説明

移動体用ナビゲーション装置及びそのための情報支援サーバ

【課題】他のナビゲーション装置と通信可能に構成された移動体用ナビゲーション装置において、目的地を設定していない場合でも自らの意思により他の利用者とお気に入り地点情報を共有できるようにする。
【解決手段】利用者が周辺施設に立ち寄ったと判断される場合(ステップSA7)には、現在地周辺の施設のジャンルを読み出し(ステップSA8)、その読み出したジャンルの中に、所定距離以上、遠方に位置する地点についてお気に入り地点情報が記憶されているジャンルがあるかどうかを判定する(ステップSA9)。該当するジャンルがある場合にはそのジャンルで情報共有するかどうかを利用者に選択させる(ステップSA10、SA11)。そして、共有可と選択されたジャンルにおいて、他の車載ナビゲーション装置2にも共有可能なお気に入り地点情報が記憶されているかを確認したうえで、情報共有する(ステップSA12)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者間で情報を共有できるように構成された移動体用ナビゲーション装置及びそのための情報支援サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、予め設定された目的地まで経路誘導を行うナビゲーション装置において、利用者の気に入った地点の情報(お気に入り地点情報)を登録することができるとともに、利用者が必要なときには、いつでも簡単にそのお気に入り地点の情報を閲覧できるように構成されたものが知られている。
【0003】
そして、このようなお気に入り地点情報は、その情報を登録した利用者だけでなく、該利用者と嗜好の似ている他の利用者にとっても有益な情報となる可能性が高いため、利用者間で情報を共有して各利用者の利便性を向上することが考えられている。このように、利用者間でお気に入り地点情報を共有する方法としては、互いのナビゲーション装置間で直接、通信を行う方法や、情報センターに設けられたサーバを介して通信を行う方法などが考えられる。
【0004】
具体的には、ナビゲーション装置間で直接、通信を行う方法として、例えば、通信可能な範囲が数mから数100mであるDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)等の近距離無線通信を用いた通信方法などが考えられている。一方、ナビゲーション装置とサーバとの間で通信を行うものとしては、例えば、特許文献1に開示されるように、旅行計画などの情報が記憶されたサーバと移動体に搭載されたナビゲーション装置とがネットワーク網等を介して通信可能に構成されたものが知られている。このものでは、ナビゲーション装置からサーバへ操作情報や旅行途中の情報等が送信されて、該サーバからナビゲーション装置へ旅行計画等の情報が転送されるとともに、該サーバには、ナビゲーション装置から送信された旅行途中の情報が記憶されるように構成されている。
【特許文献1】特開平11−143358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のように利用者間でお気に入り地点情報を共有する場合、嗜好の類似した利用者間で情報を共有できるように、利用者間の嗜好性の類似を考慮するのが好ましい。そのような利用者間の嗜好性の類似を考慮した情報共有システムとしては、例えば、該各利用者の設定した目的地が同じ場合に利用者同士の嗜好が類似しているものとして利用者間で情報共有させるものなどが考えられる。
【0006】
しかしながら、このように利用者の行う目的地設定に基づいて情報共有を行う場合、目的地を設定していなければ情報共有ができなかったり、逆に、目的地を設定しているために、情報共有したくない場合でも強制的に情報共有させられる可能性もあり、利用者にとって利便性の良いシステムであるとは言えない。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、他のナビゲーション装置と通信可能に構成された移動体用ナビゲーション装置において、目的地を設定していない場合でも自らの意思により他の利用者とお気に入り地点情報を共有できるようにして、利用者の利便性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る移動体用ナビゲーション装置では、利用者の立ち寄ったと思われる周辺施設のジャンルの中から、利用者の嗜好に合ったジャンルで、他の利用者に情報提供可能なジャンルを選別して、そのジャンルのお気に入り地点情報を他の利用者と共有できるようにするとともに、その際に、情報共有するかどうかを利用者が選択できるようにした。
【0009】
すなわち、請求項1の発明では、利用者の設定したお気に入り地点の情報をジャンル毎に記憶するためのお気に入り情報記憶手段と、情報の通信を行うための通信手段と、を備えた移動体用ナビゲーション装置を対象とする。
【0010】
そして、所定の施設の位置情報をそのジャンルとともに記憶した施設情報記憶手段と、移動体の移動停止を検出する移動停止検出手段と、前記移動停止検出手段によって移動体の移動停止が検出された場合に、前記施設情報記憶手段に記憶されている現在位置周辺の施設のジャンルを読み出すジャンル読み出し手段と、前記ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、前記お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報が記憶されているジャンルを選別するジャンル選別手段と、前記ジャンル選別手段によって選別されたジャンルのうち、他のナビゲーション装置との情報共有を許可するジャンルを利用者に選択させるジャンル選択手段と、前記お気に入り情報記憶手段に記憶されたお気に入り地点情報のうち、前記ジャンル選択手段で利用者が選択したジャンルのものを、前記通信手段を介して前記他のナビゲーション装置との間で情報共有可能にする情報共有手段とを備えているものとする。
【0011】
この構成により、移動体の移動停止が移動停止検出手段によって検出された場合、その移動停止した周辺の施設のジャンルをジャンル読み出し手段によって読み出し、その中からお気に入り地点情報の記憶されているジャンルをジャンル選別手段によって選別することで、利用者が立ち寄っていると思われる周辺施設のジャンルの中から該利用者の嗜好に合ったジャンルを選別することができるため、そのジャンルにおいて他の利用者と情報共有を行うことで、利用者の嗜好を考慮した情報共有が可能になる。したがって、利用者が目的地設定を行っていない場合でも、利用者の嗜好を考慮して他の利用者との間で有益な情報を共有することができる。
【0012】
また、上述のように、周辺施設のジャンルの中からお気に入り地点情報の登録されているジャンルと同じジャンルのみを選別した後、それらのジャンルの中から他の利用者との共有を許可するジャンルを利用者に選択させるようにしたため、他の利用者との間でお気に入り地点情報を共有する際には、利用者の意向を反映させることができる。
【0013】
上述の構成において、前記情報共有手段は、ジャンル選択手段で選択されたジャンルのうち少なくとも一つのジャンルのお気に入り地点情報が、他のナビゲーション装置において共有可能とされていることを、通信手段を介して確認する共有確認手段を備え、前記共有確認手段によって共有可能であると確認されたジャンルのお気に入り地点情報を、前記通信手段を介して前記他のナビゲーション装置との間で共有可能にするように構成されているのが好ましい(請求項2の発明)。
【0014】
これにより、情報共有を開始する前に、周辺施設のジャンルのうち、ナビゲーション装置にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルで、且つ該利用者が情報共有可能であると選択したものと同じジャンルのお気に入り地点情報が、他の利用者のナビゲーション装置に記憶されているかどうかを確認することで、共有可能なお気に入り地点情報が記憶されている相手とのみ情報共有を行うことができ、嗜好の類似した利用者間で効率良く情報共有を行うことができる。
【0015】
上述の構成において、移動体用ナビゲーション装置は、ジャンル読み出し手段によって読み出された現在位置周辺の施設のジャンルのうち、少なくとも一つのジャンルが現在位置から所定距離の範囲内に位置し、お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルと一致しているかどうかを判定するジャンル判定手段を備えていて、前記ジャンル選別手段は、前記ジャンル判定手段によって前記所定範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルを選別するように構成されているのが好ましい(請求項3の発明)。
【0016】
ここで、所定距離の範囲とは、利用者が周辺施設に立ち寄る可能性のある範囲のことであり、例えば、利用者が現在位置から徒歩で移動する可能性のある範囲を意味する。
【0017】
