説明

移動体のセンサ補正装置、停止判定装置およびその方法

【課題】従来の速度センサを用いて、移動体が停止していることを判定し、停止判定をしている間に閾値を用いて、自立センサのバイアスやドリフト等の誤差を補正する方法では、センサの個体差から適切な閾値を設定することが難しい。
【解決手段】移動体の加速度を検出する加速度センサ11と、加速度センサ11のデータ系列のランダム性を判定する独立性判定手段12と、移動体が走行している路面の傾斜角を算出する傾斜角演算手段13と、加速度センサの補正値を格納する記憶媒体14と、加速度センサの補正値を算出する加速度センサの補正値演算手段15とを備え、移動体の走行状況を正確に判定し、路面の傾斜角を算出することで、閾値を用いなくともセンサを補正することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に設置される加速度センサや角速度センサ等の自立航法に使われるセンサを用いてセンサ固有の誤差の補正を行うセンサ補正装置、停止判定装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車などの移動体に設置されるカーナビゲーションシステムなどに代表される航法装置では、トンネル、市街地、高架下等においてGPS(Global Positioning System)受信機が衛星からの電波を受信できない場合、加速度センサ及び角速度センサを含む自立センサ、及び速度センサにより自車位置を算出するのが一般的である。その際、角速度センサから得られる角速度を時間積分することで移動体の姿勢を算出し、加速度センサから得られる加速度もしくは車速センサから得られる速度を時間積分することで移動距離を算出する。しかしながら、角速度センサや加速度センサには装置固有のバイアス(一定値の部分)あるいはドリフト(温度変化等で出力に余分なオフセットが印加される現象)による誤差が時間積分することで時間の経過とともに蓄積される問題がある。そのため、車速センサによって得られる速度を用いて移動体が停止しているか否か正確に判定し、角速度センサの固有の誤差を補正する方法が提案されている。しかしながら、車速センサからの速度を使用するためには、航法装置と車速センサとを接続する必要があるため、航法装置の取付け作業が煩雑になるという問題があった。そこで、角速度センサまたは加速度センサの出力値とその任意の時刻における出力値の差分値を算出し、その差分値が設定した閾値よりも小さいと判定された場合には、移動体は停止しているとして角速度センサの固有の誤差を補正することができる。(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−257981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の移動体の停止判定方法において、自立センサにはそれぞれ個体差があるために閾値を一意に定めることができない。そのため、角速度センサ、加速度センサをそれぞれ3軸用いる場合には閾値を6つも設定する必要がある。また、この閾値によって移動体が停止しているか否か判定するため、閾値を大きくすると移動体の停止判定の頻度が少なくなり、逆に閾値を小さくすると誤判定してしまう。すなわち、個々のセンサ軸の出力に対して適切な閾値を設定する必要があるという問題があった。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、移動体の走行状況を正確に判定し、路面の傾斜角及びセンサの補正を行うことができる移動体の傾斜角演算、センサ補正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面の移動体の傾斜角演算、センサ補正装置は、移動体の走行状況を判定し、路面の傾斜角を算出することでセンサの補正を行う移動体の傾斜角演算、センサ補正装置であって、少なくとも移動体の前後方向軸の加速度を検出可能な加速度センサが接続されており、加速度センサのデータ系列のランダム性を判定する独立性判定手段と、独立性判定手段でランダム性が成り立つときに加速度センサの出力値から路面の傾斜角を算出する傾斜角演算手段と、傾斜角演算手段で算出した路面の傾斜角を用いて加速度センサの補正値を算出し補正する加速度センサの補正値演算手段と、加速度センサの補正値演算手段で算出した加速度センサの補正値を予め格納しておく記憶媒体とを有することを特徴とする。
【0006】
この構成により、加速度センサで検出される加速度がある程度のデータ量蓄積されたとき、統計的手法により、データ系列のランダム性を判定する。そして、データ系列にランダム性が成り立つとき、移動体は停止もしくは一定速度で走行していると判断することができ、蓄積された加速度から路面の傾斜角を算出する。また、算出した傾斜角から加速度センサの補正値を算出し、予め記録媒体に格納しておくことで正確に加速度センサの補正を行うことができる。
