説明

硬質脆性板の周縁加工装置

【課題】搬入された板状のワークの位置及び角度の誤差を補正する補正手段を備えた、小型で装置構造も簡単かつ部品点数も少ない、周縁加工装置を提供する。
【解決手段】鉛直軸回りに回転するテーブル、ワークの周縁を加工する工具、工具送り装置及びワークの角部の画像を取得する1個のカメラを備える。テーブルにワークが搬入されたとき、カメラでワークの第1の角部と180度対向する第2の角部の画像を取得し、それらの角部のあるべき位置からの2次元平面方向の偏差を検出し、それらの偏差から、テーブル中心に対するワークの中心の位置偏倚及び角度偏倚を演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビ、携帯型のコンピュータ、携帯電話などの表示パネルに用いるガラス基板、その他の硬質脆性板の周縁加工装置に関するもので、特に加工装置のテーブル上に搬入されたワークの偏倚(位置及び角度の誤差)を補正する補正手段を備えた上記装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークの周縁の加工を正確に行うためには、その前提として、ワークをテーブル上に正確に位置決めして固定する必要がある。しかし、平板状ワークの周縁全体を加工する装置では、周縁の位置や方向を決めるガイドなどを設けることができず、平板の面を吸着するか上下に挟持するかして固定しなければならないので、ワークの中心をテーブルの中心に正確に一致させることや、ワークの方向を所定の方向に設定することが困難である。そのため、テーブル上に搬入されたワークの中心位置や方向に誤差が生ずる。
【0003】
携帯電話用のパネルのようにワークが小さいときは、その周縁を把持してテーブルに搬入するとか、加工装置に搬入する前に周縁基準でワークの中心を位置決めする芯出し台に一旦ワークを置いてから加工装置に搬入するというような手段により、偏倚を実用上問題が生じない範囲に(例えば、偏倚量を周縁加工時における取り代の範囲内に)することが可能である。しかし、ワークが大きくなると、ワーク搬入時におけるワークとテーブル間の偏倚量も大きくなるため、偏倚量を補正して加工を行うことが必要になる。
【0004】
図10は、大型の矩形のガラス基板の周縁加工装置を模式的に示した図で、テーブル12上に固定したガラス基板wを図のY方向に移動しながらテーブル12の両側に配置した砥石3、3でワークのY方向の両側辺e、eの加工を行う装置である。この種の周縁加工装置では、装置に設置した2台のカメラ5、5でワークの角部又は角部付近に設けたマークm1、m2を読み取ってY方向と直交するX方向の偏倚を求め、更にワークを加工する前にテーブル12をY方向に走行して一方のカメラ5でワークのY方向の反対側の角又はマークm3を読み取って、両者のX方向の位置の差とテーブルのY方向の移動量とから、ワークの角度偏倚(傾き)を求める。そして、検出されたワークの角度偏倚は、テーブル12の鉛直軸回りの回動で補正し、X方向の偏倚は、制御器から与えられる工具3のX方向の位置指令を補正して工具の位置を設定することにより補正している。なお、ワークのY方向の偏倚は、他方の両側辺e、eを加工するときにテーブルを90度回動して2個のカメラ5、5でマークm1、m3(又はその部分の角)を読み取ることにより検出している。
【0005】
テーブル上に搬入されたワーク(加工前のワークは、一般的には矩形である。)を円弧や凹部を含む自由形状に加工する周縁加工装置は、従来、工具(一般的には回転砥石)を直交する2方向(X−Y方向)に送る送り台を設けて、加工される周縁形状に応じて工具を2次元平面状で移動させるというマシニングセンタによるワーク加工と同様な方法で加工を行っていた。これに対して本願出願人は、ワークwを固定したテーブルの鉛直軸P回りの回転角θと、テーブル中心Pに向けて接近及び離隔する図のX方向の工具3の移動とを関連付けて制御することにより、図3に示すようにワークwに自由形状の周縁加工を行う(以下、「コンタリング方式」と言う。)装置を提案している。コンタリング方式の周縁加工装置は、従来のマシニングセンタ方式の周縁加工装置に比べて装置の設置面積を大幅に低減できるという特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−116118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、加工するワークが大型になればなるほど、加工装置へのワーク搬入時の偏倚量が大きくなる傾向があるため、コンタリング方式の周縁加工装置においても、A4やB5サイズなどの中型以上の基板の加工においては、テーブル上に搬入されたワーク(通常は矩形である)の中心位置の偏倚と方向の偏倚(角度の偏倚)とを検出することが不可欠になる。この場合、図10に示したような方法でワークの中心と方向の偏倚を検出しようとすると、カメラが2台必要である上、ワークの辺の長さに相当する距離だけテーブル又はカメラを移動しなければならず、ワークが大型になればなるほど、その移動距離が長くなるので、装置の動作面積が大きくなり、装置を小型化する際の障害になる。
