態様は、本発明の代表例に過ぎない。本発明の全範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってよりよく理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠不全を治療、又は予防する方法であって、そのような治療、又は予防を必要とする患者に、治療上、又は予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体を投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
睡眠不全を管理する方法であって、そのような管理を必要とする患者に、予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体を投与することを含む、前記方法。
【請求項3】
睡眠の開始時間、睡眠の継続、又は睡眠の質を改善する、又は夜間の睡眠後にさわやかな感じで起きる能力を高める方法であって、改善、又は強化を必要とする患者に、治療上、又は予防上効果的な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体を投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
請求項1、2、又は3記載の方法であって、該免疫調節化合物が下記化合物;
【化1】

又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体である、前記方法。
【請求項5】
請求項1、2、又は3記載の方法であって、該免疫調節化合物が下記化合物;
【化2】

又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体である、前記方法。
【請求項6】
前記睡眠不全が、複合性局所疼痛症候群、慢性腰痛、筋骨格系疼痛、関節炎、神経根障害、ガンに関連した痛み、繊維筋痛、慢性疲労症候群、内臓痛、膀胱痛、慢性膵炎、糖尿病性神経障害、ヘルペス後神経障害、外傷性神経症、炎症性神経障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、ハンチントン病、動作緩慢、筋肉の硬直、パーキンソン振戦、パーキンソン病様歩行、動作フリーズ、うつ病、長期記憶障害、ルビンスタイン−テイビ症候群(RTS)、認知症、姿勢の不安定、運動不全疾患、シヌクレイン疾患、多系統退化症、線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ−ドレーガー症候群、パーキンソン病の特性を有した運動ニューロン疾患、レヴィー小体認知症、タウ病変疾患、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭認知症、アミロイド病変疾患、軽度認識障害、パーキンソニズムを有したアルツハイマー病、ウィルソン病、ハレルフォルデン・スパッツ病、チェディアック−ハガシ病、SCA−3脊髄小脳失調、X関連ジストニアパーキンソニズム、プリオン病、多動性疾患、舞踏病、バリスマス、ジストニア振戦、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、CNSトラウマ、又はミオクローヌスに関連したものである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記睡眠不全が、複合性局所疼痛症候群、慢性腰痛、筋骨格系疼痛、関節炎、神経根障害、ガンに関連した痛み、繊維筋痛、慢性疲労症候群、内臓痛、膀胱痛、慢性膵炎、糖尿病性神経障害、ヘルペス後神経障害、外傷性神経症、炎症性神経障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、ハンチントン病、動作緩慢、筋肉の硬直、パーキンソン振戦、パーキンソン病様歩行、動作フリーズ、うつ病、長期記憶障害、ルビンスタイン−テイビ症候群(RTS)、認知症、姿勢の不安定、運動不全疾患、シヌクレイン疾患、多系統退化症、線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ−ドレーガー症候群、パーキンソン病の特性を有した運動ニューロン疾患、レヴィー小体認知症、タウ病変疾患、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭認知症、アミロイド病変疾患、軽度認識障害、パーキンソニズムを有したアルツハイマー病、ウィルソン病、ハレルフォルデン・スパッツ病、チェディアック−ハガシ病、SCA−3脊髄小脳失調、X関連ジストニアパーキンソニズム、プリオン病、多動性疾患、舞踏病、バリスマス、ジストニア振戦、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、CNSトラウマ、又はミオクローヌスに関連したものである、請求項2記載の方法。
【請求項8】
前記睡眠不全が、複合性局所疼痛症候群、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、又はハンチントン病に関連したものである、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記睡眠不全が、複合性局所疼痛症候群、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、又はハンチントン病に関連したものである、請求項7記載の方法。
【請求項10】
睡眠不全を治療、又は予防する方法であって、そのような治療、又は予防を必要とする患者に、治療上、又は予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体を投与することを含み、かつ治療上、又は予防上有効な量の、少なくとも1の第2活性成分、又は薬剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項11】
睡眠不全を管理する方法であって、そのような管理を必要とする患者に、治療上、又は予防上有効な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体を投与することを含み、かつ治療上、又は予防上有効な量の、少なくとも1の第2活性成分、又は薬剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項12】
睡眠の開始時間、睡眠の継続、又は睡眠の質を改善する、又は夜間の睡眠後にさわやかな感じで起きる能力を高める方法であって、必要とする患者に、治療上、又は予防上効果的な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体を投与することを含み、かつ治療上、又は予防上有効な量の、少なくとも1の第2活性成分、又は薬剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項13】
該第2活性成分、又は薬剤が、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗てんかん薬、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル阻害薬、選択的炎症性メディエータ阻害薬、オピオイド薬、ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、レビチラセタム、トピラメートニューロンチン、オキシコンチン、モルヒネ、トピラメート、アミトリプチリン、ノートリプチリン、又はカルバマゼピンである、請求項10記載の方法。
【請求項14】
該第2活性成分、又は薬剤が、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗てんかん薬、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル阻害薬、選択的炎症性メディエータ阻害薬、オピオイド薬、ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、レビチラセタム、トピラメートニューロンチン、オキシコンチン、モルヒネ、トピラメート、アミトリプチリン、ノートリプチリン、又はカルバマゼピンである、請求項11記載の方法。
【請求項15】
該第2活性成分、又は薬剤が、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗てんかん薬、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル阻害薬、選択的炎症性メディエータ阻害薬、オピオイド薬、ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、レビチラセタム、トピラメートニューロンチン、オキシコンチン、モルヒネ、トピラメート、アミトリプチリン、ノートリプチリン、又はカルバマゼピンである、請求項12記載の方法。
【請求項16】
該免疫調節化合物の立体異性体が、R、又はSエナンチオマーである、請求項1、2、3、10、11、又は12のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
睡眠不全の治療、予防、又は管理に効果的な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体、並びにキャリアーを含む、医薬組成物。
【請求項18】
睡眠不全の治療、予防、又は管理に効果的な量の免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体、並びに第2活性成分又は薬剤を含む、医薬組成物。
【請求項19】
該第2活性成分、又は薬剤が、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗てんかん薬、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル阻害薬、選択的炎症性メディエータ阻害薬、オピオイド薬、ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、レビチラセタム、トピラメートニューロンチン、オキシコンチン、モルヒネ、トピラメート、アミトリプチリン、ノートリプチリン、又はカルバマゼピンである、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
免疫調節化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は立体異性体を含む、睡眠不全を治療、予防、又は管理するための使用に適したキット。

【公表番号】特表2007−531770(P2007−531770A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506569(P2007−506569)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/010937
【国際公開番号】WO2005/097125
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(591120033)セルジーン・コーポレーション (84)
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
【Fターム(参考)】