移動中のモバイルプラットフォームにおけるブロードバンドコンテンツの受信システムおよび方法
自動車や航空機などの旅客用乗物のための乗物用情報システム、その製造方法、および使用方法である。乗物用情報システムは、ブロードバンド用アンテナシステムとブロードバンド制御システムとを備えるブロードバンド通信システムを有する。高速の接続方法の出現を有効に活かすことにより、乗物用情報システムは、低コストで大容量の地上のコンテンツシステムとの双方向データ通信をサポートし、それにより、「世界的規模のネットワーク(Worldwide Net)」上の1つのノードとして確立される。乗物用情報システムはまた、乗客の個人用メディアデバイスと通信するワイヤレス式のアクセスポイントを備える。所望される場合、乗物用情報システムは、携帯電話との接続および/またはライブ方式の統合型デジタルテレビ(IDTV)のプログラムの出力をサポートする。それにより、乗物用情報システムは、移動中、よりよい、情報、エンターテイメント、および通信サービスを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くには乗物用情報システム、特には、限定するわけではないが、地上のコンテンツ源から鑑賞用のコンテンツ放送を受信して選択的に出力するフライト中の航空機内用エンターテイメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や航空機などの乗物は、多くの場合、移動中に、エンターテイメントなどの鑑賞コンテンツ、情報コンテンツ、または他の鑑賞コンテンツへのアクセスを要望する乗客を満足させるために、乗物用情報システムを装備している。
【0003】
従来からある乗客用情報(すなわちエンターテイメント)システムの例として、乗客が鑑賞コンテンツを選択できるように個々の操作ボタンを備える、オーバーヘッド型客室ビデオシステムまたはシート搭載ビデオシステムがある。鑑賞コンテンツとして、様々なコンテンツ源から配給される音楽コンテンツやビデオコンテンツがある。映画や音楽などの予め記録された鑑賞コンテンツは、乗物に搭載されている、音楽プレーヤやビデオプレーヤなどの内在的なコンテンツ源によって提供される。従来の乗客用情報システムはさらに、乗物の外に存在するおよび/または乗物から離れて存在する1つまたはそれ以上のコンテンツプロバイダ(すなわちコンテンツ源)から送信された、ライブテレビプログラムおよび/またはインターネットコンテンツなどの鑑賞コンテンツを受信するアンテナシステムを備えている。
【0004】
しかしながら、このような従来の乗客用情報システムは、多くの不都合がある。多くの乗客は、この乗客用情報システムの操作を複雑に感じ、鑑賞コンテンツを楽しみ難い。鑑賞コンテンツの選択は、例えば、ユーザ用操作ボタンが扱いにくい場所にあって操作がやりにくいために困難を極める。また、乗客用情報システムのビデオシステムの多くが、頭上および/または対面する座席の裏などの乗客用操作ボタンから離れた位置にある。加えて、1つまたはそれ以上のビデオシステムが故障すると、乗物に乗って移動する多くのまたは全ての乗客が、鑑賞コンテンツを楽しむことを阻害される。
【0005】
さらに鑑賞コンテンツに対する乗客の要求は持続的に進化している。ライブテレビプログラムや最新ゲームなどの最新の鑑賞コンテンツへのアクセスを望むだけではなく、乗客は、インターネットへのアクセスやイントランジット(in−transit)ショッピングなど、利用可能な情報製品やサービスをより多く選択できるように要求している。乗客はまた、移動中に、顧客または企業のイントラネットシステムから利用できる鑑賞コンテンツなど、非公共の(すなわち個人の)鑑賞コンテンツを鑑賞できることを望んでいる。しかしながら、従来からある乗客用情報システムは、固定されたハードウェア技術によって制限されており、乗客の鑑賞コンテンツや他の情報に対する好みの変化に対応するように変更することが容易ではない。
【発明の概要】
【0006】
上述のことを考慮すると、従来の乗客用情報システムの上述した障害や欠陥を克服するためには、乗客の個人用メディアデバイスと乗客用情報システムを統合する、改良された乗客用情報システムおよび方法が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、情報システムの一実施形態であって、コンテンツシステムと通信している情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0008】
【図2A】図2Aは、図1の情報システムであって、自動車に導入される乗物用情報システムである情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0009】
【図2B】図2Bは、図2Aの乗物用情報システムであって、航空機に導入される乗物用情報システムであり、図1のコンテンツシステムと通信するように構成されている情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0010】
【図3】図3は、図2A,2Bの乗物用情報システムの配給システムの好適な一実施形態を示す一例の詳細図である。
【0011】
【図4A】図4Aは、図2A,2Bの乗物用情報システムが導入されている、乗物の客室を示す一例の上位概念図である。
【0012】
【図4B】図4Bは、図4Aの乗物用情報システムの実施形態であって、図1の個人用メディアデバイスと通信する乗物用情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0013】
【図5】図5は、図1のコンテンツシステムの実施形態を示す一例の上位概念図である。
【0014】
【図6】図6は、図2A,2Bの乗物用情報システムの実施形態であって、図1のコンテンツシステムとのブロードバンド通信をサポートするブロードバンドシステムを備える乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0015】
【図7A】図7Aは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、独立型のシステムとして使用される乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0016】
【図7B】図7Bは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、狭胴型の航空機への導入に適した乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0017】
【図7C】図7Cは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、広胴型に航空機への導入に適した乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0018】
【図8】図8は、図6の乗物用情報システム用のワイヤレス式アクセスポイントの実施形態を示す一例の詳細図である。
【0019】
【図9】図9は、図6の乗物用情報システム用のワイヤレス式アクセスポイントの実施形態の一例のフローチャートを示す図である。
【0020】
【図10A】図10Aは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、電話システムを備えている乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0021】
【図10B】図10Bは、図6の乗物用情報システムの代わりの実施形態であって、統合型デジタルテレビ(IDTV)システムを備える乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0022】
図面は縮尺どおりに示しておらず、ほとんどの場合、類似の構造または機能の構成要素には、全図にわたって説明するための類似の参照符号が付されていることに注意すべきである。また、図は、好適な実施形態の説明を手助けすることのみを目的としていることに注意すべきである。図は、記載する実施形態のあらゆる態様を示しているわけではなく、また開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(好適な実施形態の詳細な説明)
現在利用されている乗客用情報システムは操作が複雑であって、固定のハードウェア技術によって制限され、乗客の鑑賞コンテンツや他の情報の好みの変化に対応するように変更することが容易ではない。少なくとも1つの遠隔のコンテンツシステムと通信する情報システムは、望みどおりにでき、また、移動中の自動車、航空機、または他の種類の乗物に使用される乗物用情報システムなど、広範囲のシステムアプリケーションの基礎を提供する。このことは、本明細書に開示されている一実施形態によれば、図1に示すような情報システム100によって実現される。
【0024】
図1を参照すれば、少なくとも1つのコンテンツシステム400と通信するように構成されている情報システム100が図示されている。コンテンツシステム400に対して離れた位置に配置された場合、情報システム100は、コンテンツシステム400に対して低コストであって大容量のデータ接続を確立して維持するために、ブロードバンド接続の方法(ソリューション)など、高速の接続方法の出現を有効に活かしている。それにより、情報システム100は、「世界的規模のネットワーク(ワールドワイドネット(Worldwide Net))」上の1つのノードとして確立される。情報システム100は、有利に、システムユーザの体感をよりよくし、操作効率を向上させ、システムオペレータの収入源を創出する。
【0025】
それぞれのコンテンツシステム400は、同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年5月6日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONTENT ON MOBILE PLATFORMS」(出願番号11/123327)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて記載するように提供される。これらの出願は、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0026】
コンテンツシステム400と通信する場合、情報システム100は、コンテンツシステム400に対する双方向通信をサポートする。情報システム100は、例えば、コンテンツシステム400と鑑賞コンテンツ210(図2A,2B参照)をやり取りする。鑑賞コンテンツ210としては、情報システム100のビデオ出力システム362(図4A,4B参照)および/またはオーディオ出力システム364(図4A,4B参照)を介して出力するために、コンテンツシステム400から情報システム100に通信された(またはダウンロードされた)音声の鑑賞コンテンツおよび/または映像の鑑賞コンテンツが含まれる。鑑賞コンテンツ210はまた、所望される場合、情報システム100からコンテンツシステム400に通信される(またはアップロードされる)。
【0027】
鑑賞コンテンツ210は、上述の同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)とにおいて記載するような、蓄積された(すなわち時間遅延された)鑑賞コンテンツおよび/またはライブ(すなわちリアルタイム)鑑賞コンテンツなどの、従来からある任意のタイプのオーディオおよび/またはビデオの鑑賞コンテンツなどである。鑑賞コンテンツ210の例としては、制限はなく、TVプログラムコンテンツ、音楽コンテンツ、ポッドキャスト(podcast)コンテンツ、写真アルバムコンテンツ、オーディオブックコンテンツ、および/または映画コンテンツなどが含まれる。
【0028】
所望される場合、鑑賞コンテンツ210には、本出願の承継人が選定されており、開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている出願「METHOD FOR DISPLAYING INTERACTIVE FLIGHT MAP INFORMATION」(米国特許第6661353号)において記載されている地理情報が含まれる。代わりとして、および/または付加的に、ライブ衛星テレビプログラムおよび/またはライブ衛星ラジオプログラムなどのエンターテイメントコンテンツが含まれ、さらに、鑑賞コンテンツには、インターネット310C(図2B参照)へのリアルタイムアクセスおよび/または米国特許第5568484号の「TELECOMMUNICATIONS SYSTEM AND METHOD FOR USE ON COMMERCIAL AIRCRAFT AND OTHER VEHICLES」において記載するような遠隔通信などの双方向通信が含まれる。この米国特許第5568484号は、本出願の承継人が選定されており、開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。本明細書に図示するおよび記載する鑑賞コンテンツの例は、余すことなく網羅されたものではなく、説明目的のためのみに本明細書内で用いられ、限定を目的とするものではない。
【0029】
情報システム100はビルなどの固定の位置に配置することも可能であり、また、情報システム100は携帯型システムアプリケーションに有利に応用することもできる。図2A,2Bを参照すれば、幅広い種類の乗物390内に導入可能に構成されている乗物用情報システム300を含む情報システム100が示されている。乗物の種類の例としては、制限はなく、自動車390A(図2A参照)、航空機390B(図2B参照)、バス、レクレーション用乗物、ボート、および/または移動力のある、すなわち他の種類の乗客を載せる乗物が含まれる。図2Bに示すように航空機390Bに導入される場合、例えば、乗物用情報システム300は、カリフォルニア州レークフォレストのパナソニックアビオニクスコーポレーション(かつては松下アビオニクスシステムコーポレーション)製のシリーズ2000、3000、eFX、および/またはeX2の機内エンターテイメントシステムなどの、従来からある航空機の乗客用の機内エンターテイメントシステムを有する。
【0030】
図2A,2Bに示すように、乗物用情報システム300は、少なくとも1つの従来からあるコンテンツ源310と、リアルタイムコンテンツ配給システム320を介して通信する1つまたはそれ以上のユーザ(すなわち乗客)インターフェースシステム360とを有する。各コンテンツ源310は、上述の同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年5月6日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONTENT ON MOBILE PLATFORMS」(出願番号11/123327)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて記載するように提供される。
【0031】
コンテンツ源310には、乗物390内に導入されているサーバシステム310Aなどの1つまたはそれ以上の内在的なコンテンツ源と、および/または、乗物390の外部に存在する遠隔(または地上)のコンテンツ源310Bとが含まれる。サーバシステム310Aは、所望される場合、乗物用情報システム300のための機能を制御する総合システムを提供する情報システムコントローラとして、および/または、図2A,2Bに示すような、プログラムされたコンテンツおよび/またはダウンロードされた鑑賞コンテンツ210Dを記憶する少なくとも1つのメディア(すなわちファイル)サーバシステムとして提供される。サーバシステム310Aは、一つまたはそれ以上の従来からある周辺機器であるメディアストレージシステム(図示せず)を備える、および/またはこのメディアストレージシステムと通信する。このメディアストレージシステムには、プログラムされたコンテンツおよび/またはダウンロードされた鑑賞コンテンツ210Dを記憶する、DVD(デジタルビデオディスク)システムまたはCD(コンパクトディスク)システムなどの光学メディアデバイス、および/またはVCR(ビデオカセットレコーダ)システムやHDD(ハードディスクドライブ)システムなどの磁気メディアシステムが含まれる。
【0032】
コンテンツシステム400など1つまたはそれ以上の選択されたコンテンツ源310によって提供される観賞コンテンツ210を配給するおよび/または提供する構成にするために、乗物用情報システム300は、有線通信および/またはワイヤレス通信を介することを含む、従来からある任意の方式でリアルタイムにコンテンツ源310と通信することができる。乗物用情報システム300と地上のコンテンツ源310Bとは、例えば、直接的、および/または衛星通信システム370Aなどの中継通信システム370を介する間接的なものも含む、従来からある任意のワイヤレス通信を行うことができる。それにより、乗物用情報システム300は、選択された地上のコンテンツ源310Bから鑑賞コンテンツ210Dをダウンロード(受信)することができ、および/または地上のコンテンツ源310Bに、ナビゲーションや他の制御指示を含む鑑賞コンテンツ210Uをアップロード(送信)することができる。所望される場合、地上のコンテンツ源310Bは、他の地上のコンテンツ源(図示せず)と通信できるように構成される。インターネット310Cにアクセスするための地上のコンテンツ源310Bが、図2Bに示されている。説明のために衛星通信システム370Aを有するものを図示するとともに記載したが、通信システム370が、セルラー通信システム(図示せず)および/またはAGIS(Aircraft Ground Information System)通信システム(図示せず)などの、従来からある任意のタイプのワイヤレス通信システムを有することが可能であることは分かっている。
【0033】
地上のコンテンツ源310Bとの通信を容易にするために、乗物用情報システム300は、図2A,2Bに示すような遠隔(または地上)のコンテンツ源310Bからの鑑賞コンテンツを受信するための、アンテナシステム330とトランシーバシステム340とを備える。アンテナシステム330は、好適には、航空機390Bの機体392の外側表面394など、乗物390の外側に配置される。アンテナシステム330は地上のコンテンツ源310Bから鑑賞コンテンツ210を受信し、受信された鑑賞コンテンツ210は、トランシーバシステム340によって処理され、乗物用情報システム300のコンピュータシステム350に送られる。コンピュータシステム350は、所望される場合、受信した鑑賞コンテンツ210をメディアサーバシステム310A、および/または1つまたはそれ以上のユーザインターフェース360に供給する。説明するためにシステムは分離した状態で図示されるとともに説明されているが、コンピュータシステム350とメディアサーバシステム310Aは、少なくとも部分的に統合可能である。
【0034】
コンテンツ源310やユーザインターフェースシステム360を含む乗物用情報システムの構成要素が、コンテンツ配給システム320を介して通信するものとして、図2A,2Bに示されている。図3は、乗物用情報システム300のコンテンツ配給システム320の例を示している。図3のコンテンツ配給システム320は、コンテンツ源を含むヘッドエンドシステム310Hと接続し、ヘッドエンドシステム310Hと複数のインターフェースシステム360との間の通信をサポートしている。図3に示す配給システム320は、同時係属米国特許出願であって、2006年3月29日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR ROUTING COMMUNICATION SIGNALS VIA A DATA DISTRIBUTION NETWORK」(出願番号11/277896)と、米国特許第5596647号、第5617331号、および第5953429号の「INTEGRATED VIDEO AND AUDIO SIGNAL DISTRIBUTION SYSTEM AND METHOD FOR USE ON COMMERCIAL AIRCRAFT AND OTHER VEHICLES」(同一タイトル)とにおいて記載するように提供される。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0035】
コンテンツ配給システム320は、例えば、電話ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、および/またはワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)など、従来からある、あらゆる種類の有線式および/またはワイヤレス式の通信ネットワークとして提供可能である。ワイヤレスローカルエリアネットワークの例として、IEEE(電気電子技術者協会)標準802.11に準拠するワイーファイ(Wi−Fi)ネットワーク、および/またはWiMaxワイヤレスブロードバンドとして知られている、IEEE標準802.16準拠のワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(wireless metropolitan−area networks:MANs)がある。好適には高いデータ伝送速度をサポートするように構成するために、コンテンツ配給システム320は、代表データ伝送速度が少なくとも約100メガビット/秒(100Mbps)である、ファーストイーサネット(100Base−Xおよび/または100Base−Tなど)通信ネットワークおよび/またはギガビット(1000Base−Xおよび/または1000Base−tなど)イーサネット通信ネットワークなどの、高速イーサネットネットワークで構成するのが好ましい。所望される場合、ワイヤレス通信環境において高いデータ伝送速度を実現するために、様々なシステムリソース間の通信をサポートすることができる、自由空間光通信(すなわちレーザ)テクノロジ、ミリ波(すなわちマイクロ波)テクノロジ、および/またはウルトラワイドバンド(UWB)テクノロジが利用される。
【0036】
所望される場合、配給システム320はまた、ネットワーク管理システム(図示せず)を備える。このネットワーク管理システムは、同時係属米国特許出願である、2004年2月6日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR IMPROVING NETWORK RELIABILITY」(出願番号10/773523)と、2005年3月21日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR IMPROVING NETWORK RELIABILITY」(出願番号11/086510)とにおいて記載するように提供される。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0037】
図3に示すように、配給システム320は、複数のエリア配給ボックス(ADB:area distribution box)322と、複数のフロア切断ボックス(FDB:floor disconnect box)323と、複数の有線および/またはワイヤレス通信接続325を介してリアルタイムに通信するように構成されている複数のシート電子ボックス(SEB:seat electronics box)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB))324とを備えている。配給システム320はまた、配給システム320とヘッドエンドシステム310Hとを接続するスイッチングシステム321を備えている。スイッチングシステム321は、イーサネット(Ethernet)スイッチングシステムなど、従来からあるスイッチングシステムなどであり、ヘッドエンドシステム310Hとエリア配給ボックス322とを接続するように構成されている。各エリア配給ボックス322は、スイッチングシステム321と接続して通信する。
【0038】
各エリア配給ボックス322は、順番に、少なくとも1つのフロア切断ボックス323と接続して通信する。エリア配給ボックス322と関連するフロア切断ボックス323とは従来からある任意の構成で接続されているが、関連するフロア切断ボックス323は、好適には、図3に示すように、中央のエリア配給ボックス322を中心とするスター型ネットワークトポロジー状に配置されている。各フロア切断ボックス323は、デイジーチェーン(daisy−chain)状に連結された複数のシート電子ボックス324に接続され、これらに情報を提供する。シート電子ボックス324は、順番に、ユーザインターフェースシステム360と通信するように構成されている。各シート電子ボックス324は、1つまたはそれ以上のユーザインターフェースシステム360をサポートしている。
【0039】
スイッチングシステム312、エリア配給ボックス(ADB)322、フロア切断ボックス(FDB)323、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB)324、およびコンテンツ配給システム320の他のシステムリソースは、好適には、列線交換ユニット(line replaceable unit:LRU)(図示せず)として提供される。コンテンツ配給システム320の他のシステムリソースの例として、ブロードバンド用アンテナシステム512、ブロードバンド制御システム514(図6参照)、ワイヤレス式アクセスポイント368(図6参照)、クルー用端末(またはパネル)524(図7A−7C参照)、航空機インターフェースシステム522(図6参照)、および/またはシステムコントローラ530(図7B参照)がある。LRUを採用することにより、乗物用情報システム300のメンテナンスが容易になる。なぜなら、不具合のLRUを乗物用情報システム300から簡単に取り除くことができ、そして新しい(または異なる)LRUと交換ができるからである。不具合のLRUは、その後、次の使用に備えて修理されてもよい。有利に、LRUの採用は、コンテンツ配給システム320のシステムリソースの数、配置、および/または構成の素早い変更を可能にし、それにより、コンテンツ配給システム320の構成に関して柔軟性を向上させる。コンテンツ配給システム320はまた、旧型のLRUと新型のLRUとを交換することにより、簡単にアップグレードできる。
【0040】
所望される場合、フロア切断ボックス323は、ルーティングシステムとして、および/または、上述の同時係属米国特許出願である、2006年3月29日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR ROUTING COMMUNICATION SIGNALS VIA A DATA DISTRIBUTION NETWORK」(出願番号11/277896)に記載するように、相互に接続するように有利に設けられる。配給システム320には、少なくとも1つのFDB内部ポートバイパス接続325Aと、および/または少なくとも1つのSEBループバック接続325Bとが含まれている。各FDB内部ポートバイパス接続325Aは、異なるエリア配給ボックス322に関連するフロア切断ボックス323を直接的に通信することを可能にする通信接続325である。各SEBループバック接続325Bは、図3に示すように、シート電子ボックス324の各デイジーチェーンの中の最後端のシート電子ボックス324と選択されたフロア切断ボックス323とを直接的に接続する通信接続325である。その結果、各SEBループバック接続325Bは、関連するフロア切断ボックス323と接続されているデイジーチェーン状の複数のシート切断ボックス324に沿ってループバックパス(path)を形成している。