【0008】
ワークを加工装置に搬入する前に芯出し台でワークの芯出しを行ってから搬入するという方法においても、ワークが大型になればなるほど芯出し台の面積が大きくなるので、装置が大きくなるのを避けることができないし、ワークの搬入に時間がかかって生産性も低下する。
【0009】
この発明は、加工するワークの大型化に伴って生ずる上記のような問題を解決するためになされたもので、テーブル上に搬入されたワークの偏倚量を検出して補正することにより、正確なワークの加工を可能にした、小型で装置構造も簡単かつ部品点数も少ない周縁加工装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の周縁加工装置は、表示パネルなどの板状のワークwを水平に保持して鉛直軸回りに回転するテーブル12と、ワークwの周縁を加工する工具3と、制御器4と、当該制御器からの指令値に基づいて工具3の位置を制御する送り装置23と、ワークwの角部A、Bの画像を取得する1個のカメラ5とを備え、制御器4は、カメラ5を用いた画像取得及び画像解析手段と、工具位置ないしテーブル回転角の補正手段とを備えている。
【0011】
画像取得手段は、テーブル12にワークwが搬入されたとき、カメラ5で当該ワークの第1の角部Aの画像(a)を取得し、次にテーブル12を180度回動して同一のカメラ5で第2の角部Bの画像(b)を取得する。画像解析手段は、得られた2枚の画像のそれぞれについて、ワークwの第1の角部A及び第2の角部Bのあるべき位置からの2次元平面上での偏差δxa、δya、δxb、δybを検出し、制御器4は、それらの偏差から、テーブル中心Pに対するワークwの中心Qの位置偏倚Δx、Δy及び角度偏倚Δθを演算する。
【0012】
カメラの画像上における第1の角部A及び第2の角部Bの位置偏差δx、δy(直角座標系の場合)又はδr、δθ(極座標系の場合)は、角部にマークMa、Mbを設けられているワークは、それらのマークMa、Mbのあるべき位置Moからの偏差で検出する。このようなマークが設けられていないワークは、ハフ変換などの手法により、ワークの角の両側の境界線a1、a2、b1、b2を検出し、その交点Ca、Cbのあるべき位置Coから偏差を検出する。また、角部に大きなアールが設けられているワークは、円弧についてのハフ変換などの手法により、ワークの角の円弧の中心Oa、Obを求め、そのあるべき位置Ooから偏差を検出する。
【0013】
工具位置補正手段は、得られた角度偏倚Δθに基づいて、テーブル12の回転角の指令値を補正する。また、工具位置補正手段は、ワークwの位置偏倚Δx、Δy又はΔr、Δθに基づいて、加工プログラムで指定される加工形状を実現するための工具位置の指令値を補正する。
【0014】
この発明は、A4サイズやB5サイズなどの中型の液晶パネルの周縁を加工する加工装置に特に好適である。中型の液晶パネルは、図10のような従来方式でテーブル12上のワークwの偏倚を検出するにはワーク寸法が小さすぎ、また、テーブル12上への個々のワークwの搬入誤差を補正しないで加工を行うには、ワーク寸法が大きすぎて、搬入誤差による加工不良品の発生が多くなる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、テーブル上に搬入されたワーク1個毎の位置偏倚と角度偏倚との両方を、1個のカメラでかつテーブルを180度回転させるだけの動作で検出することができ、その検出値に基づいてワーク1個毎に制御器から出力される指令値を補正して加工を行うことができる。そして、ワークの位置検出のためにテーブルやカメラを移動させる必要がないので、装置の設置面積ないし動作領域を増大させることがない。
【0016】
