説明

磁気スケール

【課題】磁性部材を確実に保護し耐久性を向上する上で有利な磁気スケールを提供する。
【解決手段】磁気スケール10は、パイプ材20と、磁性部材30とを備えている。パイプ材20は、断面が円筒状を呈するパイプ材20で形成され、磁性部材30の磁力に磁性的に影響を与えない材料で形成されている。磁性部材30は、パイプ材20の内面22にパイプ材20の長手方向に沿って延在させて設けられている。磁性部材30は、着磁可能であり、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に一定のピッチで着磁されることによって磁気目盛りが形成されている。パイプ材20の内面22に対する磁性部材30の取着は、パイプ材20の内面22と磁性部材30の磁性部材30の外面32とが両面粘着テープで接着されることでなされ、磁性部材30の外面32がパイプ材20の内面34に密着している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置検出に用いられる磁気スケールに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタの印字ヘッドの位置検出を行うための位置検出装置として次のようなものが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この位置検出装置は、印字ヘッドをガイドする軸状のガイドシャフトの外周面にガイドシャフトの長手方向に沿って設けた磁気目盛りを備えた磁気スケールと、印字ヘッドと一体的に設けられ磁気目盛りの磁界の変化を検出することで検出信号を出力する磁気センサとを備えている。
そして、この位置検出装置では、前記検出信号に基づいてガイドシャフトの長手方向における印字ヘッドの位置を得るようにしている。
このような磁気スケールを用いた位置検出装置は、位置検出が必要な種々の工作機械やプリンタ、自動機械などに広く適用されている。
【特許文献1】特開昭62−226007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した位置検出装置では、磁気スケールの磁性部材が外方に露出していることから、例えば、工作機械などに取り付けた場合に、磁性部材に物が当たるなどして磁性部材が損傷したり、あるいは、磁性部材に切削液が付着して磁性部材が劣化したりするなどが懸念され、磁気スケールの耐久性を確保する上で不利があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、磁性部材を確実に保護し耐久性を向上する上で有利な磁気スケールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明の磁気スケールは、パイプ材と、前記パイプ材の内面に前記パイプ材の長手方向に沿って延在させて設けられた着磁可能な磁性部材とを備え、前記磁性部材はその延在方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された磁気目盛りが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、磁気目盛りが形成された磁性部材がパイプ材の内部に設けられているので、磁性部材をパイプ材によって保護でき、磁性部材に物があたって損傷したり、磁性部材に切削液が付着して磁性部材が劣化したりすることを防止でき、磁気スケールの耐久性を確保する上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
次に本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(A)は第1の実施の形態における磁気スケールの断面図、(B)は(A)のB矢視図である。
図2(A)は第1の実施の形態における磁気スケールを用いた位置検出装置100の構成図である。
図2(A)に示すように、位置検出装置100は、磁気スケール10と、磁気スケール10によってその延在方向に移動可能に案内される検出ヘッド40を備えている。
図1(A)、(B)に示すように、磁気スケール10は、パイプ材20と、磁性部材30とを備えている。
パイプ材20は断面が円筒の筒状に形成され、磁性部材30の磁力に磁性的に影響を与えない材料で形成されている。
本実施の形態では、パイプ材20の材料は、非磁性材料であるステンレス304(JIS)が用いられる。なお、パイプ材20の材料としては磁性部材30の磁力に磁性的に影響を与えなければ弱い磁性を有するものであってもよい。
【0007】
磁性部材30は、パイプ材20の内面22に該内面22に密着しつつパイプ材20の長手方向に沿って延在して設けられている。
磁性部材30は帯板状に形成され、磁性部材30はパイプ材20の内面22に密着される外面32と、パイプ材20の内部空間に臨む内面34とを有している。
本実施の形態では、磁性部材30は、パイプ材20の内面22の周方向における一部に取着されてパイプ材20の長手方向に沿って直線状に延在している。
磁性部材30は、着磁可能であり、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に一定のピッチで着磁されることによって磁気目盛りが形成されている。言い換えると、磁性部材30には、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に変化する周期的信号を含む磁気目盛りが形成されている。さらに言い換えると、磁性部材30には、その延在方向に沿ってN極とS極が交互に変化する周期的な磁気パターンが記録されている。