【0041】
図2A,2Bを参照すれば、ユーザインターフェースシステム360は、鑑賞コンテンツ210を選択できるように、また選択した鑑賞コンテンツ210を提供できるように設けられている。所望される場合、ユーザインターフェースシステム360には、従来からある乗客用インターフェースが含まれ、上述した同時係属米国特許出願である2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)に記載するように、また同時係属米国特許出願である2005年4月19日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR PRESENTING HIGH−QUALITY VIDEO TO PASSENGERS ON A MOBILE PLATFORM」(出願番号60/673171)に記載するように提供される。この出願番号60/673171は、開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0042】
図4Aは、乗物用情報システム300が導入されている自動車390A(図2A参照)および/または航空機390B(図2B参照)などの、旅客用の乗物390の客室380を示している。客室380は複数の乗客用シート382を備えた状態で示されており、各乗客用シート382は特定のユーザインターフェースシステム360と関連付けされている。各ユーザインターフェースシステム360は、ビデオインターフェースシステム362および/またはオーディオインターフェースシステム364を備えている。ビデオインターフェースシステム362の例としては、中央制御のオーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aと、それぞれが個々の操作機器を備えるシート裏ディスプレイシステム362Bまたはアームレストディスプレイシステム(図示せず)と、クルー用ディスプレイパネル、および/または携帯型出力システムとが含まれる。オーディオインターフェースシステム364は、従来からある任意の方式で提供されており、これには、頭上スピーカシステム364A、携帯型出力システム、および/または、例えば乗客用シート382のアームレスト388に設けられているオーディオジャックと接続するヘッドフォンとが含まれる。スピーカシステムはさらに、乗客用シート382のベース384B内に配置されているスピーカシステム364Bおよび/または乗客用シート382のヘッドレスト384C内に配置されているスピーカシステム364Cのように、乗客用シート382に関連付けされている。好ましい実施形態において、オーディオインターフェースシステム364は、オーディオインターフェースシステム364によって提供される音質をさらに向上させるためにオプションとしてノイズキャンセルシステムを備えている。
【0043】
ビデオインターフェースシステム362とオーディオインターフェースシステム364は、シート裏386、内壁396、天井、および/または隔壁などの客室の表面の適した場所に導入されるか、または、乗客用シート382のアームレスト388に、同時係属米国特許出願である、2007年7月25日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR MOUNTING USER INTERFACE DEVICES」(出願番号11/828193)と、2007年8月7日出願の「USER INTERFACE DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT」(出願番号11/835371)とにおいて記載するように提供されたマウンティングシステム363を介することを含む従来からある任意の方法で導入される。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0044】
図4Aに示すように、ユーザインターフェースシステム360はさらに、制御信号220をやりとりするなどにより、ユーザ(すなわち乗客)と乗物用情報システム300とのやりとりを可能にする入力システム366を備えている。例えば、入力システム366は、乗物用情報システム300の動作を制御する1つまたはそれ以上のユーザの指示230の入力を可能にする。ユーザ指示230には、実例として、コンテンツ源310との通信を開始する指示、出力する鑑賞コンテンツ210を選択する指示、および/または選択された鑑賞コンテンツ210の出力を操作する指示が含まれる。鑑賞コンテンツ210とのアクセスに料金が必要である場合、支払い情報が入力システム366を介して入力される。
【0045】
入力システム366は、従来からある任意の方式で提供され、主として、キーボードやキーパッドなどの1つまたはそれ以上のスイッチ(またはプッシュボタン)、および/または、マウス、トラックボール、スタイラスなどのポインティングデバイスなどがある。所望される場合、入力システム366は、関連するビデオインターフェースシステム362および/またはオーディオインターフェースシステム364に、少なくとも部分的に統合される、および/または分離される。例えば、ビデオインターフェースシステム362と入力システム366とが、タッチスクリーンディスプレイシステムとして提供される。入力システム366はまた、フルサイズコンピュータ用キーボード、外付けマウス、および/またはゲームパッドなどの周辺機器である入力デバイスと乗物用情報システム300とを接続するための1つまたはそれ以上の入力ポート(図示せず)を備えていてもよい。
【0046】
好適には、少なくとも1つのユーザインターフェースシステム360が、個人用メディアデバイス200(図4B参照)と乗物用情報システム300とを接続するために、従来からある通信ポート(すなわちコネクタ)などの有線および/またはワイヤレス式のアクセスポイント368を備えている。それにより、乗物390に乗って移動中の乗客(図示せず)は、移動中、個人的に選択した鑑賞コンテンツを楽しむことができる。アクセスポイント368は、関連する乗客用シート382の近傍に配置され、シート裏386、内壁396、天井、および/または隔壁などの客室の表面の好適な場所に設けられる。
【0047】
図4Bを参照すれば、1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200と通信する情報システム300が示されている。各個人用メディアデバイス200は、音声のおよび/またはビデオの鑑賞コンテンツ210を記憶し、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、個人用デジタル端末(PDA)、セルラー電話、iPod(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、iPhone(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、および/またはMPEGオーディオレイヤー3(MP3)デバイスなどの、ハンドヘルド(携帯型)デバイスとして提供される。個人用メディアデバイス200の実例が、同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「MEDIA DEVICE INTERFACE SYSTEM AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210652)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて図示され記載されている。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0048】
図示された個人用メディアデバイス200それぞれは、鑑賞コンテンツ210を映像出力するビデオディスプレイシステム240と、鑑賞コンテンツ210をオーディオ出力するオーディオシステム250とを備えている。各個人用メディアデバイス200はユーザ操作システム260を備えている。ユーザ操作システム260は、従来からある方式で提供され、主としては、キーボードまたはキーパッドなどのように、1つまたはそれ以上のスイッチ(またはプッシュボタン)を備える、および/またはマウス、トラックボール、またはスタイラスなどのポインティングデバイスである。それにより、個人用メディアデバイス200は、所望の鑑賞コンテンツ210を選択でき、また選択された鑑賞コンテンツ210の受信および/または出力について操作することができる。
【0049】
個人用メディアデバイス200はさらに、通信ポート(すなわちコネクタ)270を備えている。通信ポート270は、ユーザインターフェースシステム360のアクセスポイント368を介する個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300との通信を可能にする。個人用メディアデバイス200Aとともに示すように、通信ポート270とアクセスポイント368は、ワイヤレス通信をサポートしている一方で、個人用メディアデバイス200Bとともに示されている通信ケーブルアセンブリ500を介する通信ポート270とアクセスポイント368との間の有線通信もサポートしている。通信ポート270とアクセスポイント368とが通信状態にあるとき、乗物用情報システム300は、ユーザフレンドリーな通信インターフェースを用いて、関連する個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300とを接続するシンプルな方法をサポートしている。
【0050】
個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300とが通信状態にあるとき、乗物用情報システム300は同時に複数の接続タスクを実行し、選択されたアクセスポイント368を介して個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300とを完全に接続する。それにより、乗物用情報システム300のシステム構成要素と個人用メディアデバイス200はやりとりすることができる。個人用メディアデバイス200はさらに、制御信号(すなわち命令)220および/または作動電力220Pを、乗物用情報システム300から受け取ることができる。それにより、個人用メディアデバイス200は、有利に、乗物用情報システム300のシームレスな一部分となる。
【0051】
例えば、乗物用情報システム300の動作を操作するユーザの指示230(図2A,2B参照)は、乗物用情報システム300の入力システム366を介して、および/または個人用メディアデバイス200のユーザ操作システム260を介して提供される。言い換えれば、乗物用情報システム300の入力システム366および/または個人用メディアデバイス200のユーザ操作システム260は、鑑賞コンテンツ210を選択するために、また選択された鑑賞コンテンツ210の受信および/または出力について操作するために使用される。選択された鑑賞コンテンツ210は、乗物用情報システム300の関連するコンテンツ源310(図2A,2B参照)によって、および/または個人用メディアデバイス200内のストレージメディア(図示せず)によって提供される。それにより、選択された鑑賞コンテンツ210の映像が、乗物用情報システム300のビデオ出力システム362および/または個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム240を介して表示される。乗物用情報システム300のオーディオ出力システム364および/または個人用メディアデバイス200のオーディオシステム250は、鑑賞コンテンツ210の音を出力するために使用される。個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム240が乗物用情報システム300のビデオ出力システム362に比べて非常に小さい場合、乗客は、選択した観賞コンテンツ210を大きいビデオ出力システム362を介して見ることを選択することができる。
【0052】
非使用中および/または個人用メディアデバイス200との直接的且つ物理的な接触が必要でない場合、個人用メディアデバイス200は、乗客のシート382に収納される。例えば、乗客用シート382は、個人用メディアデバイス200を収納する収納コンパートメント389を備えている。収納コンパートメント389は、従来からある任意の方式で、乗客用シート382の適切な部分に設けられている。乗客用シート382Bとともに示すように、個人用メディアデバイス200は、乗客用シート382Bのアームレスト388に形成されている収納ポケット389Bに収納される。収納コンパートメント389はまた、乗客用シート382のシート裏386および/またはヘッドレスト384に設けることができる。乗客用シート382Aの収納コンパートメント389Aは、例えば、図示するように、乗客用シート382Aのシート裏386の下側に形成されている。所望される場合、収納コンパートメント389には、頭上収納コンパートメント、ドアコンパートメント、乗客用シート382の下部に設けられた収納コンパートメント、または、グローブコンパートメント(小物入れ)、トランク、クローゼットなどの、乗客が乗る乗物390において利用できる他の従来からある収納コンパートメントが含まれる。
【0053】
図5を参照すれば、航空機390Bに配置され、一例のコンテンツシステム400と通信している乗物用情報システム300が示されている。乗物用情報システム300とコンテンツシステム400は、衛星通信システム370A(図2B参照)を介して通信する。コンテンツシステム400は、インターネットプロトコル(IP)基幹回線(backbone)システム410などである。IP基幹回線システム410の例として、バミューダ諸島(Bermuda)のペンブルク(Penbroke)のIntelsat社製のIP基幹回線システムがある。IP基幹回線システム410は、衛星用トランシーバハブシステム(satellite transceiver hub system)420に接続されている。衛星用トランシーバハブシステム420は、好適には、衛星通信システム370Aとリンクする衛星を備える従来から得る衛星用トランシーバハブを有する。
【0054】
少なくとも1つのネットワークオペレーションセンタ(NOC)440を備えたコンテンツシステム400が示されている。ネットワークオペレーションセンタ440Aは、例えば、コンテンツシステム400用の物理的かつ論理的なハブを有する。完全に管理されたネットワークサービスを提供することにより、ネットワークオペレーションセンタ440は、インターネット310Cのゲートウェイや、インターネットサービスプロバイダ(ISP)管理(または監視)システム430などの、オフネットワーク先(off−network destinations)と通信する他の公共の電気通信ネットワークを形成する。コンテンツシステム400はまた、乗物用情報システム300の動作モードおよび/または使用法などの特定の動作パラメータを管理(または監視)するネットワークオペレーションセンタ440Bを備えている。
【0055】
ネットワークオペレーションセンタ440は、有利に、乗物用情報システム300を集中監視して操作する。それにより、乗物用情報システム300の構成要素を、不具合、停止、性能ボトルネック、対象のローディングのバランス(loding balance objectives)、および他のネットワーク制御要件に対応して素早く再構築することができる。ネットワークオペレーションセンタ440はさらに、モバイルプラットフォームを基準として、無線周波数(RF)のリターンリンクステータス、周波数、データ伝送速度の割り当て、および電力レベルを監視するオペレータを養うことができる。所望される場合、ネットワークオペレーションセンタ440は、各リターンリンクトランスポンダの規定干渉限界に対する統計の等価等方放射電力(EIRP)スペクトル密度を監視するオペレータを養う。ネットワークオペレーションセンタ440は、必要とされる場合、通知し、オペレータの入力による無線周波数(RF)リターンリンク伝送パラメータの手動操作やリターンリンク伝送の手動による終了を可能にする。ネットワークオペレータセンタ440はまた、要求された帯域幅を計算し、サービスプロバイダに報告し、衛星がリンクしている帯域幅を再構築する。
【0056】
コンテンツシステム400と通信しているとき、乗物用情報システム300は、コンテンツシステム400に対して低コストであって大容量のデータ接続を確立して維持するために、ブロードバンド接続の方法(ソリューション)などの、高速接続の方法の登場を有効に生かしている。それにより、乗物用情報システム300は、コンテンツシステム400に関連する機能(functionality)との双方向通信をサポートし、情報、エンターテイメント、および通信サービス(すなわち機能)をより良く提供する。コンテンツシステム400の機能の例として、イントランジットショッピング(in−transit shopping)への機内アクセス、インターネット310C、電子メール(すなわちe−メール)、法人用仮想プライベートネットワーク(VPN)、顧客用仮想プライベートネットワーク(VPN)、および/または、顧客用または法人用のイントラネットシステムなどの非公共(または個人用)の鑑賞コンテンツの他の源(source)がある。それにより、乗物用情報システム300は、「世界的規模ネットワーク(ワールドワイドネット)」上の1つのノードとして確立され、有利に、システムユーザの体感をよりよくし、操作効率を向上させ、システムオペレータの収入源を創出する。
【0057】
図6は、乗物用情報システム300の好適な実施形態を示している。乗物用情報システム300は、コンテンツシステム400(図1参照)とのブロードバンド通信をサポートするブロードバンド通信システム510を備えている。図示されているブロードバンド通信システム510は、ブロードバンド用アンテナシステム512とブロードバンド制御システム514を備えている。ブロードバンド用アンテナシステム512は、好適にはレーダドーム(radome)の下に配置されて保護され、アンテナシステム330(図2B参照)に関して上述したように提供される。また、ブロードバンド用アンテナシステム512は、ブロードバンド制御システム514の制御を受けて作動する。アンテナシステムおよび制御システムの例が、上述の同時係属米国特許出願である、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)に図示され記載されている。ブロードバンド用アンテナシステムの例として、イスラエルのヨクナム(Yoqneam)のStarling Advanced Communications社製のMiJetブロードバンドアンテナシステムがある。それにより、乗物用情報システム300は、下りが約18Mbits/sで上りが約4.2Mbits/sのブロードバンドネットワークをサポートすることができる。
【0058】
ブロードバンド制御システム514は、従来からある衛星用モデムシステム(図示せず)と、および/または、メディアサーバシステム310A(図2A,2B参照)に関して上述したように提供されるメディアサーバシステムを備えている。ブロードバンド用アンテナシステム512と通信するために、ブロードバンド制御システム514はブロードバンド用アンテナシステム512に制御データ信号513Aを送る。それにより、ブロードバンド制御システム514が特定の衛星通信システム370A(図2B参照)に向かってブロードバンド用アンテナシステム512を指向する。これにより、乗物用情報システム300が、衛星通信システム370Aと通信し、そして、その結果、関連するコンテンツシステム400(図1参照)と通信することができる。コンテンツシステム400と通信しているとき、乗物用情報システム300は、衛星通信システム370Aを介して、コンテンツシステム400とコンテンツデータ信号513Bをやりとりする。言い換えれば、ブロードバンド制御システム514は、衛星通信システム370Aに対するブロードバンド接続を提供する。
【0059】
図6に示すように、ブロードバンド制御システム514は、乗物用情報システム300のコンテンツ配給システム320と通信する。コンテンツ配給システム320が上述したようにギガバイト(1000Base−Xおよび/または1000Base−Tなど)イーサネット通信をサポートしている場合、ブロードバンド制御システム514は、図6に示すようなギガバイトイーサネット通信接続を介してコンテンツ配給システム320と通信する。所望される場合、ブロードバンド制御システム514とコンテンツ配給システム320は、直接的におよび/または例えば、図6に示すような航空機インターフェースシステム522を介して間接的に通信する。広胴(ワイドボディ)型の航空機390B用の航空機インターフェースシステム522および/または狭胴(ナローボディ)型の航空機390B用のシステムコントローラ530(図7B参照)は、コンテンツ配給システム320に接続され、エアローノーティカルラジオ公社(ARINC)のスタンダード429信号、イーサネット信号、別々のインプット/アウトプットキーライン(discrete input/output keylines)、パブリックアドレスオーディオ(public address audio)、飛行地図データなど、特定の航空機の情報や他の航空電子工学(アビオニクス)情報を乗物用情報システム300に提供するためのインターフェースを備える。それにより、航空機インターフェースシステム522および/またはシステムコントローラ530は、航空機の航空電子工学機器(図示せず)と乗物用情報システム300との間のゲートウェイとしての役割を果たす。
【0060】
実行中、鑑賞コンテンツ210(図4B参照)のブロードバンドは、衛星通信システム370Aからブロードバンド用アンテナシステム512に向けて送られる。ダウンロードされた鑑賞コンテンツ210D(図4B参照)を受信すると、ブロードバンド用アンテナシステム512は、受信した鑑賞コンテンツ210をブロードバンド制御システム514に供給する。所望される場合、ブロードバンドアンテナシステム512は、受信した鑑賞コンテンツ210を従来からある方法で前処理し、前処理した鑑賞コンテンツ210をブロードバンド制御システム514に供給する。前処理工程の例としては、制限はなく、増幅および/または受信した鑑賞コンテンツ210のダウンコンバートなどがある。好適な実施形態において、受信した鑑賞コンテンツ210は、Ku帯(10.7GHz−12.75GHz)内の一対の高周波数信号で受信され、L帯(950MHz−2150MHz)などの予め決められた中間周波数(または低周波数)帯内の一対の中間周波数(または低周波数)信号にダウンコンバートされる。
【0061】
それにより、ブロードバンド用アンテナシステム512は、受信した鑑賞コンテンツ210を、大きくケーブル損失することなくおよび/または信号劣化することなく乗物用情報システム300を通じて配給することができる鑑賞コンテンツ210に、前処理としてのコンバートを実行することができる。ブロードバンド制御システム514は、受信した鑑賞コンテンツおよび/または前処理された鑑賞コンテンツ210を含む、鑑賞コンテンツ210をブロードバンド用アンテナシステム512から受信し、その鑑賞コンテンツ210を復調する。鑑賞コンテンツ210を復調すると、ブロードバンド制御システム514は、復調された鑑賞コンテンツ210を、乗物用情報システム300を通じて配給するために、コンテンツ配給システム320に供給する。それにより、復調された鑑賞コンテンツ210が、乗物用情報システム300のビデオ出力システム362(図4A,4B参照)および/またはオーディオ出力システム364(図4A,図4B参照)を介して出力される。所望される場合、コンテンツ配給システム320は、個人用(または携帯型)メディアデバイス200(図4B参照)と通信するために、図6に示すワイヤレス式アクセスポイント(WAP)などのアクセスポイント368を1つまたはそれ以上備える。それにより、復調された鑑賞コンテンツ210が、個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム(図4B参照)および/またはオーディオシステム250(図4b参照)を介して出力される。
【0062】
所望される場合、上記処理は反対方向に行われ、ブロードバンド用アンテナシステム512を介して乗物用情報システム300から衛星通信システム370Aに鑑賞コンテンツ210U(図4B参照)がアップロードされる。コンテンツシステム400上の利用可能な鑑賞コンテンツを操作する指示は、例えば、乗物用情報システム300の入力システム366(図4A,4B参照)および/または個人用メディアデバイス200のユーザ操作システム260(図4B参照)を介して入力される。この操作指示は、タッチスクリーンディスプレイシステム上に表示されるメニューシステムを介するなど、従来からある方法で入力される。操作指示の入力方法の例が、上述の同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて図示され記載されている。
【0063】
コンテンツ配給システム320は、好適には、ヘッドエンドシステム310H(図3参照)と、ユーザインタフェースシステム360、アクセスポイント368、および/または個人用メディアデバイス200との間の接続に、ブロードバンドイーサネットネットワーク接続を提供する。ワイヤレス式アクセスポイント(WAP)として提供される場合、例えば、ワイヤレス式アクセスポイント368は、ブロードバンドの無線周波数通信信号(図示せず)を送信するおよび/または受信することによって、個人用メディアデバイス200のためにブロードバンドワイヤレスアクセスを提供する。配給システム320を通じるブロードバンドイーサネットネットワーク接続をサポートするために、スイッチングシステム321は、乗物用情報システム300の複数の構成要素の間に、高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信を提供する。それにより、乗物用情報システム300は、ユーザ(すなわち乗客)によるインターネット310Cや他の音声および/または映像の鑑賞コンテンツ210のアクセスを可能にする。エリア配給ボックス(ADB)322(図3、図7A−7C参照)は、ネットワークハブの役割をし、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB)324(図3、図7B、図7C参照)と配給システム320の接続を実現する。所望される場合、配給システム320は、インターネットプロトコル(IP)、全域木プロトコル(Spanning Tree Protocol)、および/またはサービス品質をサポートする。
