説明

石油製品の結晶消失温度量定方法及び装置

本発明は石油製品の結晶消失温度の量定方法に関するものであり、分析される試料を低温槽内に準備された測定室(4)に導入する段階、分析される試料に光線ビームが通過するようレーザー放射体(6)と連携する光受信体(7)を連結する段階、受信体(7)により受けた光度を記録する段階、低温槽(1)の温度を徐々に下降させ次いで再度徐々に上昇させる段階、と同時に受信体(7)により受けた光度の、温度を基にした変化を表す曲線を記録し、前記曲線より結晶消失温度を量定する段階、より成ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は石油製品の結晶消失点を量定する方法及び該方法の実行を可能にする装置に関する。
【0002】
本発明は石油製品の結晶、特に約マイナス5℃からマイナス120℃の温度範囲における、航空機向けの灯油の結晶消失点を量定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
結晶の消失点とは、温度が徐々に上昇する過程において以前に結晶化した試料中の最後の結晶が消失する温度として定義される。
【0004】
結晶の消失点を得るために条件を定義する様々な規格があり、これは航空業界における専門家にとって特別な関心であり、何故ならば航空機の燃料移送パイプとフィルタが閉塞されてしまうといった危険を侵すことなく、所定の高度を維持できる時間を決定することを可能にする。
【0005】
更に結晶消失点の値は、灯油が純粋であるか、軽油で汚染されているかどうかを指摘する。
【0006】
石油製品試料の結晶消失点の量定を可能にする種々の装置が現在市販されている。
【0007】
そういった装置の中で、FZP 5 Gs及びFZP 5 Gという名称でISLにより販売されている装置が、例示として言及されることがあり、該装置は規格ASTM D 2386、IP 468及びISO 3013の遵守の下に作業する完全自動化装置である。
【0008】
そういった装置の原理は、概略的には、ダイオードにより放射される光線ビームが試験される試料を含む測定室を通過し、なお該測定室は冷却と温度制御部材に連結された温度センサーを備えた低温槽中に位置し、そして分析される試料を含む測定室を通じて赤外線放射体と一列に並んだ光受信体によって受けた光度を検出すること、により成っている。
【0009】
本テストを遂行するために、光検出体がもはや光線を受けなくなるまで、低温槽の温度は徐々に下降し、それは該試料が完全に結晶化したことを意味し、次いで温度が再度徐々に上昇し、と同時に受信体により受ける光度が温度の関数として変化することを示す曲線が記録される。
【0010】
最後の結晶が試料から消失した時、曲線中に乱れが観察され、この乱れは平坦部へと続く結晶の消失点に一致する。
【0011】
そういった装置はコンパクトであり自動化という利点を有し、したがって操作者の熟練に依存することなく完全に再現可能な結果を提供することが可能である。
【0012】
しかし、場合によっては装置の感度が不適当である、と判明する不利な点があり、特に少量の比率での軽油による汚染された灯油の結晶消失点の量定が要望される場合である。
【0013】
軽油が存在する場合、灯油試料の結晶消失点は著しく上昇し、軽油数%を含む試料の場合、光線検出体により受ける光度の変化を温度の関数として示す曲線は、結晶の消失点を量定するのに十分な目立った乱れを表し、したがって純粋な灯油結晶の消失点との比較により軽油の比率を表す。
【0014】
一方、より少量の比率での汚染の場合、曲線は丸みを帯び、もはや明白な乱れを表さず、そのため結晶の消失点を量定することが出来ない。
【0015】
結晶の消失点を量定するのに適した他の装置は、特許文献1に述べられている。
【0016】
規格ASTM D 5972にしたがって作動する該装置の原理は、概略的には、分析される製品の微量の試料をるつぼ中に置き、なお該るつぼの底部はペルチェ原理によって冷却される鏡によって形成されており、そして試料が再度徐々に加熱される以前に、該試料が結晶化するまで徐々に冷却されることにより、成っている。
【0017】