これにより、現在位置から所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルの施設があるかどうかを判定することで、ナビゲーション装置の利用者が立ち寄った可能性のある施設を精度良く推測することができる。そして、同じ施設に立ち寄った可能性のある他の利用者と情報共有を行う場合には、情報共有を行うジャンルを利用者の嗜好性を反映して簡単且つ精度良く選別することができるため、他の利用者と有益な情報を共有することが可能になる。
【0018】
さらに、前記ジャンル選別手段は、ジャンル判定手段によって現在位置から所定距離の範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルであって、且つ前記所定範囲の外側に位置するもののみを選別するように構成されているのがより好ましい(請求項4の発明)。このように、前記所定距離の範囲の外側に位置する地点のお気に入り地点情報が記憶されているジャンルのみを選別することにより、利用者が立ち寄った可能性の高い施設と同じジャンルで、他の利用者が立ち寄っていないと思われる比較的、遠方で有益性の高いお気に入り地点情報を該他の利用者に提供することが可能となる。すなわち、利用者が立ち寄っていると思われる施設のお気に入り地点情報を共有するという無駄な処理を回避することができる。
【0019】
一方、ジャンル選別手段は、ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、現在位置周辺に位置し且つお気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルを選別するように構成されていてもよい(請求項5の発明)。これにより、利用者が立ち寄っていると思われる周辺施設をより精度良く推測できるとともに、その施設に立ち寄ったと思われる他の利用者、すなわち極めて嗜好の類似した他の利用者との間で、利用者の嗜好をより的確に反映したジャンルのお気に入り地点情報を共有することができ、有益な情報を効率良く得ることができる。
【0020】
また、他の利用者と情報共有するジャンルを利用者に選択させる場合には、余計な選択操作を排除するために情報共有する相手が周辺にいる場合にのみ選択させるのがよい。すなわち、前記移動体用ナビゲーション装置は、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルのお気に入り地点情報が記憶されている他のナビゲーション装置が、現在位置周辺に位置していることを検出するナビゲーション装置検出手段を備えていて、ジャンル選択手段は、前記ナビゲーション装置検出手段によって前記他のナビゲーション装置が現在位置周辺にいることが検出された場合に、該他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを利用者に選択させるように構成されているのが好ましい(請求項6の発明)。
【0021】
これにより、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルと同じジャンルのお気に入り地点情報が記憶されていて、情報を共有することのできる他のナビゲーション装置が周辺にいる場合にのみ、利用者に情報共有可能なジャンルを選択させるので、情報共有する相手が周囲におらず、情報共有できない場合に、利用者に不要な選択をさせることがなく、このことによっても該利用者の利便性を向上することができる。
【0022】
特に、上述の構成において、ナビゲーション装置は、利用者の携帯端末と通信可能に構成されていて、ジャンル選択手段は、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルを前記携帯端末に表示させるとともに、他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを前記携帯端末を介して利用者に選択させるように構成されているのが好ましい(請求項7の発明)。これにより、例えば利用者が周辺施設に立ち寄っていて、車載ナビゲーション装置などをすぐに操作できない状態であっても、他の利用者とのお気に入り地点情報の共有の可否を携帯端末によって指示することが可能になり、利用者の利便性をさらに向上することができる。
【0023】
請求項8の発明は、前記請求項1の発明における移動体用ナビゲーション装置の動作を情報センター等のサーバで行うものとする。すなわち、請求項8の発明は、複数の移動体に搭載されたナビゲーション装置との間で情報を送受信するための通信手段を備えた情報支援サーバを対象とする。
【0024】
そして、所定の施設の位置情報が記憶されている施設情報記憶手段と、前記複数のナビゲーション装置からそれぞれ前記通信手段を介して受信した利用者のお気に入り地点の情報を、ジャンル毎に記憶するためのお気に入り情報記憶手段と、前記いずれか一つの移動体の移動停止時に、ナビゲーション装置から前記通信手段を介して受信した現在位置の情報に基づいて、前記施設情報記憶手段に情報の記憶されている現在位置周辺の施設のジャンルを読み出すジャンル読み出し手段と、前記ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、前記お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報が記憶されているジャンルを選別するジャンル選別手段と、前記ジャンル選別手段によって選別されたジャンルを前記移動停止した移動体のナビゲーション装置に表示させて、その中から他のナビゲーション装置との間で情報共有を許可するジャンルを利用者に選択させるジャンル選択手段と、前記お気に入り情報記憶手段に記憶されているお気に入り地点情報のうち、前記ジャンル選択手段によって利用者が選択したジャンルの情報を、前記通信手段を介して前記他のナビゲーション装置との間で情報共有可能にする情報共有手段とを備えているものとする。
【0025】
これにより、移動体用ナビゲーション装置と通信可能な情報支援サーバに周辺施設情報やお気に入り地点情報などが記憶されるとともに、該情報支援サーバで移動体用ナビゲーション装置の現在位置に基づいて周辺施設のジャンルを読み出したり、その中からお気に入り地点情報の記憶されたジャンルを選別するなどの各種処理を行うことができる。したがって、情報支援サーバによって構成した場合でも、利用者の嗜好を考慮して他の利用者との間で有益な情報を共有できるなどの上述の請求項1と同様の作用を得ることができる。
【0026】
上述のような構成の情報支援サーバにおいて、ジャンル読み出し手段によって読み出された現在位置周辺の施設のジャンルのうち、少なくとも一つのジャンルが現在位置から所定距離の範囲内に位置し、お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルと一致しているかどうかを判定するジャンル判定手段を備えていて、ジャンル選別手段は、前記ジャンル判定手段によって前記所定範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルを選別するように構成されているのが好ましい(請求項9の発明)。特に、前記ジャンル選別手段は、ジャンル判定手段によって現在位置から所定距離の範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルであって、且つ前記所定範囲の外側に位置するもののみを選別するように構成されているのがより好ましい(請求項10の発明)。
【0027】
一方、ジャンル選別手段は、ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、現在位置周辺に位置し且つお気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルを選別するようにしてもよい(請求項11の発明)。
【0028】
また、前記情報支援サーバは、移動停止したナビゲーション装置の現在位置周辺に、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルのお気に入り地点情報が記憶されている他のナビゲーション装置が位置していることを検出するナビゲーション装置検出手段を備えていて、ジャンル選択手段は、前記ナビゲーション装置検出手段によって前記他のナビゲーション装置が周辺にいることが検出された場合に、該他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを利用者に選択させるように構成されていてもよい(請求項12の発明)。
【0029】
さらに、前記ナビゲーション装置は、利用者の携帯端末と通信可能に構成されていて、前記ジャンル選択手段は、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルを前記携帯端末に表示させるとともに、該携帯端末を介して他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを利用者に選択させるように構成されているのが好ましい(請求項13の発明)。
【0030】
これらの構成により、それぞれ、前記請求項3〜7と同様の作用を情報支援サーバでも得ることができる。
【発明の効果】
【0031】