【0064】
乗物用情報システム300の複数の構成要素は、好適には、2芯のツイストペア線(図示せず)によって直列に接続される。乗物用情報システムの構成要素それぞれは、共通の信号伝達システムに接続されている。イーサネットの信号は、直列に、1ビットずつ、乗物用情報システムの構成要素それぞれにつながる共通の信号チャンネルを通って伝送される。データを送信するために、乗物用情報システムの特定の構成要素はチャンネルへの接続を待機する(リッスンする)。また、チャンネルが非使用(アイドル状態)のとき、乗物用情報システムの構成要素は、イーサネットのフレーム形式またはパケット形式でデータを送信する。それにより、データバス上のデータコリジョンが抑制される。チャンネルがビジー状態である場合、乗物用情報システムの構成要素は、チャンネルがアイドル状態になるまで接続を待機する(リッスンする)。
【0065】
フレーム伝送が終わる度に、乗物用情報システムの配給システム320の構成要素それぞれは、次のフレーム伝送の機会を等しく競い合う。これにより、ネットワークチャンネルへのアクセスが平等になり、乗物用情報システムの1つの構成要素が他の構成要素を締め出すことがなくなる。イーサネットのデータフレームは、好適には、いくつかのフィールドを構成するビットの集まりからなる。これらのフィールドとして、アドレスフィールド、46〜1500バイトのデータを持つ可変サイズデータフィールド、フレームが正常な状態で到達するようにフレーム内のビットの整合性をチェックするエラーチェックフィールドなどがある。フレーム内の最初の2つのフィールドは、48ビットのアドレスを持ち、あて先アドレスと発信元アドレスと呼ばれている。ネットワークに接続されている全てのユニットは、あて先アドレスを確認する。フレーム内のあて先アドレスと同一のアドレスを持つ乗物用情報システムの構成要素は、全てのフレームを読み込む。乗物用情報システムの他の構成要素は、あて先アドレスがこれら自身のアドレスと異なる場合、フレームの読み込みを停止する。
【0066】
イーサネット配給システム320は、乗物用情報システムの構成要素間の通信を行う。インターネットデータ、メディアコンテンツ、アプリケーションコード、データベース、およびBITE(built−in test equipment)コマンドは、クルー用端末(またはパネル)524(図7A−7C参照)および/またはファイルサーバシステム528(図7A−7C参照)から、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB))324(図3、図7B、図7C参照)および/または配給システム320のワイヤレス部を介するワイヤレスゾーンターミネータ(wireless zone terminator)に送られる。シート装置は、イーサネット配給システム320を介してヘッドエンドシステム310Hに、プログラムリクエストデータ、BITEステータスデータ、および乗客サービスデータを返信する。
【0067】
所望される場合、配給システム320は、IEEE標準802.3zに準拠するファイバギガビットイーサネット部を備える。ファイバの光学的接続は、850nm波長の62.5/125μmマルチモードファイバであれば、1Gbits/sのデータ伝送速度を得られる。1つまたはそれ以上の銅線のイーサネット接続が配給システム320に提供される場合、銅線のイーサネット接続は、IEEE標準802.3に準拠するのが好ましい。その結果、10/100/1000Mbits/sのデータ伝送速度を得られる。10/100Base−Tの銅線イーサネットに使用する銅線接続として、米国規格協会(ANSI)の規格TIA/EIA−568−Bに従うカテゴリ5E(または相当)のケーブルなどがある。一方、1000Base−Tの銅線イーサネットに使用する銅線接続として、ANSIの規格TIA/EIA−568−Bに従うカテゴリ6(または相当)のケーブルなどがある。
【0068】
図7A−7Cを参照しながら、乗物用情報システム300の特定の実施形態を説明する。図7Aを参照すれば、単独のシステムとして使用可能にされている乗物用情報システム300が示されている。乗物用情報システム300のブロードバンド通信システム510は、衛星通信システム370A(図2B参照)からの通信信号をトラッキングし、ブロードバンド用アンテナシステム512に位置合わせ用データを提供するアンテナ制御ユニット(ACU)516を備えている。それにより、アンテナ制御ユニット516が、ブロードバンド用アンテナシステム512と衛星通信システム370A(図2B参照)との間の通信を開始して維持する。
【0069】
アンテナ制御システム516は、従来からあるタイプのアンテナコントローラを備え、ブロードバンド用アンテナシステム512を従来からある適当な方法で衛星通信システム370Aに向かって指向する。ブロードバンド用アンテナシステム512と衛星通信システム370Aとの間の通信の開始方法および/または維持方法の例が、上述の同時係属米国特許出願である、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)において図示され記載されている。図7Aに図示するように、乗物位置データが、グローバル・ポジショニング・サテライト(GPS)システムおよび/または慣性基準システム(IRS)などの、乗物位置システム518によって提供される。
【0070】
アンテナ制御システム516は、衛星通信システム370Aを追尾し、地上に置かれた衛星トランシーバハブシステム420(図5参照)と衛星通信システム370Aの接続を維持する。必要とされる場合、今現在使用中の衛星のビームによってカバーされるエリアの外に乗物390が移動すると、アンテナ制御システム516は、自動的に別の適当な衛星のビームを検出し、それに切り替える。アンテナ制御システム516は、衛星サービスが何らかの理由によって妨害され、その妨害の原因が解消されると、自動的に再接続する。アンテナ制御システム516はまた、新しいビームとの接続を確立した後、乗物390とのインターネットプロトコル(IP)接続を復元する。コンテンツシステム400は、好適には、乗物用情報システム300との再接続を調整するビームスイッチングをサポートしている。好適には、乗物用情報システム300がVPN再接続、音声/映像のストリーミングバッファ、クレジットカード照合バッファなどのパフォーマンスパラメータを調整できるように、乗物用情報システム300のシステムアプリケーションに事前通告する。
【0071】
乗物用情報システム300と衛星通信システム370A(図2B参照)との間のブロードバンド通信接続(またはリンク)を提供するブロードバンド制御システム514が、少なくとも1つのスイッチングシステム321を備えた状態で示されている。ブロードバンド制御システム514のスイッチングシステム321は、図3に関連して上述したように提供され、それには、個人用のスイッチングシステム321Aおよび/または公共のスイッチングシステム321Bが含まれる。スイッチングシステム321を個人用スイッチングシステム321Aと公共用スイッチングシステム321Bとに区分することは、乗物用情報システム300またはユーザの購買権限情報などの極秘のユーザ(すなわち乗客)情報への不正アクセスの防止に役立つ。好適には、外部ユーザとモバイルプラットフォームの乗客(権限を持つ管理者以外)との間の接続を行わず、セキュリティエンクレーブにおいて内部の基幹データベースとは許可される。個人用スイッチングシステム321Aはブロードバンド通信システム510と通信し、一方、公共用スイッチングシステム321Bは1つまたはそれ以上のワイヤレス式アクセスポイント368と通信する。個人用スイッチングシステム321Aと公共用スイッチングシステム321Bは、直接的に、および/またはファイルサーバシステム528などのサーバシステムを介するなどして間接的に通信する。
【0072】
図示されているブロードバンド制御システム514はまた、航空機インターフェースシステム522と通信する。航空機インターフェースシステム522は、乗物用情報システム300と広胴型の航空機390B(図2B参照)に導入されている航空機の航空電子工学(アビオニクス)装置との間のインターフェースを提供する。ファイルサーバシステム528は、ブロードバンド制御システム514と通信し、データローディングシステム529に接続されている。メディアコンテンツおよび/または客室構成データなどの情報が、データローディングシステム529を介して乗物情報システム300に提供される。データローディングシステム529は、好適には、ギガビット(1000Base−Xおよび/または1000Base−Tなど)イーサネット通信ポートを介してファイルサーバシステム528に接続される。
【0073】
所望される場合、1つまたはそれ以上の他の種類の乗物用情報システムの構成要素がブロードバンド制御システム514に接続される。クルー用端末(またはパネル)524は、旅客用乗物390(図4A,4B参照)のクルーが乗物用情報システム300のシステム構成および/または機能を操作することを可能にするユーザインターフェースを備える。クルー用端末524を介して操作されるシステム構成および/または機能の例として、旅客用乗物390(図4A,4B参照)の客室380(図4A,4B参照)内の乗客用シート382(図4A,4B参照)のシートレイアウト、客室380内のパブリックアドレス(すなわちPA)ゾーン、データベース制御、音声チャンネルの割り当て、および/または1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200のための電力制御を表示すること(および/または変更すること)が含まれる。クルー用端末524はまた、システムのBITEの実行におよび/または乗物用情報システム300のためのソフトウェアのダウンロードに使用される。ブロードバンド制御システム514は、端末用ワイヤレスローカルエリアネットワーク(LAN)システム526および/または乗物用情報システム300を介する旅客用乗物390内における携帯電話接続をサポートするピコセル(PicoCell)電話システムなどの電話システム525に接続されている。
【0074】
パブリックアドレス(すなわちPA)オーディオは、ブロードバンド制御システム514および/またはシステムコントローラ530(図7B参照)を介して乗物用情報システム300に提供される。ベースバンドフォーマット状態で提供される場合、パブリックアドレスオーディオは、航空機インターフェースシステム522からブロードバンド制御システム514および/またはシステムコントローラ530に提供される。ブロードバンド制御システム514および/またはシステムコントローラ530は、好適には、ベースバンドのパブリックアドレスオーディオをイーサネットデータストリームに電子化および/またはエンコードし、電子化したパブリックアドレスオーディオをコンテンツ配給システム320を介して乗客シート382に配給する。例えば、電子化されたパブリックアドレスオーディオは、個人用メディアデバイス200それぞれのオーディオシステム250(図4B参照)および/または乗物用情報システム300のオーディオ出力システム364(図4A,4B参照)を介して出力するために、スイッチングシステム321とエリア配給ボックス(ADB)322(図7B,7C参照)に供給される。電子化されたパブリックアドレスオーディオを受け取ると、オーディオシステム250および/またはオーディオ出力システム364は電子化されたパブリックアドレスオーディオをアナログオーディオにデコードし、アナログのパブリックアドレスオーディオを出力する。好適には、パブリックアドレスオーディオは、他の鑑賞コンテンツ210より優先的にオーディオシステム250および/またはオーディオ出力システム364によって出力される。
【0075】
図示されているワイヤレス式アクセスポイント368は、アクセスポイント用アンテナシステム369を備えている。アクセスポイント用アンテナシステム369は、乗物用情報システム300と1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200との間で、ブロードバンド無線周波数の通信信号(図示せず)の送信および/または受信を行う。図示されている個人用メディアデバイス200の通信ポート(またはコネクタ)270は、アクセスポイント用アンテナシステム369と通信するためのデバイスアンテナシステム270Aを備えている。アクセスポイント用アンテナシステム369とデバイスアンテナシステム270Aは、乗物用情報システム300と個人用メディアデバイス200との間のブローバンド無線周波数の通信信号の送受信に適した従来からあるタイプのアンテナシステムなどである。
【0076】
図7Bの乗物用情報システム300は、狭胴型の航空機390B(図2B参照)の導入に適している。ブロードバンド用アンテナシステム512、ブロードバンド制御システム514、およびワイヤレス式アクセスポイント368は、図7Aに関連して上述したように提供される。図示されている乗物用情報システム300は、システムコントローラ530を備えている。システムコントローラ530は、コンテンツ配給システム320に接続され、また、ARINCのスタンダード429信号、イーサネット信号、別々のインプット/アウトプットキーライン、パブリックアドレスオーディオ、飛行地図データなど、特定の航空機の情報や他の航空電子工学(アビオニクス)情報を乗物用情報システム300に提供するためのインターフェースを備える。それにより、システムコントローラ530は、航空機の航空電子工学機器(図示せず)と乗物用情報システム300との間のゲートウェイとしての役割を果たす。所望される場合、システムコントローラ530は、出力する鑑賞コンテンツ210を提供するために乗物用情報システム300に導入されている、ビデオテープレコーダシステム310などの、1つまたはそれ以上のコンテンツ源310に接続される。
【0077】
図7Bに示すように、乗物用情報システム300のコンテンツ配給システム320は、無線周波数(RF)ビデオ信号を、オーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aなどのビデオ出力システム362に供給する複数のタッピング(tapping)ユニット327を備えている。ベースバンドビデオ信号はまた、1つまたはそれ以上のビデオ配給システム328を介してオーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aに配給される。タッピングユニット327および/またはビデオ配給システム328は、好適には、上述したような列線交換ユニット(LRU)として提供される。所望される場合、デジタルビデオ信号は、1つまたはそれ以上の高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信接続を介して配給される。コンテンツ配給システム320は、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB))324(図3参照)に関連して上述したように提供されるビデオ用シート電子ボックス(VSEB)324Vを少なくとも1つ備える。ビデオ用シート電子ボックス324Vは、出力するために、乗物用情報システム300のシート裏ディスプレイシステム362Bなどの特定のビデオ出力システム362および/または個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム(図4B参照)にデジタルビデオ信号を供給する。
【0078】
図7Cを参照すれば、広胴型の航空機390B(図2B参照)の導入に適した乗物用情報システム300が示されている。ブロードバンド用アンテナシステム512、ブロードバンド制御システム514、およびワイヤレス式アクセスポイント368が、図7Aに関連して上述したように提供される。図7Cに示すように、乗物用情報システム300のシステムコントローラ530はコンテンツ配給システム320に接続され、また、ARINCのスタンダード429信号、イーサネット信号、別々のインプット/アウトプットキーライン、パブリックアドレスオーディオ、飛行地図データなど、特定の航空機の情報や他の航空電子工学(アビオニクス)情報を乗物用情報システム300に提供するためのインターフェースを備える。それにより、システムコントローラ530は、航空機の航空電子工学機器(図示せず)と乗物用情報システム300との間のゲートウェイとしての役割を果たす。所望される場合、システムコントローラ530は、出力する鑑賞コンテンツ210を提供するために乗物用情報システム300に導入されている、カメラシステム310Yおよび/またはダイレクトブロードバンド衛星(DBS)テレビシステム310Zなどの、1つまたはそれ以上のコンテンツ源310に接続される。
【0079】
図7Cは、オーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aなどのビデオ出力システム362にビデオ信号を供給する1つまたはそれ以上のデジタルタッピングユニット329を備える、乗物用情報システムのコンテンツ配給システム320を示している。所望される場合、デジタルビデオ信号は、1つまたはそれ以上の高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信接続を介して配給される。コンテンツ配給システム320は、少なくとも1つのシート電子ボックス(SEB)324を備えている。シート電子ボックス324は、出力するために、乗物用情報システム300のシート裏ディスプレイシステム362Bなどの特定のビデオ出力システム362および/または個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム240(図4B参照)に、デジタルビデオ信号を供給する。図示されている乗物用情報システム300はまた、図2A,2Bに関連して詳細に上述したようなメディア(またはコンテンツ)サーバシステム310Aを少なくとも1つ備えている。
【0080】
乗物用情報システム300(図7A−7C参照)用のワイヤレス式アクセスポイント368の例が図8に図示されている。図示されているワイヤレス式アクセスポイント368は、イーサネットトランシーバ620と通信するインプット/アウトプット(I/O)プロセッサシステム610を備えている。ワイヤレス式アクセスポイント368は、ブロードバンド制御システム514(図7A−7C参照)および/または乗物用情報システム300の特定のエリア配給ボックス(ADB)322(図7B,7C参照)とイーサネット信号(図示せず)をやりとりする通信ポート630を有する。インプット/アウトプット(I/O)プロセッサシステム610はまた、ワイヤレスモジュールシステム660と通信する。ワイヤレスモジュールシステム660は、アクセスポイント用アンテナシステム369に接続され、また、乗物用情報システム300と1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200(図7A−7C参照)との間でアクセスポイント用アンテナシステム369がブロードバンド無線周波数通信信号(図示せず)を送受信できるようにしている。図8に示すように、ワイヤレス式アクセスポイント368は、エリア配給ボックス(ADB)322からの入力電力を受け取り、ワイヤレス式アクセスポイント368に作動電力を供給する電力供給システム640を備えている。
【0081】
実行中、乗物用情報システム300は、有利に、かなり高速のデータ伝送速度での双方向のデータ伝送をサポートする。例えば、乗物用情報システム300は、最大約10Mbps−15Mbpsまたはそれ以上のデータ伝送速度のデータダウンロード(送信リンク)と、最大約1.5Mbpsまたはそれ以上のデータ伝送速度のデータアップロード(返信リンク)とをサポートする。8時間の移動中の標準的な乗客(すなわちユーザ)によって使用されるバンド幅は、約7Mbpsである。このような乗物用情報システム300により、有線式および/またはワイヤレス式のアクセスポイント368を介して乗物用情報システム300と通信する個人用メディアデバイス200(図4B参照)を使用する、および/または乗物用情報システム300のシート裏ディスプレイシステム362B(図4A,4B参照)などのユーザ(すなわち乗客)インターフェースシステム360(図4A,4B参照)を使用するなどを含む、従来からある方法でインターネット310Cにアクセスすることができる。所望される場合、個人用メディアデバイス200は単独動作設定を有し、それにより、個人用メディアデバイス200は、アクセスポイント368を介して独立型乗客用データネットワークとして作動する。好適には、個人用メディアデバイス200を介して接続が達成される。
【0082】
航空機390Bに導入される場合、例えば、乗物用情報システム300は、好適には、移動中において、機内イントラネットとインターネットとのプレミアセット(premier set)、情報、エンターテイメント、通信、および/または他のシステムサービスへの機内アクセスをユーザ(すなわち乗客)に与えるブロードバンドポータルアプリケーションを提供する。特定のシステムサービスは無料でユーザ(すなわち乗客)に提供されてもよく、一方、他の特定のシステムサービスは、システムサービスへのアクセスが許可される前に料金の支払いを必要としてもよい。システムサービスとして、機内イントラネットを介するワールドワイドェブ(World Wide Web)上のウェブサイトへのアクセスが含まれる。それにより、ユーザはインターネット310C上のあらゆるサイトに実質的に直接アクセスすることができる。わいせつまたはいかがわしいウェブサイトなどの特定のサイトへのアクセスを、移動中は制限してもよい。異なる言い方をすれば、乗物用情報システム300は、いかがわしいコンテンツ、不正サイト、および過剰な処理能力を必要とするサービスをフィルタリング/ブロックしてウェブサイトを提供する。地上のネットワークオペレーションセンタ(NOC)440(図5参照)が、不適切なURL/不正なサイトを、乗物用情報システム300に送信する前に、フィルタリング/ブロックすることもできる。ユーザは、ビジネス用および/または個人用の電子メール(すなわちEメール)アカウントに直接アクセスすることにより、Eメールを送信および/または受信することができる。所望される場合、権限を持つユーザは、仮想プライベートネットワーク(VPN)に接続することができる。ユーザは、インスタントメッセージ(IM)および/またはショートメッセージサービス(SMS)にもアクセスできる。
【0083】
ユーザは、乗物用情報システム300によって保存された鑑賞コンテンツ210にアクセスできる。保存された鑑賞コンテンツ320には、特定のTVプログラム、映画、および/またはショートフィルムなどのプレミアム鑑賞コンテンツ210が含まれる。電子雑誌(electronic magazine:e−zine)、新聞、および他の出版物を、鑑賞コンテンツ210として提供することができる。乗物用情報システム300は、好適には、標準的に選択された出版物および/または複数のユーザ層に訴える特別に選択された出版物を提供する。所望される場合、鑑賞コンテンツ210は、フォントのサイズが選択できるおよび/またはフォントを拡大でき、また、航空機390Bに搭乗中は再読できる。
【0084】
加えて、および/または代わりとして、ユーザは機内用ゲームにアクセスできるおよび/または広告、ニュース、天気予報、スポーツファイナンシャル、および/または他の種類の鑑賞コンテンツ210を見ることができる。鑑賞コンテンツ210は、例えば、ユーザの興味および/または移動中の場所に基づいて選択される。広告コンテンツとして、ウェブ広告コンテンツが含まれる。ユーザはまた、マップ、接続されている搭乗ゲート情報、着陸/離陸情報、および/または航空会社が選択した目的地情報を含む、航空会社の情報コンテンツにアクセスすることができる。乗物用情報システム300は、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)プログラムおよび/またはインターネット(IP)ラジオプログラムの1つまたはそれ以上のチャンネルを介して提供される鑑賞コンテンツ210を提供する。IPTVプログラムには、ニュースやスポーツを中心とするライブプログラムが含まれる。他の種類のIPTVプログラムは、ブロードバンドリンクによって伝送され、その伝送は、リアルタイム方式でなくてもよく、通常はノンピークネットワーク要求期間(non−peak network demand periods)中に行われる。
【0085】
上述したように、乗物用情報システム300の特定のシステムは、システムサービスへのアクセスを許可する前に、料金の支払いを必要とする。料金が必要なシステムサービスの例として、利用回数制のサービスおよび/または航空機内ショッピングが含まれる。利用回数制のサービスとして、ストリーミングオーディオ、ストリーミングビデオ、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)プログラムや、地上のコンテンツシステム400に対してブロードバンド電話通信リンクを利用するシステムサービスなどの特別なシステムサービスが含まれる。ブロードバンド電話通信リンクを利用するシステムサービスの例として、インスタントメッセージ(IM)、ショートメッセージサービス(SMS)、レストラン予約、ゴルフのスタート時間の予約、オンライン予約、および/またはゲームへのアクセスがある。システムサービスの料金は、アクセスされる個々の機能に基づいて異なる。乗物用情報システム300はまた、コンピュータゲームおよび/またはマルチプレイヤ用ゲームを提供し、これらは無制限に遊ぶことができ、ゲームのタイトルや配給会社に基づいて課金される。
【0086】
飛行機内ショッピングは、有利に、ユーザ(またはウェブの買い物客)に対して、特定のウェブサイトを閲覧可能に、サイト上に掲載されているアイテムを選択可能に、クレジットカード番号および発送情報の提供可能にしている。売り上げ情報が、クレジットカード情報を照合し、購入品を発送したウェブベンダ(vendor)に伝送される。好適には、確認番号を受信する。所望される場合、電子商取引(e−commerce)のウェブサイトのグラフィックコンテンツが、サーバシステム310A(図2A,2B参照)に再提供されて保存される。ネットワークオペレーションセンタ440B(図5参照)などの少なくとも1つのネットワークオペレーションセンタ(NOC)440は、地上のウェブサイトに生じる変更を監視する。それにより、ネットワークオペレーションセンタ440は、空中の鑑賞コンテンツ210と地上の鑑賞コンテンツ210とを同期し、値段や商品などのアップデートを定期的に行うことができる。好適には、乗物用情報システム300は、ユーザの年齢層や好みに合うお店やサービスを、適切な電子商取引相手として選択する。
【0087】