またこの発明では、1個のカメラでワークの位置及び角度の偏倚を検出できるので、装置構造が簡単になり装置を安価に提供できる。特に中型以上の表示パネルの周縁をコンタリング方式で加工する周縁加工装置では、この発明を採用することにより、省スペースでワークの1枚毎の搬入誤差を速やかに検出して、効率よく加工を行うことが可能な、設置面積及び動作面積が小さく、構造が簡単で部品点数も少ない周縁加工装置を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】周縁加工装置の模式的な側面図
【図2】図1の装置の主要な機器配置を示す平面図
【図3】コンタリング方式の加工を示す説明図
【図4】図2の配置例におけるカメラの画像を模式的に示す図
【図5】角部にマークが付されているワークの図4と同様の図
【図6】角が円弧のワークの図4と同様な図
【図7】機器配置の第2例を示す平面図
【図8】図7の配置例におけるカメラの画像を模式的に示す図
【図9】ワーク位置の検出手順を示すフローチャート
【図10】大型ワークの周縁加工装置における従来のワークの偏倚検出を示す模式的な斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照してこの発明の周縁加工装置の実施形態を説明する。図1は周縁加工装置の模式的な側面図、図2は機器配置を示す平面図である。
【0019】
図において、ワーク軸1は、鉛直方向の中空軸で、フレームに軸受11で回転自在に軸支されている。ワーク軸1の上端には、テーブル12が固定されており、このテーブルの上面は、水平なワーク保持面13となっている。ワーク保持面13には、ワーク軸1の中空孔を通して負圧が供給されており、ワーク保持面13に載せたワークwは、下面を真空吸着されてテーブル12に固定される。ワーク軸1の下端には、主軸モータ(サーボモータ)15が連結されている。主軸モータ15は、サーボアンプ41を介して制御器4に接続され、制御器4の指令によってワーク軸1の回転角が制御されている。
【0020】
ワーク軸1の上方には、横送り台21が設けられている。横送り台21は、図示しないフレームに設けた水平方向の横ガイドに移動自在に案内され、横送りモータ(サーボモータ)23で回転駆動される横送りねじ24に螺合している。横送りモータ23は、サーボアンプ42を介して制御器4に接続されており、横送り台21の移動位置が制御器4によって制御されている。
【0021】
横送り台21には、縦送り台25が設けられている。縦送り台25は、横送り台21に固定した鉛直方向、すなわちワーク軸1と平行な方向の縦ガイド(図示されていない)に移動自在に装着され、縦送りモータ26で回転駆動される縦送りねじ27に螺合している。
【0022】
縦送り台25には、砥石軸31が軸支され、この砥石軸の下端に砥石3が装着されている。砥石軸31は、鉛直方向の軸受け32でワーク軸1と平行に軸支されている。砥石軸31の上端は、歯付ベルト33を介して砥石駆動モータ34に連結されている。
【0023】
ワーク軸1の軸心及び砥石軸31の軸心は、横送り台21の移動方向と平行な同一鉛直面s上に位置している。図3は、コンタリング方式によるワークwの外周加工を模式的に示した図で、制御器4で横送り台21の移動量xとワーク軸1の回転角θとを関連付けて制御することにより、所望の平面形状の周縁加工を行う。なお図には示してないが、ワークに貫通孔や内径加工を行う装置では、縦送り台25に、砥石3に対して相対昇降可能な小径の砥石を設けて、貫通孔や内径加工を行う。
【0024】
横送り台21には、テーブル12上のワークの角部A、Bの画像を取得するカメラ5が装着されている。図1、2の例では、カメラ5は、横送り台21にY方向(図1の紙面直角方向)に移動位置決めされる移動台51を介して横送り台21に装着されている。移動台51は、移動モータ52で駆動される送りねじ53に螺合しており、移動モータ52は、サーボアンプ43を介して制御器4に接続されている。
【0025】
搬入されるワークの大きさやそれに付されたマークの位置は分かっているから、テーブル12上に搬入されたワークwの角やマークのあるべき位置は、演算によって求めることができる。制御器4で横送りモータ23と移動モータ52を制御することにより、カメラ5が取得する画像の原点をワークwの角部A、Bのあるべき検出位置Mo、Co、Ooに正確に位置決めすることができる。また、カメラ5は、例えば20mm×25mm程度の撮影領域を備えており、テーブル12上に固定されたワークの偏倚量は、このカメラの撮影領域に比べて十分に小さい。従って、偏倚した状態でテーブルに固定されたワークの角部A、Bは、このカメラの撮影領域内に入っている。
【0026】