試験の間、分析される試料は、所定の入射での光線ビームにより照射され、そのため鏡上で反射したビームが鏡と反対側に位置する光検出体に届かない。
【0018】
試料中に結晶が存在する時、該結晶は不規則に放射光線を拡散させ、光線の一部は結果として光検出体により受ける。
【0019】
したがって結晶の出現と消滅は、光検出体にて受けられた信号を分析することにより検出可能であり、結晶が存在しない場合該信号はゼロで、試料中に結晶が出現すると該信号は増加する。
【0020】
該装置は、灯油中の微量の軽油を検出するのに充分に敏感であるという利点を有する。しかし使用するのに非常に便利という訳ではなく、得られた結果は操作者の熟練に大きく依存する。
【0021】
【特許文献1】米国特許第5088833号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、これら欠点を改善するために石油製品の結晶、特に航空機向けの灯油の結晶消失点を量定する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明によると、本方法は以下の段階を有することにより特徴付けられる:
− レーザー放射体と連携する長手方向光受信体が、冷却および温度制御部材に連結された温度センサーを備えた低温槽中に位置する、実質的に水平管形測定室の片側に取り付けられ、そのためレーザー放射体より放射された光線ビームは、前記測定室の水平軸と前記長手方向光受信体に一列に並ぶ段階と、
− 前記温度センサー、前記冷却と温度制御部材、及び前記長手方向光受信体が、プログラム可能な計算・表示手段に連結されている段階と、
− 絞りがレーザー放射体の下流に、直接取り付けられ、そのため放射された前記光線ビームは、前記測定室の壁上にいかなる反射も起きないように充分に細くなる段階と、
− 偏光子が前記長手方向光受信体の上流に取り付けられ、該偏光子は、前記レーザー放射体より放射された前記光線ビームが前記長手方向受信体に直接伝達されることができないように調整されている段階と、
− 横方向光受信体が前記測定室の近傍でその上流部に取り付けられた段階において、該横方向光受信体は、前記レーザー放射体により放射された前記光線ビームへ、又前記プログラム可能な計算・表示手段に連結されている段階と、
− 分析される試料が測定室に導入される段階と、
− 前記分析される試料に前記光線ビームが通過するよう、前記レーザー放射体、前記長手方向光受信体及び前記横方向光受信体がスイッチオンされる段階と、
− 前記低温槽の温度が徐々に下降すると同時に前記長手方向光受信体により受ける光度中の変化を温度の関数として示す曲線、即ち検出曲線、及び前記横方向光受信体により受ける光度中の変化を温度の関数として示す曲線、即ち不透明化曲線は、記録され、そして後者の曲線を用いて、前記分析される試料の結晶化限界温度或いは不透明化点が量定され、該不透明化点より前記槽の温度が再度徐々に上昇し、と同時に検出曲線と不透明化曲線の記録は続行される段階と、
− 前記結晶の消失点が前記検出曲線より量定される段階。
【0024】
したがって本方法は偏光線ビームの使用により本質的に異なっており、そのため長手方向光受信体は結晶が存在しない場合、いかなる光線をも受けないが、一方、分析される試料中に結晶が出現するやいなや、或る量の光線が受信体に伝達され、結晶が光線の偏光方向を修正するということは実際当業者によく知られている。
【0025】
当然、そういった方法は測定室の壁上に何の反射もない、という場合にのみ可能であり、したがって測定室の表面状態が重要ではなく、通過するビームの断面が該絞りによって充分に細く縮小されていることが必須である。
【0026】
本発明によると、該絞りの直径は好ましくは約1から1.5mmでなければならないし、1mm以上と仮定すればそのレベルでの回析が起こる危険に遭遇するかもしれない、ということが確立された。
【0027】
さらに、受信体の最良の感度を得るために、レーザービームの波長は約650ナノメーターであることが有利であるかもしれない。
【0028】
本発明の好ましい特質によれば、測定室の上流部近傍に、レーザー放射体から放射される光線ビームと、プログラム可能な計算・表示手段に連結する、横方向光受信体も又、取り付けられる。