以上より、本発明に係る移動体用ナビゲーション装置によれば、周辺施設のジャンルのうち、お気に入り地点情報が記憶されたジャンルのみを選別し、その中から情報共有可能なジャンルを利用者に選択させ、その選択されたジャンルのお気に入り地点情報を他のナビゲーション装置と共有させるようにしたため、利用者の嗜好に合ったジャンルで且つ他の利用者に提供可能な情報が記憶されたジャンルにおいて、該他の利用者とお気に入り地点の情報を共有することがでできるとともに、その際に情報共有の可否を利用者が選択することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0032】
特に、利用者の立ち寄る可能性のある所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルの施設があるかどうか、若しくは現在位置周辺にお気に入り地点情報の記憶された施設があるかどうかを判定することで、利用者が立ち寄ったと思われる施設を精度良く推測することができるとともに、その施設の属するジャンルの情報を共有することで、利用者の嗜好により合致した情報を他の利用者と共有することが可能になる。
【0033】
また、お気に入り地点情報を共有可能な他のナビゲーション装置が周辺に位置している場合にのみ、利用者に情報共有可能なジャンルを選択させることで、該利用者に不要な選択動作をさせることがなく、利用者の利便性をさらに向上することができる。
【0034】
さらに、ナビゲーション装置と通信可能な携帯端末でも情報共有するジャンルを選択できるようにすることで、利用者が前記ナビゲーション装置を直接、操作できない場合でも、迅速且つ確実にナビゲーション装置間で情報共有を行うことができ、利用者の利便性を一層向上することができる。
【0035】
なお、上述のようなジャンルの選別やお気に入り地点情報の共有等を情報センターが行った場合でも同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0037】
(実施形態1)
−ナビゲーションシステムの全体構成−
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムAの全体構成を示し、このナビゲーションシステムAは、少なくとも、車両V,V’にそれぞれ搭載された車載ナビゲーション装置1,2を備えていて、該車載ナビゲーション装置1,2同士の間で近距離無線通信機18,38によって通信可能なように構成されている。そして、前記ナビゲーションシステムAでは、詳しくは後述するが、図2及び図3に示すように、車載ナビゲーション装置1,2にそれぞれ記憶されたお気に入り地点の情報を、該車載ナビゲーション装置1,2間で共有できるようになっている。
【0038】
前記車載ナビゲーション装置1,2は、それぞれ、車両Vに搭載され、予め設定された目的地まで経路誘導を行うナビゲーション機能を有するものであり、両者の構成は同じであるため、以下では車載ナビゲーション装置1についてのみ説明する。
【0039】
前記車載ナビゲーション装置1は、各種信号の制御処理を行うコントローラとしての車載ナビCPU11を備えている。この車載ナビCPU11には、GPS信号やジャイロセンサからの出力信号等に基づいて車両Vの現在地を検出する現在地検出センサ12と、地図情報が記憶された地図メモリ13と、各種施設の位置等の情報がジャンルと共に記憶された施設情報メモリ14(施設情報記憶手段)と、車両Vの現在地や周辺地図等の各種情報を画面上に表示するディスプレイ15と、各種設定操作等を行うための操作スイッチ16とが接続されている。なお、前記車載ナビCPU11は、ナビゲーション専用のものに限らず、汎用性のあるものであってもよい。
【0040】
この構成により、前記車載ナビゲーション装置1は、通常のナビゲーション機能として、地図データ上に前記現在地検出センサ12によって検出した車両Vの現在地を重畳表示することで該車両Vの経路誘導を行えるようになっている。
【0041】
また、前記車載ナビCPU11には、利用者が気に入った地点(例えばラーメン店)の情報を記憶するためのお気に入り地点情報メモリ17(お気に入り情報記憶手段)と、そのお気に入り地点情報を他の車載ナビゲーション装置2と共有する場合などに該車載ナビゲーション装置2と近距離通信を行うための通信手段としての近距離無線通信機18とが接続されている。この近距離無線通信機18は、例えば携帯電話やPDAなどのような携帯端末19とも送受信可能に構成されていて、利用者が車外にいる場合でも携帯端末19によって車載ナビゲーション装置1を操作することができるようになっている。
【0042】
以上のような構成において、前記車載ナビCPU11は、現在地検出センサ12によって車両V(車載ナビゲーション装置1)の移動停止を検出すると、利用者がその周辺の施設に立ち寄ったものとして、周辺施設を施設情報メモリ14から検索するようになっている。そして、検索された周辺施設のジャンル(種別)の中から、利用者がお気に入り地点の情報をお気に入り地点情報メモリ17に記憶しているジャンルと一致するもののみを選別し、その選別されたジャンルに記憶されたお気に入り地点情報が所定距離以上、遠くの地点のものであれば、操作者に情報共有するかどうかを選択させて、情報共有可能と選択されたジャンルのお気に入り地点情報のみを他の車載ナビゲーション装置2と共有するようになっている。ここで、お気に入り地点情報が所定距離以上、遠くの地点のものであるとは、利用者が立ち寄っていると思われる範囲(所定距離の範囲)よりも外側の地点についてお気に入り地点情報が登録されていて、該お気に入り地点情報が他の利用者にとって有益な情報であることを意味している。
【0043】
なお、前記車載ナビCPU11は、上述のように、検索された周辺施設のジャンルの中から、所定距離以上、遠くに位置する地点のお気に入り地点情報が記憶されているジャンルを選別するのではなく、まず、現在位置から所定距離の範囲内に、お気に入り地点情報の記憶されているジャンルに属する施設があるか否かを判定し、該当するジャンルの中から所定距離以上、遠くに位置する施設のお気に入り地点情報が記憶されているジャンルを選別するように構成されていてもよい。これにより、利用者の立ち寄っている施設のジャンルを精度良く推測することができる。
【0044】
ここで、お気に入り地点情報を共有することのできる相手は、共有しようとしているジャンルについてお気に入り地点情報を記憶しているものであって、自分との情報共有を認めたものに限られる。そのため、車載ナビゲーション装置2のお気に入り地点情報メモリ37に情報共有しようとしているジャンルのお気に入り地点情報が記憶されているかどうか、記憶されている場合には、該車載ナビゲーション装置2の利用者が情報共有を認めているかどうかを、前記近距離無線通信機18を介した通信によって確認したうえで情報共有するようにしている。したがって、上述のように情報共有するジャンルを利用者に選択させる場合には、無駄な選択操作をさせないように、選択操作の前に、情報共有可能な相手が周辺にいるかどうかを判定するのが好ましい。
【0045】
このように、現在位置周辺の施設のジャンルを読み出して、その中から利用者がお気に入り地点情報を登録しているジャンルのみを選別することで、利用者の嗜好を推測することができるとともに、前記お気に入り地点情報が所定距離の範囲内にある場合には、その選別されたジャンルに属する周辺施設のいずれかに利用者が立ち寄っているものと推測することができる。そして、車載ナビゲーション装置1と近距離通信できるような範囲に位置している車載ナビゲーション装置2に同じジャンルのお気に入り地点情報が記憶されている場合には、その利用者も同じようなジャンルの施設に立ち寄っていると推測することで、両者の嗜好性の類似を判断することができる。したがって、嗜好性の類似している両者が同じように立ち寄っていると思われる施設のジャンルに関するお気に入り地点情報を共有することで、両者にとって有益な情報を共有することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0046】
しかも、情報共有する際に、利用者に情報共有をするかどうかの意思確認を行うようにすることで、利用者の意に反した情報共有が行われるのを防止することができ、利用者の利便性をより向上することができる。
【0047】
なお、前記車載ナビゲーション装置1,2間の通信は、上述のように近距離無線通信機18,38を用いたものではなく、図1に示すように、情報センター3(情報支援サーバ)を介して通信するように構成されていてもよい。この場合には、前記車載ナビゲーション装置1,2に、それぞれ、車載通信機20,40を設けるとともに、該車載通信機20,40と通信可能なように前記情報センター3にも通信手段(例えば、ネットワーク網に接続された回線など)を設けるようにすればよい。
【0048】
前記情報センター3には、施設情報メモリ45(施設情報記憶手段)及びお気に入り地点情報メモリ46(お気に入り情報記憶手段)が設けられていて、前記車載ナビゲーション装置1,2からの操作に応じて前記お気に入り地点情報メモリ46にお気に入り地点情報を記憶したり、該車載ナビゲーション装置1,2の現在地検出センサ12,32(現在地検出手段)で検出された信号に基づいて該車載ナビゲーション装置1,2の現在地を検出できるように構成されている。
