説明

磁気記録媒体の製造方法および装置

【課題】 塗布ヘッドに磁性塗布液を供給するポンプの圧力変動をモニターし、形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたか否かを、リアルタイムで検出することができ、磁気記録媒体の製造得率を向上させることができる磁気記録媒体の製造方法および装置を提供する。
【解決手段】 連続的に走行しているウェブ4の表面に、エクストルージョン型塗布ヘッド1によって、磁性塗布液を塗布して、磁気記録媒体を製造する方法において、ポンプ3から供給される磁性塗布液の圧力を、圧力センサ10によって検出して、圧力検出信号を生成し、増幅器11によって、圧力検出信号を増幅し、増幅された圧力検出信号から、バンドパスフィルタ12によって、所定の周波数帯域の圧力変動信号を抽出し、得られた圧力変動信号を直流信号に変換し、直流信号に変換された圧力変動信号としきい値とを比較し、圧力変動信号がしきい値を超えているときに、アラームを発することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体の製造方法および装置に関するものであり、さらに詳細には、塗布ヘッドに磁性塗布液を供給するポンプの圧力変動をモニターし、形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたか否かを、リアルタイムで検出することができ、磁気記録媒体の製造得率を向上させることができる磁気記録媒体の製造方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気テープなどの磁気記録媒体を製造するにあたっては、通常、エクストルージョン型塗布ヘッドなどの塗布ヘッドによって、磁性塗布液がウェブ上に塗布されて、磁性塗膜が形成される。
【0003】
しかしながら、塗布ヘッドを用いて、ウェブ上に磁性塗膜を形成する場合、磁性塗布液を供給するポンプの圧力が脈動し、ウェブ上に形成された磁性塗膜の厚さが変動することが知られている。
【0004】
かかる磁性塗膜の厚さの変動は、最終製品である磁気記録媒体の品質に大きな影響を与え、磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えた場合には、不良品として、回収することが必要で、収率が低下するという問題がある。
【0005】
したがって、従来から、磁性塗布液を供給するポンプの圧力が脈動しても、磁性磁性塗膜の厚さの変動を最小限に抑制するため、磁性塗布液を、塗布に先立って、容積の大きいチャンバー内に供給して、ポンプの圧力変動を吸収し、あるいは、ポンプとエクストルージョンダイとの間に、濾過装置と密閉式タンクを備えた脈動除去装置を配置することが提案されている(特開平5−31434号公報参照)。
【特許文献1】特開平5−31434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような方法によっても、磁性塗布液を供給するポンプの圧力が脈動した場合に、磁性塗膜の厚さの変動を許容値内に抑制することはきわめて困難で、製品の製造得率を向上させることには限界があり、また、塗布後に、磁性塗膜の厚さを測定し、不良品を取り除く場合には、抜き取り検査であっても、膨大な労力を必要とするため、すべての不良品を取り除くことは不可能であるという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、塗布ヘッドに磁性塗布液を供給するポンプの圧力変動をモニターし、形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたか否かを、リアルタイムで検出することができ、磁気記録媒体の製造得率を向上させることができる磁気記録媒体の製造方法および装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のかかる目的は、連続的に走行しているウェブの表面に、塗布ヘッドによって、磁性塗布液を塗布して、磁気記録媒体を製造する方法において、ポンプから供給される前記磁性塗布液の圧力を、圧力センサによって検出して、圧力検出信号を生成し、増幅器によって、前記圧力検出信号を増幅し、バンドパスフィルタによって、増幅された前記圧力検出信号から、所定の周波数帯域の圧力変動信号を抽出し、得られた前記圧力変動信号を直流信号に変換し、直流信号に変換された前記圧力変動信号としきい値とを比較し、前記圧力変動信号が前記しきい値を超えているときに、アラームを発することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法によって達成される。
【0009】