【0007】
また、本発明の第2の局面は、加速度センサから得られる加速度のデータ系列のランダム性が成り立つ時にGPS受信機から得られるGPS位置及びGPS速度が設定した範囲内であれば移動体は停止していると判定することができ、角速度センサから得られる角速度から補正値を算出し補正することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、加速度センサで検出される加速度からそのデータ系列のランダム性を判定することで移動体が走行している路面の傾斜角を算出し、センサのドリフト誤差を補正することができる。よって、車速センサを必要とせず、また加速度センサの個体差に影響されることのない傾斜角演算、センサ補正装置及び停止判定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態による移動体の傾斜角演算、センサ補正装置及び停止判定方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。本実施の移動体の傾斜角演算、自立センサ補正装置及び停止判定方法としては、例えば自動車などの車両に設置される電子機器であるナビゲーション装置に適用した場合を例に挙げる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態の車両の傾斜角演算、自立センサ補正装置1の構成を図1に示す。図1において、車両の傾斜角演算、センサ補正装置1は、移動体に搭載される電子機器の一例としてのナビゲーションシステムに実装されており、車両が走行している路面の傾斜角を算出し、またセンサ固有の誤差を補正する。このような路面の傾斜角を算出し、センサ固有の誤差を補正するために、車両の傾斜角演算、センサ補正装置1は、加速度センサ11と、独立性判定手段12と、傾斜角演算手段13と、記憶媒体14と、加速度センサの補正値演算手段16とを備える。
【0010】
加速度センサ11は、予め定められた座標系における車両の加速度を検出する。このような加速度センサ11が車両に対して正しい姿勢で設置された場合、加速度センサ11によって、車両の進行方向への加速度と、車両の右側方向で車両の進行方向に水平面内で直交する方向への加速度と、車両の水平面に対して下方向に直交する方向への加速度とが検出される。以下、図5a、図5b、図5cに示すように、車両の進行方向をXB軸方向と称し、車両の右側方向で車両の進行方向に水平面内で直交する方向をYB軸方向と称し、車両の水平面に対して下方向に直交する方向をZB軸方向と称する。以下、これらXB軸、YB軸及びZB軸からなる座標系を車両座標系と称する(下添え字は車両座標系(Body frame)を表す)。なお、本実施形態の車両の傾斜角演算、センサ補正装置1は、上述のようなXB軸方向とYB軸方向の加速度を検出する2軸の加速度センサ11を備えるとして説明するが、加速度センサ11の代わりに、XB軸方向及びYB軸方向の加速度を個々に検出する1軸の加速度センサを2個備えていても構わない。
【0011】
独立性判定手段12、傾斜角演算手段13、加速度センサの補正値演算手段15は、典型的にはCPU、ROM及びRAMを含んでおり、加速度センサ11と電気的に接続される。CPUは、ROMに予め格納されるコンピュータプログラムを、RAMを使って実行する。コンピュータの実行中、独立性判定手段12は、加速度センサ11から得られる各加速度を少なくとも用いて、その加速度のデータ系列のランダム性を判定する。傾斜角演算手段13は、独立性判定手段13で加速度のデータ系列のランダム性が成り立った場合に加速度センサ11から得られる各加速度を少なくとも用いて、車両が走行している路面の傾斜角を算出する。加速度センサの補正手段15は、加速度センサ11から得られる各加速度と傾斜角演算手段14で算出した車両が走行している路面の傾斜角を用いて加速度センサの補正値を算出する。
【0012】
記憶媒体14は、例えばRAMの記憶領域の一部で構成されており、加速度センサの補正値演算手段15で算出した加速度センサの補正値を記憶する。
【0013】
次に、以上のような構成の車両の傾斜角演算、センサ補正装置1の動作の流れについて図3を用いて説明する。具体的な算出方法については、後ほど図5a、図5b、図5c及び図6(A)、(B)を用いて説明する。
【0014】
まず、図3において、加速度センサ11から検出される加速度を蓄積する(S001)。ある程度のデータ量が蓄積された時点、例えば10msで加速度センサの出力をサンプリングし5秒間のデータ、すなわち500個のデータを蓄積した時点(S002)で蓄積させた加速度センサのデータ系列にランダム性(独立性)が成り立つかどうか検定する(S003)。ランダム性の検定には例えば連の検定などを用いる。その結果、データ系列にランダム性が成り立った場合に蓄積させた加速度センサの出力値の例えば平均値から車両が走行している路面の傾斜角を算出する(S004)。算出した傾斜角から加速度センサのドリフト誤差を算出し(S005)、記憶媒体14に記憶している加速度センサのドリフト誤差を更新する(S006)。その更新された加速度センサのドリフト誤差を用いて加速度センサ11の補正を行う。