図4は、カメラが取得した画像の例を示した図で、画像上におけるワークの境界線の交点からワークの角を検出する場合のものである。ワークwがテーブル12に固定された後、当該ワークのあるべき角の位置に原点Coを位置決めしたカメラ5でワークの第1の角部Aの画像を取得する。取得した画像は、例えば図4の(a)のようになる。
【0027】
次にカメラ5の位置を固定したままテーブル12を180度回転して、ワークwの第2の角部Bの画像を取得する。この画像は、例えば図4の(b)のようになる。画像(a)、(b)のそれぞれの直交する2本の線分a1、a2、b1、b2上の任意の2点についてハフ変換の方法などにより、線分a1、a2、b1、b2及びその交点Ca、Cbの画像上での座標を取得できる。そして、交点Ca、Cbの原点Co(テーブル上にワークが正確に置かれたときの交点Ca、Cbの位置)からのX方向の及びY方向の座標(偏倚)δxa、δya、δxb、δybから、テーブル12の中心Pとワークwの中心QとのX方向及びY方向の画像上での偏倚量を検出することができる。
【0028】
画像上での偏倚量と実際の偏倚量との比は、例えばNC装置で横送り台21を1mm移動したときの画像上での点Ca又はCbの移動量を検出することによって設定できる。そこでこれらの4個の偏倚量の検出値δxa、δya、δxb、δybから、幾何学の原理から導かれる演算式を用いて、テーブル12上でのワークwの位置偏倚量Δx、Δy及び角度偏倚量Δθを求めることができる。
【0029】
図4は、角部A、Bの2直線の交点Ca、Cbから各角部のあるべき位置Coからの偏差を検出する例であるが、例えば、ワークの角部にマークMが付されているときは、当該マークの画像Ma、Mbとそれらのマークが本来あるべき位置Moとの偏差を検出すれば良く(図5)、また、ワークの角部に大きなアールが取られているときは、円弧についてのハフ変換などにより求めた当該円弧の式からその中心Oa、Obを求め、そのあるべき位置Ooからの偏差を検出して(図6)、同様な手順により、テーブル12上に搬入された個々のワークwの位置偏差及び角度偏差を演算することができる。
【0030】
以上の例は、テーブル12を原点角度にしてカメラ5をX方向及びY方向に移動することによって、ワークの大きさによって変わる角部の位置にカメラを移動して、当該角部の画像を取得するものであるが、カメラを横送り台21の定位置に固定して大きさの異なるワークの角部の画像を取得することも可能である。
【0031】
図7及び8は、その例を示した図で、カメラ5は、横送り台21の定位置(図の例では、砥石軸31の軸心とワーク軸1の軸心を含む平面s上の位置)に固定的に設けられている。この構造の場合、テーブル12にワークwが搬入された状態では、ワークの角部は、カメラ5の撮影領域には入らない。そこで、ワークをテーブル12に固定した後、予め分かっているワークの対角寸法Lの1/2だけテーブル中心Pから離れた位置にカメラ5が来るように横送り台21を移動し、かつその対角線のX軸に対する角度αだけテーブル12を回転して、第1の角部Aがカメラ5の撮影領域に入るようにする。そして、カメラ5で第1の角部Aの画像を取得し、次にテーブル12を180度回動することにより、ワークの第2の角部Bがカメラ5の撮影領域に来るから、第2の角部Bの画像を取得する。
【0032】
そこで得られた画像から図4の場合と同様に、交点ないし角の円弧中心を求め、これらの点のあるべき位置からの偏差(ワークがαだけ斜めになった状態での)δxa、δya、δxb、δybを求める。これらの値とテーブルの角度αから、テーブル12とワークwの位置及び角度偏差Δx、Δy、Δθを求めることができる。
【0033】
上述したワークの偏倚量Δx、Δy、Δθの検出は、ワークwがテーブル12に搬入される毎に行われ、ワーク毎に得られた補正値を用いてワークの加工が行われる。図9は、その検出手順を示す図である。
【0034】
図に示すように、ワークwがテーブル12上に搬入されたら、送り台21及び移動台51の移動(図2の構造の場合)又は送り台21の移動及びテーブル12の回転により(図7の場合)、カメラ5を計測点に移動し、第1の角部Aの画像を取得する。次にワーク軸1を180度回転して第2の角部Bの画像を取得する。そしてステップ71で、取得した2枚の画像より、工具の送り装置23やワーク軸の旋回駆動装置15に与える指令値の補正値を演算する。そしてステップ72で、演算結果、すなわち指令値の補正量が予め制御器に登録した規定範囲内にあるかどうかが判定され、規定範囲内であれば補正値を制御器に登録して終了し、次の工程であるワークの加工工程に移行する。