【0049】
また、前記情報センター3では、車両Vの車載ナビCPU11で行われるような各種情報処理も実行できるように構成されている。具体的には、前記情報センター3では、前記現在地検出センサ12によって検出された車両Vの現在位置に基づいて該車両Vが移動停止したかどうかを判定し、移動停止が検出された場合にその周辺の施設を前記施設情報メモリ45から読み出して、その読み出した周辺施設の属するジャンルの中から、所定距離以上、遠くに位置する地点のお気に入り地点情報が車載ナビゲーション装置1に対応して前記お気に入り地点情報メモリ46内に記憶されているジャンルのみを選別するようになっている。なお、ジャンルを選別する際に、まず、所定距離範囲内にお気に入り地点情報が記憶されているジャンルのみを選別してから、所定距離以上、遠くに位置する地点のお気に入り地点情報が記憶されているジャンルを選別するように構成されていてもよい。
【0050】
そして、前記情報センター3では、前記選別されたジャンルのお気に入り地点情報を共有するかどうかを車載ナビゲーション装置1の利用者に確認して、情報共有する場合には、利用者が情報共有すると選択したジャンルのお気に入り地点情報が車載ナビゲーション装置2に対応して記憶されているかどうかを判定し、記憶されていれば、利用者間で情報共有を行うようになっている。すなわち、車載ナビゲーション装置1に対応して記憶されているお気に入り地点情報を車載ナビゲーション装置2に送信するとともに、該車載ナビゲーション装置2に対応して記憶されているお気に入り地点情報を車載ナビゲーション装置1に送信して、互いの情報を共有させる。どちらか一方でも共有不可であれば、お気に入り地点情報の共有は行われない。
【0051】
なお、上述の車載ナビゲーション装置1の車載ナビCPU11で情報共有を行う場合と同様、利用者の周辺に情報共有可能な他の利用者がいることを確認した後、該利用者に情報共有を行うかどうかの確認(共有するジャンルの選択)を行うようにしてもよい。
【0052】
このように、情報センター3で周辺施設のジャンルの読み出しや、ジャンルの選別、お気に入り地点情報の共有等を行うことにより、車載ナビゲーション装置1,2で情報処理を行う場合に比べて高速処理が可能になるため、利用者間でより多くの情報を迅速に共有することができるとともに、複数の車載ナビゲーション装置間でも情報共有をスムーズに行えるようになる。
【0053】
次に、前記車載ナビゲーション装置1の構成要素のうち、情報共有の対象となるお気に入り地点情報を記憶するお気に入り地点情報メモリ17について以下で詳細に説明する。なお、上述の情報センター3に設けられたお気に入り地点情報メモリ17も同様の構成であるため、説明は省略する。
【0054】
前記お気に入り地点情報メモリ17は、図4(a)に示すようなお気に入り地点情報を記憶するためのものであり、施設名、ディスプレイ15に表示するアイコンの種別、その施設のジャンル(施設種別)、その施設の位置情報(緯度、経度など)、その他の詳細情報などが記憶される。また、前記お気に入り地点情報メモリ17には、他の車載ナビゲーション装置2と情報共有してもよいかどうか(紹介可否)や、そのお気に入り地点情報のステータスなども記憶される。そして、お気に入り地点情報が前記車載ナビゲーション装置1のディスプレイ15に表示される場合には、図5に示すように、地図データ上にお気に入り地点の名称(施設名)や、施設種別等を示すアイコン、詳細情報を表示させるためのアイコン等が表示される。なお、前記図5は、車載ナビゲーション装置1のディスプレイ15に表示される画面の一例を示しており、該車載ナビゲーション装置1の現在位置は車両の形状をしたアイコンによって表示されている。
【0055】
そして、前記お気に入り地点情報メモリ17では、図4(b)に示すように、お気に入り地点情報についての共有設定を予め設定できるようになっている。詳しくは、操作スイッチ16によって所定の操作を行うことで、ディスプレイ15に前記図4(b)に示すような情報共有設定という画面が表示され、その画面上で、各お気に入り地点の紹介可否、すなわち他の車載ナビゲーション装置2と情報共有してもよいかどうかを選択できるようになっている。また、他の車載ナビゲーション装置2と情報共有を開始する前に利用者に共有開始の可否を確認する、図12に示すような事前案内の要否も設定できるようになっている。
【0056】
なお、前記お気に入り地点情報メモリ17において、施設名、アイコン種別、施設種別、位置情報及び詳細情報は、お気に入り地点を登録する際に、該地点とともに記憶されるもので、図4(b)に示す情報共有設定の際に、改めて登録する必要はない。
【0057】
上述の情報共有設定について以下で詳細に説明すると、同じジャンル内で、2箇所以上の地点の情報を共有可に設定した場合、他のナビゲーション装置2との間で情報共有可能なジャンルとして認識され、共有可に設定された地点のうち、2箇所以上の地点に利用者が行ったことがある場合には、情報共有可能ジャンルとして登録される。一方、情報共有可能と設定した地点が2箇所以上ある場合でも、利用者の行ったことのある地点が2箇所以上ない場合には、情報共有準備中のジャンルとして登録される(例えば、図4(b)に示す「飲食→中華」)。
【0058】
ここで、図4に示すように、利用者が行ったことがあると判断される(例えば、目的地設定をしたことがある場合やその周囲近辺で車両Vの停止が検出され、利用者が立ち寄ったと判断される場合など)地点は、ステータスが正式と表示される一方、利用者が行ったことのない地点であれば、ステータスは仮と表示される。なお、各施設のステータスは、前記図4(b)に示す情報共有設定画面において、変更することもできる。こうすれば、他の利用者に紹介したいと思っている場所に実際に行ったことがなくても、ステータスを正式に変更することで、情報提供が可能となる。
【0059】
また、情報共有準備中ジャンルとして登録されたジャンルは、そのジャンルに属する地点のうち、2箇所以上の地点に利用者が行ったと判定される、すなわち2箇所以上の地点でステータスが正式になると、情報共有可能ジャンルとして登録され、他の車載ナビゲーション装置との情報共有が可能となる。
【0060】
なお、上述のように、同じジャンルで2つ以上の施設が紹介可と設定され、且つステータスが正式であることを必要としたのは、後述するように、他の利用者との嗜好性の類似を判断するために少なくとも一つの施設のお気に入り地点情報が必要であり、その類似判断で用いた施設とは別に、他の利用者に情報提供するための少なくとも一つの施設のお気に入り地点情報が必要となる場合があるからである。
【0061】
このように、他の利用者と情報共有が可能と設定され、且つ利用者が行ったことのある地点のお気に入り地点情報のみを、他のナビゲーション装置と情報共有させることで、各利用者の嗜好性を反映した確かな情報だけを情報共有の対象とすることが可能になる。
【0062】
−ナビゲーションシステムの動作−
前記ナビゲーションシステムAの動作フローの一例を図6及び図7に示し、以下で詳しく説明する。なお、以下の説明では車載ナビゲーション装置1の動作フローについてのみ説明するが、情報共有する相手である車載ナビゲーション装置2でも同様の制御が行われているものとする。また、以下の動作は情報センター3で行われるようにしてもよい。
【0063】
図6のフローがスタートすると、まず、ステップSA1において、お気に入り地点情報メモリ17にお気に入り地点情報を登録する操作があったかどうかを判定する。このステップSA1において、お気に入り地点情報登録の操作がないと判定された場合(NOの場合)は、続くステップSA3へ進んでお気に入り地点の読み出し操作があったかどうかを判定する一方、登録操作があったと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA2へ進んで、図4(a)に示すようなお気に入り地点情報をお気に入り地点情報メモリ17に登録した後、前記ステップSA3へと進む。ここで、前記ステップSA2におけるお気に入り地点情報の登録は、車載ナビゲーション装置1において施設一覧から検索して該当する施設を選択するか、お気に入り地点が現在位置周辺の場合には周辺施設を検索して該当する施設を選択することによって行われる。
【0064】
前記ステップSA3において、お気に入り地点の読み出し操作が行われなかったと判定された場合(NOの場合)には、続くステップSA5へ進んで、情報共有の設定操作が行われたかどうかを判定する。一方、前記ステップSA3でお気に入り地点の読み出し操作が行われたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA4へ進み、お気に入り地点の情報を読み出すとともに、ディスプレイ15に表示する。ここで、お気に入り地点の表示は、利用者の操作に応じて、お気に入り地点の情報を一覧表示する場合や地図データ上に重畳表示することによって行われ、そのお気に入り地点を目的地として設定することもできるようになっている。
【0065】