特定のウェブサイトの閲覧している間に買い物を決心した場合、ユーザは、クレジットカード照合情報などの購買権限情報を提供することができる。それにより、ユーザが購買の権限を持つことが確認される。所望される場合、乗物用情報システム300は、クレジットカード、頻繁利用客(frequent flyer)カードなどの様々な種類のカードによって提供される購買権限情報を読取るカードリーダ(図示せず)を備える。カードリーダは、好適には、乗客用シート382(図4A,4B参照)の近くに配置される。乗物用情報システム300は、リアルタイムに購買権限情報を確認することにより、トランザクション処理による遅延や不正の可能性を回避する。必要とされる場合、乗物用情報システム300は、衛星リンクが利用できないときに、購買権限情報をキャッシュに格納する。それにより、購買権限情報が、衛星リンクが利用可能となったときに伝送される。乗物用情報システム300は、好適には、購買権限情報を確認すると、確認番号などの購買確認情報を提供する。
【0088】
クレジットカードの権限情報を確認するための確認プロセス700の例が図9に示されている。710において、ユーザが特定のウェブサイト(すなわちショップ)を閲覧する。特定のウェブサイトから購入することを決定すると、720において、ユーザは、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)を乗物用情報システム300(図2A,2B)に提供する。730において、乗物用情報システム300は、衛星通信システム370A(図2B参照)との衛星リンクが利用可能であるか否かを確認する。衛星リンクが利用可能である場合、乗物用情報システム300は、740において、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)をネットワークオペレーションセンタ(NOC)440(図5参照)に伝送する。ネットワークオペレーションセンタ440は、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)を確認し、その情報の確認が済むと、確認番号を乗物用情報システム300に提供する。750において、乗物用情報システム300は、確認番号をユーザに提供する。
【0089】
730において、乗物用情報システム300が衛星リンクの利用不可能の判定をした場合、乗物用情報システム300は、760において、購入合計額が、予め設定されている最大購入限度より小さい(または等しい)か否かを判定する。770において、乗物用情報システム300は、購入合計額が予め設定された最大購入限度を超えているので、ユーザにしばらくした後に買物をやり直すように要求する。これに対して、乗物用システム300は、780において、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)をバッファシステム(図示せず)に送信する。乗物用情報システム300は、電子メールを介して後に確認番号が提供されることをユーザに通知し、および/またはクレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)のネットワークオペレーションセンタ440への伝送を周期的に試みる。乗物用情報システム300は、予め設定された時間間隔など、好適な基準にしたがって、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)の送信を試みる。
【0090】
好適な実施形態において、乗物用情報システム300は、サービスの日付/時間/期間、エアラインコード/フライトナンバ、ユーザID番号(またはコード)、支払選択、価格設定プラン、サービスの種類、有効期限に関連して利用できる助成や割引、および/またはサービスの地理的地域などに基づいてユーザ毎にまたセッションあたりの商取引サービスに対する請求書発行をサポートするために必要なデータを収集するおよび/または報告する。請求書発行の情報の例として、航空機ID番号(またはコード)、ネットワーク利用日、ネットワーク利用時刻および/または期間、ネットワークの利用領域、および/または任意の固有の利用法/イベント(例えば、利用毎に支払うサービス)などがある。乗物用情報システム300はまた、顧客特有のコンテンツ、データ、および/または機外の取引の伝送に利用した情報量に基づいて、顧客に対する請求書発行をサポートするために必要なデータを集める。所望される場合、乗物用情報システム300は、ユーザが、ログイン時に定期購読の支払プランを選択したり、その定期購読をキャンセルしたり、および/またはアカウント保持中の定期購読の支払プランを選択できるようにする。
【0091】
ユーザは、いつでもユーザアカウントをメンテナンス(保持)することができる。例えば、乗物用情報システム300は、無線周波数(RF)リンク接続がアクティブであるとき、フリーユーザにユーザアカウントサービスへのアクセス権を提供する。移動の完了後、ユーザは地上のポータル(図示せず)を介して自身のユーザアカウントをメンテナンス(保持)することができる。ユーザは、好適には、アカウント情報へのアクセス前にID認証を要求される。所望される場合、アカウント保持中に入力されるクレジットカードナンバーなどの購入権限情報が、即座に照合される。例えば、クレジットカード情報は、入力されたカード番号が有効であって名目的費用で承認されていることを確認するために照合される。
【0092】
ユーザはまた、地上のポータルを介しておよび/または乗物用情報システム300を介して、無線周波数リンク接続がアクティブであるときに、いつでもシステム登録サービスにアクセスすることができる。移動の完了後も、ユーザは、地上のポータル(図示せず)を介してユーザアカウントを保持することができる。システム登録サービスへのアクセスは、好適にはユーザに無料で提供される。ウェブをベースとする情報源などのオンライン、セルフヘルプ式のカスタマーサポートや一般的な質問(FAQ)に対する回答をユーザは利用することができる。所望される場合、システムはネットワーク上においてアクティブの特定の航空機を識別する情報を集める。
【0093】
安全な商取引を補償するために、乗物用情報システム300とコンテンツシステム400との間の通信は、好適には暗号化される。ワイヤレス用のセキュリティソフトウェアが、安全な商取引のために組み込まれる。乗物用情報システム300は、ウイルスから自身を保護する。ウイルス対策ソフトウェアが使用される場合、例えば、ウイルス対策ソフトウェアは、データファイルの即時性や、最新のウイルスを識別するシグナチャを含む、ウイルス保護ソフトウェアのベンダからの検査エンジンの即時性を維持するために、任意の時間毎にアップデートされる。乗物用情報システム300は、移動が完了する前に、全てのユーザデータを消去する。このようなユーザデータとしては、制限はなく、ユーザネーム、アカウント情報、購入権限情報、および/またはユーザ活動(user activities)が含まれる。
【0094】
図10Aを参照すれば、電話システム800を備えた乗物用情報システム300が示されている。電話システム525(図7A参照)のように、電話システム800は、ピコセル電話システムとして提供され、および/または旅客用乗物390(図2A,2B参照)内の携帯電話接続をサポートしている。それにより、乗物用情報システム300は、ユーザ(すなわち乗客)が、個人のセルラー電話(図示せず)や、セルラー通信接続をサポートしている他の個人用メディアデバイス200(図4B参照)を旅客用乗物390での移動中に使うことを可能にしている。電話システム800を統合することにより、乗物用情報システム300は、利に、従来からあるセルラー電話システムに比べて、同時呼び出しの能力が高く、また1分あたりの費用が安い、ロバストなセルラー電話サービスを提供することができる。
【0095】
図10Aに示すように、電話システム800は、1つまたはそれ以上の無線周波数(RF)管理システム820および/または航空機用結合ユニット(aerial combiner unit:ACU)システム830と通信するピコセルシステム810を備えている。ピコセルシステム810、無線周波数(RF)管理システム820、および航空機用結合ユニットシステム830は、図に示すように、同軸ケーブルの通信接続840を介して通信する。航空機用結合ユニットシステム830はそれぞれ、個人用のセルラー電話や他の個人用メディアデバイス200との間でセルラー通信信号をやり取りする少なくとも1つの漏洩フィーダ(leaky feeder)システム850を備えている。図7Aについて上述したように、ピコセルシステム810および/または少なくとも1つの無線周波数管理システム820は、高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信接続860を介して航空機インターフェースシステム522と通信する。
【0096】
電話システム800は、好適には、セルラー通信信号を受信し、セルラー通信信号を、ブロードバンド通信システム510と衛星通信システム370A(図2B参照)を介してコンテンツシステム400に伝送するために、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)フォーマットにコンバートする。コンテンツシステム400は、インターネット310C(図2B参照)とVoIP信号をやりとりする。入ってきたVoIP信号は、個人のセルラー電話や他の個人用メディアデバイス200に伝送されるセルラー通信信号に、電話システム800によってコンバートされる。したがって、乗物用情報システム300は、客室内のシート間通信および/または地対空通信のために、予め決められた数のセルラー電話チャンネルを備えている。所望される場合、電話ハンドセットシステムが、特定の乗客用シート382(図4A,4B参照)に統合され、ヘッドエンドシステム310(図3参照)に接続される。
【0097】
代わりとして、および/または加えて、乗物用情報システム300は、テレビシステムを備えている。図10Bを参照すれば、例えば、図示されている乗物用情報システム300は、統合型デジタルテレビ(IDTV)システム900を備えている。統合型デジタルテレビシステムの例が、上述した、同時係属米国特許出願である、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)において、図示され記載されている。図示されている統合型デジタルテレビシステム900は、デジタルテレビ用アンテナシステム910と、デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット(ACU)930とを備えている。好適にはレーダドームの下に配置されて保護される、デジタルテレビ用アンテナシステム910は、ブロードバンド用アンテナシステム512に関して上述したように提供され、マルチリージョンデジタルレシーバ(MRDR)システム950の制御を受けて作動する。
【0098】
デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930は、衛星通信システム370A(図2B参照)からの通信信号を追尾(トラッキング)し、デジタルテレビ用アンテナシステム910に位置合わせ用データを提供する。図10Bに図示するように、位置データ940は、グローバルポジショニングサテライト(GPS)システムおよび/または慣性基準システム(IRS)などの乗物位置システム(図示せず)によってデジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930に提供される。それにより、デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930は、デジタルテレビ用アンテナシステム910と衛星通信システム370Aとの間の通信を開始して維持することができる。デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930は、ブロードバンド用アンテナシステム512が指向している衛星通信システム370Aと同一および/または異なる特定の衛星通信システム370Aに向かってデジタルテレビ用アンテナシステム910を指向する。
【0099】
原文になし
【0100】
テレビ鑑賞コンテンツ210(図2A,2B参照)は、極性が異なる一対の分極信号として提供され、低ノイズ増幅(LNB)システム920は、図10Bに示すように極性が異なる一対の分極信号を増幅する。低ノイズ増幅(LNB)システム920は、極性が異なる一対の分極信号を、Ku帯(10.7GHz−12.75GHz)内の高周波数信号から、L帯(950MHz−2150MHz)などの予め決められた中間周波数(または低周波数)帯内の一対の中間周波数(または低周波数)信号にダウンコンバートする。
【0101】
中間周波数(または低周波数)信号は、1つまたはそれ以上のマルチリージョン(multi−regional)デジタルレシーバシステム950に供給される。マルチリージョンデジタルレシーバシステム950それぞれは、テレビ鑑賞コンテンツ210から予め決められたテレビチャンネルを選択する。特定のスイッチングシステム321と通信することにより、マルチリージョンデジタルレシーバシステム950は、詳細に上述したように乗客用シート3828(図4A,4B参照)で出力するために、コンテンツ配給システム320に予め決められたテレビチャンネルを提供する。
【0102】
記載した実施形態は、様々な変形形態や代替形態にすることが可能であり、それの具体例が、図面内の例や図面内の例や本明細書内にて詳細に説明された例によって示されている。しかしながら、記載した実施形態は開示された特定の形態や方法に限定するものではなく、本開示内容は、改良物、同等物、および代用物の全てを含んでいる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くには乗物用情報システム、特には、限定するわけではないが、地上のコンテンツ源から鑑賞用のコンテンツ放送を受信して選択的に出力するフライト中の航空機内用エンターテイメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や航空機などの乗物は、多くの場合、移動中に、エンターテイメントなどの鑑賞コンテンツ、情報コンテンツ、または他の鑑賞コンテンツへのアクセスを要望する乗客を満足させるために、乗物用情報システムを装備している。
【0003】
従来からある乗客用情報(すなわちエンターテイメント)システムの例として、乗客が鑑賞コンテンツを選択できるように個々の操作ボタンを備える、オーバーヘッド型客室ビデオシステムまたはシート搭載ビデオシステムがある。鑑賞コンテンツとして、様々なコンテンツ源から配給される音楽コンテンツやビデオコンテンツがある。映画や音楽などの予め記録された鑑賞コンテンツは、乗物に搭載されている、音楽プレーヤやビデオプレーヤなどの内在的なコンテンツ源によって提供される。従来の乗客用情報システムはさらに、乗物の外に存在するおよび/または乗物から離れて存在する1つまたはそれ以上のコンテンツプロバイダ(すなわちコンテンツ源)から送信された、ライブテレビプログラムおよび/またはインターネットコンテンツなどの鑑賞コンテンツを受信するアンテナシステムを備えている。
【0004】
しかしながら、このような従来の乗客用情報システムは、多くの不都合がある。多くの乗客は、この乗客用情報システムの操作を複雑に感じ、鑑賞コンテンツを楽しみ難い。鑑賞コンテンツの選択は、例えば、ユーザ用操作ボタンが扱いにくい場所にあって操作がやりにくいために困難を極める。また、乗客用情報システムのビデオシステムの多くが、頭上および/または対面する座席の裏などの乗客用操作ボタンから離れた位置にある。加えて、1つまたはそれ以上のビデオシステムが故障すると、乗物に乗って移動する多くのまたは全ての乗客が、鑑賞コンテンツを楽しむことを阻害される。
【0005】
さらに鑑賞コンテンツに対する乗客の要求は持続的に進化している。ライブテレビプログラムや最新ゲームなどの最新の鑑賞コンテンツへのアクセスを望むだけではなく、乗客は、インターネットへのアクセスやイントランジット(in−transit)ショッピングなど、利用可能な情報製品やサービスをより多く選択できるように要求している。乗客はまた、移動中に、顧客または企業のイントラネットシステムから利用できる鑑賞コンテンツなど、非公共の(すなわち個人の)鑑賞コンテンツを鑑賞できることを望んでいる。しかしながら、従来からある乗客用情報システムは、固定されたハードウェア技術によって制限されており、乗客の鑑賞コンテンツや他の情報に対する好みの変化に対応するように変更することが容易ではない。
【発明の概要】
【0006】
上述のことを考慮すると、従来の乗客用情報システムの上述した障害や欠陥を克服するためには、乗客の個人用メディアデバイスと乗客用情報システムを統合する、改良された乗客用情報システムおよび方法が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、情報システムの一実施形態であって、コンテンツシステムと通信している情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0008】
【図2A】図2Aは、図1の情報システムであって、自動車に導入される乗物用情報システムである情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0009】
【図2B】図2Bは、図2Aの乗物用情報システムであって、航空機に導入される乗物用情報システムであり、図1のコンテンツシステムと通信するように構成されている情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0010】
【図3】図3は、図2A,2Bの乗物用情報システムの配給システムの好適な一実施形態を示す一例の詳細図である。
【0011】
【図4A】図4Aは、図2A,2Bの乗物用情報システムが導入されている、乗物の客室を示す一例の上位概念図である。
【0012】
【図4B】図4Bは、図4Aの乗物用情報システムの実施形態であって、図1の個人用メディアデバイスと通信する乗物用情報システムを示す一例の上位概念図である。
【0013】
【図5】図5は、図1のコンテンツシステムの実施形態を示す一例の上位概念図である。
【0014】
【図6】図6は、図2A,2Bの乗物用情報システムの実施形態であって、図1のコンテンツシステムとのブロードバンド通信をサポートするブロードバンドシステムを備える乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0015】
【図7A】図7Aは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、独立型のシステムとして使用される乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0016】
【図7B】図7Bは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、狭胴型の航空機への導入に適した乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0017】
【図7C】図7Cは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、広胴型に航空機への導入に適した乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0018】
【図8】図8は、図6の乗物用情報システム用のワイヤレス式アクセスポイントの実施形態を示す一例の詳細図である。
【0019】
【図9】図9は、図6の乗物用情報システム用のワイヤレス式アクセスポイントの実施形態の一例のフローチャートを示す図である。
【0020】
【図10A】図10Aは、図6の乗物用情報システムの実施形態であって、電話システムを備えている乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0021】
【図10B】図10Bは、図6の乗物用情報システムの代わりの実施形態であって、統合型デジタルテレビ(IDTV)システムを備える乗物用情報システムを示す一例の詳細図である。
【0022】
図面は縮尺どおりに示しておらず、ほとんどの場合、類似の構造または機能の構成要素には、全図にわたって説明するための類似の参照符号が付されていることに注意すべきである。また、図は、好適な実施形態の説明を手助けすることのみを目的としていることに注意すべきである。図は、記載する実施形態のあらゆる態様を示しているわけではなく、また開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(好適な実施形態の詳細な説明)
現在利用されている乗客用情報システムは操作が複雑であって、固定のハードウェア技術によって制限され、乗客の鑑賞コンテンツや他の情報の好みの変化に対応するように変更することが容易ではない。少なくとも1つの遠隔のコンテンツシステムと通信する情報システムは、望みどおりにでき、また、移動中の自動車、航空機、または他の種類の乗物に使用される乗物用情報システムなど、広範囲のシステムアプリケーションの基礎を提供する。このことは、本明細書に開示されている一実施形態によれば、図1に示すような情報システム100によって実現される。
【0024】
図1を参照すれば、少なくとも1つのコンテンツシステム400と通信するように構成されている情報システム100が図示されている。コンテンツシステム400に対して離れた位置に配置された場合、情報システム100は、コンテンツシステム400に対して低コストであって大容量のデータ接続を確立して維持するために、ブロードバンド接続の方法(ソリューション)など、高速の接続方法の出現を有効に活かしている。それにより、情報システム100は、「世界的規模のネットワーク(ワールドワイドネット(Worldwide Net))」上の1つのノードとして確立される。情報システム100は、有利に、システムユーザの体感をよりよくし、操作効率を向上させ、システムオペレータの収入源を創出する。
【0025】
それぞれのコンテンツシステム400は、同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年5月6日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONTENT ON MOBILE PLATFORMS」(出願番号11/123327)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて記載するように提供される。これらの出願は、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0026】
コンテンツシステム400と通信する場合、情報システム100は、コンテンツシステム400に対する双方向通信をサポートする。情報システム100は、例えば、コンテンツシステム400と鑑賞コンテンツ210(図2A,2B参照)をやり取りする。鑑賞コンテンツ210としては、情報システム100のビデオ出力システム362(図4A,4B参照)および/またはオーディオ出力システム364(図4A,4B参照)を介して出力するために、コンテンツシステム400から情報システム100に通信された(またはダウンロードされた)音声の鑑賞コンテンツおよび/または映像の鑑賞コンテンツが含まれる。鑑賞コンテンツ210はまた、所望される場合、情報システム100からコンテンツシステム400に通信される(またはアップロードされる)。
【0027】
鑑賞コンテンツ210は、上述の同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)とにおいて記載するような、蓄積された(すなわち時間遅延された)鑑賞コンテンツおよび/またはライブ(すなわちリアルタイム)鑑賞コンテンツなどの、従来からある任意のタイプのオーディオおよび/またはビデオの鑑賞コンテンツなどである。鑑賞コンテンツ210の例としては、制限はなく、TVプログラムコンテンツ、音楽コンテンツ、ポッドキャスト(podcast)コンテンツ、写真アルバムコンテンツ、オーディオブックコンテンツ、および/または映画コンテンツなどが含まれる。
【0028】
所望される場合、鑑賞コンテンツ210には、本出願の承継人が選定されており、開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている出願「METHOD FOR DISPLAYING INTERACTIVE FLIGHT MAP INFORMATION」(米国特許第6661353号)において記載されている地理情報が含まれる。代わりとして、および/または付加的に、ライブ衛星テレビプログラムおよび/またはライブ衛星ラジオプログラムなどのエンターテイメントコンテンツが含まれ、さらに、鑑賞コンテンツには、インターネット310C(図2B参照)へのリアルタイムアクセスおよび/または米国特許第5568484号の「TELECOMMUNICATIONS SYSTEM AND METHOD FOR USE ON COMMERCIAL AIRCRAFT AND OTHER VEHICLES」において記載するような遠隔通信などの双方向通信が含まれる。この米国特許第5568484号は、本出願の承継人が選定されており、開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。本明細書に図示するおよび記載する鑑賞コンテンツの例は、余すことなく網羅されたものではなく、説明目的のためのみに本明細書内で用いられ、限定を目的とするものではない。
【0029】
情報システム100はビルなどの固定の位置に配置することも可能であり、また、情報システム100は携帯型システムアプリケーションに有利に応用することもできる。図2A,2Bを参照すれば、幅広い種類の乗物390内に導入可能に構成されている乗物用情報システム300を含む情報システム100が示されている。乗物の種類の例としては、制限はなく、自動車390A(図2A参照)、航空機390B(図2B参照)、バス、レクレーション用乗物、ボート、および/または移動力のある、すなわち他の種類の乗客を載せる乗物が含まれる。図2Bに示すように航空機390Bに導入される場合、例えば、乗物用情報システム300は、カリフォルニア州レークフォレストのパナソニックアビオニクスコーポレーション(かつては松下アビオニクスシステムコーポレーション)製のシリーズ2000、3000、eFX、および/またはeX2の機内エンターテイメントシステムなどの、従来からある航空機の乗客用の機内エンターテイメントシステムを有する。
【0030】
図2A,2Bに示すように、乗物用情報システム300は、少なくとも1つの従来からあるコンテンツ源310と、リアルタイムコンテンツ配給システム320を介して通信する1つまたはそれ以上のユーザ(すなわち乗客)インターフェースシステム360とを有する。各コンテンツ源310は、上述の同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年5月6日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONTENT ON MOBILE PLATFORMS」(出願番号11/123327)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて記載するように提供される。