本発明によれば、圧力センサが検出したポンプの圧力変動信号がしきい値を超え、ウェブの表面上に形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたときに、アラームが発せられるから、オペレータは、ウェブの表面上に形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたことを、リアルタイムで認識することができ、ただちに、必要な措置を講ずることが可能になるから、塗布後に、多大な労力をかけて、磁性塗膜の厚さを測定し、不良品を取り除くことなく、すべての不良品を取り除くことが可能になり、製品の製造得率を向上させることが可能になる。
【0010】
本発明の好ましい実施態様においては、さらに、直流信号に変換された前記圧力変動信号をチャート化して、記録するように構成されている。
【0011】
本発明の好ましい実施態様によれば、直流信号に変換された圧力変動信号をチャート化して、記録するように構成されているから、塗布中に、ポンプの圧力が大きく変動し、磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたときは、塗布の完了後に、チャート化されて記録された圧力変動信号の変化を解析することによって、ポンプの圧力変動の原因を解明し、ポンプの脈動の防止を図ることが可能になる。
【0012】
本発明の好ましい実施態様においては、前記塗布ヘッドとして、エクストルージョン型塗布ヘッドが用いられている。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記圧力センサが、1.5m/sec以下のサンプリング周期を有している。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記圧力センサが、0.1m/sec以下のサンプリング周期を有している。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記増幅器が、10倍以上の増幅率を有している。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記増幅器が、50倍以上の増幅率を有している。
【0017】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記バンドパスフィルタが、約100Hzないし約300Hzの周波数帯域の前記圧力変動信号を抽出するように構成されている。
【0018】
本発明の前記目的はまた、塗布ヘッドと、前記塗布ヘッドに磁性塗布液を供給するポンプと、前記ポンプから前記塗布ヘッドに供給される前記磁性塗布液の流路に設けられ、前記磁性塗布液の圧力を検出して、圧力検出信号を生成するする圧力センサと、前記圧力センサによって生成された前記圧力検出信号を増幅する増幅器と、前記増幅器によって増幅された前記圧力検出信号から、所定の周波数帯域の圧力変動信号を抽出するバンドパスフィルタと、前記圧力変動信号を直流信号に変換するD/A変換器と、アラームを発するアラーム発生手段と、前記圧力センサ、前記増幅器、前記バンドパスフィルタ、前記D/A変換器および前記アラーム発生手段の動作を制御するとともに、前記D/A変換器によって直流信号に変換された前記圧力変動信号としきい値とを比較し、前記圧力変動信号が前記しきい値を超えているときに、前記アラーム発生手段に、アラームを発せさせるコントローラとを備えたことを特徴とする磁気記録媒体の製造装置によって達成される。
【0019】
本発明によれば、圧力センサが検出したポンプの圧力変動信号がしきい値を超え、ウェブの表面上に形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたときに、アラーム発生手段からアラームが発せられるから、オペレータは、ウェブの表面上に形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたことを、リアルタイムで認識することができ、ただちに、必要な措置を講ずることが可能になるから、塗布後に、多大な労力をかけて、磁性塗膜の厚さを測定し、不良品を取り除くことなく、すべての不良品を取り除くことが可能になり、製品の製造得率を向上させることが可能になる。
【0020】
本発明の好ましい実施態様においては、磁気記録媒体の製造装置は、さらに、前記D/A変換器によって直流信号に変換された前記圧力変動信号をチャート化して、記録するレコーダを備えている。
【0021】
本発明の好ましい実施態様によれば、レコーダによって、直流信号に変換された圧力変動信号がチャート化されて、記録されるように構成されているから、塗布中に、ポンプの圧力が大きく変動し、磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたときは、塗布の完了後に、レコーダによってチャート化されて記録された圧力変動信号の変化を解析することによって、ポンプの圧力変動の原因を解明し、ポンプの脈動の防止を図ることが可能になる。
【0022】
本発明の好ましい実施態様においては、前記塗布ヘッドが、エクストルージョン型塗布ヘッドによって構成されている。