前記ステップSA5は、図4(b)に示すような情報共有設定画面をディスプレイ14に表示させる操作が行われたかどうかを判定するもので、該ステップSA5で情報共有の設定操作が行われたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA6に進み、前記情報共有設定画面で各お気に入り地点の情報について情報共有するかどうかや、後述するステップSA10において情報共有前の事前案内を行うかどうかなどの各種設定を行う。
【0066】
前記ステップSA6で情報共有設定した後、及び前記ステップSA5で情報共有の設定操作が行われなかったと判定された場合(NOの場合)には、図7に示すステップSA7以降に進んで、現在位置周辺の施設のジャンルの中から情報共有するジャンルを選別し、他のナビゲーション装置2との間でお気に入り地点情報の共有を行う。
【0067】
ステップSA7以降のフローについて以下で詳しく説明すると、まず、ステップSA7において、車両Vが停車した、すなわち利用者が周辺施設に立ち寄ったと判断されるような所定操作があったかどうかを判定する。具体的には、車両Vが停車したか、イグニッションキーがオフの位置になったか、ドアロックの操作が行われたかなどによって判断される。このステップSA7において、所定操作が行われなかったと判定された場合(NOの場合)には、利用者は周辺施設に立ち寄っていないものと判断し、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する。一方、前記ステップSA7で所定操作が行われたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA8に進んで、現在位置周辺の施設のジャンルを読み出す。具体的には、車載ナビゲーション装置1の現在地検出センサ12によって検出された現在位置に基づいて、施設情報メモリ14から周辺施設のジャンルをすべて読み出す。
【0068】
続くステップSA9では、前記ステップSA8で読み出された周辺施設のジャンルのうち、少なくとも一つのジャンルでお気に入り地点情報が登録されていて、且つそのお気に入り地点情報の登録されている地点が所定距離以上、遠方(所定距離の範囲より外側)に位置しているかどうかを判定する。すなわち、このステップSA9では、利用者が立ち寄っていると思われる周辺施設の中に、お気に入り地点情報の登録されているジャンルに属するものがあるかどうかを判定するとともに、そのような周辺施設が存在しているのであれば、そのジャンルに登録されているお気に入り地点情報のうち、他のナビゲーション装置2に提供できるような情報があるかどうかを判定している。なお、所定距離以上、遠方とは、車載ナビゲーション装置1の利用者が、周辺施設に立ち寄っていると思われる範囲よりも遠方であることを意味している。
【0069】
前記ステップSA9において、周辺施設のジャンルと同じジャンルで、所定距離以上、遠方に位置する地点のお気に入り地点情報が登録されていないと判定された場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再度このフローを開始する一方、そのようなお気に入り地点情報が登録されていると判定された場合(YESの場合)には、ステップSA10に進んで、図12に示すようなお気に入り地点情報の共有を確認するための案内表示を行う。このステップSA10では、前記ステップSA9において該当すると判断されたすべてのジャンルが利用者(操作者)に提示されるようになっていて、利利用者は、それぞれのジャンルでお気に入り地点情報を共有するか否かを選択できるようになっている。
【0070】
なお、前記ステップSA10で行われる情報共有可否の案内は、上述のステップSA6での情報共有設定において事前案内を要に設定した場合にのみ行われ、一旦、共有可と選択されたジャンルについては、次回から利用者に案内することなく情報共有が行われるものとする。これにより、毎回、同じジャンルを選択する手間がなくなり、利用者の利便性を向上することができる。
【0071】
続いてステップSA11では、前記ステップSA10において利用者に案内される画面(図12参照)で、情報共有する旨の選択があったかどうかを判定する。このステップSA11で情報共有する旨の選択がなかった場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する一方、一つのジャンルでも情報共有する旨の選択があった場合には、ステップSA12に進み、他の車載ナビゲーション装置2との間で、情報共有する旨の選択がされたジャンルのお気に入り地点情報を共有する。
【0072】
詳しくは、前記ステップSA12では、同様に停車状態にある他の車載ナビゲーション装置2との間で近距離通信無線機18を介して通信を行うことで、車載ナビゲーション装置1の利用者によって情報共有する旨の選択がされたジャンルについて、前記他の車載ナビゲーション装置2にお気に入り地点情報が記憶されているか、記憶されている場合には情報共有可能なジャンルとして設定されているかの確認を行う。すなわち、車載ナビゲーション装置1の利用者が共有を希望しているジャンルに関して、他の車載ナビゲーション装置2の利用者も情報共有を可とするかどうかの確認を行って、該他の車載ナビゲーション装置2の利用者も共有可の選択をしている場合にのみ情報共有が行われるようになっている。このように情報共有によって取得したお気に入り地点情報は、ステータスが仮の状態で前記お気に入り地点情報メモリ17に記憶される。
【0073】
このように、情報共有する前に各利用者の意思を確認することで、情報共有を希望しない場合でも強制的に情報共有が行われるのを防止することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0074】
上述のように前記ステップSA12で他のナビゲーション装置2と情報共有した後は、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する。
【0075】
ここで、車両Vの停車に関する所定操作が行われたかどうかによって、利用者が周辺施設に立ち寄っているかどうかを判定するステップSA7が移動停止検出手段(情報センター3の場合には移動停止判定手段)に、現在地周辺の施設のジャンルを読み出すステップSA8がジャンル読み出し手段に、周辺施設のジャンルの中にお気に入り地点情報が登録されているジャンルがあるかどうかを判定し、選別するステップSA9がジャンル選別手段に、それぞれ対応している。
【0076】
また、利用者に情報共有可能なジャンルを選択させるステップSA10及びSA11がジャンル選択手段に、選択されたジャンルについて他のナビゲーション装置2にもお気に入り地点情報が記憶されていて、共有可能に設定されているかどうかを確認するステップSA12が共有確認手段に、お気に入り地点情報を他のナビゲーション装置2との間で共有させるステップSA12が情報共有手段に、それぞれ対応している。
【0077】
以上より、本実施形態では、車両の停止動作等に基づいて利用者が周辺施設に立ち寄ったと判定された場合に、その周辺施設のジャンルをすべて読み出して、その中にお気に入り地点情報の記憶されているジャンルが含まれているかどうか、含まれている場合には、そのお気に入り地点が所定距離以上、遠方に位置しているかどうかを判定することで、現在、利用者が立ち寄っている可能性の高い周辺施設のジャンル、すなわち該利用者の嗜好を推測することができるとともに、他の利用者に情報提供する価値のあるジャンルだけを選別することができるため、他の利用者との間で利用者の嗜好に応じた有益なお気に入り地点情報のみを共有することができる。
【0078】
なお、近距離無線通信の可能な範囲に位置している他の車載ナビゲーション装置2において、上述のように車載ナビゲーション装置1で選択されたジャンルと同じジャンルのお気に入り地点情報が登録されているかどうかを確認することで、該他の車載ナビゲーション装置2の利用者も車載ナビゲーション装置1の利用者と同じジャンルの施設に立ち寄っている可能性があるかどうかの判定を行うことができるとともに、利用者間の嗜好性の類似を判断することができる。
【0079】
したがって、利用者が目的地設定を行っていなくても嗜好の似た利用者間で情報共有を行うことができるため、利用者の利便性を向上することができる。
【0080】
さらに、情報共有を行う際に利用者の意思を確認するようにしたため、利用者の意に反した情報共有を防止することができる。
【0081】
−実施形態1の変形例−
上述の実施形態1では、利用者が周辺施設に立ち寄ったと判定された場合(ステップSA7で所定操作があった場合)に、現在位置周辺の施設のジャンルを読み出す(ステップSA8)とともに、そのうちの少なくとも一つのジャンルのお気に入り地点情報がお気に入り地点情報メモリ17に記憶されていて、そのお気に入り地点が所定距離以上、遠方にあるかどうかを確認している(ステップSA9)が、図8に示すように、現在位置周辺の所定距離の範囲(利用者が立ち寄る可能性のある範囲)内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルの施設があるかどうかを確認した後、他の利用者に提供できるような情報があるかどうかを確認するようにしてもよい。
【0082】