磁性部材30は、本実施の形態では弾性材料としてのゴム磁石で形成されている。
パイプ材20の内面22に対する磁性部材30の取着は、パイプ材20の内面22と磁性部材30の磁性部材30の外面32とが両面粘着テープで接着されることでなされ、磁性部材30の外面32がパイプ材20の内面22に密着している。
なお、両面粘着テープに代えて接着剤を用いるようにしてもよい。
【0008】
磁性部材30に対する着磁、すなわち磁気目盛りの形成は、専用の着磁装置を用いてなされる。
着磁装置は、磁気ヘッドと、磁気ヘッドに駆動電流を供給することで磁気ヘッドから磁界を発生させる駆動回路とを有している。
前記着磁装置は、前記磁気ヘッドを磁性部材30に臨ませた状態で、磁気ヘッドを磁気部材30の長手方向に沿って相対的に移動させつつ、磁気ヘッドから磁性部材30に磁界を与えることで磁性部材30に一定ピッチのN極とS極を着磁し磁気目盛りを形成する。
なお、磁性部材30に対する磁気目盛りの形成は、磁性部材30をパイプ材20のパイプ材20の内面22に取着した後、パイプ材20のパイプ材20の外面に磁気ヘッドを臨ませ、パイプ材20を通して前記磁界を与えることによって行ってもよいし、磁性部材30をパイプ材20に取着する前に磁性部材30単体に磁気ヘッドを直接臨ませて行っても良い。
ただし、磁性部材30をパイプ材20のパイプ材20の内面22に取着してから磁気目盛りを形成した場合には、磁性部材30の内面22に対する取り付け誤差や、パイプ材20の変形が磁性部材30のN極とS極のピッチに与える影響を除くことができるため、磁性部材30を単体で着磁して磁気目盛りを形成する場合に比較して、磁気目盛りの精度を確保でき検出ヘッド40(図2参照)によって検出信号を精度よく検出する上で有利である。
【0009】
図2(A)に示すように、検出ヘッド40は、スライドベース42と、磁気センサ44を備えている。
スライドベース42は、パイプ材20が挿通される軸受けを有し、その軸受けを介してパイプ材20の延在方向にスライド可能に支持されている。
磁気センサ44は、スライドベース42に組み込まれ、磁気スケール10の磁性部材30に一定の間隔をおいて対面するように配置されている。
磁気センサ44は、磁界を検出して磁界の強度に応じた検出信号を出力するものであり、本実施の形態では磁気抵抗素子(MRセンサ)が用いられている。磁気抵抗素子は、その磁気抵抗素子に与えられる磁界の変化に応じて電気抵抗が変化するものである。
したがって、検出ヘッド40がパイプ材20の延在方向に沿って移動しつつ磁気目盛りを検出すると、磁気センサ44から周期的に増減する(例えば正弦波状に変換する)検出信号を得ることができる。
このような検出信号を磁気センサ44からリード線46を介して従来公知の検出回路に供給することでこの検出回路により検出ヘッド40の磁気スケール10に対する相対的変位量が検出される。
【0010】
本実施の形態の磁気スケール10によれば、磁気目盛りが形成された磁性部材30がパイプ材20の内部に設けられているので、磁性部材30をパイプ材20によって保護でき、磁性部材30に物があたって損傷したり、磁性部材30に切削液が付着して磁性部材30が劣化したりすることを防止でき、磁気スケール10の耐久性を確保する上で有利となる。
また、パイプ材20の内面22に磁性部材30を設けるといった簡単な構造で磁気スケース10を構成することができるので、磁性部材30を支持するための支持部材を別に設ける必要がないので、コストを削減でき小型化を図る上で有利となる。
また、本実施の形態のように、位置検出装置100として磁気スケール10を用いた場合には、パイプ材20を、検出ヘッド40をスライド可能に支持する案内部材として使用できるため、案内部材を別に設ける場合に比較してコストを削減でき小型化を図る上で有利となる。
なお、本発明の磁気スケール10は、図2(A)のように、検出ヘッド40がパイプ材20に組み込まれた組み込みタイプの位置検出装置100に限られるものではなく、図2(B)に示すように、検出ヘッド40がパイプ材20によってスライド可能に支持されておらずパイプ材20から分離して設けられる、いわゆるセパレートタイプの位置検出装置100にも適用可能である。
【0011】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図3(A)は第2の実施の形態における磁気スケールの断面図である。なお、以下では、第1の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付して説明する。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは磁性部材30の形状である。
図3(A)に示すように、磁性部材30は、パイプ材20の内部空間を閉塞する断面で棒状に形成されている。
具体的には、磁性部材30は、パイプ材20の内面22で形成される円柱状の内部空間を閉塞する断面が正円の棒状をなす円柱体として形成され、円柱体の外径はパイプ材20の内径よりも僅かに小さい寸法で形成されている。
磁性部材30は、その外面32がパイプ材20の内面22に密着して取着され、パイプ材20の長手方向に沿って直線状に延在している。