【0031】
コンテンツ源310には、乗物390内に導入されているサーバシステム310Aなどの1つまたはそれ以上の内在的なコンテンツ源と、および/または、乗物390の外部に存在する遠隔(または地上)のコンテンツ源310Bとが含まれる。サーバシステム310Aは、所望される場合、乗物用情報システム300のための機能を制御する総合システムを提供する情報システムコントローラとして、および/または、図2A,2Bに示すような、プログラムされたコンテンツおよび/またはダウンロードされた鑑賞コンテンツ210Dを記憶する少なくとも1つのメディア(すなわちファイル)サーバシステムとして提供される。サーバシステム310Aは、一つまたはそれ以上の従来からある周辺機器であるメディアストレージシステム(図示せず)を備える、および/またはこのメディアストレージシステムと通信する。このメディアストレージシステムには、プログラムされたコンテンツおよび/またはダウンロードされた鑑賞コンテンツ210Dを記憶する、DVD(デジタルビデオディスク)システムまたはCD(コンパクトディスク)システムなどの光学メディアデバイス、および/またはVCR(ビデオカセットレコーダ)システムやHDD(ハードディスクドライブ)システムなどの磁気メディアシステムが含まれる。
【0032】
コンテンツシステム400など1つまたはそれ以上の選択されたコンテンツ源310によって提供される観賞コンテンツ210を配給するおよび/または提供する構成にするために、乗物用情報システム300は、有線通信および/またはワイヤレス通信を介することを含む、従来からある任意の方式でリアルタイムにコンテンツ源310と通信することができる。乗物用情報システム300と地上のコンテンツ源310Bとは、例えば、直接的、および/または衛星通信システム370Aなどの中継通信システム370を介する間接的なものも含む、従来からある任意のワイヤレス通信を行うことができる。それにより、乗物用情報システム300は、選択された地上のコンテンツ源310Bから鑑賞コンテンツ210Dをダウンロード(受信)することができ、および/または地上のコンテンツ源310Bに、ナビゲーションや他の制御指示を含む鑑賞コンテンツ210Uをアップロード(送信)することができる。所望される場合、地上のコンテンツ源310Bは、他の地上のコンテンツ源(図示せず)と通信できるように構成される。インターネット310Cにアクセスするための地上のコンテンツ源310Bが、図2Bに示されている。説明のために衛星通信システム370Aを有するものを図示するとともに記載したが、通信システム370が、セルラー通信システム(図示せず)および/またはAGIS(Aircraft Ground Information System)通信システム(図示せず)などの、従来からある任意のタイプのワイヤレス通信システムを有することが可能であることは分かっている。
【0033】
地上のコンテンツ源310Bとの通信を容易にするために、乗物用情報システム300は、図2A,2Bに示すような遠隔(または地上)のコンテンツ源310Bからの鑑賞コンテンツを受信するための、アンテナシステム330とトランシーバシステム340とを備える。アンテナシステム330は、好適には、航空機390Bの機体392の外側表面394など、乗物390の外側に配置される。アンテナシステム330は地上のコンテンツ源310Bから鑑賞コンテンツ210を受信し、受信された鑑賞コンテンツ210は、トランシーバシステム340によって処理され、乗物用情報システム300のコンピュータシステム350に送られる。コンピュータシステム350は、所望される場合、受信した鑑賞コンテンツ210をメディアサーバシステム310A、および/または1つまたはそれ以上のユーザインターフェース360に供給する。説明するためにシステムは分離した状態で図示されるとともに説明されているが、コンピュータシステム350とメディアサーバシステム310Aは、少なくとも部分的に統合可能である。
【0034】
コンテンツ源310やユーザインターフェースシステム360を含む乗物用情報システムの構成要素が、コンテンツ配給システム320を介して通信するものとして、図2A,2Bに示されている。図3は、乗物用情報システム300のコンテンツ配給システム320の例を示している。図3のコンテンツ配給システム320は、コンテンツ源を含むヘッドエンドシステム310Hと接続し、ヘッドエンドシステム310Hと複数のインターフェースシステム360との間の通信をサポートしている。図3に示す配給システム320は、同時係属米国特許出願であって、2006年3月29日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR ROUTING COMMUNICATION SIGNALS VIA A DATA DISTRIBUTION NETWORK」(出願番号11/277896)と、米国特許第5596647号、第5617331号、および第5953429号の「INTEGRATED VIDEO AND AUDIO SIGNAL DISTRIBUTION SYSTEM AND METHOD FOR USE ON COMMERCIAL AIRCRAFT AND OTHER VEHICLES」(同一タイトル)とにおいて記載するように提供される。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0035】
コンテンツ配給システム320は、例えば、電話ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、および/またはワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)など、従来からある、あらゆる種類の有線式および/またはワイヤレス式の通信ネットワークとして提供可能である。ワイヤレスローカルエリアネットワークの例として、IEEE(電気電子技術者協会)標準802.11に準拠するワイーファイ(Wi−Fi)ネットワーク、および/またはWiMaxワイヤレスブロードバンドとして知られている、IEEE標準802.16準拠のワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(wireless metropolitan−area networks:MANs)がある。好適には高いデータ伝送速度をサポートするように構成するために、コンテンツ配給システム320は、代表データ伝送速度が少なくとも約100メガビット/秒(100Mbps)である、ファーストイーサネット(100Base−Xおよび/または100Base−Tなど)通信ネットワークおよび/またはギガビット(1000Base−Xおよび/または1000Base−tなど)イーサネット通信ネットワークなどの、高速イーサネットネットワークで構成するのが好ましい。所望される場合、ワイヤレス通信環境において高いデータ伝送速度を実現するために、様々なシステムリソース間の通信をサポートすることができる、自由空間光通信(すなわちレーザ)テクノロジ、ミリ波(すなわちマイクロ波)テクノロジ、および/またはウルトラワイドバンド(UWB)テクノロジが利用される。
【0036】
所望される場合、配給システム320はまた、ネットワーク管理システム(図示せず)を備える。このネットワーク管理システムは、同時係属米国特許出願である、2004年2月6日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR IMPROVING NETWORK RELIABILITY」(出願番号10/773523)と、2005年3月21日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR IMPROVING NETWORK RELIABILITY」(出願番号11/086510)とにおいて記載するように提供される。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0037】
図3に示すように、配給システム320は、複数のエリア配給ボックス(ADB:area distribution box)322と、複数のフロア切断ボックス(FDB:floor disconnect box)323と、複数の有線および/またはワイヤレス通信接続325を介してリアルタイムに通信するように構成されている複数のシート電子ボックス(SEB:seat electronics box)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB))324とを備えている。配給システム320はまた、配給システム320とヘッドエンドシステム310Hとを接続するスイッチングシステム321を備えている。スイッチングシステム321は、イーサネット(Ethernet)スイッチングシステムなど、従来からあるスイッチングシステムなどであり、ヘッドエンドシステム310Hとエリア配給ボックス322とを接続するように構成されている。各エリア配給ボックス322は、スイッチングシステム321と接続して通信する。
【0038】
各エリア配給ボックス322は、順番に、少なくとも1つのフロア切断ボックス323と接続して通信する。エリア配給ボックス322と関連するフロア切断ボックス323とは従来からある任意の構成で接続されているが、関連するフロア切断ボックス323は、好適には、図3に示すように、中央のエリア配給ボックス322を中心とするスター型ネットワークトポロジー状に配置されている。各フロア切断ボックス323は、デイジーチェーン(daisy−chain)状に連結された複数のシート電子ボックス324に接続され、これらに情報を提供する。シート電子ボックス324は、順番に、ユーザインターフェースシステム360と通信するように構成されている。各シート電子ボックス324は、1つまたはそれ以上のユーザインターフェースシステム360をサポートしている。
【0039】
スイッチングシステム312、エリア配給ボックス(ADB)322、フロア切断ボックス(FDB)323、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB)324、およびコンテンツ配給システム320の他のシステムリソースは、好適には、列線交換ユニット(line replaceable unit:LRU)(図示せず)として提供される。コンテンツ配給システム320の他のシステムリソースの例として、ブロードバンド用アンテナシステム512、ブロードバンド制御システム514(図6参照)、ワイヤレス式アクセスポイント368(図6参照)、クルー用端末(またはパネル)524(図7A−7C参照)、航空機インターフェースシステム522(図6参照)、および/またはシステムコントローラ530(図7B参照)がある。LRUを採用することにより、乗物用情報システム300のメンテナンスが容易になる。なぜなら、不具合のLRUを乗物用情報システム300から簡単に取り除くことができ、そして新しい(または異なる)LRUと交換ができるからである。不具合のLRUは、その後、次の使用に備えて修理されてもよい。有利に、LRUの採用は、コンテンツ配給システム320のシステムリソースの数、配置、および/または構成の素早い変更を可能にし、それにより、コンテンツ配給システム320の構成に関して柔軟性を向上させる。コンテンツ配給システム320はまた、旧型のLRUと新型のLRUとを交換することにより、簡単にアップグレードできる。
【0040】
所望される場合、フロア切断ボックス323は、ルーティングシステムとして、および/または、上述の同時係属米国特許出願である、2006年3月29日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR ROUTING COMMUNICATION SIGNALS VIA A DATA DISTRIBUTION NETWORK」(出願番号11/277896)に記載するように、相互に接続するように有利に設けられる。配給システム320には、少なくとも1つのFDB内部ポートバイパス接続325Aと、および/または少なくとも1つのSEBループバック接続325Bとが含まれている。各FDB内部ポートバイパス接続325Aは、異なるエリア配給ボックス322に関連するフロア切断ボックス323を直接的に通信することを可能にする通信接続325である。各SEBループバック接続325Bは、図3に示すように、シート電子ボックス324の各デイジーチェーンの中の最後端のシート電子ボックス324と選択されたフロア切断ボックス323とを直接的に接続する通信接続325である。その結果、各SEBループバック接続325Bは、関連するフロア切断ボックス323と接続されているデイジーチェーン状の複数のシート切断ボックス324に沿ってループバックパス(path)を形成している。
【0041】
図2A,2Bを参照すれば、ユーザインターフェースシステム360は、鑑賞コンテンツ210を選択できるように、また選択した鑑賞コンテンツ210を提供できるように設けられている。所望される場合、ユーザインターフェースシステム360には、従来からある乗客用インターフェースが含まれ、上述した同時係属米国特許出願である2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)に記載するように、また同時係属米国特許出願である2005年4月19日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR PRESENTING HIGH−QUALITY VIDEO TO PASSENGERS ON A MOBILE PLATFORM」(出願番号60/673171)に記載するように提供される。この出願番号60/673171は、開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0042】
図4Aは、乗物用情報システム300が導入されている自動車390A(図2A参照)および/または航空機390B(図2B参照)などの、旅客用の乗物390の客室380を示している。客室380は複数の乗客用シート382を備えた状態で示されており、各乗客用シート382は特定のユーザインターフェースシステム360と関連付けされている。各ユーザインターフェースシステム360は、ビデオインターフェースシステム362および/またはオーディオインターフェースシステム364を備えている。ビデオインターフェースシステム362の例としては、中央制御のオーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aと、それぞれが個々の操作機器を備えるシート裏ディスプレイシステム362Bまたはアームレストディスプレイシステム(図示せず)と、クルー用ディスプレイパネル、および/または携帯型出力システムとが含まれる。オーディオインターフェースシステム364は、従来からある任意の方式で提供されており、これには、頭上スピーカシステム364A、携帯型出力システム、および/または、例えば乗客用シート382のアームレスト388に設けられているオーディオジャックと接続するヘッドフォンとが含まれる。スピーカシステムはさらに、乗客用シート382のベース384B内に配置されているスピーカシステム364Bおよび/または乗客用シート382のヘッドレスト384C内に配置されているスピーカシステム364Cのように、乗客用シート382に関連付けされている。好ましい実施形態において、オーディオインターフェースシステム364は、オーディオインターフェースシステム364によって提供される音質をさらに向上させるためにオプションとしてノイズキャンセルシステムを備えている。
【0043】
ビデオインターフェースシステム362とオーディオインターフェースシステム364は、シート裏386、内壁396、天井、および/または隔壁などの客室の表面の適した場所に導入されるか、または、乗客用シート382のアームレスト388に、同時係属米国特許出願である、2007年7月25日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR MOUNTING USER INTERFACE DEVICES」(出願番号11/828193)と、2007年8月7日出願の「USER INTERFACE DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT」(出願番号11/835371)とにおいて記載するように提供されたマウンティングシステム363を介することを含む従来からある任意の方法で導入される。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0044】
図4Aに示すように、ユーザインターフェースシステム360はさらに、制御信号220をやりとりするなどにより、ユーザ(すなわち乗客)と乗物用情報システム300とのやりとりを可能にする入力システム366を備えている。例えば、入力システム366は、乗物用情報システム300の動作を制御する1つまたはそれ以上のユーザの指示230の入力を可能にする。ユーザ指示230には、実例として、コンテンツ源310との通信を開始する指示、出力する鑑賞コンテンツ210を選択する指示、および/または選択された鑑賞コンテンツ210の出力を操作する指示が含まれる。鑑賞コンテンツ210とのアクセスに料金が必要である場合、支払い情報が入力システム366を介して入力される。
【0045】
入力システム366は、従来からある任意の方式で提供され、主として、キーボードやキーパッドなどの1つまたはそれ以上のスイッチ(またはプッシュボタン)、および/または、マウス、トラックボール、スタイラスなどのポインティングデバイスなどがある。所望される場合、入力システム366は、関連するビデオインターフェースシステム362および/またはオーディオインターフェースシステム364に、少なくとも部分的に統合される、および/または分離される。例えば、ビデオインターフェースシステム362と入力システム366とが、タッチスクリーンディスプレイシステムとして提供される。入力システム366はまた、フルサイズコンピュータ用キーボード、外付けマウス、および/またはゲームパッドなどの周辺機器である入力デバイスと乗物用情報システム300とを接続するための1つまたはそれ以上の入力ポート(図示せず)を備えていてもよい。
【0046】
好適には、少なくとも1つのユーザインターフェースシステム360が、個人用メディアデバイス200(図4B参照)と乗物用情報システム300とを接続するために、従来からある通信ポート(すなわちコネクタ)などの有線および/またはワイヤレス式のアクセスポイント368を備えている。それにより、乗物390に乗って移動中の乗客(図示せず)は、移動中、個人的に選択した鑑賞コンテンツを楽しむことができる。アクセスポイント368は、関連する乗客用シート382の近傍に配置され、シート裏386、内壁396、天井、および/または隔壁などの客室の表面の好適な場所に設けられる。
【0047】
図4Bを参照すれば、1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200と通信する情報システム300が示されている。各個人用メディアデバイス200は、音声のおよび/またはビデオの鑑賞コンテンツ210を記憶し、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、個人用デジタル端末(PDA)、セルラー電話、iPod(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、iPhone(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、および/またはMPEGオーディオレイヤー3(MP3)デバイスなどの、ハンドヘルド(携帯型)デバイスとして提供される。個人用メディアデバイス200の実例が、同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「MEDIA DEVICE INTERFACE SYSTEM AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210652)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて図示され記載されている。これらは、本出願の承継人が選定されており、それぞれの開示内容が、その全体を参照することにより本明細書内に組み込まれている。
【0048】
図示された個人用メディアデバイス200それぞれは、鑑賞コンテンツ210を映像出力するビデオディスプレイシステム240と、鑑賞コンテンツ210をオーディオ出力するオーディオシステム250とを備えている。各個人用メディアデバイス200はユーザ操作システム260を備えている。ユーザ操作システム260は、従来からある方式で提供され、主としては、キーボードまたはキーパッドなどのように、1つまたはそれ以上のスイッチ(またはプッシュボタン)を備える、および/またはマウス、トラックボール、またはスタイラスなどのポインティングデバイスである。それにより、個人用メディアデバイス200は、所望の鑑賞コンテンツ210を選択でき、また選択された鑑賞コンテンツ210の受信および/または出力について操作することができる。
【0049】
個人用メディアデバイス200はさらに、通信ポート(すなわちコネクタ)270を備えている。通信ポート270は、ユーザインターフェースシステム360のアクセスポイント368を介する個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300との通信を可能にする。個人用メディアデバイス200Aとともに示すように、通信ポート270とアクセスポイント368は、ワイヤレス通信をサポートしている一方で、個人用メディアデバイス200Bとともに示されている通信ケーブルアセンブリ500を介する通信ポート270とアクセスポイント368との間の有線通信もサポートしている。通信ポート270とアクセスポイント368とが通信状態にあるとき、乗物用情報システム300は、ユーザフレンドリーな通信インターフェースを用いて、関連する個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300とを接続するシンプルな方法をサポートしている。
【0050】
個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300とが通信状態にあるとき、乗物用情報システム300は同時に複数の接続タスクを実行し、選択されたアクセスポイント368を介して個人用メディアデバイス200と乗物用情報システム300とを完全に接続する。それにより、乗物用情報システム300のシステム構成要素と個人用メディアデバイス200はやりとりすることができる。個人用メディアデバイス200はさらに、制御信号(すなわち命令)220および/または作動電力220Pを、乗物用情報システム300から受け取ることができる。それにより、個人用メディアデバイス200は、有利に、乗物用情報システム300のシームレスな一部分となる。
【0051】
例えば、乗物用情報システム300の動作を操作するユーザの指示230(図2A,2B参照)は、乗物用情報システム300の入力システム366を介して、および/または個人用メディアデバイス200のユーザ操作システム260を介して提供される。言い換えれば、乗物用情報システム300の入力システム366および/または個人用メディアデバイス200のユーザ操作システム260は、鑑賞コンテンツ210を選択するために、また選択された鑑賞コンテンツ210の受信および/または出力について操作するために使用される。選択された鑑賞コンテンツ210は、乗物用情報システム300の関連するコンテンツ源310(図2A,2B参照)によって、および/または個人用メディアデバイス200内のストレージメディア(図示せず)によって提供される。それにより、選択された鑑賞コンテンツ210の映像が、乗物用情報システム300のビデオ出力システム362および/または個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム240を介して表示される。乗物用情報システム300のオーディオ出力システム364および/または個人用メディアデバイス200のオーディオシステム250は、鑑賞コンテンツ210の音を出力するために使用される。個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム240が乗物用情報システム300のビデオ出力システム362に比べて非常に小さい場合、乗客は、選択した観賞コンテンツ210を大きいビデオ出力システム362を介して見ることを選択することができる。
【0052】
非使用中および/または個人用メディアデバイス200との直接的且つ物理的な接触が必要でない場合、個人用メディアデバイス200は、乗客のシート382に収納される。例えば、乗客用シート382は、個人用メディアデバイス200を収納する収納コンパートメント389を備えている。収納コンパートメント389は、従来からある任意の方式で、乗客用シート382の適切な部分に設けられている。乗客用シート382Bとともに示すように、個人用メディアデバイス200は、乗客用シート382Bのアームレスト388に形成されている収納ポケット389Bに収納される。収納コンパートメント389はまた、乗客用シート382のシート裏386および/またはヘッドレスト384に設けることができる。乗客用シート382Aの収納コンパートメント389Aは、例えば、図示するように、乗客用シート382Aのシート裏386の下側に形成されている。所望される場合、収納コンパートメント389には、頭上収納コンパートメント、ドアコンパートメント、乗客用シート382の下部に設けられた収納コンパートメント、または、グローブコンパートメント(小物入れ)、トランク、クローゼットなどの、乗客が乗る乗物390において利用できる他の従来からある収納コンパートメントが含まれる。
【0053】
図5を参照すれば、航空機390Bに配置され、一例のコンテンツシステム400と通信している乗物用情報システム300が示されている。乗物用情報システム300とコンテンツシステム400は、衛星通信システム370A(図2B参照)を介して通信する。コンテンツシステム400は、インターネットプロトコル(IP)基幹回線(backbone)システム410などである。IP基幹回線システム410の例として、バミューダ諸島(Bermuda)のペンブルク(Penbroke)のIntelsat社製のIP基幹回線システムがある。IP基幹回線システム410は、衛星用トランシーバハブシステム(satellite transceiver hub system)420に接続されている。衛星用トランシーバハブシステム420は、好適には、衛星通信システム370Aとリンクする衛星を備える従来から得る衛星用トランシーバハブを有する。
【0054】