【0015】
次に、具体的な算出方法について図5a、図5b、図5c及び図6(A)、(B)を用いて説明する。図5a、図5b、図5cに示すように車両の進行方向をXB軸、車両の右側をYB軸、XB-YB軸平面に対して垂直下向きをZB軸とし、これらXB軸、YB軸、ZB軸からなる座標系は、前述したように車両座標系とする(下添え字は車両座標系(Body frame)を表す)。車両が停止もしくは一定の速度で走行している場合、車両にかかる加速度は重力加速度Gのみと考えられる。したがって、図6(A)、(B)に示すような傾斜角(ロール角φ、ピッチ角θ)で車両にかかる重力加速度GをXB軸に−Gsinθ、YB軸にGcosθsinφと分けることができる。以上から、XB軸方向の加速度AX及びYB軸方向の加速度AYは下式(1)、(2)となる。
【0016】
【数1】

【0017】
dx、dyはそれぞれ加速度センサ11のドリフト誤差、ε、ηはそれぞれ白色雑音とする。この加速度センサ11から検出される加速度をある程度、例えば10msで加速度センサ11の出力をサンプリングし5秒間のデータ(データ数500個)を蓄積させ、それぞれ記憶媒体に予め格納されたdx,dyを差し引いて平均値を算出すると、ε、ηの平均値は0と仮定することができるため、算出された平均値は重力加速度Gの成分のみとなる。したがって、蓄積させたデータから算出した平均値を差し引くと白色雑音成分のみとなる。これは車両が停止もしくは一定速度を走行している場合のみに成り立つ。すなわち、蓄積させたデータから算出した平均値を差し引いたデータ系列にランダム性が成り立つ場合、車両は停止もしくは一定速度で走行しているといえる。データ系列のランダム性の検定には例えば連の検定を用いる。したがって、(1)式からピッチ角θを算出することができる。
【0018】
【数2】

【0019】
また、(3)式を(2)式に代入することでロール角φを算出することができる。
【0020】
【数3】

【0021】
以上から、車両が走行している傾斜角を算出することができた。次に、算出したピッチ角θ、ロール角φを(1)、(2)式に代入して蓄積させたデータの平均値を算出することで加速度センサ11のドリフト誤差を算出し、記憶媒体15に格納されている加速度センサ11のドリフト誤差を更新することができる。
【0022】
このような本発明の実施の形態の車両の傾斜角演算、センサ補正装置1によれば、加速度センサ11から検出される加速度をある程度のデータ量蓄積させ、ランダム性の検定を行うことより、車両の走行状態を判断し、車両の傾斜角を算出する。次に、算出した傾斜角を用いて加速度センサ11のドリフト誤差を算出し、記憶媒体14に予め格納されていた加速度センサ11のドリフト誤差を更新する。
(実施の形態2)
第1の実施の形態では、加速度センサの出力値のデータ系列のランダム性を判定することで移動体が停止もしくは一定速度で走行している状況を判定することができる。そこで、第2の実施の形態では、移動体の停止判定のみを行うために、GPS位置とGPS速度が一定の範囲内であるならば移動体は停止していると判定する構成とした。
【0023】
移動体が停止していることを判定する方法を図2のブロック図を参照して説明する。 図2に示す移動体の停止判定方法は、図1に示す移動体の傾斜角演算、センサ補正装置1と比較すると、角速度センサ20と、停止判定手段21、GPS受信機22と、角速度センサ補正手段23とをさらに備える。それ以外に相違点は無いので図2において、図1に示す構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明は省略する。
【0024】
角速度センサ20は、予め定められた座標系における車両の角速度を検出する。このような角速度センサ20が車両に対して正しい姿勢で設置されている場合、角速度センサ20によって、車両座標系におけるそれぞれの軸回りの車両が回転する際の角速度が検出される。車両座標系におけるXB軸回りの角速度をロールレートと称し、その角速度を時間積分して求められる角度をロール角と称し、車両座標系におけるYB軸回りの角速度をピッチレートと称し、その角速度を時間積分して求められる角度をピッチ角と称し、車両座標系におけるZB軸回りの角速度をヨーレートと称し、その角速度を時間積分して求められる角度をヨー角と称する。なお、本実施形態の移動体の停止判定方法は、上述のような角速度を検出する3軸の角速度センサ20を備えるとして説明するが、角速度センサ20の代わりに、XB軸回り、YB軸回り及びZB軸回りの角速度を個々に検出する1軸の角速度センサを3個備えていても構わない。
【0025】