磁性部材30は、第1の実施の形態と同様に、磁性部材30は、着磁可能であり、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に一定のピッチで着磁されることによって磁気目盛りが形成され、弾性材料としてのゴム磁石で形成されている。
また、磁性部材30に対する着磁、すなわち磁気目盛の形成は第1の実施の形態と同様の着磁装置を用いて行うことができる。
パイプ材20の内面22に対する磁性部材30の取着は、パイプ材20の内面22と磁性部材30の外面32とが接着剤で接着されることでなされている。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することは無論のこと、第1の実施の形態に比べて磁気スケール10の単位長さ当たりにおける磁性部材30の体積を増やすことができるため、磁性部材30の磁界強度を高めることによりパイプ材20の外面における表面磁束密度を高める上で有利であり、検出ヘッド40の磁気センサ44で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
また、第2の実施の形態では、磁性部材30の磁界がパイプ材20の中心軸回りの全域に均一に発生するため、パイプ材20の中心軸回りのどの位置に検出ヘッド40の磁気センサ44を配置しても検出信号を検出することができ、磁気スケール10と検出ヘッド40の配置の自由度を確保する上で有利となる。
【0012】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
図3(B)は第3の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは磁性部材30の形状である。
図3(B)に示すように、磁性部材30は、その断面がパイプ材20の内面22の全域に取着される円筒の筒状を呈している。
具体的には、磁性部材30は、外径がパイプ材20の内径よりも僅かに小さい寸法で形成された円筒壁として形成され、その外面32がパイプ材20の内面22に密着して取着され、パイプ材20の長手方向に沿って直線状に延在している。
磁性部材30は、第1の実施の形態と同様に、磁性部材30は、着磁可能であり、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に一定のピッチで着磁されることによって磁気目盛りが形成され、弾性材料としてのゴム磁石で形成されている。
また、磁性部材30に対する着磁、すなわち磁気目盛の形成は第1の実施の形態と同様の着磁装置を用いて行うことができる。
パイプ材20の内面22に対する磁性部材30の取着は、パイプ材20の内面22と円筒壁の外面32とが接着剤で接着されることでなされている。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することは無論のこと、第2の実施の形態と同様に、磁性部材30の磁界がパイプ材20の中心軸回りの全域に均一に発生するため、パイプ材20の中心軸回りのどの位置に検出ヘッド40の磁気センサ44を配置しても検出信号を検出することができ、磁気スケール10と検出ヘッド40の配置の自由度を確保する上で有利となる。
【0013】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
図3(C)は第4の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第4の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは磁性部材30の形状である。
図3(C)に示すように、磁性部材30は、パイプ材20の内面22の周方向における一部に取着されてパイプ材20の長手方向に沿って直線状に延在している。
具体的には、磁性部材30は、パイプ材20の断面の半部を閉塞する半円柱状に形成され、半円筒面からなる外面32がパイプ材20の内面22に密着して取着され、パイプ材20の長手方向に沿って直線状に延在している。
磁性部材30は、着磁可能であり、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に一定のピッチで着磁されることによって磁気目盛りが形成され、弾性材料としてのゴム磁石で形成されている。
また、磁性部材30に対する着磁、すなわち磁気目盛の形成は第1の実施の形態と同様の着磁装置を用いて行うことができる。
パイプ材20の内面22に対する磁性部材30の取着は、パイプ材20の内面22と磁性部材30の外面32とが接着剤で接着されることでなされている。
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することは無論のこと、第2の実施の形態と同様に、第1の実施の形態に比べて磁気スケール10の単位長さ当たりにおける磁性部材30の体積を増やすことができるため、磁性部材30の磁界強度を高めることによりパイプ材20のパイプ材20の外面における表面磁束密度を高める上で有利であり、検出ヘッド40の磁気センサ44で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
【0014】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。
図3(D)は第5の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第5の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは磁性部材30の取り付け構造である。