具体的には、利用者が周辺施設に立ち寄ったと判断される場合(図7のステップSA7でYESの場合)には、ステップSA8’に進んで、現在位置周辺の所定距離の範囲内に、お気に入り地点情報メモリ17にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルに属する施設があるかどうかを判定する。このステップSA8’で周辺にお気に入り地点情報の登録されたジャンルに属する施設がないと判定された場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する。
【0083】
一方、前記ステップSA8’で所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の登録されたジャンルに属する施設があると判定された場合(YESの場合)には、続くステップSA9’において、前記ジャンルの中で情報提供可能なお気に入り地点情報があるかどうかを判定する。すなわち、このステップSA9’では、前記ステップSA8’においてお気に入り地点情報が登録されたジャンルに属する施設があるかどうかを判定する際に基準となった施設の情報以外に、他の利用者に提供できるような施設の情報(例えば、所定距離以上、遠方に位置する地点のお気に入り地点情報など)があるかどうかを判定している。したがって、お気に入り地点情報メモリ17には、前記ステップSA8’で判定するためのお気に入り地点情報と、前記ステップSA9’で情報提供可能なお気に入り地点情報との少なくとも2つのお気に入り地点情報が必要となる。
【0084】
そして、前記ステップSA9’で情報提供可能なお気に入り地点情報があると判定された場合(YESの場合)には、上述の実施形態1と同様に、ステップSA10以降に進んで、利用者に情報共有するかどうかを選択させて、情報共有すると選択された場合には、情報共有可能な他の車載ナビゲーション装置2との間でお気に入り地点情報を共有する。
【0085】
なお、この実施形態の場合には、前記ステップSA8’において、現在位置から所定距離の範囲内にある施設のジャンルの中から、お気に入り地点情報の記憶されているものがあるかどうかを判定しており、利用者の嗜好を精度良く推測することができるため、上述の実施形態2のステップSA10のように利用者に共有確認することなく、情報共有するようにしてもよい。
【0086】
ここで、現在位置から所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルに属する施設があるかどうかを判定するステップSA8’がジャンル判定手段に、そのジャンルの中に、所定距離以上、遠方に位置する地点のお気に入り地点情報が記憶されているジャンルがあるかどうかを判定するステップSA9’がジャンル選別手段に、それぞれ対応している。
【0087】
このように、現在位置から所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の登録されたジャンルに属する施設があるかどうかを判定することで、利用者が立ち寄っている施設のジャンルをより精度良く推測することができる。そして、そのジャンルにおいて他の利用者と情報共有することで、利用者の嗜好をより反映した情報共有が可能となる。
【0088】
しかも、現在位置から所定距離の範囲内でお気に入り地点情報の登録されたジャンルの施設は、利用者及び他の利用者も立ち寄っているものと考えられるため、同一のジャンルで、現在地周辺ではなく、所定距離以上、離れたお気に入り地点の情報を共有させることにより、嗜好の類似した利用者間で互いに有益な情報を共有することが可能となる。
【0089】
なお、本実施形態の場合、前記ステップSA8’において、現在位置周辺の所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルに属する施設があるか否かの判定を行うようにしているが、この限りではなく、現在地周辺にお気に入り地点情報の記憶された施設があるかどうかを判定して、その施設の属するジャンルを現在位置周辺のジャンルの中から選別するようにしてもよい。これにより、利用者が立ち寄ったと思われる施設をより精度良く推測できるとともに、その施設に立ち寄ったと思われる他の利用者、すなわち嗜好の極めて類似した他の利用者と情報共有を行う場合には、利用者にとって極めて有益な情報のみを効率良く得ることができる。
【0090】
(実施形態2)
この実施形態2は、図9に示すように、周辺に情報共有できそうな他の車両V’(車載ナビゲーション装置2)がいるかどうかを検出し、そのような車両が存在する場合にだけ、利用者に情報共有するかどうかを選択させるようにしたものである。そのため、上述の実施形態1とは、利用者に情報共有するかどうかを選択させる前に、情報共有のできそうな他の車両V’を検索する点が異なるだけなので、実施形態1と異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。なお、図9に示すステップSB1以前は、上述の実施形態1のステップSA1〜SA6(図6参照)と同一であるため、説明及び図示を省略する。
【0091】
すなわち、図9のフローでは、上述の実施形態1と同様に、ステップSB1で、車両停止の所定操作(停車、イグニッションキーがオフの位置、ドアロック等)が行われたかどうか、すなわち利用者が周辺施設に立ち寄ったかどうかの判定を行う。そして、前記ステップSB1で所定操作が行われなかったと判定された場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する一方、所定操作が行われたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSB2へ進んで、上述の実施形態1と同様に、現在位置周辺の施設のジャンルをすべて読み出すとともに、続くステップSB3で、読み出された周辺施設のジャンルについてお気に入り地点情報が記憶されていて、そのお気に入り地点が所定距離以上、遠方にあるかどうかを判定する。
【0092】
前記ステップSB3で、該当するジャンルがないと判定された場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する一方、該当するジャンルがあると判定された場合(YESの場合)には、ステップSB4へ進み、その該当するジャンルにおいてお気に入り地点情報を登録している他の車両V’(車載ナビゲーション装置2)が周辺にいるかどうかを検索する。そして、該当する車両がいた場合(ステップSB5でYESの場合)には、ステップSB6へ進んで情報共有するかどうかの案内を利用者に表示する。この該当する車両の検索は、周辺に該当する車両が見つかる(検索ヒットする)まで、若しくは利用者の周辺施設への立ち寄り終了が検出されるまで続けられる。なお、利用者の周辺施設への立ち寄り終了は、イグニッションキーがONの位置にあるときやドアロックの解除動作を検出したとき、車両Vの走行開始が検出されたとき、すなわち利用者の車両Vへの乗車を検出することによって判定される。
【0093】
ここで、前記ステップSB6で行われる情報共有についての案内は、最初、車載ナビゲーション装置1のディスプレイ15上に表示され、何も操作がなければ、利用者が車両Vに乗車していないものとして携帯端末19のディスプレイ上に表示されるように構成されている。これにより、利用者が車両Vから離れた場所にいる場合でも、車両Vの周辺に情報提供可能な車両が近づいていきた場合には、迅速に情報共有の操作を行うことができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0094】
前記ステップSB6で利用者に情報共有するかどうかの案内が行われた後、続くステップSB7では利用者が情報共有の選択をしたかどうかの判定を行い、このステップSB7で利用者による選択操作があったと判定された場合(YESの場合)には、ステップSB8へ進み、他の車両V’に搭載された車載ナビゲーション装置2でも同じジャンルのお気に入り地点情報が登録されていて、情報共有可能に設定されているかどうかの判定を行う。なお、前記ステップB7で利用者による情報共有の選択操作があるまで、前記ステップSB4〜SB6のフローは繰り返されて、情報共有可能な周辺車両の検出及び利用者への情報共有可否の案内が行われる。
【0095】
前記ステップSB8において、他の車載ナビゲーション装置2に情報共有可能なジャンルがないと設定された場合(NOの場合)には、その利用者とは情報共有できないため、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する。一方、前記ステップSB8で他の車両V’(車載ナビゲーション装置2)に情報共有可能なジャンルがあると設定された場合(YESの場合)には、ステップSB9へ進んで、その車両との間で利用者の選択したジャンルのお気に入り地点情報を共有した後、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する。
【0096】
ここで、現在地周辺に、車載ナビゲーション装置1が情報提供可能なジャンルと同じジャンルのお気に入り地点情報が記憶されている他の車載ナビゲーション装置2が位置しているかどうかを検索するステップSB4及びSB5がナビゲーション装置検出手段に、そのような車載ナビゲーション装置が現在位置周辺に位置している場合に利用者に情報共有の可否を選択させるステップSB6及びSB7がジャンル選択手段に、それぞれ対応している。