【0023】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記圧力センサが、1.5m/sec以下のサンプリング周期を有している。
【0024】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記圧力センサが、0.1m/sec以下のサンプリング周期を有している。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記増幅器が、10倍以上の増幅率を有している。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記増幅器が、50倍以上の増幅率を有している。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記バンドパスフィルタが、約100Hzないし約300Hzの周波数帯域の前記圧力変動信号を抽出するように構成されている。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、塗布ヘッドに磁性塗布液を供給するポンプの圧力変動をモニターし、形成された磁性塗膜の厚さの変動が許容値を超えたか否かを、リアルタイムで検出することができ、磁気記録媒体の製造得率を向上させることができる磁気記録媒体の製造方法および装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0030】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる磁気テープの製造装置の概略図である。
【0031】
図1に示されるように、本実施態様にかかる磁気テープの製造装置は、エクストルージョン型塗布ヘッド1と、配管2を介して、エクストルージョン型塗布ヘッド1に磁性塗布液を供給するポンプ3を備え、磁性塗布液は、エクストルージョン型塗布ヘッド1によって、ウェブ4の表面上に塗布され、磁性塗膜5が形成されるように構成されている。
【0032】
図1に示されるように、本実施態様にかかる磁気テープの製造装置は、さらに、配管2に設けられ、ポンプ3から配管2を通じて供給される磁性塗布液の圧力を検出する圧力センサ10と、圧力センサ10によって検出された磁性塗布液の圧力を増幅する増幅器11と、交流電源のノイズの周波数帯域の信号を除去し、必要な周波数帯域の圧力変動信号のみを抽出するバンドパスフィルタ12と、バンドパスフィルタ12によって抽出された圧力変動信号を直流信号に変換するD/A変換器13と、D/A変換器13によって直流信号に変換された圧力変動信号をチャート化して、記録するレコーダ14と、アラームを発するアラーム発生器15と、圧力センサ10、増幅器11、バンドパスフィルタ12、D/A変換器13、レコーダ14およびアラーム発生器15の動作を制御するとともに、D/A変換器13によって直流信号に変換された圧力変動信号を、あらかじめ定められたしきい値と比較し、圧力変動信号がしきい値を超えたときに、アラーム発生器15にアラーム信号を出力するコントローラ16と、操作パネル17とを備えている。
【0033】
ここに、ポンプ3から、一定の圧力で、磁性塗布液がエクストルージョン型塗布ヘッド1に供給されているときは、ウェブ4の表面上に形成された磁性塗膜5の厚さは一定であるが、ポンプ1の圧力が変動すると、それにともなって、ウェブ4の表面上に形成された磁性塗膜5の厚さが変動する。したがって、本実施態様においては、しきい値は、磁性塗膜5の厚さの変動が許容値に達したときの圧力変動信号の値に設定され、このように、しきい値を設定し、D/A変換器13によって直流信号に変換された圧力変動信号と比較することにより、磁性塗膜5の厚さの変動が許容値を超えたか否かを、リアルタイムにモニターすることができる。
【0034】
本実施態様においては、圧力センサ10としては、1.5m/sec以下のサンプリング周期、好ましくは、0.1m/sec以下のサンプリング周期を有するものが用いられ、増幅器11としては、10倍以上の増幅率、好ましくは、50倍以上の増幅率を有するものが用いられている。バンドパスフィルタ12によって、抽出される圧力変動信号の周波数帯域は、ポンプ1の種類、容量、磁性塗布液の供給流量などに依存するが、たとえば、バンドパスフィルタ12によって、約100Hzないし約300Hzの周波数帯域の圧力変動信号が抽出される。
【0035】
以上のように構成された本実施態様にかかる磁気テープの製造装置は、以下のようにして、ポンプ1から、エクストルージョン型塗布ヘッド1に供給される磁性塗布液の圧力変動をモニターしつつ、磁性塗布液をウェブ4の表面上に塗布して、磁性塗膜5を形成する。
【0036】
搬送機構(図示せず)によって、ウェブ4の搬送が開始され、ウェブ4の搬送速度が定常状態に達すると、オペレータによって、まず、ポンプ1が作動されて、磁性塗布液がエクストルージョン型塗布ヘッド1に供給される。