少なくとも1つのネットワークオペレーションセンタ(NOC)440を備えたコンテンツシステム400が示されている。ネットワークオペレーションセンタ440Aは、例えば、コンテンツシステム400用の物理的かつ論理的なハブを有する。完全に管理されたネットワークサービスを提供することにより、ネットワークオペレーションセンタ440は、インターネット310Cのゲートウェイや、インターネットサービスプロバイダ(ISP)管理(または監視)システム430などの、オフネットワーク先(off−network destinations)と通信する他の公共の電気通信ネットワークを形成する。コンテンツシステム400はまた、乗物用情報システム300の動作モードおよび/または使用法などの特定の動作パラメータを管理(または監視)するネットワークオペレーションセンタ440Bを備えている。
【0055】
ネットワークオペレーションセンタ440は、有利に、乗物用情報システム300を集中監視して操作する。それにより、乗物用情報システム300の構成要素を、不具合、停止、性能ボトルネック、対象のローディングのバランス(loding balance objectives)、および他のネットワーク制御要件に対応して素早く再構築することができる。ネットワークオペレーションセンタ440はさらに、モバイルプラットフォームを基準として、無線周波数(RF)のリターンリンクステータス、周波数、データ伝送速度の割り当て、および電力レベルを監視するオペレータを養うことができる。所望される場合、ネットワークオペレーションセンタ440は、各リターンリンクトランスポンダの規定干渉限界に対する統計の等価等方放射電力(EIRP)スペクトル密度を監視するオペレータを養う。ネットワークオペレーションセンタ440は、必要とされる場合、通知し、オペレータの入力による無線周波数(RF)リターンリンク伝送パラメータの手動操作やリターンリンク伝送の手動による終了を可能にする。ネットワークオペレータセンタ440はまた、要求された帯域幅を計算し、サービスプロバイダに報告し、衛星がリンクしている帯域幅を再構築する。
【0056】
コンテンツシステム400と通信しているとき、乗物用情報システム300は、コンテンツシステム400に対して低コストであって大容量のデータ接続を確立して維持するために、ブロードバンド接続の方法(ソリューション)などの、高速接続の方法の登場を有効に生かしている。それにより、乗物用情報システム300は、コンテンツシステム400に関連する機能(functionality)との双方向通信をサポートし、情報、エンターテイメント、および通信サービス(すなわち機能)をより良く提供する。コンテンツシステム400の機能の例として、イントランジットショッピング(in−transit shopping)への機内アクセス、インターネット310C、電子メール(すなわちe−メール)、法人用仮想プライベートネットワーク(VPN)、顧客用仮想プライベートネットワーク(VPN)、および/または、顧客用または法人用のイントラネットシステムなどの非公共(または個人用)の鑑賞コンテンツの他の源(source)がある。それにより、乗物用情報システム300は、「世界的規模ネットワーク(ワールドワイドネット)」上の1つのノードとして確立され、有利に、システムユーザの体感をよりよくし、操作効率を向上させ、システムオペレータの収入源を創出する。
【0057】
図6は、乗物用情報システム300の好適な実施形態を示している。乗物用情報システム300は、コンテンツシステム400(図1参照)とのブロードバンド通信をサポートするブロードバンド通信システム510を備えている。図示されているブロードバンド通信システム510は、ブロードバンド用アンテナシステム512とブロードバンド制御システム514を備えている。ブロードバンド用アンテナシステム512は、好適にはレーダドーム(radome)の下に配置されて保護され、アンテナシステム330(図2B参照)に関して上述したように提供される。また、ブロードバンド用アンテナシステム512は、ブロードバンド制御システム514の制御を受けて作動する。アンテナシステムおよび制御システムの例が、上述の同時係属米国特許出願である、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)に図示され記載されている。ブロードバンド用アンテナシステムの例として、イスラエルのヨクナム(Yoqneam)のStarling Advanced Communications社製のMiJetブロードバンドアンテナシステムがある。それにより、乗物用情報システム300は、下りが約18Mbits/sで上りが約4.2Mbits/sのブロードバンドネットワークをサポートすることができる。
【0058】
ブロードバンド制御システム514は、従来からある衛星用モデムシステム(図示せず)と、および/または、メディアサーバシステム310A(図2A,2B参照)に関して上述したように提供されるメディアサーバシステムを備えている。ブロードバンド用アンテナシステム512と通信するために、ブロードバンド制御システム514はブロードバンド用アンテナシステム512に制御データ信号513Aを送る。それにより、ブロードバンド制御システム514が特定の衛星通信システム370A(図2B参照)に向かってブロードバンド用アンテナシステム512を指向する。これにより、乗物用情報システム300が、衛星通信システム370Aと通信し、そして、その結果、関連するコンテンツシステム400(図1参照)と通信することができる。コンテンツシステム400と通信しているとき、乗物用情報システム300は、衛星通信システム370Aを介して、コンテンツシステム400とコンテンツデータ信号513Bをやりとりする。言い換えれば、ブロードバンド制御システム514は、衛星通信システム370Aに対するブロードバンド接続を提供する。
【0059】
図6に示すように、ブロードバンド制御システム514は、乗物用情報システム300のコンテンツ配給システム320と通信する。コンテンツ配給システム320が上述したようにギガバイト(1000Base−Xおよび/または1000Base−Tなど)イーサネット通信をサポートしている場合、ブロードバンド制御システム514は、図6に示すようなギガバイトイーサネット通信接続を介してコンテンツ配給システム320と通信する。所望される場合、ブロードバンド制御システム514とコンテンツ配給システム320は、直接的におよび/または例えば、図6に示すような航空機インターフェースシステム522を介して間接的に通信する。広胴(ワイドボディ)型の航空機390B用の航空機インターフェースシステム522および/または狭胴(ナローボディ)型の航空機390B用のシステムコントローラ530(図7B参照)は、コンテンツ配給システム320に接続され、エアローノーティカルラジオ公社(ARINC)のスタンダード429信号、イーサネット信号、別々のインプット/アウトプットキーライン(discrete input/output keylines)、パブリックアドレスオーディオ(public address audio)、飛行地図データなど、特定の航空機の情報や他の航空電子工学(アビオニクス)情報を乗物用情報システム300に提供するためのインターフェースを備える。それにより、航空機インターフェースシステム522および/またはシステムコントローラ530は、航空機の航空電子工学機器(図示せず)と乗物用情報システム300との間のゲートウェイとしての役割を果たす。
【0060】
実行中、鑑賞コンテンツ210(図4B参照)のブロードバンドは、衛星通信システム370Aからブロードバンド用アンテナシステム512に向けて送られる。ダウンロードされた鑑賞コンテンツ210D(図4B参照)を受信すると、ブロードバンド用アンテナシステム512は、受信した鑑賞コンテンツ210をブロードバンド制御システム514に供給する。所望される場合、ブロードバンドアンテナシステム512は、受信した鑑賞コンテンツ210を従来からある方法で前処理し、前処理した鑑賞コンテンツ210をブロードバンド制御システム514に供給する。前処理工程の例としては、制限はなく、増幅および/または受信した鑑賞コンテンツ210のダウンコンバートなどがある。好適な実施形態において、受信した鑑賞コンテンツ210は、Ku帯(10.7GHz−12.75GHz)内の一対の高周波数信号で受信され、L帯(950MHz−2150MHz)などの予め決められた中間周波数(または低周波数)帯内の一対の中間周波数(または低周波数)信号にダウンコンバートされる。
【0061】
それにより、ブロードバンド用アンテナシステム512は、受信した鑑賞コンテンツ210を、大きくケーブル損失することなくおよび/または信号劣化することなく乗物用情報システム300を通じて配給することができる鑑賞コンテンツ210に、前処理としてのコンバートを実行することができる。ブロードバンド制御システム514は、受信した鑑賞コンテンツおよび/または前処理された鑑賞コンテンツ210を含む、鑑賞コンテンツ210をブロードバンド用アンテナシステム512から受信し、その鑑賞コンテンツ210を復調する。鑑賞コンテンツ210を復調すると、ブロードバンド制御システム514は、復調された鑑賞コンテンツ210を、乗物用情報システム300を通じて配給するために、コンテンツ配給システム320に供給する。それにより、復調された鑑賞コンテンツ210が、乗物用情報システム300のビデオ出力システム362(図4A,4B参照)および/またはオーディオ出力システム364(図4A,図4B参照)を介して出力される。所望される場合、コンテンツ配給システム320は、個人用(または携帯型)メディアデバイス200(図4B参照)と通信するために、図6に示すワイヤレス式アクセスポイント(WAP)などのアクセスポイント368を1つまたはそれ以上備える。それにより、復調された鑑賞コンテンツ210が、個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム(図4B参照)および/またはオーディオシステム250(図4b参照)を介して出力される。
【0062】
所望される場合、上記処理は反対方向に行われ、ブロードバンド用アンテナシステム512を介して乗物用情報システム300から衛星通信システム370Aに鑑賞コンテンツ210U(図4B参照)がアップロードされる。コンテンツシステム400上の利用可能な鑑賞コンテンツを操作する指示は、例えば、乗物用情報システム300の入力システム366(図4A,4B参照)および/または個人用メディアデバイス200のユーザ操作システム260(図4B参照)を介して入力される。この操作指示は、タッチスクリーンディスプレイシステム上に表示されるメニューシステムを介するなど、従来からある方法で入力される。操作指示の入力方法の例が、上述の同時係属米国特許出願である、2004年2月4日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES」(出願番号10/772565)と、2005年6月15日出願の「PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL」(出願番号11/154749)と、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)と、2008年9月15日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR INTERFACING A PORTABLE MEDIA DEVICE WITH A VEHICLE INFORMATION SYSTEM」(出願番号12/210624)と、2008年9月15日出願の「PORTABLE USER CONTROL DEVICE AND METHOD FOR VEHICLE INFORMATION SYSTEMS」(出願番号12/210689)とにおいて図示され記載されている。
【0063】
コンテンツ配給システム320は、好適には、ヘッドエンドシステム310H(図3参照)と、ユーザインタフェースシステム360、アクセスポイント368、および/または個人用メディアデバイス200との間の接続に、ブロードバンドイーサネットネットワーク接続を提供する。ワイヤレス式アクセスポイント(WAP)として提供される場合、例えば、ワイヤレス式アクセスポイント368は、ブロードバンドの無線周波数通信信号(図示せず)を送信するおよび/または受信することによって、個人用メディアデバイス200のためにブロードバンドワイヤレスアクセスを提供する。配給システム320を通じるブロードバンドイーサネットネットワーク接続をサポートするために、スイッチングシステム321は、乗物用情報システム300の複数の構成要素の間に、高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信を提供する。それにより、乗物用情報システム300は、ユーザ(すなわち乗客)によるインターネット310Cや他の音声および/または映像の鑑賞コンテンツ210のアクセスを可能にする。エリア配給ボックス(ADB)322(図3、図7A−7C参照)は、ネットワークハブの役割をし、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB)324(図3、図7B、図7C参照)と配給システム320の接続を実現する。所望される場合、配給システム320は、インターネットプロトコル(IP)、全域木プロトコル(Spanning Tree Protocol)、および/またはサービス品質をサポートする。
【0064】
乗物用情報システム300の複数の構成要素は、好適には、2芯のツイストペア線(図示せず)によって直列に接続される。乗物用情報システムの構成要素それぞれは、共通の信号伝達システムに接続されている。イーサネットの信号は、直列に、1ビットずつ、乗物用情報システムの構成要素それぞれにつながる共通の信号チャンネルを通って伝送される。データを送信するために、乗物用情報システムの特定の構成要素はチャンネルへの接続を待機する(リッスンする)。また、チャンネルが非使用(アイドル状態)のとき、乗物用情報システムの構成要素は、イーサネットのフレーム形式またはパケット形式でデータを送信する。それにより、データバス上のデータコリジョンが抑制される。チャンネルがビジー状態である場合、乗物用情報システムの構成要素は、チャンネルがアイドル状態になるまで接続を待機する(リッスンする)。
【0065】
フレーム伝送が終わる度に、乗物用情報システムの配給システム320の構成要素それぞれは、次のフレーム伝送の機会を等しく競い合う。これにより、ネットワークチャンネルへのアクセスが平等になり、乗物用情報システムの1つの構成要素が他の構成要素を締め出すことがなくなる。イーサネットのデータフレームは、好適には、いくつかのフィールドを構成するビットの集まりからなる。これらのフィールドとして、アドレスフィールド、46〜1500バイトのデータを持つ可変サイズデータフィールド、フレームが正常な状態で到達するようにフレーム内のビットの整合性をチェックするエラーチェックフィールドなどがある。フレーム内の最初の2つのフィールドは、48ビットのアドレスを持ち、あて先アドレスと発信元アドレスと呼ばれている。ネットワークに接続されている全てのユニットは、あて先アドレスを確認する。フレーム内のあて先アドレスと同一のアドレスを持つ乗物用情報システムの構成要素は、全てのフレームを読み込む。乗物用情報システムの他の構成要素は、あて先アドレスがこれら自身のアドレスと異なる場合、フレームの読み込みを停止する。
【0066】
イーサネット配給システム320は、乗物用情報システムの構成要素間の通信を行う。インターネットデータ、メディアコンテンツ、アプリケーションコード、データベース、およびBITE(built−in test equipment)コマンドは、クルー用端末(またはパネル)524(図7A−7C参照)および/またはファイルサーバシステム528(図7A−7C参照)から、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB))324(図3、図7B、図7C参照)および/または配給システム320のワイヤレス部を介するワイヤレスゾーンターミネータ(wireless zone terminator)に送られる。シート装置は、イーサネット配給システム320を介してヘッドエンドシステム310Hに、プログラムリクエストデータ、BITEステータスデータ、および乗客サービスデータを返信する。
【0067】
所望される場合、配給システム320は、IEEE標準802.3zに準拠するファイバギガビットイーサネット部を備える。ファイバの光学的接続は、850nm波長の62.5/125μmマルチモードファイバであれば、1Gbits/sのデータ伝送速度を得られる。1つまたはそれ以上の銅線のイーサネット接続が配給システム320に提供される場合、銅線のイーサネット接続は、IEEE標準802.3に準拠するのが好ましい。その結果、10/100/1000Mbits/sのデータ伝送速度を得られる。10/100Base−Tの銅線イーサネットに使用する銅線接続として、米国規格協会(ANSI)の規格TIA/EIA−568−Bに従うカテゴリ5E(または相当)のケーブルなどがある。一方、1000Base−Tの銅線イーサネットに使用する銅線接続として、ANSIの規格TIA/EIA−568−Bに従うカテゴリ6(または相当)のケーブルなどがある。
【0068】
図7A−7Cを参照しながら、乗物用情報システム300の特定の実施形態を説明する。図7Aを参照すれば、単独のシステムとして使用可能にされている乗物用情報システム300が示されている。乗物用情報システム300のブロードバンド通信システム510は、衛星通信システム370A(図2B参照)からの通信信号をトラッキングし、ブロードバンド用アンテナシステム512に位置合わせ用データを提供するアンテナ制御ユニット(ACU)516を備えている。それにより、アンテナ制御ユニット516が、ブロードバンド用アンテナシステム512と衛星通信システム370A(図2B参照)との間の通信を開始して維持する。
【0069】
アンテナ制御システム516は、従来からあるタイプのアンテナコントローラを備え、ブロードバンド用アンテナシステム512を従来からある適当な方法で衛星通信システム370Aに向かって指向する。ブロードバンド用アンテナシステム512と衛星通信システム370Aとの間の通信の開始方法および/または維持方法の例が、上述の同時係属米国特許出願である、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)において図示され記載されている。図7Aに図示するように、乗物位置データが、グローバル・ポジショニング・サテライト(GPS)システムおよび/または慣性基準システム(IRS)などの、乗物位置システム518によって提供される。
【0070】
アンテナ制御システム516は、衛星通信システム370Aを追尾し、地上に置かれた衛星トランシーバハブシステム420(図5参照)と衛星通信システム370Aの接続を維持する。必要とされる場合、今現在使用中の衛星のビームによってカバーされるエリアの外に乗物390が移動すると、アンテナ制御システム516は、自動的に別の適当な衛星のビームを検出し、それに切り替える。アンテナ制御システム516は、衛星サービスが何らかの理由によって妨害され、その妨害の原因が解消されると、自動的に再接続する。アンテナ制御システム516はまた、新しいビームとの接続を確立した後、乗物390とのインターネットプロトコル(IP)接続を復元する。コンテンツシステム400は、好適には、乗物用情報システム300との再接続を調整するビームスイッチングをサポートしている。好適には、乗物用情報システム300がVPN再接続、音声/映像のストリーミングバッファ、クレジットカード照合バッファなどのパフォーマンスパラメータを調整できるように、乗物用情報システム300のシステムアプリケーションに事前通告する。
【0071】
乗物用情報システム300と衛星通信システム370A(図2B参照)との間のブロードバンド通信接続(またはリンク)を提供するブロードバンド制御システム514が、少なくとも1つのスイッチングシステム321を備えた状態で示されている。ブロードバンド制御システム514のスイッチングシステム321は、図3に関連して上述したように提供され、それには、個人用のスイッチングシステム321Aおよび/または公共のスイッチングシステム321Bが含まれる。スイッチングシステム321を個人用スイッチングシステム321Aと公共用スイッチングシステム321Bとに区分することは、乗物用情報システム300またはユーザの購買権限情報などの極秘のユーザ(すなわち乗客)情報への不正アクセスの防止に役立つ。好適には、外部ユーザとモバイルプラットフォームの乗客(権限を持つ管理者以外)との間の接続を行わず、セキュリティエンクレーブにおいて内部の基幹データベースとは許可される。個人用スイッチングシステム321Aはブロードバンド通信システム510と通信し、一方、公共用スイッチングシステム321Bは1つまたはそれ以上のワイヤレス式アクセスポイント368と通信する。個人用スイッチングシステム321Aと公共用スイッチングシステム321Bは、直接的に、および/またはファイルサーバシステム528などのサーバシステムを介するなどして間接的に通信する。
【0072】
図示されているブロードバンド制御システム514はまた、航空機インターフェースシステム522と通信する。航空機インターフェースシステム522は、乗物用情報システム300と広胴型の航空機390B(図2B参照)に導入されている航空機の航空電子工学(アビオニクス)装置との間のインターフェースを提供する。ファイルサーバシステム528は、ブロードバンド制御システム514と通信し、データローディングシステム529に接続されている。メディアコンテンツおよび/または客室構成データなどの情報が、データローディングシステム529を介して乗物情報システム300に提供される。データローディングシステム529は、好適には、ギガビット(1000Base−Xおよび/または1000Base−Tなど)イーサネット通信ポートを介してファイルサーバシステム528に接続される。
【0073】
所望される場合、1つまたはそれ以上の他の種類の乗物用情報システムの構成要素がブロードバンド制御システム514に接続される。クルー用端末(またはパネル)524は、旅客用乗物390(図4A,4B参照)のクルーが乗物用情報システム300のシステム構成および/または機能を操作することを可能にするユーザインターフェースを備える。クルー用端末524を介して操作されるシステム構成および/または機能の例として、旅客用乗物390(図4A,4B参照)の客室380(図4A,4B参照)内の乗客用シート382(図4A,4B参照)のシートレイアウト、客室380内のパブリックアドレス(すなわちPA)ゾーン、データベース制御、音声チャンネルの割り当て、および/または1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200のための電力制御を表示すること(および/または変更すること)が含まれる。クルー用端末524はまた、システムのBITEの実行におよび/または乗物用情報システム300のためのソフトウェアのダウンロードに使用される。ブロードバンド制御システム514は、端末用ワイヤレスローカルエリアネットワーク(LAN)システム526および/または乗物用情報システム300を介する旅客用乗物390内における携帯電話接続をサポートするピコセル(PicoCell)電話システムなどの電話システム525に接続されている。
【0074】
パブリックアドレス(すなわちPA)オーディオは、ブロードバンド制御システム514および/またはシステムコントローラ530(図7B参照)を介して乗物用情報システム300に提供される。ベースバンドフォーマット状態で提供される場合、パブリックアドレスオーディオは、航空機インターフェースシステム522からブロードバンド制御システム514および/またはシステムコントローラ530に提供される。ブロードバンド制御システム514および/またはシステムコントローラ530は、好適には、ベースバンドのパブリックアドレスオーディオをイーサネットデータストリームに電子化および/またはエンコードし、電子化したパブリックアドレスオーディオをコンテンツ配給システム320を介して乗客シート382に配給する。例えば、電子化されたパブリックアドレスオーディオは、個人用メディアデバイス200それぞれのオーディオシステム250(図4B参照)および/または乗物用情報システム300のオーディオ出力システム364(図4A,4B参照)を介して出力するために、スイッチングシステム321とエリア配給ボックス(ADB)322(図7B,7C参照)に供給される。電子化されたパブリックアドレスオーディオを受け取ると、オーディオシステム250および/またはオーディオ出力システム364は電子化されたパブリックアドレスオーディオをアナログオーディオにデコードし、アナログのパブリックアドレスオーディオを出力する。好適には、パブリックアドレスオーディオは、他の鑑賞コンテンツ210より優先的にオーディオシステム250および/またはオーディオ出力システム364によって出力される。
【0075】
図示されているワイヤレス式アクセスポイント368は、アクセスポイント用アンテナシステム369を備えている。アクセスポイント用アンテナシステム369は、乗物用情報システム300と1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200との間で、ブロードバンド無線周波数の通信信号(図示せず)の送信および/または受信を行う。図示されている個人用メディアデバイス200の通信ポート(またはコネクタ)270は、アクセスポイント用アンテナシステム369と通信するためのデバイスアンテナシステム270Aを備えている。アクセスポイント用アンテナシステム369とデバイスアンテナシステム270Aは、乗物用情報システム300と個人用メディアデバイス200との間のブローバンド無線周波数の通信信号の送受信に適した従来からあるタイプのアンテナシステムなどである。
【0076】
図7Bの乗物用情報システム300は、狭胴型の航空機390B(図2B参照)の導入に適している。ブロードバンド用アンテナシステム512、ブロードバンド制御システム514、およびワイヤレス式アクセスポイント368は、図7Aに関連して上述したように提供される。図示されている乗物用情報システム300は、システムコントローラ530を備えている。システムコントローラ530は、コンテンツ配給システム320に接続され、また、ARINCのスタンダード429信号、イーサネット信号、別々のインプット/アウトプットキーライン、パブリックアドレスオーディオ、飛行地図データなど、特定の航空機の情報や他の航空電子工学(アビオニクス)情報を乗物用情報システム300に提供するためのインターフェースを備える。それにより、システムコントローラ530は、航空機の航空電子工学機器(図示せず)と乗物用情報システム300との間のゲートウェイとしての役割を果たす。所望される場合、システムコントローラ530は、出力する鑑賞コンテンツ210を提供するために乗物用情報システム300に導入されている、ビデオテープレコーダシステム310などの、1つまたはそれ以上のコンテンツ源310に接続される。