図3(D)に示すように、パイプ材20の内面22の周方向における一部にパイプ材20の長手方向に沿って直線状に延在する凹溝24が設けられている。
磁性部材30は凹溝24に嵌め込まれ、磁性部材30の外面32がパイプ材20の凹溝24の底面2402に密着して取着され、パイプ材20の長手方向に沿って直線状に延在している。
磁性部材30は、着磁可能であり、その延在方向に沿ってN極とS極とが交互に一定のピッチで着磁されることによって磁気目盛りが形成され、弾性材料としてのゴム磁石で形成されている。
また、磁性部材30に対する着磁、すなわち磁気目盛の形成は第1の実施の形態と同様の着磁装置を用いて行うことができる。
パイプ材20の凹溝24の底面2402に対する磁性部材30の取着は、凹溝24の底面2402と磁性部材30の外面32とが接着剤で接着されることでなされる。
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することは無論のこと、磁性部材30をパイプ材20の内面22の凹溝24に嵌め込んだので磁性部材30の外面32とパイプ材20の外面との間の寸法を短縮することができ、これにより、パイプ材20のパイプ材20の外面における表面磁束密度を高める上で有利であり、検出ヘッド40の磁気センサ44で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
特に、パイプ材20の強度を確保するためにパイプ材20の肉厚を大きくした場合であっても、検出ヘッド40の磁気センサ44で検出する検出信号の電圧レベルを確保する上で有利となる。
【0015】
(第6の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。
図3(E)は第6の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第6の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのはパイプ材20の形状である。
図3(E)に示すように、パイプ材20の周方向における一部にパイプ材20の厚さ方向に貫通し長手方向に沿って直線状に延在する切り欠き26が設けられている。
すなわち、パイプ材20の内部と外部とが切り欠き26によって接続されている。
このようにパイプ材20に切り欠き26が設けられていても、第1の実施の形態と同様の効果を奏することは無論である。
【0016】
(第7の実施の形態)
次に第7の実施の形態について説明する。
図4(A)は第7の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第7の実施の形態は、パイプ材20が、断面が矩形枠の筒状に形成されている点が第1の実施の形態と異なり、磁性部材30はパイプ材20の一辺の内面22に密着して設けられており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
このような第7の実施の形態によれば第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0017】
(第8の実施の形態)
次に第8の実施の形態について説明する。
図4(B)は第8の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第8の実施の形態は、パイプ材20が断面が矩形枠の筒状に形成され、磁性部材30がパイプ20の内部空間を閉塞する断面が矩形の柱体として形成されている点が第2の実施の形態と異なり、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
このような第8の実施の形態によれば第2の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0018】
(第9の実施の形態)
次に第9の実施の形態について説明する。
図4(C)は第9の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第9の実施の形態は、パイプ材20が断面が矩形枠の筒状に形成され、磁性部材30は、その断面がパイプ材20の内面22の全域に取着される断面が矩形枠の筒状を呈している点が第3の実施の形態と異なり、その他の構成は第3の実施の形態と同様である。
このような第9の実施の形態によれば第3の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0019】
(第10の実施の形態)
次に第10の実施の形態について説明する。
図4(D)は第10の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第10の実施の形態は、パイプ材20が断面が矩形枠の筒状に形成され、磁性部材30は、パイプ材20の断面の約半部を閉塞する断面が矩形の柱状に形成されている点が第4の実施の形態と異なり、その他の構成は第4の実施の形態と同様である。
このような第10の実施の形態によれば第4の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0020】
(第11の実施の形態)
次に第11の実施の形態について説明する。
図4(E)は第11の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