【0037】
その結果、磁性塗布液が、連続的に走行しているウェブ4の表面に塗布され、磁性塗膜5が形成される。
【0038】
同時に、オペレータによって、圧力変動モニター開始信号が、操作パネル17に入力される。
【0039】
操作パネル17に入力された圧力変動モニター開始信号は、コントローラ16に出力され、コントローラ16は、圧力変動モニター開始信号を受けると、圧力センサ10、増幅器11、バンドパスフィルタ12、D/A変換器13、レコーダ14およびアラーム発生器15に、それぞれ、オン信号を出力して、これらを起動させる。
【0040】
その結果、ポンプ3から、配管2を通じて、エクストルージョン型塗布ヘッド1に供給される磁性塗布液の圧力が、圧力センサ10によって検出される。
【0041】
圧力センサ10によって検出された磁性塗布液の圧力信号は、増幅器11に出力され、10倍以上、好ましくは、50倍以上に増幅されて、バンドパスフィルタ12に送られる。
【0042】
増幅器11によって増幅された磁性塗布液の圧力信号が、バンドパスフィルタ12に入力されると、バンドパスフィルタ12によって、交流電源のノイズの周波数帯域の信号が除去され、モニターすべき周波数帯域の圧力変動信号のみが抽出される。バンドパスフィルタ12によって、抽出される圧力変動信号の周波数帯域は、ポンプ1の種類、容量、磁性塗布液の供給流量などに依存するが、たとえば、約100Hzないし約300Hzの周波数帯域の圧力変動信号が、バンドパスフィルタ12によって、抽出される。
【0043】
バンドパスフィルタ12によって抽出された圧力変動信号は、D/A変換器13に出力され、直流信号に変換される。
【0044】
D/A変換器13によって直流信号に変換された圧力変動信号は、レコーダ15に出力され、レコーダ15によって、チャート化されて、記録される。
【0045】
同時に、D/A変換器13によって直流信号に変換された圧力変動信号は、コントローラ16に出力され、コントローラ16によって、あらかじめ定められたしきい値と比較される。
【0046】
その結果、コントローラ16が、圧力変動信号がしきい値以下であると判定したときは、磁性塗膜5の厚さの変動は許容値以下であるから、コントローラ16は、何の信号も出力しない。
【0047】
したがって、引き続き、ポンプ3からエクストルージョン型塗布ヘッド1に、配管2を介して、磁性塗布液が送られ、磁性塗布液が、エクストルージョン型塗布ヘッド1によって、連続的に走行しているウェブ4の表面上に塗布され、磁性塗膜5が形成される。
【0048】
これに対して、コントローラ16が、圧力変動信号がしきい値を超えていると判定したときは、ポンプ3の圧力変動が大きく、磁性塗膜5の厚さの変動が許容値を超えていると認められるから、コントローラ16は、アラーム発生装置15にアラーム信号を出力して、アラームを発生させる。
【0049】
したがって、オペレータは、ただちに、磁性塗膜5の厚さの変動が許容値を超えた事実を認識することができ、塗布を中断して、不良箇所を取り除くなど、必要な措置を講ずることができる。
【0050】
必要な措置が講じられた後、塗布が再開され、同様にして、ポンプ1から、エクストルージョン型塗布ヘッド1に供給される磁性塗布液の圧力変動がモニターされつつ、磁性塗布液がウェブ4の表面上に塗布されて、磁性塗膜5が形成される。
【0051】
こうして、必要な長さのウェブ4の表面に、磁性塗膜5が形成されると、磁性塗布液の塗布が完了する。
【0052】
本実施態様においては、D/A変換器13によって直流信号に変換された圧力変動信号が、レコーダ14によって、チャート化されて、記録されているから、磁性塗膜5の厚さの変動が許容値を超えたときは、塗布の完了後に、チャート化されて記録された圧力変動信号の変化を解析することによって、ポンプ1の圧力変動の原因を解明し、今後の対策に役立てることが可能になる。
【0053】
以上のように、本実施態様によれば、ポンプ1の圧力変動に起因して、ウェブ4の表面上に形成された磁性塗膜5の厚さの変動が許容値を超えたことを、リアルタイムで検出し、ただちに、必要な措置を講ずることができるから、塗布完了後に、多大な労力をかけて、磁性塗膜5の厚さを測定し、不良品を取り除くことなく、すべての不良品を取り除くことが可能になり、製品の製造得率を向上させることが可能になる。
【0054】
また、本実施態様によれば、D/A変換器13によって直流信号に変換された圧力変動信号が、レコーダ14によって、チャート化されて、記録されているから、磁性塗膜5の厚さの変動が許容値を超えたときは、塗布完了後に、チャート化されて記録された圧力変動信号の変化を解析することによって、ポンプ1の圧力変動の原因を解明し、ポンプ1の脈動の防止を図ることが可能になる。
【0055】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0056】