【0077】
図7Bに示すように、乗物用情報システム300のコンテンツ配給システム320は、無線周波数(RF)ビデオ信号を、オーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aなどのビデオ出力システム362に供給する複数のタッピング(tapping)ユニット327を備えている。ベースバンドビデオ信号はまた、1つまたはそれ以上のビデオ配給システム328を介してオーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aに配給される。タッピングユニット327および/またはビデオ配給システム328は、好適には、上述したような列線交換ユニット(LRU)として提供される。所望される場合、デジタルビデオ信号は、1つまたはそれ以上の高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信接続を介して配給される。コンテンツ配給システム320は、シート電子ボックス(SEB)(および/またはプレミアムシート電子ボックス(PSEB))324(図3参照)に関連して上述したように提供されるビデオ用シート電子ボックス(VSEB)324Vを少なくとも1つ備える。ビデオ用シート電子ボックス324Vは、出力するために、乗物用情報システム300のシート裏ディスプレイシステム362Bなどの特定のビデオ出力システム362および/または個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム(図4B参照)にデジタルビデオ信号を供給する。
【0078】
図7Cを参照すれば、広胴型の航空機390B(図2B参照)の導入に適した乗物用情報システム300が示されている。ブロードバンド用アンテナシステム512、ブロードバンド制御システム514、およびワイヤレス式アクセスポイント368が、図7Aに関連して上述したように提供される。図7Cに示すように、乗物用情報システム300のシステムコントローラ530はコンテンツ配給システム320に接続され、また、ARINCのスタンダード429信号、イーサネット信号、別々のインプット/アウトプットキーライン、パブリックアドレスオーディオ、飛行地図データなど、特定の航空機の情報や他の航空電子工学(アビオニクス)情報を乗物用情報システム300に提供するためのインターフェースを備える。それにより、システムコントローラ530は、航空機の航空電子工学機器(図示せず)と乗物用情報システム300との間のゲートウェイとしての役割を果たす。所望される場合、システムコントローラ530は、出力する鑑賞コンテンツ210を提供するために乗物用情報システム300に導入されている、カメラシステム310Yおよび/またはダイレクトブロードバンド衛星(DBS)テレビシステム310Zなどの、1つまたはそれ以上のコンテンツ源310に接続される。
【0079】
図7Cは、オーバーヘッド型客室ディスプレイシステム362Aなどのビデオ出力システム362にビデオ信号を供給する1つまたはそれ以上のデジタルタッピングユニット329を備える、乗物用情報システムのコンテンツ配給システム320を示している。所望される場合、デジタルビデオ信号は、1つまたはそれ以上の高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信接続を介して配給される。コンテンツ配給システム320は、少なくとも1つのシート電子ボックス(SEB)324を備えている。シート電子ボックス324は、出力するために、乗物用情報システム300のシート裏ディスプレイシステム362Bなどの特定のビデオ出力システム362および/または個人用メディアデバイス200のビデオディスプレイシステム240(図4B参照)に、デジタルビデオ信号を供給する。図示されている乗物用情報システム300はまた、図2A,2Bに関連して詳細に上述したようなメディア(またはコンテンツ)サーバシステム310Aを少なくとも1つ備えている。
【0080】
乗物用情報システム300(図7A−7C参照)用のワイヤレス式アクセスポイント368の例が図8に図示されている。図示されているワイヤレス式アクセスポイント368は、イーサネットトランシーバ620と通信するインプット/アウトプット(I/O)プロセッサシステム610を備えている。ワイヤレス式アクセスポイント368は、ブロードバンド制御システム514(図7A−7C参照)および/または乗物用情報システム300の特定のエリア配給ボックス(ADB)322(図7B,7C参照)とイーサネット信号(図示せず)をやりとりする通信ポート630を有する。インプット/アウトプット(I/O)プロセッサシステム610はまた、ワイヤレスモジュールシステム660と通信する。ワイヤレスモジュールシステム660は、アクセスポイント用アンテナシステム369に接続され、また、乗物用情報システム300と1つまたはそれ以上の個人用メディアデバイス200(図7A−7C参照)との間でアクセスポイント用アンテナシステム369がブロードバンド無線周波数通信信号(図示せず)を送受信できるようにしている。図8に示すように、ワイヤレス式アクセスポイント368は、エリア配給ボックス(ADB)322からの入力電力を受け取り、ワイヤレス式アクセスポイント368に作動電力を供給する電力供給システム640を備えている。
【0081】
実行中、乗物用情報システム300は、有利に、かなり高速のデータ伝送速度での双方向のデータ伝送をサポートする。例えば、乗物用情報システム300は、最大約10Mbps−15Mbpsまたはそれ以上のデータ伝送速度のデータダウンロード(送信リンク)と、最大約1.5Mbpsまたはそれ以上のデータ伝送速度のデータアップロード(返信リンク)とをサポートする。8時間の移動中の標準的な乗客(すなわちユーザ)によって使用されるバンド幅は、約7Mbpsである。このような乗物用情報システム300により、有線式および/またはワイヤレス式のアクセスポイント368を介して乗物用情報システム300と通信する個人用メディアデバイス200(図4B参照)を使用する、および/または乗物用情報システム300のシート裏ディスプレイシステム362B(図4A,4B参照)などのユーザ(すなわち乗客)インターフェースシステム360(図4A,4B参照)を使用するなどを含む、従来からある方法でインターネット310Cにアクセスすることができる。所望される場合、個人用メディアデバイス200は単独動作設定を有し、それにより、個人用メディアデバイス200は、アクセスポイント368を介して独立型乗客用データネットワークとして作動する。好適には、個人用メディアデバイス200を介して接続が達成される。
【0082】
航空機390Bに導入される場合、例えば、乗物用情報システム300は、好適には、移動中において、機内イントラネットとインターネットとのプレミアセット(premier set)、情報、エンターテイメント、通信、および/または他のシステムサービスへの機内アクセスをユーザ(すなわち乗客)に与えるブロードバンドポータルアプリケーションを提供する。特定のシステムサービスは無料でユーザ(すなわち乗客)に提供されてもよく、一方、他の特定のシステムサービスは、システムサービスへのアクセスが許可される前に料金の支払いを必要としてもよい。システムサービスとして、機内イントラネットを介するワールドワイドェブ(World Wide Web)上のウェブサイトへのアクセスが含まれる。それにより、ユーザはインターネット310C上のあらゆるサイトに実質的に直接アクセスすることができる。わいせつまたはいかがわしいウェブサイトなどの特定のサイトへのアクセスを、移動中は制限してもよい。異なる言い方をすれば、乗物用情報システム300は、いかがわしいコンテンツ、不正サイト、および過剰な処理能力を必要とするサービスをフィルタリング/ブロックしてウェブサイトを提供する。地上のネットワークオペレーションセンタ(NOC)440(図5参照)が、不適切なURL/不正なサイトを、乗物用情報システム300に送信する前に、フィルタリング/ブロックすることもできる。ユーザは、ビジネス用および/または個人用の電子メール(すなわちEメール)アカウントに直接アクセスすることにより、Eメールを送信および/または受信することができる。所望される場合、権限を持つユーザは、仮想プライベートネットワーク(VPN)に接続することができる。ユーザは、インスタントメッセージ(IM)および/またはショートメッセージサービス(SMS)にもアクセスできる。
【0083】
ユーザは、乗物用情報システム300によって保存された鑑賞コンテンツ210にアクセスできる。保存された鑑賞コンテンツ320には、特定のTVプログラム、映画、および/またはショートフィルムなどのプレミアム鑑賞コンテンツ210が含まれる。電子雑誌(electronic magazine:e−zine)、新聞、および他の出版物を、鑑賞コンテンツ210として提供することができる。乗物用情報システム300は、好適には、標準的に選択された出版物および/または複数のユーザ層に訴える特別に選択された出版物を提供する。所望される場合、鑑賞コンテンツ210は、フォントのサイズが選択できるおよび/またはフォントを拡大でき、また、航空機390Bに搭乗中は再読できる。
【0084】
加えて、および/または代わりとして、ユーザは機内用ゲームにアクセスできるおよび/または広告、ニュース、天気予報、スポーツファイナンシャル、および/または他の種類の鑑賞コンテンツ210を見ることができる。鑑賞コンテンツ210は、例えば、ユーザの興味および/または移動中の場所に基づいて選択される。広告コンテンツとして、ウェブ広告コンテンツが含まれる。ユーザはまた、マップ、接続されている搭乗ゲート情報、着陸/離陸情報、および/または航空会社が選択した目的地情報を含む、航空会社の情報コンテンツにアクセスすることができる。乗物用情報システム300は、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)プログラムおよび/またはインターネット(IP)ラジオプログラムの1つまたはそれ以上のチャンネルを介して提供される鑑賞コンテンツ210を提供する。IPTVプログラムには、ニュースやスポーツを中心とするライブプログラムが含まれる。他の種類のIPTVプログラムは、ブロードバンドリンクによって伝送され、その伝送は、リアルタイム方式でなくてもよく、通常はノンピークネットワーク要求期間(non−peak network demand periods)中に行われる。
【0085】
上述したように、乗物用情報システム300の特定のシステムは、システムサービスへのアクセスを許可する前に、料金の支払いを必要とする。料金が必要なシステムサービスの例として、利用回数制のサービスおよび/または航空機内ショッピングが含まれる。利用回数制のサービスとして、ストリーミングオーディオ、ストリーミングビデオ、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)プログラムや、地上のコンテンツシステム400に対してブロードバンド電話通信リンクを利用するシステムサービスなどの特別なシステムサービスが含まれる。ブロードバンド電話通信リンクを利用するシステムサービスの例として、インスタントメッセージ(IM)、ショートメッセージサービス(SMS)、レストラン予約、ゴルフのスタート時間の予約、オンライン予約、および/またはゲームへのアクセスがある。システムサービスの料金は、アクセスされる個々の機能に基づいて異なる。乗物用情報システム300はまた、コンピュータゲームおよび/またはマルチプレイヤ用ゲームを提供し、これらは無制限に遊ぶことができ、ゲームのタイトルや配給会社に基づいて課金される。
【0086】
飛行機内ショッピングは、有利に、ユーザ(またはウェブの買い物客)に対して、特定のウェブサイトを閲覧可能に、サイト上に掲載されているアイテムを選択可能に、クレジットカード番号および発送情報の提供可能にしている。売り上げ情報が、クレジットカード情報を照合し、購入品を発送したウェブベンダ(vendor)に伝送される。好適には、確認番号を受信する。所望される場合、電子商取引(e−commerce)のウェブサイトのグラフィックコンテンツが、サーバシステム310A(図2A,2B参照)に再提供されて保存される。ネットワークオペレーションセンタ440B(図5参照)などの少なくとも1つのネットワークオペレーションセンタ(NOC)440は、地上のウェブサイトに生じる変更を監視する。それにより、ネットワークオペレーションセンタ440は、空中の鑑賞コンテンツ210と地上の鑑賞コンテンツ210とを同期し、値段や商品などのアップデートを定期的に行うことができる。好適には、乗物用情報システム300は、ユーザの年齢層や好みに合うお店やサービスを、適切な電子商取引相手として選択する。
【0087】
特定のウェブサイトの閲覧している間に買い物を決心した場合、ユーザは、クレジットカード照合情報などの購買権限情報を提供することができる。それにより、ユーザが購買の権限を持つことが確認される。所望される場合、乗物用情報システム300は、クレジットカード、頻繁利用客(frequent flyer)カードなどの様々な種類のカードによって提供される購買権限情報を読取るカードリーダ(図示せず)を備える。カードリーダは、好適には、乗客用シート382(図4A,4B参照)の近くに配置される。乗物用情報システム300は、リアルタイムに購買権限情報を確認することにより、トランザクション処理による遅延や不正の可能性を回避する。必要とされる場合、乗物用情報システム300は、衛星リンクが利用できないときに、購買権限情報をキャッシュに格納する。それにより、購買権限情報が、衛星リンクが利用可能となったときに伝送される。乗物用情報システム300は、好適には、購買権限情報を確認すると、確認番号などの購買確認情報を提供する。
【0088】
クレジットカードの権限情報を確認するための確認プロセス700の例が図9に示されている。710において、ユーザが特定のウェブサイト(すなわちショップ)を閲覧する。特定のウェブサイトから購入することを決定すると、720において、ユーザは、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)を乗物用情報システム300(図2A,2B)に提供する。730において、乗物用情報システム300は、衛星通信システム370A(図2B参照)との衛星リンクが利用可能であるか否かを確認する。衛星リンクが利用可能である場合、乗物用情報システム300は、740において、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)をネットワークオペレーションセンタ(NOC)440(図5参照)に伝送する。ネットワークオペレーションセンタ440は、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)を確認し、その情報の確認が済むと、確認番号を乗物用情報システム300に提供する。750において、乗物用情報システム300は、確認番号をユーザに提供する。
【0089】
730において、乗物用情報システム300が衛星リンクの利用不可能の判定をした場合、乗物用情報システム300は、760において、購入合計額が、予め設定されている最大購入限度より小さい(または等しい)か否かを判定する。770において、乗物用情報システム300は、購入合計額が予め設定された最大購入限度を超えているので、ユーザにしばらくした後に買物をやり直すように要求する。これに対して、乗物用システム300は、780において、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)をバッファシステム(図示せず)に送信する。乗物用情報システム300は、電子メールを介して後に確認番号が提供されることをユーザに通知し、および/またはクレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)のネットワークオペレーションセンタ440への伝送を周期的に試みる。乗物用情報システム300は、予め設定された時間間隔など、好適な基準にしたがって、クレジットカード支払い情報(および/または配送先や他のユーザ情報)の送信を試みる。
【0090】
好適な実施形態において、乗物用情報システム300は、サービスの日付/時間/期間、エアラインコード/フライトナンバ、ユーザID番号(またはコード)、支払選択、価格設定プラン、サービスの種類、有効期限に関連して利用できる助成や割引、および/またはサービスの地理的地域などに基づいてユーザ毎にまたセッションあたりの商取引サービスに対する請求書発行をサポートするために必要なデータを収集するおよび/または報告する。請求書発行の情報の例として、航空機ID番号(またはコード)、ネットワーク利用日、ネットワーク利用時刻および/または期間、ネットワークの利用領域、および/または任意の固有の利用法/イベント(例えば、利用毎に支払うサービス)などがある。乗物用情報システム300はまた、顧客特有のコンテンツ、データ、および/または機外の取引の伝送に利用した情報量に基づいて、顧客に対する請求書発行をサポートするために必要なデータを集める。所望される場合、乗物用情報システム300は、ユーザが、ログイン時に定期購読の支払プランを選択したり、その定期購読をキャンセルしたり、および/またはアカウント保持中の定期購読の支払プランを選択できるようにする。
【0091】
ユーザは、いつでもユーザアカウントをメンテナンス(保持)することができる。例えば、乗物用情報システム300は、無線周波数(RF)リンク接続がアクティブであるとき、フリーユーザにユーザアカウントサービスへのアクセス権を提供する。移動の完了後、ユーザは地上のポータル(図示せず)を介して自身のユーザアカウントをメンテナンス(保持)することができる。ユーザは、好適には、アカウント情報へのアクセス前にID認証を要求される。所望される場合、アカウント保持中に入力されるクレジットカードナンバーなどの購入権限情報が、即座に照合される。例えば、クレジットカード情報は、入力されたカード番号が有効であって名目的費用で承認されていることを確認するために照合される。
【0092】
ユーザはまた、地上のポータルを介しておよび/または乗物用情報システム300を介して、無線周波数リンク接続がアクティブであるときに、いつでもシステム登録サービスにアクセスすることができる。移動の完了後も、ユーザは、地上のポータル(図示せず)を介してユーザアカウントを保持することができる。システム登録サービスへのアクセスは、好適にはユーザに無料で提供される。ウェブをベースとする情報源などのオンライン、セルフヘルプ式のカスタマーサポートや一般的な質問(FAQ)に対する回答をユーザは利用することができる。所望される場合、システムはネットワーク上においてアクティブの特定の航空機を識別する情報を集める。
【0093】
安全な商取引を補償するために、乗物用情報システム300とコンテンツシステム400との間の通信は、好適には暗号化される。ワイヤレス用のセキュリティソフトウェアが、安全な商取引のために組み込まれる。乗物用情報システム300は、ウイルスから自身を保護する。ウイルス対策ソフトウェアが使用される場合、例えば、ウイルス対策ソフトウェアは、データファイルの即時性や、最新のウイルスを識別するシグナチャを含む、ウイルス保護ソフトウェアのベンダからの検査エンジンの即時性を維持するために、任意の時間毎にアップデートされる。乗物用情報システム300は、移動が完了する前に、全てのユーザデータを消去する。このようなユーザデータとしては、制限はなく、ユーザネーム、アカウント情報、購入権限情報、および/またはユーザ活動(user activities)が含まれる。
【0094】
図10Aを参照すれば、電話システム800を備えた乗物用情報システム300が示されている。電話システム525(図7A参照)のように、電話システム800は、ピコセル電話システムとして提供され、および/または旅客用乗物390(図2A,2B参照)内の携帯電話接続をサポートしている。それにより、乗物用情報システム300は、ユーザ(すなわち乗客)が、個人のセルラー電話(図示せず)や、セルラー通信接続をサポートしている他の個人用メディアデバイス200(図4B参照)を旅客用乗物390での移動中に使うことを可能にしている。電話システム800を統合することにより、乗物用情報システム300は、利に、従来からあるセルラー電話システムに比べて、同時呼び出しの能力が高く、また1分あたりの費用が安い、ロバストなセルラー電話サービスを提供することができる。
【0095】
図10Aに示すように、電話システム800は、1つまたはそれ以上の無線周波数(RF)管理システム820および/または航空機用結合ユニット(aerial combiner unit:ACU)システム830と通信するピコセルシステム810を備えている。ピコセルシステム810、無線周波数(RF)管理システム820、および航空機用結合ユニットシステム830は、図に示すように、同軸ケーブルの通信接続840を介して通信する。航空機用結合ユニットシステム830はそれぞれ、個人用のセルラー電話や他の個人用メディアデバイス200との間でセルラー通信信号をやり取りする少なくとも1つの漏洩フィーダ(leaky feeder)システム850を備えている。図7Aについて上述したように、ピコセルシステム810および/または少なくとも1つの無線周波数管理システム820は、高速の10/100/1000Base−SX/Tイーサネット通信接続860を介して航空機インターフェースシステム522と通信する。
【0096】
電話システム800は、好適には、セルラー通信信号を受信し、セルラー通信信号を、ブロードバンド通信システム510と衛星通信システム370A(図2B参照)を介してコンテンツシステム400に伝送するために、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)フォーマットにコンバートする。コンテンツシステム400は、インターネット310C(図2B参照)とVoIP信号をやりとりする。入ってきたVoIP信号は、個人のセルラー電話や他の個人用メディアデバイス200に伝送されるセルラー通信信号に、電話システム800によってコンバートされる。したがって、乗物用情報システム300は、客室内のシート間通信および/または地対空通信のために、予め決められた数のセルラー電話チャンネルを備えている。所望される場合、電話ハンドセットシステムが、特定の乗客用シート382(図4A,4B参照)に統合され、ヘッドエンドシステム310(図3参照)に接続される。
【0097】
代わりとして、および/または加えて、乗物用情報システム300は、テレビシステムを備えている。図10Bを参照すれば、例えば、図示されている乗物用情報システム300は、統合型デジタルテレビ(IDTV)システム900を備えている。統合型デジタルテレビシステムの例が、上述した、同時係属米国特許出願である、2005年11月7日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL」(出願番号11/269378)において、図示され記載されている。図示されている統合型デジタルテレビシステム900は、デジタルテレビ用アンテナシステム910と、デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット(ACU)930とを備えている。好適にはレーダドームの下に配置されて保護される、デジタルテレビ用アンテナシステム910は、ブロードバンド用アンテナシステム512に関して上述したように提供され、マルチリージョンデジタルレシーバ(MRDR)システム950の制御を受けて作動する。
【0098】
デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930は、衛星通信システム370A(図2B参照)からの通信信号を追尾(トラッキング)し、デジタルテレビ用アンテナシステム910に位置合わせ用データを提供する。図10Bに図示するように、位置データ940は、グローバルポジショニングサテライト(GPS)システムおよび/または慣性基準システム(IRS)などの乗物位置システム(図示せず)によってデジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930に提供される。それにより、デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930は、デジタルテレビ用アンテナシステム910と衛星通信システム370Aとの間の通信を開始して維持することができる。デジタルテレビ用アンテナ制御ユニット930は、ブロードバンド用アンテナシステム512が指向している衛星通信システム370Aと同一および/または異なる特定の衛星通信システム370Aに向かってデジタルテレビ用アンテナシステム910を指向する。
【0099】
原文になし
【0100】
テレビ鑑賞コンテンツ210(図2A,2B参照)は、極性が異なる一対の分極信号として提供され、低ノイズ増幅(LNB)システム920は、図10Bに示すように極性が異なる一対の分極信号を増幅する。低ノイズ増幅(LNB)システム920は、極性が異なる一対の分極信号を、Ku帯(10.7GHz−12.75GHz)内の高周波数信号から、L帯(950MHz−2150MHz)などの予め決められた中間周波数(または低周波数)帯内の一対の中間周波数(または低周波数)信号にダウンコンバートする。
【0101】
中間周波数(または低周波数)信号は、1つまたはそれ以上のマルチリージョン(multi−regional)デジタルレシーバシステム950に供給される。マルチリージョンデジタルレシーバシステム950それぞれは、テレビ鑑賞コンテンツ210から予め決められたテレビチャンネルを選択する。特定のスイッチングシステム321と通信することにより、マルチリージョンデジタルレシーバシステム950は、詳細に上述したように乗客用シート3828(図4A,4B参照)で出力するために、コンテンツ配給システム320に予め決められたテレビチャンネルを提供する。
【0102】
記載した実施形態は、様々な変形形態や代替形態にすることが可能であり、それの具体例が、図面内の例や図面内の例や本明細書内にて詳細に説明された例によって示されている。しかしながら、記載した実施形態は開示された特定の形態や方法に限定するものではなく、本開示内容は、改良物、同等物、および代用物の全てを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅客用の乗物に導入され、予め選択された衛星通信システムを介する地上のコンテンツ源とのブロードバンド通信をサポートする乗物用情報システムにおいて、
ブロードバンド用アンテナシステムと、
情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、
前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立するブロードバンド用モデムと、