第11の実施の形態は、パイプ材20が断面が矩形枠の筒状に形成され、パイプ材20の一辺の内面22に軸方向に延在する凹溝24が設けられ、磁性部材30はこの凹溝24に嵌め込まれ、凹溝24の底面2402に密着して設けられている点が第5の実施の形態と異なり、その他の構成は第5の実施の形態と同様である。
このような第11の実施の形態によれば第5の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0021】
なお、各実施の形態では、磁性部材30としてゴム磁石を用いた場合について説明したが、磁性部材はこれに限定されるものではなく、例えば、プラスチック磁石、磁性体塗布材、希土類系磁性体、フェライト系磁性体など着磁可能なものであればよい。
また、各実施の形態では、磁性部材30を両面粘着テープや接着剤を用いてパイプ材20に取着する場合について説明したが、粉状の磁性材料をパイプ材20の内部に流し込んで所望の形状に成形することで磁性部材30を得るようにしてもよいことは無論である。
また、各実施の形態では、パイプ材20の断面が円筒や矩形枠の場合について説明したが、パイプ材20の断面として中空の長円や多角形枠など様々な中空断面形状を採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(A)は第1の実施の形態における磁気スケールの断面図、(B)は(A)のB矢視図である。
【図2】(A)は第1の実施の形態における磁気スケールを用いた検出ヘッド組み込みタイプの位置検出装置100の構成図、(B)は第1の実施の形態における磁気スケールを用いたセパレートタイプの位置検出装置100の構成図である。
【図3】(A)は第2の実施の形態における磁気スケールの断面図、(B)は第3の実施の形態における磁気スケールの断面図、(C)は第4の実施の形態における磁気スケールの断面図、(D)は第5の実施の形態における磁気スケールの断面図、(E)は第6の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
【図4】(A)は第7の実施の形態における磁気スケールの断面図、(B)は第8の実施の形態における磁気スケールの断面図、(C)は第9の実施の形態における磁気スケールの断面図、(D)は第10の実施の形態における磁気スケールの断面図、(E)は第11の実施の形態における磁気スケールの断面図である。
【符号の説明】
【0023】
10……磁気スケール、20……パイプ材、30……磁性部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ材と、
前記パイプ材の内面に該内面に密着しつつ前記パイプ材の長手方向に沿って延在して設けられた着磁可能な磁性部材とを備え、
前記磁性部材にその延在方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁された磁気目盛りが形成されている、
ことを特徴とする磁気スケール。
【請求項2】
前記パイプ材は、前記磁性部材の磁力に磁性的に影響を与えない材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項3】
前記パイプ材は、非磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項4】
前記磁性部材は前記パイプ材の内面に両面粘着テープを介して取着されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項5】
前記磁性部材は帯板状を呈し、前記パイプ材の内面の周方向における一部に前記パイプ材の長手方向に沿って直線状に延在していることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項6】
前記磁性部材は、前記パイプ材の内部空間を閉塞する断面で棒状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項7】
前記パイプ材は筒状を呈し、前記磁性部材は、その断面が前記パイプ材の内面の全域に取着される筒状を呈していることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項8】
前記パイプ材は筒状を呈し、前記パイプ材の内面の周方向における一部に前記パイプ材の長手方向に沿って直線状に延在する凹溝が設けられ、前記磁性部材は帯板状を呈し前記凹溝に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項9】
前記パイプ材は筒状を呈し、前記磁性部材は、前記パイプ材の断面の半部を閉塞する柱状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。
【請求項10】
前記磁性部材は弾性材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気スケール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−275680(P2006−275680A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93611(P2005−93611)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】