たとえば、前記実施態様においては、エクストルージョン型塗布ヘッド1を用いて、磁性塗布液をウェブ4の表面上に塗布し、磁性塗膜5を形成しているが、エクストルージョン型塗布ヘッド1を用いることは必ずしも必要でなく、エクストルージョン型塗布ヘッド1以外の塗布ヘッドを用いて、磁性塗布液をウェブ4の表面上に塗布し、磁性塗膜5を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、エクストルージョン型塗布装置に設けられた本発明の好ましい実施態様にかかる塗布液供給用ポンプの圧力変動モニター装置の概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1 エクストルージョン型塗布ヘッド
2 配管
3 ポンプ
4 ウェブ
5 磁性塗膜
10 圧力センサ10
11 増幅器
12 バンドパスフィルタ
13 D/A変換器
14 レコーダ
15 アラーム発生器
16 コントローラ
17 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に走行しているウェブの表面に、塗布ヘッドによって、磁性塗布液を塗布して、磁気記録媒体を製造する方法において、ポンプから供給される前記磁性塗布液の圧力を、圧力センサによって検出して、圧力検出信号を生成し、増幅器によって、前記圧力検出信号を増幅し、バンドパスフィルタによって、増幅された前記圧力検出信号から、所定の周波数帯域の圧力変動信号を抽出し、得られた前記圧力変動信号を直流信号に変換し、直流信号に変換された前記圧力変動信号としきい値とを比較し、前記圧力変動信号が前記しきい値を超えているときに、アラームを発することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】
さらに、直流信号に変換された前記圧力変動信号をチャート化して、記録することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項3】
前記圧力センサが、1.5m/sec以下のサンプリング周期を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項4】
前記増幅器が、10倍以上の増幅率を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項5】
前記バンドパスフィルタが、約100Hzないし約300Hzの周波数帯域の前記圧力変動信号を抽出することを特徴とする請求項1ないし4に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項6】
塗布ヘッドと、前記塗布ヘッドに磁性塗布液を供給するポンプと、前記ポンプから前記塗布ヘッドに供給される前記磁性塗布液の流路に設けられ、前記磁性塗布液の圧力を検出して、圧力検出信号を生成するする圧力センサと、前記圧力センサによって生成された前記圧力検出信号を増幅する増幅器と、前記増幅器によって増幅された前記圧力検出信号から、所定の周波数帯域の圧力変動信号を抽出するバンドパスフィルタと、前記圧力変動信号を直流信号に変換するD/A変換器と、アラームを発するアラーム発生手段と、前記圧力センサ、前記増幅器、前記バンドパスフィルタ、前記D/A変換器および前記アラーム発生手段の動作を制御するとともに、前記D/A変換器によって直流信号に変換された前記圧力変動信号としきい値とを比較し、前記圧力変動信号が前記しきい値を超えているときに、前記アラーム発生手段に、アラームを発せさせるコントローラとを備えたことを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
【請求項7】
さらに、前記D/A変換器によって直流信号に変換された前記圧力変動信号をチャート化して、記録するレコーダを備えたことを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体の製造装置。
【請求項8】
前記圧力センサが、1.5m/sec以下のサンプリング周期を有していることを特徴とする請求項6または7に記載の磁気記録媒体の製造装置。
【請求項9】
前記増幅器が、10倍以上の増幅率を有していることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造装置。
【請求項10】
前記バンドパスフィルタが、約100Hzないし約300Hzの周波数帯域の前記圧力変動信号を抽出するように構成されたことを特徴とする請求項6ないし9に記載の磁気記録媒体の製造装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−242076(P2007−242076A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58902(P2006−58902)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】