【0029】
横方向光受信体は、結晶が存在しない時はいかなる光線をも受けないが、分析される試料が次いで完全に透明になると仮定すると、試料中に結晶が現れるやいなや拡散された光線を受ける。
【0030】
したがって試験の間、横方向光受信体により受ける光度が温度の関数として変化することを示す曲線、即ち不透明化曲線は同様に記録され、該曲線を用いて分析される試料の結晶温度限界、即ち不透明化点が決定され、即ち該温度から温度変化の方向は逆にならなければならない。
【0031】
結果として、横方向光受信体の役割は、該方法を制御することである。
【0032】
より正確に言うと、試験の開始時点において、該2個の検出体はいかなる光をも受けていない。
【0033】
冷却が実行されると、最初の結晶が出現し、レーザー放射体より放射された光線の偏光を変え、したがって或る光線量が偏光子中を通過可能となり、長手方向の光受信体に達することが可能となる。
【0034】
試料中の結晶量が多くなると、試料は曇るようになり、したがって光の拡散を引き起こし、光線の一部は横方向光受信体に到達する。
【0035】
曇りが非常に濃くなると、レーザー放射体より放射されたビームはもはや偏光子には到達出来なくなり、したがって長手方向光検出体によって受ける光度は減少する。
【0036】
横方向光受信体により受ける光度が増加し、と同時に長手方向光受信体により受ける光度が減少すると、不透明化点は達成される。
【0037】
不透明化点が達成されると、試料の結晶消失点の値を検出曲線上で量定するために、低温槽温度は徐々に上昇する。
【0038】
この温度上昇中、試料が十分に透明となりレーザー放射体により放射されたビームが偏光子に到達可能となった時点から、長手方向光受信体により受けた光度は増加し、次いで最後の結晶が消失した時再び減少する。
【0039】
長手方向光受信体がもはやいかなる光をも受けない時点は、探求されていた結晶の消失点と一致する。
【0040】
本発明は上述の方法を実施可能にする装置にも又、関するものである。
【0041】
本発明によると、該装置は以下の項目を備えていることに、特徴付けられる:
− 冷却及び温度制御部材に連結した温度センサーを備えた低温槽、
− 低温槽内かつ、測定室を構成する実質的に水平である中央ブランチに取り付けられ、と同時に側部ブランチが分析される試料の測定室への導入及び搬出を可能にする、実質的にU型をした測定管、
− 測定室の長手軸に沿って、測定室の両側に一列に並んだ、レーザー放射体及び連携する長手方向光受信体、
− レーザー放射体の下流に直接取り付けられた絞り、
− 長手方向光受信体の上流に取り付けられた偏光子及び、
− 温度センサー、冷却と温度制御部材、及び長手方向光受信体に連結されたプログラム可能な計算・表示手段。
【0042】
本構成を考慮すると、試験を実施するために遂行される手動操作は、スポイトを用いて分析される試料を測定室に導入し、レーザー放射体、連携する長手方向光受信体および冷却と温度制御手段をスイッチオンすることにより構成される。
【0043】
次いで試験は、計算・表示手段の制御の下で自動的に遂行され、該試験は遵守される規格にしたがって前もってプログラムされており、また該試験は、温度センサーによって伝達された情報にしたがって冷却および温度制御部材を制御し、同時に長手方向光受信体によって伝達された情報にしたがって検出曲線を作成する。
【0044】
本発明の好ましい特質によれば、装置は、測定室の上流部にあって測定室の近傍に取り付けられ、又プログラム可能な計算・表示手段に連結された横方向光受信体を含んでいる。
【0045】
該特質によれば、プログラム可能な計算・表示手段は、横方向光受信体により伝達された情報から不透明化曲線を作成し、そして該曲線を使用して冷却と温度制御部材を、又その結果として低温槽内部の温度変化を、自動的に制御する。
【0046】
本発明によれば、光度は、光線ビームを集中可能なレンズと協働することが好ましい導光体を経て光受信体に伝達される。
【0047】
それらのレンズは、光軸上に位置する5から8mmの直径を持つガラス球により形成されることが有利であるかもしれない。
【0048】