【0097】
以上より、この実施形態では、利用者に情報共有するか否かの選択をさせる前に、情報共有できる車両が周辺に存在するかどうかを検索するようにしているため、頻繁に利用者に選択操作をさせることがなく、必要な場合にだけ選択操作を行わせることができるので、利用者の利便性を向上することができる。
【0098】
−実施形態2の変形例−
上述の実施形態2では、利用者が周辺施設に立ち寄ったと判定された場合(ステップSB7で所定操作があった場合)に、現在位置周辺の施設のジャンルを読み出す(ステップSB8)とともに、そのうちの少なくとも一つのジャンルのお気に入り地点情報がお気に入り地点情報メモリ17に記憶されていて、そのお気に入り地点が所定距離以上、遠方にあるかどうかを確認している(ステップSB9)が、上述の実施形態1の変形例と同様、図10に示すように、現在位置から所定距離の範囲(利用者が立ち寄る可能性のある範囲)内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルに属する施設があるかどうかを確認した後、他の利用者に提供できるような情報があるかどうかを確認するようにしてもよい。
【0099】
具体的には、利用者が周辺施設に立ち寄ったと判断される場合(ステップSB1でYESの場合)には、ステップSB2’に進んで、現在地位置から所定距離の範囲内に、お気に入り地点情報メモリ17にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルに属する施設があるかどうかを判定する。このステップSB2’で周辺にお気に入り地点情報の登録されたジャンルに属する施設がないと判定された場合(NOの場合)には、スタートに戻って(リターン)、再びこのフローを開始する。
【0100】
一方、前記ステップSB2’で現在位置から所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の登録されたジャンルに属する施設があると判定された場合(YESの場合)には、続くステップSB3’で、前記ジャンルの中で情報提供可能なお気に入り地点情報があるかどうかを判定する。すなわち、このステップSB3’では、前記ステップSB2’においてお気に入り地点情報が登録されたジャンルの施設があるかどうかを判定する際に基準となった施設の情報以外に、他の利用者に提供できるような施設の情報(例えば、所定距離以上、遠方に位置する地点のお気に入り地点情報など)があるかどうかを判定している。
【0101】
そして、前記ステップSB3’で情報提供可能なお気に入り地点情報があると判定された場合(YESの場合)には、上述の実施形態2と同様、ステップSB4以降に進んで、利用者に情報共有するかどうかを選択させて、情報共有すると選択された場合には、情報共有可能な他の車載ナビゲーション装置2との間でお気に入り地点情報を共有する。
【0102】
ここで、現在位置から所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルに属する施設があるかどうかを判定するステップSB2’がジャンル判定手段に、そのジャンルの中に、所定距離以上、遠方に位置する地点のお気に入り地点情報が記憶されているジャンルがあるかどうかを判定するステップSB3’がジャンル選別手段に、それぞれ対応している。
【0103】
このように、現在位置から所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の登録されたジャンルに属する施設があるかどうかを判定することで、利用者が立ち寄っている施設のジャンルをより精度良く推測することができる。そして、そのジャンルにおいて他の利用者と情報共有することで、利用者の嗜好をより反映した情報共有が可能となる。
【0104】
しかも、現在位置から所定距離の範囲内でお気に入り地点情報の登録されたジャンルの施設は、利用者及び他の利用者も立ち寄っているものと考えられるため、同一のジャンルで、現在地周辺ではなく、所定距離以上、離れたお気に入り地点の情報を共有させることにより、嗜好の類似した利用者間で互いに有益な情報を共有することが可能となる。
【0105】
なお、本実施形態の場合、前記ステップSB2’において、現在位置周辺の所定距離の範囲内にお気に入り地点情報の記憶されたジャンルに属する施設があるか否かの判定を行うようにしているが、この限りではなく、現在地周辺にお気に入り地点情報の記憶された施設があるかどうかを判定して、その施設の属するジャンルを現在位置周辺のジャンルの中から選別するようにしてもよい。これにより、利用者が立ち寄ったと思われる施設をより精度良く推測できるとともに、その施設に立ち寄ったと思われる他の利用者、すなわち嗜好の極めて類似した他の利用者と情報共有を行う場合には、利用者にとって極めて有益な情報のみを効率良く得ることができる。
【0106】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、車載ナビゲーション装置1,2間でお気に入り地点情報を共有するようにしているが、この限りではなく、例えば図1〜図3及び図11に示すように、ナビゲーション機能付きの携帯端末19,39同士でお気に入り地点情報を共有するようにしてもよい。なお、前記図11は、上述の実施形態2の動作を携帯端末19,39同士で行うようにしたものだが、実施形態2の変形例や実施形態1、該実施形態1の変形例のような動作をさせるようにしてもよい。
【0107】
ここで、前記図11のステップSC1では、利用者が周辺施設に立ち寄ったかどうかを判定するようにしているが、この周辺施設への立ち寄りは、携帯端末19の現在位置が周辺施設の位置にあるかどうかや現在位置が所定時間、変化していないかどうかなど、によって検出されるようになっている。また、ステップSC4及びSC5で情報共有可能な他の携帯端末39を検索して、該当する携帯端末が見つかったかどうかを判定するようにしているが、この検索は、携帯端末19の現在位置の移動等によって利用者による周辺施設への立ち寄りが終了したと検出されるまで行われるようになっている。
【0108】
このように、利用者の携帯する携帯端末19によって、施設への立ち寄りを検出したり、他の携帯端末39との情報共有を行うことで、利用者の嗜好性をより的確に判断して、より有益な情報を共有することができ、利用者の利便性をさらに向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
以上説明したように、本発明における移動体用ナビゲーション装置は、目的地設定することなく利用者の嗜好性を把握し、その嗜好性に応じて他の利用者と情報共有することができるから、例えば、お気に入り地点情報を登録することのできる車載ナビゲーション装置や携帯端末などに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの全体構成を示す概略図である。
【図2】車載ナビゲーション装置間若しくは携帯端末間でお気に入り地点情報を共有する場合の一例を示す説明図である。
【図3】車載ナビゲーション装置間若しくは携帯端末間でお気に入り地点情報を共有する場合の情報の送受信の様子を示す説明図である。
【図4】(a)お気に入り地点情報メモリの記憶内容、(b)お気に入り地点情報の情報共有設定画面の一例、をそれぞれ示す図である。
【図5】お気に入り地点情報の表示画面の一例を示す図である。
【図6】ナビゲーション装置の動作(前半)の一例を示すフローである。
【図7】実施形態1に係るナビゲーション装置の動作(後半)の一例を示すフローである。
【図8】実施形態1の変形例に係るナビゲーション装置の動作を示す図7相当図である。
【図9】実施形態2に係るナビゲーション装置の動作を示す図7相当図である。
【図10】実施形態2の変形例に係るナビゲーション装置の動作を示す図7相当図である。
【図11】その他の実施形態に係る携帯端末の動作を示す図7相当図である。
【図12】利用者に情報共有するかどうかの選択をさせる際の情報共有機能可否選択画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
A ナビゲーションシステム
V,V’ 車両
1,2 車載ナビゲーション装置
3 情報センター(情報支援サーバ)
11,31 車載ナビCPU
12,32 現在地検出センサ
14,34,45 施設情報メモリ(施設情報記憶手段)
17,37,46 お気に入り地点情報メモリ(お気に入り情報記憶手段)
18,38 近距離無線通信機(通信手段)
19,39 携帯端末
20,40 車載通信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の設定したお気に入り地点の情報をジャンル毎に記憶するためのお気に入り情報記憶手段と、情報の通信を行うための通信手段と、を備えた移動体用ナビゲーション装置であって、
所定の施設の位置情報をそのジャンルとともに記憶した施設情報記憶手段と、
移動体の移動停止を検出する移動停止検出手段と、