前記ブロードバンド用モデムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを情報システムを通じて配給し、且つワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有し、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが、地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択できるように、且つ選択された鑑賞コンテンツが個人用メディアデバイスによって出力できるように該個人用メディアデバイスと通信し、
乗物用情報システムが、世界的規模のネットワーク上の1つのノードとして確立される乗物用情報システム。
【請求項2】
前記ブロードバンド用アンテナシステム、前記ブロードバンド制御システム、前記ワイヤレス式アクセスポイントが、列線交換ユニットとして提供される請求項1の乗物用情報システム。
【請求項3】
乗物用情報システムのための機能を制御する総合システムを提供するヘッドエンドシステムをさらに有する請求項1の乗物用情報システム。
【請求項4】
前記ヘッドエンドシステムがローカル接続のコンテンツ源を備え、
個人用メディアデバイスが前記ローカル接続のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを選択することができ、且つ出力することができる請求項3の乗物用情報システム。
【請求項5】
前記アンテナ制御システムが、グローバルポジショニングサテライトシステムと慣性基準システムからなるグループから選択された乗物位置システムから乗物用情報システムの位置を受け取る請求項1の乗物用情報システム。
【請求項6】
前記コンテンツ配給システムとして有線式の配給システムを含む請求項1の乗物用情報システム。
【請求項7】
前記コンテンツ配給システムが前記ブロードバンド用モデムと通信するスイッチングシステムを備え、
前記ワイヤレス式アクセスポイントがエリア配給ボックスを介して前記スイッチングシステムと通信する請求項1の乗物用情報システム。
【請求項8】
前記エリア配給ボックスが、前記ワイヤレス式アクセスポイントに作動電力を供給する請求項7の乗物用情報システム。
【請求項9】
前記コンテンツ配給システムがシート電子ボックスを備え、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが前記シート電子ボックスを介して前記エリア配給ボックスと通信する請求項7の乗物用情報システム。
【請求項10】
前記シート電子ボックスを介して特定の鑑賞コンテンツの映像を受け取るビデオ出力システムをさらに有する請求項9の乗物用情報システム。
【請求項11】
前記シート電子ボックスを介して特定の鑑賞コンテンツの音声を受け取るオーディオ出力システムをさらに有する請求項9の乗物用情報システム。
【請求項12】
前記スイッチングシステムとして、乗物用情報システムへの不正アクセスを防止する個人用のスイッチングシステムが含まれる請求項7の乗物用情報システム。
【請求項13】
個人用メディアデバイスが、特定の鑑賞コンテンツの音声を出力するオーディオ出力システムを備える請求項1の乗物用情報システム。
【請求項14】
個人用メディアデバイスが、特定の鑑賞コンテンツの映像を出力するビデオ出力システムを備える請求項1の乗物用情報システム。
【請求項15】
個人用メディアデバイスが、出力する特定の鑑賞コンテンツを選択する、且つ選択された鑑賞コンテンツの出力を操作する入力システムを備える請求項1の乗物用情報システム。
【請求項16】
個人用メディアデバイスが、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、MPEGオーディオレイヤー3(MP3)デバイス、iPod(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、iPhone(登録商標)デジタル電子メディアデバイスのデバイスグループから選択されたものである請求項1の乗物用情報システム。
【請求項17】
前記ブロードバンド用アンテナシステムが、レーダドームの下に配置されている請求項1の乗物用情報システム。
【請求項18】
乗物用情報システムが、航空機に導入可能にされている請求項1の乗物用情報システム。
【請求項19】
予め選択された衛星通信システムを介して乗物用情報システムと地上のコンテンツ源との間でブロードバンド通信を行う方法において、
乗物用情報システムを用意し、
前記乗物用情報システムが、ブロードバンド用アンテナシステムと、乗物用情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、前記ブロードバンド用アンテナシステムと通信するブロードバンド用モデムと、前記ブロードバンド用モデムと通信して且つ個人用メディアデバイスと通信するワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有するものであって、
前記ブロードバンド用モデムが前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立したとき、
乗物用情報システムを世界規模のネットワーク上の1つのノードとして確立し、
前記ブロードバンド用モデムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを乗物用情報システムを通じて配給し、
地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択させる且つ出力する方法。
【請求項20】
旅客用の乗物に導入され、予め選択された衛星通信システムを介する地上のコンテンツ源とのブロードバンド通信をサポートする乗物用情報システムにおいて、
乗物用情報システムのための機能を制御する総合システムを提供するヘッドエンドシステムと、
ブロードバンド用アンテナシステムと、
乗物用情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、
前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立するブロードバンド制御システムと、
前記ブロードバンド制御システムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを乗物用情報システムを通じて配給し、且つワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有し、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが、地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択できるように、且つ選択された鑑賞コンテンツが個人用メディアデバイスによって出力できるように該個人用メディアデバイスと通信し、
乗物用情報システムが、世界的規模のネットワーク上の1つのノードとして確立される乗物用情報システム。
【請求項21】
前記ブロードバンド用アンテナシステム、前記ブロードバンド制御システム、前記ワイヤレス式アクセスポイントが、列線交換ユニットとして提供される請求項20の乗物用情報システム。
【請求項22】
前記ヘッドエンドシステムがローカル接続のコンテンツ源を備え、
個人用メディアデバイスが前記ローカル接続のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを選択することができ、且つ出力することができる、請求項20の乗物用情報システム。
【請求項23】
前記ローカル接続のコンテンツ源として、ファイルサーバシステムが含まれる請求項22の乗物用情報システム。
【請求項24】
前記ヘッドエンドシステムが、前記コンテンツ配給システムと通信するシステムコントローラを備え、且つ特定の乗物情報を提供するインターフェースを提供する請求項20の乗物用情報システム。
【請求項25】
地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツが、イントランジットショッピング(in−transit shopping)、インターネット、電子メール、法人用仮想プライベートネットワーク、顧客用仮想プライベートネットワーク、およびイントラネットシステムに関連するコンテンツからなる鑑賞コンテンツグループから選択されたものである請求項20の乗物用情報システム。
【請求項26】
前記ブロードバンド制御システムと通信し、且つ乗物用情報システムを介する旅客用乗物内における携帯電話の接続をサポートする電話システムをさらに有する請求項20の乗物用情報システム。
【請求項27】
前記電話システムが、セルラー電話の接続をサポートするピコセル(PicoCell)電話システムを有する請求項26の乗物用情報システム。
【請求項28】
前記ブロードバンド制御システムと通信し、且つ、
デジタルテレビ用アンテナシステムと、
乗物用情報システムの位置と予め選択されたテレビ衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択されたテレビ衛星通信システムに向かって前記デジタルテレビ用アンテナシステムを指向させるデジタルテレビ用アンテナ制御システムと、
前記デジタルテレビ用アンテナシステムを介して予め選択されたテレビ衛星通信システムとのテレビデータ接続を確立し、且つIPTVプログラムの特定のチャンネルを提供するマルチリージョンデジタルレシーバシステムとを備える統合型デジタルテレビ(IDTV)システムをさらに有し、
前記コンテンツ配給システムがIPTVの特定のチャンネルのプログラムを乗物用情報システムを通じて配給することにより、
前記ワイヤレス式アクセスポイントがIPTVの特定のチャンネルのプログラムを、出力するための個人用メディアデバイスに供給する請求項20の乗物用情報システム。
【請求項29】
前記デジタルテレビ用アンテナシステムがレーダドームの下に配置されている請求項28の乗物用情報システム。
【請求項30】
IPTVプログラムの複数のチャンネルを提供するマルチリージョンデジタルレシーバシステムを複数有し、
前記コンテンツ配給システムがIPTVプログラムの複数のチャンネルを乗物用情報システムを通じて配給する請求項28の乗物用情報システム。
【請求項31】
乗物用情報システムが、航空機に導入可能にされている請求項20の乗物用情報システム。
【請求項32】
個人用メディアデバイスが、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、MPEGオーディオレイヤー3(MP3)デバイス、iPod(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、iPhone(登録商標)デジタル電子メディアデバイスのデバイスグループから選択されたものである請求項20の乗物用情報システム。
【請求項33】
航空機において、
機体と、
機体内に配置された複数の乗客用座席と、
乗物用情報システムとを有し、
前記乗物用情報システムが、前記機体と連結されるとともに、
乗物用情報システムのための機能を制御する総合システムを提供するヘッドエンドシステムと、
ブロードバンド用アンテナシステムと、
乗物用情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、
前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立するブロードバンド制御システムと、
前記ブロードバンド制御システムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを乗物用情報システムを通じて配給し、且つワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有し、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択できるように、且つ選択された鑑賞コンテンツが個人用メディアデバイスによって出力できるように該個人用メディアデバイスと通信し、
乗物用情報システムが、世界的規模のネットワーク上の1つのノードとして確立される航空機。
【請求項34】
個人用メディアデバイスを収納する収納部を有し、
前記収納部が前記乗客用座席の1つに配置されている請求項33の航空機。
【請求項35】
前記収納部が、前記特定の乗客用座席のアームレスト近くに配置されている請求項34の航空機。
【請求項36】
前記収納部が、隣接する乗客用座席の座席裏またはヘッドレストの一方に配置されている請求項34の航空機。
【請求項1】
旅客用の乗物に導入され、予め選択された衛星通信システムを介する地上のコンテンツ源とのブロードバンド通信をサポートする乗物用情報システムにおいて、
ブロードバンド用アンテナシステムと、
情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、
前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立するブロードバンド用モデムと、
前記ブロードバンド用モデムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを情報システムを通じて配給し、且つワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有し、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが、地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択できるように、且つ選択された鑑賞コンテンツが個人用メディアデバイスによって出力できるように該個人用メディアデバイスと通信し、
乗物用情報システムが、世界的規模のネットワーク上の1つのノードとして確立される乗物用情報システム。
【請求項2】
前記ブロードバンド用アンテナシステム、前記ブロードバンド制御システム、前記ワイヤレス式アクセスポイントが、列線交換ユニットとして提供される請求項1の乗物用情報システム。
【請求項3】
乗物用情報システムのための機能を制御する総合システムを提供するヘッドエンドシステムをさらに有する請求項1の乗物用情報システム。
【請求項4】
前記ヘッドエンドシステムがローカル接続のコンテンツ源を備え、
個人用メディアデバイスが前記ローカル接続のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを選択することができ、且つ出力することができる請求項3の乗物用情報システム。
【請求項5】
前記アンテナ制御システムが、グローバルポジショニングサテライトシステムと慣性基準システムからなるグループから選択された乗物位置システムから乗物用情報システムの位置を受け取る請求項1の乗物用情報システム。
【請求項6】
前記コンテンツ配給システムとして有線式の配給システムを含む請求項1の乗物用情報システム。
【請求項7】
前記コンテンツ配給システムが前記ブロードバンド用モデムと通信するスイッチングシステムを備え、
前記ワイヤレス式アクセスポイントがエリア配給ボックスを介して前記スイッチングシステムと通信する請求項1の乗物用情報システム。
【請求項8】
前記エリア配給ボックスが、前記ワイヤレス式アクセスポイントに作動電力を供給する請求項7の乗物用情報システム。
【請求項9】
前記コンテンツ配給システムがシート電子ボックスを備え、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが前記シート電子ボックスを介して前記エリア配給ボックスと通信する請求項7の乗物用情報システム。
【請求項10】
前記シート電子ボックスを介して特定の鑑賞コンテンツの映像を受け取るビデオ出力システムをさらに有する請求項9の乗物用情報システム。
【請求項11】
前記シート電子ボックスを介して特定の鑑賞コンテンツの音声を受け取るオーディオ出力システムをさらに有する請求項9の乗物用情報システム。
【請求項12】
前記スイッチングシステムとして、乗物用情報システムへの不正アクセスを防止する個人用のスイッチングシステムが含まれる請求項7の乗物用情報システム。
【請求項13】
個人用メディアデバイスが、特定の鑑賞コンテンツの音声を出力するオーディオ出力システムを備える請求項1の乗物用情報システム。
【請求項14】
個人用メディアデバイスが、特定の鑑賞コンテンツの映像を出力するビデオ出力システムを備える請求項1の乗物用情報システム。
【請求項15】
個人用メディアデバイスが、出力する特定の鑑賞コンテンツを選択する、且つ選択された鑑賞コンテンツの出力を操作する入力システムを備える請求項1の乗物用情報システム。
【請求項16】
個人用メディアデバイスが、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、MPEGオーディオレイヤー3(MP3)デバイス、iPod(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、iPhone(登録商標)デジタル電子メディアデバイスのデバイスグループから選択されたものである請求項1の乗物用情報システム。
【請求項17】
前記ブロードバンド用アンテナシステムが、レーダドームの下に配置されている請求項1の乗物用情報システム。
【請求項18】
乗物用情報システムが、航空機に導入可能にされている請求項1の乗物用情報システム。
【請求項19】
予め選択された衛星通信システムを介して乗物用情報システムと地上のコンテンツ源との間でブロードバンド通信を行う方法において、
乗物用情報システムを用意し、
前記乗物用情報システムが、ブロードバンド用アンテナシステムと、乗物用情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、前記ブロードバンド用アンテナシステムと通信するブロードバンド用モデムと、前記ブロードバンド用モデムと通信して且つ個人用メディアデバイスと通信するワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有するものであって、
前記ブロードバンド用モデムが前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立したとき、
乗物用情報システムを世界規模のネットワーク上の1つのノードとして確立し、
前記ブロードバンド用モデムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを乗物用情報システムを通じて配給し、
地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択させる且つ出力する方法。
【請求項20】
旅客用の乗物に導入され、予め選択された衛星通信システムを介する地上のコンテンツ源とのブロードバンド通信をサポートする乗物用情報システムにおいて、
乗物用情報システムのための機能を制御する総合システムを提供するヘッドエンドシステムと、
ブロードバンド用アンテナシステムと、
乗物用情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、
前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立するブロードバンド制御システムと、
前記ブロードバンド制御システムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを乗物用情報システムを通じて配給し、且つワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有し、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが、地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択できるように、且つ選択された鑑賞コンテンツが個人用メディアデバイスによって出力できるように該個人用メディアデバイスと通信し、
乗物用情報システムが、世界的規模のネットワーク上の1つのノードとして確立される乗物用情報システム。
【請求項21】
前記ブロードバンド用アンテナシステム、前記ブロードバンド制御システム、前記ワイヤレス式アクセスポイントが、列線交換ユニットとして提供される請求項20の乗物用情報システム。
【請求項22】
前記ヘッドエンドシステムがローカル接続のコンテンツ源を備え、
個人用メディアデバイスが前記ローカル接続のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを選択することができ、且つ出力することができる、請求項20の乗物用情報システム。
【請求項23】
前記ローカル接続のコンテンツ源として、ファイルサーバシステムが含まれる請求項22の乗物用情報システム。
【請求項24】
前記ヘッドエンドシステムが、前記コンテンツ配給システムと通信するシステムコントローラを備え、且つ特定の乗物情報を提供するインターフェースを提供する請求項20の乗物用情報システム。
【請求項25】
地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツが、イントランジットショッピング(in−transit shopping)、インターネット、電子メール、法人用仮想プライベートネットワーク、顧客用仮想プライベートネットワーク、およびイントラネットシステムに関連するコンテンツからなる鑑賞コンテンツグループから選択されたものである請求項20の乗物用情報システム。
【請求項26】
前記ブロードバンド制御システムと通信し、且つ乗物用情報システムを介する旅客用乗物内における携帯電話の接続をサポートする電話システムをさらに有する請求項20の乗物用情報システム。
【請求項27】
前記電話システムが、セルラー電話の接続をサポートするピコセル(PicoCell)電話システムを有する請求項26の乗物用情報システム。
【請求項28】
前記ブロードバンド制御システムと通信し、且つ、
デジタルテレビ用アンテナシステムと、
乗物用情報システムの位置と予め選択されたテレビ衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択されたテレビ衛星通信システムに向かって前記デジタルテレビ用アンテナシステムを指向させるデジタルテレビ用アンテナ制御システムと、
前記デジタルテレビ用アンテナシステムを介して予め選択されたテレビ衛星通信システムとのテレビデータ接続を確立し、且つIPTVプログラムの特定のチャンネルを提供するマルチリージョンデジタルレシーバシステムとを備える統合型デジタルテレビ(IDTV)システムをさらに有し、
前記コンテンツ配給システムがIPTVの特定のチャンネルのプログラムを乗物用情報システムを通じて配給することにより、
前記ワイヤレス式アクセスポイントがIPTVの特定のチャンネルのプログラムを、出力するための個人用メディアデバイスに供給する請求項20の乗物用情報システム。
【請求項29】
前記デジタルテレビ用アンテナシステムがレーダドームの下に配置されている請求項28の乗物用情報システム。
【請求項30】
IPTVプログラムの複数のチャンネルを提供するマルチリージョンデジタルレシーバシステムを複数有し、
前記コンテンツ配給システムがIPTVプログラムの複数のチャンネルを乗物用情報システムを通じて配給する請求項28の乗物用情報システム。
【請求項31】
乗物用情報システムが、航空機に導入可能にされている請求項20の乗物用情報システム。
【請求項32】
個人用メディアデバイスが、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、MPEGオーディオレイヤー3(MP3)デバイス、iPod(登録商標)デジタル電子メディアデバイス、iPhone(登録商標)デジタル電子メディアデバイスのデバイスグループから選択されたものである請求項20の乗物用情報システム。
【請求項33】
航空機において、
機体と、
機体内に配置された複数の乗客用座席と、
乗物用情報システムとを有し、
前記乗物用情報システムが、前記機体と連結されるとともに、
乗物用情報システムのための機能を制御する総合システムを提供するヘッドエンドシステムと、
ブロードバンド用アンテナシステムと、
乗物用情報システムの位置と予め選択された衛星通信システムの位置との比較に基づいて予め選択された衛星通信システムに向かって前記ブロードバンド用アンテナシステムを指向させるアンテナ制御システムと、
前記ブロードバンド用アンテナシステムを介する地上のコンテンツ源との双方向のブロードバンドデータ接続を確立するブロードバンド制御システムと、
前記ブロードバンド制御システムによって地上のコンテンツ源から受信した特定の鑑賞コンテンツを乗物用情報システムを通じて配給し、且つワイヤレス式アクセスポイントを備えるコンテンツ配給システムとを有し、
前記ワイヤレス式アクセスポイントが地上のコンテンツ源から利用できる鑑賞コンテンツを個人用メディアデバイスによって選択できるように、且つ選択された鑑賞コンテンツが個人用メディアデバイスによって出力できるように該個人用メディアデバイスと通信し、
乗物用情報システムが、世界的規模のネットワーク上の1つのノードとして確立される航空機。
【請求項34】
個人用メディアデバイスを収納する収納部を有し、
前記収納部が前記乗客用座席の1つに配置されている請求項33の航空機。
【請求項35】
前記収納部が、前記特定の乗客用座席のアームレスト近くに配置されている請求項34の航空機。
【請求項36】
前記収納部が、隣接する乗客用座席の座席裏またはヘッドレストの一方に配置されている請求項34の航空機。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2011−504664(P2011−504664A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527121(P2010−527121)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/077562
【国際公開番号】WO2009/042714
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ETHERNET
【出願人】(505449427)パナソニック・アビオニクス・コーポレイション (15)
【氏名又は名称原語表記】PANASONIC AVIONICS CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/077562
【国際公開番号】WO2009/042714
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ETHERNET
【出願人】(505449427)パナソニック・アビオニクス・コーポレイション (15)
【氏名又は名称原語表記】PANASONIC AVIONICS CORPORATION
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]