導光体は、レンズの焦点面中に位置するファイバーより順に構成されることが好ましい。
【0049】
本発明のもう一つの特質によれば、該測定管は金属成分、特にアルミ製にて構成され、検出される光線ビームの通路になること可能な管接続口が備えられている。
【0050】
通常ガラス製であるそれら管接続口は、完全に平行である面を有している。
【0051】
本発明によれば、冷却と温度制御部材は特にスターリングサイクルである、冷却ユニットにより構成されてもよく、該冷却ユニットのコールドフィンガーには、所定の温度まで冷却可能となるように、低温槽と協働する乾接触熱伝達部材がその自由端に備えられている。
【0052】
スターリングサイクル冷却ユニットを含む石油製品試料の分析装置例は、フランス特許FR−2 801 381に述べられている。
【0053】
そういった冷却ユニットの使用は、本発明の特質に特に有利に対応し、その特質のおかげで該装値はコンパクトで持ち運び可能な装置として構成されてもよい。
【0054】
本発明によるプロセスと装置の特質は、添付図面に関連し更に詳しく述べられるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
図1によれば、装置は、温度センサー2を備えた低温槽1、及び該低温槽1のためのスターリングサイクル冷却と温度制御ユニット(図示せず)より成るコンパクトな装置に該当する。
【0056】
図1にしたがって、低温槽1はその内側にU型金属測定管3を備え、該測定管の中央水平ブランチ4は分析される試料を受ける測定室を構成する。
【0057】
測定管3の側部ブランチ5および5’は試料の導入、搬出を可能にする。
【0058】
該装置はまた、長手方向光受信体7と連携するレーザーダイオード6より成り、そのため放射されたレーザービーム8は、測定室4の水平軸と一列に並び、そして測定室中に導入された分析される試料中を、受信体7に到達する前に通過する。
【0059】
偏光子9は、ダイオード6により放射されるレーザービームの伝搬方向で、長手方向受信体7の上流に取り付けられる。
【0060】
偏光子9は調整され、そのため長手方向受信体7は、測定室4中に包含された試料が透明でいかなる結晶をも含まない時には、いかなる光線をも受けない。
【0061】
完全な平行面を持つガラス管接続口10、10’は、レーザービーム8が測定室4を通過し、長手方向受信体7に到達することを可能にし、と同時に該測定室は耐漏洩性が確実にされている。
【0062】
偏向子9を越えて位置し、レーザーダイオード6の下流に直接取り付けられた補助偏光子11は、ダイオードによって放射されるビームの振幅減衰器として働く。
【0063】
補助偏光子11は、測定室4を通過するレーザービームが測定室の壁上にいかなる反射も起きないよう充分に細いことを確実にするために、直接の下流に取り付けられた絞り12と協働する。
【0064】
図1によれば、該装置は又、測定室4に近接し、その上流部に取り付けられた横方向光受信体を含んでいる。
【0065】
管接続口10及び10’と同様のガラス管接続口10”は、測定室34の上流部において光が拡散し、側面受信体13に届くことを可能にする。
【0066】
偏光子9を出発した偏光光線と管接続口10”を通って出発した拡散光線は、受信体7、13に到着する前にレンズ14、14’によって導光体15、15’に集中される。
【0067】
冷却ユニット、温度センサー2、長手方向受信体7及び横方向受信体13は、遵守される規格にしたがって試験を制御するプログラム可能な計算・表示手段(図示せず)に連結されている。
【0068】
この目的のために、プログラム可能な計算・表示手段は、温度センサー2及び受信体7、13により伝達された情報に依存して、低温槽1用の冷却ユニットを制御し、そして平行して、長手方向受信体7により受けた光度の変化を示す検出曲線、及び横方向受信体13により受けた光度の変化を示す不透明化曲線を、作成する。
【0069】
図3、4及び5は3個の異なった灯油試料に相当するそういった曲線の3例を示す。
【0070】
該3曲線について更に詳細に言えば、分で表された時間はX軸上にプロットされ、と同時に受信体により受けた光度は0から100迄の相対目盛りによって表され、そして℃で表される試料の温度はY軸上にプロットされ、それぞれ左側と右側の目盛りによる。