前記移動停止検出手段によって移動体の移動停止が検出された場合に、前記施設情報記憶手段に記憶されている現在位置周辺の施設のジャンルを読み出すジャンル読み出し手段と、
前記ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、前記お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報が記憶されているジャンルを選別するジャンル選別手段と、
前記ジャンル選別手段によって選別されたジャンルのうち、他のナビゲーション装置との情報共有を許可するジャンルを利用者に選択させるジャンル選択手段と、
前記お気に入り情報記憶手段に記憶されたお気に入り地点情報のうち、前記ジャンル選択手段で利用者が選択したジャンルのものを、前記通信手段を介して前記他のナビゲーション装置との間で情報共有可能にする情報共有手段とを備えていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
情報共有手段は、
ジャンル選択手段で選択されたジャンルのうち少なくとも一つのジャンルのお気に入り地点情報が、他のナビゲーション装置において共有可能とされていることを、通信手段を介して確認する共有確認手段を備え、
前記共有確認手段によって共有可能であると確認されたジャンルのお気に入り地点情報を、前記通信手段を介して前記他のナビゲーション装置との間で共有可能にするように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一つにおいて、
ジャンル読み出し手段によって読み出された現在位置周辺の施設のジャンルのうち、少なくとも一つのジャンルが現在位置から所定距離の範囲内に位置し、お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルと一致しているかどうかを判定するジャンル判定手段を備えていて、
ジャンル選別手段は、前記ジャンル判定手段によって前記所定範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルを選別するように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3において、
ジャンル選別手段は、ジャンル判定手段によって現在位置から所定距離の範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルであって、且つ前記所定範囲の外側に位置するもののみを選別するように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1または2のいずれか一つにおいて、
ジャンル選別手段は、ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、現在位置周辺に位置し且つお気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルを選別することを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
ジャンル選別手段によって選別されたジャンルのお気に入り地点情報が記憶されている他のナビゲーション装置が、現在位置周辺に位置していることを検出するナビゲーション装置検出手段を備えていて、
ジャンル選択手段は、前記ナビゲーション装置検出手段によって前記他のナビゲーション装置が現在位置周辺にいることが検出された場合に、該他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを利用者に選択させるように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6において、
ナビゲーション装置は、利用者の携帯端末と通信可能に構成されていて、
ジャンル選択手段は、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルを前記携帯端末に表示させるとともに、他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを前記携帯端末を介して利用者に選択させるように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。
【請求項8】
複数の移動体に搭載されたナビゲーション装置との間で情報を送受信するための通信手段を備えた情報支援サーバであって、
所定の施設の位置情報が記憶されている施設情報記憶手段と、
前記複数のナビゲーション装置からそれぞれ前記通信手段を介して受信した利用者のお気に入り地点の情報を、ジャンル毎に記憶するためのお気に入り情報記憶手段と、
前記いずれか一つの移動体の移動停止時に、ナビゲーション装置から前記通信手段を介して受信した現在位置の情報に基づいて、前記施設情報記憶手段に情報の記憶されている現在位置周辺の施設のジャンルを読み出すジャンル読み出し手段と、
前記ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、前記お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報が記憶されているジャンルを選別するジャンル選別手段と、
前記ジャンル選別手段によって選別されたジャンルを前記移動停止した移動体のナビゲーション装置に表示させて、その中から他のナビゲーション装置との間で情報共有を許可するジャンルを利用者に選択させるジャンル選択手段と、
前記お気に入り情報記憶手段に記憶されているお気に入り地点情報のうち、前記ジャンル選択手段によって利用者が選択したジャンルの情報を、前記通信手段を介して前記他のナビゲーション装置との間で情報共有可能にする情報共有手段とを備えていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置のための情報支援サーバ。
【請求項9】
請求項8において、
ジャンル読み出し手段によって読み出された現在位置周辺の施設のジャンルのうち、少なくとも一つのジャンルが現在位置から所定距離の範囲内に位置し、お気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルと一致しているかどうかを判定するジャンル判定手段を備えていて、
ジャンル選別手段は、前記ジャンル判定手段によって前記所定範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルを選別するように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置のための情報支援サーバ。
【請求項10】
請求項9において、
ジャンル選別手段は、ジャンル判定手段によって現在位置から所定距離の範囲内に一致しているジャンルがあると判定された場合に、その一致しているジャンルであって、且つ前記所定範囲の外側に位置するもののみを選別するように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置のための情報支援サーバ。
【請求項11】
請求項8において、
ジャンル選別手段は、ジャンル読み出し手段によって読み出された周辺施設のジャンルの中から、現在位置周辺に位置し且つお気に入り情報記憶手段にお気に入り地点情報の記憶されている施設のジャンルを選別することを特徴とする移動体用ナビゲーション装置のための情報支援サーバ。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一つにおいて、
移動停止したナビゲーション装置の現在位置周辺に、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルのお気に入り地点情報が記憶されている他のナビゲーション装置が位置していることを検出するナビゲーション装置検出手段を備えていて、
ジャンル選択手段は、前記ナビゲーション装置検出手段によって前記他のナビゲーション装置が周辺にいることが検出された場合に、該他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを利用者に選択させるように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置のための情報支援サーバ。
【請求項13】
請求項12において、
ナビゲーション装置は、利用者の携帯端末と通信可能に構成されていて、
ジャンル選択手段は、ジャンル選別手段によって選別されたジャンルを前記携帯端末に表示させるとともに、他のナビゲーション装置と情報共有するジャンルを前記携帯端末を介して利用者に選択させるように構成されていることを特徴とする移動体用ナビゲーション装置のための情報支援サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−133182(P2006−133182A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325397(P2004−325397)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】