【0035】
もし、ステップ72の演算結果が規定範囲から外れていれば、更にステップ73で、制御器に予め設定した測定のリトライ条件、例えばリトライの回数や演算結果の範囲などについてのリトライ条件に合致するかどうかを調べ、合致していれば第1の角部の画像取得から始まる検出手続を再度行う。この場合には、例えばワークの周縁にカケがあったために1回目の演算結果が規定範囲から外れた場合など、この測定のリトライによって正しい補正値を得ることができる。測定のリトライ条件、例えばリトライ回数が設定したリトライ回数を超えたか、リトライ時の演算結果がやはり規定範囲から外れているとかの場合には、画像処理による補正処理の失敗フラグをオンにして検出手続を終了する。この場合には、通常、次工程の加工を行わないで、搬入されたワークを加工することなく装置から排出する。
【符号の説明】
【0036】
1 ワーク軸
3 砥石
4 制御器
5 カメラ
12 テーブル
15 主軸モータ
21 横送り台
23 送り装置(横送りモータ)
A,B ワークの角部
a1,a2,b1,b2 ワークの境界線
Ca,Cb 境界線の交点
Ma,Mb 位置決めマーク
Oa,Ob 角の円弧中心
P テーブルの中心
Q ワークの中心
w ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のワークを水平に保持して鉛直軸回りに回転する旋回テーブルと、
前記ワークの周縁を加工する工具と、
制御器からの指令値に基づいて前記工具の位置を制御する送り装置と、
ワークの角部の画像を撮影する1個のカメラと、
画像取得及び解析手段と、工具位置補正手段とを備え、
画像取得手段は、前記カメラを予め定められたワークの角部を撮影する位置に設定し、旋回テーブルにワークが搬入されたときに当該カメラで第1の画像を取得し、次に旋回テーブルを180度回動して前記カメラで第2の画像を取得し、
画像解析手段は、第1の画像及び第2の画像について、撮影されたワークの角部の位置とそれが本来あるべき位置との偏差を検出し、その検出値からテーブル上でのワークの位置偏倚と角度偏倚とを演算し、
工具位置補正手段は、検出された位置偏倚及び角度偏倚に基づいて前記送り装置に与える指令値を補正する、
硬質脆性板の周縁加工装置。
【請求項2】
板状のワークを水平に保持して鉛直軸回りに回転する旋回テーブルと、
制御器からの指令値に基づいて当該旋回テーブルの回転及び回転角を制御する旋回駆動装置と、
前記ワークの周縁を加工する工具と、
前記制御器からの指令値に基づいて前記工具を前記鉛直軸に近接離隔する方向の移動及び位置を制御する送り装置と、
ワークの角部の画像を撮影する1個のカメラと、
画像取得及び解析手段と、工具位置補正手段とを備え、
画像取得手段は、前記カメラを予め定められたワークの角部を撮影する位置に設定し、旋回テーブルにワークが搬入されたときに当該カメラで第1の画像を取得し、次に旋回テーブルを180度回動して前記カメラで第2の画像を取得し、
画像解析手段は、第1の画像及び第2の画像について、撮影されたワークの角部の位置とそれが本来あるべき位置との偏差を検出し、その検出値からテーブル上でのワークの位置偏倚と角度偏倚とを演算し、
工具位置補正手段は、検出された位置偏倚及び角度偏倚に基づいて前記送り装置及び旋回駆動装置に与える指令値を補正する、
硬質脆性板の周縁加工装置。
【請求項3】
ガラス基板を負圧により吸着固定したテーブルの鉛直軸回りの回転角と、当該テーブルの回転中心に向けて接近及び離隔する回転砥石の1次元方向の移動とを関連付けて制御することにより、前記ガラス基板に自由形状の周縁加工を行う、請求項2記載の周縁加工装置。
【請求項4】
前記テーブルが、A4ないしB5サイズのガラス基板をその全周が当該テーブルの縁からはみ出した状態で保持する平面寸法を備えたテーブルである、請求項3記載の周縁加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−35089(P2013−35089A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171757(P2011−171757)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000212566)中村留精密工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】