【0071】
点線による曲線は、時間の関数として試料温度の変化を示す(右側目盛り)。
【0072】
破線による曲線は、不透明化曲線に対応し、時間の関数として横方向受信体により受けた光度の変化を示す(左側目盛り)。
【0073】
実線による曲線は検出曲線に対応し、時間の関数として長手方向受信体により受けた光度の変化を示す(左側目盛り)。
【0074】
これら3曲線の分析は、不透明化点の量定を可能にし、即ち該不透明化点の温度から低温槽内の温度変化の方向が逆転しなくてはならない。
【0075】
実線による曲線は、結晶の消失点が量定されることを可能にする。
【0076】
図2によれば、純粋で汚染されていない灯油の場合、最初の結晶の出現は7分30秒にて検出され、即ち温度マイナス59℃であった。
【0077】
不透明化点は、マイナス60℃に非常に近接した温度で検出された。
【0078】
図3によれば、多少汚染された灯油の場合、最初の結晶の出現は6分30秒にて検出され、即ち温度マイナス45℃であり、不透明化点は7分45秒、即ち温度マイナス60℃で検出された。
【0079】
試料中の曇りの消滅は11分30秒にて検出され、即ち温度マイナス55℃であり、そして結晶の消失点は13分30秒であり、即ち温度マイナス38.7℃にて検出された。
【0080】
約12分時の検出曲線上の注目されたリバウンドは、使用される材料と関連しているようには見えないが、しかしむしろ試料中の物理的現象に関連あるように見える。
【0081】
図4によれば、非常に汚染された灯油の場合、結晶の消失点は14分30秒で検出され、即ち温度マイナス27.5℃であった。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明の灯油の結晶消失点を量定する方法及び装置は、航空機等に用いられる灯油の結晶消失点を量定するのに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の装置を示す図である。
【図2】純粋な灯油の試料における、プログラム可能な計算・表示手段により、作成された曲線例である。
【図3】多少汚染された灯油の試料における、プログラム可能な計算・表示手段により、作成された曲線例である。
【図4】非常に汚染された灯油の試料における、プログラム可能な計算・表示手段により、作成された曲線例である。
【符号の説明】
【0084】
1 低温槽
2 温度センサー
3 U型金属測定管
4 水平管形測定室
5 側部ブランチ
5‘ 側部ブランチ
6 レーザー放射体
7 長手方向光受信体
8 放射レーザー光線
9 偏光子
10 ガラス管接続口
10’ ガラス管接続口
10” ガラス管接続口
11 補助偏光子
12 絞り
13 横方向受信体
14 レンズ
14’ レンズ
15 導光体
15’ 導光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油製品の結晶、特に約マイナス5℃からマイナス120℃の温度範囲における、航空機向けの灯油の結晶消失点を量定する方法において、
− レーザー放射体(6)と連携する長手方向光受信体(7)が、冷却および温度制御部材に連結された温度センサー(2)を備えた低温槽(1)中に位置する、実質的に水平管形測定室(4)の片側に取り付けられ、よってレーザー放射体(6)より放射された光線ビーム(8)は、前記測定室(4)の水平軸と前記長手方向光受信体(7)に一列に並ぶ段階、
− 前記温度センサー(2)、前記冷却と温度制御部材、及び前記長手方向光受信体(7)が、プログラム可能な計算・表示手段に連結されている段階、
− 絞り(12)をレーザー放射体(6)の下流に直接取り付けて、放射された前記光線ビーム(8)が、前記測定室(4)の壁上にいかなる反射も起きないように充分に細くなる段階、
− 偏光子(9)が前記長手方向光受信体(7)の上流に取り付けられ、該偏光子は、前記レーザー放射体より放射された前記光線ビームが前記長手方向受信体に直接伝達されることができないように調整されている段階、