停止判定手段21は、独立性判定手段13で加速度センサ11のデータ系列にランダム性が成り立つ場合にGPS受信機から得られるGPS位置もしくはGPS速度を参照し、その値が設定した範囲内か否かで移動体が停止しているかどうか判定する。
【0026】
GPS受信機22は、GPS衛星から電波を受信して地球上における移動体の絶対位置(緯度・経度・高度)を算出し、またそのドップラーシフトから移動体の速度を算出する。
【0027】
角速度センサ補正手段23は、停止判定手段21で移動体が停止していると判定された時に角速度センサ20から得られる角速度から補正値を算出し補正を行う。
【0028】
次に、以上のような構成の移動体の停止判定方法の動作の流れについて図4を用いて説明する。まず、図4において、加速度センサ11と角速度センサ20から検出される加速度と角速度をそれぞれ蓄積する(S101)。ある程度のデータ量が蓄積された時点、例えば10msで加速度センサと角速度センサの出力をサンプリングし5秒間のデータ、すなわち500個のデータを蓄積した時点(S102)で蓄積させた加速度センサのデータ系列にランダム性(独立性)が成り立つかどうか検定する(S103)。その結果、データ系列にランダム性が成り立った場合にGPS位置が任意時刻の位置の設定した誤差半径内かどうかとGPS速度が設定した範囲内であるか確認する(S104)。GPS位置とGPS速度が条件を満たせば移動体は停止していると判断することができ、蓄積させた角速度センサ20の出力値の例えば平均値から角速度センサの補正値を算出する(S105)。そして、角速度センサの補正を行う(S106)。なお、角速度センサ20から検出される角速度のデータ系列のランダム性を検定し、移動体の停止判定を行うことで角速度センサ20の補正値を算出し、補正するようにしても構わない。
【0029】
次に、本実施の形態の移動体の停止判定方法の詳細を説明する。なお、座標系は実施の形態1で説明した図5a、図5b、図5cと同じであり、符号も同じものを使用する。
【0030】
まず、加速度センサ11から得られる移動体の前後方向(XB軸方向)の加速度をある程度のデータ量、例えば10msでサンプリングし5秒間のデータ、すなわち500個のデータを蓄積させる。実施の形態1と同様にデータが蓄積された時点でデータ系列のランダム性の検定を行う。ランダム性が成り立つ時、移動体は停止もしくは一定の速度で走行しているといえる。したがって、ここまでの条件では移動体が停止していることのみを判定することはできない。なお、加速度センサ11の前後方向のデータ系列のみランダム性の検定を行ったが加えて左右方向(YB軸方向)の加速度に対してランダム性の検定を行い、ともにランダム性が成り立つ時に移動体は停止もしくは一定の速度で走行しているとしてもよい。左右方向(YB軸方向)の加速度のデータ系列を検定することで車両でいえばアイドリング、横風や両サイドを走行する車両による雑音が影響する場合には移動体の停止もしくは一定速度で走行していると判定されず、加速度センサ及び角速度センサの誤補正を防ぐことができる。そして、例えば5秒間のデータを蓄積させたとすれば移動体は少なくとも10秒以上の間、停止もしくは一定速度で走行していたといえる。したがって、GPS位置が例えば5秒前の位置の半径10m以内にあり、GPS速度が例えば0.2m/s以下であれば移動体は停止していたと判断する。もちろん、範囲外であれば移動体は一定速度で走行していると判断できる。以上から、移動体が停止していると判定された時、加速度センサ11の出力値と同時に蓄積させた角速度センサ20の出力値の例えば平均値を角速度センサ20の固有の誤差として算出することができ補正することができる。なお、角速度センサ20の補正値を算出する際に現在位置から地球自転角速度の影響を考慮するとさらに厳密に補正値を算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明にかかる移動体の傾斜角演算、センサ補正装置及び停止判定手法は、加速度センサで検出される加速度から車両の走行状況を判定することができ、加速度センサ及び角速度センサの固有の誤差を正確に補正できるため、移動体に搭載される機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態における車両の傾斜角演算およびセンサ補正装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施の形態における停止判定およびセンサ補正装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態における車両の傾斜角演算およびセンサ補正装置の動作の流れを説明するためのフロー図
【図4】本発明の第2の実施の形態における停止判定およびセンサ補正装置の動作の流れを説明するためのフロー図
【図5a】車両におけるロール方向の角速度を示す図
【図5b】車両におけるピッチ方向の角速度を示す図
【図5c】車両におけるヨー方向の角速度を示す図