− 横方向光受信体(13)が前記測定室(4)の近傍でその上流部に取り付けられた段階において、該横方向光受信体は、前記レーザー放射体(6)により放射された前記光線ビーム(8)へ、又前記プログラム可能な計算・表示手段に連結されている段階、
− 分析される試料が測定室(4)に導入される段階、
− 前記分析される試料に前記光線ビームが通過するよう、前記レーザー放射体(6)、前記長手方向光受信体(7)及び前記横方向光受信体(13)がスイッチオンされる段階、
− 前記低温槽の温度が徐々に下降すると同時に前記長手方向光受信体(7)により受ける光度中の変化を温度の関数として示す曲線、即ち検出曲線、及び前記横方向光受信体(13)により受ける光度中の変化を温度の関数として示す曲線、即ち不透明化曲線は、記録され、そして後者の曲線を用いて、前記分析される試料の結晶化限界温度或いは不透明化点が量定され、該不透明化点より前記槽(1)の温度が再度徐々に上昇し、と同時に検出曲線と不透明化曲線の記録は続行される段階、
− 前記結晶の消失点が前記検出曲線より量定される段階、
を有することを特徴とする灯油の結晶の消失点を量定する方法。
【請求項2】
請求項1による方法を実施する装置において、
− 冷却及び温度制御部材に連結された温度センサー(2)を備えた低温槽(1)、
− 前記低温槽(1)内に取り付けられ、その中央に測定室(4)を構成すると同時に側部ブランチ(5、5’)は分析される試料の測定室への導入及び搬出を可能にする実質的に水平なブランチが取り付けられた略U型の測定管(3)、
− 長手方向軸に沿って、前記測定室(4)の両方の側に一列に並んだ、レーザー放射体(6)及び連携する長手方向光受信体(7)、
− 前記レーザー放射体(6)の直接の下流に取り付けられた絞り(12)、
− 前記長手方向光受信体(7)の上流に取り付けられた偏光子(9)、
− 前記温度センサー(2)、前記冷却と温度制御部材、及び前記長手方向光受信体(7)へ連結された、プログラム可能な計算・表示手段、及び
− 前記測定室の上流部で、該測定室(4)の近傍に取り付けられ、前記プログラム可能な計算・表示手段に連結される、横方向光受信体(13)、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、光度が、前記光受信体(7、13)に導光体(15,15’)を経由して伝達されることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、前記導光体(15,15’)が、前記光線ビーム(8)を集中させることが可能なレンズ(14、14’)と協働することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1つに記載の装置において、前記測定管(3)が金属成分、特にアルミニウムにて構成され、検出される前記光学ビーム(8)の通路となることを可能にする管接続口(10、10’、10”)を備えたことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1つに記載の装置において、前記冷却及び温度制御部材が、冷却ユニット、特にスターリング・サイクル・冷却ユニットにて構成され、該冷却ユニットのコールドフィンガーには、所定の温度まで冷却可能となるように、前記低温槽(1)と協働する乾接触熱伝達部材がその自由端に備えられていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、コンパクトで持ち運び可能な装置により構成されていることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−504967(P2006−504967A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549267(P2004−549267)
【出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003222
【国際公開番号】WO2004/042385
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(505163291)イ.エス.エル. (1)
【Fターム(参考)】