【図6】(A)車両のピッチ方向における重力加速度と傾斜角の関係を示す図(B)車両のロール方向における重力加速度と傾斜角の関係を示す図
【符号の説明】
【0033】
1 移動体の傾斜角演算およびセンサ補正装置
2 移動体の停止判定およびセンサ補正装置
11 加速度センサ
12 独立性判定手段
13 傾斜角演算手段
14 記憶媒体
15 加速度センサの補正値演算手段
20 角速度センサ
21 停止判定手段
22 GPS受信機
23 角速度センサ補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の加速度を検出する加速度センサが接続されており、
前記加速度センサから得られる加速度のデータ系列にランダム性が成り立つか判定する独立性判定手段と、
前記独立性判定手段においてランダム性が成り立つと判定された間の前記加速度センサの出力値から移動体の傾斜角を算出する傾斜角演算手段と、
前記傾斜角演算手段により算出された傾斜角を用いて加速度センサの補正値を算出し補正を行う加速度センサ補正値演算手段と、
を有する移動体の加速度センサ補正装置。
【請求項2】
移動体の加速度を検出する加速度センサと角速度を検出する角速度センサが接続されており、
前記加速度センサから得られる加速度のデータ系列および/または前記角速度センサから得られる角速度のデータ系列にランダム性が成り立つか判定する独立性判定手段と、
前記独立性判定手段において加速度および/または角速度のデータ系列にランダム性が成り立つ時に、GPS受信機から得られるGPS位置とGPS速度から移動体が停止していることを判定する停止判定手段と、
を有する移動体の停止判定装置。
【請求項3】
移動体の加速度を検出する加速度センサと角速度を検出する角速度センサが接続されており、
前記加速度センサから得られる加速度のデータ系列および/または前記角速度センサから得られる角速度のデータ系列にランダム性が成り立つか判定する独立性判定手段と、
前記独立性判定手段において加速度および/または角速度ののデータ系列にランダム性が成り立つ時に、GPS受信機から得られるGPS位置とGPS速度から移動体が停止していることを判定する停止判定手段と、
前記停止判定手段で移動体が停止していると判定された間の加速度センサから得られる加速度から補正値を算出し、加速度センサを補正する加速度センサ補正手段および/または前記停止判定手段で移動体が停止していると判定された間の角速度センサから得られる角速度から補正値を算出し、角速度センサを補正する角速度センサ補正手段と、
を有する移動体のセンサ補正装置。
【請求項4】
移動体の加速度を検出する加速度センサから得られる加速度のデータ系列にランダム性が成り立つか判定する独立性判定ステップと、
前記独立性判定ステップにおいてランダム性が成り立つと判定された間の前記加速度センサの出力値から移動体の傾斜角を算出する傾斜角演算ステップと、
前記傾斜角演算ステップにより算出された傾斜角を用いて加速度センサの補正値を算出し補正を行う加速度センサ補正値演算ステップと、
を有する移動体の加速度センサ補正方法。
【請求項5】
移動体の加速度を検出する加速度センサから得られる加速度のデータ系列および/または移動体の角速度を検出する角速度センサから得られる角速度のデータ系列にランダム性が成り立つか判定する独立性判定ステップと、
前記独立性判定ステップにおいて加速度のデータ系列および/または角速度のデータ系列にランダム性が成り立つ時に、GPS受信機から得られるGPS位置とGPS速度から移動体が停止していることを判定する停止判定ステップと、
を有する移動体の停止判定方法。
【請求項6】
移動体の加速度を検出する加速度センサから得られる加速度のデータ系列および/または移動体の角速度を検出する角速度センサから得られる角速度のデータ系列にランダム性が成り立つか判定する独立性判定ステップと、
前記独立性判定ステップにおいて加速度のデータ系列および/または角速度のデータ系列にランダム性が成り立つ時に、GPS受信機から得られるGPS位置とGPS速度から移動体が停止していることを判定する停止判定ステップと、
前記停止判定ステップで移動体が停止していると判定された間の加速度センサから得られる加速度から補正値を算出し、加速度センサを補正する加速度センサ補正ステップおよび/または前記停止判定ステップで移動体が停止していると判定された間の角速度センサから得られる角速度から補正値を算出し、角速度センサを補正する角速度センサ補正ステップと、
を有する移動体のセンサ補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−163205(P2007−163205A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357402(P2005−357402)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】